JP2013116870A - 皮膚外用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 長時間にわたり冷却感を得るために用いられる皮膚外用組成物を提供すること。
【解決手段】 組成物全体に対して、(A)10重量%以上の低級アルコールと、(B)1重量%以上のモノテルペンと、(C)増粘剤とを配合し、25℃での粘度が5000〜500000mPa・sのゲル状となるようにして皮膚外用組成物を調製する。(A)低級アルコールは、好ましくはエタノール及び/又はイソプロパノールである。(B)モノテルペンは、好ましくはメントールである。
【選択図】なし

Description

本発明は、長時間にわたり冷却感を得るための皮膚外用組成物、並びにそれに関連する発明に関する。
近年、地球温暖化の影響と共に、節電意識の高まりから、暑い夏を少しでも快適に過ごすために、身体に塗布することで冷却感を与える皮膚外用組成物が注目を浴びている。そして、これらの冷却感付与を意図した皮膚外用組成物は、暑い夏にさらっとした使用感を意図して、粘性の低い液剤等の形態で提供されていることが多い。
そして、従来、このような身体に冷却感を与えるための皮膚外用組成物には、冷却感を付与する成分として、一般にメントールやカンフル等の清涼化剤が配合されたり、或いは揮発の際の気化熱を利用して冷却感を与えるエタノール等の低級アルコールが配合されている。しかし、これらの冷却感を付与する成分の多くは揮発性が高いため、一時的には良好な冷却感が奏されるものの、持続性に欠けることが多く、何度も塗り直す必要があるなど使用者に不便を感じさせるものであった。
そこで、これまでにも、冷却用組成物の冷却感を持続させる試みがなされている。例えば、特許文献1は、l−メントール等の冷感物質と特定のサリチル酸エステル化合物とを併用することにより、冷感効果が持続されることを報告している。更に、特許文献2は、メントールやカンフル等の清涼化剤やエタノール等の低級飽和アルコール等の揮発性物質を用いることなく、(a)水溶性アルギン酸塩と(b)アルカリ土類金属塩と共に、(c)水に溶解して吸熱反応を起こす冷却物質とを配合した固体状の冷感組成物とすることにより、冷却効果の持続性が高められることを報告している。
しかし、更に優れた冷却感持続効果を皮膚外用組成物に付与する他の有用な手段の開発が求められている。
国際公開第2003/074622号パンフレット 特開2011−207788号公報
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、身体への塗布直後に高い冷却感が発揮されるだけでなく、その冷却感の持続効果にも優れた、更なる有用な他の冷却感付与手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、(A)10重量%以上と比較的高濃度の低級アルコール及び(B)1重量%以上と比較的高濃度のモノテルペンを一緒に配合すると共に、(C)増粘剤を配合して、25℃での粘度が5000〜500000mPa・sのゲル状となるように調整した製剤とすることにより、身体への塗布直後に高い冷却感が発揮されるのみならず、冷却感の持続効果にも優れた皮膚外用組成物が得られることを見出した。
そして本発明者らの更なる検討によれば、上記冷却感持続効果は、(C)増粘剤として、特定の共重合体を用いることによって、より一層高い持続効果を得ることが可能である。更に、これらのゲル状皮膚外用組成物に、特定の油性成分を配合することによっても、より一層効果的に高い冷却感持続効果を発揮させることができることをも見出した。
本発明は、以上のような知見に基づいて、更に改良を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる長時間の冷却感を得るために用いられるゲル状皮膚外用組成物を提供する。
項1. 組成物全体に対して、(A)10重量%以上の低級アルコールと、(B)1重量%以上のモノテルペンと、(C)増粘剤とを含有し、25℃での粘度が5000〜500000mPa・sであり、長時間の冷却感を得るために用いられるゲル状皮膚外用組成物。
項2. (A)成分として、エタノール及びイソプロパノールからなる群より選択される少なくとも1種を含有する、項1に記載のゲル状皮膚外用組成物。
項3. (B)成分として、メントールを含有する、項1又は2に記載のゲル状皮膚外用組成物。
項4. (C)増粘剤として、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウムとビニル系又はアクリル系単官能性モノマーとの共重合体を含有する、項1〜3のいずれかに記載のゲル状皮膚外用組成物。
項5. 前記ビニル系又はアクリル系単官能性モノマーが、下記式(1):
Figure 2013116870
で表される官能基を有するビニル系又はアクリル系単官能性モノマーであるか、又は下記一般式(2):
Figure 2013116870
(式中、Rは炭素数1〜30のアルキル基を示し、nは1〜50の整数を示す。)
で表されるモノマーである項4に記載のゲル状皮膚外用組成物。
項6. 更に、(D)IOB値が0.1〜0.7の油性成分を含有する、項1〜5のいずれかに記載のゲル状皮膚外用組成物。
項7. (D)成分として、IOB値が0.1〜0.7のエステル油を含有する、項6に記載のゲル状皮膚外用組成物。
項8. (D)IOB値が0.1〜0.7のエステル油として、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルを含有する、項7に記載のゲル状皮膚外用組成物。
項9. (D)成分を、組成物全体に対して0.1〜15重量%の割合で含有する、項6〜8のいずれかに記載のゲル状皮膚外用組成物。
更に本発明は、下記に掲げる、皮膚に適用した場合に奏される冷却感を持続させる方法をも提供する。
項10. 皮膚外用組成物に、(A)最終濃度が10重量%以上となるように低級アルコールと(B)最終濃度が1重量%以上となるようにモノテルペンと(C)増粘剤とを配合し、該組成物の25℃での粘度が5000〜500000mPa・sのゲル状となるように調整することにより、該組成物を皮膚に適用した場合に奏される冷却感を持続させる方法。
項11. (A)成分として、エタノール及びイソプロパノールからなる群より選択される少なくとも1種を配合する、項10に記載の冷却感持続方法。
項12. (B)成分として、メントールを配合する、項10又は11に記載の冷却感持続方法。
項13. (C)増粘剤として、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウムとビニル系又はアクリル系単官能性モノマーとの共重合体を配合する、項10〜12のいずれかに記載の冷却感持続方法。
項14. 前記ビニル系又はアクリル系単官能性モノマーが、下記式(1):
Figure 2013116870
で表される官能基を有するビニル系又はアクリル系単官能性モノマーであるか、又は下記一般式(2):
Figure 2013116870
(式中、Rは炭素数1〜30のアルキル基を示し、nは1〜50の整数を示す。)
で表されるモノマーである項13に記載の冷却感持続方法。
項15. 前記皮膚外用組成物に、更に、(D)IOB値が0.1〜0.7の油性成分を配合する、項10〜14のいずれかに記載の冷却感持続方法。
項16. (D)成分として、IOB値が0.1〜0.7のエステル油を配合する、項15に記載の冷却感持続方法。
項17. (D)IOB値が0.1〜0.7のエステル油として、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルを配合する、項16に記載の冷却感持続方法。
項18. (D)成分を、最終濃度が0.1〜15重量%となるような割合で配合する、項15〜17のいずれかに記載の冷却感持続方法。
本発明により、身体への塗布直後に高い冷却感が発揮されるだけでなく、その冷却感の持続効果にも優れた、皮膚外用組成物が提供される。かかる本発明の皮膚外用組成物は、冷却感の持続効果が高いので、冷却感を得るために何度も塗り直す手間を省くことができ、実用上極めて有益である。
以下、本発明を詳細に説明する。
1.ゲル状皮膚外用組成物
本発明の長時間の冷却感を得るために用いられるゲル状皮膚外用組成物は、該組成物全体に対して(A)10重量%以上の低級アルコールと、(B)1重量%以上のモノテルペンと、(C)増粘剤とを含有し、25℃での粘度が5000〜500000mPa・sである。
(A)低級アルコール <以下、単に(A)成分ともいう。>
本明細書において、低級アルコールとは、炭素数1〜6の1価のアルコールをいう。
本発明に用いられる低級アルコールは、医薬上又は生理学的に使用され得るものである限り、特に制限されない。具体的には、低級アルコールとして、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコールなどを挙げることができる。これらの中でも、より一層高い冷却感とその持続効果を得るという観点から、好ましくは、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソブチルアルコールであり、より好ましくはエタノール及びイソプロパノールであり、特に好ましくはエタノールである。これらの低級アルコールは、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明のゲル状皮膚外用組成物における、上記(A)成分の配合割合は、該組成物全体に対して10重量%以上であれば特に制限されず、(A)成分の種類等に応じて適宜設定することができる。例えば、(A)成分の配合割合は、組成物全体に対して10〜50重量%であり、好ましくは10〜30重量%であり、より好ましくは10〜20重量%である。ゲル状皮膚外用組成物全体に対する(A)成分の配合割合が10重量%より少ないと、十分な冷却感持続効果が得られないため、好ましくない。また、(A)成分の配合割合が多くなりすぎると、ゲル状組成物として充分に高い粘度の製剤に調製することが困難となる場合がある。
(B)モノテルペン <以下、単に(B)成分ともいう。>
モノテルペンとは、二個のイソプレン単位からなる構造を有し、清涼化剤等として公知の化合物である。
本発明に用いられるモノテルペンは、医薬上又は生理学的に使用され得るものである限り、特に制限されない。また、モノテルペンは、d体、l体又はdl体の何れであってもよい。具体的には、モノテルペンとして、例えば、ゲラニオール、ネロール、ミルセノール、リナロール、酢酸リナロール、ラバンジュロールのような非環式モノテルペン;メントール、リモネン、アネトール、オイゲノールのような単環式モノテルペン;カンフル、ボルネオール、イソボルネオール、シネオール、ピネンのような二環式モノテルペン;などが挙げられる。これらの中でも、より一層高い冷却感とその持続効果を得るという観点から、好ましくは、単環式モノテルペン及び二環式モノテルペンであり、より好ましくは、メントール、カンフル、オイゲノール、ゲラニオール、及びボルネオールであり、好ましくは、メントール及びカンフルであり、特に好ましくはメントールである。これらのモノテルペンは、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
さらに、モノテルペンとしては、それを含む精油を用いてもよい。このような精油としては、クールミント油、ペパーミント油、ハッカ油、ユーカリ油、ベルガモット油、スペアミント油、ローズ油、樟脳油などが挙げられる。例えば、メントールやカンフルを含む精油としては、クールミント油、ペパーミント油、ハッカ油、樟脳油などを挙げることができる。これらの精油は、植物から、公知の方法で採取することができる。このような公知の精油採油方法として、水蒸気蒸留法、脱臭した動物油脂に植物を添加して精油を吸着させた後、エタノールで精油を抽出する油脂吸着法、植物をヘキサンやベンゼンのような有機溶媒又は超臨界流体で抽出し、抽出溶媒をエタノールに溶解させた後、エタノールを蒸発させて残渣を採取する溶剤抽出法、圧搾法などが挙げられる。モノテルペンは、精油から、各種クロマトグラフィーにより回収することもできる。
本発明のゲル状皮膚外用組成物における、上記(B)成分の配合割合は、該組成物全体に対して1重量%以上であれば特に制限されず、(B)成分の種類等に応じて適宜設定することができる。例えば、(B)成分の配合割合は、組成物全体に対して1〜15重量%であり、好ましくは1〜10重量%であり、より好ましくは2〜7重量%であり、特に好ましくは2〜5重量%である。なお、(B)成分として、モノテルペンを含む精油を用いる場合には、配合される精油中のモノテルペン含有量が上記配合比率を満たすように設定される。ゲル状皮膚外用組成物全体に対する(B)成分の配合割合が1重量%より少ないと、十分な冷却感やその持続効果が得られないため好ましくない。また、(B)成分の配合割合が高くなりすぎると、皮膚に適用した場合の刺激感が強すぎると感じられる場合があるので好ましくない。
本発明のゲル状皮膚外用組成物における、(A)成分と(B)成分の配合比率は、特に制限されるものではないが、より一層高い本願効果を得るという観点から、好ましくは、(A)成分が1重量部に対して、(B)成分が0.1〜1.0重量部、より好ましくは0.1〜0.5重量部、特に好ましくは0.2〜0.4重量部となる範囲が例示される。なお、(A)成分として、モノテルペンを含む精油を用いる場合には、配合される精油中のモノテルペン含有量が上記配合比率を満たすように設定される。
(C)増粘剤 <以下、単に(C)成分ともいう。>
増粘剤は、所望の粘度を有するゲル状組成物とするのに充分な増粘効果を発揮させるために用いられる成分である。
本発明に用いられる増粘剤は、医薬上又は生理学的に使用され得るものである限り、特に制限されない。具体的には、本発明に用いられる増粘剤として、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、キサンタンガム、デキストラン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト、デキストリン脂肪酸エステル、ペクチン、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウムメタクリル酸ベヘネス−25)クロスコポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ステアレス−25)クロスポリマー、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、トリイソステアリン酸エチレングリコール、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)メチルグルコシドなどが挙げられる。中でも、キサンタンガム、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、カルボキシビニルポリマー、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウムメタクリル酸ベヘネス−25)クロスコポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ステアレス−25)クロスポリマー、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、トリイソステアリン酸エチレングリコール、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)メチルグルコシドなどを挙げることができるが、これらに限定されない。これらの増粘剤は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
後述の実施例に示されるように、本発明者らの検討により、(C)成分の増粘剤として、特定構造を有する共重合体(コポリマー)を用いることにより、より一層高い冷却感持続効果が得られることが確認されている。具体的には、増粘剤として、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウムとビニル系又はアクリル系単官能性モノマーとの共重合体を用いることで、顕著に高い冷却感持続効果を得ることが可能である。なお、本明細書においてアクリル系とは、メタアクリル系を含む。ビニル系又はアクリル系単官能性モノマーとしては、非イオン性であることが好ましく、疎水性であることが更に好ましい。
具体的には、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウムと重合されるビニル系又はアクリル系単官能性モノマーの好適な一例として、下記式(1):
Figure 2013116870
で表される官能基(ピロリジニル基)を有するビニル系又はアクリル系単官能性モノマーを挙げることができる。より具体的には、上記式(1)で表される官能基を有するモノマーとしては、N−ビニル−2−ピロリドンが挙げられる。
また、ビニル系又はアクリル系単官能性モノマーの好適な他の一例として、(メタ)アクリル酸系単官能性モノマー、中でも、メタアクリル酸系単官能性を挙げることもできる。とりわけ、下記一般式(2):
Figure 2013116870
(式中、Rは炭素数1〜30のアルキル基を示し、nは1〜50の整数を示す。)
で表されるモノマーが好ましい。
は、炭素数1〜30のアルキル基であれば特に制限されないが、メチル、エチル、ステアリル及びベヘニルが好ましく、ステアリル及びベヘニルがより好ましく、ベヘニルが特に好ましい。また、nは1〜50の整数であれば特に制限されないが、1〜40が好ましく、1〜30がより好ましく、10〜30が特に好ましい。
上記のようなアクリロイルジメチルタウリンアンモニウムとビニル系又はアクリル系単官能性モノマーとの共重合体としては、例えば、上記式(1)で表される官能基を有するモノマーを含む、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマーや、上記一般式(2)で表されるモノマーを含む、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウムメタクリル酸ベヘネス−25)クロスコポリマーや(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ステアレス−25)クロスポリマーなどが挙げられる。これらの共重合体は、合成によって入手してもよいし、また市販品としても入手できる。市販品としては、例えば、Aristoflex AVC(商品名)、Aristoflex HMB(商品名)、Aristoflex HMS(商品名)[いずれも、クラリアントジャパン株式会社製]などを好適に用いることができる。これらの共重合体は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
また、本発明のように低級アルコールを10重量%以上となるように比較的多量に含有するゲル状組成物は、製剤的に不安定になり易く、経時的に離漿を起こす場合がある。然るに、(C)成分として上記のようなアクリロイルジメチルタウリンアンモニウムとビニル系又はアクリル系単官能性モノマーとの共重合体を用いた本発明の実施態様では、長期間保存しても離漿が抑制され、製剤的に非常に安定であったことが確認されている。
更に、高粘度の製剤は一般に、光に対して不安定で、光に曝されることで粘度低下が引き起こされる場合がある。然るに、(C)成分として上記のようなアクリロイルジメチルタウリンアンモニウムとビニル系又はアクリル系単官能性モノマーとの共重合体を用いた本発明の実施態様では、光に曝されても粘度低下が引き起こされにくく非常に安定であったことも確認されている。よって、(C)成分として、上記のようなアクリロイルジメチルタウリンアンモニウムとビニル系又はアクリル系単官能性モノマーとの共重合体を用いることにより、高粘度製剤でありながら光に曝されることによる粘度低下が抑制されるので、光を透過し易い透明な容器に充填して本発明のゲル状皮膚外用組成物を提供することも可能となる。このような光透過性の高い容器に充填して提供された場合には、使用者が使用時に目視で残存量等を確認し易いので、実用上非常に有益である。
本発明のゲル状皮膚外用組成物における、上記(C)成分の配合割合は、最終組成物に対し後述のようにして測定される粘度(25℃)が5000〜500000mPa・sとなるように適宜調整して決定され得る。一例として、(C)成分の配合割合は、組成物全体に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜7重量%、特に好ましくは0.3〜5重量%とすることができる。
本発明のゲル状皮膚外用組成物における、(A)成分と(C)成分の配合比率は、特に制限されるものではないが、一例として、(A)成分が1重量部に対して、(C)成分が0.015〜0.5重量部、好ましくは0.03〜0.3重量部、特に好ましくは0.05〜0.2重量部となる範囲が例示される。
また後述の実施例の結果に示されるように、本発明のゲル状皮膚外用組成物は、更に(D)成分としてIOB値が0.1〜0.7の油性成分を含むことによって、より一層高い冷却感持続効果を発揮することができることが確認できている。
(D)油性成分 <以下、単に(D)成分ともいう。>
本発明に配合されることでより一層高い冷却感持続効果を発揮させることができる油性成分は、IOB値が0.1〜0.7の範囲内に入るものである。
IOB(Inorganic Organic Balance)値とは、有機概念図(藤田穆、有機化合物の予測と有機概念図、化学の領域 Vol.11, No.10 (1957) 719-725)に基づき目的化合物の有機性値(OV)と無機性値(IV)とを算出し、それらの比(IV/OV)によって算出される値である(有機概念図の詳細については、「新版 有機概念図−基礎と応用−」、甲田善生等著、三共出版、2008を参照)。
本発明に配合されると好ましいIOB値が0.1〜0.7の油性成分としては、医薬上又は生理学的に使用され得るものである限り、特に制限されない。具体的には、IOB値が0.1〜0.7の油性成分としては、パルミチン酸オクチル(IOB=0.13)、2−エチルヘキサン酸セチル(IOB=0.13)、オクタン酸セチル(IOB=0.13)、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン(IOB=0.14)、ミリスチン酸イソプロピル(IOB=0.18)、トリイソステアリン酸グリセリル(IOB=0.18)、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン(IOB=0.20)、イソノナン酸イソノニル(IOB=0.20)、イソデシルベンゾエート(IOB=0.23)、イソデシルベンゾエート(IOB=0.23)、ジカプリル酸ネオペンチルグリコール(IOB=0.25)、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(IOB=0.25)、リンゴ酸ジイソステアリル(IOB=0.27)、ジイソステアリン酸グリセリル(IOB=0.29)、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン(IOB=0.31)、トリオクタン酸トリメチロールプロパン(IOB=0.31)、ジカプリル酸プロピレングリコール(IOB=0.32)、コハク酸ジ2−エチルヘキシル(IOB=0.32)、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル(IOB=0.33)、テトラ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ペンタエリスリット(IOB=0.35)、トリオクタノイン(IOB=0.35)、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル(IOB=0.35)、テトラオクタン酸ペンタエリスリット(IOB=0.35)、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット(IOB=0.35)、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル(IOB=0.36)、セバシン酸ジイソプロピル(IOB=0.40)等のエステル油;オリーブ油(IOB=0.16)、ヒマシ油(IOB=0.42)、マカダミアナッツ油(IOB=0.17)等の植物系油;イソステアリン酸(IOB=0.43)、オレイン酸(IOB=0.42)等の脂肪酸;デシルテトラデカノール(IOB=0.21)、オレイルアルコール(IOB=0.28)等の高級アルコール;などが挙げられる。これらの中でも、より一層高い冷却感持続効果を得るという観点から、好ましくはIOB値が0.1〜0.7のエステル油、より好ましくはIOB値が0.2〜0.5のエステル油、更に好ましくはIOB値が0.3〜0.4のエステル油である。IOB値0.3〜0.4のエステル油の中でも、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルが特に好ましい。トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルは、カプリル酸及びカプリン酸とグリセリンとのトリエステルであり、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリルとも呼ばれることがある。本発明のゲル状皮膚外用組成物に(D)成分を配合する場合、これらの油性成分は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明のゲル状皮膚外用組成物における、上記(D)成分の配合割合は、本願効果を奏する限り、特に制限されず、(D)成分の種類等に応じて適宜設定することができる。より一層高い冷却感持続効果を得るという観点からは、(D)成分の配合割合は、組成物全体に対して0.1〜15重量%であり、好ましくは0.5〜10重量%であり、特に好ましくは1〜7重量%である。
本発明のゲル状皮膚外用組成物における、(A)成分と(D)成分の配合比率は、特に制限されるものではないが、より一層高い冷却感持続効果を得るという観点から、好ましくは、(A)成分が1重量部に対して、(D)成分が0.05〜0.6重量部、より好ましくは0.1〜0.5重量部、特に好ましくは0.15〜0.4重量部となる範囲が例示される。
また、本発明のゲル状皮膚外用組成物は、更に可溶化成分を含有することが好ましい。このように可溶化成分を更に配合することによって、高濃度のモノテルペンの溶解性を向上させることができるだけでなく、より一層効果的に冷却感持続効果を発揮させることが可能となる。
可溶化成分は、医薬上又は生理学的に使用され得るものである限り、特に制限されない。具体的には、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、イソプレングリコール、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エトキシジグリコール等の多価アルコール;水素添加大豆リン脂質、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンステロール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等を挙げることができる。より一層効果的に冷却感持続効果が発揮されるという観点から、好ましくは、多価アルコールであり、より好ましくは、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコールであり、より好ましくは、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコールであり、特に好ましくはプロピレングリコールである。
可溶化成分の配合割合は特に制限されず、種類等に応じて適宜設定することができるが、モノテルペンの溶解性を向上させるという観点及び/又はより効果的に冷却感持続効果を発揮させるという観点から、組成物全体に対して0.01〜15重量%であり、好ましくは0.1〜10重量%であり、特に好ましくは1〜7重量%である。
本発明のゲル状皮膚外用組成物に可溶化成分を配合する場合における、(A)成分と可溶化成分の配合比率は、特に制限されるものではないが、より一層高い本願効果を得るという観点から、好ましくは、(A)成分が1重量部に対して、可溶化成分が0.02〜0.7重量部、より好ましくは0.05〜0.6重量部、特に好ましくは0.1〜0.5重量部となる範囲が例示される。
本発明のゲル状皮膚外用組成物には、前述した各成分に加えて、他の有用な作用を付加するため、紫外線散乱成分、紫外線吸収成分、DNA損傷の予防及び/又は修復作用を有する成分、美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、老化防止成分、保湿成分、角質柔軟成分、ビタミン類、血行促進成、皮脂吸着成分等の各種成分を1種または2種以上組み合わせて配合してもよい。これらの各成分としては、医薬品、医薬部外品、化粧品分野などにおいて使用され得るものであれば特に制限されず、任意のものを適宜選択し使用することができる。
紫外線散乱成分としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、ケイ酸チタン、ケイ酸亜鉛、無水ケイ酸、ケイ酸セリウム、含水ケイ酸等の無機化合物や、それらの無機化合物を含水ケイ酸、水酸化アルミニウム、マイカやタルク等の無機粉体で被覆したり、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ナイロン等の樹脂粉体に複合化したもの、さらにシリコン油や脂肪酸アルミニウム塩等で処理したものなどが挙げられる。中でも、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄等の無機化合物や、これらの無機化合物を水酸化アルミニウム、含水ケイ酸、マイカやタルク等の無機粉体やシリコン油で被覆したものが好ましい。紫外線散乱成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、皮膚外用組成物の全体に対して例えば約0.001〜35重量%、好ましくは約0.1〜25重量%である。
紫外線吸収成分としては、例えば、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、2,4,6−トリス[4−(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、ジメトキシベンジリデンオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。紫外線吸収成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、皮膚外用組成物の全体に対して例えば約0.01〜20重量%、好ましくは約0.1〜15重量%である。
DNAの損傷の予防及び/又は修復作用を有する成分としては、例えば、動物(例えば、アルテミア)に由来する成分;植物(例えば、キャッツクロー)に由来する成分;DNA、DNA塩、RNA、RNA塩等の核酸成分が挙げられる。DNAの損傷の予防及び/又は修復作用を有する成分の配合量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、皮膚外用組成物の全体に対して、例えば約0.001〜3重量%、好ましくは約0.01〜1重量%である。動物成分や植物成分を用いる場合の使用量は、エキスなどの抽出物換算で、皮膚外用組成物の全体に対して、約0.00001〜0.1重量%、好ましくは約0.0001〜0.01重量%である。
美白成分としては、例えば、プラセンタ;アルブチン;コウジ酸;エラグ酸;フィチン酸;ルシノール;カモミラET;ビタミンA又はその誘導体、パントテン酸又はその誘導体等のビタミン類等が挙げられる。更に、美白作用を有する植物成分を美白成分として用いてもよく、かかる植物成分としては、イリス(アイリス)、アーモンド、アロエ、イチョウ、ウーロン茶、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、オドリコソウ、海藻、カッコン、クチナシ、クジン、クロレラ、ゴバイシ、コムギ、コメ、コメハイガ、オリザノール、コメヌカ、サイシン、サンショウ、シソ、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、ダイズ、納豆、茶、トウキ、トウキンセンカ、ニンニク、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、ヨクイニン、トウキ、アメジスト、アセンヤク、アセビワラビ、イヌマキ、エノキ、カキ(Diospyros kaki)、キササゲ、クロマメ、ゲンチアナ、ゲンジン、サルサ、サヤインゲン、ショクマ、ジュウロウ、セージ、ゼンコ、ダイコン、ツツジ、ツクシハギ、トシン、ニガキ、パセリ、ヒイラギ、ホップ、マルバハギ、チョウジ、カンゾウ等の植物に由来する成分が挙げられる。好ましくは、イリス(アイリス)、アロエ、イチョウ、ウーロン茶、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、オドリコソウ、海藻、カッコン、クチナシ、クジン、ゴバイシ、コムギ、コメ、コメヌカ、サイシン、サンショウ、シソ、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、茶、トウキ、トウキンセンカ、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、ヨクイニン、アメジスト、アセンヤク、エノキ、カキ(Diospyros kaki)、キササゲ、クロマメ、ゲンチアナ、サルサ、サヤインゲン、ジュウロウ、セージ、ゼンコ、ダイコン、ツツジ、ツクシハギ、トシン、ニガキ、パセリ、ヒイラギ、ホップ、チョウジ、カンゾウ及びトウキの植物由来成分であり、より好ましくは、イリス(アイリス)、アロエ、イチョウ、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、クチナシ、クジン、コメ、コメヌカ、サイシン、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、茶、トウキ、トウキンセンカ、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、アメジスト、アセンヤク、エノキ、カキ(Diospyros kaki)、セージ、ダイコン、ツツジ、パセリ、ホップ、カンゾウ及びヨクイニンの植物由来成分が挙げられる。これらの植物成分を本発明のエラスチン産生促進剤に用いる場合、植物成分の形態は特に制限されないが、通常は植物エキス(植物抽出物)や精油などの態様で使用することができる。なお、上記植物成分中に記載の( )内は、その植物の学名、別名または生薬名である。美白成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、皮膚外用組成物の全体に対して例えば約0.0003〜10重量%、好ましくは約0.01〜5重量%である。植物エキスを用いる場合の使用量は、エキスなどの抽出物換算で、皮膚外用組成物の全体に対して、約0.00001〜20重量%、好ましくは約0.0001〜15重量%、より好ましくは0.001〜10重量%である。
抗炎症成分としては、例えば、アラントイン、カラミン、グリチルリチン酸又はその誘導体、グリチルレチン酸又はその誘導体、酸化亜鉛、グアイアズレン、酢酸トコフェロール、塩酸ピリドキシン、メントール、カンフル、テレピン油、インドメタシン、サリチル酸又はその誘導体等が挙げられる。好ましくはグリチルリチン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩(例えば、グリチルリチン酸ジカリウムなど)、グリチルレチン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩、または酸化亜鉛である。抗炎症成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、皮膚外用組成物の全体に対して例えば約0.0003〜10重量%、好ましくは約0.01〜5重量%である。
抗菌成分としては、例えば、クロルヘキシジン、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、アクリノール、エタノール、塩化ベンゼトニウム、クレゾール、グルコン酸及びその誘導体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、1,2-ペンタンジオール、塩酸アルキルジアミノグリシン等が挙げられる。抗菌成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、皮膚外用組成物の全体に対して例えば約0.0003〜10重量%、好ましくは約0.01〜5重量%である。
細胞賦活化成分としては、例えば、γ-アミノ酪酸、ε-アミノカプロン酸などのアミノ酸類:レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸類などのビタミン類:グリコール酸、乳酸などのα-ヒドロキシ酸類:タンニン、フラボノイド、サポニン、アラントイン、感光素301号などが挙げられる。細胞賦活化成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、皮膚外用組成物の全体に対して例えば約0.0003〜10重量%、好ましくは約0.01〜5重量%である。
収斂成分としては、例えば、ミョウバン、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムカリウム等の金属塩;タンニン酸、クエン酸、乳酸、コハク酸などの有機酸を挙げることができる。収斂成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、皮膚外用組成物の全体に対して例えば約0.0003〜10重量%、好ましくは約0.01〜5重量%である。
抗酸化成分としては、例えば、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸水素ナトリウム、エリソルビン酸及びその塩、フラボノイド、グルタチオン、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、カタラーゼ、スーパーオキサイドジスムターゼ、チオレドキシン、タウリン、チオタウリン、ヒポタウリンなどが挙げられる。抗酸化成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、皮膚外用組成物の全体に対して例えば約0.00001〜10重量%、好ましくは約0.0001〜5重量%、より好ましくは0.001〜5重量%である。
老化防止成分としては、例えば、レチノイド(レチノール、レチノイン酸、レチナール等)、パンガミン酸、ウルソール酸、ウコンエキス、スフィンゴシン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N−メチル−L−セリン、メバロノラクトン等が挙げられる。老化防止成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、皮膚外用組成物の全体に対して例えば約0.0003〜10重量%、好ましくは約0.01〜5重量%である。
保湿成分としては、アラニン、セリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルコサミン、テアニンなどのアミノ酸及びその誘導体;グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどの多価アルコール;ソルビトールなどの糖アルコール;レシチン、水素添加レシチン等のリン脂質;プロピレングリコール、ヘパリン、コンドロイチン、ヒアルロン酸又はその塩(例えば、ヒアルロン酸ナトリウム等)、アセチル化ヒアルロン酸又はその塩(例えば、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム等)等のムコ多糖;乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、尿素などのNMF由来成分等が挙げられる。保湿成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、皮膚外用組成物の全体に対して例えば約0.1〜10重量%、好ましくは約0.5〜5重量%である。
角質柔軟成分としては、例えば、ラノリン、尿素、フィチン酸、乳酸、乳酸塩、グリコール酸、サリチル酸、リンゴ酸、クエン酸などが挙げられる。角質柔軟成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、皮膚外用組成物の全体に対して、例えば0.0001〜50重量%、好ましくは約0.001〜50重量%、より好ましくは約0.05〜25重量%である。
ビタミン類としては、例えば、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のレチノール誘導体、レチナール、レチノイン酸、レチノイン酸メチル、レチノイン酸エチル、レチノイン酸レチノール、d−δ−トコフェリルレチノエート、α−トコフェリルレチノエート、β−トコフェリルレチノエート等のビタミンA類;β−カロチン、α−カロチン、γ−カロチン、δ−カロチン、リコピン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、エキネノン等のプロビタミンA類;δ−トコフェロール、α−トコフェロール、β−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム、δ−トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール等のビタミンE類;リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、リボフラビンテトラニコチン酸エステル等のビタミンB2類;ニコチン酸メチル、ニコチン酸、ニコチン酸アミドなどのニコチン酸類;ステアリン酸アスコルビル、ジパルミチン酸L−アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコルビル(テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル)、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸グルコシドなどのビタミンC類;メチルヘスペリジン、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロールなどのビタミンD類;フィロキノン、ファルノキノン等のビタミンK類;ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン塩酸塩、チアミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンモノリン酸塩、チアミンリジン塩、チアミントリリン酸塩、チアミンモノリン酸エステルリン酸塩、チアミンモノリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル塩酸塩、チアミントリリン酸エステル、チアミントリリン酸エステルモノリン酸塩等のビタミンB1類;塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、5’−リン酸ピリドキサール、塩酸ピリドキサミン等のビタミンB6類、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、デオキシアデノシルコバラミン等のビタミンB12類;葉酸、プテロイルグルタミン酸等の葉酸類;パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D−パンテテイン、D−パンテチン、補酵素A、パントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類;ビオチン、ビオシチン等のビオチン類;そのほか、カルニチン、フェルラ酸、α−リポ酸、オロット酸、γ−オリザノール等のビタミン様作用因子などが挙げられる。ビタミン類を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、皮膚外用組成物の全体に対して、例えば約0.001〜30重量%、好ましくは約0.1〜25重量%、より好ましくは約0.5〜20重量%である。
血行促進成分としては、例えば、植物(例えば、オタネニンジン、アシタバ、アルニカ、イチョウ、ウイキョウ、エンメイソウ、オランダカシ、カミツレ、ローマカミツレ、カロット、ゲンチアナ、ゴボウ、コメ、サンザシ、シイタケ、セイヨウサンザシ、セイヨウネズ、センキュウ、センブリ、タイム、チョウジ、チンピ、トウキ、トウニン、トウヒ、ニンジン、ニンニク、ブッチャーブルーム、ブドウ、ボタン、マロニエ、メリッサ、ユズ、ヨクイニン、ローズマリー、ローズヒップ、チンピ、トウキ、トウヒ、モモ、アンズ、クルミ、トウモロコシ)に由来する成分;ニコチン酸トコフェロール、グルコシルヘスペリジン、ヘスペリジンが挙げられる。血行促進成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、皮膚外用組成物の全体に対して例えば約0.00001〜10重量%、好ましくは0.0001〜5重量%、より好ましくは約0.001〜5重量%である。植物由来成分を用いる場合の使用量は、エキスなどの抽出物換算で、皮膚外用組成物の全体に対して、約0.00001〜20重量%、好ましくは約0.0001〜15重量%、より好ましくは0.001〜10重量%である。
皮脂吸着成分としては、例えば、タルク、マイカ、ヒドロキシアパタイト、酸化亜鉛、ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。なかでも、好ましくは、マイカ、ヒドロキシアパタイト、及び酸化亜鉛であり、特に好ましくはマイカである。皮脂吸着成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、皮膚外用組成物の全体に対して例えば約0.001〜35重量%、好ましくは約0.1〜25重量%である。
上記のような各種成分は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
また本発明のゲル状皮膚外用組成物は、上記各成分に加えて用途あるいは剤形に応じて、医薬品、医薬部外品、又は化粧品などの分野に通常使用される成分を適宜配合しても良い。配合できる成分としては、特に制限されないが、例えば、基剤又は担体、界面活性剤、酸化防止剤、保存剤、pH調整剤、キレート剤、安定化剤、刺激軽減剤、防腐剤、着色剤、分散剤、香料等の添加剤を配合することができる。なお、これらの成分は1種単独で、または2種以上を任意に組み合わせて配合することができる。
基剤又は担体としては、水などの水系基剤;流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ゲル化炭化水素(プラスチベースなど)、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、軽質流動パラフィンのような炭化水素;メチルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、架橋型アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、架橋型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分岐シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコン、フェニル変性シリコーン、シリコーンレジンのようなシリコーン油;セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールのような高級アルコール;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体;ポリビニルピロリドン;カラギーナン;ポリビニルブチラート;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ブチレングリコールアジピン酸ポリエステル;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、ホホバ油のようなエステル類;デキストリン、マルトデキストリンのような多糖類;エタノール、イソプロパノールのような低級アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルのようなグリコールエーテル;ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、イソプレングリコール、ジグリセリン、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール;などが挙げられる。好ましくは、水系基剤であり、より好ましくは水である。本発明のゲル状皮膚外用組成物が水を含有する場合、その配合量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、皮膚外用組成物の全体に対して例えば約30〜80重量%、好ましくは50〜80重量%、より好ましくは60〜80重量%である。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン(以下、POEという)−オクチルドデシルアルコールやPOE−2−デシルテトラデシルアルコール等のPOE−分岐アルキルエーテル;POE −オレイルアルコールエーテルやPOE−セチルアルコールエーテル等のPOE−アルキルエーテル;ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート及びソルビタンモノラウレート等のソルビタンエステル;POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノイソステアレート、及びPOE−ソルビタンモノラウレート等のPOE−ソルビタンエステル;グリセリンモノオレエート、グリセリンモノステアレート、及びグリセリンモノミリステート等のグリセリン脂肪酸エステル;POE−グリセリンモノオレエート、POE−グリセリンモノステアレート、及びPOE−グリセリンモノミリステート等のPOE−グリセリン脂肪酸エステル;POE−ジヒドロコレステロールエステル、POE−硬化ヒマシ油、及びPOE−硬化ヒマシ油イソステアレート等のPOE−硬化ヒマシ油脂肪酸エステル;POE−オクチルフェニルエーテル等のPOE−アルキルアリールエーテル;モノイソステアリルグリセリルエーテルやモノミリスチルグリセリルエーテル等のグリセリンアルキルエーテル;POE−モノステアリルグリセリルエーテル、POE−モノミリスチルグリセリルエーテル等のPOE−グリセリンアルキルエーテル;ジグリセリルモノステアレート、デカグリセリルデカステアレート、デカグリセリルデカイソステアレート、及びジグリセリルジイソステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル、等の各種非イオン界面活性剤:あるいはレシチン、水素添加レシチン、サポニン、サーファクチンナトリウム、コレステロール、胆汁酸などの天然由来の界面活性剤等を例示することができる。
酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、トコフェロール、トコフェロール誘導体、エリソルビン酸、L−システイン塩酸塩などが挙げられる。
防腐剤又は保存剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ベンジル、パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、ソルビン酸およびその塩、グルコン酸クロルヘキシジン、アルカンジオールなどが挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、無機酸(塩酸、硫酸など)、有機酸(乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウムなど)、無機塩基(水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど)、有機塩基(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなど)などが挙げられる。
キレート剤としては、例えば、キレート剤としては、エチレンジアミン4酢酸(エデト酸)、エチレンジアミン4酢酸塩(ナトリウム塩(エデト酸ナトリウム:日本薬局方、EDTA−2Naなど)、カリウム塩など)、フィチン酸、グルコン酸、ポリリン酸、メタリン酸などが挙げられる。中でも、エデト酸ナトリウムが好ましい。
安定化剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ビチルヒドロキシアニソールなどが挙げられる。
刺激低減剤としては、例えば、甘草エキス、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。
上記のような添加剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明のゲル状皮膚外用組成物の粘度(25℃)は、約5000〜500000mPa・sの範囲内であれば、特に制限されない。より一層高い冷却感持続効果を得ることができるという観点、また該組成物を充填した容器口から使用時に注ぎ出し易く、皮膚に塗布する際にも塗り広げ易いという観点から、好ましくは約7000〜300000mPa・s、より好ましくは10000〜200000mPa・s、特に好ましくは10000〜100000mPa・sである。主に、増粘剤の種類や使用量を適宜選択することにより、上記粘度のゲル状皮膚外用組成物を得ることができる。
本発明において、粘度の測定は、第16改正日本薬局方の一般試験法に記載の粘度測定法に準拠し、単一円筒形回転粘度計(ブルックフィールド型粘度計)にて行う。本願ではRB-80H(東機産業)を使用し、ロータや回転速度等の条件の選定は、本機の取扱説明書に準拠し、25℃における粘度を測定する。
単一円筒形回転粘度計に関する説明を以下に記載する。単一円筒形回転粘度計は、液体中の円筒を一定角速度で回転させたときのトルクを測定する粘度計である。あらかじめ粘度計校正用標準液を用いて実験的に装置定数KBを定めることにより、液体の粘度ηを次式によって算出する。
η=KB × T/ω
η:液体の粘度(mPa・s)
KB:装置定数(rad/cm3
ω:角速度(rad/s)
T:円筒面に作用するトルク(10-7N・m)
本発明のゲル状皮膚外用組成物の製剤形態は、ゲル状である限り特に限定されず、例えば、ゲル剤以外にも、乳剤やクリーム剤、軟膏剤等も含む。これらの製剤は、当業者に慣用の方法で製造することができ、例えば第16改正日本薬局方製剤総則に記載の方法などに準じて製造することができる。なお、乳剤やクリーム剤、軟膏剤のように、油性基剤と水性基剤とを含む場合は、W/O型でもO/W型でもよいが、O/W型がより好ましい。
本発明のゲル状皮膚外用組成物は、通常pH2.0〜9.0の液性を備えていればよいが、皮膚や粘膜に対する低刺激性、及び皮膚使用感のよさという観点から、好ましくはpH3.0〜8.5、より好ましくはpH5.0〜8.0、特に好ましくはpH7.0〜8.0程度であることが望ましい。
本発明のゲル状皮膚外用組成物を充填する容器としては、公知の形状の容器を制限なく使用できる。容器の素材も特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなプラスチック製やガラス製などの素材の容器に充填して提供されることもできる。容器としては、特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、又はポリアリレートを含有する容器が好ましく、ポリエチレンテレフタレートを含有する容器がさらに好ましい。
とりわけ、(C)成分として前述のようなアクリロイルジメチルタウリンアンモニウムとビニル系又はアクリル系単官能性モノマーとの共重合体を用いた本発明の特定の実施態様では、光に曝されても粘度低下が抑制されて安定であったことが確認できている。よって、特に(C)成分として上記のような特定共重合体を配合した実施態様では、少なくとも一部が光透過性の容器に充填されたゲル状皮膚外用組成物製品として提供することができる。このような少なくとも一部が光透過性の容器に充填されたゲル状皮膚外用組成物製品は、内容物を視認することができ、異物検査が容易となり、また残存量等を目視で簡便に判別することができる。
ここで、少なくとも一部が光透過性の容器は、特に制限されるものではないが、光透過性部分における可視光線の透過率が40%以上であるものが好ましく、50%以上であるものがより好ましく、60%以上であるものが更に好ましい。本明細書において、可視光線の透過率とは、波長380〜780nmにおける平均光透過率を意味する。波長380〜780nmにおける平均光透過率は、波長380〜780nmの間で5nm毎に光透過率を測定し、得られた各光透過率からそれらの平均値を算出することによって求めることができる。光透過率は、JIS K7105に準じて測定される値である。
また上記容器は少なくとも一部が光透過性であればよく、必ずしも全面が光透過性である必要はない。好ましくは、内容物の性状や量を視認できる程度に光透過性の部分を有する容器である。例えば、容器の表面積の少なくとも少なくとも5%以上、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上が光透過性部分である容器が挙げられる。
またもちろん、本発明のゲル状皮膚外用組成物は、遮光された容器に充填されてもよい。遮光は、例えば上記した透明容器材料に着色剤を添加することにより行ってもよいし、容器をシュリンクフィルムや外箱などで覆うことにより、遮光してもよい。
本発明のゲル状皮膚外用組成物の使用方法は、使用対象の皮膚の状態、年齢、性別、使用時の気候などによって異なるが、通常は、1日数回、冷却感を発揮させることが望まれる皮膚の部位(例えば、手足や背中、首周り、腋の下等)に適量(例えば、約100〜700mg程度)を塗布すればよい。なかでも、首周りや腋の下に塗布することで、より効果的に冷却感を得ることができる。
2.冷却感を持続させる方法
前述したように、特定量以上の低級アルコール及びモノテルペンと共に、増粘剤を配合し、所定粘度のゲル状組成物とすることにより、該組成物を皮膚に塗布した場合に感じられる冷却感が長期間に亘り持続することが確認されている。
従って、本発明は更に別の観点から、皮膚外用組成物に、(A)最終濃度が10重量%以上となるように低級アルコールと(B)最終濃度が1重量%以上となるようにモノテルペンと(C)増粘剤とを配合し、該組成物の25℃での粘度が5000〜500000mPa・sのゲル状となるように調整することにより、該組成物を皮膚に適用した場合に得られる冷却感を持続させる方法を提供する。
上記方法において、(A)〜(C)成分の種類やその配合割合、他に配合され得る成分の種類やその配合割合等については、上記「1.ゲル状皮膚外用組成物」と同様である。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(1)試料の調製
後掲の表1及び表3に組成を示す試験製剤1〜6を、常法に従い調製した。具体的には先ず、表1及び表3の組成となるように、無水エタノールにl−メントールとプロピレングリコール、及び必要に応じてトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルを溶解させて、エタノール相を調製した。別途、適量の精製水に(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー又はアクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNaコポリマーを溶解して膨潤させ、強攪拌を行って、水相(ゲル相)を調製した。次いで、上記水相(ゲル相)にエタノール相を加えて、ホモジェナイザーを用いて4000rpmで3分間攪拌することにより、各試験製剤を得た。なお、上記調製作業は全て常温で行った。
(2)粘度の測定
調製した各試験製剤について、以下のようにして25℃での粘度を測定した。
具体的には、第16改正日本薬局方 一般試験法 粘度測定法 第2法回転粘度計法に記載されている「2.1.2 単一円筒形回転粘度計(ブルックフィールド型粘度計)」の試験法に準拠して、RB-80H(東機産業)を使用して、以下の条件で粘度を測定した。なお、低粘度の試験製剤1(比較例)は、粘度測定機器の粘度測定限界を考慮し、低粘度域の測定により適したRB-80L(東機産業)で測定を行った。
・測定温度 25℃
・使用機器、回転数及びローターNo.
試験製剤1 :RB-80L M2ローター、30rpm
試験製剤2〜4:RB-80H H7ローター、20rpm
・設定時間 1分後の粘度
各製剤について測定された粘度を、下記表1に示す。
(3)冷却感の官能評価試験1
下記表1に記載の試験製剤を用いて、冷却感について官能評価を行った。
Figure 2013116870
具体的には、各試験製剤を、各被験者の前腕内側の試験部位(2cm×2cm)に約20mgずつ塗布し、塗布から30秒後、1分後、2分後、3分後、5分後に、以下の4段階の評点で冷却感又は清涼感を評価させた。
・冷却感又は清涼感を感じない 1点
・冷却感又は清涼感をあまり感じない 2点
・冷却感又は清涼感をやや感じる 3点
・冷却感又は清涼感を感じる 4点
次いで、各被験者による評点の平均値を求め、以下の評価表に基づき、◎〜×で評価を行った。
・評点の平均点1以上1.75未満 ×
・評点の平均点1.75以上2.5未満 △
・評点の平均点2.5以上3.25未満 ○
・評点の平均点3.25以上4以下 ◎
この結果を、以下の表2に示す。
Figure 2013116870
上記結果に示されるように、増粘剤を含まず、粘度が低い試験製剤1は塗布直後の冷却感もやや低く、3分後には冷却感をあまり感じなくなる者が増加し、冷却感持続効果に劣ることが確認された。また、低級アルコールの配合割合が低い試験製剤2は、塗布直後の冷却感は良好であったものの、5分後には冷却感をあまり感じなくなる者が増加し、冷却感持続効果の面で満足とは言い難いものであった。一方、本発明に従う所定の濃度及び粘度となるように(A)〜(C)成分を含有する試験製剤3は、塗布直後に良好な冷却感が得られるのみならず、塗布から5分後にも冷却感を感じる者が多く、冷却感持続効果に優れた製剤であることが明らかとなった。更に、このように(A)〜(C)成分を含むゲル状皮膚外用組成物に、更に(D)成分として所定のIOB値を有する油性成分を更に配合した試験製剤4は、塗布から5分後にも高い評点結果となり、冷却感持続効果に非常に優れた製剤であることが確認された。
(4)冷却感の官能評価試験2
下記表3に記載の試験製剤を用いて、冷却感について官能評価を行った。
Figure 2013116870
具体的には、上記(3)冷却感の官能評価試験1と同様にして、各被験者に、塗布から30秒後、1分後、2分後、3分後に冷却感又は清涼感を評価させ、その平均値から評点を算出した。この結果を、下記表4に示す。
Figure 2013116870
上記結果に示されるように、上記(3)の官能評価試験で用いた増粘剤とは異なる増粘剤(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNaコポリマー)を用いた場合であっても、塗布直後の冷却感とその持続効果で良好な結果が得ることができた。しかし、その冷却感持続効果は、試験製剤5の場合の方が明らかに高く、(C)増粘剤として、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウムとビニル系又はアクリル系単官能性モノマーとの共重合体((アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー)を用いることによって、格別に高い冷却感持続効果が得られることが明らかとなった。
また、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウムとビニル系又はアクリル系単官能性モノマーとの共重合体((アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー)を用いた試験製剤5の製剤は、比較的多量の低級アルコールを含む製剤でありながら、長期間保存しても離漿の発生が抑制され、また光に曝露されても粘度低下が抑制された製剤的に非常に安定な組成物であった。更に、該試験製剤5は、塗布の際に塗り広げ易いだけでなく、塗布後比較的早い段階でべたつきが無くなってさらっとした使用感に変わり、塗り心地や使用感に非常に優れた製剤であると被験者等から高評価を受けるものであった。
以下に、本発明のゲル状皮膚外用組成物の製剤処方例を示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
Figure 2013116870
Figure 2013116870

Claims (10)

  1. 組成物全体に対して、(A)10重量%以上の低級アルコールと、(B)1重量%以上のモノテルペンと、(C)増粘剤とを含有し、25℃での粘度が5000〜500000mPa・sであり、長時間の冷却感を得るために用いられるゲル状皮膚外用組成物。
  2. (A)成分として、エタノール及びイソプロパノールからなる群より選択される少なくとも1種を含有する、請求項1に記載のゲル状皮膚外用組成物。
  3. (B)成分として、メントールを含有する、請求項1又は2に記載のゲル状皮膚外用組成物。
  4. (C)増粘剤として、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウムとビニル系又はアクリル系単官能性モノマーとの共重合体を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載のゲル状皮膚外用組成物。
  5. 前記ビニル系又はアクリル系単官能性モノマーが、下記式(1):
    Figure 2013116870
    で表される官能基を有するビニル系又はアクリル系単官能性モノマーであるか、又は下記一般式(2):
    Figure 2013116870
    (式中、Rは炭素数1〜30のアルキル基を示し、nは1〜50の整数を示す。)
    で表されるモノマーである請求項4に記載のゲル状皮膚外用組成物。
  6. 更に、(D)IOB値が0.1〜0.7の油性成分を含有する、請求項1〜5のいずれかに記載のゲル状皮膚外用組成物。
  7. (D)成分として、IOB値が0.1〜0.7のエステル油を含有する、請求項6に記載のゲル状皮膚外用組成物。
  8. (D)IOB値が0.1〜0.7のエステル油として、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルを含有する、請求項7に記載のゲル状皮膚外用組成物。
  9. (D)成分を、組成物全体に対して0.1〜15重量%の割合で含有する、請求項6〜8のいずれかに記載のゲル状皮膚外用組成物。
  10. 皮膚外用組成物に、(A)最終濃度が10重量%以上となるように低級アルコールと(B)最終濃度が1重量%以上となるようにモノテルペンと(C)増粘剤とを配合し、該組成物の25℃での粘度が5000〜500000mPa・sのゲル状となるように調整することにより、該組成物を皮膚に適用した場合に奏される冷却感を持続させる方法。
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