JP5118654B2 - ディスクブレーキ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用のディスクブレーキ装置に関し、詳しくは、車輪とともに回転するディスクを一対の制輪子で挟持するように構成されたディスクブレーキ装置に関する。
従来より、車両用のディスクブレーキ装置として、車輪とともに回転するディスクを一対の制輪子で挟持してブレーキをかけるように構成されたディスクブレーキ装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
従来では、例えば、ディスクブレーキ装置は、車輪と一体回転するディスクを挟むように対向配置される一対の制輪子と、これら制輪子をディスクに対して移動可能に支持するキャリパボディと、このキャリパボディを車両の台車枠に連結するキャリパ連結手段とを備えている。
キャリパボディは、制輪子をディスクへ押付けるためのピストンを備えており、このピストンは、空気圧又は油圧等の流体圧により駆動されて、制輪子をディスク側に押付けるようになっている。
また、従来のディスクブレーキ装置では、キャリパボディの振れを防止するためにダンパが設けられており、ダンパは、一端がキャリパボディに軸支されるとともに他端が車両の台車枠に軸支されている。ダンパは、ダンパ本体と、このダンパ本体の外周に配置された緩衝用ばね部材とを有しており、ダンパは、衝撃が加わった際にダンパ本体が伸縮することによりキャリパボディにかかる衝撃を吸収するようになっている。
また、従来のディスクブレーキ装置では、ダンパに加えて、台車枠にストッパが設けられており、キャリパボディが振動する際にストッパの先端部がキャリパボディに接触し、キャリパボディが規定以上の範囲で振れるのを防止するようになっている。
特開平11−263223号公報
しかしながら、上述の従来の構成では、キャリパボディの振れを防止するためにダンパ及びストッパ等の多く部品が必要となり、ディスクブレーキ装置の部品点数が多くなるという問題があった。加えて、キャリパボディと車両の台車枠との間にダンパを設けるような構成となっているので、台車枠にダンパを設置するためのスペースを確保しなければならず、ディスクブレーキ装置全体の構成が大きくなってしまうという問題もあった。
また、上述の従来の構成では、例えば、制輪子が磨耗した状態で、制輪子をピストンによってディスクの側面に向かって押付けると、一対の制輪子が平行でない状態でディスクに接触する可能性がある。一対の制輪子が平行でない状態でディスクに接触すると、制輪子がディスクの回転を制動しにくくなり、その結果、ブレーキ精度が低下してしまうという問題がある。また、一対の制輪子が平行でない状態でディスクに接触するので、制輪子が偏磨耗し、制輪子のライフサイクルが短くなる可能性もある。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、部品点数が少なく且つ設置スペースも小さい構成で制輪子の振動を抑制するとともに、制輪子が磨耗した状態でもブレーキ精度を維持することが可能なディスクブレーキ装置を提供することである。
上記従来技術の有する課題を解決するために、本発明は、車輪と一体に回転するディスクを挟むように対向して配置されるとともに前記ディスク側にパッドが配設された一対の制輪子受けと、該一対の制輪子受けが回動軸を介して取付けられた一対のアームと、該一対のアームに連結されるとともに前記一対の制輪子受けを前記一対のアームを介して前記ディスク側へ押し出すように構成された駆動機構とを備えているディスクブレーキ装置において、前記制輪子受けと前記アームとの間には、前記制輪子受けの動きを規制するように構成された摩擦機構が設けられ、該摩擦機構は、前記制輪子受けと前記アームとの間に配置された摩擦板と、該摩擦板を前記制輪子受け側へ向かって付勢する付勢手段とを備えていることを特徴とする
また、本発明の好適な態様では、前記アームは、上下方向に対向して配置された一対の支持アーム部を備え、前記制輪子受けは、前記一対の支持アーム部の間に延出した一対のリブを備え、前記摩擦機構の前記付勢手段は、前記一対のリブの間に配置された付勢部材と、該付勢部材と前記一対のリブとの間に配置されるとともに前記付勢部材を上下方向で保持する一対の受け部材とを備え、前記アームと前記制輪子受けとは、前記一対の支持アーム部と前記一対のリブとを連通する支持ピンにより連結され、前記一対のリブと前記一対の受け部材との間には、前記摩擦機構の前記摩擦板がそれぞれ配置されている。
また前記一対のリブには、前記一対の制輪子受けの前記パッドが前記ディスクを挟む際に前記制輪子受けの回転に対して前記支持ピンが干渉しないように移動するための切欠きが設けられている。
また前記切欠きは、前記制輪子受けの前記回動軸を中心として前記支持ピンが移動する軌道に沿って形成された円弧状の切欠き部である。
また、本発明の別の実施態様によれば、前記摩擦機構が、前記制輪子受けの前記回動軸に対して前記駆動機構側に配置されている。
上述の如く、本発明に係るディスクブレーキ装置によれば、車輪と一体に回転するディスクを挟むように対向して配置されるとともに前記ディスク側にパッドが配設された一対の制輪子受けと、該一対の制輪子受けが回動軸を介して取付けられた一対のアームと、該一対のアームに連結されるとともに前記一対の制輪子受けを前記一対のアームを介して前記ディスク側へ押し出すように構成された駆動機構とを備えているディスクブレーキ装置において、前記制輪子受けと前記アームとの間には、前記制輪子受けの動きを規制するように構成された摩擦機構が設けられ、該摩擦機構は、前記制輪子受けと前記アームとの間に配置された摩擦板と、該摩擦板を前記制輪子受け側へ向かって付勢する付勢手段とを備えているので、車両の運転中にアームが振動した場合、制輪子受けとアームとの間に摩擦力が働くことにより制輪子受けがアームの振動の影響を受けにくくなり、その結果、制輪子受けが振動することを抑制することができる。また、制輪子受けとアームとの間に摩擦機構のみを設ければよい構成であるので、従来のような台車枠にダンパを設けるような構成に比べて、ディスクブレーキ装置全体の構成のコンパクト化を図ることができる。
さらに、付勢手段により摩擦板が常に制輪子受け側に押付けられることなり、制輪子受けとアームとの間に確実に摩擦を発生させることができより効果的に制輪子受けが振動することを抑制することができる。
また、摩擦機構が摩擦板と付勢手段とからなる簡易な構成であるので、従来のダンパを設けるような構成に比べて、部品点数が少なく且つ摩擦機構自体の設置スペースも小さくすることができる。
また、本発明に係るディスクブレーキ装置によれば、前記アームは、上下方向に対向して配置された一対の支持アーム部を備え、前記制輪子受けは、前記一対の支持アーム部の間に延出した一対のリブを備え、前記摩擦機構の前記付勢手段は、前記一対のリブの間に配置された付勢部材と、該付勢部材と前記一対のリブとの間に配置されるとともに前記付勢部材を上下方向で保持する一対の受け部材とを備え、前記アームと前記制輪子受けとは、前記一対の支持アーム部と前記一対のリブとを連通する支持ピンにより連結され、前記一対のリブと前記一対の受け部材との間には、前記摩擦機構の前記摩擦板がそれぞれ配置されているので、上下一対の支持アーム部の各々について制輪子受けとの間で摩擦力が働くことになり、制輪子受けがアームの振動の影響をより受けにくくなる。これにより、より効果的に制輪子受けが振動することを抑制することができる。
また、本発明に係るディスクブレーキ装置によれば、前記一対のリブには、前記一対の制輪子受けの前記パッドが前記ディスクを挟む際に前記制輪子受けの回転に対して前記支持ピンが干渉しないように移動するための切欠きが設けられているので、一対の制輪子がディスクを挟んだ際に切欠きによって支持ピンが移動することにより、制輪子受けのパッドの表面をディスクに対して常に一定の距離を開けた状態で平行に保持することができる。これにより、制輪子受けのパッドが磨耗した状態でも、制輪子受けのパッドの表面がディスクに対して平行な状態で接触することになり、ブレーキ精度の低下を防止することができる。
また、本発明に係るディスクブレーキ装置によれば、前記切欠きは、前記制輪子受けの前記回動軸を中心として前記支持ピンが移動する軌道に沿って形成された円弧状の切欠き部であるので、一対のリブに支持ピンの軌道に沿った最小限の加工を行うだけでよく、切欠き全体の構成のコンパクト化を図ることができる。
また、本発明に係るディスクブレーキ装置によれば、前記摩擦機構が、前記制輪子受けの前記回動軸に対して前記駆動機構側に配置されているので、内周締結型のディスクに対応させるために、制輪子受けをディスクのボルトと干渉しないように切欠いて形成した場合でも、摩擦機構により制輪子受けの振動を抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係るディスクブレーキ装置を側面から見た図である。 本発明の第1実施形態に係るディスクブレーキ装置を上方から見た図である。 図1のA−A線断面図である。 図3のB−B線断面図である。 本発明の第2実施形態に係るディスクブレーキ装置を側面から見た図である。 本発明の第2実施形態に係るディスクブレーキ装置を上方から見た図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係るディスクブレーキ装置を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るディスクブレーキ装置1を側面から見た図であり、図2は、本発明の第1実施形態に係るディスクブレーキ装置1を上方から見た図である。また、図3は、図1のA−A線断面図であり、図4は、図3のB−B線断面図である。
図1に示すように、本実施形態のディスクブレーキ装置1は、ディスク2の回転を制動するものである。ディスク2は、内周締結型のディスクであり、ディスク2は、ディスク2の内周の位置でボルト2aにより車輪(図示せず)と締結されている。
図1及び図2に示すように、ディスクブレーキ装置1は、車輪とともに回転するディスク2を挟むように対向して配置された一対のホルダ3a,3b(制輪子受け)と、ホルダ3a,3bが一端に取付けられた一対のアーム4a,4bと、アーム4a,4bの他端が連結されたシリンダ機構5(駆動機構)とを備えている。
図1に示すように、各ホルダ3a,3bは、ディスク2の内周に対応する端部6a,6bが円弧状に切欠いて形成されており、各ホルダ3a,3bの端部6a,6bが、ディスク2のボルト2aと干渉しないようになっている。
また、図2に示すように、各ホルダ3a,3bの内側表面(ディスク2側の表面)7a,7bには、パッド(制輪子)8a,8bがそれぞれ設けられている。一方、各ホルダ3a,3bの外側表面(ディスク2と反対側の表面)9a,9bには、一対の突出部10a,10bが設けられている。この突出部10a,10bは、平面視で三角形状に形成されており、回動軸11a,11bを挿通するための軸穴(図示せず)を有している。
図1及び図2に示すように、各アーム4a,4bは、ホルダ3a,3bとシリンダ機構5との間に延在する上下一対の支持アーム部12a,12bから構成されている。
また、各支持アーム部12a,12bのホルダ側端部13a,13bは、各ホルダ3a,3bの一対の突出部10a,10bの間に延在しており、回動軸11a,11bを挿通するための挿通穴(図示せず)を有している。そして、各支持アーム部12a,12bのホルダ側端部13a,13bと各ホルダ3a,3bの突出部10a,10bとは、突出部10a,10bの軸穴とホルダ側端部13a,13bの挿通穴とに回動軸11a,11bを挿通することにより連結されている。
一方、各支持アーム部12a,12bのシリンダ機構側端部14a,14bは、シリンダ機構5の伸縮部(図示せず)の両端5a,5bにボルト16a,16bを介してそれぞれ連結されており、シリンダ機構5の伸縮部が伸びると、シリンダ機構側端部14a,14bが、互いに離れる方向に押し出されるようになっている。
各支持アーム部12a,12bは、ホルダ側端部13a,13bとシリンダ機構側端部14a,14bとの間の略中間の位置に車両の枠体(図示せず)に連結された支点軸15a,15bを有している。これにより、支持アーム部12a,12bのシリンダ機構側端部14a,14bが互いに離れる方向に押し出されると、支持アーム部12a,12bが支点軸15a,15bを中心に回動し、支持アーム部12a,12bのホルダ側端部13a,13bがディスク2側に押し出されるようになっている。
本実施形態では、図1及び図3に示すように、各ホルダ3a,3bの外側表面9a,9bには、回動軸11a,11bに対してシリンダ機構5側の位置において一対のリブ17a,17bが設けられている。この一対のリブ17a,17bは、一対の支持アーム部12a,12bの間に配置されている。
また、図3に示すように、一対のリブ17a,17bの間には、摩擦機構18a,18bが設けられおり、一対の支持アーム部12a,12bと一対のリブ17a,17bとは、摩擦機構18a,18bを介して連結されている。以下では、図4を用いて摩擦機構18aについて説明する。
図4に示すように、摩擦機構18aは、一対のリブ17aとの間に配置された一対の受け部材19aと、一対の受け部材19aの間で保持されるように配置された付勢部材20aと、一対のリブ17aと一対の受け部材19aとの間にそれぞれ配置された2枚の摩擦板21aとから構成されている。そして、一対の支持アーム部12aと一対のリブ17aと一対の受け部材19aと摩擦板21aとは、支持ピン22aをそれぞれに挿通することによりに連結されている。
一対の受け部材19aは、カップ形状でそれぞれ形成されており、一対の受け部材19aは、受け部材19aの開口側を互いに対向させることにより内部で付勢部材20aを保持している。
また、付勢部材20aは、支持ピン22aの周囲を囲うように配置されており、各受け部材19aを一対のリブ17aに向かって付勢するようになっている。これにより、各摩擦板21aが一対のリブ17aのそれぞれに押付けられることになり、各受け部材19aと各リブ17aとの間に摩擦が生じるようになっている。
なお、本実施形態では、一対の支持アーム部12aが振動した際に各受け部材19aと各リブ17aとの間にかかる力が、最大静止摩擦力を超えないように設定されている。すなわち、一対の支持アーム部12aが振動した際には摩擦力によりホルダ3aが動かず、ホルダ3aの振動が抑制されることになる。
一方、一対のホルダ3a,3bがディスク2を挟む際に各受け部材19aと各リブ17aとの間にかかる力は、最大静止摩擦力を超えるように設定されている。すなわち、一対のホルダ3a,3bがディスク2を挟む際には支持アーム部12aに対してホルダ3aが回動軸11aを中心に回転するようになっている。
上述では、図4を用いて摩擦機構18aについてのみ説明したが、摩擦機構18bも同様の構成である。摩擦機構18bの構成要素については、図3において摩擦機構18aと同様の符号を付して説明を省略する。
また、本実施形態では、図2に示すように、各リブ17a,17bには、ホルダ3a,3bの回動軸11a,11bを中心として支持ピン22a,22bが移動する軌道に沿って円弧状の切欠き部23a,23bが設けられている。これにより、各ホルダ3a,3bのパッド8a,8bがディスク2を挟むと、各支持ピン22a,22bは、各ホルダ3a,3bが回転する際に干渉しないように切欠き部23a,23bに沿って移動するようになっている。
このように、本実施形態に係るディスクブレーキ装置1によれば、ホルダ3a,3bの外側表面9a,9bには、回動軸11a,11bに対してシリンダ機構5側の位置において一対のリブ17a,17bが設けられ、一対のリブ17a,17bの間には、摩擦機構18a,18bが設けられ、摩擦機構18a,18bは、一対のリブ17a,17bとの間に配置された一対の受け部材19a,19bと、一対の受け部材19a,19bの間で保持されるように配置された付勢部材20aと、一対のリブ17a,17bと一対の受け部材19a,19bとの間にそれぞれ配置された一対の摩擦板21a,21bとを備え、一対のリブ17a,17bと一対の受け部材19a,19bと一対の摩擦板21a,21bと一対の支持アーム部12a,12bとが、支持ピン22a,22bをそれぞれに挿通することにより連結されているので、車両の運転中にアーム4a,4bが振動した場合でも、一対のリブ17a,17bと一対の受け部材19a,19bとの間に摩擦力が働くことによりホルダ3a,3bがアーム4a,4bの振動の影響を受けにくくなり、その結果、ホルダ3a,3bが振動することを抑制することができる。
また、摩擦機構18a,18bが、一対の受け部材19a,19bと付勢部材20aと摩擦板21a,21bとからなる簡易な構成であるので、従来のダンパを設けるような構成に比べて、部品点数が少なく且つ摩擦機構18a,18b自体の設置スペースも小さくすることができる。
また、摩擦機構18a,18bは、一対のリブ17a,17bとの間に配置された一対の受け部材19a,19bと、一対の受け部材19a,19bの間で保持されるように配置された付勢部材20aと、一対のリブ17a,17bと一対の受け部材19a,19bとの間にそれぞれ配置された一対の摩擦板21a,21bとを備えているので、付勢部材20aにより摩擦板21aが常にホルダ3a側に押付けられることなり、一対のリブ17a,17bと一対の受け部材19a,19bとの間に確実に摩擦を発生させることができる。
また、本実施形態に係るディスクブレーキ装置1によれば、各リブ17a,17bには、ホルダ3a,3bの回動軸11a,11bを中心として支持ピン22a,22bが移動する軌道に沿って円弧状の切欠き部23a,23bが設けられているので、一対のホルダ3a,3bがディスク2を挟んだ際に切欠き部23a,23bによって支持ピン22a,22bが移動することにより、ホルダ3a,3bのパッド8a,8bの表面をディスク2に対して常に一定の距離を開けた状態で平行に保持することができる。これにより、ホルダ3a,3bのパッド8a,8bが磨耗した状態でも、ホルダ3a,3bのパッド8a,8bの表面がディスクに対して平行な状態で接触することになり、ブレーキ精度の低下を防止することができる。
また、切欠き部23a,23bを加工する際は、各リブ17a,17bに支持ピン22a,22bの軌道に沿った最小限の加工を行うだけでよく、切欠き全体の構成のコンパクト化を図ることができる。
また、本実施形態に係るディスクブレーキ装置1によれば、摩擦機構18a,18bが、各ホルダ3a,3bの回動軸11a,11bに対してシリンダ機構5側に配置されているので、内周締結型のディスク2に対応させるために、各ホルダ3a,3bの端部6a,6bをディスク2のボルト2aと干渉しないように切欠いて形成した場合でも、摩擦機構18a,18bによりホルダ3a,3bの振動を抑制することができる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態に係るディスクブレーキ装置を、図面を参照しながら説明する。
図5は、本発明の第2実施形態に係るディスクブレーキ装置1を側面から見た図であり、図6は、本発明の第2実施形態に係るディスクブレーキ装置1を上方から見た図である。ここで、第1実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付し、説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態のディスクブレーキ装置1においては、第1実施形態と異なり、ディスク2が、ディスク2の内周以外の位置で車輪とボルト(図示せず)により締結されている。そのため、各ホルダ3a,3bは、矩形形状で形成されている。
また、図6に示すように、各支持アーム部12a,12bのホルダ側端部13a,13bは、回動軸11a,11bに対してシリンダ機構5と反対方向に延びる延長部30a,30bを備えている。
以下では、図6を用いてホルダ3a側の構成について説明する。
図6に示すように、ホルダ3aの外側表面9aには、回動軸11aに対してシリンダ機構5と反対側の位置において一対のリブ31aが設けられている。これら一対のリブ31aは、一対の支持アーム部12aの延長部30a,30bの間に配置されている。
本実施形態では、一対のリブ31aの間には摩擦機構18aが設けられており、一対の支持アーム部12aの延長部30aと一対のリブ31aとは、摩擦機構18aを介して連結されている。詳しくは、一対の支持アーム部12aの延長部30aと一対のリブ31aと一対の受け部材19aと摩擦板21aとは、支持ピン22aをそれぞれに挿通することによりに連結されている。
付勢部材20aは、支持ピン22aの周囲を囲うように配置されており、各受け部材19aを一対のリブ31aのそれぞれに向かって付勢するようになっている。これにより、各摩擦板21aが一対のリブ31aのそれぞれに押付けられることになり、各受け部材19aと各リブ31aとの間に摩擦が生じるようになっている。
上述では、図6を用いてホルダ3a側の構成についてのみ説明したが、ホルダ3b側も同様の構成である。
また、図6に示すように、本実施形態では、各支持アーム部12a,12bの延長部30a,30bには、ホルダ3a,3bの回動軸11a,11bを中心として支持ピン22a,22bが移動する軌道に沿って円弧状の切欠き部32a,32bが設けられている。ここで、図6に示すように、本実施形態の切欠き部32a,32bは、第1実施形態の切欠き部23a,23bとは円弧の向きが逆になっている。これにより、各ホルダ3a,3bのパッド8a,8bがディスク2を挟むと、各支持ピン22a,22bは、各ホルダ3a,3bが回転する際に干渉しないように切欠き部32a,32bに沿って移動するようになっている。
このように、本実施形態に係るディスクブレーキ装置1によれば、支持アーム部12aのホルダ側端部13aは、回動軸11aに対してシリンダ機構5と反対方向に延びる延長部30aを備え、ホルダ3aの外側表面9aには、回動軸11aに対してシリンダ機構5と反対側の位置において一対のリブ31aが設けられ、一対のリブ31aの間に摩擦機構18aが設けられ、一対のリブ31aと一対の受け部材19aと一対の摩擦板21aと一対の支持アーム部12aの延長部30aとが、支持ピン22aをそれぞれに挿通することにより連結されているので、車両の運転中にアーム4aが振動した場合でも、一対のリブ31aと一対の受け部材19aとの間に摩擦力が働くことによりホルダ3aがアーム4aの振動の影響を受けにくくなり、その結果、ホルダ3aが振動することを抑制することができる。
また、摩擦機構18a,18bが、一対の受け部材19a,19bと付勢部材20aと摩擦板21a,21bとからなる簡易な構成であるので、従来のダンパを設けるような構成に比べて、部品点数が少なく且つ摩擦機構18a,18b自体の設置スペースも小さくすることができる。
また、本実施形態に係るディスクブレーキ装置1によれば、支持アーム部12a,12bの延長部30a,30bには、ホルダ3a,3bの回動軸11a,11bを中心として支持ピン22a,22bが移動する軌道に沿って円弧状の切欠き部32a,32bが設けられているので、一対のホルダ3a,3bがディスク2を挟んだ際に切欠き部32a,32bによって支持ピン22a,22bが移動することにより、ホルダ3a,3bのパッド8a,8bの表面をディスク2に対して常に一定の距離を開けた状態で平行に保持することができる。これにより、ホルダ3a,3bのパッド8a,8bが磨耗した状態でも、ホルダ3a,3bのパッド8a,8bの表面がディスクに対して平行な状態で接触することになり、ブレーキ精度の低下を防止することができる。
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものでなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
上述の第2実施形態では、各支持アーム部12a,12bの延長部30a,30bに切欠き部32a,32bを設けているが、第1実施形態と同様に、切欠き部32a,32bを各リブ31aに設けるようにしてもよい。
1 ディスクブレーキ装置
2 ディスク
2a ディスクのボルト
3a,3b ホルダ
4a,4b アーム
5 シリンダ機構
5a,5b シリンダ機構の端部
6a,6b ホルダの端部
7a,7b ホルダの内側表面
8a,8b パッド
9a,9b ホルダの外側表面
10a,10b 突出部
11a,11b 回動軸
12a,12b 支持アーム部
13a,13b 支持アーム部のホルダ側端部
14a,14b 支持アーム部のシリンダ機構側端部
15a,15b 支点軸
16a,16b ボルト
17a,17b,31a リブ
18a,18b 摩擦機構
19a,19b 受け部材
20a 付勢部材
21a,21b 摩擦板
22a,22b 支持ピン
23a,23b,32a,32b 切欠き部
30a,30b 支持アーム部の延長部

Claims (5)

  1. 車輪と一体に回転するディスクを挟むように対向して配置されるとともに前記ディスク側にパッドが配設された一対の制輪子受けと、該一対の制輪子受けが回動軸を介して取付けられた一対のアームと、該一対のアームに連結されるとともに前記一対の制輪子受けを前記一対のアームを介して前記ディスク側へ押し出すように構成された駆動機構とを備えているディスクブレーキ装置において、
    前記制輪子受けと前記アームとの間には、前記制輪子受けの動きを規制するように構成された摩擦機構が設けられ、該摩擦機構は、前記制輪子受けと前記アームとの間に配置された摩擦板と、該摩擦板を前記制輪子受け側へ向かって付勢する付勢手段とを備えていることを特徴とするディスクブレーキ装置。
  2. 前記アームは、上下方向に対向して配置された一対の支持アーム部を備え、前記制輪子受けは、前記一対の支持アーム部の間に延出した一対のリブを備え、前記摩擦機構の前記付勢手段は、前記一対のリブの間に配置された付勢部材と、該付勢部材と前記一対のリブとの間に配置されるとともに前記付勢部材を上下方向で保持する一対の受け部材とを備え、前記アームと前記制輪子受けとは、前記一対の支持アーム部と前記一対のリブとを連通する支持ピンにより連結され、前記一対のリブと前記一対の受け部材との間には、前記摩擦機構の前記摩擦板がそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項に記載のディスクブレーキ装置。
  3. 前記一対のリブには、前記一対の制輪子受けの前記パッドが前記ディスクを挟む際に前記制輪子受けの回転に対して前記支持ピンが干渉しないように移動するための切欠きが設けられていることを特徴とする請求項に記載のディスクブレーキ装置。
  4. 前記切欠きは、前記制輪子受けの前記回動軸を中心として前記支持ピンが移動する軌道に沿って形成された円弧状の切欠き部であることを特徴とする請求項に記載のディスクブレーキ装置。
  5. 前記摩擦機構が、前記制輪子受けの前記回動軸に対して前記駆動機構側に配置されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか一項に記載のディスクブレーキ装置。
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