JP2009281539A - 管継手 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スリーブ21が基端側位置に引き上げられた状態で、プラグ2をソケット1の挿入孔に挿入する際に、ボール32がプラグ2の外周面上を転動して突起部23に当接した場合に、ボール32全体をプラグ2の外周よりもソケット1側に収納する収納空間Sが設けられている。
【選択図】図3
Description
このサイフォン管方式では、液体タンクの口栓部に取り付けられていた蓋を取り外した後、口栓部に液体流路となるサイフォン管及び気体供給路を備えたプラグが取り付けられる。そして、液体を液体タンク外部へ取り出すためのチューブと、気体を導入するためのチューブとをそれぞれ連結可能とされたソケットをプラグに接続することにより、液体を取り出すための液体流路及び気体を導入するための気体流路を形成する。このような液体タンク用コネクタは、たとえば、特許文献1に開示されている。
スリーブ121を引き上げると、図7に示したように、ボール132は突起部123の下方に位置することとなる。一方、ボール132は、ソケット本体120に形成したボール挿通穴131(図8参照)内で拘束されずに移動自由とされているので、内周側に移動してボール挿通孔131から内側に出っ張る傾向にある。この状態で、プラグ102をソケット101内に挿入すると、図8に示すように、ボール132は、内周側に出っ張っているためプラグ102の外周面上を転動する(図8中の二点鎖線から実線へと移動する)ことになり、スリーブ121の上方へと相対的に移動し、突起部123に当接する。このようにボール132が突起部123に当接すると、突起部123とプラグ102との間でボール132を噛み込んでしまい、これ以上ソケット101内にプラグ102を挿入することができなくなる。このようなボールの噛み込み現象は、特に、図8に示したようにボール132が膨出部108を乗り上げる際に顕著となる。
本発明の管継手は、流体が流れるプラグ側流路が形成されるとともに、ボールが係合するボール係合溝が外周に形成されたプラグと、該プラグの先端を包囲するように嵌合し、前記プラグ側流路と共に前記流体の流路を形成するソケット側流路が形成されたソケットとを備え、前記ソケットは、前記プラグの先端部が挿入される挿入孔が形成されるとともに、前記ボールが挿通可能とされたボール挿通孔が形成された筒状のソケット本体と、該ソケット本体の外周側に設けられ、該ソケット本体に対して基端側位置と先端側位置との間で軸線方向に往復動可能とされ、内周側に突出する突起部が設けられたスリーブとを有し、前記プラグと前記ソケットとの嵌合時に前記スリーブが前記先端側位置に位置した場合に、前記突起部により、前記ボール挿通孔内に位置する前記ボールを前記プラグの前記ボール係合溝に係合させることで、前記プラグと前記ソケットとの軸線方向の相対移動を規制して固定する管継手において、前記スリーブが前記基端側位置に位置した状態で、前記プラグを前記ソケットの前記挿入孔に挿入する際に、前記ボールが前記プラグの外周面上を転動して前記ボール挿通孔を形成する壁部および/または前記突起部に当接した場合に、該ボール全体を前記プラグの外周よりも前記ソケット側に収納する収納空間が設けられていることを特徴とする。
スリーブを基端側位置に位置させた状態でソケットとプラグを接続する場合には、スリーブが基端側位置に移動するに伴い突起部がストップリングから離間されるので、前記収納空間内に収納されるボールは、突起部とストップリングとの間に位置することになる。この状態でソケットにプラグを差し込み、差し込みが完了した後は、スリーブを基端側位置から先端側位置に戻すことになる。この場合に、突起部とストップリングとの間、或いは、突起部とボール挿通孔を形成する壁部との間でボールを噛み込んでしまうおそれがある。ボールが噛み込まれると、スリーブが先端側位置まで戻ることができないので、突起部によってボールをプラグのボール係合溝に係合させることができず、ソケットとプラグとを固定することができない。
そこで、本発明では、ボールと当接した際にボールを内周側へと導くボール当接部をストップリングに設けることとした。これにより、ボールは、ボール当接部によって内周側へと導かれ、突起部から離間することになるので、突起部によって噛み込まれることがない。したがって、スリーブを基端側位置に位置させてソケットにプラグを差し込んだ場合であっても、差し込み終了後にスリーブを先端側位置に戻すことができるので、ソケットとプラグとの固定を確実に行うことができる。
スリーブが基端側位置にある状態であっても、プラグとソケットを確実に結合することができる。
また、スリーブを基端側位置にある状態でソケットにプラグを差し込んだ後に、スリーブを先端側位置に確実に戻すことができる。
本実施形態にかかる管継手は、背景技術にて図5乃至図8を用いて説明したコネクタと同様の用途に用いられ、スリーブを先端側位置に位置させたままでソケットにプラグを差し込むことができるように突起部やボールを備える点は同様である。したがって、共通する構成要素については図5乃至図8の符号番号から100を引いた数字で示してある。ただし、本実施形態のコネクタは、スリーブを基端側位置に引き上げた状態であってもソケットにプラグを差し込むことができる点で大きく異なる。よって、以下では、この点について具体的に説明する。
プラグ側流路5の先端側には、プラグ側弁体6が配置されている。プラグ側弁体6の先端の端面中央には上方に突出する凸部6aが設けられている。プラグ側弁体6の先端形状は、先端側が小径とされたテーパ形状となっており、このテーパ面が液体流出口12に嵌合することによって、液体流路が閉じられる。プラグ側弁体6の基端部には、圧縮バネ14の上端が接続されている。圧縮バネ14の下端はバネ止め部材16によってプラグ本体10に固定されている。この圧縮バネ14によって、プラグ側弁体6はプラグ本体10の先端側へと付勢され、これにより、常態において、プラグ側弁体6によって液体流出口12は閉塞されることになる。
プラグ本体10の外周面には、拡径された膨出部8と、この膨出部8の基端部側に位置するボール係合溝7とが設けられている。
同図に示されているように、プラグ2の先端部に対してソケット1の挿入孔36が合致するようにプラグ2の先端部を包囲した状態でソケット1が差し込まれている。
この接続状態では、プラグ本体10の先端とベローズ部材37の先端とが当接し、ベローズ部材37が上方へと押し上げられるようになる。これにより、ソケット側弁体39がベローズ部材37から離間し、開弁される。また、プラグ側弁体6は、ソケット側弁体39によって下方へと押し込まれて、液体流出口12が開口される。この様にして、同図に示した接続状態では、液体流路が形成され、タンク内の薬液が外部へと供出される。
右図に、ボール32が実線で示されているように、ボール挿通孔31を形成する上壁部、突起部23の下端およびスリーブ21の下端内周面に当接した場合に、ボール32全体が収納される収納空間Sが形成されている。この収納空間にボール32全体が収納されることにより、プラグ2の外周面よりも外周側にボール32が位置されるようになる。これにより、スリーブ21の突起部23とプラグ2との間でボール32が噛み込まれることがない。収納空間Sは、ボール係合溝7を形成する上方壁部と、突起部23の下端面と、突起部23の下方(先端側)のスリーブ内周壁とによって形成される。したがって、ボール32を噛み込まずにボール32全体を収納するためには、ボール係合溝7を形成する上方壁部または突起部23下端面の高さ(軸線方向位置)が下方(先端側)となっている方にボール32が当接して噛み込むおそれがあるので、これら壁部の高さ位置は、下方となる壁部にボール32が当接しても噛み込まないように決定される。なお、本実施形態では、これら壁部の高さ位置は同等となっている。また、ボール32を噛み込まずにボール32全体を収納するためには、突起部23の下方のスリーブ内周壁とソケット本体35の内周面との距離は、ボール32の直径以上とする必要がある。
ストップリング22は、その内周縁部(ボール当接部)22aとボール32とが当接した際に、ボール32の中心よりも外周側でかつ下側に当接するように、高さ(軸線方向寸法)が設定されている。すなわち、ボール挿通孔31の先端側部分に一部が軸線方向に重なる程度の高さとされている。このように、ストップリング22の内周縁部22aがボール32に当接した場合に、ボール32の中心よりも外周側でかつ下側に当接するようになっているので、ボール32は内周側下方(図において矢印で示すように左下方向)へと転がる。これにより、ボール32はボール挿通孔31から一部が内周側に突出することとなり、プラグ2に形成されたボール係合溝7に対して確実に係合する。
ボール32全体をプラグ1の外周よりもソケット2側に収納する収納空間Sを設けることとしたので、スリーブ21の突起部23とプラグ2との間でボール32が噛み込まれてしまうことがない。したがって、スリーブ21が基端側位置にある状態であっても、プラグ2とソケット1を結合することができる。
ボール32の中心よりも外周側でかつ下側にストップリング22の内周縁部22aを当接させることとしたので、ボール32を円滑に内周側へと転がすことができる。
2 プラグ
5 プラグ側流路
6 プラグ側弁体
7 ボール係合溝
10 プラグ本体
12 液体流出口
21 スリーブ
22 ストップリング
22a 内周縁部(ボール当接部)
23 突起部
24 リング
25 スリーブ用スプリング
31 ボール挿通孔
32 ボール
35 ソケット本体
36 挿入孔
37 ベローズ部材
39 ソケット側弁体
Claims (3)
- 流体が流れるプラグ側流路が形成されるとともに、ボールが係合するボール係合溝が外周に形成されたプラグと、
該プラグの先端を包囲するように嵌合し、前記プラグ側流路と共に前記流体の流路を形成するソケット側流路が形成されたソケットと、を備え、
前記ソケットは、前記プラグの先端部が挿入される挿入孔が形成されるとともに、前記ボールが挿通可能とされたボール挿通孔が形成された筒状のソケット本体と、該ソケット本体の外周側に設けられ、該ソケット本体に対して基端側位置と先端側位置との間で軸線方向に往復動可能とされ、内周側に突出する突起部が設けられたスリーブとを有し、
前記プラグと前記ソケットとの嵌合時に前記スリーブが前記先端側位置に位置した場合に、前記突起部により、前記ボール挿通孔内に位置する前記ボールを前記プラグの前記ボール係合溝に係合させることで、前記プラグと前記ソケットとの軸線方向の相対移動を規制して固定する管継手において、
前記スリーブが前記基端側位置に位置した状態で、前記プラグを前記ソケットの前記挿入孔に挿入する際に、前記ボールが前記プラグの外周面上を転動して前記ボール挿通孔を形成する壁部および/または前記突起部に当接した場合に、該ボール全体を前記プラグの外周よりも前記ソケット側に収納する収納空間が設けられていることを特徴とする管継手。 - 前記ソケット本体の先端側外周には、前記スリーブの前記突起部に当接することによって該スリーブの前記先端側位置を規定するストップリングが設けられ、
該ストップリングは、前記ボールと当接した際に該ボールを内周側へと導くボール当接部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の管継手。 - 前記ボール当接部は、前記ボールの中心よりも外周側に当接する内周縁部とされていることを特徴とする請求項2に記載の管継手。
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