JP5461932B2 - コネクタ - Google Patents
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Description
この容器に貯留された液体を取り出す場合には、まず、容器の開口部に嵌め込まれていたキャップを取り外し、サイフォン管が接続されたプラグと、サイフォン管が接続されていないプラグがそれぞれ取り付けられる。そして、液送ホースが接続されたソケットをサイフォン管が接続されたプラグに接続し、また、気送ホースが接続されたソケットをサイフォン管が接続されていないプラグに接続する。
このように、ソケットをプラグにワンタッチで接続するための技術としては、コネクタが知られている。従来のコネクタにおいては、容器内から引き出せない液体量(以下「残液量」という)を減らすため、容器の底面に向かって伸びるサイフォン管の開口部が底面近傍に配置されている。なお、従来のコネクタには、液体吸い上げ用の液送ホース及び気体取り入れ用の気送ホースについて、1つのコネクタに両方のホースを接続可能に構成されたものもある。
さらに、サイフォン管の下端部を湾曲させたコネクタにおいては、結合部及びコネクタ本体を中心軸回りに相対回転可能に接続する構造が提案されている。このようなコネクタは、コネクタ本体に配置されたプラグ部に固定されたサイフォン管を回転させることなくコネクタを容器に設置できるため、容器内において液体が残存する領域(凹部)にサイフォン管の先端を配置しやすくなり、従って、容器内の残液量を減らすことができる。(たとえば、特許文献1参照)
しかし、容器側の開口部に圧入して取り付けられているコネクタ本体に対し、結合部を回転させて螺合接続する場合には、螺合時の最終的な締付力(回転力)を受けてコネクタ本体も連れ回りすることがあった。このような連れ回りは、コネクタ本体に接続されて湾曲するサイフォン管の向きも変化させるため、サイフォン管の先端開口部が容器内に形成された凹部から位置ずれして残液量を増す原因となる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、容器側の開口部にコネクタ本体が圧入して取り付けられるコネクタにおいて、たとえば結合部を容器の開口部に螺合させて取り付けることによりコネクタ本体を固定する場合等に、コネクタ本体及びサイフォン管が連れ回りすることを防止し、下端部を湾曲させたサイフォン管の回転方向位置が変動しないコネクタを提供することにある。
本発明の請求項1に係るコネクタは、液体を貯蔵する容器の上部に設けた円筒ノズルに取り付けられ、下端部が容器底面に沿うよう略水平方向に湾曲しているサイフォン管の先端開口を容器底部近傍まで挿入して前記容器内から液体の引き出しを行うためのコネクタであって、前記円筒ノズルに形成された容器側のねじ部と螺合するねじ部を有する結合部と、前記円筒ノズルに挿入して取り付けられ、前記結合部と中心軸を共有して組付可能とされた本体とを具備し、前記結合部は、前記本体に対し回転可能でかつ軸方向にスライド可能となるように係合され、前記本体は、前記円筒ノズルに対して挿入後に、前記結合部を回転させて前記円筒ノズルに螺合接続することで前記円筒ノズルに固定され、前記サイフォン管の上端部を固定した前記本体が、前記円筒ノズルに対して回転することを阻止する回り止め機構を備えていることを特徴とするものである。
この場合、前記回り止め機構は、前記円筒ノズルの円周方向位置を前記サイフォン管の湾曲方向と一致させた1組とすることにより、本体を円筒ノズルに挿入する際には、先端を湾曲させたサイフォン管の挿入方向(湾曲したサイフォン管の向き)を作業者が容易に認識できるようになる。
また、前記回り止め機構は、前記円筒ノズルの円周方向位置を非対称にした複数組とすることにより、本体を円筒ノズルに挿入する際には、本体の回転方向位置(湾曲したサイフォン管の向き)が一義的に決定される。
この場合の廻り止め機構は、円筒ノズル及びフランジ部に形成した1組または複数組の凹凸係合部及び/または面取係合部が好ましい。
この結果、容器内の底部まで挿入されたサイフォン管の開口部は、予め設定された容器内の最も低い位置にあって所定の方向に向けられているので、容器内の液体を最大限に引き出すことができ、従って、容器内の残液量を確実に最小にするという顕著な効果を奏する。
図3は、本発明におけるコネクタが容器に取り付けられた状態を説明する図であり、液体吸い上げ用の液送ホース及び気体取り入れ用の気送ホースについて、各々専用のコネクタを使用する場合の構成例である。
図3に示すように、液体が貯蓄された容器51の上面には、二つの開口部53A、53Bが形成され、一方の開口部53Aには液体引き出し用のコネクタ1が配置され、他方の開口部53Bには、気体流通用のコネクタ1′が配置されている。
容器51の底面55には、凹状の曲面に湾曲した形状の凹部55aが形成されている。なお、図中の凹部55aは、容器51の中央が最も深くなる底面形状の例が示されているが、特にこの形状例に限定されることはなく、他の底面形状により最深部を形成する容器であっても構わない。
コネクタ1に取り付けられたソケット59及びホース57からは、容器51内の液体が引き上げられ、コネクタ1′に取り付けられたソケット59′及びホース57からは、容器51内へ気体が供給される。
なお、気体流通用のコネクタ1′及びソケット59については、上述した構成(図3に示す構成)に限定されることはなく、たとえば液体引き出し用のソケット59に気体流通系統を接続して容器51内へ気体を供給する構成としてもよい。
次に、第1の実施形態に係るコネクタ1の構造について、図1及び図2を参照して説明する。なお、図1はコネクタ1の構成例を示す縦断面図、図2は図1のA−A断面図である。
コネクタ1は、図1から図3に示すように、コネクタ1の本体部分であるコネクタ本体(本体)3と、容器51の円筒ノズル61に形成された雌ねじ部63と螺合することにより容器51に結合される結合部5と、上述したソケット59との連結部であるプラグ部7と、プラグ部7に固定され、容器51の内部に向けて伸びるサイフォン管9と、から概略構成されている。なお、円筒ノズル61は、容器51に形成された液体取出用の開口部である。
コネクタ本体3の外周面には、半径方向外側に突出する鍔部11が形成されている。この鍔部11は、サイフォン管9側の面(図中下方の面)に配置されたシール部材のOリング13を備えている。このOリング13は、円筒ノズル61にコネクタ本体3を圧入した際、容器51内の液体が漏出するのを防止するものである。
また、コネクタ本体3の開口端側内周面には、円周方向にわたって半径方向の内側(軸中心側)へ突出する本体側突起15が設けられている。この本体側突起15は、結合部5と係合するように形成されている。
結合部側突起19の外径は本体側突起15の内径よりも大きく形成され、結合部5をコネクタ本体3に圧入することにより、結合部側突起19を本体側突起部15に係合させている。そのため、結合部5とコネクタ本体3とは、中心軸C回りに回転可能に係合されており、さらに、結合部5は、コネクタ本体3側に形成されて上端部が本体側突起15となる凹部21により制限される範囲を上下方向にスライド可能となっている。
なお、プラグキャップは、コネクタ1にソケット59が取り付けられる際にプラグ部7から取り外され、それ以外の場合には、プラグ部7に取り付けられて流体が流出することを防止している。
また、プラグ部7の下端部には上述した管状部材のサイフォン管9が接続され、流通孔23と連通して先端開口9aから液体を取り出す液体流路を形成している。
そして、このコネクタ1は、円筒ノズル61からサイフォン管9を挿入するとともに、円筒ノズル61にコネクタ本体3を圧入して取り付けた後、結合部5の雄ねじ部17を円筒ノズル61の雌ねじ部63にねじ込んで固定することにより、容器51の円筒ノズル61に取り付けられる。
この回り止め機構31は、円筒ノズル61及びコネクタ本体3に形成した1組または複数組の凹凸係合部及び/または面取係合部である。すなわち、回り止め機構31が複数組の凹凸係合部や面取係合部により構成される場合には、凹凸係合部のみを複数組み、面取係合部のみを複数組み、あるいは、凹凸係合部と面取係合部との組合せた複数組のいずれでもよい。
この結果、結合部5を容器51の円筒ノズル61にねじ込んでコネクタ1を固定する際には、凸部33と凹部35とが係合ずる回り止め機構31の作用により、コネクタ本体3及びサイフォン管9が連れ廻りすることを防止できるようになる。
このような回り止め機構31においては、凹凸係合部が1組の場合、凸部33を設ける円筒ノズル61の円周方向位置について、サイフォン管9の湾曲方向と一致させることが望ましい。すなわち、凸部33と凹部35を設ける円周方向位置をサイフォン管9の湾曲方向と一致させておくことにより、コネクタ本体3を円筒ノズル61に圧入して挿入する際には、回り止め機構31の凸部33が先端を湾曲させたサイフォン管9の挿入方向を定める目安となり、容器51内に挿入さするサイフォン管9の向き(湾曲方向)を作業者が容易に認識できるようになる。
図4に示す第1変形例の回り止め機構31Aは、2組の凸部33及び凹部35を設けたものである。なお、凸部33及び凹部35は、3組以上の複数組を設けてもよい。
このような構成の回り止め機構31Aは、螺合時の最終的な締付力を2組の係合部が受けることになるので、連れ回りに対する回り止め機構31Aの強度を増すことができ、この結果、破損しにくい係合部による確実な連れ回りの防止が可能になる。
また、図6に示す第3変形例の回り止め機構31Cは、図4に示した回り止め機構31Aを構成する2組(複数組)の凸部33及び凹部35の形成場所を逆にしたものであり、やはり回り止め機構31Aと同様の作用効果を得ることができる。
この突出部41は、コネクタ本体3の外周面に対し、円周方向に1または複数のリブ状部材や爪状部材を突出させたものであり、円筒ノズル61から容器51内に挿入されたサイフォン管9が容器51の底面に当接して生じる上向きの反力を受けるように配置されている。
この結果、突出部41は、コネクタ本体3がサイフォン管9から上向きの反力を受けても所定位置より浮き上がることを防止するので、余計な力を受けることなく結合部5を円筒ノズル61にねじ込んで雄ねじ部17と雌ねじ部63とを容易に螺合させ、コネクタ1を容器51の円筒ノズル61に固定することができる。
従って、螺合位置の雌ねじ部63や雄ねじ部17に付着した液体が固化し、結合部5のスムーズな螺合を阻害する原因になることを防止できる。
すなわち、上述したOリング13の位置については、円筒ノズル61Aの雌ねじ部63と結合部5の雄ねじ部17との螺合位置より上方としてもよく、このように構成されたコネクタ1B,1Cについても、上述した実施形態及び各変形例の回り止め機構31,31A〜31Eのいずれかを設けることにより、同様の作用効果を得ることができる。
なお、図10に示す第7変形例のコネクタ1Bは突出部41のない構成例であり、さらに、図11に示す第8変形例のコネクタ1Cは突出部41を備えた構成例である。
また、図13に示す第10変形例のコネクタ1B′は、雄ねじ部17及び雌ねじ部63の螺合部がOリング13の下部に配置され、本体3A′に対する結合部5A′の連結部に軸方向のストロークがない構成となっている。すなわち、図10に示したコネクタ1Bの結合部5Aは、コネクタ本体3A側に形成されて上端部が本体側突起15Aとなる凹部21Aにより制限される範囲を上下方向にスライド可能となっているが、この変形例では、凹部21Aに相当する部分がない分コンパクトで簡易な構造となっている。
このような構成のコネクタ1″は、凹部21に相当する部分がない分コンパクトで簡易な構造となり、しかも、結合部5″を共用部品として使い廻すことが可能になる。すなわち、本体3″及び結合部5″を別々の部品にしたので、コネクタ1″の効率的な在庫管理が可能になり、また、誤接続防止機能を備えた結合部5″の場合、結合部5″を本体3″との組合せで両方を交換する必要はなく、様々な種類の結合部5″のみを場面や用途に応じて使い分けることが可能である。
続いて、本発明に係るコネクタについて、参考例を図15から図17に基づいて説明する。なお、上述した実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図15に示すコネクタ1Dは、液体を貯蔵する容器51の上部に設けた円筒ノズル61Bに圧入して取り付けられ、下端部が容器51の底面に沿うよう略水平方向に湾曲しているサイフォン管9の先端開口9aを容器底部近傍まで挿入し、容器51内から液体の引き出しを行うものである。
この場合の円筒ノズル61Bは、たとえば図16に示すように、外周面にキャップ45をねじ込んで取り付ける雄ねじ部65が設けられている。このキャップ45は、容器51内の液体が外部へ流出することを防止するものである。
また、本実施形態のコネクタ本体3Bは、単に円筒ノズル61Bの内周面に圧入して取り付けられるものであり、従って、上述した実施形態の結合部5に相当する部材や雌ねじ部63は存在しない。なお、図中の符号47は円筒ノズル61Bとコネクタ本体3Bとの間に配設されたシール部材、45aはキャップ45に設けられてフランジ部43に密着するシール部材である。
なお、フランジ部43を利用した回り止め機構31Fは、凹凸の設置位置を反対とすることも可能であり、フランジ部43に凹部を設けておき、シール部材47を介してフランジ部43の下面が接する円筒ノズル61の上端面67に形成した凸部を係合させるようにしてもよい。
容器51側の開口部である円筒ノズル61,61Aに圧入して取り付けられるコネクタ本体3,3Aに対して結合部5を回転させて螺合接続するコネクタの場合、回り止め機構31,31A〜31Eが結合部5の締め付けによるコネクタ本体3,3A及びサイフォン管9の連れ回りを防止し、サイフォン管9の向きを所定の位置に保持することができる。
また、円筒ノズル61Bにコネクタ本体3Bを圧入するコネクタの場合、回り止め機構31,31A〜31Fが筒状ノズル61Bに対するコネクタ本体3B及びサイフォン管9の回動を防止し、サイフォン管9の向きを所定の位置し保持する。
このため、上述したコネクタ1,1A〜1Dを備えた液体貯蔵用の容器51は、上部に設けた液体引き出し用の円筒ノズル61,61A,61Bに取り付けられたコネクタ1,1A〜1Dのサイフォン管9が回り止めされ、容器51内の残液量を最小限にして液体を吸い出すことができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、たとえば上述したコネクタ本体3及びプラグ部7等について、一体構造あるいは別体部品の結合構造を適宜選択可能であるなど、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
3,3′,3A,3A′,3B コネクタ本体(本体)
5,5′,5″,5A′ 結合部
9 サイフォン管
9a 先端開口
17 雄ねじ部(ねじ部)
31,31A〜31F 回り止め機構
33,33A,43a 凸部
35,35A,67a 凹部
37 面取部
39 平面部
51 容器
55 底面
61,61A,61B 円筒ノズル
63 雌ねじ部(容器側のねじ部)
C 中心軸
Claims (7)
- 液体を貯蔵する容器の上部に設けた円筒ノズルに取り付けられ、下端部が容器底面に沿うよう略水平方向に湾曲しているサイフォン管の先端開口を容器底部近傍まで挿入して前記容器内から液体の引き出しを行うためのコネクタであって、
前記円筒ノズルに形成された容器側のねじ部と螺合するねじ部を有する結合部と、前記円筒ノズルに挿入して取り付けられ、前記結合部と中心軸を共有して組付可能とされた本体とを具備し、
前記結合部は、前記本体に対し回転可能でかつ軸方向にスライド可能となるように係合され、
前記本体は、前記円筒ノズルに対して挿入後に、前記結合部を回転させて前記円筒ノズルに螺合接続することで前記円筒ノズルに固定され、
前記サイフォン管の上端部を固定した前記本体が、前記円筒ノズルに対して回転することを阻止する回り止め機構を備えていることを特徴とするコネクタ。 - 前記回り止め機構は、前記円筒ノズル及び前記本体に形成した1組または複数組の凹凸係合部及び/または面取係合部であることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
- 前記回り止め機構は、前記円筒ノズルの円周方向位置を前記サイフォン管の湾曲方向と一致させた1組であることを特徴とする請求項2に記載のコネクタ。
- 前記回り止め機構は、前記円筒ノズルの円周方向位置を非対称にした複数組であることを特徴とする請求項2に記載のコネクタ。
- 前記本体の外周面に、上方移動時に前記円筒ノズルの下端部と係合する突出部を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のコネクタ。
- 前記容器のねじ部と前記結合部のねじ部との螺合位置は、前記円筒ノズルのコネクタシール位置より上方に配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のコネクタ。
- 液体を貯蔵し、上部に設けた液体引き出し用の円筒ノズルに取り付けられた請求項1から6のいずれかに記載のコネクタを備えていることを特徴とする容器。
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