JPH1157495A - 多層構造触媒の製造方法および装置 - Google Patents

多層構造触媒の製造方法および装置

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JPH1157495A
JPH1157495A JP9219628A JP21962897A JPH1157495A JP H1157495 A JPH1157495 A JP H1157495A JP 9219628 A JP9219628 A JP 9219628A JP 21962897 A JP21962897 A JP 21962897A JP H1157495 A JPH1157495 A JP H1157495A
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catalyst
base
coating
slurry
coated
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JP9219628A
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English (en)
Inventor
Koichi Yokoyama
公一 横山
Naomi Yoshida
直美 吉田
Yasuyoshi Kato
泰良 加藤
Kazunori Ito
和典 伊藤
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 板状触媒の表面に異なる組成の被覆層を形成
する多層構造触媒の製造方法においては、被覆触媒層を
形成するスラリ中の触媒成分が母地触媒に浸透して性能
変化を生じたり、母地触媒からの成分が被覆用スラリ中
に拡散して被覆層厚が一定にならない等の問題があっ
た。 【解決手段】 一枚または二枚重ねた網状基板の網目内
または外面に予め触媒成分を担持した板状の母地触媒
を、被覆すべき触媒成分を水と混合した触媒原料と共
に、一組以上の回転式塗布ローラ間または同一方向に走
行する一組の塗布用ベルト間に供給し、ローラまたはベ
ルトにより母地触媒表面に被覆触媒層を形成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層構造触媒の製
造方法および装置に係り、特に母地となる触媒の表面に
異なった組成の触媒層を被覆した構造を持つ多層構造触
媒の製造方法および装置であって、高濃度の触媒成分を
母地触媒表面に被覆する多層構造触媒の製造方法および
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】触媒を多元機能化するため、触媒を多層
化する未公知の技術が開発されている(特願平8−30
807号公報、特願平8−159789号公報)。これ
は、例えば図4のように母地となる触媒1の表面に母地
とは異なった組成の触媒層8を形成することによって、
均一な組成を有する触媒とは異なった特性を持つ触媒を
得る技術である。このような構造の触媒を作製する技術
として、例えば図3に示すようなスラリコーティング用
ローラ6で母地となる触媒(塗布体)1に触媒スラリを
塗布する方法がある。図3において、4はスラリ5を噴
射するシャワー装置、6はスラリコーティングスポンジ
ローラ、7はスラリ溜まりである。この方法は容易な手
段で各々の特性を最良に調整できるという特徴を持つ優
れた方法である。しかも、ローラでスラリを触媒表面に
塗布する方法は、連続的に多層構造の触媒を製造できる
方法であるため量産性も良好であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記技術は、実際に運
用してみると、次のような問題点が明らかになってき
た。すなわち、(1)水溶性のバナジウム化合物を含む
コーティングスラリを母地となる触媒に塗ると、バナジ
ウム化合物は水溶液として内部に浸透し、脱硝触媒で
は、脱硝活性の低下とSO2 酸化率上昇を引き起こす。
また、CO酸化特性を有するPt、Si成分を加えた脱
硝触媒表面にCO酸化特性のない脱硝触媒をコーティン
グした多元機能触媒の場合、表面のコーティング触媒の
バナジウム化合物が母地の触媒に移動することによって
COの酸化活性は大きく低下する。このような場合、ス
ラリコーティング法では、現在、コーティングする触媒
原料の混合物を予備焼成することによって抑制している
が、バナジウム化合物は水に対して一定の溶解度を持っ
ているため、スラリを用いる以上、バナジウム化合物の
触媒内部への移動を止めるのは困難である。また、予備
焼成することによりコーティング用触媒粉末の製造コス
トが上昇するという問題もある。
【0004】また、(2)スラリの粘度によりコート層
の厚みおよび母地となる触媒への担持量は大きく変化す
るが、水分を一定に制御しても、母地の触媒から成分が
拡散してコーティング用スラリ中の各種塩類の経時的な
変化により粘度も変化するため、コート層の厚みおよび
担持量を一定に制御するのは困難である。(3)上記先
行技術は、図3に示すようにスラリの液溜まり7で母地
となる触媒1の表面にスラリを浸漬する方法であるた
め、母地触媒1の表面への担持量を制御する場合、触媒
スラリ5中の触媒濃度を一定以上に高めると触媒スラリ
5の担持量が急激に増加し、母地触媒1の表面への触媒
担持量の制御は困難である。また、触媒スラリ5の粘度
によって母地触媒1とスラリコーティング用ローラ6の
間の液膜が潤滑剤の役目をすることによってスラリコー
ティング用ローラ6が空転する現象も発生し、付着量の
制御は一層困難になっていた。
【0005】さらに、(4)コート層を薄くするため
に、予備焼成により触媒粉末を粗粒化し、スラリの流動
性を高める必要が生じるが、コーティング用触媒粉末の
混合、乾燥、焼成および粉砕の工程が新たに加わるため
上記(1)と同様に製造コストが上昇するという問題も
ある。以上のことから、多層構造の触媒製造法の課題
は、コーティングによって作られた触媒層の成分が母地
の触媒内部へ移動しないようにする点と、触媒の板厚や
母地となる触媒への担持量が触媒製造中における原料の
経時変化の影響を受けないようにする点にあることがわ
かった。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本願で特許請求する発明は以下とおりである。 (1)母地となる板状触媒の表面に母地とは異なる組成
の被覆触媒層を形成させる多層構造触媒の製造方法にお
いて、板状基材にあらかじめ触媒成分を塗布した板状触
媒を母地とし、その表面に被覆触媒層用触媒成分原料を
一組以上のコーティングローラまたは一組のコーティン
グベルトにより被覆して被覆触媒層を形成させることを
特徴とする多層構造触媒の製造方法。
【0007】(2)(1)において、前記母地となる板
状触媒および被覆触媒層用原料を一組以上の回転式コー
ティングローラまたは一組の同一方向走行コーティング
ベルト間に供給して前記板状触媒の表面に被覆触媒層を
形成することを特徴とする多層構造触媒の製造方法。 (3)母地となる板状触媒の表面に母地とは異なる組成
の被覆触媒層を形成させる多層構造触媒の製造方法にお
いて、板状基材にあらかじめ触媒成分を担持させた板状
触媒を母地とし、その表面に水分40重量%以下の触媒
成分原料を置き、一組以上のローラで圧延して被覆触媒
層を形成させることを特徴とする多層構造触媒の製造方
法。
【0008】(4)母地となる板状触媒の表面に母地と
は異なる組成の被覆触媒層を形成させる多層構造触媒の
製造方法において、網状金属基板や無機繊維網状基材を
一枚または二枚用いその網目内または外面にあらかじめ
触媒成分を塗布した板状触媒を母地とし、その表面に水
分40重量%以下の触媒成分ペースト塊を置き、これら
を一組以上の回転式コーティングローラ間に供給し、該
ローラで圧延して被覆触媒層を形成させることを特徴と
する多層構造触媒の製造方法。
【0009】(5)(1)、(2)、(3)または
(4)において、上記被覆触媒層用の触媒成分原料が酸
化チタンのほかに、モリブデン、タングステン、バナジ
ウムの塩類または対応する酸素酸のアンモニウム塩の一
種以上に水を加えて混練して得たペーストであることを
特徴とする脱硝用多層構造触媒の製造方法。 (6)(3)または(4)において、触媒成分原料また
は触媒成分ペースト塊を母地となる板状触媒表面に圧延
するローラが、表裏同時または片面づつ交互に前記触媒
成分原料またはペースト塊を圧延することを特徴とする
多層構造触媒の製造方法。
【0010】(7)母地となる板状触媒の表面に母地と
は異なる組成の被覆触媒層を形成させる多層構造触媒の
製造方法において、板状基材にあらかじめ触媒成分を担
持させた板状触媒を母地とし、触媒成分原料を載せたベ
ルトを母地触媒表面に押し付けることにより、前記母地
触媒表面に触媒成分原料を塗布することを特徴とする多
層構造触媒の製造方法。
【0011】(8)(7)において、前記ベルトに載せ
た触媒原料がスラリ状であり、該ベルト上に供給するス
ラリの量と母地触媒表面に塗布するスラリの量とがほぼ
等量となるように調整することを特徴とする多層構造触
媒の製造方法。 (9)母地となる板状触媒の表面に母地とは異なる組成
の被覆触媒層を形成させる触媒の製造装置において、板
状基材にあらかじめ触媒成分を担持させた板状触媒を母
地とする手段と、被覆用触媒スラリ供給源から所定量の
触媒スラリの供給を受けて前記母地となる板状触媒と接
触してこれに前記触媒スラリを転写するコーティング用
ベルト手段と、該ベルトを回転走行させて前記母地とな
る板状触媒と接触させるベルト駆動ローラ手段と、前記
スラリ供給源から所定量の触媒スラリを取り出してこれ
を前記コーティング用ベルト表面に供給して一定厚さの
スラリ液膜を形成させるスラリ供給手段とを備えたこと
を特徴とする多層構造触媒の製造装置。
【0012】
【発明の実施の形態】あらかじめ混練しておいた触媒原
料のペースト塊を母地となる触媒の表面に圧延塗布する
ことによって、多層構造の触媒を製造することで上記課
題は解決する。この際、母地となる触媒として、1枚ま
たは2枚の網状金属基板や無機網状基板を用い、その網
目内または外面に触媒成分を塗布した板状触媒を用い
る。触媒ペースト塊はあらかじめ酸化チタンおよびモリ
ブデン、タングステンまたはバナジウムの塩類または対
応する酸素酸のアンモニウム塩(例えばバナジウム酸ア
ンモニウム)に水を水分40重量%以下になるように加
えて混練したものでも良いし、上記触媒原料と予備焼成
した触媒粉末に水を水分40重量%以下になるように加
えて混練したものでも良い。
【0013】実施例を示す図1および2において、コー
ティング用のペースト塊3は、図2のように触媒1の片
面ずつまたは図1のように両面同時に圧延ペーストコー
ティング用ローラ2によって母地となる触媒1の表面に
コーティングされる。このペースト塊3が低水分濃度で
圧延に高い圧力が必要な場合は、片面ずつコーティング
する方がコーティングする触媒層の厚さ制御が容易であ
るが、どちらの方法で作成してもかまわない。また、特
に限定するわけではないが、触媒1表面に形成されるコ
ーティング層は50から100マイクロメータの厚みで
ある場合が効果的である。あまり厚い層を作ると、母地
の触媒の利用が困難になるため多層構造脱硝触媒の利点
が表れにくくなるためである。
【0014】先行技術では、図3に示すように、一旦、
スラリ溜まり7でコーティングの母地となる触媒1を触
媒スラリに含浸し、その後、コーティングの母地となる
触媒1に一定厚さ以上付着したスラリをスラリコーティ
ング用スポンジローラ6に付着させ拭き取る方法で触媒
担持量およびコーティング後の触媒の板厚を一定に制御
している。ところが、スラリ中の各種塩類の経時的な変
化によりスラリの粘度も変化するため、スラリの粘度が
変化するとスポンジローラ6で拭き取ることのできるス
ラリの量も変化し、その結果として、コーティング後の
板厚も変化する。また、予備焼成粉末を用いても、バナ
ジウム、モリブデンまたはタングステンの化合物は多少
は水溶性であるので水とともに触媒内部まで拡散する。
【0015】一方、本発明の方法では、水分40重量%
以下となるような条件であらかじめ混練しておいた触媒
ペースト塊を母地の触媒表面に圧延塗布する。ここで、
本発明のコーティング用ペーストは混練する際、すでに
ニーダ内で加圧状態を経由しているため、圧延工程にお
ける性状は安定しており水分離を起こして硬化すること
はない。そのため、従来法のように予備焼成した粉末を
用いてのスラリの流動性改善は不要であり、図1または
2の装置のペーストコーティングローラ2と母地の触媒
1との間隔を制御すれば、触媒層塗布後の板厚は自由に
制御できる。また、上述の圧延工程およびその後の工程
においても、ペーストは保形性があり水分離もしないた
め、コーティング用のペーストに水溶性の原料を用いて
も、コーティングの母地となる触媒への活性成分の拡散
は従来のスラリコーティングした場合よりも抑制され
る。
【0016】本実施例で用いた触媒コーティング装置
は、図2に示すようにコーティングの母地となる触媒1
表面にペーストコーティングローラ2により触媒ペース
ト3を片面ずつ圧延塗布する。片面ずつコーティングす
る方法は、塗布する際の表裏の圧力のバランスでゆがむ
可能性がある無機繊維基材を用いた母地となる触媒に対
して有効である。なお、ペーストコーティングローラ2
としてゴム製のやや硬質のローラを用いた。 実施例1 上記の実施例の効果を確認するため、シリカアルミナガ
ラス織布(繊維径は6μm、繊維束は厚さ0.4mm、繊
維束の間隔2mm)にシリカゾル10wt%、ポリビニルア
ルコール1wt%、チタニア50wt%となるように水分を
調整した混合液を含浸した後、150℃で乾燥し繊維を
強化した触媒基材に酸化チタン粉末(以下、チタニア粉
末、比表面積約100m2/g)に対して60重量%の水を
加え、30分間ニーダで混練を行なった後、原料の酸化
チタンに対して15重量%の割合でシリカアルミナ繊維
を同時に加え、さらに30分間混練を行なったペースト
を塗布したものを母地の触媒として用いた。酸化チタ
ン:酸化モリブデン:メタバナジン酸アンモニウムが1
00:21:16.6の重量比で混合されている原料粉
末6に対して水4の重量比率で加えてニーダで30分混
練したペーストをコーティングに用いた。コーティング
した触媒は乾燥後500℃で2時間焼成した。この場合
のコーティング層の厚みは約55マイクロメータであっ
た。 実施例2 実施例1で作製したコーティング用ペーストを500℃
で焼成した後、粉砕した粉末に対して水が2/3(2対
3)の重量比率になるように加えてニーダで30分混練
したペーストをコーティングに用いた以外は実施例1と
同じ条件で触媒を試作した。この場合のコーティング層
の厚みは約50マイクロメータであった。 比較例1 酸化チタン:酸化モリブデン:メタバナジン酸アンモニ
ウムが100:21:16.6の重量比で混合されてい
る原料粉末に対して水が45/55(45対55)の重
量割合になるように加えて攪拌したスラリ5を作製し
た。スラリ5を先行技術に基づく図3のシャワー装置4
から滴下することにより、スポンジ製のローラ6に供給
されたスラリをコーティングの母地となる触媒1に塗り
つけることによりコーティング触媒を製作した。コーテ
ィングした触媒は500℃で2時間焼成した。 比較例2 実施例1のコーティング用触媒ペーストを500℃で予
備焼成しハンマミルで粉砕することによりスラリ用の触
媒粉末を作製した。その粉末は酸化チタン:酸化モリブ
デン:酸化バナジウムが100:21:12の重量比で
構成されており、粉末に対して水が45/55(45対
55)の重量割合になるように加えて攪拌しスラリ5を
作製した。コーティング用スラリ以外の条件は比較例1
と同じ条件で触媒を試作した。
【0017】上記実施例と比較例で作製した触媒のコー
ティングによる触媒担持量はいずれもほぼ100g/m2
あった。実施例と比較例で作製した触媒の脱硝率とSO
2 酸化率の測定条件をそれぞれ表1および表2に、測定
結果を表3に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】表3によれば本発明による触媒の方が高活
性かつ低SO2 酸化率であることがわかる。一方、板厚
は、本発明による触媒では時間の経過に無関係にほぼ一
定であるが、比較例の触媒は水の含有率は一定であるに
も関わらず、しだいに板厚が厚くなり、スラリ担持量も
増加した。このように、本発明においては、製品の性状
変化が起こりにくくなっていた。
【0022】なお、実施例1では、母地となる触媒の基
材として、シリカアルミナガラス織布を採用したが、こ
れに代えて、金属薄板から作ったエキスパンドメタル、
パンチングメタルを作ってもよい。なお、シリカアルミ
ナガラス織布を基材とする場合は母地となる触媒の強度
を向上させるため二枚重ねて使用してもよい。また上記
先行技術の課題は、母地となる触媒に線接触するローラ
の代わりに面接触するベルトを用い、さらに、ベルトに
母地触媒へ担持するのと等量のスラリを供給し、ベルト
と母地触媒の接触によってスラリを母地触媒に転写する
ことによっても解決される。ベルトを用いることによ
り、母地触媒表面とベルトとの接触時間を自由に変化さ
せることができる。
【0023】先行技術では図3のようにスラリコーティ
ングローラ6と母地触媒1が接する位置よりも上流にス
ラリ溜まり7を形成することにより、母地触媒1を触媒
スラリに浸漬し、その後、コーティング用ローラ6で一
定の液膜厚さに制限しスラリの担持量を制御している。
この方法では、スラリ溜まり7の部分で母地触媒1の表
面に必要量以上のコーティング層が形成された場合、そ
の後の処理で塗布量を抑制することは困難である。面接
触するベルトを用いる本発明方法は、図5に示すように
母地触媒1に担持するスラリをコーティング用ベルト1
3の表面から転写する方法であり、コーティング用ベル
ト13へのスラリ供給量と母地触媒1へのコーティング
量は等しいので、必要量以上のコーティング層が形成さ
れる現象は生じない。また、コーティング用ベルト13
を用いるので母地触媒1との接触面積が大きいため、同
じ圧力を加えている場合、コーティングローラ6を用い
るよりも空転は発生しにくい。さらに、母地触媒1に水
分が吸収される時間を確保できるので、触媒成分の希薄
なスラリもコーティング可能となる。 実施例3 本実施例で用いた触媒コーティング装置は、図5に示す
ように板状母地触媒1に触媒スラリ12を転写するコー
ティング用ベルト13とコーティング用ベルト13を回
転させるベルト駆動用ローラ14、コーティング用ベル
ト13の表面の液膜15の厚さを調整可能なスラリ供給
ローラ16、およびスラリ槽17で主として構成され
る。スラリ槽17からスラリ供給ローラ16を経由して
供給される触媒スラリ12は、コーティング用ベルト1
3の表面に一定厚の液膜15を形成するが、液膜15の
厚さは、全量を母地触媒1に担持可能な供給量となるよ
うに調整する。その結果、コーティング用ベルト13に
供給される触媒スラリ12は母地触媒1の表面に全量転
写される。
【0024】上記の実施例の効果を確認するため、シリ
カアルミナガラス織布(繊維径は6μm、繊維束は厚さ
0.4mm、繊維束の間隔2mm)にシリカゾル10wt%、
ポリビニルアルコール1wt%、チタニア50wt%となる
ように水分を調整した混合液を含浸した後、150℃で
乾燥し繊維を強化した触媒基材に酸化チタン粉末(以
下、チタニア粉末、比表面積約100m2/g)に対して6
0重量%の水を加え、30分間ニーダで混練を行なった
後、原料の酸化チタンに対して15重量%の割合でシリ
カアルミナ繊維を同時に加え、さらに30分間混練を行
なった触媒ペーストを塗布したものを母地触媒として用
いた。コーティング液は酸化チタン:酸化モリブデン:
酸化バナジウムが100:21:12の重量比で構成さ
れている触媒粉末と水を混合したスラリを用いた(スラ
リ中の水分含有量40〜50重量%)。コーティングし
た後、触媒は風乾し、500℃で2時間焼成した後、ス
ラリ中の触媒粉末濃度と触媒担持量との関係について従
来の装置で作製した場合との比較を行なった。なお、コ
ーティング用ベルトに供給されたスラリ量と母地触媒上
へ塗布する量をほぼ等量とするには、母地触媒との接触
を終えたベルト上にスラリが残らないようにベルトへの
供給量を調節する。比較例4図3のようにスポンジ製の
ローラ6にシャワー装置4からスラリ5を滴下すること
により、液溜まり7が形成されそこで母地触媒1にスラ
リが含浸される機構を有した触媒コーティング装置。
【0025】比較例の装置は、スラリ中の触媒濃度が5
0%を越えるとコーティング層が厚くなりすぎローラ6
が空転するためコーティングできなくなる。一方、本発
明の装置ではスラリ濃度が50%を越えてもベルト3の
空転は起こらず、触媒担持量も比較例の最大値の2倍ま
で可能であった。
【0026】
【発明の効果】本発明によって、脱硝触媒をより高活性
かつ低SO2 酸化率にすることが可能になり、触媒性状
がより安定化するので触媒の量産性も良くなる。また、
本発明装置によれば、従来装置に比し触媒担持量を増や
せるため、より触媒調整条件を拡大できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いた多層構造板状触媒の製
造装置の説明図。
【図2】本発明の実施例で用いた多層構造板状触媒の製
造装置の説明図。
【図3】先行技術における多層構造板状触媒の製造装置
の説明図。
【図4】多層構造脱硝触媒の断面図。
【図5】本発明の一実施例である多層構造板状触媒の製
造装置の説明図。
【符号の説明】
1…コーティングの母地となる触媒(母地触媒)、2…
ペーストコーティング用ローラ、3…コーティング用触
媒ペースト、4…シャワー装置、5…スラリ、6…スラ
リコーティング用ローラ、7…スラリ溜まり、8…コー
ティング層、12…触媒スラリ、13…コーティング用
ベルト、14…ベルト駆動ローラ、15…液膜、16…
スラリ供給用ローラ、17…スラリ槽。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 和典 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母地となる板状触媒の表面に母地とは異
    なる組成の被覆触媒層を形成させる多層構造触媒の製造
    方法において、板状基材にあらかじめ触媒成分を塗布し
    た板状触媒を母地とし、その表面に被覆触媒層用触媒成
    分原料を一組以上のコーティングローラまたは一組のコ
    ーティングベルトにより被覆して被覆触媒層を形成させ
    ることを特徴とする多層構造触媒の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記母地となる板状
    触媒および被覆触媒層用原料を一組以上の回転式コーテ
    ィングローラまたは一組の同一方向走行コーティングベ
    ルト間に供給して前記板状触媒の表面に被覆触媒層を形
    成することを特徴とする多層構造触媒の製造方法。
  3. 【請求項3】 母地となる板状触媒の表面に母地とは異
    なる組成の被覆触媒層を形成させる多層構造触媒の製造
    方法において、板状基材にあらかじめ触媒成分を担持さ
    せた板状触媒を母地とし、その表面に水分40重量%以
    下の触媒成分原料を置き、一組以上のローラで圧延して
    被覆触媒層を形成させることを特徴とする多層構造触媒
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 母地となる板状触媒の表面に母地とは異
    なる組成の被覆触媒層を形成させる多層構造触媒の製造
    方法において、網状金属基板や無機繊維網状基材を一枚
    または二枚用いその網目内または外面にあらかじめ触媒
    成分を塗布した板状触媒を母地とし、その表面に水分4
    0重量%以下の触媒成分ペースト塊を置き、これらを一
    組以上の回転式コーティングローラ間に供給し、該ロー
    ラで圧延して被覆触媒層を形成させることを特徴とする
    多層構造触媒の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3または4において、上
    記被覆触媒層用の触媒成分原料が酸化チタンのほかに、
    モリブデン、タングステン、バナジウムの塩類または対
    応する酸素酸のアンモニウム塩の一種以上に水を加えて
    混練して得たペーストであることを特徴とする脱硝用多
    層構造触媒の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3または4において、触媒成分原
    料または触媒成分ペースト塊を母地となる板状触媒表面
    に圧延するローラが、表裏同時または片面づつ交互に前
    記触媒成分原料またはペースト塊を圧延することを特徴
    とする多層構造触媒の製造方法。
  7. 【請求項7】 母地となる板状触媒の表面に母地とは異
    なる組成の被覆触媒層を形成させる多層構造触媒の製造
    方法において、板状基材にあらかじめ触媒成分を担持さ
    せた板状触媒を母地とし、触媒成分原料を載せたベルト
    を母地触媒表面に押し付けることにより、前記母地触媒
    表面に触媒成分原料を塗布することを特徴とする多層構
    造触媒の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記ベルトに載せた
    触媒原料がスラリ状であり、該ベルト上に供給するスラ
    リの量と母地触媒表面に塗布するスラリの量とがほぼ等
    量となるように調整することを特徴とする多層構造触媒
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 母地となる板状触媒の表面に母地とは異
    なる組成の被覆触媒層を形成させる触媒の製造装置にお
    いて、板状基材にあらかじめ触媒成分を担持させた板状
    触媒を母地とする手段と、被覆用触媒スラリ供給源から
    所定量の触媒スラリの供給を受けて前記母地となる板状
    触媒と接触してこれに前記触媒スラリを転写するコーテ
    ィング用ベルト手段と、該ベルトを回転走行させて前記
    母地となる板状触媒と接触させるベルト駆動ローラ手段
    と、前記スラリ供給源から所定量の触媒スラリを取り出
    してこれを前記コーティング用ベルト表面に供給して一
    定厚さのスラリ液膜を形成させるスラリ供給手段とを備
    えたことを特徴とする多層構造触媒の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014018740A (ja) * 2012-07-18 2014-02-03 Babcock-Hitachi Co Ltd 板状触媒及び板状触媒の製造方法

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