JP6004849B2 - ハロゲン化アルミニウムガスの製造方法 - Google Patents

ハロゲン化アルミニウムガスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ハロゲン化アルミニウムガスの新規な製造方法に関するものである。詳しくは、アルミニウムとハロゲン系ガスとを反応させてハロゲン化アルミニウムガスを製造する新規な方法であって、ハロゲン化アルミニウムガスの中の一ハロゲン化アルミニウムガスの含有量を低減し、アルミニウム系III族窒化物単結晶の製造用原料として好適な三ハロゲン化アルミニウムガスの割合を増加させる新規な方法である。
三ハロゲン化アルミニウムガス、例えば、三塩化アルミニウムガス、三臭化アルミニウムガスは、アルミニウム成分がドープされた光ファイバの原料、アルミニウムを含むIII族窒化物単結晶(アルミニウム系III族窒化物単結晶)の原料として広く使用されている。このような用途の中でも、アルミニウム系III族窒化物単結晶は、バンドギャップ(禁制帯幅)エネルギーが大きいため、紫外線領域の短波長発光が可能となり、白色光源用の紫外発光ダイオード、殺菌用の紫外発光ダイオード、高密度光ディスクメモリの読み書きに利用できるレーザー、通信用レーザーなどの発光光源として利用することが期待されている。そのため、三ハロゲン化アルミニウムガスは、これらの用途に使用できる高純度のものが必要とされている。
三ハロゲン化アルミニウムガスを使用してアルミニウム系III族窒化物単結晶を製造する方法としては、ハイドライド気相エピタキシー(HVPE:Hydride Vaper Phase Epitaxy)法が知られている。この方法は、例えば、三塩化アルミニウムガスと窒素源ガス(例えば、アンモニアガス)とを反応させて、単結晶を製造する方法であり、厚膜の単結晶を成長させる方法に適している。
三ハロゲン化アルミニウムガスは、アルミニウムとハロゲン系ガスとを反応させることにより製造できる。通常、アルミニウムとハロゲン系ガスとを反応させると、三ハロゲン化アルミニウムガスの他、一ハロゲン化アルミニウムガスのようなアルミニウムとして析出し易いガスを含む、ハロゲン化アルミニウムガスが得られる。このようなハロゲン化アルミニウムガスをHVPE法の原料ガスに使用すると、単結晶の原料として使用されるまでに、一ハロゲン化アルミニウムガスがアルミニウムに変換される場合がある。装置内で該アルミニウムが析出すると、単結晶の成長に悪影響を及ぼす場合がある。つまり、析出したアルミニウムが三ハロゲン化アルミニウムガスと共に単結晶成長部へ輸送されると、該単結晶の成長に悪影響を及ぼす可能性がある。該単結晶の成長は、繊細な反応であるため、不純物の混入をなるべく避ける必要がある。
厚膜のアルミニウム系III族窒化物単結晶を製造するためのHVPE装置として、次に示す二つのタイプの装置が知られている。第一のタイプの装置は、石英製の装置本体中に、ハロゲン化アルミニウムガスを発生させる発生部と、ハロゲン化アルミニウムガスと窒素源ガスとを反応させて目的とするアルミニウム系III族窒化物単結晶を単結晶基板上に成長させる成長部とが配設されてなる、一体型装置である(特許文献1参照)。
この方法によると、700℃以下で発生させたハロゲン化アルミニウムガス(三ハロゲン化アルミニウムガスが主成分のガス)を、冷却することなくそのまま700℃以上1300℃以下の温度に加熱された成長部へ流通させる。そして、成長部で窒素源ガスと反応させてアルミニウム系III族窒化物単結晶を製造する。この方法では、ハロゲン化アルミニウムガスの温度を低下させることなく成長部まで輸送できるため、アルミニウムの析出が少ないと考えられる。つまり、この装置を使用した方法では、ハロゲン化アルミニウムガスを発生時以上の温度で輸送するため、ハロゲン化アルミニウムガス中の一ハロゲン化アルミニウムガスがアルミニウムに変換されないものと考えられる。
一方、第二のタイプの装置は、発生部が、成長部を有する装置本体の外部に配設され、発生部で発生した三ハロゲン化アルミニウムガスを、ハロゲン化アルミニウムガス輸送配管を介して装置本体内に導入する分離型装置である(特許文献2、3参照)。そして、特許文献2には、ハロゲン化アルミニウムガスとアルミニウムとを接触させて酸素を低減することが記載されているが、輸送時に析出するアルミニウムについては何ら記載されていない。
また、特許文献3には、次の方法が記載されている。先ず、三ハロゲン化アルミニウムガスと一ハロゲン化アルミニウムガスを含むハロゲン化アルミニウムガスを、生成時の温度よりも50℃以上低くする。そして、一ハロゲン化アルミニウムガス由来のアルミニウムを析出させた後、そのアルミニウムを除去することより、一ハロゲン化アルミニウムガス含有量の少ない三ハロゲン化アルミニウムガスを供給する方法である。この場合も、輸送時のハロゲン化アルミニウムガスの温度を制御することにより、アルミニウムの析出量を低減するものである。
以上の通り、従来のHVPE法においては、一ハロゲン化アルミニウムガスや、該一ハロゲン化アルミニウムガスにより析出するアルミニウムの低減のために、輸送時の温度制御を行う方法が採用されていた。
特開2003−303774号公報 特開2007−042854号公報 国際公開WO2012/081670号パンフレット
しかしながら、装置材質の耐熱性や装置構造、ハロゲン化アルミニウムガスの発生温度などの条件によって、上記の温度制御が困難な場合がある。例えば、分離型装置の場合には、発生部と成長部を有する装置本体との間の輸送配管等の接続に樹脂製のシール材を使用する場合があり、高温に維持することが難しい場合があった。また、一体型装置であっても、厳密な制御を行う場合には、精密な加熱装置を用いる必要があった。
そのため、温度制御以外の方法で、ハロゲン化アルミニウムガス中の一ハロゲン化アルミニウムガスを低減することができれば、装置の設計が簡便化できる。さらには、そのような制御方法を温度制御と組み合わせることにより、より高品質なアルミニウム系III族窒化物単結晶を製造できるものと考えられる。
したがって、本発明の目的は、一ハロゲン化アルミニウムガスの発生を抑制し、輸送中のアルミニウム析出量を低減したハロゲン化アルミニウムガスの製造方法を提供することにある。特に、ハロゲン化アルミニウムガスの輸送時の温度を精密に制御しない場合にも好適に適用できるハロゲン化アルミニウムガスの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った。通常、ハロゲン化アルミニウムガスは、固体のアルミニウムと塩化水素のようなハロゲン系ガスとを接触させることにより製造する。この際、装置の腐食を抑制する、アルミニウムと接触し易くする、反応停止を速やかに行う等の理由から、ハロゲン系ガスは、水素や不活性ガス等のキャリアガスで希釈されて使用されている。そのため、ハロゲン化アルミニウムガスは、キャリアガスで希釈されたものとして製造される。キャリアガスで希釈されたハロゲン化アルミニウムガスは、分散性がよく、線速度の調整が容易であるため、アルミニウム系III族窒化物単結晶の原料ガスとして好適に使用できる。
本発明者等は、このキャリアガスの供給方法等について詳細に検討した。そして、ハロゲン化アルミニウムガス輸送時におけるアルミニウム析出量の増加の原因を検討したところ、アルミニウムと接触するキャリアガスの流量が多いほど一ハロゲン化アルミニウムガスの発生量が増加し、そして、輸送時にアルミニウムの析出量が増加することが判明した。さらに、一旦、製造したハロゲン化アルミニウムガスにキャリガスを混合しても、一ハロゲン化アルミニウムガスの増加には繋がらないことを明らかにした。その結果、ハロゲン系ガスとキャリアガスとをアルミニウムと接触させてハロゲン化アルミニウムガスを製造する際、アルミニウムと接触しないように別にキャリアガスを供給して、ハロゲン化アルミニウムガスを反応系外へ排出させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、第一の本発明は、
アルミニウムを収容した収容部を備えた反応器の上流側からハロゲン系ガスを該収容部に供給することにより、該アルミニウムと該ハロゲン系ガスとを接触させてハロゲン化アルミニウムガスを製造する方法において、
ハロゲン系ガスと第一キャリアガスとを収容部の上流側から供給することにより、該収容部の下流側からハロゲン化アルミニウムガス及び第一キャリアガスを排出し、かつ
該アルミニウムと接触しないように第二キャリアガスを該収容部より下流側に供給することにより、該収容部の下流側から排出されたハロゲン化アルミニウムガス及び第一キャリアガスと、該第二キャリアガスとを混合させて、該ハロゲン化アルミニウムガスを反応器の下流側から排出するに際し、
該ハロゲン系ガス、該第一キャリアガス及び該第二キャリアガスの合計供給流量に対する該第二キャリアガスの供給流量の割合を0.20以上0.90以下とし、
該アルミニウムと該ハロゲン系ガスとが接触する該収容部の温度を200〜700℃とすることを特徴とするハロゲン化アルミニウムガスの製造方法である。
また、第二の本発明は、前記方法により製造したハロゲン化アルミニウムガス、第一キャリアガス、及び第二キャリアガスを含む混合ガスを、アルミニウム系III族窒化物単結晶の原料ガスとして使用することを特徴とするアルミニウム系III族窒化物単結晶の製造方法である。
本発明によれば、ハロゲン化アルミニウムガス製造時における一ハロゲン化アルミニウムガスの発生量を低減でき、ハロゲン化アルミニウムガス輸送時におけるアルミニウム析出量を低減することができる。この結果、一ハロゲン化アルミニウムガスや固体のアルミニウム含有量の少ない三ハロゲン化アルミニウムガス(ハロゲン化アルミニウムガス)が製造できるため、アルミニウム系III族窒化物単結晶の原料ガスに好適に使用できる。
また、本発明によれば、キャリアガスを使用する場合、温度制御を行わなくても、一ハロゲン化アルミニウムガスの生成量を抑制できる。そのため、装置に使用する材質の選択の幅を広げることができ、収容部の温度、ハロゲン化アルミニウムガス輸送配管の温度、及びそれ以外の装置の温度の使用範囲を拡大することができる。ただし、本発明において、温度制御を併せて実行することもできる。
さらに、反応器より排出するハロゲン化アルミニウムガスの線速度の制御が容易となる。つまり、従来技術においては、反応器より排出するハロゲン化アルミニウムガスの線速度を上げようとすると、第一キャリアガス供給流量を増加させる必要があり、その結果、収容部においてハロゲン系ガスとアルミニウムとの接触時間が短くなり、反応が不完全となる場合があった。しかし、本発明によれば、第一キャリアガス供給流量を変えずに第二キャリアガス供給流量を増加させることによって、ハロゲン系ガスとアルミニウムとの接触時間を一定に保ちながら、ハロゲン化アルミニウムガスの排出線速度を上げることが可能になる。
本発明において、収容部と収容部を囲むように設置された外殻ケーシングとの隙間から第二キャリアガスを該収容部より下流側に供給するようにした、ハロゲン化アルミニウムガスを製造する反応器の一概略図である。 本発明において、第二キャリアガスを収容部より下流側の一方向から供給するようにした、ハロゲン化アルミニウムガスを製造する反応器の一概略図である。
本発明は、ハロゲン系ガスとアルミニウムとを接触させてハロゲン化アルミニウムガスを製造する方法である。そして、ハロゲン系ガスと第一キャリアガスとをアルミニウムと接触させ、さらに、アルミニウムと接触しないように第二キャリアガスを供給し、ハロゲン化アルミニウムガス、第一キャリアガス、第二キャリアガスとを混合させて、該ハロゲン化アルミニウムガスを反応器の下流側から排出するハロゲン化アルミニウムガスの製造方法である。
なお、本発明におけるハロゲン化アルミニウムガスは、三ハロゲン化アルミニウムガス、アルミニウムとして析出し易いガス、例えば、一ハロゲン化アルミニウムガスを含むものである。そして、反応器の下流側から排出されるハロゲン化アルミニウムガスは、三ハロゲン化アルミニウムガスを主成分とするガスである。
本発明において、ハロゲン化アルミニウムガスを製造するための反応器は、上記条件を満足する反応を実施できるような反応器であれば、特に制限されるものではない。例えば、図1や図2のような反応器が考えられる。先ず、本発明に使用できる反応器の例を図1、図2を用いて説明する。
(反応器)
図1、2において、反応器1、101は、収容部6、106及び第二キャリアガス供給管5、105を有する。該収容部の上流側に希釈ハロゲン系ガス供給管4、104を有し、該収容部の下流側に、第二キャリアガス供給管の下流側と接続した混合部10、110を有する。そして、該混合部の下流側に排出口12、112を有する。ハロゲン系ガスは、ハロゲン系ガス供給管2、102中を流通し、収容部に供給される前に第一キャリアガス供給管3、103より供給された第一キャリアガスと混合され、希釈ハロゲン系ガス供給管を通って収容部に供給される。収容部、混合部、及び輸送配管1、111を外部加熱手段13、113により加熱することができる。
希釈ハロゲン系ガス供給管より供給されたハロゲン系ガスと収容部に収容されたアルミニウム8、108とが反応してハロゲン化アルミニウムガスが発生する。発生したハロゲン化アルミニウムガスは収容部下流の開口部9、109から排出され、混合部において、第二キャリアガス供給管から供給された第二キャリアガスと混合される。ハロゲン化アルミニウムガス、第一キャリアガス、及び第二キャリアガスの混合ガスは輸送配管を流通し、反応器の下流側に配置された排出口12、112から反応器外へ排出される。
図1と図2の反応器の違いは、第二キャリアガス供給管の接続箇所である。
図1の反応器では、収容部を覆うように外殻ケーシング7を有する。第二キャリアガス供給管は該外殻ケーシング上流に接続されており、第二キャリアガス供給管から供給された第二キャリアガスは、収容部と外殻ケーシングとの隙間を流通して混合部へ供給される。そのため、収容部から排出されたハロゲン化アルミニウムガス及び第一キャリアガスに対して、収容部の外周全体から第二キャリアガスが混合される構造である。
第二キャリアガスがアルミニウムと接触しないよう、収容部の開口部は、収容部の下流にのみ存在し、封止された面内に小さな穴を複数有する構造とすることが好ましい。これにより、収容部を通るガスの線速度が上がり、第二キャリアガスの逆流を防ぐことができる。さらに、混合部における外殻ケーシングの内壁面はテーパー状にすることができる。こうすることにより、第二キャリアガスの滞留を防ぎ、収容部への逆流を防止することができる。反応器構造によって逆流の防止が困難な場合には、第一キャリアガス及び第二キャリアガスの供給流量を調整することで、逆流の防止が可能である。
一方、図2の反応器では、反応器は外殻ケーシングを有さず、第二キャリアガス供給管は収容部下流の混合部に直接接続される。そのため、ハロゲン化アルミニウムガスに対して一方向から混入する。図2において、第二キャリアガスがアルミニウムと接触しないよう、収容部の開口部は封止された面内に小さな穴を複数有する構造とすることが好ましい。これにより、収容部を通るガスの線速度が上がり、第二キャリアガスの逆流を防ぐことができる。反応器構造によって逆流の防止が困難な場合には、第一キャリアガス及び第二キャリアガスの供給流量を調整することで、逆流の防止が可能である。
図1、図2の反応器において、各ガスを混合し易く、しかも、各ガスの逆流の防止、反応器メンテナンスのし易さを考慮すると、図1の反応器が好適である。
外部加熱手段は、特に制限されるものではなく、抵抗加熱方式や光加熱方式,高周波誘導加熱方式のものが使用できる。また、収容部温度と輸送配管温度を一括に制御する一体型でも良いし、個別に制御する多ゾーン型でも良い。
ガス供給管、収容部、外殻ケーシング、混合部及び輸送配管の材質は石英ガラス、ステンレス、酸化アルミニウムなどの耐熱性及び耐酸性の材料で構成される。ハロゲン系ガス供給管、第一キャリアガス供給管、及び希釈ハロゲン系ガス供給管の材質は操作性の観点からステンレスを、その他の材質は耐熱性、耐酸性の観点から石英を用いることが好ましい。希釈ハロゲン系ガス供給管と収容部、第一キャリアガス供給管と外殻ケーシング、さらに外殻ケーシングと輸送配管などの接続は、溶接などで接合されてもよいし、市販の樹脂性Oリングシールや金属シールを用いた継手により接続されてもよい。また、一体成形されてもよい。
次に、上記反応器を用いて、ハロゲン系ガスを製造する方法について説明する。
(製造方法)
図1の反応器を用いて、本発明について説明する。
原料となるアルミニウムは、純度が99.9%以上の固体を使用することが好ましい。得られるハロゲン化アルミニウムガスをアルミニウム系III族窒化物単結晶の原料に使用する場合には、より純度の高い99.99%以上の固体を使用することが好ましい。当然のことながら、最も好ましいアルミニウムの純度は100%である。なお、アルミニウムとハロゲン系ガスとの接触温度によっては、液状のアルミニウムを使用することもできるが、ハロゲン系ガスとの接触効率を考えると、固体のアルミニウムを使用することが好ましい。固体のアルミニウムを使用する場合、その大きさは、特に制限されるものではないが、実際に使用する反応器における、ハロゲン系ガスとの接触効率、該ハロゲン系ガスの流通、及び反応器の圧力損失等を考慮すると、直径0.1mm以上10mm以下であって、長さ0.1mm以上10mm以下の円柱状のもの、あるいは、これに類似の柱状のものが好ましい。
収容部に前記アルミニウムを設置する場合には、収容部の内部にアルミニウムを直接充填しても良いし、アルミニウムを収納するためのボート上にアルミニウムを積載して収容しても良い。ハロゲン系ガスとアルミニウムの接触効率を考慮すると、直接充填するほうが好ましい。
供給されるハロゲン系ガスは、アルミニウムと接触することにより、ハロゲン化アルミニウムガスとなるものであれば特に制限されるものではない。具体的には、ハロゲン化水素ガスまたはハロゲンガスが用いられる。中でも、得られるハロゲン化アルミニウムガスの使用範囲の拡大、配管の腐食のし難さ、汎用性と経済性を考慮すると、塩化水素ガスを用いることが好ましい。なお、塩化水素ガスを使用した場合には、塩化アルミニウムガスが発生する。ハロゲン系ガスの供給量は、反応器の概要、使用するハロゲン化アルミニウムの量等に応じて適宜決定すればよい。
第一キャリアガスは、アルミニウム、ハロゲン系ガスと反応しないガスであれば特に制限されるものではない。中でも、アルミニウムとハロゲン系ガスとの反応で生成したハロゲン化アルミニウムガスを速やかに収容部の下流側から排出するためには、水素ガス、または不活性ガスであることが好ましい。不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガスが挙げられる。これらキャリアガスは、1種類のガスを使用することもできるし、2種類以上のガスを混合して使用することもできる。これらキャリアガスの中でも、製造したハロゲン化アルミニウムガスをアルミニウム系III族窒化物単結晶の原料として使用する場合には、該単結晶の製造に悪影響を与えないという点で、水素ガス、窒素ガスを使用することが好ましい。
本発明においては、収容部にハロゲン系ガスと第一キャリアガスとを供給する。収容部には、ハロゲン系ガスのみを供給して、ハロゲン化アルミニウムガスと第二キャリアガスとを混合して、ハロゲン化アルミニウムガスを排出することも考えられる。しかしながら、反応器の腐食、ハロゲン系ガスの拡散(反応性)を考慮すると、第一キャリアガスを使用することが有利となる。また、収容部にハロゲン系ガスのみを供給すると、ハロゲン系ガスを停止した際に反応の停止が速やかに行われないため好ましくない。さらに、第一キャリアガスを使用しないと、その使用しない流量分のキャリアガスを、第二キャリアガス供給流量として上乗せしなければ、一定の線速度でハロゲン化アルミニウムガスを取出すことができない。第二キャリアガスの供給流量が増加すると、収容部の開口部から第二キャリアガスの逆流が生じる可能性が高くなってしまうため、不利になる。
収容部にハロゲン系ガスと第一キャリアガスを供給するには、予めハロゲン系ガスと第一キャリアガスとを混合して希釈ハロゲン系ガスとして供給することができる。また、収容部に接続された別々の供給管からハロゲン系ガスと第一キャリアガスをそれぞれ供給することもできる。また、両者を組み合わせてもよい。さらには、アルミニウムは空気中の水分等と容易に反応してしまうため、それを防ぐ目的でも、反応前後は第一キャリアガスのみを収容部に供給できる構造とすることが好ましい。
収容部に供給されたハロゲン系ガスは、アルミニウムと接触してハロゲン化アルミニウムガスになる。この際、供給したハロゲン系ガスの全量が、ハロゲン化アルミニウムガスとなるように、収容部の温度、アルミニウム充填量、第一キャリアガス供給流量、接触時間等の条件を調整することが好ましい。収容部から排出されるガスは、ハロゲン化アルミニウムガスと第一キャリアガスとなる。なお、ハロゲン系ガスと第一キャリアガスの合計供給流量に対するハロゲン系ガス供給流量の割合は、特に制限されるものではないが、0.001〜50体積%であることが好ましい。また、ハロゲン化アルミニウムガスをアルミニウム系III族窒化物単結晶の製造用原料として用いる場合には、ハロゲン系ガスの供給量は、0.005〜500sccm(Standard Cubic Centimeter per Minutes)が好ましく、1〜100sccmが特に好ましい。
そして、本発明においては、第二キャリアガスをアルミニウムと接触しないように該収容部より下流側に供給することにより、該収容部から排出されたハロゲン化アルミニウムガス及び第一キャリアガスと、該第二キャリアガスとを混合させて、該ハロゲン化アルミニウムガスを排出口から系外に排出することを特徴とする。
この第二キャリアガスとしては、前記第一キャリガスと同じ種類のガスを使用できる。第二キャリアガスを使用することにより、第一キャリアガスの供給流量を低減することができ、その結果、一ハロゲン化アルミニウムガスの発生量を低減することができる。第一キャリアガスの供給流量を低減することにより、一ハロゲン化アルミニウムガスを低減できる理由は明らかではないが、以下のように推定している。つまり、第一キャリアガスの供給流量を低減すると、ハロゲン系ガスの分圧が増加する。その結果、一ハロゲン化アルミニウムガスの発生が抑制されると考える。
前記の通り、特許文献3には、ハロゲン化アルミニウムガス輸送時の温度制御により、一ハロゲン化アルミニウムガスを低減する方法が記載されている。本発明では、温度制御を行わなくても、一ハロゲン化アルミニウムガスを低減できる。そのため、反応器に使用する材質の選択の幅を広げることができ、収容部の温度、ハロゲン化アルミニウムガス輸送配管の温度、及びそれ以外の反応器の温度の使用範囲を拡大することができる。ただし、特許文献3に記載された発明に、本発明の方法を組み合わせることもできる。具体的には、ハロゲン化アルミニウムガスを製造した際の温度よりも、50℃以下低いガス温度とすることにより、一旦、一ハロゲン化アルミニウムガスをアルミニウムとして析出させて、一ハロゲン化アルミニウムガスを低減する方法に、本発明の方法を組み合わせることもできる。温度制御を実施しながら本発明を行うことにより、一ハロゲン化アルミニウムガスの低減効果はさらに向上し、その結果、輸送時のアルミニウムの析出量もさらに低減されると考えられる。
また、特許文献1に記載の方法では、一ハロゲン化アルミニウムガスが生成されても、アルミニウムとハロゲン系ガスとを接触させる際の温度よりも高い温度に維持することにより、アルミニウムの析出が抑制できていた。これに対して、本発明の方法によれば、アルミニウム析出の要因となる一ハロゲン化アルミニウムガス自体の生成を抑制していると考えられる。そのため、得られるハロゲン化アルミニウムガスの組成がより均一なものになり(三ハロゲン化アルミニウムガスの割合が多くなり)、その反応性も安定したものになると考えられる。そのため、アルミニウムの析出が問題とならない、高い温度に維持した場合に本発明の方法を適用すると、得られるハロゲン化アルミニウムガスは、より均一な組成の、反応性がより一定なガスになる。そのため、例えば、得られるハロゲン化アルミニウムガスは、アルミニウム系III族窒化物単結晶の原料ガスに好適に使用できる。
ハロゲン系ガス、第一キャリアガス及び第二キャリアガスの合計供給流量(sccm)に対する第二キャリアガスの供給流量(sccm)の割合は、特に制限されるものではない。ただし、一ハロゲン化アルミニウムガスの抑制、第二キャリガスの逆流防止、反応効率、反応器の腐食防止等を考慮すると、0.05以上0.95以下とすることが好ましく、0.10以上0.90以下とすることがさらに好ましく、0.20以上0.90以下とすることが特に好ましい。以下、ハロゲン系ガス、第一キャリアガス、及び第二キャリアガスを合計したガスを全ガスとする場合もある。
全ガスの合計供給流量は、収容部の容積及び発生したハロゲン化アルミニウムガスの使用条件により適宜決定すれば良いが、50〜10000sccmの範囲が好ましく、100〜5000sccmの範囲がより好ましく、200〜3000sccmがさらに好ましい。
特許文献1及び3に記載された方法では、反応器より排出されるハロゲン化アルミニウムガスの線速度を上げようとすると、第一キャリアガス供給流量を増加させる必要がある。本発明者等の検討によれば、第一キャリアガス供給流量が増加すると、収容部においてハロゲン系ガスとアルミニウムとの接触時間が短くなり、反応が不完全となる場合があることが分かった。これに対して、本発明によれば、第一キャリアガス供給流量を変えずに第二キャリアガス供給流量を増加させることによって、ハロゲン系ガスとアルミニウムとの接触時間を一定に保ちながら、ハロゲン化アルミニウムガスの排出線速度を上げることができる。つまり、第一キャリアガス及び第二キャリアガスの供給流量を調整することにより、排出されるハロゲン化アルミニウムガスの線速度の調整が容易となり、アルミニウム系III族窒化物単結晶の原料ガスに好適に使用できる。
本発明の方法は、キャリアガスの供給方法により、一ハロゲン化アルミニウムガスの発生を抑制するものである。そのため、収容部中のアルミニウムの温度は、ハロゲン系ガスとアルミニウムが反応する温度であって、ハロゲン化アルミニウムの昇華温度より高い温度であれば特に制限されるものではない。ただし、一ハロゲン化アルミニウムガスの発生量はより少ない方がよいため、200〜700℃が好ましい。アルミニウムとハロゲン化ガスとの接触は、アルミニウムが固体である方が効率がよい。また、ハロゲン系ガスの反応効率を高めるためには、なるべく高い温度であることが好ましい。そのため、収容部の温度は、300〜660℃とすることがより好ましく、350〜600℃とすることがさらに好ましい。
ハロゲン化アルミニウムガス、第一キャリアガス及び第二キャリアガスが混合される混合部の温度は、ハロゲン化アルミニウムの昇華点以上である必要があるが、それ以外には特に制限なく設定できる。配管や接続部に用いる部材の耐熱性、収容部温度、及び系外のハロゲン化アルミニウム使用部の温度に従って決定すればよい。
輸送配管の温度は、混合部同様、ハロゲン化アルミニウムの昇華点以上である必要があるが、それ以外には特に制限なく設定できる。ただし、本発明の効果をさらに向上させるには、混合部の温度以上にすることが好ましい。
上記方法により得られたハロゲン化アルミニウムガスは、様々な用途に使用できる。特に、アルミニウムの析出を抑制できるため、繊細な反応であるHVPE法の原料、つまり、アルミニウム系III族窒化物単結晶の成長用原料に好適に使用できる。アルミニウム系III族窒化物単結晶の原料ガスとして使用する場合には、第一キャリアガス、第二キャリアガス、及びハロゲン化アルミニウムガスを含む混合ガスを使用すればよい。この混合ガスは、線速度の調整も容易である。
以下に、本発明の具体的な実施例、比較例について図1を参照しながら説明するが、本発明はそれらの実施例に限定されるものではない。
参考例1
図1に示すようなハロゲン化アルミニウムガス製造反応器を使用してハロゲン化アルミニウムガスを製造した例について説明する。本実施例では、ハロゲン系ガスに塩化水素ガスを用い、主成分が三塩化アルミニウムガスであり、一塩化アルミニウムガスを含むハロゲン化アルミニウムガスを製造した。
内径16mm、外径20mm、長さ730mmの石英ガラス製の収容部の長さ420mmの範囲に、純度99.9999%、直径2mm、長さ6mmのアルミニウムを100g充填した。下流側40mmの範囲が角度14度のテーパー状となった、SUS316L製、内径23mm、外径27mm、長さ720mmの外殻ケーシング内にアルミニウムを収容した収容部を設置した。収容部下流の開口部は、収容部の封止面に直径2mmの穴を12個開けた構造である。外殻ケーシング下流端にSUS316L製、内径4.35mm、長さ800mmの輸送配管を、金属シール材で接続した。外部加熱手段として、抵抗加熱方式の多ゾーン型管状炉を用い、収容部及び混合部を500℃、輸送配管を200℃に制御した。
本実施例では、輸送配管に析出したアルミニウムの量を測定して、一塩化アルミニウムガスの発生量を評価した。輸送配管の温度を200℃に保っているため三塩化アルミニウムが析出することはなく、析出したアルミニウムは一塩化アルミニウムガス由来の析出物であると判断できる。
また、図1には示していないが、排出口の下流側には20℃に保持した三塩化アルミニウムトラップを設置して、発生した三塩化アルミニウムを固体として回収し、定量した。
20sccmの塩化水素ガスを1000sccmの水素ガス(第一キャリアガス)で希釈して希釈ハロゲン系ガス供給管から収容部に供給し、100sccmの水素ガス(第二キャリアガス)を第二キャリアガス供給管より、外殻ケーシングと収容部との隙間に供給した。このとき、全ガスの合計供給流量に対する第二キャリアガスの供給流量の割合は0.09であった。1時間供給した後、塩化水素ガスの供給を停止して、水素ガスを窒素ガスに切り替え、室温まで冷却した。冷却後、輸送配管を取り外し、0.6wt%の水酸化ナトリウム水溶液0.04Lを配管内に循環させることで、配管内に析出したアルミニウムを水酸化ナトリウム水溶液に溶解させて回収した。アルミニウムが溶解した水酸化ナトリウム水溶液を希硝酸で希釈し、誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP−MS)で溶液中のアルミニウムを定量した。定量結果を式(1)
アルミニウム析出量[mg]=定量結果[mg/L]×0.04[L]×希釈倍率(1)
に代入し、輸送配管内におけるアルミニウム析出量を算出した。その結果、配管内に析出したアルミニウムは1.15mgであった。
さらに、三塩化アルミニウムトラップを取り外し、0.1Lの水をトラップ内に加えてトラップ内に析出した三塩化アルミニウムを溶解させて回収した。三塩化アルミニウムが溶解した水溶液を希硝酸で希釈し、融合結合プラズマ発光分光分析装置(ICP−OES)で水溶液中のアルミニウムを定量した。定量結果を式(2)
三塩化アルミニウム収率[%]=三塩化アルミニウム定量結果[g/L]×0.1[L]×希釈倍率/(20[sccm]×60[min]/3/22400[cc/mol]×133.3[g/mol])×100 (2)
に代入し、三塩化アルミニウム収率を算出した。その結果、三塩化アルミニウム収率は96%(誤差範囲10%以内)であり、原料部において塩化水素ガスとアルミニウムとの反応が十分に行われたことが分かった。
これら結果を表1にまとめた。
実施例2
第一キャリアガスの供給流量を700sccm、第二キャリアガスの供給流量を400sccmとした以外は、参考例1と同じ条件で塩化アルミニウムガスの製造を行った。このとき、全ガスの合計供給流量に対する第二キャリアガスの供給流量の割合は0.36であった。参考例1と同様に輸送配管内に析出したアルミニウムを定量したところ、0.94mgであった。また、三塩化アルミニウム収率は92%であった。これら結果を表1にまとめた。
実施例3
第一キャリアガスの供給流量を400sccm、第二キャリアガスの供給流量を700sccmとした以外は、参考例1と同じ条件で塩化アルミニウムガスの製造を行った。このとき、全ガスの合計供給流量に対する第二キャリアガスの供給流量の割合は0.63であった。参考例1と同様に輸送配管内に析出したアルミニウムを定量したところ、0.89mgであった。また、三塩化アルミニウム収率は92%であった。これら結果を表1にまとめた。
実施例4
第一キャリアガスの供給流量を100sccm、第二キャリアガスの供給流量を1000sccmとした以外は、参考例1と同じ条件で塩化アルミニウムガスの製造を行った。このとき、全ガスの合計供給流量に対する第二キャリアガスの供給流量の割合は0.89であった。参考例1と同様に輸送配管内に析出したアルミニウムを定量したところ、0.13mgであった。また、三塩化アルミニウム収率は96%であった。これら結果を表1にまとめた。
参考例2
第一キャリアガスの供給流量を500sccm、第二キャリアガスの供給流量を100sccmとした以外は、参考例1と同じ条件で塩化アルミニウムガスの製造を行った。このとき、全ガスの合計供給流量に対する第二キャリアガスの供給流量の割合は0.16であった。参考例1と同様に輸送配管内に析出したアルミニウムを定量したところ、1.03mgであった。また、三塩化アルミニウム収率は96%であった。これら結果を表1にまとめた。
実施例6
第一キャリアガスの供給流量を100sccm、第二キャリアガスの供給流量を500sccmとした以外は、参考例1と同じ条件で塩化アルミニウムガスの製造を行った。このとき、全ガスの合計供給流量に対する第二キャリアガスの供給流量の割合は0.81であった。参考例1と同様に輸送配管内に析出したアルミニウムを定量したところ、0.23mgであった。また、三塩化アルミニウム収率は96%であった。これら結果を表1にまとめた。
実施例7
収容部及び混合部の温度を450℃、第一キャリアガスの供給流量を130sccm、第二キャリアガスの供給流量を50sccmとした以外は、参考例1と同じ条件で塩化アルミニウムガスの製造を行った。このとき、全ガスの合計供給流量に対する第二キャリアガスの供給流量の割合は0.25であった。参考例1と同様に輸送配管内に析出したアルミニウムを定量したところ、0.17mgであった。また、三塩化アルミニウム収率は96%であった。これら結果を表1にまとめた。
比較例1
第一キャリアガスの供給流量を1100sccm、第二キャリアガスの供給流量を0sccmとした以外は、参考例1と同じ条件で塩化アルミニウムガスの製造を行った。このとき、全ガスの合計供給流量に対する第二キャリアガスの供給流量の割合は0.00であった。参考例1と同様に輸送配管内に析出したアルミニウムを定量したところ、1.22mgであった。また、三塩化アルミニウム収率は88%であった。
第二キャリアガス供給流量が0sccmだったため、開口部から排出された塩化アルミニウムガス及び第一キャリアガスが収容部と外殻ケーシングとの隙間に逆流し、上流の低温部において三塩化アルミニウムガスが析出したために下流のトラップにおいて析出した三塩化アルミニウムの析出量から換算した収率が低く算出されたと考えられる。これら結果を表1にまとめた。
比較例2
第一キャリアガスの供給流量を600sccm、第二キャリアガスの供給流量を0sccmとした以外は、参考例1と同じ条件で塩化アルミニウムガスの製造を行った。このとき、全ガスの合計供給流量に対する第二キャリアガスの供給流量の割合は0.00であった。参考例1と同様に輸送配管内に析出したアルミニウムを定量したところ、1.15mgであった。また、三塩化アルミニウム収率は88%であった。これら結果を表1にまとめた。
Figure 0006004849
1 反応器
2 ハロゲン系ガス供給管
3 第一キャリアガス供給管
4 希釈ハロゲン系ガス供給管
5 第二キャリアガス供給管
6 収容部
7 外殻ケーシング
8 アルミニウム
9 開口部
10 混合部
11 輸送配管
12 排出口
13 外部加熱手段
101 反応器
102 ハロゲン系ガス供給管
103 第一キャリアガス供給管
104 希釈ハロゲン系ガス供給管
105 第二キャリアガス供給管
106 収容部
108 アルミニウム
109 開口部
110 混合部
111 輸送配管
112 排出口
113 外部加熱手段

Claims (3)

  1. アルミニウムを収容した収容部を備えた反応器の上流側からハロゲン系ガスを該収容部に供給することにより、該アルミニウムと該ハロゲン系ガスとを接触させてハロゲン化アルミニウムガスを製造する方法において、
    ハロゲン系ガスと第一キャリアガスとを収容部の上流側から供給することにより、該収容部の下流側からハロゲン化アルミニウムガス及び第一キャリアガスを排出し、かつ
    該アルミニウムと接触しないように第二キャリアガスを該収容部より下流側に供給することにより、該収容部の下流側から排出されたハロゲン化アルミニウムガス及び第一キャリアガスと、該第二キャリアガスとを混合させて、該ハロゲン化アルミニウムガスを反応器の下流側から排出するに際し、
    該ハロゲン系ガス、該第一キャリアガス及び該第二キャリアガスの合計供給流量に対する該第二キャリアガスの供給流量の割合を0.20以上0.90以下とし、
    該アルミニウムと該ハロゲン系ガスとが接触する該収容部の温度を200〜700℃とすることを特徴とするハロゲン化アルミニウムガスの製造方法。
  2. 前記収容部を囲むように外殻ケーシングを設置し、該収容部と該外殻ケーシングとの間から前記第二キャリアガスを該収容部より下流側に供給することにより、該収容部の外周方向から第二キャリアガスをハロゲン化アルミニウムガス及び第一キャリアガスと混合させることを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化アルミニウムガスの製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法により製造したハロゲン化アルミニウムガスガス、第一キャリアガス、及び第二キャリアガスを含む混合ガスを、アルミニウム系III族窒化物単結晶の原料ガスとして使用することを特徴とするアルミニウム系III族窒化物単結晶の製造方法。
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