JP6001091B2 - 鉄道車両用ディスクブレーキ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道車両用ディスクブレーキ装置に関する。
鉄道車両用ディスクブレーキ装置として、テコの原理を用いる構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のディスクブレーキ装置は、一対の制輪子受けと、一対のアームと、駆動機構と、を有している。
一対の制輪子受けは、車輪と一体に回転するディスクを挟むように配置されており、一対のパッドを保持している。一対の制輪子受けは、一対のアームに取り付けられている。各アームは、略鉛直方向に延びる支点軸回りに揺動可能である。各アームは、駆動機構に接続されている。駆動機構は、各アームが支点軸回りを揺動するように、各アームを駆動する。この構成により、各アームが回転される。その結果、各アームに制輪子受けを介して保持されているパッドは、ディスクに接触し、ディスクに制動力を付与する。
特開2010−164183号公報([要約])
アームは、鉄道車両の制動時に、駆動機構からの大きな荷重と、ディスクからの大きな反力とを受ける。このため、アームは、十分な強度を有する形状に形成される。また、アームは、鉄道車両用の大型のディスクに対応して、大きな形状を有しており、アームの断面形状(アームの延びる方向と直交する断面での形状)は、角形形状、又は楕円形状等となる。
このように、アームは、十分な強度を有するように形成される。しかしながら、単に、肉厚を増やしてアームに十分な強度を持たせる思想の下では、アームは、必要以上に太くなってしまう。即ち、アームが過剰に重くなってしまう。
本発明は、上記実情に鑑みることにより、十分な強度を確保でき、且つ、軽量化を達成することのできる、鉄道車両用ディスクブレーキ装置を提供することを目的とする。
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる鉄道車両用ディスクブレーキ装置は、ディスクに対向配置されるパッドを支持するためのキャリパテコと、前記パッドが前記ディスクに近づく方向及び前記ディスクから遠ざかる方向へ変位可能なように、前記キャリパテコを揺動可能に支持する支点軸と、前記キャリパテコを前記支点軸回りに駆動させるための駆動装置と、を備え、前記キャリパテコは、アーム部を含み、前記アーム部は、前記アーム部が延びる方向と直交する断面において、互いに交差するように延びる第1部分及び第2部分を有している。
この構成によると、アーム部が延びる方向と直交する断面において、アーム部の形状は、例えば、多角形形状の一部又は丸形状の一部が省略された形状となる。これにより、アーム部の体積を小さくできるので、アーム部を、より軽くできる。即ち、キャリパテコの軽量化を通じて、鉄道車両用ディスクブレーキ装置の軽量化を達成できる。また、アーム部は、十分な曲げ剛性を有する形状となる。これにより、駆動装置からの大きな荷重及びディスクからの大きな反力を受けるアーム部の強度を、十分に確保できる。
以上より、十分な強度を確保でき、且つ、軽量化を達成することのできる、鉄道車両用ディスクブレーキ装置を提供できる。
(2)好ましくは、前記鉄道車両用ディスクブレーキ装置の使用状態において、前記断面では、前記第1部分が延びる方向と鉛直方向とがなす角度は、前記第2部分が延びる方向と前記鉛直方向とがなす角度よりも小さい。
この構成によると、鉛直に比較的近い角度で延びる第1部分と、水平に比較的近い角度で延びる第2部分との協働によって、アーム部の曲げ剛性を、十分に確保できる。
(3)より好ましくは、前記断面において、前記アーム部は、L字状に形成されている。
この構成によると、簡易な構成で、アーム部の軽量化及び十分な剛性の確保を、実現できる。
(4)好ましくは、前記アーム部は、前記駆動装置を向く内側面と、前記内側面と対に配置される外側面とを有するように配置され、前記アーム部は、前記駆動装置と前記支点軸との間に延びる力点側アーム部と、前記支点軸側から前記パッド側に向けて延びる作用点側アーム部と、を有し、前記力点側アーム部においては、前記第1部分は前記外側面側に配置され、前記第2部分は前記内側面側に配置されている。
この構成によると、力点側アーム部における内側面側において、第1部材と第2部材とで画成された空間を確保できる。この空間に、力点側アーム部に隣接して配置される駆動装置等の部材を配置することができる。したがって、力点側アーム部と、駆動装置等との干渉(意図しない接触)を防止できる。しかも。力点側アーム部は、この干渉を避けるための迂回形状を有する必要が無いので、力点側アーム部を小型化できる。特に、力点側アーム部をその長手方向に関して短くできる。
(5)好ましくは、前記アーム部は、前記駆動装置を向く内側面と、前記内側面と対に配置される外側面とを有するように配置され、前記アーム部は、前記駆動装置と前記支点軸との間に延びる力点側アーム部と、前記支点軸側から前記パッド側に向けて延びる作用点側アーム部と、を有し、前記作用点側アーム部においては、前記第1部分は前記内側面側に配置され、前記第2部分は前記外側面側に配置されている。
この構成によると、作用点側アーム部は、車両の制動時に、ディスクからの反力を受けて、アーチ状に撓み変形する。この際、作用点側アーム部の内側面側には引張応力が生じ、作用点側アーム部の外側面側には圧縮応力が生じる。部材は、一般的に、許容圧縮応力よりも、許容引張応力が小さい。そこで、作用点側アーム部において、車両の制動時に引張応力が生じる内側面側に第1部分を配置することで、引張応力を受ける部分の体積を、より大きくできる。これにより、作用点側アーム部の引張応力のピークを低減できる。その結果、作用点側アーム部の負荷の低減を通じて、キャリパテコの強度を、より高くできる。
(6)より好ましくは、前記作用点側アームの全長は、前記力点側アーム部の全長よりも小さく設定されている。
この構成によると、作用点側アーム部の全長が短いので、鉄道車両用ディスクブレーキ装置の更なる小型化を達成できる。また、作用点側アーム部の全長(アーム長)が短いので、車両の制動時に、ディスクからの反力によって作用点側アーム部が撓んだときの当該作用点側アーム部の応力は、大きくなり易い。しかしながら、作用点側アーム部においては、第1部分が、作用点側アーム部の内側面側に配置されている。これにより、作用点側アーム部の内側面側の引張応力を分散することができる。よって、作用点側アーム部に生じる引張応力のピークを、十分に低い値にできる。
(7)好ましくは、前記力点側アーム部は、上下一対設けられており、前記キャリパテコは、各上記力点側アーム部の前記第1部分同士を連結する連結部を更に有している。
この構成によると、上下一対の力点側アーム部は、連結部を介して一体的に結合される。これにより、一対の力点側アーム部の強度を、格段に向上できる。よって、一対の力点側アーム部の強度の向上を通じて、キャリパテコの強度を、より高くできる。また、連結部は、一対の力点側アーム部の第1部分間に延びているので、連結部と力点側アーム部との接続部分を、滑らかな形状にできる。よって、連結部と力点側アーム部との接続部分への応力集中を緩和できる。
(8)好ましくは、前記車両用ディスクブレーキ装置は、前記キャリパテコを、前記支点軸を介して支持するテコ支え部材を更に備え、前記テコ支え部材は、前記キャリパテコと前記駆動装置とが並ぶ所定の並び方向に延びる、上下一対の水平状部と、一対の前記水平状部が向かい合う方向に延び、一対の前記水平状部同士を連結する垂直状部と、一対の前記水平状部及び前記垂直状部に連結される補強リブと、を有している。
この構成によると、テコ支え部材の形状を、ブロック状というよりは、むしろ板部材を組み合わせた形状に近い形状とすることができる。これにより、テコ支え部材を、より軽量化できる。また、補強リブが設けられていることにより、テコ支え部材の強度を十分に確保できる。
(9)より好ましくは、前記垂直状部は、前記ディスクと対向配置されるように構成され、前記補強リブは、前記垂直状部から前記駆動装置に向かって延びている。
この構成によると、前記垂直状部は、前記ディスクに近接するように配置される。これにより、テコ支え部材において、ディスクからの反力を、垂直状部で確実に受けることができる。
(10)好ましくは、前記車両用ディスクブレーキ装置は、前記テコ支え部材を、台車に揺動可能に吊り下げるための吊下げ軸を更に備え、前記吊下げ軸は、前記駆動装置寄りに配置された小径部と、前記パッド寄りに配置されるように構成され且つ前記小径部の直径よりも大きい直径を有する大径部と、を有する。
この構成によると、吊下げ軸において、大径部は、車両の制動時に、大きな反力をディスクから受ける。よって、大径部の直径を大きく設定しておくことで、吊下げ軸の強度を、十分に確保できる。また、車両の制動時にディスクから小径部が受ける反力は、比較的小さい。よって、吊下げ軸においてあまり大きな荷重を受けない部分としての小径部の直径を小さくすることで、吊下げ軸の軽量化を達成できる。
本発明によると、十分な強度を確保でき、且つ、軽量化を達成することのできる、鉄道車両用ディスクブレーキ装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る鉄道車両用ディスクブレーキ装置の側面図である。 鉄道車両用ディスクブレーキ装置の平面図である。 鉄道車両用ディスクブレーキ装置の底面図である。 鉄道車両用ディスクブレーキ装置を見下ろした斜視図である。 鉄道車両用ディスクブレーキ装置を見上げた斜視図である。 キャリパテコの斜視図であり、キャリパテコの内側面を見た状態を示している。 キャリパテコの側面図であり、キャリパテコの内側面を見た状態を示している。 図7のVIII−VIII線に沿う断面図であり、キャリパテコを見上げた状態を示している。 (A)は、図7のIXA−IXA線に沿う断面図であり、(B)は、図7のIXB−IXB線に沿う断面図である。 キャリパテコの斜視図であり、キャリパテコの外側面を見た状態を示している。 テコ支え部材の斜視図であり、テコ支え部材を見下ろした状態を示している。 テコ支え部材の斜視図であり、テコ支え部材を見上げた状態を示している。 図2のXIII−XIII線に沿う断面図である。 ブレーキ装置の動作を説明するための、主要部の模式的な平面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明は、以下の実施形態で例示した形態に限らず、鉄道車両用ディスクブレーキ装置として広く適用することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る鉄道車両用ディスクブレーキ装置1の側面図である。図1は、車両用ディスクブレーキ装置1が台車100に設置された状態を示している。図2は、鉄道車両用ディスクブレーキ装置1の平面図である。図3は、鉄道車両用ディスクブレーキ装置1の底面図である。図1〜図3において、鉄道車両用ディスクブレーキ装置1以外の部材は、想像線である二点鎖線で示されている。図4は、鉄道車両用ディスクブレーキ装置1を見下ろした斜視図である。図5は、鉄道車両用ディスクブレーキ装置1を見上げた斜視図である。
図1及び図2を参照して、鉄道車両用ディスクブレーキ装置1(以下では、単にブレーキ装置1ともいう。)は、鉄道車両に備えられる。このブレーキ装置1は、鉄道車両(以下、単に車両ともいう。)の台車100の下部に設置されている。車両用ディスクブレーキ装置1は、台車100の下部に配置されたディスク101に隣接している。ディスク101は、円盤状の部材であり、車両の走行時に車輪とともに回転する。ブレーキ装置1は、このディスク101を挟むことでディスク101に摩擦力を付与し、これにより、ディスク101に制動力が付与され、その結果、車両が減速される。
ブレーキ装置1は、シリンダ装置(駆動装置)2と、一対のキャリパテコ3a,3bと、支点軸部材4a,4bと、一対のパッドホルダ5a,5bと、テコ支え部材6と、吊下げ軸部材7と、固定ブラケット8と、を有している。
尚、以下では、ブレーキ装置1が水平面上に置かれた台車100に設置されている使用状態を基準として、上下、前後、及び左右の各方向をいう。左右方向は、キャリパテコ3a,3bが向かい合う方向である。前後方向は、キャリパテコ3a,3bが延びる方向である。以下では、特に説明なき場合、車両用ディスクブレーキ装置1が動作していない状態の構成を基準に説明する。
図2、図3及び図5を参照して、シリンダ装置2は、キャリパテコ3a,3bを、上下に延びる支点軸部材4a,4bの支点軸9a,9b回りに揺動させるために設けられている。本実施形態では、支点軸部材4a,4bは、ねじ部材である。支点軸9a,9bは、先端に雄ねじが形成された丸軸である。シリンダ装置2は、空気、油等の流体を作動流体として用いる。シリンダ装置2は、ディスク101と前後方向に対向するように配置されている。また、シリンダ装置2は、一対のキャリパテコ3a,3bに挟まれるように配置されている。
シリンダ装置2は、シリンダハウジング10と、ロッド部材11と、カップリング12と、コラム部材13と、ブーツ部材14と、を有している。
シリンダハウジング10は、中空状に形成されている。シリンダハウジング10の上端部及び下端部は、ねじ部材15b,15bを介して、キャリパテコ3bに回転可能に支持されている。シリンダハウジング10は、ロッド部材11を支持している。
ロッド部材11は、シリンダハウジング10内のシリンダ室(図示せず)での流体の移動に伴って、左右方向に移動する。ロッド部材11の先端は、カップリング12を介して、コラム部材13に結合されている。
コラム部材13は、上下に延びる部材である。コラム部材13は、カップリング12を介して、ロッド部材11と一体的に左右方向に移動するように構成されている。コラム部材13の上端部及び下端部は、ねじ部材15a,15aを介して、キャリパテコ3aに回転可能に支持されている。
コラム部材13とシリンダハウジング10との間には、ブーツ部材14が配置されている。ブーツ部材14は、ベローズ状に形成された伸縮可能な部材であり、ロッド部材11を取り囲んでいる。シリンダ装置2を挟むようにして、キャリパテコ3a,3bが配置されている。
一対のキャリパテコ3a,3bは、ディスク101を挟むように対向配置される一対のパッド102a,102bを支持するために設けられている。キャリパテコ3a,3bは、対応する支点軸部材4a,4bの支点軸9a,9bを支点として揺動することで、パッド102a,102bを、ディスク101の対応する側面101a,101bに加圧可能である。本実施形態では、キャリパテコ3a,3bは、金属製であり、鋳造、鍛造、焼結その他の製造方法によって形成されている。本実施形態では、キャリパテコ3a,3bは、中実部材(solid member)であり、貫通孔以外の内部空洞は、形成されていない。
キャリパテコ3a,3bは、シリンダ装置2を挟むように配置されており、且つ、ディスク101を挟むように配置されている。また、キャリパテコ3a,3bは、前後方向において、シリンダ装置2に隣接する位置からディスク101に隣接する位置に亘って延びており、前後方向に細長い部材である。本実施形態では、側面視(図1)において、キャリパテコ3a,3bは、それぞれ、略A字状に形成されている。
図6は、キャリパテコ3aの斜視図であり、キャリパテコ3aの内側面21aを見た状態を示している。図7は、キャリパテコ3aの側面図であり、キャリパテコ3aの内側面21aを見た状態を示している。図8は、図7のVIII−VIII線に沿う断面図であり、キャリパテコ3aを見上げた状態を示している。図9(A)は、図7のIXA−IXA線に沿う断面図であり、図9(B)は、図7のIXB−IXB線に沿う断面図である。
図1、及び図6〜図9(B)を参照して、キャリパテコ3aは、傾斜状に配置されており、前後方向において、ディスク101から遠い位置ほど、路面に近くなるように延びている。但し、水平面(路面)に対するキャリパテコ3aの傾斜の度合いは、数度程度の僅かな量であり、以下では、この傾斜が実質的にゼロであるとして説明を行う。
キャリパテコ3aは、シリンダ装置2を向く内側面21aと、ブレーキ装置1の外側を向くように配置され内側面21aと対をなす外側面22aと、上方を向く上面23aと、下方を向く下面24aと、を有している。
また、キャリパテコ3aは、上下一対の力点側アーム部25a,26aと、上下一対の支点部27a,28aと、上下一対の作用点側アーム部29a,30aと、第1連結部31aと、第2連結部32aと、を有している。
力点側アーム部25a,26a、及び作用点側アーム部29a,30aは、それぞれ、本発明の「アーム部」の一例である。
力点側アーム部25a,26aは、シリンダ装置2と支点軸部材4aとの間に延びる部分として設けられている。力点側アーム部25aは、力点側アーム部26aの上方に配置されている。前後方向における力点側アーム部25a,26aの一端部は、前後方向におけるキャリパテコ3aの一端部を構成している。力点側アーム部25a,26aの一端部は、扁平な矩形の板状に形成されており、上下方向に延びる貫通孔253a,263aが形成されている。これらの貫通孔253a,263aに、前述のねじ部材15a,15aが挿入されている。
前後方向における力点側アーム部25aの中間部及び他端部は、傾斜状に形成されており、当該力点側アーム部25aの一端部から遠ざかるに従い、下方に延びている。一方、長手方向における力点側アーム部26aの中間部及び他端部は、傾斜状に形成されており、当該力点側アーム部26aの一端部から遠ざかるに従い、上方に延びている。力点側アーム部26aの中間部及び他端部が水平面に対して傾斜する角度(傾斜角度)は、力点側アーム部25aの中間部及び他端部の傾斜角度よりも大きい。
力点側アーム部25aの中間部及び他端部は、第1部分251aと、第2部分252aと、を有している。
力点側アーム部25aが延びる方向と直交する断面P1(図9(A)に示す断面)において、第1部分251a及び第2部分252aは、全体として、L字状に形成されている。断面P1において、第1部分251a及び第2部分252aは、互いに交差するように延びており、本実施形態では、互いに直交して延びている。
また、断面P1において、第1部分251aが延びる方向と鉛直方向とがなす角度θ251a(劣角)は、第2部分252aが延びる方向と鉛直方向とがなす角度θ252a(劣角)よりも小さい(θ251a<θ252a)。角度θ251aは、例えば、第1部分251aにおける外側面22aと鉛直方向とがなす角度をいう。また、角度θ252aは、例えば、第2部分252aにおける上面23aと鉛直方向とがなす角度をいう。本実施形態では、第1部分251aは、垂直に近い角度で延びており、第2部分252aは、水平に近い角度で延びている。尚、第1部分251aは、垂直に延びていてもよいし、第2部分252aは、水平に延びていてもよい。
断面P1において、第1部分251aの厚みt251aは、第2部分252aの厚みt252aよりも小さい(t251a<t252a)。また、本実施形態では、断面P1において、第1部分251aの長さL251aは、第2部分252aの長さL252aよりも小さい(L251a<L252a)。内側面21aにおいて、第1部分251aと第2部分252aとの接続部は、滑らかな円弧状の形状を有しており、当該接続部に応力集中が生じることを抑制されている。
第1部分251aは、キャリパテコ3aの外側面22a寄りに配置されており、当該外側面22aの一部を構成している。一方、第2部分252aは、キャリパテコ3aの内側面21a寄りに配置されており、当該内側面21aの一部を構成している。また、第1部分251aと第2部分252aとによって、空間S1aが形成されている。この空間S1aは、一対のキャリパテコ3a,3b間の空間であり、シリンダ装置2のブーツ部材14等の部材を配置することができる。上記の構成を有する第1部分251a及び第2部分252aの下方に、力点側アーム部26aの中間部及び他端部が配置されている。
力点側アーム部26aの中間部及び他端部は、第1部分261aと、第2部分262aと、を有している。
力点側アーム部26aの中間部及び他端部は、力点側アーム部25aの中間部及び他端部と概ね同様の構成を有している。
具体的には、力点側アーム部26aが延びる方向と直交する断面(図示せず)において、力点側アーム部26aの第1部分261a及び第2部分262aは、全体として、L字状に形成されている。第1部分261a及び第2部分262aは、互いに交差するように延びており、本実施形態では、互いに直交している。
また、力点側アーム部26aが延びる方向と直交する断面における、第1及び第2部分26a,262aの形状は、力点側アーム部25aが延びる方向と直交する断面P1における第1及び第2部分251a,252aの形状と、概ね上下対称な形状である。
第1部分261aは、キャリパテコ3aの外側面22a寄りに配置されており、当該外側面22aの一部を構成している。一方、第2部分262aは、キャリパテコ3aの内側面21a寄りに配置されており、当該内側面21aの一部を構成している。また、第1部分261aと第2部分262aとによって、空間S2aが形成されている。この空間S2aは、一対のキャリパテコ3a,3b間の空間であり、シリンダ装置2のブーツ部材14等の部材を配置することができる。
上記の構成を有する力点側アーム部25a,26aは、第1連結部31aによって連結されている。
第1連結部31aは、力点側アーム部25a,26aの第1部分251a,261a間を延びており、これら第1部分251a,261aの双方に連続している。第1連結部31aは、上下方向と略平行に延びており、側面視において、くびれた形状を有している。本実施形態では、第1連結部31aの肉厚(左右方向の長さ)は、略一定に設定されている。第1連結部31aは、各第1部分251a,261aと滑らかに連続している。これにより、第1連結部31aと対応する第1部分251a,261aとの接続部に応力集中が生じることは、抑制されている。第1連結部31aと前後方向に並ぶようにして、上下一対の支点部27a,28aが配置されている。
支点部27a,28aは、支点軸部材4aと連結される部分として設けられている。支点部27a,28aは、それぞれ、ブロック状に形成されており、支点部27aは、支点部28aの上方に配置されている。支点部27aは力点側アーム部25a及び作用点側アーム部29aと滑らかに連続する形状に形成されており、応力集中を生じ難くされている。同様に、支点部28aは、力点側アーム部26a及び作用点側アーム部30aと滑らかに連続する形状に形成されており、応力集中を生じ難くされている。支点部27a,28aには、上下に延びる貫通孔271a,281aが形成されている。貫通孔271a,281aには、円筒状のブッシュが嵌め込まれており、支点部27a,28aは、対応するブッシュを介して、支点軸部材4aに連結されている。支点部27a,28aは、上下一対の作用点側アーム部29a,30aと連続している。
図10は、キャリパテコ3aの斜視図であり、キャリパテコ3aの外側面22aを見た状態を示している。図1、及び図7〜図10を参照して、作用点側アーム部29a,30aは、支点軸部材4a側からパッド102a(パッドホルダ5a)側に向けて延びる部分として設けられている。作用点側アーム部29aは、作用点側アーム部30aの上方に配置されている。作用点側アーム部29a,30aの一端部は、対応する支点部27a,28aと連続している。
作用点側アーム部29aは、傾斜状に形成されており、当該作用点側アーム部29aの一端部から第2連結部32aへ進むに従い、下方に延びている。同様に、作用点側アーム部30aは、傾斜状に形成されており、当該作用点側アーム部30aの一端部から第2連結部32aへ進むに従い、上方に延びている。作用点側アーム部29aと、作用点側アーム部30aは、上下対称な形状に形成されている。側面視(図7)において、作用点側アーム部29aが水平面に対して傾斜する角度θ29aは、力点側アーム部25aの中間部及び他端部が水平面に対して傾斜する角度θ25aと略同じである。この角度θ29aは、力点側アーム部26aの中間部及び他端部が水平面に対して傾斜する角度θ26aよりも小さい(θ29a<θ26a)。
尚、本実施形態では、角度θ29aは、作用点側アーム部29aにおける上面23aと水平面とがなす角度である。また、角度θ25aは、力点側アーム部25aにおける上面23aと水平面とがなす角度である。また、角度θ26aは、力点側アーム部26aにおける下面24aと水平面とがなす角度である。
作用点側アーム部29aは、第1部分291aと、第2部分292aと、を有している。
作用点側アーム部29aが延びる方向と直交する断面P2(図9(B)に示す断面)において、第1部分291a及び第2部分292aは、全体として、L字状に形成されている。断面P2において、第1部分291a及び第2部分292aは、互いに交差するように延びており、本実施形態では、互いに直交している。
また、断面P2において、第1部分291aが延びる方向と鉛直方向とがなす角度θ291a(劣角)は、第2部分292aが延びる方向と鉛直方向とがなす角度θ292a(劣角)よりも小さい(θ291a<θ292a)。角度θ291aは、例えば、第1部分291aにおける内側面21aと鉛直方向とがなす角度をいう。また、角度θ292aは、例えば、第2部分292aにおける上面23aと鉛直方向とがなす角度をいう。本実施形態では、第1部分291aは、垂直に近い角度で延びており、第2部分292aは、水平に近い角度で延びている。尚、第1部分291aは、垂直に延びていてもよいし、第2部分292aは、水平に延びていてもよい。
断面P2において、第1部分291aの厚みt291aは、第2部分292aの厚みt292aよりも小さい(t291a<t292a)。また、本実施形態では、断面P2において、第1部分291aの長さL291aは、第2部分292aの長さL292aよりも小さい(L291a<L292a)。外側面22aにおいて、第1部分291aと第2部分292aとの接続部は、滑らかな円弧状の形状を有しており、当該接続部に応力集中が生じることを抑制されている。
第1部分291aは、キャリパテコ3aの内側面21a寄りに配置されており、当該内側面21aの一部を構成している。一方、第2部分292aは、キャリパテコ3aの外側面22a寄りに配置されており、当該外側面22aの一部を構成している。また、第1部分291aと第2部分292aとによって、空間S3aが形成されている。空間S3aは、ブレーキ装置1の外側を向いている。上記の構成を有する作用点側アーム部29aの下方に、作用点側アーム部30aが配置されている。
作用点側アーム部30aは、第1部分301aと、第2部分302aと、を有している。
前述したように、作用点側アーム部30aは、作用点側アーム部29aと上下対称な形状に形成されているので、詳細な説明は省略する。
作用点側アーム部29a,30aの他端部は、第2連結部32aによって互いに連結されている。
第2連結部32aは、パッドホルダ5aを保持するように構成されている。第2連結部32aは、前後方向におけるキャリパテコ3aの他端部として設けられている。第2連結部32aは、上下に延びる円筒状に形成されている。第2連結部32aの上部は、作用点側アーム部29aの他端部と連続している。第2連結部32aの下部は、作用点側アーム部30aの他端部と連続している。第2連結部32aにおける外側面22aには、窪み部321aが形成されている。この窪み部321aは、側面視において円弧状に形成されており、作用点側アーム部29a,30aのそれぞれにおける外側面22aと滑らかに連続しており、応力集中が生じ難くされている。また、第2連結部32aの外周面には、窪み部322aが形成されている。窪み部322aは、滑らかな面を有しており、応力集中が生じ難くされている。本実施形態では、窪み部321aと窪み部322aとは、互いに離隔して配置されている。
前後方向において、作用点側アーム部29a,30aの全長は、力点側アーム部25a,26aの全長よりも小さく設定されている。本実施形態では、前後方向において、支点部27aの貫通孔271aの中心から、第2連結部32aの貫通孔323aの中心までの長さL11は、上記貫通孔271aの中心から、力点側アーム部25aの貫通孔253aの中心までの長さL12よりも小さい(L11<L12)。
第2連結部32aの貫通孔323aは、上下方向に延びており、この貫通孔323aの上端及び下端には、円筒状のブッシュが嵌め込まれている。第2連結部32aは、これらのブッシュ及びホルダ用軸部材33aを介して、パッドホルダ5aを支持している。
図1、図2、図4及び図5を参照して、パッドホルダ5aは、パッド102aを保持する部分として設けられている。パッドホルダ5aは、ホルダ本体501aと、突出部502a,503aと、を有している。
ホルダ本体501aは、第2連結部32aにおける内側面21aに隣接して配置されている。ホルダ本体501aは、上下方向に延びる板状に形成されており、側面視において、円弧形状(円環の一部に相当する形状)に形成されている。ホルダ本体501aと、ディスク101の一側面101aは、左右方向に対向している。ホルダ本体501aの内側面には、上下方向に延びる保持溝504aが形成されている。ホルダ本体501aの外側面から、突出部502a,503aが突出している。
突出部502a,503aは、小片状の部分であり、ホルダ本体501aと一体に形成されている。突出部502aは、第2連結部32aの上方に配置されており、突出部503aは、第2連結部32aの下方に配置されている。このように、突出部502a,503aは、第2連結部32aを挟むように配置されている。
突出部502a,503aには、上下方向に延びる貫通孔(図示せず)が形成されている。ホルダ用軸部材33aは、ねじ部材であり、突出部502aの貫通孔、第2連結部32aの貫通孔及び突出部503aの貫通孔を貫通している。ホルダ用軸部材33aは、ナット34aにねじ結合されている。これにより、パッドホルダ5aは、第2連結部32aに、回転可能に支持されている。上記の構成を有するパッドホルダ5aによって、パッド102aが保持されている。
パッド102aは、地金103aと、摩擦材104aと、を有している。地金103aの一部は、パッドホルダ5aの保持溝504aに嵌め込まれている。これにより、地金103aは、パッドホルダ5aに保持されている。摩擦材104aは、地金103aに固定されており、ディスク101の一側面101aと対向している。上記の構成により、パッド102aは、パッドホルダ5a、及びホルダ用軸部材33aを介して、キャリパテコ3aに支持されている。
以上が、キャリパテコ3a、パッドホルダ5a及びパッド102aの構成である。キャリパテコ3b、パッドホルダ5b及びパッド102bは、キャリパテコ3a、パッドホルダ5a及びパッド102aと左右対称な構成を有しているので、詳細な説明を省略する。
より具体的には、キャリパテコ3b、パッドホルダ5b及びパッド102bの各構成要素を表す符号は、キャリパテコ3a、パッドホルダ5a及びパッド102aの対応する構成要素を表す符号と数字が同じで且つアルファベットの”a”を”b”に置き換えた表示とする。例えば、キャリパテコ3aの力点側アーム部25a,26aに対応するキャリパテコ3bの力点側アーム部の符号は、「力点側アーム部25b,26b」となる。キャリパテコ3bの力点側アーム部25b,26bの一端部に、前述のねじ部材15b,15bが取り付けられている。
図3及び図5を参照して、パッドホルダ5a,5bの向きを揃えるための同期機構36が、キャリパテコ3a,3bの下方に配置されている。同期機構36は、例えば、リンク機構であり、一対の第1部材37a,37bと、第2部材38,38とを有している。
各第1部材37a,37bは、金属板を曲げ加工することによって形成されており、可撓性を有している。第1部材37a,37bの一端部は、対応するホルダ本体501a,501bに固定されている。第1部材37a,37bは、前後方向に延びており、当該第1部材37a,37bの他端部は、第2部材38,38によって互いに連結されている。第2部材38,38は、例えば、丸棒状の部材であり、左右方向に延びている。
次に、キャリパテコ3a,3bを、支点軸部材4a,4bを介して支持するテコ支え部材6の構成を説明する。図11は、テコ支え部材6の斜視図であり、テコ支え部材6を見下ろした状態を示している。図12は、テコ支え部材6の斜視図であり、テコ支え部材6を見上げた状態を示している。
図1、図2、図4、図11及び図12を参照して、テコ支え部材6は、一対のキャリパテコ3a,3bの間に配置されている。また、テコ支え部材6は、シリンダ装置2と、ディスク101との間に配置されている。
テコ支え部材6は、金属材料等を材料として形成されており、本実施形態では、鋳造、鍛造、焼結その他の製造方法によって形成された一体成形品である。テコ支え部材6は、中実部材である。テコ支え部材6は、平面視において、Y字状に形成されている。
テコ支え部材6は、第1部分41と、第2部分42と、を有している。
第1部分41は、キャリパテコ3a,3bと連結される部分として設けられている。第1部分41は、平面視においてU字状に形成されている。第1部分41は、水平状部43,44と、垂直状部45と、一対の結合部46a,46bと、補強リブ47,48,49と、を有している。
水平状部43,44は、上下一対の部分であり、支点軸部材4a(4b)の中心軸線と略直交するように延びている。本実施形態では、支点軸部材4aは、略鉛直に延びており、水平状部43,44は、略水平に延びている。水平状部43,44は、互いに平行に延びている。また、水平状部43,44は、キャリパテコ3a,3bとシリンダ装置2とが並ぶ並び方向としての左右方向に延びている。
水平状部43,44は、左右方向に細長く延びている。水平状部43,44のうち、ディスク101と対向する一側部同士が、垂直状部45によって結合されている。
垂直状部45は、左右方向に延びており、且つ、水平状部43,44が向かい合う方向に延びている。垂直状部45は、一対の水平状部43,44同士を連結している。垂直状部45は、支点軸部材4a,4bの中心軸線と平行に延びており、本実施形態では、略垂直に延びている。垂直状部45は、ディスク101と前後方向に対向する一側面451を有している。垂直状部45、及び一対の水平状部43,44のそれぞれの左右両端部は、結合部46a,46bと連続している。
結合部46aは、キャリパテコ3aの支点部27a,28a間に配置されるように延びている。
結合部46aは、上下に延びる筒状に形成されている。結合部46aには、上下に延びる貫通孔461aが形成されている。貫通孔461aの上部及び下部には、それぞれ、ブッシュが嵌め込まれている。支点軸部材4aの支点軸9aは、支点部27aの貫通孔、結合部46aの貫通孔461a、及び支点部28aの貫通孔を貫通し、更に、ナット50aにねじ結合している。
上記の構成により、支点軸部材4aの支点軸9a及びテコ支え部材6の結合部46aは、キャリパテコ3aの支点部27a,28aを、揺動可能に支持している。即ち、支点軸9a及び結合部46aは、パッド102aをディスク101に近づく方向及びディスク101から遠ざかる方向へ変位可能なように、キャリパテコ3aを揺動可能に支持している。
結合部46aと同様の構成が、結合部46bに設けられている。結合部46bは、キャリパテコ3bの支点部27b,28b間に配置されるように延びている。
結合部46bは、上下に延びる筒状に形成されている。結合部46bには、上下に延びる貫通孔461bが形成されている。貫通孔461bの上部及び下部には、それぞれ、ブッシュが嵌め込まれている。支点軸部材4bの支点軸9bは、支点部27bの貫通孔、結合部46bの貫通孔461b、及び支点部28bの貫通孔を貫通し、更に、ナット50bにねじ結合している。
上記の構成により、支点軸部材4bの支点軸9b及びテコ支え部材6の結合部46bは、キャリパテコ3bの支点部27b,28bを、揺動可能に支持している。即ち、支点軸9b及び結合部46bは、パッド102bをディスク101に近づく方向及びディスク101から遠ざかる方向へ変位可能なように、キャリパテコ3bを揺動可能に支持している。
上記の構成を有する結合部46a,46bに隣接した箇所に、補強リブ47,48,49が配置されている。
補強リブ47,48,49は、第1部分41における補強部として設けられており、一対の水平状部43,44、及び垂直状部45に連結されている。補強リブ47,48,49は、シリンダ装置2と前後方向に向かい合うように配置されており、垂直状部45と直交するように延びている。補強リブ47,48,49は、それぞれ、前後方向及び上下方向に延びる板状の部分である。本実施形態では、補強リブ47,48,49は、左右方向に離隔して配置されている。補強リブ47,48,49は、垂直状部45からシリンダ装置2へ向けて延びている。各補強リブ47,48,49の上端部は、水平状部43に連続している。各補強リブ47,48,49の下端部は、水平状部44に連続している。
補強リブ47は、結合部46a寄りに配置されている。補強リブ47は、水平状部43,44、垂直状部45、及び結合部46aのそれぞれとの接続部分において、滑らかな形状に形成されており、応力集中が生じ難くされている。
補強リブ48は、左右方向におけるテコ支え部材6の中央に配置されている。補強リブ48の厚み(左右方向の長さ)は、補強リブ47,49のそれぞれの厚みよりも大きく設定されている。補強リブ48は、水平状部43,44、垂直状部45及びベース部51のそれぞれとの接続部分において、滑らかな形状に形成されており、応力集中が生じ難くされている。
補強リブ49は、補強リブ47と左右対称な形状に形成されている。補強リブ49は、結合部46b寄りに配置されている。補強リブ49は、水平状部43,44、垂直状部45及び結合部46bのそれぞれとの接続部分において、滑らかな形状に形成されており、応力集中が生じ難くされている。
補強リブ47、水平状部43,44、垂直状部45、及び結合部46aによって、シリンダ装置2と向かい合う空間S11が形成されている。また、補強リブ47,48、水平状部43,44、及び垂直状部45によって、シリンダ装置2と向かい合う空間S12が形成されている。
また、補強リブ48,49、水平状部43,44、及び垂直状部45によって、シリンダ装置2と向かい合う空間S13が形成されている。また、補強リブ49、水平状部43,44、垂直状部45、及び結合部46bによって、シリンダ装置2と向かい合う空間S14が形成されている。
空間S11,S14は、対応する結合部46a,46bの先端に近づくに従い、高さ(上下方向の長さ)が小さくなる先細りの空間である。これらの空間S11〜S14の体積分、テコ支え部材6の体積が小さくされている。これにより、テコ支え部材6の軽量化が達成されている。上記の構成を有する第1部分41の上方に、第2部分42が配置されている。
第2部分42は、吊下げ軸部材7を介して固定ブラケット8に連結される部分として設けられている。第2部分42は、ベース部51と、一対の結合部52,53と、を有している。
ベース部51は、左右方向における水平状部43の中間部から前後方向に延びる板状の部分として設けられており、水平状部43からシリンダ装置2に向けて延びている。ベース部51の下部と補強リブ48の上部とは、連続している。前後方向におけるベース部51の両端部に、一対の結合部52,53が連続している。
一対の結合部52,53は、吊下げ軸部材7が挿入される部分として設けられている。一対の結合部52,53は、それぞれ、ベース部51から上方に突出するブロック状に形成されている。結合部52は、シリンダ装置2に隣接して配置されており、キャリパテコ3a,3bの力点側アーム部25a,25bに隣接して配置されている。結合部53は、ディスク101に隣接して配置されており、キャリパテコ3a,3bの作用点側アーム部29a,29bに隣接している。一対の結合部52,53には、前後方向に延びる貫通孔521,531が形成されている。力点側アーム部25a,25bに隣接する貫通孔521の直径は、作用点側アーム部29a,29bに隣接する貫通孔531の直径よりも小さく設定されている。貫通孔521,531には、円筒状のブッシュ54,55が嵌め込まれている。一対の結合部52,53は、ブッシュ54,55、及び吊下げ軸部材7を介して、固定ブラケット8に支持されている。
固定ブラケット8は、金属材料等を材料として形成されており、本実施形態では、鋳造、鍛造、焼結その他の製造方法によって形成された一体成形品である。固定ブラケット8は、ブラケット本体56を有している。ブラケット本体56は、略矩形の板状部57の四隅から、力点側固定部58,59と作用点側固定部60,61とが突出した形状を有している。
力点側固定部58,59は、平面視において、板状部57から力点側アーム部25a,25bに向けて延びている。力点側固定部58,59には、貫通孔が形成されている。これらの貫通孔には、それぞれ、図示しないねじ部材が挿入される。これらのねじ部材は、台車100の下部に固定される。
作用点側固定部60,61は、平面視において、板状部57から作用点側アーム部29a,29bに向けて延びている。作用点側固定部60,61には、貫通孔が形成されている。この貫通孔には、それぞれ、図示しないねじ部材が挿入される。これらのねじ部材は、台車100の下部に固定される。
上記の構成により、固定ブラケット8は、台車100に固定されている。
図13は、図2のXIII−XIII線に沿う断面図である。図4及び図13を参照して、固定ブラケット8は、ブラケット本体56の下方に延びる軸保持部62を更に有している。
軸保持部62は、前後に延びる円筒状に形成されており、テコ支え部材6の一対の結合部52,53間に配置されている。軸保持部62には、前後方向に延びる貫通孔621が形成されている。貫通孔621において、結合部52に隣接する部分には、円筒状のブッシュ64が嵌め込まれている。また、貫通孔621において、結合部53に隣接する部分には、円筒状のブッシュ65が嵌め込まれている。
ブッシュ64の内径は、結合部52に嵌め込まれたブッシュ54の内径と同じに設定されており、且つ、ブッシュ65の内径よりも小さく設定されている。ブッシュ65の内径は、結合部53に嵌め込まれたブッシュ55の内径と同じに設定されている。
上記ブッシュ55,65,64,54には、吊下げ軸部材7の吊下げ軸701が挿入されている。本実施形態では、吊下げ軸部材7は、段付きボルト等のねじ部材である。吊下げ軸部材7の吊下げ軸701の一端部には、頭部が形成されている。吊下げ軸701には、ワッシャ67が嵌め込まれている。このワッシャ67は、吊下げ軸部材7の頭部と一方の結合部53の一端面との間に配置されている。また、吊下げ軸701の他端部には、ナット68がねじ結合されている。ナット68と結合部52との間には、ワッシャ69が介在している。これにより、テコ支え部材6は、吊下げ軸701を介して、固定ブラケット8に吊下げられており、且つ、前後方向に延びる吊下げ軸701の軸回りを、揺動可能である。
吊下げ軸701は、丸軸状の大径部702と、テーパ部703と、丸軸状の小径部704と、を有している。
大径部702は、支点軸部材4a,4b(パッド102a,102b)寄りに配置されており、ブッシュ55,65に挿入されている。大径部702と小径部704との間にテーパ部703が配置されている。テーパ部703は、大径部702から遠ざかるに従い直径が小さくなる円錐テーパ状に形成されている。
小径部704は、シリンダ装置2に隣接して配置されており、支点軸部材4a,4bから大きく離隔している。支点軸部材4a,4bから小径部704までの距離は、支点軸部材4a,4bから大径部702までの距離よりも大きい。小径部704の直径は、大径部702の直径よりも小さく設定されている。このように、キャリパテコ3a,3bの力点側アーム部25a,25b側に配置された小径部704の直径は、キャリパテコ3a,3bの作用点側アーム部29a,29b側に配置された大径部702の直径よりも小さく設定されている。小径部704は、ブッシュ64,54に挿入されている。
図1及び図2を参照して、以上の構成を有するブレーキ装置1は、車両の制動時に動作する。具体的には、シリンダ装置2の駆動により、シリンダ装置2のロッド部材11が、シリンダハウジング10から押し出される。これにより、一対のキャリパテコ3a,3bの力点側アーム部25a,25b間の間隔、及び力点側アーム部26a,26b間の間隔が拡げられ、キャリパテコ3a,3bは、対応する支点軸部材4a,4bの支点軸9a,9b回りを揺動する。この揺動により、キャリパテコ3a,3bの第2連結部32a,32b間の間隔が狭くなり、その結果、一対のパッド102a,102bは、ディスク101の対応する側面101a,101bに加圧される。
図14は、ブレーキ装置1の動作を説明するための、主要部の模式的な平面図である。図14に示すように、キャリパテコ3aは、パッド102a等を介したディスク(図14では図示せず)からの反力F1と、シリンダ装置2のロッド部材11からの駆動力F2とを受ける。これにより、前後方向におけるキャリパテコ3aの両端部は、キャリパテコ3aの外側面22a側へ変位する。即ち、キャリパテコ3aは、アーチ状に撓む。これにより、キャリパテコ3aの内側面21a周辺部分は、引張応力を生じる。一方、キャリパテコ3aの外側面22a周辺部分は、圧縮応力を生じる。尚、キャリパテコ3aの撓み量は、図14において誇張して示されている。この場合、キャリパテコ3bは、図14では図示されていないけれども、キャリパテコ3aと左右対称な形状に撓む。
以上説明したように、本実施形態のブレーキ装置1によると、キャリパテコ3aの力点側アーム部25a,26a、及び作用点側アーム部29a,30aのそれぞれにおいて、アーム部の延びる方向と直交する断面の形状は、多角形形状の一部が省略された形状(本実施形態では、L字状)となる。これにより、力点側アーム部25a,26a、及び作用点側アーム部29a,30aのそれぞれの体積を小さくできるので、これらのアーム部25a,26a,29a,30aを、より軽くできる。即ち、キャリパテコ3aの軽量化を通じて、ブレーキ装置1の軽量化を達成できる。また、キャリパテコ3aの力点側アーム部25a,26a、及び作用点側アーム部29a,30aは、それぞれ、十分な曲げ剛性を有する形状となる。これにより、シリンダ装置2からの大きな荷重及びディスク101からの大きな反力を受ける各アーム部25a,26a,29a,30aの強度を、十分に確保できる。以上より、十分な強度を確保でき、且つ、軽量化を達成することのできる、ブレーキ装置1を提供できる。
尚、キャリパテコ3bによって発揮される作用及び効果は、キャリパテコ3aによって発揮される作用及び効果と同様であるので、詳細な説明は省略する。
また、ブレーキ装置1によると、力点側アーム部25aにおいて、当該アーム部25aと直交する断面P1では、第1部分251aと鉛直方向とがなす角度θ251aは、第2部分252aと鉛直方向とがなす角度θ252aよりも小さい(θ251a<θ252a)。同様に、作用点側アーム部29aにおいて、当該アーム部29aと直交する断面P2では、第1部分291aと鉛直方向とがなす角度θ291aは、第2部分292aと鉛直方向とがなす角度θ292aよりも小さい(θ291a<θ292a)。この構成によると、鉛直に比較的近い角度で延びる第1部分251a,291aと、水平に比較的近い角度で延びる対応する第2部分252a,292aとの協働によって、力点側アーム部25a及び作用点側アーム部29aのそれぞれの曲げ剛性を、十分に確保できる。力点側アーム部26a及び作用点側アーム部30aについても、同様の効果を発揮できる。
また、ブレーキ装置1によると、力点側アーム部25a,26a、及び作用点側アーム部29a,30aは、それぞれ、当該アーム部と直交する断面では、L字状に形成されている。この構成によると、簡易な構成で、力点側アーム部25a,26a、及び作用点側アーム部29a,30aのそれぞれの軽量化、及び十分な剛性の確保を、実現できる。
また、ブレーキ装置1によると、力点側アーム部25a,26aのそれぞれにおいて、第1部分251a,261aは、キャリパテコ3aの外側面22a側に配置され、第2部分252a,262aは、キャリパテコ3aの内側面21a側に配置されている。この構成によると、力点側アーム部25aにおける内側面21a側において、第1部251aと第2部252aとで画成された空間S1aを確保できる。同様に、第1部261aと第2部262aとで画成された空間を確保できる。これらの空間S1a等に、力点側アーム部25a,26aに隣接して配置されるシリンダ装置2のブーツ部材14等の部材を配置することができる。したがって、力点側アーム部25a,26aと、シリンダ装置2等との干渉(意図しない接触)を防止できる。しかも、力点側アーム部25a,26aは、この干渉を避けるための迂回形状を有する必要が無いので、力点側アーム部25a,26aを小型化できる。特に、力点側アーム部25a,26aを前後方向に関して短くできる。
また、ブレーキ装置1によると、作用点側アーム部29a,30aのそれぞれにおいて、第1部分291a,301aは、キャリパテコ3aにおける内側面21a側に配置され、第2部分292a,302aは、キャリパテコ3aにおける外側面22a側に配置されている。この構成によると、作用点側アーム部29a,30aは、車両の制動時に、ディスク101からの反力を受けて、アーチ状に撓み変形する。この際、作用点側アーム部29a,30aにおいて内側面21a側には引張応力が生じ、外側面側22aには圧縮応力が生じる。部材は、一般的に、許容圧縮応力よりも、許容引張応力が小さい。そこで、作用点側アーム部29a,30aにおいて、車両の制動時に引張応力が生じる内側面21a側に第1部分291a,301aを配置することで、引張応力を受ける部分の体積を、より大きくできる。これにより、作用点側アーム部29a,30aの引張応力のピークを低減できる。その結果、作用点側アーム部29a,30aの負荷の低減を通じて、キャリパテコ3aの強度を、より高くできる。
また、ブレーキ装置1によると、作用点側アーム部29a,30aの全長は、力点側アーム25a,26aの全長よりも小さく設定されている。この構成によると、作用点側アーム部29a,30aの全長が短いので、ブレーキ装置1の更なる小型化を達成できる。また、作用点側アーム部29a,30aの全長が短いので、車両の制動時に、ディスク101からの反力によって作用点側アーム部29a,30aが撓んだときの当該作用点側アーム部29a,30aの応力は、大きくなり易い。しかしながら、作用点側アーム部29a,30aにおいては、第1部分291a,301aが、作用点側アーム部29a,30aにおける内側面21a側に配置されている。これにより、作用点側アーム部29a,30aにおける内側面21a側の引張応力を分散することができる。よって、作用点側アーム部29a,30aに生じる引張応力のピークを、十分に低い値にできる。
また、ブレーキ装置1によると、力点側アーム部25a,26aは、上下一対設けられており、キャリパテコ3aは、力点側アーム部25a,26aの第1部分251a,261a同士を連結する第1連結部31aを更に有している。この構成によると、上下一対の力点側アーム部25a,26aは、第1連結部31aを介して一体的に結合される。これにより、一対の力点側アーム部25a,26aの強度を、格段に向上できる。よって、一対の力点側アーム部25a,26aの強度の向上を通じて、キャリパテコ3aの強度を、より高くできる。また、第1連結部31aは、一対の力点側アーム部25a,26aの第1部分251a,261a間に延びているので、第1連結部31aと力点側アーム部25a,26aとの接続部分を、滑らかな形状にできる。よって、第1連結部31aと力点側アーム部25a,26aとの接続部分への応力集中を緩和できる。
また、ブレーキ装置1によると、テコ支え部材6は、上下一対の水平状部43,44と、垂直状部45と、補強リブ47,48,49と、を有している。この構成によると、テコ支え部材6の形状を、ブロック状というよりは、むしろ板部材を組み合わせた形状に近い形状とすることができる。これにより、テコ支え部材6を、より軽量化できる。また、補強リブ47,48,49が設けられていることにより、テコ支え部材6の強度を十分に確保できる。
また、ブレーキ装置1によると、垂直状部45は、ディスク101と対向配置されるように構成され、補強リブ47,48,49は、垂直状部45からシリンダ装置2に向かって延びている。この構成によると、垂直状部45は、ディスク101に近接するように配置される。これにより、テコ支え部材6において、ディスク101からの反力を、垂直状部45で確実に受けることができる。
また、ブレーキ装置1によると、吊下げ軸701は、シリンダ装置2寄りに配置された小径部704と、パッド102a寄りに配置され且つ小径部704の直径よりも大きい直径を有する大径部702と、を有する。この構成によると、吊下げ軸701において、大径部702は、車両の制動時に、大きな反力をディスク101から受ける。よって、大径部702の直径を大きく設定しておくことで、吊下げ軸701の強度を、十分に確保できる。また、車両の制動時にディスク101から小径部702が受ける反力は、比較的小さい。よって、吊下げ軸701においてあまり大きな荷重を受けない部分としての小径部704の直径を小さくすることで、吊下げ軸701の軽量化を達成できる。
以上、本発明の実施形態について説明したけれども、本発明は、上述した実施形態に限られず、請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができる。例えば、次のように変更して実施してもよい。
(1)前述の実施形態では、各キャリパテコにおいて、上下一対の作用点側アーム部は、パッドホルダに近づくに従い、互いに近づくように傾斜していた。この傾斜の角度は、前述の実施形態で図示した値より大きくてもよいし、小さくてもよい。
(2)前述の実施形態では、各キャリパテコの各アーム部において、第1部分と第2部分とが直交するように配置された形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。例えば、アーム部の第1部分と第2部分とは、当該アーム部が延びる方向と直交する断面において、交差するように延びていればよく、交差角度は特に限定されない。
(3)また、前述の実施形態では、各キャリパテコの各アーム部において、第1部分と第2部分とが、全体としてL字状である形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。例えば、アーム部の第1部分と第2部分とは、当該アーム部が延びる方向と直交する断面において、I字状等の他の形状であってもよい。
(4)また、前述の実施形態では、力点側アーム部において、第1部分が、第2部分に対して、キャリパテコの外側面側に配置されている形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。例えば、力点側アーム部において、第1部分が、第2部分に対して、キャリパテコの内側面側に配置されていてもよい。
(5)また、前述の実施形態では、作用点側アーム部において、第1部分が、第2部分に対して、キャリパテコの内側面側に配置されている形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。例えば、作用点側アーム部において、第1部分が、第2部分に対して、キャリパテコの外側面側に配置されていてもよい。
(6)また、前述の実施形態では、吊下げ軸部材の軸部が、大径部と小径部とを有する形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。例えば、吊下げ軸部材の軸部の直径は、一定であってもよい。
(7)また、上述の実施形態では、一対のキャリパテコのそれぞれのアーム部に、互いに交差する第1部分及び第2部分を設ける形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。例えば、一方のキャリパテコには、互いに交差する第1部分及び第2部分が設けられていなくてもよい。
(8)また、上述の実施形態では、キャリパテコ3a,3bは、中実部材を例に説明した。しかしながら、一部または全部が中空部材であってもよい。この場合、強度を保ちつつ、更なる軽量化が期待できる。またテコ支え部材6についても、同様に中空部材であってもよい。
本発明は、鉄道車両用ディスクブレーキ装置に広く適用できる。
1 鉄道車両用ディスクブレーキ装置
2 シリンダ装置(駆動装置)
3a,3b キャリパテコ
9a,9b 支点軸
25a,26a,25b,26b 力点側アーム部
29a,30a,29b,30b 作用点側アーム部
101 ディスク
102a,102b パッド
251a,261a,291a,301a,251b,261b,291b,301b 第1部分
252a,262a,292a,302a,252b,262b,292b,302b 第2部分
P1,P2 断面(アーム部が延びる方向と直交する断面)

Claims (10)

  1. ディスクに対向配置されるパッドを支持するためのキャリパテコと、
    前記パッドが前記ディスクに近づく方向及び前記ディスクから遠ざかる方向へ変位可能なように、前記キャリパテコを揺動可能に支持する支点軸と、
    前記キャリパテコを前記支点軸回りに駆動させるための駆動装置と、を備え、
    前記キャリパテコは、アーム部を含み、
    前記アーム部は、前記アーム部が延びる方向と直交する断面において、互いに交差するように延びる第1部分及び第2部分を有し、かつ、前記アーム部は、前記駆動装置と前記支点軸との間に延びる力点側アーム部と、前記支点軸側から前記パッド側に向けて延びる作用点側アーム部と、を有し、
    鉄道車両用ディスクブレーキ装置の使用状態において、前記断面では、前記第1部分が延びる方向と鉛直方向とがなす角度は、前記第2部分が延びる方向と前記鉛直方向とがなす角度よりも小さく、
    前記アーム部は、前記駆動装置を向く内側面と、前記内側面と対に配置される外側面とを有するように配置され、
    前記力点側アーム部においては、前記第1部分は前記外側面側に配置され、前記第2部分は前記内側面側に配置されていることを特徴とする、鉄道車両用ディスクブレーキ装置。
  2. 請求項1に記載の鉄道車両用ディスクブレーキ装置であって、
    前記断面において、前記アーム部は、L字状に形成されていることを特徴とする、鉄道車両用ディスクブレーキ装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の鉄道車両用ディスクブレーキ装置であって、
    前記作用点側アーム部においては、前記第1部分は前記内側面側に配置され、前記第2部分は前記外側面側に配置されていることを特徴とする、鉄道車両用ディスクブレーキ装置。
  4. 請求項3に記載の鉄道車両用ディスクブレーキ装置であって、
    前記作用点側アームの全長は、前記力点側アーム部の全長よりも小さく設定されていることを特徴とする、鉄道車両用ディスクブレーキ装置。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の鉄道車両用ディスクブレーキ装置であって、
    前記力点側アーム部は、上下一対設けられており、
    前記キャリパテコは、各上記力点側アーム部の前記第1部分同士を連結する連結部を更に有していることを特徴とする、鉄道車両用ディスクブレーキ装置。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の鉄道車両用ディスクブレーキ装置であって、
    前記キャリパテコを、前記支点軸を介して支持するテコ支え部材を更に備え、
    前記テコ支え部材は、
    前記キャリパテコと前記駆動装置とが並ぶ所定の並び方向に延びる、上下一対の水平状部と、一対の前記水平状部が向かい合う方向に延び、一対の前記水平状部同士を連結する垂直状部と、一対の前記水平状部及び前記垂直状部に連結される補強リブと、を有していることを特徴とする、鉄道車両用ディスクブレーキ装置。
  7. 請求項6に記載の鉄道車両用ディスクブレーキ装置であって、
    前記垂直状部は、前記ディスクと対向配置されるように構成され、前記補強リブは、前記垂直状部から前記駆動装置に向かって延びていることを特徴とする、鉄道車両用ディスクブレーキ装置。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の鉄道車両用ディスクブレーキ装置であって、
    前記テコ支え部材を、台車に揺動可能に吊り下げるための吊下げ軸を更に備え、
    前記吊下げ軸は、前記駆動装置寄りに配置された小径部と、前記パッド寄りに配置されるように構成され且つ前記小径部の直径よりも大きい直径を有する大径部と、を有することを特徴とする、鉄道車両用ディスクブレーキ装置。
  9. ディスクに対向配置されるパッドを支持するためのキャリパテコと、
    前記パッドが前記ディスクに近づく方向及び前記ディスクから遠ざかる方向へ変位可能なように、前記キャリパテコを揺動可能に支持する支点軸と、
    前記キャリパテコを前記支点軸回りに駆動させるための駆動装置と、前記キャリパテコを、前記支点軸を介して支持するテコ支え部材と、を備え、
    前記キャリパテコは、アーム部を含み、
    前記アーム部は、前記アーム部が延びる方向と直交する断面において、互いに交差するように延びる第1部分及び第2部分を有し、
    前記テコ支え部材は、
    前記キャリパテコと前記駆動装置とが並ぶ所定の並び方向に延びる、上下一対の水平状部と、一対の前記水平状部が向かい合う方向に延び、一対の前記水平状部同士を連結する垂直状部と、一対の前記水平状部及び前記垂直状部に連結される補強リブと、を有し、
    前記垂直状部は、前記ディスクと対向配置されるように構成され、前記補強リブは、前記垂直状部から前記駆動装置に向かって延びていることを特徴とする、鉄道車両用ディスクブレーキ装置。
  10. 請求項9に記載の鉄道車両用ディスクブレーキ装置であって、
    前記テコ支え部材を、台車に揺動可能に吊り下げるための吊下げ軸を更に備え、
    前記吊下げ軸は、前記駆動装置寄りに配置された小径部と、前記パッド寄りに配置されるように構成され且つ前記小径部の直径よりも大きい直径を有する大径部と、を有することを特徴とする、鉄道車両用ディスクブレーキ装置。
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