JP6845670B2 - 固形制汗剤組成物 - Google Patents
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本発明の固形制汗剤組成物は、(A)共重合体と、(B)高級アルコールと、(C)制汗成分と、(D)シリコーンと、を含有し、(E)ブロック共重合体、(F)ポリオキシプロピレンアルキルエーテルを含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記(A)成分の共重合体は、アクリル酸オクチルアミドと、アクリル酸エステル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、及びメタクリル酸ブチルアミノエチルから選択される少なくとも1種と、をモノマー単位として含む共重合体であり、制汗効果の持続性を向上させるために含有される。
これらの中でも、制汗効果の持続性の点から、アクリル酸オクチルアミド−アクリル酸エステル共重合体が好ましい。
前記(B)成分の高級アルコールは、炭素数16〜22の直鎖の高級アルコールであり、剤の折れにくさを向上させるために含有される。
前記(B)成分の含有量(質量%)と、前記(A)成分の含有量(質量%)との質量比(B/A)は、制汗効果、制汗効果の持続性、塗布性、及び衣類への付着のなさの点から、2.5〜200であり、2.5〜35が好ましい。前記質量比が、2.5未満であると、衣類への付着のなさが不十分となることがあり、200を超えると、制汗効果、制汗効果の持続性、及び塗布性が不十分となることがある。
また、前記(F)成分を含有する場合、前記(B)成分の含有量(質量%)と、前記(A)成分の含有量(質量%)との質量比(B/A)は、制汗効果、制汗効果の持続性、塗布性、及び衣類への付着のなさの点から、3.0〜200が好ましく、3.0〜35がより好ましい。前記質量比が、3.0未満であると、衣類への付着のなさが不十分となることがあり、200を超えると、制汗効果、制汗効果の持続性、及び塗布性が不十分となることがある。
前記(C)成分の制汗成分は、制汗効果を向上させるために含有される。
これらの中でも、制汗効果の点から、クロロヒドロキシアルミニウム、クロロヒドロキシアルミニウム・プロピレングリコール錯体、クロロヒドロキシアルミニウム/ジルコニウム・グリシン錯体が好ましく、クロロヒドロキシアルミニウムがより好ましい。
前記(D)成分のシリコーンは、25℃での動粘度が、0.65mm2/s〜8mm2/sであり、剤の均一性を向上させるために配合される。
前記シリコーンの25℃での動粘度としては、0.65mm2/s〜8mm2/sであり、2mm2/s〜4mm2/sが好ましい。前記動粘度が、0.65mm2/s〜8mm2/sであれば、剤の均一性を向上させることができる。なお、前記動粘度が、0.65mm2/s未満のシリコーンは市販されていない。
前記シリコーンは、適宜合成したものを用いても、市販品を用いてもよい。前記市販品としては、SH245(デカメチルシクロペンタシロキサン、動粘度4mm2/s、東レ・ダウコーニング株式会社製)、KF−96L−2cs(メチルポリシロキサン(2cs)、動粘度2mm2/s、信越化学工業株式会社製)、KF−96L−1.5cs(デカメチルテトラシロキサン(1.5cs)、動粘度1.5mm2/s、信越化学工業株式会社製)、DM0.65(ジシロキサン、動粘度0.65mm2/s、旭化成ワッカーシリコーン株式会社製)、DC246(シクロヘキサシロキサン、動粘度7.7mm2/s、東レ・ダウコーニング株式会社製)などが挙げられる。
前記(E)成分のブロック共重合体は、架橋型シリコーンと網状型シリコーンとのブロック共重合体であり、スベスベ感を向上させるために含有される。
前記(E)成分のブロック共重合体とは、前記シリコーンゴムと前記シリコーンレジンとのブロック共重合体であり、例えば、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスオキサン)クロスポリマーなどが挙げられる。
前記体積平均粒子径は、レーザー回折散乱粒度分布測定装置(例えば、LS 13 320、ベックマン・コールター社製)を用いて測定することができる。
前記(F)成分のポリオキシプロピレンアルキルエーテルは、剤の安定性を向上させるために含有される。
前記(F)成分のプロピレンオキシド付加モル数としては、10〜40が好ましい。
前記固形制汗剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、その他の成分を含んでいてもよい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、油脂類、ワックス類、前記(E)成分以外のシリコーン類、炭化水素油、高級脂肪酸、前記(B)成分以外の高級アルコール、エステル油、界面活性剤、前記(A)成分以外の高分子化合物、酸化防止剤、色素、乳化安定剤、pH調整剤、収斂剤、防腐剤、紫外線吸収剤、保湿剤、増粘剤、清涼剤、抗炎症剤、アミノ酸、ビタミン剤、各種植物抽出エキスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記固形制汗剤組成物の製造方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、以下の方法で製造することができる。
前記(A)成分、前記(B)成分、前記(D)成分、好ましくは前記(F)成分、及び前記その他成分を混合し、前記(B)成分が溶解する温度まで十分に加熱して、溶解液を製造する。前記溶解液を、前記(B)成分の凝固点より少し高い温度まで冷却し、前記(C)成分、好ましくは前記(E)成分を加えた後、容器に流し込み、室温又は冷却条件下で固めて、前記固形制汗剤組成物を製造することができる。
前記固形制汗剤組成物を収容する容器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スティック容器などが挙げられる。
前記スティック容器の材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、ABS樹脂、ポリアミド等の樹脂;ガラスなどが挙げられる。これらは、単層ないし2層以上組み合わせて用いることができる。
前記固形制汗剤組成物は、例えば、制汗剤、防臭剤、制汗防臭、デオドラント剤などとして好適に用いることができる。
前記固形制汗剤組成物の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、制汗効果及び使用性の点から、スティック形状(棒状)であることが好ましい。
下記表1〜6に示す各組成及び含有量(質量%)の通り、実施例1〜22及び比較例1〜9の固形制汗剤組成物を以下の製造方法に基づいて製造した。
下記表1〜6に示す(A)成分、(B)成分、(D)成分、並びに共通成分である硬化ヒマシ油及びメチルフェニルポリシロキサンを混合し、前記(B)成分が溶解する温度まで十分に加熱して、溶解液を製造した。前記溶解液を、前記(B)成分の凝固点より少し高い温度まで冷却し、(C)成分を加えた後、制汗スティック容器(直径35mm×高さ100mm、株式会社吉野工業所製)に流し込み、室温(25℃)で固めて、実施例1〜22及び比較例1〜9のスティック形状の固形制汗剤組成物を製造した。
専門パネラー20人(男性10人、女性10人)が、各固形制汗剤組成物を、前腕内側部の2cm×2cmの範囲に、塗布(約40mg)し、乾燥させた。その後、高温環境下(38℃、40%RH下)で40分間安静にし、皮膚水分蒸散量測定装置(TEWL Tewameter TM210、ck electronic社製)を用いて、塗布部位と無塗布部位(前腕内側部2cm×2cmの範囲)の発汗量を測定した。下記式で示される制汗効果(%)の値を算出し、得られた値から20人の平均値を算出し、下記評価基準に基づいて、「制汗効果」を評価した。
制汗効果(%)=[1−(塗布部位の平均インピーダンス値/無塗布部位の平均インピーダンス値)]×100
[「制汗効果」の評価基準]
◎:20人の制汗効果の平均値が50%以上
○:20人の制汗効果の平均値が30%以上50%未満
△:20人の制汗効果の平均値が10%以上30%未満
×:20人の制汗効果の平均値が10%未満
専門パネラー20名(男性10名、女性10名)が、腋窩に各固形制汗剤組成物(0.15g)を塗布し、乾燥させた。その後、高温環境下(38℃、40%RH下)でエアロバイクによる運動を30分間実施した。その後、室温下(25℃)で3時間安静にし、3時間経った後に再び前記高温環境下に入り、エアロバイク(登録商標)による運動を30分間実施した。運動後、「制汗効果の持続性が良い」と判断した人数により、下記評価基準に基づいて、「制汗効果の持続性」を評価した。
[「制汗効果の持続性」の評価基準]
◎:「制汗効果の持続性が良い」と回答した人が17名以上20名以下
○:「制汗効果の持続性が良い」と回答した人が11名以上16名以下
△:「制汗効果の持続性が良い」と回答した人が6名以上10名以下
×:「制汗効果の持続性が良い」と回答した人が5名以下
作製した各固形制汗剤組成物100本について、容器の繰り出し部を回転させて往復1回転の繰上げ下げを20回行った後、剤の折れが発生しているか否かを、専門パネラー3名が、目視観察し、剤の折れの発生本数を求め、下記評価基準に基づいて「剤の折れにくさ」を評価した。
[「剤の折れにくさ」の評価基準]
◎:剤の折れの発生本数が100本中0本
○:剤の折れの発生本数が100本中1本以上6本未満
△:剤の折れの発生本数が100本中6本以上10本未満
×:剤の折れの発生本数が100本中10本以上
作製した各固形制汗剤組成物100本について、製造直後の前記固形制汗剤組成物にひび割れ、及び一部融解が発生しているか否かを、専門パネラー3名が、目視観察し、剤のヒビ割れ、及び一部融解の発生本数を求め、下記評価基準に基づいて「剤の均一性」を評価した。なお、3名のパネラーの意見が一致しなかった場合は、多数決にて評価した。
[「剤の均一性」の評価基準]
◎:剤のヒビ割れ、及び一部融解の発生本数が100本中0本
○:剤のヒビ割れ、及び一部融解の発生本数が100本中1本以上6本未満
×:剤のヒビ割れ、及び一部融解の発生本数が100本中6本以上
20名の専門パネラー(男性10名、女性10名)が、腋窩に各固形制汗剤組成物(0.15g)を塗布した。塗布した「剤の塗布性が良い」と回答した人数により、下記評価基準に基づいて、「塗布性」を評価した。なお、前記「剤の塗布性が良い」とは、前記固形制汗剤組成物の塗布時にのびがよく、肌に塗りやすいことを指す。
[「塗布性」の評価基準]
◎:「剤の塗布性が良い」と回答した人が18名以上20名以下
○:「剤の塗布性が良い」と回答した人が13名以上17名以下
△:「剤の塗布性が良い」と回答した人が6名以上12名以下
×:「剤の塗布性が良い」と回答した人が5名以下
20名の専門パネラー(男性10名、女性10名)が、各固形制汗剤組成物(0.15g)を、腋窩に塗布した。塗布した後、衣類(シャツ)を着用し、「衣類への付着がない」と回答した人数により、下記評価基準に基づいて、「衣類への付着のなさ」を評価した。
[「衣類への付着のなさ」の評価基準]
◎:「衣類への付着がない」と回答した人が18名以上20名以下
○:「衣類への付着がない」と回答した人が13名以上17名以下
△:「衣類への付着がない」と回答した人が6名以上12名以下
×:「衣類への付着がない」と回答した人が5名以下
下記表7〜10に示す各組成及び含有量(質量%)の通り、実施例23〜43の固形制汗剤組成物を以下の製造方法に基づいて製造した。
下記表7〜10に示す(A)成分、(B)成分、(D)成分、並びに共通成分である硬化ヒマシ油及びメチルフェニルポリシロキサンを混合し、前記(B)成分が溶解する温度まで十分に加熱して、溶解液を製造した。前記溶解液を、前記(B)成分の凝固点より少し高い温度まで冷却し、(C)成分、及び(E)成分を加えた後、制汗スティック容器(直径35mm×高さ100mm、株式会社吉野工業所製)に流し込み、室温(25℃)で固めて、実施例23〜43のスティック形状の固形制汗剤組成物を製造した。
20名の専門パネラー(男性10名、女性10名)が、各固形制汗剤組成物(0.15g)を、腋窩に塗布した。塗布した後、10分間安静にし、塗布部を手でなぞり、「スベスベ感がよい」と回答した人数により、下記評価基準に基づいて、「スベスベ感」を評価した。
[「スベスベ感」の評価基準]
◎:「スベスベ感が良い」と回答した人が18名以上20名以下
○:「スベスベ感が良い」と回答した人が13名以上17名以下
△:「スベスベ感が良い」と回答した人が6名以上12名以下
×:「スベスベ感が良い」と回答した人が5名以下
下記表11〜15に示す各組成及び含有量(質量%)の通り、実施例44〜71の固形制汗剤組成物を以下の製造方法に基づいて製造した。
下記表11〜15に示す(A)成分、(B)成分、(D)成分、(F)成分、並びに共通成分である硬化ヒマシ油及びメチルフェニルポリシロキサンを混合し、前記(B)成分が溶解する温度まで十分に加熱して、溶解液を製造した。前記溶解液を、前記(B)成分の凝固点より少し高い温度まで冷却し、(C)成分、及び(E)成分を加えた後、制汗スティック容器(直径35mm×高さ100mm、株式会社吉野工業所製)に流し込み、室温(25℃)で固めて、実施例44〜71のスティック形状の固形制汗剤組成物を製造した。
容器に充填し、固化させたデオドラント組成物を45℃の恒温槽に入れて1週間静置した後、室温に戻して組成物の表面状態を10本観察して評価した。
[「剤の安定性」の評価基準]
◎:表面の油浮きがないサンプルが10本
○:表面の油浮きがないサンプルが8本以上9本以下
△:表面の油浮きがないサンプルが5本以上7本以下
×:表面の油浮きがないサンプルが4本以下
<1> (A)アクリル酸オクチルアミドと、アクリル酸エステル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、及びメタクリル酸ブチルアミノエチルから選択される少なくとも1種と、をモノマー単位として含む共重合体と、
(B)炭素数16〜22の直鎖の高級アルコールと、
(C)制汗成分と、
(D)25℃での動粘度が、0.65mm2/s〜8mm2/sであるシリコーンと、を含有し、
前記(B)成分の含有量(質量%)と、前記(A)成分の含有量(質量%)との質量比(B/A)が、2.5〜200であることを特徴とする固形制汗剤組成物である。
<2> 前記(A)成分の含有量が、1質量%〜3質量%であり、前記(B)成分の含有量が、10質量%〜15質量%である前記<1>に記載の固形制汗剤組成物である。
<3> 更に(E)架橋型シリコーンと網状型シリコーンとのブロック共重合体を含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の固形制汗剤組成物である。
<4> 更に(F)ポリオキシプロピレンアルキルエーテル5質量%〜25質量%を含有し、
前記(B)成分の含有量が、15質量%〜25質量%であり、前記(A)成分の含有量(質量%)との質量比(B/A)が3.0〜200である前記<1>に記載の固形制汗剤組成物である。
<5> 前記(F)成分が、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、及びポリオキシプロピレンステアリルエーテルの少なくともいずれかである前記<4>に記載の固形制汗剤組成物である。
<6> 前記(A)成分が、アクリル酸オクチルアミド−アクリル酸エステル共重合体、及びアクリル酸オクチルアミド−アクリル酸ヒドロキシプロピル−メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体の少なくともいずれかであり、
前記(B)成分が、ステアリルアルコールであり、
前記(C)成分が、アルミニウム化合物である前記<1>から<5>のいずれかに記載の固形制汗剤組成物である。
<7> スティック形状である前記<1>から<6>のいずれかに記載の固形制汗剤組成物である。
<8> 前記(D)成分が、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、メチルポリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、及びメチルトリメチコンから選ばれる少なくとも1種である前記<1>から<7>のいずれかに記載の固形制汗剤組成物である。
Claims (8)
- (A)アクリル酸オクチルアミド−アクリル酸エステル共重合体と、
(B)炭素数16〜22の直鎖の高級アルコールと、
(C)制汗成分と、
(D)25℃での動粘度が、0.65mm2/s〜8mm2/sであるシリコーンと、を含有し、
前記(B)成分の含有量(質量%)と、前記(A)成分の含有量(質量%)との質量比(B/A)が、2.5〜200であることを特徴とする固形制汗剤組成物。 - 前記(A)成分の含有量が、1質量%〜3質量%であり、前記(B)成分の含有量が、10質量%〜15質量%である請求項1に記載の固形制汗剤組成物。
- 更に(E)架橋型シリコーンと網状型シリコーンとのブロック共重合体を含有する請求項1から2のいずれかに記載の固形制汗剤組成物。
- 更に(F)ポリオキシプロピレンアルキルエーテル5質量%〜25質量%を含有し、
前記(B)成分の含有量が、15質量%〜25質量%であり、前記(A)成分の含有量(質量%)との質量比(B/A)が3.0〜200である請求項1に記載の固形制汗剤組成物。 - 前記(F)成分が、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、及びポリオキシプロピレンステアリルエーテルの少なくともいずれかである請求項4に記載の固形制汗剤組成物。
- 前記(B)成分が、ステアリルアルコールであり、
前記(C)成分が、アルミニウム化合物である請求項1から5のいずれかに記載の固形制汗剤組成物。 - スティック形状である請求項1から6のいずれかに記載の固形制汗剤組成物。
- 水溶性アルミニウム化合物と、
(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマーと、
ビニル基もしくはアクリル基を含むアニオン性ポリマー及び/又は両性ポリマーと、
を含有する非水制汗剤組成物を除く請求項1から7のいずれかに記載の固形制汗剤組成物。
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