JP6003311B2 - 非水制汗剤組成物 - Google Patents
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例えば、パウダースプレーに代表されるエアゾール型スプレーは、使用感触のよい粉体や、制汗成分のクロルヒドロキシアルミニウムを非水溶媒中に分散して配合した原液と、噴射剤とで構成されている。エアゾール型スプレーは、感触粉体によりサラサラ感が高いことや、噴射剤の気化熱による清涼感が高いことなど、使用感が良好である一方、制汗成分が非溶解性であるため、制汗効果が低いなどの課題がある。
[1]
(A)水溶性アルミニウム化合物と、
(B)(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマーと、
(C)(酢酸ビニル/クロトン酸/ネオデカン酸ビニル)コポリマー、(オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル)コポリマー、(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー、及びアクリルアミド/アクリル酸/塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体から選ばれるポリマーと
を含有し、(B)/(C)で示される含有質量比が0.2〜15である非水制汗剤組成物。
[2]
(A)成分の含有量が3〜6質量%、(B)成分の含有量が5〜12質量%である[1]記載の非水制汗剤組成物。
[3]
(C)成分の含有量が0.1〜10質量%である[1]又は[2]記載の非水制汗剤組成物。
[4]
更に、(D)親水性粉体5〜20質量%を含有する[1]〜[3]のいずれかに記載の非水制汗剤組成物。
[5]
更に、(E)油剤を含む[1]〜[4]のいずれかに記載の非水制汗剤組成物。
[6]
(E)油剤が、硬化ヒマシ油、トリオキシステアリン酸グリセリル、ステアリルアルコール及びベンジルジメチルステアリルアンモニウムヘクトライトから選ばれる第一油剤と、シリコーンオイル及び脂肪酸エステルから選ばれる5〜35℃で液体の第二油剤とを1/17〜1/3の質量比で併用したものであり、その配合量が、組成物全量に対して70〜95質量%である[5]記載の非水制汗剤組成物。
[7]
水の含有量が0.1質量%未満である[1]〜[6]のいずれかに記載の非水制汗剤組成物。
[8]
クリーム状又はワックス状である[1]〜[7]のいずれかに記載の非水制汗剤組成物。
[9]
シリコーンオイル及び脂肪酸エステルから選ばれる5〜35℃で液体の第二油剤を加熱し、これに(A)成分と(C)成分とを分散させた後、(B)成分と硬化ヒマシ油、トリオキシステアリン酸グリセリル、ステアリルアルコール及びベンジルジメチルステアリルアンモニウムヘクトライトから選ばれる第一油剤とを加熱溶融して加え、混合した後、冷却・固化する[1]記載の非水制汗剤組成物の製造方法。
(A)水溶性アルミニウム化合物、
(B)(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー、
(C)ビニル基もしくはアクリル基を含むアニオン性ポリマー及び/又は両性ポリマー
を含有する。
(A)成分は、本組成物に制汗作用を付与するものであればいずれのものを用いてもよく、水溶性アルミニウム塩を好適に用いることができる。本発明において、水溶性とは、水に溶けて水溶液を作る性質をいう。非水制汗剤組成物に水溶性のアルミニウム化合物を用いる理由は、水溶性のアルミニウム化合物が汗により溶解し、水酸化物のゲル形成が生じ、汗腺の中で栓(プラグ)をするように塞いだり、アルミニウムイオンにより汗腺を引き締める等の収斂作用により制汗効果を発現させるためである。
(B)成分を用いることで制汗成分である(A)成分の皮膚展着性を高め、制汗効果の持続性を格段に高めることができる。(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマーは、メチルハイドロジェンポリシロキサンとメチル・フェニルビニルポリシロキサンを架橋重合して得られる3次元架橋構造を有する架橋型メチルフェニルポリシロキサン化合物である。(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマーは、この架橋型メチルフェニルポリシロキサンに油性成分を配合したものとして市販されており、例えば信越化学工業(株)製、商品名KSG−18A等が挙げられる。
(C)成分は制汗作用を補強するために配合される。(C)成分を配合することで、制汗効果及びその持続性を向上させ、更に高温下での保存安定性を高めることができる。(C)成分としては、ビニル基もしくはアクリル基を含むアニオン性ポリマー及び両性ポリマーであれば特に制限はなく、これらのうちのいずれか一方又は両方を用いることができる。
本発明の組成物には、上記成分に加え、更に(D)親水性粉体を配合することができる。(D)成分を配合することで、本組成物を塗布したときのサラサラ感をより高め、制汗効果の持続性をより向上させることができる。なお、本発明において、親水性粉体とは、「ヘキサン10g/水10gに粉体を1g添加し、超音波で分散させたときに、水相に分散される粉体」をいう。このような粉体としては、無水ケイ酸、タルク、マグネシアシリカ、マイカ、セルロース、ヒドロキシアパタイト等が挙げられ、これらを1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、サラサラ感、汗を吸水する効果の点で無水ケイ酸が好ましい。
本発明の制汗剤組成物は、(A)成分と必要により(D)成分を分散させ、塗布時に体温により溶けてクリーム状となるために、油剤の1種を単独で又は2種以上を混合して用いることが好ましい。このような油剤としては、本発明の組成物をクリーム状やワックス状に保型・安定化するために5〜35℃で固体の油剤と、(A)成分や(D)成分等の粉体を分散安定化するために、5〜35℃で液体の油剤が用いられる。5〜35℃で固体の油剤としては、硬化ヒマシ油、トリオキシステアリン酸グリセリル、ステアリルアルコール、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムヘクトライト等が挙げられ、組成物全量に対して5〜20質量%、特に5〜15質量%用いられる。一方、5〜35℃で液体の油剤としては、メチルポリシロキサン等のシリコーン類、2−エチルヘキサン酸セチル等の脂肪酸エステル類等が挙げられ、組成物全量に対して50〜85質量%、特に60〜80質量%用いられる。また、上記温度で固体の油剤と、液体の油剤との配合割合は、組成物をクリーム状やワックス状に保型し、かつ塗布時ののばしやすさを非常に良好にする点から、質量比で、固体の油剤/液体の油剤=1/17〜1/3の範囲が好ましく、より好ましくは1/15〜1/5である。油剤の配合量は、合計量で組成物全量に対して70〜95質量%が好ましく、より好ましくは85〜92質量%である。油剤の量を上記範囲内とすることで、制汗効果をより高め、使用感触(サラサラ感)、製剤の流動性、使用性をより良くすることができる。
本発明においては、上記成分に加え、制汗剤組成物に通常配合される公知の成分を用いることができる。このような成分としては、特に制限はなく、本発明の効果を損なわない範囲で、目的に応じて適宜選択することができ、例えば高級脂肪酸、高級アルコール、界面活性剤、(C)成分を除く高分子化合物、酸化防止剤、色素、乳化安定剤、pH調整剤、(A)成分を除く収斂剤、防腐剤、紫外線吸収剤、キレート剤、保湿剤、増粘剤、清涼剤、抗炎症剤、殺菌剤、アミノ酸、ビタミン剤、各種植物抽出エキス等が挙げられる。
<試料の調製方法>
2−エチルヘキサン酸セチル、メチルポリシロキサンを80℃に加熱しながら均一に攪拌した。次いで、下記表に示す(A)、(C)、及び必要に応じて(D)成分を加え、更に均一になるまで攪拌した後に、(B)成分及びその他の成分を加えて攪拌した。この液をポリプロピレン(PP)ジャー容器(戎屋化学工業製)に充填し、自然冷却して固化させ、クリーム状の非水制汗剤組成物を得た。得られた非水制汗剤組成物について、下記評価を行った。結果を表中に併記する。
<評価方法>
被験者10名の前腕内側部2cm×2cmの範囲に、各非水制汗剤組成物を40mg塗布し、乾燥させた。塗布直後及び塗布8時間後に高温条件下(38℃,40%RH環境下)で40分間安静にし、強制発汗させた。その後、皮膚水分蒸散量測定装置(TEWL Tewameter TM210、CK electronic社製)を用いて、塗布部位と無塗布部位(前腕内側部2cm×2cmの範囲)の発汗量を測定した。下記式で示される制汗効果(%)の平均値を算出し、以下の基準で判断した。
◎:10人の制汗効果の平均値が60%以上
◎〜○:10人の制汗効果の平均値が50%以上60%未満
○:10人の制汗効果の平均値が30%以上50%未満
△:10人の制汗効果の平均値が10%以上30%未満
×:10人の制汗効果の平均値が10%未満
<評価方法>
被験者10名の腋下に、各非水制汗剤組成物を0.2g塗布し、塗布後のサラサラ感について以下の評価点に従い官能評価した。
5点:非常にサラサラする
4点:サラサラする
3点:ややサラサラする
2点:サラサラしない
1点:全くサラサラしない
<評価基準>
◎:10人の被験者の平均点が4.5点以上
◎〜○:10人の被験者の平均点が4.0〜4.5点未満
○:10人の被験者の平均点が3.0〜4.0点未満
△:10人の被験者の平均点が2.0〜3.0点未満
×:10人の被験者の平均点が2.0点未満
<評価方法>
各非水制汗剤組成物を調製し、PPジャー容器(戎屋化学工業製)に20gを充填後、45℃にて1ヶ月保存後の外観を目視観察し、以下の基準で判断した。
<評価基準>
○:分離・析出を認めない
△:わずかに分離を認める
×:明らかな分離もしくは析出を認める
[実施例35]スティック状制汗剤組成物
成分 配合量(質量%)
(A)クロルヒドロキシアルミニウム 5.0
イソプロピルメチルフェノール 0.1
(B)(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー 6.0
(C)(VA/クロトン酸/ネオデカン酸ビニル)コポリマー 1.0
(D)無水ケイ酸 12.5
デカメチルシクロペンタシロキサン 60.3
ポリオキシプロピレンブチルエーテル 3.0
硬化ヒマシ油 5.0
ステアリルアルコール 5.0
マイクロクリスタリンワックス 2.0
ジブチルヒドロキシトルエン 0.05
香料 0.05
合計 100.0
(B)/(C)= 6.0
制汗効果 ◎
制汗効果の持続性 ◎
使用感触(サラサラ感) ◎
保存安定性(45℃,1ヶ月後) ○
Claims (9)
- (A)水溶性アルミニウム化合物と、
(B)(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマーと、
(C)(酢酸ビニル/クロトン酸/ネオデカン酸ビニル)コポリマー、(オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル)コポリマー、(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー、及びアクリルアミド/アクリル酸/塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体から選ばれるポリマーと
を含有し、(B)/(C)で示される含有質量比が0.2〜15である非水制汗剤組成物。 - (A)成分の含有量が3〜6質量%、(B)成分の含有量が5〜12質量%である請求項1記載の非水制汗剤組成物。
- (C)成分の含有量が0.1〜10質量%である請求項1又は2記載の非水制汗剤組成物。
- 更に、(D)親水性粉体5〜20質量%を含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の非水制汗剤組成物。
- 更に、(E)油剤を含む請求項1〜4のいずれか1項記載の非水制汗剤組成物。
- (E)油剤が、硬化ヒマシ油、トリオキシステアリン酸グリセリル、ステアリルアルコール及びベンジルジメチルステアリルアンモニウムヘクトライトから選ばれる第一油剤と、シリコーンオイル及び脂肪酸エステルから選ばれる5〜35℃で液体の第二油剤とを1/17〜1/3の質量比で併用したものであり、その配合量が、組成物全量に対して70〜95質量%である請求項5記載の非水制汗剤組成物。
- 水の含有量が0.1質量%未満である請求項1〜6のいずれか1項記載の非水制汗剤組成物。
- クリーム状又はワックス状である請求項1〜7のいずれか1項記載の非水制汗剤組成物。
- シリコーンオイル及び脂肪酸エステルから選ばれる5〜35℃で液体の第二油剤を加熱し、これに(A)成分と(C)成分とを分散させた後、(B)成分と硬化ヒマシ油、トリオキシステアリン酸グリセリル、ステアリルアルコール及びベンジルジメチルステアリルアンモニウムヘクトライトから選ばれる第一油剤とを加熱溶融して加え、混合した後、冷却・固化する請求項1記載の非水制汗剤組成物の製造方法。
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