JP6000004B2 - 板状触媒及び板状触媒の製造方法 - Google Patents

板状触媒及び板状触媒の製造方法 Download PDF

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本発明は、板状触媒及び板状触媒の製造方法に関する。
従来より、酸化チタンを主成分とする脱硝触媒は、活性が高く耐久性に優れていることから、ボイラなどの排煙処理に広く用いられている。
一方、米国東部炭などの高S含有炭を焚くボイラ排ガスの脱硝では、SOの酸化率が高くなると、後流にある空気予熱器への酸性硫安の析出量が増大して圧力損失の上昇を招いたり、煙突からSOとして排出され、紫煙や、二次公害の原因になるため、近年、特に低いSO酸化率を有する脱硝触媒へのニーズが高まっている。他方、米国やヨーロッパでは、発電所などから排出されるSOxやNOxとともに、水銀(Hg)、鉛(Pb)、フッ素(F)などの各種微量成分の排出規制が強化されつつある。
特許文献1には、水銀の排出量を低減する試みとして、脱硝触媒を用いて排ガス中のNOxをNHで還元するとともに、揮発性の高い金属水銀を塩化水銀などの酸化形態に酸化し、後流にある電気集塵機や脱硫装置などで酸化形態となった水銀酸化物を燃焼灰や石膏とともに回収する技術が開示されている。この方法には、脱硝触媒として、酸化チタンにバナジウム(V)やタングステン(W)などの酸化物を活性成分として添加したものが使用される。
しかしながら、この種の触媒成分をハニカムや板状に成形した無垢の触媒は、触媒成分の使用量が多いことから高い脱硝率を得ることができるが、その分、SO酸化率も高くなる。また、実用的な強度を維持するためには、触媒成分の使用量を所定量以下に低減することが容易ではない。
これに対し、特許文献2では、所定の形状に成形された触媒基材成形体の表面部に脱硝率の高い、高濃度のバナジウム含有の脱硝触媒成分(以下、高バナジウム触媒層と称す。)を担持させた触媒構造が開示されている。この触媒構造によれば、高バナジウム触媒層の触媒使用量を少なくして高い脱硝率が得られるとともに、SO酸化率を低く抑えることができる。
特開2005−125211号公報 特開2007−14960号公報
しかしながら、特許文献2の触媒構造によれば、高バナジウム触媒層の担持量を所定量以上に増やすと、触媒基材成形体から高バナジウム触媒層が剥離しやすくなる。すなわち、触媒基材成形体に担持できる高バナジウム触媒層の量には限界があり、それに伴って所定以上の高い脱硝率を得ることが困難となる。
また、この種の触媒が排ガス中に長く曝されると、排ガスに同伴するダストが高バナジウム触媒層の触媒成分と接触することによって、高バナジウム触媒層が剥離、消失するため、初期の触媒性能を維持できなくなる。
本発明の課題は、触媒表面に担持する触媒層の剥離を抑制して、初期の触媒活性を維持することにある。
上記課題を解決するため、本発明の板状触媒は、基材と、この基材上に形成される触媒層と、基材と触媒層との間に形成される中間層とを有し、この中間層は、酸化チタン、シリカ、珪藻土、石膏のうち少なくとも一つを含むとともに、基材と反対側の表面に複数の溝が形成され、触媒層は、酸化チタンと、モリブデン、タングステン、バナジウムのうち少なくとも1つの元素の酸化物とを含み、中間層の基材と反対側の表面及び溝に担持されてなることを特徴とする。
このように基材と触媒層の間に中間層を形成し、この中間層の表面に溝を設けることにより、溝がいわばアンカーのような役割を果たして触媒層と中間層との密着性を高めることができる。したがって、触媒層は、排ガス中で長く曝されたとしても、中間層から剥離することなく、初期の触媒活性を維持することができる。
また、本発明によれば、中間層の溝内に触媒層が食い込む形で担持されるから、溝がない面に含浸や転着などによって触媒成分を担持する場合と比べて、触媒成分の担持量を増やすことができる。したがって、溝がない面に触媒成分を担持する場合と比べて、高い触媒活性(脱硝活性)を得ることができる。
この場合において、中間層は、無機繊維を含んでなるものとする。
これによれば、中間層の強度を高めることができるから、溝の形状を長く保持することができ、結果として触媒層の保持力を高めることができる。
また、上記課題を解決するため、帯状に形成された基材上に酸化チタンを含有する触媒成分を塗布する板状触媒の製造方法において、基材と、触媒成分の担体となる酸化物に水を加えて得られるペーストとを一対の加圧ローラ間に供給して基材の表面に酸化物を含む中間層を形成し、この中間層の基材と反対側の面に複数の溝を形成する第1の工程と、中間層の基材と反対側の面及び溝に、触媒成分を付着させて触媒層を形成する第2の工程とを含んでなることを特徴とする。
すなわち、基材と触媒層は、乾燥や焼成時の収縮率の差が大きく異なるから、例えば、基材の表面に触媒層を直接載せて乾燥や焼成を行うと、触媒層が剥離するおそれがあるが、本発明の場合、中間層と触媒層は、乾燥や焼成時の収縮率が非常に近いため、乾燥や焼成時において、触媒層が中間層から剥離するのを抑制することができる。したがって、本発明の製造方法によれば、生産効率を高めることができる。
この場合において、第1の工程は、2枚のメッシュクロス間に基材とペーストとを介在させて、この2枚のメッシュクロスを一対の加圧ローラ間に供給し、基材の表面に形成される中間層にメッシュクロスを押し付けるものとする。
これによれば、加圧ローラの回転に合わせて中間層の表面にメッシュクロスの模様を転写することができるため、互いに交差するような複雑な溝の模様を容易に形成することができる。
また、これに代えて、第1の工程は、表面に凸部を有する一対のローラ間に基材とペーストとを供給し、基材の表面に形成される中間層に凸部を押し付けるようにしてもよい。
これによれば、メッシュクロスを用いなくても中間層の表面に複雑な溝の模様を容易に形成することができるため、設備を簡単化することができ、設備費用を抑えることができる。
また、これらの方法のように複雑な溝の模様を形成することはできないが、例えば、一対のローラ間を通過して形成された中間層の移動面に、複数の突起を連続的に押し付けるようにしてもよい。これによれば、簡単な構成で、溝を形成することができ、しかも、突起の交換作業を容易に行うことができる。
本発明によれば、触媒表面に担持する触媒層の剥離を抑制して、初期の触媒活性を維持することができる。
本発明に係る板状触媒の製造方法の一例を示すフロー図である。 本発明に係る板状触媒の中間層を形成する製造工程の実施の形態を示す斜視図である。 本発明に係る板状触媒の断面図である。 本発明に係る板状触媒の中間層を形成する製造工程の他の実施の形態を示す斜視図である。 本発明に係る板状触媒の中間層を形成する製造工程の他の実施の形態を示す斜視図である。
以下、本発明を適用してなる板状触媒の製造方法の実施の形態について図面を参照して具体的に説明する。
本実施の形態の板状触媒の製造方法は、帯状の基材の表面(裏表の両面)に後述する酸化物を含む中間層を形成し、中間層の表面(基材1と反対側の面)に溝を形成する第1の工程と、中間層の基材の表面及び溝に触媒成分を付着させて触媒層を形成する第2の工程を含むことを特徴としている。
具体的に、本実施の形態の板状触媒は、図1の基本フローに従って連続的に製造される。帯状の基材1(メタルラス基材)は、ロール3に巻き付けられた状態で製造ラインに供給され、ロール3から巻き出された基材1に、中間層、触媒層が順次形成される。
まず、第1の工程では、基材1が、別に調整された酸化物を含有するペースト5とともに、一対の加圧ローラ7間に供給される。加圧ローラ7間を通過した基材1の表面には、基材1の編み目と表面を埋めるように、ペースト5が圧着されて酸化物を含む中間層が担持される。
ここで重要なことは、基材1とペースト5は、2枚のメッシュクロス9間に挟まれた状態で、加圧ローラ7間に供給されることにある。図2に示すように、ペースト5は、基材1とメッシュクロス9との間に介在する状態で、一対の加圧ローラ7間を通過する。その結果、ペースト5が、基材1の表面に圧着されて中間層11が形成(成形)され、その中間層11の基材と反対側の面にメッシュクロス9の編み目の模様が転写され、多数の溝が形成される。このように、メッシュクロス9を用いることにより、中間層11には、互いに交差するような複雑な溝を簡単に形成することができる。
メッシュクロス9は、無端の帯状に形成されることが好ましいが、一対の加圧ローラ7の回転に応じてローラ7間に連続的に供給できるものであれば、どのような形状、供給方法であっても構わない。メッシュクロス9の材質は、特に限定されないが、酸に強く、連続使用に耐えうる強度(耐久性)を有していることが好ましく、例えば、テフロン(登録商標)、ステンレス、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの材質から選択することができる。メッシュクロス9の目開きや糸径、平織や綾織などの織り方については、中間層11に担持される触媒層の担持量などによって決定することができ、特に限定されないが、糸径は、20μm以上2000μm以下、より好ましくは50μm以上1000μm以下の範囲であれば、耐久性の高い板状触媒を得ることができる。
続いて、第2の工程では、図1に示すように、中間層11が形成された基材1を、触媒成分を含むスラリ13中に連続的に浸漬させることで、中間層11の外側に触媒成分を含む触媒層(後述)が担持される。なお、本実施の形態では、第2の工程として、スラリ13中に基板1を浸漬する方法(ウォッシュコート法)を説明するが、これに限られず、例えば、スラリ13を一旦弾性を有するローラに付着させた後、ローラを中間層表面と接触させてスラリを転着する方法(特開2007−14960号公報)や、中間層とスラリ13を一対のコーティングローラ又はコーティングベルト間に供給することで、中間層の表面にスラリを圧着する方法(特開11−57495号公報)など、種々の方法を採用することができる。
こうして触媒層が担持された板状触媒は、プレス成形機15で積層した場合にスペーサとなる波型が付けられた後、切断機17で所定長さのエレメント19に切断される。続いてエレメント19が積層され、触媒ユニットとして組み付けられる。この触媒ユニットは、通気乾燥後、焼成炉で焼成することにより、ユニット状に組み付けられた板状触媒21が得られる。
なお、本実施の形態では、第2の工程を経て、触媒層が形成された板状触媒をユニット状に組み付けてから、乾燥、焼成を行う手順を説明したが、これに限られず、例えば、第1の工程を経て中間層11が形成された板状触媒をユニット状に組み付けた後、ユニットごとスラリ13中に浸漬させて、触媒層を形成した後、乾燥、焼成を行うようにしてもよい。
本実施の形態で中間層11を形成するペースト5は、酸化物に水を加えて調整される。酸化物には、通常、触媒成分の担体として用いられるものであれば、どのようなものでもよいが、中間層の表面に形成される触媒層の触媒成分が、次第に中間層に移動するのを抑制するため、例えば、表面積が小さい不活性な酸化チタン、シリカ、珪藻土、石膏のうち、少なくとも一つを含ませることが好ましい。また、酸化物としては、例えば、タングステン、モリブデン、バナジウムなどが担持された酸化チタン(いわゆる脱硝触媒)を用いれば、中間層11自体に脱硝活性や水銀酸化活性を持たせることができる。さらに、ペースト5中には、これらの酸化物の他、シリカゾルなどのバインダ、無機繊維などの強化部材(成形助剤)を添加することもできる。
また、本実施の形態で触媒層を形成するスラリ13は、触媒成分に水を加えて調整される。触媒成分には、通常の脱硝触媒原料となる酸化チタン或いはその前駆体と、モリブデン、タングステン、バナジウムのうち少なくとも1つの元素の酸化物(例えば可溶性塩類)とを含むことが好ましい。特に、バナジウム酸化物の含有量を高めることで、高い脱硝率を得ることができる。また、触媒層の強度を増すためには、シリカゾルなどのバインダ成分を添加することが好ましい。
次に、このようにして製造された板状触媒21の断面構成を図3に示す。本実施の形態の板状触媒21は、基材1と、中間層11と、触媒層23から構成される。中間層11は、基材1の表面に担持され、基材1と反対側の面には複数の溝25が形成される。触媒層23は、中間層11の基材と反対側の面及び溝25に担持される。
本実施の形態の板状触媒21は、中間層11の触媒層23を担持する面に複数の溝25を設けているため、触媒層23を中間層11の溝内に担持することができ、触媒層23と中間層11の密着性を高めることができる。したがって、板状触媒21を排ガス中で長期間使用する場合でも、ダストが衝突することによる触媒層23の剥離を抑制することができ、初期の触媒活性を長く維持することができる。溝25の形状は、溝25同士が交差していることが好ましいが、これに限定されるものではなく、例えば、格子状、鹿の子状、互いに平行な線状に形成することができる。
また、板状触媒21は、触媒層23の触媒成分を中間層11の溝25内に担持することができるから、溝25を有しない平らな面(多孔質の面を含む)に含浸や転着などによって触媒成分を担持する場合と比べて、板状触媒23自体の厚みの増加分を少なくして、触媒成分の担持量を増やすことができる。したがって、溝25がない場合と比べて、触媒活性(脱硝活性)を向上させることができ、触媒成分を適宜選択することにより、高脱硝率と低SO酸化率との両立も可能である。
また、中間層11と触媒層23は、乾燥及び焼成時の収縮率が非常に近いため、乾燥及び焼成時において、両者の密着度を高めることができ、触媒層23が中間層11から剥離するのを抑制することができる。
以下、本発明を適用してなる板状触媒の製造方法において、第1の工程の他の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下に示す実施の形態は、基本的には上述した実施の形態と同様である。したがって以下では、各実施の形態の特徴的な構成についてだけ説明し、上述した実施の形態と共通する構成については説明を省略する。
図4に示すように、本実施の形態では、第1の工程において、メッシュクロス9に代えて、表面に凸部27を有する加圧ローラ29を用いている点で、図2の実施の形態と構成が相違する。本実施の形態では、表面に凸部27を有する一対の加圧ローラ29間に、基材1とペースト5を供給して基材1の表面に中間層11を形成し、これとともに中間層11の表面に凸部27を押し付けて、溝25を形成するものである。
本実施の形態によれば、メッシュクロス9を用いることなく、中間層11に複雑な溝25の模様を形成することができる。しかも、メッシュクロス9や、その供給設備が不要になるため、設備をコンパクト化することができ、設備費用の低減化を図ることができる。
また、第1の工程は、図2や図4の構成に代えて、図5に示す構成を採用することもできる。本実施の形態では、図2と同じ一対のローラ7を用いているが、メッシュクロス9に代えて、複数の爪を備えたブラシ31を用いる点で、図2の実施の形態と構成が相違する。本実施の形態では、一対の加圧ローラ7間に基材1とペースト5を供給して基材1の表面に中間層11を形成し、一対の加圧ローラ7間を出て移動する中間層11の移動面に、ブラシ31の爪を連続的に押し付けて溝25を形成するものである。
本実施の形態では、図2や図4の実施の形態のように、互いに交差するような溝25を形成することはできないが、図4の場合と同様、メッシュクロス9やその供給設備などが不要となるため、設備費用の低減化を図ることができる。また、ブラシ31の爪が摩耗したときなど、ブラシ31の交換作業が容易になるから、作業性の向上を図ることができる。
次に、本発明について、具体例を用いて詳細に説明する。
[実施例1]
酸化チタン(石原産業製、比表面積100m/g)1200kg、シリカゾル(日産化学製、OSゾル、SiOとして20wt%含有)120kg、水をニーダに入れて60分混練した後、シリカアルミナ系セラミックス繊維(ニチアス製)180kgを徐々に添加しながら30分間混練して水分30%のペースト5を得た。
得られたぺースト5を、厚さ0.2mmのSUS430製鋼板をメタルラス加工した厚さ0.7mmの基材1の上に置き、これらを2枚のテフロン(登録商標)製メッシュクロス9(平織り、目開き1000μm、糸径400μm)間に挟んで、1対の加圧ローラ7間に通し、メタルラス基材の網目を埋めるように塗布して中間層11を形成した。
これとは別に、酸化チタン粉末20kg、モリブデン酸アンモニウム((NH・Mo24・4HO)2.5kg、メタバナジン酸アンモニウム2.33kgに水を加えて混練したものを、直径3mmの柱状に造粒後、流動層乾燥器で乾燥、500℃で2時間焼成し、続いてハンマーミルで粉砕して1μm以下の粒子が50%以上含まれる触媒粉末を得た。得られた触媒成分粉末50gを、水:コロイダルシリカ(日産化学製OSゾル)が1:2の水溶液100gと混合して高V含有触媒成分のスラリ13を得た。このスラリ13中の触媒組成は、原子比で、Ti/Mo/V=88/5/7である。
上記の中間層を形成した直後の未だ中間層11が湿っているうちに、中間層11をスラリ13中に含浸させて、液切りし、中間層11の表面に薄い触媒層23を形成した。その後、これを乾燥し、500℃で2時間焼成して板状触媒21を得た。このときの触媒層23の担持量は、約100g/m、厚みは、溝25を除いて約50μmであった。
[実施例2−4]
実施例1のペースト5中の酸化チタンを、シリカ(ヒューズレックス、比表面積16m/g、龍森)、珪藻土(ラジオライト♯1000)、無水石膏(比表面積24m/g、キシダ化学)にそれぞれ代えた以外は、実施例1と同様に板状触媒21を得た。このときの触媒層23の担持量は、いずれも約100g/m、厚みは、溝25を除いて約50μmであった。
[実施例5]
酸化チタン(石原産業製、比表面積100m/g)1200kg、三酸化モリブデン17.9kg、メタバナジン酸アンモニウム8.78kg、シリカゾル(日産化学製、OSゾル、SiOとして20wt%含有)122.5kg、水をニーダに入れて60分混練した後、シリカアルミナ系セラミックス繊維(ニチアス)183.7kgを徐々に添加しながら30分間混練して水分30%のペースト5を得た。
得られたぺースト5を、厚さ0.2mmのSUS430製鋼板をメタルラス加工した厚さ0.7mmの基材の上に置き、これらを2枚のテフロン(登録商標)製メッシュクロス(平織り、目開き1000μm、糸径400μm)間に挟んで、1対の加圧ローラ7を通して、メタルラス基材の網目を埋めるように塗布して中間層11を得た。この中間層11の組成は、原子比で、Ti/Mo/V=100/0.83/0.5である。
これとは別に、酸化チタン粉末20kg、モリブデン酸アンモニウム((NH・Mo24・4HO)2.5kg、メタバナジン酸アンモニウム2.33kgに水を加えて混練したものを直径3mmの柱状に造流後、流動層乾燥器で乾燥、500℃で2時間焼成し、続いてハンマーミルで粉砕して1μm以下の粒子が50%以上含まれる触媒粉末を得た。得られた触媒成分粉末50gを、水:コロイダルシリカ(日産化学製OSゾル)が1:2の水溶液100gと混合して高V含有触媒成分のスラリ13を得た。本スラリ13中の触媒組成は、原子比で、Ti/Mo/V=88/5/7である。
上記の中間層11を形成した直後の未だ中間層11が湿っているうちに、中間層11をスラリ13中に含浸後、液切りして、中間層11の表面に薄い触媒層23を形成した。その後、これを乾燥し、さらに500℃で2時間焼成して板状触媒21を得た。このときの触媒層23の担持量は、約100g/m、厚みは、溝25を除いて約50μmであった。
[比較例1]
実施例1において、2枚のテフロン(登録商標)製メッシュクロスを用いない以外は、実施例1と同様にして中間層を形成し、これに実施例1のスラリ13を実施例1と同様に担持した後、乾燥、焼成して触媒を得た。このときの触媒層23の担持量は、約60g/m、厚みは、約50μmであった。
[比較例2]
実施例1において、メッシュクロス9を用いないで中間層11を得た。
これとは別に、酸化チタン粉末20kg、モリブデン酸アンモニウム((NH・Mo24・4HO)2.5kg、メタバナジン酸アンモニウム2.33kgに水を加えて混練したものを直径3mmの柱状に造粒後、流動層乾燥器で乾燥し、500℃で2時間焼成し、続いてハンマーミルで粉砕して1μm以下の粒子が50%以上の含まれる触媒粉末を得た。得られた触媒成分粉末50gを、水:コロイダルシリカ(日産化学製OSゾル)が1:2の水溶液70gと混合して高V含有触媒成分のスラリ13を得た。本スラリ中の触媒組成は、原子比で、Ti/Mo/V=88/5/7である。
上記中間層11を形成した直後の未だ中間層11が湿っているうちに、中間層11をスラリ13中に含浸後、液切りして、中間層11の表面に触媒層23を形成した。しかし、その後の乾燥段階で、触媒層23がところどころ剥離した。触媒層23の担持量は、約150m/gであり、触媒層23が担持された部分の厚みは、約80μmであった。
[比較例3]
実施例5の中間層11に触媒層23を担持しないで、乾燥、500℃で2時間焼成して触媒を得た。
[実施例6]
実施例5のペースト5の原料である三酸化モリブデンを、当モルのメタタングステン酸アンモニウムに変えた以外は、実施例5と同様にして板状触媒21を得た。このときの中間層11の組成は、原子比で、Ti/W/V=100/0.83/0.5、触媒層23の担持量は、約100m/g、触媒層23が担持された部分の厚みは、溝25を除いて約50μmであった。
[実施例7]
実施例1のスラリ13の原料であるモリブデン酸アンモニウムを、当モルのメタタングステン酸アンモニウムに変えた以外は、実施例1と同様にして板状触媒21を得た。このときの触媒層23の組成は、原子比で、Ti/W/V=88/5/7、触媒層23の担持量は、約120m/g、触媒層23が担持された部分の厚みは、溝25を除いて約50μmであった。
[試験例]
実施例1−6及び比較例1−3で得られた触媒の性能を評価するため、10mm×100mmの短冊状のテストピースを切り出し、表1に示す条件で脱硝性能及びHg酸化性能を、表2に示す条件でSO酸化性能をそれぞれ測定した。また、実施例1−7及び比較例3、4の触媒の耐剥離性を評価するため、作成した100mm×100mm角のテストピースを高さ1mから鋼板上に10回落としたときの触媒の剥離量を測定した。試験により得られた結果を表3に示す。
表3に示すように、各実施例の触媒は、いずれも各比較例の触媒とほぼ同等のSO酸化率であるにもかかわらず、脱硝率及びHg酸化率が比較例1よりも高く、触媒剥離量が格段に少なくなっている。したがって、本実施例の板状触媒を用いれば、優れた触媒活性(脱硝活性)を発揮することができ、しかも、触媒活性を長く維持することができる。
Figure 0006000004
Figure 0006000004
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1 基材
3 ロール
5 ペースト
7,29 加圧ローラ
9 メッシュクロス
11 中間層
13 スラリ
15 プレス成形機
17 切断機
19 エレメント
21 板状触媒
23 触媒層
25 溝
27 凸部
31 ブラシ

Claims (5)

  1. 帯状に形成された基材上に酸化チタンを含有する触媒成分を塗布する板状触媒の製造方法において、
    前記基材と、前記触媒成分の担体となる酸化物に水を加えて得られるペーストとを一対の加圧ローラ間に供給して前記基材の表面に前記酸化物を含む中間層を形成し、この中間層の前記基材と反対側の面に複数の溝を形成する第1の工程と、前記中間層の前記基材と反対側の面及び前記溝に、前記触媒成分を付着させて触媒層を形成する第2の工程とを含むことを特徴とする板状触媒の製造方法。
  2. 前記第1の工程は、2枚のメッシュクロス間に前記基材と前記ペーストとを介在させて、この2枚のメッシュクロスを前記一対の加圧ローラ間に供給し、前記基材の表面に形成される前記中間層に前記メッシュクロスを押し付けることを特徴とする請求項に記載の板状触媒の製造方法。
  3. 前記第1の工程は、表面に凸部を有する前記一対のローラ間に前記基材と前記ペーストとを供給し、前記基材の表面に形成される前記中間層に前記凸部を押し付けることを特徴とする請求項に記載の板状触媒の製造方法。
  4. 前記第1の工程は、前記一対のローラ間を通過して形成された前記中間層の移動面に、複数の突起を連続的に押し付けることを特徴とする請求項に記載の板状触媒の製造方法。
  5. 前記酸化物は、酸化チタン、二酸化珪素のうち少なくとも一方を含んでなる請求項1乃至4のいずれかに記載の板状触媒の製造方法。
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