JP6001837B2 - 液体タンク用コネクタ、液体タンク用コネクタ取付装置および液体タンク用コネクタの取付方法 - Google Patents
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Description
この方式では、液体タンクの口栓部に取り付けられていた蓋を取り外した後、口栓部に液体流路となるサイフォン管及び気体供給路を備えたプラグが取り付けられる。そして、液体を液体タンク外部へ取り出すためのチューブと、気体を導入するためのチューブとをそれぞれ連結可能とされたソケットをプラグに接続することにより、液体を取り出すための液体流路及び気体を導入するための気体流路を形成する。
このため、ブロー成形品の液体タンクにサイフォン管を挿入して取り付けると、パーティングラインの凸部上面にサイフォン管の下端が当たってしまい、この結果、凸部より下方の液体を吸入できなくなって残液が発生する。なお、コネクタを螺合させて取り付ける容器側の口栓部は、ブロー成形の都合上、中心位置が金型の分割位置と一致することは避けられない。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、湾曲したサイフォン管の先端位置が、パーティングラインを避けて容易かつ確実に設置可能な液体タンク用コネクタを提供することにある。
本発明に係る液体タンク用コネクタは、液体が貯蔵された容器の口栓部に設置され、前記容器内から液体の引き出しを行う液体タンク用コネクタであって、前記口栓部に形成された内ねじ部と螺合する外ねじ部が形成された結合部と、該結合部と中心軸を共有するとともに該結合部に対して該中心軸回りに回転可能に係合された本体と、該本体に固定して連結され前記容器の底部へと延びるとともに先端部を略水平方向に湾曲させた状態で該容器に取り付けられる液体取出管とを備え、前記本体の前記中心軸回りの内周面には凹部または凸部のいずれか一方が形成され、該凹部または凸部のいずれか一方は前記本体を該中心軸回りに回転しないよう固定する固定治具の外周面に形成される凹部または凸部のいずれか他方に係合し、前記結合部には係合部が形成され、該係合部は該結合部を前記中心軸回りに回転させて前記外ねじ部を前記内ねじ部に締め込む締結治具と係合することを特徴とするものである。
このような構成によれば、コネクタ取付時においては、本体及び液体取出管が回転しないように固定治具を用いて保持しながら締付治具により結合部を締め込むことができるので、サイフォン管やディップチューブのような液体取出管先端部の湾曲方向がパーティングラインの凸部上面と重ならないように所望の方向へ向けて容器内に挿入した状態を維持できる。
図4は、本発明における液体タンク用コネクタ(以下、「コネクタ」と呼ぶ)10が、半導体高純度薬品等の液体を貯蔵する容器50に取り付けられた状態を説明する図である。このコネクタ10は、容器50の底面に到達する長さを有するとともに、先端部を略水平方向に湾曲させたサイフォン管(液体取出管)12を備えている。この場合の液体取出管としては、サイフォン管12に限定されることはなく、たとえば図7に示したコネクタ10Aのように、ディップチューブ12Aを備えたコネクタ本体30Aとしてもよい。
コネクタ10,10Aには、ホース54を有するソケット56が着脱可能に取り付けられる。コネクタ10に取り付けられたソケット56及びホース54からは、容器50内の液体が引き上げられ、コネクタ10Aに取り付けられたソケット56及びホース54からは、容器50内へ気体が供給される。なお、図中の符号58は容器50の内蓋であり、この内蓋58には、コネクタ取付用の雌ねじ部(内ねじ部)58aが形成されている。
コネクタ10は、液体が貯蔵された容器50の口栓部である開口部52Aに設置され、このコネクタ10にソケット56及びホース54を接続することにより、開口部52B側から供給される気体圧力を利用して容器50内の液体引き出しが行われる。
すなわち、本実施形態のコネクタ10は、コネクタ10の本体部分であるコネクタ本体30と、容器50の内蓋58に形成された雌ねじ部58aと螺合して容器50に結合される結合部20と、コネクタ本体30のプラグ部32に固定して連結されたサイフォン管12とにより概略構成されている。なお、コネクタ本体30の一部であるプラグ部32は、上述したソケット56との連結部であり、流通孔32aを通って容器50内の液体が流れる部分である。
一方、結合部20の上端面には、締結治具70と係合させるための治具取付穴26が、円周方向へ等ピッチで複数(図示の構成例では60度ピッチに6個)設けられている。
本実施形態では、コネクタ本体30の円形中空部が、本体上部に一体化して取り付けられたキーリング部Krにより形成されている。すなわち、コネクタ本体30は、別部品で成形したキーリング部Krを超音波溶着等の手段により固定して一体化した構造が好ましく、キーリング部Krの上端面が円形中空部の周囲上面となる。これは、キーリング部Krを別体の部品で成形してから一体化する方が、コネクタ本体30を一体で成形するより容易に製造できるためである。
なお、キャップ40を取り外す場合には、たとえばキャップ回転用の治具が用いられている。
すなわち、上述したコネクタ10は、結合部側突起24の内径が本体側突起38の外径よりも大きく形成されているので、結合部側突起24は本体側突起部38に係合された状態となり、コネクタ本体30は、結合部20とコネクタ本体30とが中心軸CL回りに回転可能に係合され、さらに、鍔部34が結合部20の下面により上方から下向きに押圧を受けて固定される。
そして、係止部62の外周面には凹凸部の凹部63が形成され、この凹部63と、コネクタ本体30の円形中空部内周面に形成された凹凸部の凸部39とを係合させることにより、接触面間の凹凸部が係合して互いの相対的な回動を阻止できる。図示の構成例では、固定治具60を把持部61及び係止部62に分割可能な2部品構造とし、把持部61の一端に設けた傘部64と係止部63との間に円形断面の連結部65が設けられている。
貫通孔72は、固定治具60の連結部65が締結治具70と干渉することなく貫通する穴径に設定されている。
工具穴74は、工具80の係合部を挿入して治具本体71にトルク伝達を行う部分であり、治具本体71の外周方向へ突出した位置に設けられている。
また、この場合の凹凸部39,63は、図示した半円形に限定されることはなく、たとえば三角形状など互いに係合することで相対的な回転を阻止できればよい。
このような挿入位置表示部Mb,Mb′を設けておくと、固定治具60を円形中空部に挿入して使用する際には、上方からの目視により、容易に凹凸部39,63の位置合わせをすることができる。
コネクタ本体30Aの上端部に形成されたリング状の上面には、固定治具60Aのピン(凸部)66を挿入するピン挿入穴(凹部)37が設けられている。ピン66は、固定治具60Aの把持部61と一体に設けられた円板形状部67の下面から下向きに突出する部分であり、円周方向に複数設けられている。また、ピン挿入穴37についても、所定位置でピン66を挿入して固定治具60Aの取付が可能となるように、コネクタ本体30Aの上面に複数設けられている。
なお、ピン66及びピン挿入穴37の凹凸部については、コネクタ本体30Aの上面に凸部を設けて固定治具側の凹部に挿入するようにしてもよい。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
12 サイフォン管(液体取出管)
12A ディップチューブ(液体取出管)
20 結合部
22 雄ねじ部(外ねじ部)
24 結合部側突起
26 治具取付穴
30,30A コネクタ本体(本体)
32 プラグ部
34 鍔部
37 ピン挿入穴(凹部)
38 本体側突起
39 凸部(凹凸部)
40 キャップ
50 容器
52A,52B 開口部(口栓部)
56 ソケット
58 内蓋
58a 雌ねじ部(内ねじ部)
60,60A 固定治具
61 把持部
62 係止部
63 凹部(凹凸部)
66 ピン(凸部)
70 締付治具
71 治具本体
72 貫通孔
73 突起部
74 工具穴
Kr キーリング
Ma 湾曲方向表示部
Mb,Mb′ 挿入位置表示部
CL 中心軸
BL 分割線
PL パーティングライン
Claims (8)
- 液体が貯蔵された容器の口栓部に設置され、前記容器内から液体の引き出しを行う液体タンク用コネクタであって、
前記口栓部に形成された内ねじ部と螺合する外ねじ部が形成された結合部と、
該結合部と中心軸を共有するとともに該結合部に対して該中心軸回りに回転可能に係合された本体と、
該本体に固定して連結され前記容器の底部へと延びるとともに先端部を略水平方向に湾曲させた状態で該容器に取り付けられる液体取出管とを備え、
前記本体の前記中心軸回りの内周面には凹部または凸部のいずれか一方が形成され、該凹部または凸部のいずれか一方は前記本体を該中心軸回りに回転しないよう固定する固定治具の外周面に形成される凹部または凸部のいずれか他方に係合し、
前記結合部には係合部が形成され、該係合部は該結合部を前記中心軸回りに回転させて前記外ねじ部を前記内ねじ部に締め込む締結治具と係合することを特徴とする液体タンク用コネクタ。 - 前記固定治具の外周面に形成される凹部または凸部のいずれか一方は、前記本体の上面に形成された円形中空部に上方から挿入されて該円形中空部の前記内周面に形成される凹部または凸部のいずれか他方に係合されることを特徴とする請求項1に記載の液体タンク用コネクタ。
- 前記円形中空部の前記内周面に形成される凹部または凸部のいずれか一方は、種別に応じて周方向に配置した複数個の組合せが異なることを特徴とする請求項2に記載の液体タンク用コネクタ。
- 前記固定治具の外周面に形成される凹部または凸部のいずれか一方は、前記円形中空部の前記内周面に形成される凹部または凸部のいずれか他方に対し、少なくとも複数の種別に対応して設けられていることを特徴とする請求項3に記載の液体タンク用コネクタ。
- 前記本体の上面に前記容器に取り付けられた前記液体取出管の前記先端部の湾曲方向を示す湾曲方向表示部を設けたことを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の液体タンク用コネクタ。
- 請求項5に記載の液体タンク用コネクタを前記容器の前記口栓部に取り付ける液体タンク用コネクタ取付装置であって、
前記固定治具と、
前記締結治具とを備え、
前記固定治具に、前記円形中空部の前記内周面に形成される凹部または凸部のいずれか一方と前記固定治具の外周面に形成される凹部または凸部のいずれか他方とが係合した状態で前記湾曲方向表示部と前記中心軸回りの位置が一致する挿入位置表示部を設けたことを特徴とする液体タンク用コネクタ取付装置。 - 前記円形中空部が前記本体の上部に一体化して取り付けられたキーリング部であることを特徴とする請求項2に記載の液体タンク用コネクタ。
- 液体が貯蔵された容器から液体の引き出しを行う液体タンク用コネクタを該容器の口栓部に取り付ける液体タンク用コネクタの取付方法であって、
前記液体タンク用コネクタは、前記口栓部に形成された容器側の内ねじ部と螺合する外ねじ部が形成された結合部と、該結合部と中心軸を共有するとともに該結合部に対して該中心軸回りに回転可能に係合された本体と、該本体に固定して連結され前記容器の底部へと延びるとともに先端部を略水平方向に湾曲させた状態で該容器に取り付けられる液体取出管とを備えており、
前記本体の前記中心軸回りの内周面に形成される凹部または凸部のいずれか一方を、前記本体を前記中心軸回りに回転しないよう固定する固定治具の外周面に形成される凹部または凸部のいずれか他方に係合させる工程と、
前記結合部に形成される係合部を、該結合部を前記中心軸回りに回転させて前記外ねじ部を前記内ねじ部に締め込む締結治具に係合させる工程と、
前記固定治具により前記本体が固定された状態で前記締結治具を前記中心軸回りに回転させて前記外ねじ部を前記内ねじ部に締め込み、前記結合部を前記口栓部に取り付ける工程と、を備える液体タンク用コネクタの取付方法。
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