JP6868363B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

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Description

本発明は、皮膚外用剤に関する。
従来より、皮膚に塗布して用いる皮膚外用剤においては、快適な冷涼感や清涼感(以下、冷感ともいう)をもたらすことのできる有用性の高い成分として、メントールが多用されている。こうしたメントール由来の冷感を長時間にわたって持続させ、さらにその有用性を高めるべく、種々の皮膚外用剤が開発されている。
例えば、特許文献1には、メントール等のモノテルペンとともに、10質量%以上の低級アルコールと増粘剤とを併用したゲル状皮膚外用組成物が開示されており、塗布直後に高い冷感を発揮しつつ、その持続性も高めている。また特許文献2には、l−メントール等をユーカリプトールや乳酸メンチル等の特定の成分とともに各々特定量で含有する化粧料が開示されており、冷感の持続性の向上のみならず、使用時の不快な刺激感の低減も試みている。
さらに、特許文献3には、メントールやメントール誘導体と制汗剤や消臭剤等の金属を含む粉末とを特定量で併用した冷感デオドラント化粧料が開示されており、冷感の持続性を高めつつ、デオドラント効果の向上を図っている。そして、特許文献4には、5〜50質量%のエタノールを含有するとともに、特定のノニオン性界面活性剤、メントール等の冷感剤、水を含有し、特定の粘度を有する油剤や水溶性高分子等も含有し得る皮膚化粧料が開示されており、肌への密着性や使用感を高めている。
特開2013−116870号公報 特開2015−93859号公報 特開2002−80335号公報 特開2014−205664号公報
しかしながら、上記特許文献においては、いずれも多量のエタノールを用いているため、皮膚への刺激性が増大するおそれがあるとともに、エタノールの気化に伴って皮膚の乾燥が増長されたりするおそれがあり、併用する液体の油の量に対してエタノールの量が増大することも、その要因となり得る。また、金属を含む粉体を併用すると、塗布時におけるべたつき感をある程度低減し得るものの、その量によっては塗布した部位周辺における粉体の付着量や残存量が増大して、使用感が損なわれる可能もある。
したがって、本発明は、メントールによる快適な冷感付与効果を持続させながら、べたつき感を有効に低減して良好な使用感をもたらし、低温保存安定性にも優れる皮膚外用剤に関する。
そこで本発明者は、種々検討したところ、メントールとともに特定の液体の油を特定量かつ特定の量比で併用しつつ、エタノールの含有と金属又は金属塩を構成成分とする粉体の含有とを制限し、かつ特定の液体の油に対するエタノールの量比も制限することで、メントール由来の冷感の持続性向上とべたつき感の低減を図りながら、低温時における保存安定性を高めることのできる皮膚外用剤が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)メントール 2質量%以上10質量%以下
(B)エステル油を含む20℃で液体の油 2質量%以上17質量%以下、
(C)水 50質量%以上95質量%以下
を含有し、エタノールの含有量が12質量%以下であり、かつ
成分(A)の含有量と成分(B)の含有量との質量比((A)/(B))が0.2以上1.5以下であり、エタノールの含有量と成分(B)の含有量との質量比(エタノール/(B))が2.5以下であり、金属又は金属塩を構成成分とする粉体の含有量が0.2質量%以下である皮膚外用剤に関する。
本発明によれば、メントールによって快適な冷涼感や清涼感をもたらしながら、これを良好に持続させることができるとともに、塗布時におけるべたつき感も有効に低減されて良好な肌感触をもたらし、不快ではなく爽やかな刺激を実感できる優れた使用感を発揮する上、低温時においても優れた保存安定性を発揮するため、非常に有用性の高い皮膚外用剤である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の皮膚外用剤は、成分(A)として、メントールを2質量%以上10質量%以下含有する。かかるメントールをこのような量で含有することによって、後述するその余の成分及びその含有量や質量比とも相まって、快適な冷感と爽やかな刺激を充分に発揮しながら、その持続性をも良好に高めることができる。
成分(A)の含有量は、良好な冷感と爽やかな刺激の持続性を確保する観点から、本発明の皮膚外用剤中に、2質量%以上であって、好ましくは2.5質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上である。また、成分(A)の含有量は、メントールの溶解性又は分散性を確保する観点、及びメントール由来の強すぎる刺激感の発現を抑制し、良好な使用感を確保する観点から、本発明の皮膚外用剤中に、10質量%以下であって、好ましくは8質量%以下であり、より好ましくは7質量%以下である。そして、成分(A)の含有量は、本発明の皮膚外用剤中に、2質量%以上10質量%以下であって、好ましくは2.5〜8質量%であり、より好ましくは3〜7質量%である。
本発明の皮膚外用剤は、成分(B)として、エステル油を含む20℃で液体の油を2質量%以上17質量%以下含有する。かかる成分(B)をこのような量で含有することにより、成分(A)のメントールやその他の成分を良好に溶解又は分散させて、メントール由来の冷感を良好に持続させることができるとともに、塗布時におけるべたつき感を良好に低減することができる。
成分(B)に含まれるエステル油は、20℃で液体の油であり、例えば、炭素数8〜20の脂肪酸と炭素数2〜24の1価アルコールとのエステル、炭酸と炭素数6〜18の1価アルコールとのジエステル、炭素数8〜20の脂肪酸と炭素数2〜4の2価アルコールとのジエステル、炭素数8〜10の2塩基脂肪酸と炭素数2〜4の1価アルコールとのジエステル、グリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上が挙げられ、具体的には、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、カプリル酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸エチルヘキシル、ジオレイン酸プロピレングリコール、イソステアリン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、イソノナン酸イソノニル、イソステアリン酸イソステアリル、セバシン酸ジイソプロピル、イソステアリン酸プロピレングリコール、炭酸ジカプリリル、トリ(カプリン酸/カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
なかでも、成分(A)の溶解性又は分散性を確保する観点、及び感触や使用感の観点から、炭素数8〜20の脂肪酸と炭素数2〜24の1価アルコールとのエステル、及びグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、炭素数8〜20の脂肪酸と炭素数2〜24の1価アルコールとのエステルから選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。より具体的には、成分(A)の溶解性又は分散性の観点、及び感触や使用感の観点から、イソノナン酸イソノニル、イソステアリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、及びトリ(カプリン酸/カプリン酸)グリセリルから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸イソプロピル、及びパルミチン酸イソプロピルから選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。またトリグリセリン脂肪酸エステル等のエステル油を含む、ホホバ油、オリーブ油等の植物油を用いることもできる。
かかるエステル油の含有量は、成分(A)の溶解性又は分散性を確保する観点から、成分(B)中に、好ましくは30質量%以上であり、より好ましくは40質量%以上であり、さらに好ましくは50質量%以上であり、好ましくは100質量%以下である。
成分(B)の20℃で液体の油としては、上記エステル油のほか、例えば、流動パラフィン、軽質イソパラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン、スクワレン等の直鎖又は分岐の炭化水素油;液状ラノリン等の動物油;メントキシプロパンジオール等のメントール誘導体;ジメチルポリシロキサン(別名:ジメチコン)、メチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン油;フルオロポリエーテル、パーフルオロアルキルエーテルシリコーン等のフッ素油等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
なかでも、上記エステル油との相溶性を確保する観点、及び成分(A)等の他の20℃で固体の油性成分の良好な溶解性又は分散性を確保する観点、及び軽い感触と使用感の観点から、メントール誘導体又はシリコーン油を含有することが好ましい。シリコーン油としては、成分(A)等の20℃で固体の油性成分の良好な溶解性又は分散性を確保する観点、並びに軽い感触と使用感の観点から、25℃における粘度が50mPa・s以下のものが好ましく、1〜30mPa・sのものがより好ましく、1〜20mPa・sのものがさらに好ましい。また、同様の観点から、20℃で液体のシリコーン油の25℃における粘度は、好ましくは1mPa・s以上であり、また、好ましくは50mPa・s以下、より好ましくは30mPa・s以下、さらに好ましくは20mPa・s以下である。より具体的には、25℃における粘度が20mPa・s以下のジメチルポリシロキサン、又はメチルシクロポリシロキサンを含有することがより好ましく、25℃における粘度が20mPa・s以下のジメチルポリシロキサンを含有することがさらに好ましい。
なお、成分(B)の粘度は、25℃において、B型粘度計(TOKI SANGYO VISCOMETER TVB−10M、東機産業社製)、ロータ1にて、60rpm、1分間の条件で測定することができる。
成分(B)の含有量は、成分(A)のメントールやその他の成分を良好に溶解又は分散させる観点から、本発明の皮膚外用剤中に、2質量%以上であって、好ましくは3質量%以上であり、より好ましくは4質量%以上である。また、成分(B)の含有量は、塗布時におけるべたつき感を良好に低減する観点、及び均一な外観を付与する観点から、本発明の皮膚外用剤中に、17質量%以下であって、好ましくは12質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは8質量%以下である。そして、成分(B)の含有量は、本発明の皮膚外用剤中に、2質量%以上17質量%以下であって、好ましくは3〜12質量%であり、より好ましくは4〜10質量%であり、さらに好ましくは4〜8質量%である。
成分(A)の含有量と成分(B)の含有量との質量比((A)/(B))は、べとつき感の増大を回避し、良好な肌感触を確保する観点、及び油特有の作用により成分(A)由来の冷感や爽やかな刺激が低減されるのを抑制する観点から、0.2以上であって、好ましくは0.25以上であり、より好ましくは0.3以上であり、さらに好ましくは0.5以上である。また、成分(A)の含有量と成分(B)の含有量との質量比((A)/(B))は、成分(A)の析出を有効に防止して溶解性又は分散性を確保し、低温安定性を高める観点から、1.5以下であって、好ましくは1.3以下であり、より好ましくは1.25以下である。そして、成分(A)の含有量と成分(B)の含有量との質量比((A)/(B))は、0.2以上1.5以下であって、好ましくは0.25〜1.3であり、より好ましくは0.3〜1.25であり、さらに好ましくは0.5〜1.25である。
本発明の皮膚外用剤は、成分(C)として、水を50質量%以上95質量%以下含有する。これにより、各成分の良好な溶解性及び分散性を確保して、メントール由来の冷感の持続性を高めつつ、優れた低温保存安定性を確保することができる。かかる成分(C)の含有量は、各成分の溶解性又は分散性を確保する観点、及び適度な粘度を保持して良好な使用感を確保する観点から、本発明の皮膚外用剤中に、50質量%以上であって、好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上である。また、成分(C)の含有量は、メントール由来の良好な冷感付与効果を確保する観点から、95質量%以下であって、好ましくは92質量%以下であり、より好ましくは90質量%以下であり、さらに好ましくは85質量%以下である。そして、成分(C)の含有量は、本発明の皮膚外用剤中に、50質量%以上95質量%以下であって、好ましくは60〜92質量%であり、より好ましくは70〜90質量%であり、さらに好ましくは70〜85質量%である。
本発明の皮膚外用剤は、エタノールの含有量が12質量%以下である。このようにエタノールの含有を制限することにより、塗布時における皮膚への刺激性を有効に抑制し、またエタノールが気化する際の吸熱反応によって、皮膚が過度に乾燥したり、過剰な冷感をもたらしたりするのを未然に防ぎ、さらには冷感の持続を確保することができる。
かかるエタノールの含有量は、上記観点から、本発明の皮膚外用剤中に、12質量%以下であって、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは9質量%以下であり、さらに好ましくは8質量%以下であり、さらに良好な低温保存安定性を保持する観点、及び製造性を高める観点からは、好ましくは2質量%以上であり、より好ましくは4質量%以上である。
エタノールの含有量と成分(B)の含有量との質量比(エタノール/(B))は、成分(B)によってエタノール由来の刺激性の発現を有効に抑制する観点から、2.5以下であって、好ましくは2以下であり、より好ましくは1.7以下であり、さらに好ましくは1.5以下であり、長期保存安定性を確保する観点、及び製造性を高める観点から、好ましくは0.4以上であり、より好ましくは0.5以上であり、さらに好ましくは0.6以上である。
本発明の皮膚外用剤は、金属又は金属塩を構成成分とする粉体の含有量が0.2質量%以下である。かかる金属又は金属塩を含む粉体は、本発明の皮膚外用剤の安定性を確保する観点、皮膚における伸びを確保する観点から含有を制限することが好ましく、さらに、水、アルコール、油剤等に溶解しない或いは油剤等において析出しやすいことから、衣服等の塗布した皮膚周辺に粉体が付着又は残存しやすいため、かかる粉体の含有を制限することにより、不要な付着や残存を抑制し、使用感が低下するのを有効に防止することができる。
かかる金属又は金属塩を構成成分とする粉体としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、硫酸バリウム、黄酸化鉄、及び黒酸化鉄から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。また、かかる金属又は金属塩を構成する粉体には、上記成分を含む粉体、例えば、含水ケイ酸マグネシウムを含むタルク、ケイ酸アルミニウム塩を含むマイカ(雲母)等も含まれる。
金属又は金属塩を構成成分とする粉体の含有量は、良好な使用感を確保する観点から、本発明の皮膚外用剤中に、0.2質量%以下であって、好ましくは0.1質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以下であり、或いは本発明の皮膚外用剤は、金属又は金属塩を構成成分とする粉体を含有しないのが好ましい。
本発明の皮膚外用剤は、塗布時におけるべたつき感を有効に抑制しながら、粉吹き等の不快な使用感を低減する観点から、シリカ、及び樹脂粉体から選ばれる粉体の含有を制限するのが好ましい。かかる樹脂粉体としては、例えば、アクリル酸アルキルのホモポリマー又は共重合体、メタクリル酸アルキルのホモポリマー又は共重合体、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体、酢酸ビニル・アクリル酸アルキル共重合体等の(メタ)アクリル酸(共)重合体樹脂、アクリル酸ブチル・ジメタクリル酸エチレングリコール・メタクリル酸ナトリウム共重合体、又はメタクリル酸ラウリル・ジメタクリル酸エチレングリコール・メタクリル酸ナトリウム共重合体(特開2006−8659号公報に記載)等の架橋(メタ)アクリル酸エステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリメチルシルセスキオキサンやオルガノポリシロキサンエラストマー等のシリコーン樹脂、ポリ酢酸ビニルポリマー等の酢酸ビニル樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂が挙げられ、使用感の観点から、架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、及びシリコーン樹脂から選ばれる樹脂粉体が好ましい。これらの樹脂粉体は、皮膚への伸びとなじみのよさの観点から、球状であることが好ましく、平均粒径が0.1〜50μmのものが好ましく、平均粒径が1〜20μmの粉体がより好ましく、平均粒径1〜10μmの粉体がさらに好ましい。樹脂粉体の平均粒径は、累積個数頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味し、測定器はレーザー回折散乱法に基づき、例えばHORIBA LA−920(堀場製作所社製)を用いて測定することができる。シリコーン樹脂の市販品としては、シリコンパウダー(信越化学工業(株)製)、トスパール(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)、トレフィル(東レ・ダウコーニング(株)製)等が挙げられる。
かかるシリカ、及び樹脂粉体から選ばれる粉体の含有量は、良好にべたつき感を抑制しつつ不快な使用感を有効に低減する観点から、本発明の皮膚外用剤中に、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは4質量%以下であり、さらに好ましくは3質量%以下である。
本発明の皮膚外用剤は、低温保存時における析出物の発生等を抑制し得るものの、含有量が増大するにつれてべたつき感が増強するため、良好な使用感を確保する観点から、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、平均分子量1000以下のポリエチレングリコールから選ばれる20℃で液体の多価アルコールの含有を制限するのが好ましい。かかる多価アルコールの含有量は、本発明の皮膚外用剤中に、好ましくは12質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下であり、或いは本発明の皮膚外用剤は、かかる多価アルコールを含有しないのが好ましい。
なお、上記ポリエチレングリコールの平均分子量とは、GPC(ゲルパーミェーションクロマトグラフィ)により測定される質量平均分子量を意味する。
本発明の皮膚外用剤は、低温保存時における粘度上昇を有効に防止して、良好な塗布性を確保する観点から、20℃で固体の多価アルコールの含有を制限するのが好ましい。かかる多価アルコールとしては、例えば、エリスリトール、α−D−グルコピラノシル−1,6−ソルビトールとα−D−グルコピラノシル−1,6−マンニトールの混合物である還元パラチノース、マンニトール、α−D−グルコピラノシル−1,6−ソルビトール又はα−D−グルコピラノシル−1,6−マンニトールであるグルコピラノシルソルビトール、キリシトール、マルチトール、ソルビトールから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。20℃で固体の多価アルコールの含有量は、本発明の皮膚外用剤中に、好ましは2質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以下であり、或いは本発明の皮膚外用剤は、かかる多価アルコールを含有しないのが好ましい。
また、成分(A)以外の20℃で固体の油の含有量は、べたつき感を有効に抑制して良好な使用感を確保する観点、及び低温保存安定性を有効に高める観点から、成分(B)の含有量に対して質量比(成分(A)以外の20℃で固体の油/(B))で0.2以下であるのが好ましい。かかる成分(A)以外の20℃で固体の油としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等の炭素数10〜26の飽和脂肪酸;トリパルミチン、トリステアリン等の飽和トリグリセリド(トリアシルグリセロール);融点が20℃以上の硬化油;メチルパラベン、エチルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
成分(A)以外の20℃で固体の油の含有量と、成分(B)の含有量との質量比(成分(A)以外の20℃で固体の油/(B))は、好ましくは0.2以下であり、より好ましくは0.1以下であり、さらに好ましくは0.07以下である。また、成分(A)以外の20℃で固体の油の含有量は、本発明の皮膚外用剤中に、好ましくは0〜1質量%であり、より好ましくは0.05〜0.5質量%であり、さらに好ましくは0.1〜0.3質量%である。
本発明の皮膚外用剤は、経時的に粘度が上昇するのを有効に防止し、良好な塗布性を確保する観点から、増粘多糖類及びセルロース系増粘剤から選ばれる増粘剤の含有を制限するのが好ましい。かかる増粘多糖類としてはキサンタンガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、グアーガム、マンナン、澱粉などが挙げられる。またセルロース系増粘剤としては、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、非結晶性セルロース等の半合成高分子が挙げられる。
これら増粘剤の含有量は、効果的に粘度の上昇を抑制して良好な塗布性を確保する観点から、本発明の皮膚外用剤中に、好ましくは0.1質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以下であり、さらに好ましくは0.01質量%以下であり、或いは本発明の皮膚外用剤は、かかる増粘剤を含有しないのが好ましい。
本発明の皮膚外用剤は、さらにカルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、アクリレーツ/アクリル酸アルキルクロスポリマーから選ばれるポリマーを含有することができる。これらのポリマーは適度な乳化能を有しているため、各成分を良好に分散又は溶解させて皮膚への優れた塗布性を確保することができる。かかるポリマーの市販品として、例えば、カーボポール(CARBOPOL)980、981、1342、ETD2020、ペムレン(PEMULEN)TR-1、ペムレン(PEMULEN)TR-2(以上、Lubrizol Advanced Materials社製)、アキュリン(Aculyn)22(ローム&ハース社製)、アリストフレックス(Aristoflex)AVC、HMB(クラリアントジャパン社製)等を用いることができる。
かかるポリマーの含有量は、良好な塗布性を確保する観点から、本発明の皮膚外用剤中に、好ましくは0.01〜1質量%であり、より好ましくは0.05〜0.9質量%であり、さらに好ましくは0.1〜0.8質量%である。
本発明の皮膚外用剤は、冷感や爽やかな刺激の実効感を向上し、これを持続させる観点から、ノニオン界面活性剤の含有量を適宜制限するのが好ましい。かかるノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、モノセチルグリセリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン等のポリオキシエチレン誘導体;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンモノステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノオレート等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;イソステアリルグリセリルエーテル等のアルキルグリセリルエーテル;モノベヘン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
ノニオン界面活性剤の含有量は、冷感や爽やかな刺激の実効感を向上し、これを持続させる観点から、本発明の皮膚外用剤中に、好ましくは0.2質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以下であり、さらに好ましくは0.05質量%以下であり、好ましくは0.01質量%以上であり、或いは本発明の皮膚外用剤は、ノニオン界面活性剤以外の界面活性剤を含有しなくともよい。
本発明の皮膚外用剤は、皮膚への冷感以外の刺激を低減し、良好な使用感を確保する観点、及び冷感や爽やかな刺激の実効感を向上し、これを持続させる観点から、ノニオン界面活性剤以外の界面活性剤、すなわち、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、及び両性界面活性剤から選ばれる界面活性剤は、その含有をより制限するのが好ましい。かかる界面活性剤としては、例えば、脂肪酸モノカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ステアロイルメチルタウリン及びその塩等のアニオン活性剤;脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルイミダゾリウムベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジメチルスルホベタイン、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルヒドロキシスルホベタイン等の両性界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
ノニオン界面活性剤以外の界面活性剤の含有量は、本発明の皮膚外用剤中に、好ましくは0.05質量%以下であり、より好ましくは0.01質量%以下であり、さらに好ましくは0.005質量%以下であり、或いは本発明の皮膚外用剤は、ノニオン界面活性剤以外の界面活性剤を含有しないのが好ましい。
本発明の皮膚外用剤は、上記成分以外の成分として、本発明の効果を阻害しない範囲内で、例えば、防腐剤、着色剤、紫外線吸収剤、紫外線遮断剤、保湿剤、香料、pH調整剤等を含有することができる。また、ビタミン類、血行促進剤、活性酸素消去剤、抗炎症剤、美白剤、殺菌剤等の薬効成分や生理活性成分を含有することもできる。
本発明の皮膚外用剤は、化粧品、医薬部外品、医薬品用途として用いることができ、形態としては、液体(ローション)、ジェル状、クリーム、又はエアゾール等が挙げられる。使用時には、顔や身体、手脚等の皮膚に本発明の皮膚外用剤を直接塗布又は噴霧してもよく、或いは予め布、不織布、紙等に含浸させた後、これを用いて皮膚に塗布してもよい。なかでも、本発明の皮膚外用剤は、手脚身体皮膚用の皮膚外用剤であるのが好ましく、手脚皮膚用の皮膚外用剤であるのがより好ましい。ここで脚としては、足底を除く領域が好ましい。
本発明の皮膚外用剤は、成分(A)と成分(B)を含有する油相をメントールの融点以上の温度で加熱し混合する工程、増粘剤をさらに油相に添加して混合する工程、及び油相と他の成分を混合する工程を備える製造方法により製造することができる。また、他の製造方法としては、成分(A)とエタノールを含有する混合相を混合する工程、及び成分(B)と増粘剤を含有する油相を混合する工程を備え、さらに前記混合相と油相と他の成分を混合する工程を備える製造方法が挙げられる。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、表中に特に示さない限り、各成分の含有量は質量%を示す。
[実施例1〜8、比較例1〜4]
表1に示す処方にしたがって、各ジェル状の皮膚外用剤を調製した。得られた皮膚外用剤を用い、下記方法にしたがって各評価を行った。なお、比較例4は混合しても分離してしまい調整することができなかったため、評価はしていない。
結果を表1に示す。
《低温保存安定性》
得られた皮膚外用剤を5℃で1ヶ月間保存した後、剤の状態を目視により評価した。
A:結晶もなく、固化も確認されなかった
C:針状の結晶が確認され、固化が生じていた
《べたつき感》
得られた皮膚外用剤を5名のパネラーの両脚の太腿前側に塗布し、塗布時におけるべたつき感について、下記基準にしたがって評価し、その平均値を求めた。
5:べたつき感がなかった
4:あまりべたつき感がなかった
3:ややべたつき感があった
2:べたつき感があった
1:かなりべたつき感があった
《刺激感》
得られた皮膚外用剤を5名のパネラーの両脚の太腿前側に塗布し、塗布時における肌感触について、下記基準にしたがって評価し、その平均値を求めた。
5:とても滑らかでしっとりした感触であり、刺激も感じなかった
4:滑らかな感触であり、ほとんど刺激も感じなかった
3:やや刺激を感じた
2:刺激を感じた
1:かなり刺激を感じた
Figure 0006868363
[実施例9〜10]
表2に示す処方にしたがって、上記実施例と同等の効果をもたらす皮膚外用剤を得るべく、各ジェル状の皮膚外用剤を調製した。
Figure 0006868363

Claims (3)

  1. 次の成分(A)、(B)及び(C):
    (A)メントール 2質量%以上10質量%以下
    (B)エステル油の含有量が50質量%以上100質量%以下である、20℃で液体の油 2質量%以上17質量%以下、
    (C)水 50質量%以上95質量%以下
    を含有し、
    カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、アクリレーツ/アクリル酸アルキルクロスポリマーから選ばれるポリマーを含有し、
    エタノールの含有量が2質量%以上10質量%以下であり、かつ
    成分(A)の含有量と成分(B)の含有量との質量比((A)/(B))が0.2以上1.5以下であり、エタノールの含有量と成分(B)の含有量との質量比(エタノール/(B))が0.6以上2.5以下であり、金属又は金属塩を構成成分とする粉体の含有量が0.2質量%以下であるか、或いは金属又は金属塩を構成成分とする粉体を含有しない皮膚外用剤。
  2. 成分(A)以外の20℃で固体の油の含有量が、成分(B)の含有量に対して質量比(成分(A)以外の20℃で固体の油/(B))で0〜0.2である請求項1に記載の皮膚外用剤。
  3. 成分(A)以外の20℃で固体の油の含有量が、0〜1質量%である請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
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