JP2000197828A - 板状触媒の成形方法および成形装置 - Google Patents

板状触媒の成形方法および成形装置

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JP2000197828A
JP2000197828A JP11003157A JP315799A JP2000197828A JP 2000197828 A JP2000197828 A JP 2000197828A JP 11003157 A JP11003157 A JP 11003157A JP 315799 A JP315799 A JP 315799A JP 2000197828 A JP2000197828 A JP 2000197828A
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Meiji Ito
明治 伊東
Katsuhiro Yashiro
克洋 矢代
Toshifumi Mukai
利文 向井
Shigeru Tominaga
成 冨永
Tadaaki Mizoguchi
忠昭 溝口
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Mitsubishi Power Ltd
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Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板を損傷させることなく、しかも基板が触
媒成分によって完全に被覆された触媒が得られる板状触
媒の成形方法を提供する。 【解決手段】 網目状の開孔を有する基板3に、粘土状
の触媒成分4を載せて圧延装置に供給し、前記触媒成分
4を基板3に圧延、付着させる板状触媒の成形方法にお
いて、前記基板3の触媒成分供給側面に触媒成分4を圧
延して被覆させるとともに、前記基板3の開孔を通して
該基板3の触媒成分非供給側面に前記触媒成分4を移動
させて該基板3の触媒成分非供給側面から触媒成分4が
突出した凸部を有する板状触媒5を形成する第1の圧延
工程と、該第1の圧延工程で得られた板状触媒5の前記
触媒成分4が突出した凸部を押圧して前記基板の触媒成
分非供給側面を前記触媒成分4で被覆する第2の圧延工
程を有すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板状触媒の成形方
法および成形装置に係り、特に、触媒基材に触媒成分を
塗布した排煙脱硝用の板状触媒の成形方法および成形装
置であって、前記触媒基材を触媒表面から露出させるこ
となく、基材を触媒成分で完全に被覆した板状触媒の成
形方法および成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】排ガス中の窒素酸化物を還元除去する排
煙脱硝触媒は、粒状触媒として使用されることは稀であ
り、通常、ハニカム触媒または板状触媒として使用され
る。ハニカム触媒や板状触媒は、触媒内や触媒周囲にお
いて被処理ガスの平行流が形成されるので、通風圧力損
失が小さく、煤塵による閉塞が生じにくいという長所が
ある。
【0003】中でも板状触媒は、触媒中に基板を埋め込
み、この基板で触媒強度と触媒形状が保持されるので、
自由な形状の触媒を高強度に加工できるという長所があ
る。このような板状触媒は、例えば網目状の開孔を有す
る触媒基板上に粘土状の触媒成分を圧延、付着させて一
体化することによって成形される。
【0004】しかしながら、従来の板状触媒成形方法
は、触媒基板に押し付けられた粘土状の触媒成分が基板
表面に沿って展開して基板の表面を覆うことはできる
が、基板の裏側において、基板の凸部が圧延面に密着し
ているのでその部分に触媒成分が展開できず、触媒裏面
で基板の網目が露出するという問題があった。
【0005】ところで、板状触媒の引っ張り強度は主と
して基板で支えられており、圧縮強度は主として触媒成
分で支えられている。すなわち、触媒基板を構成する、
例えば無機繊維製織布の糸は通常の糸と同様、引っ張り
には強いが圧縮に弱く、触媒成分は通常の粘土成分と同
様、引っ張りには弱いが圧縮に強いという特性がある。
従って、板状触媒において触媒表面に基板の網目が露出
していると、強度が低下して圧縮と曲げに弱くなり、露
出した網目部分に圧縮力が加わると繊維が潰れて表面か
ら飛び出し、触媒自体が折れ曲がる場合がある。このよ
うな問題は、細い繊維を捩じって造った糸を編んで形成
した基板を触媒基材として使用した場合に生じ易い。
【0006】従って従来から、無機繊維製基板に触媒成
分を塗布する板状触媒の製造方法において、前記基板の
露出を防止するために種々の工夫がなされている。この
ような方法としては、例えば、板状触媒の成形後にさ
らに粘土状の触媒成分を追加して再度圧延する方法が挙
げられる。しかしこの方法は、触媒成分の塊を新たに潰
して圧延し、板状触媒の表面に広げる際に基板に再度荷
重が加わるので、強い基板でないと適用できないという
欠点があった。すなわち最初の圧延時には基板が圧延面
に接触して保護されるが、2度目の圧延においては基板
が圧延面から離れていて保護されないので、触媒成分の
塊に押しつけられて荷重が加わると変形または損傷し易
いという問題があった。
【0007】また、基板の露出を防止する他の方法とし
て、触媒成形後の触媒表面に触媒成分または強化物質
を塗布する方法があげられる。しかし、単に塗料状に稀
釈した触媒成分を塗布しても圧延と同様の強度は得難
く、組成や処理方法を変える等の工夫が必要となる。一
方、触媒成分と異なる組成の、例えばシリカ、アルミナ
等で触媒表面を覆うことによっても強化することはでき
るが、強化被膜によっては触媒活性が低下するという問
題があった。
【0008】さらに、基板の露出を防止する別の方法と
して、本願出願人が提案した未公知の方法がある。す
なわち、一対の圧延ローラの圧延部に、触媒成分を載せ
た基板を挿入して板状に成形する方法であって、前記圧
延ローラの直前に基板の送り方向と平行な凹部を有する
基板支持台を設けた成形装置を用い、前記基板の下側に
も触媒成分が回り込むようにし、これによって基板面全
面を触媒成分で覆うようにするものである。この方法
は、基板の触媒表面への露出を防止するのに有効である
ばかりか、特別な追加工程を要せず、しかも触媒活性を
低下させることがないという優れた方法である。しかし
ながら、この方法を適用するためには、基板に、前記支
持台の凹部で変形しないだけの剛性と耐摩擦性が要求さ
れるので、強度が小さい基板には適用できないという欠
点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
先行技術の問題点を解決し、特別に強い基板を用いた場
合に限らず、強度の小さい基板を用いた場合であっても
前記基板を損傷させることなく、しかも触媒表面への基
板の露出を防止して前記基板が触媒成分によって完全に
被覆された触媒を得ることができる、板状触媒の成形方
法および成形装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願で特許請求する発明は以下のとおりである。 (1)網目状の開孔を有する基板に、粘土状の触媒成分
を載せて圧延装置に供給し、前記触媒成分を基板に圧
延、付着させる板状触媒の成形方法において、前記基板
の触媒成分供給側面に触媒成分を圧延して被覆させると
ともに、前記基板の開孔を通して該基板の触媒成分非供
給側面に前記触媒成分を移動させて該基板の触媒成分非
供給側面から触媒成分が突出した凸部を有する板状触媒
を形成する第1の圧延工程と、該第1の圧延工程で得ら
れた板状触媒の前記触媒成分が突出した凸部を押圧して
前記基板の触媒成分非供給側面を前記触媒成分で被覆す
る第2の圧延工程を有することを特徴とする板状触媒の
成形方法。 (2)前記第1の圧延工程における圧延面として第2の
圧延工程における圧延面よりも、前記触媒成分との付着
力が大きい圧延面を用いることを特徴とする上記(1)
に記載の板状触媒の成形方法。
【0011】(3)網目状の開孔を有する基板に粘土状
の触媒成分を圧延、付着させて板状に成形する、板状触
媒の成形装置において、第1の圧延ローラと第2の圧延
ローラとを設け、前記第1の圧延ローラの圧延面を、前
記第2の圧延ローラの圧延面よりも、前記触媒成分との
付着力が大きい圧延面としたことを特徴とする板状触媒
の成形装置。 (4)前記第1の圧延ローラの圧延面を、多孔質金属に
ポリフッカエチレン(テフロン)を浸透させたものと
し、第2の圧延ローラの圧延面を、ポリフッカエチレン
(テフロン)コーティング金属面としたことを特徴とす
る上記(3)に記載の板状触媒の成形装置。 (5)前記第1の圧延ローラの圧延面を、前記基板の網
目状の開孔径と同じかまたはそれよりも小さい径の凹凸
を有し、かつ単位面積当たりの凹凸数が前記基板の単位
面積当たりの開孔数以上である圧延面とし、前記第2の
圧延ローラの圧延面を、前記基板の開孔径よりも大きい
径の凹凸を有する面または平らな面としたことを特徴と
する上記(3)に記載の板状触媒の成形装置。
【0012】本発明において、網目状の開孔を有する基
板としては、例えば、Eガラス等からなる無機繊維製織
布、または該無機繊維製織布に酸化チタン、シリカゾ
ル、有機バインダ等を含浸させて強化したものが挙げら
れる。
【0013】本発明において、粘土状の触媒成分とは、
触媒に求める活性によっても異なるが、例えば酸化チタ
ンにモリブデン、タングステン等の金属化合物を添加
し、水を加えて混練したペースト状の脱硝触媒成分が挙
げられる。この触媒成分には、必要に応じて強化用の無
機繊維として、例えばシリカアルミナ繊維等を混入させ
ることもできる。
【0014】本発明において板状触媒の成形装置は、第
1の圧延ローラと第2の圧延ローラとを有する。第1の
圧延ローラの圧延面は、第2の圧延ローラの圧延面より
も粘土状触媒成分との付着力が大きく、第1の圧延ロー
ラの圧延面は、例えば多孔質の金属ローラ表面にポリフ
ッカエチレン(テフロン)を浸透させたものによって、
第2の圧延ローラの圧延面は、例えばテフロンを被覆し
た金属ローラによって構成される。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施例によりさら
に詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例に用いら
れる触媒成形装置を示す説明図である。この装置は、第
1の圧延ローラ1、1と、第2の圧延ローラ2、2とを
有しており、第1の圧延ローラの圧延面を、第2の圧延
ローラの圧延面よりも、粘土状触媒成分4との付着力が
大きい圧延面としたものである。すなわち、第1の圧延
ローラ1、1は、図2に断面図として示したように、多
孔質の金属ローラ表面7にテフロン8を浸透させた凹凸
のないローラ表面を有するものであり、第2の圧延ロー
ラ2、2は、テフロン被覆金属ローラからなる凹凸のな
い圧延面を有するものである。
【0016】このような構成の触媒形成装置において、
網目状の開孔を有する基板3に、粘土状の触媒成分4を
載せ、さらにその上に前記基板3と同様の基板を載せて
前記触媒成分4を基板3で挟持させたものが、第1の圧
延ローラ1、1間に供給され、前記基板3の触媒成分供
給側面(以下、基板表面という)に触媒成分4が圧延さ
れて基板3表面を被覆するとともに、基板3の開孔を通
して該基板3の触媒成分非供給側面(以下、基板裏面と
いう)に触媒成分4が移動し、該触媒成分4との付着力
が大きい第1の圧延ローラのローラ表面に付着して引っ
張られ、基板3の裏面の網目状の開孔から前記触媒成分
4が突出した凸部を形成する。この触媒成分4が基板3
の裏面から突出した凸部を有する、中間製品としての板
状触媒5は、後流の第2の圧延ローラ2、2間に供給さ
れ、前記触媒成分4からなる凸部が押圧されて広がり、
これによって基板3の裏面が前記触媒成分4で被覆さ
れ、基板3の表裏両面が触媒成分4で完全に被覆された
板状触媒6となる。
【0017】本実施例によれば、第1の圧延ローラ1、
1の圧延面を多孔質の金属ローラ7表面にテフロン8を
浸透させたテフロン浸透多孔質金属面とし、テフロンコ
ーティング金属面からなる第2の圧延ローラ2、2の圧
延面よりも、触媒成分4との付着力を大きくしたことに
より、第1の圧延工程において基板3の網目状の開孔を
通して裏面に移動した触媒成分4を前記テフロン浸透多
孔質金属面の金属部分に付着させて引っ張り、基板裏面
の、該基板の露出した凸部から突出した触媒成分4から
なる凸部を有する板状触媒5が得られるので、この板状
触媒5を第2の圧延ローラ2、2に供給して前記触媒成
分4からなる凸部を押圧して基板裏面全体に展開し、該
基板3の裏面を前記触媒成分4で被覆することができ
る。従って最終的に、基板3の表裏両面が触媒成分4で
完全に被覆された板状触媒を得ることができる。
【0018】本実施例によれば、第1の圧延ローラ1、
1および第2の圧延ローラ2、2の圧延面を、共に凹凸
のない面としたことにより、基板3の変形および摩擦に
よる損傷の発生が抑制される。
【0019】本発明において、基板3は、金属とテフロ
ンの両方に付着し難く、粘土状の触媒成分4はテフロン
とは付着し難いが、金属とは付着し易い。従って、第1
の圧延ローラの圧延面をテフロン含浸多孔質金属面とし
たことにより、第1の圧延により基板3の裏面に移動し
た触媒成分4のうち、圧延面の金属表面と接触した部分
だけが該金属面に付着して引っ張られ、基板裏面から飛
び出し、基板3の裏面を被覆するための凸部を形成する
ことができる。
【0020】本実施例において、基板裏面に触媒成分4
からなる凸部を有する、中間製品としての板状触媒5
は、その表面に、基板3の網目状の開孔の径以下の径
の、触媒成分4からなる凹凸を有し、かつ単位面積当た
りの前記凹凸の数が前記基板3の網目の開孔の数以上で
ある、凹凸表面を有するものである。この板状触媒5
は、後流の第2の圧延ローラ2、2間に供給され、圧延
されて基板3の表裏両面が触媒成分4で完全に被覆され
た、最終製品としての板状触媒6となる。
【0021】本実施例において、第1の圧延ローラの圧
延面を、図3に断面図として示したように、鋼製ローラ
表面9に、基板3の網目状の開孔径と同じかまたはそれ
よりも小さい凹凸を有し、かつ単位面積当たりの凹凸数
が前記基板3の単位面積当たりの開孔数以上である凹凸
形状を有する布10を当接した圧延面としてもよい。な
お、この場合、第2の圧延ローラの圧延面を、前記基板
3の開孔径よりも大きい径の凹凸を有する面または平ら
な面とすることが好ましい。
【0022】これによって、触媒成分4を基板3に圧延
した場合、触媒成分4は圧延面の凸部で支えられた基板
3の開孔を通って基板3の裏側に展開し、前記圧延面の
凹部に入り込んで基板3の裏面に触媒成分4からなる凸
部が形成された中間製品が得られる。この中間製品の基
板3の裏面に形成された触媒成分4の凸部の大きさは圧
延面の凹部の大きさに等しいので基板の網目の開孔の大
きさよりも小さくなる。従って、この中間製品を、基板
3の開孔径よりも大きい径の凹凸を有する面または平ら
な面からなる圧延面を有する第2の圧延ローラに供給し
て圧延することにより、基板3の裏面が触媒成分で覆わ
れ、表裏両面が触媒成分で完全に被覆された板状触媒6
となる。この場合、基板3の網目は圧延面の凸部で支え
られており、また基板と圧延面との摩擦もないので、基
板3が変形または損傷することはない。
【0023】本発明において、触媒成形装置の圧延ロー
ル数は、2つに限定するものではなく、3個またはそれ
以上であってもよい。この場合、後流側ほど、触媒成分
との付着力の小さい圧延面とすることが好ましい。
【0024】次に本発明の具体的実施例を説明する。 実施例1 第1の圧延ローラ1、1を、図2に示した多孔質の金属
ローラ表面7にテフロン8を浸透させた径150mmのロ
ーラとし、第2の圧延ローラ2、2を同じ大きさの、テ
フロン被膜金属ローラとし、第1および第の2圧延ロー
ラにおけるローラ間隙を共に1mmに固定した、図1の触
媒成形装置により、基板3として10目/25.4mm
の無機繊維織布を酸化チタン、シリカゾル、有機バイン
ダで含浸強化したものを、粘土状触媒成分4として酸化
チタン(比表面積100m2/g)にモリブデン酸アンモニ
ウムとメタバナジン酸アンモニウムをTi/Mo/V=
93/5/2になるように配合し、さらにチタニア(酸
化チタン)粉末100重量部に対して70重量部の水と
15重量部のシリカアルミナ繊維を添加して混練したも
のを用い、上記基板3、2枚の間に上記粘土状触媒成分
4を挟み込み、これを上記触媒成形装置に供給し、10
cm/sの速度で圧延し、室内で1日自然乾燥したのち、温
度500℃で2時間焼成して最終製品とした。
【0025】実施例2 第1の圧延ローラ1、1として、図3に示した凹凸形状
を有するローラ、すなわちローラ径150mmの鋼製ロー
ラ表面9に、織り目で周期0.5mm、深さ0.05mmの
規則的な配列の凹凸を形成し、テフロンを含浸させた、
凹凸形状を有する布10を張り付けたものを用いた以外
は上記実施例1と同様にして同様の板状触媒を得た。本
実施例における第1の圧延ローラ1、1のローラ面は、
実施例1で使用したローラ面に比べて耐久性に難がある
ものの、ローラの凹凸がそのまま触媒に転写されるの
で、基板の裏面における凹凸形状の制御が容易である。
【0026】比較例1 第1の圧延ローラ1、1を省略した成形装置を用い、第
2の圧延ローラ2、2だけを用いて1段圧延した以外は
上記実施例1と同様の方法と装置で板状触媒を調製し
た。 比較例2 第2の圧延ローラ2、2を省略し、触媒成分付着性のあ
る第1の圧延ローラ1、1だけを用いて触媒成分4を基
板3に塗布、成形した以外は実施例1と同様にして板状
触媒を得た。
【0027】比較例3 実施例2における、第2の圧延ローラ2、2を省略し、
凹凸表面を有する第1の圧延ローラ1、1だけを有する
触媒成形装置により、基板3に触媒成分4を塗布、成形
した以外は上記実施例2と同様にして板状触媒を調製し
た。実施例1、2、比較例1〜3で調製した板状触媒の
断面を図4に模式図として示した。
【0028】図4において、実施例1と実施例2で得ら
れた触媒は比較例1で得られた触媒に比較して基板の露
出が少ないことが分かる。また、比較例2で得られた触
媒の表面は凹凸であり、基板3が露出していた。比較例
3で得られた触媒の表面は凹凸であり、基板3の露出は
比較例2よりも少ないものの、実施例1、2ほど少なく
はなかった。
【0029】各実施例および比較例触媒について曲げ強
度を測定し、測定時の荷重と変形量との関係を図5に比
較して示した。なお、曲げ強度試験は、3点支持法で行
った。すなわち、各板状触媒の切片(20mm幅、50mm
長さ)表面上において、10mm間隔の3本の平行線のう
ち、両脇の線で支えて、真ん中の線に荷重を加えて行き
破損するまでの荷重と変形量を連続して測定した。
【0030】図5中、曲線Aは実施例2で得られた板状
触媒の曲げ強度を示し、曲線Bは実施例1、曲線Cは比
較例1、曲線Dは比較例3、曲線Eは比較例2で得られ
た板状触媒の曲げ強度を示す。図5において、各板状触
媒の剛性および破壊時点の荷重の順位は、実施例2≧実
施例1>比較例1>比較例3≧比較例2の順であったこ
とが分かる。
【0031】
【発明の効果】本願の請求項1記載の発明によれば、基
板の触媒成分供給側面に触媒成分を圧延して展開させる
とともに、前記基板の開孔を通して該基板の触媒成分非
供給側面に前記触媒成分を移動させて該基板の触媒成分
非供給側面から触媒成分が突出した凸部を有する板状触
媒を形成する第1の圧延工程と、該第1の圧延工程で得
られた板状触媒の前記触媒成分が突出した凸部を押圧し
て前記基板の触媒成分非供給側面を前記触媒成分で被覆
する第2の圧延工程を有することにより、表裏両面が触
媒成分で完全に被覆された、高強度の板状触媒が得られ
る。
【0032】本願の請求項2記載の発明によれば、第1
の圧延工程における圧延面として第2の圧延工程におけ
る圧延面よりも、粘土状の触媒成分との付着力が大きい
圧延面を用いることにより、基板の網目状の開孔を通っ
て裏面に展開した触媒成分を前記第1の圧延工程の圧延
面に付着させて引っ張っり、基板裏面に触媒成分からな
る凸部を形成することができるので、その後の第2圧延
工程において基板の裏面を完全に被覆することができ
る。
【0033】本願の請求項3記載の発明によれば、第1
の圧延ローラと第2の圧延ローラとを設け、前記1の圧
延ローラの圧延面を、前記第2の圧延ローラの圧延面よ
りも、粘土状触媒成分との付着力が大きい圧延面とした
ことにより、第1の圧延ローラで基板の網目状の開孔を
通って裏面に展開した触媒成分を付着させ、引っ張っ
て、基板裏面に触媒成分からなる凸部を形成し、次いで
第2の圧延工程で前記基板裏面の触媒成分からなる凸部
を押圧して基板の裏面を触媒成分で完全に被覆して、基
板が露出しない板状触媒が得られる。
【0034】本願の請求項4記載の発明によれば、第1
の圧延ローラの圧延面を、多孔質金属にポリフッカエチ
レン(テフロン)を浸透させたものとし、第2の圧延ロ
ーラの圧延面を、ポリフッカエチレン(テフロン)コー
ティング金属面としたことにより、基板の網目状の開孔
を通って裏面に展開した触媒成分がポリフッカエチレン
(テフロン)浸透多孔質金属面の金属部分に付着して引
っ張られ、基板裏面に触媒成分からなる凸部が形成され
るので、その後の第2圧延工程において基板の裏面を完
全に被覆することができる。
【0035】本願の請求項5記載の発明によれば、第1
の圧延ローラの圧延面を、前記基板の網目状の開孔径と
同じかまたはそれよりも小さい径の凹凸を有し、かつ単
位面積当たりの凹凸数が前記基板の単位面積当たりの開
孔数以上である圧延面とし、第2の圧延ローラの圧延面
を、前記基板の開孔径よりも大きい径の凹凸を有する面
または平らな面としたことにより、第1圧延ローラの圧
延面の凹部に触媒成分が入り込んで基板裏面に触媒成分
の凸部が形成されるので、その後の第2圧延工程におい
て基板の裏面を完全に被覆することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に適用する触媒成形装置の一例を示す説
明図。
【図2】本発明の第1の圧延ローラの一例を示す断面
図。
【図3】本発明の第1の圧延ローラの別の一例を示す断
面図。
【図4】実施例および比較例で試作した板状触媒の断面
を示す模式図。
【図5】実施例および比較例で試作した板状触媒の曲げ
強度測定時の荷重と変形量の関係を示す図。
【符号の説明】
1…第1の圧延ローラ、2…第2の圧延ローラ、3…基
板、4…粘土状の触媒成分、5…中間製品(凹凸表面の
板状触媒)、6…板状触媒、7…多孔質金属のローラ表
面、8…テフロン、9…鋼製ローラ表面、10…凹凸形
状を有する布。
フロントページの続き (72)発明者 向井 利文 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 冨永 成 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 溝口 忠昭 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 Fターム(参考) 4G069 AA08 AA11 BA04B BA27B BC54B BC59B BD01B BD06B BE17B CA03 CA13 EA11 FA03 FB70 FB74 FB79

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 網目状の開孔を有する基板に、粘土状の
    触媒成分を載せて圧延装置に供給し、前記触媒成分を基
    板に圧延、付着させる板状触媒の成形方法において、前
    記基板の触媒成分供給側面に触媒成分を圧延して被覆さ
    せるとともに、前記基板の開孔を通して該基板の触媒成
    分非供給側面に前記触媒成分を移動させて該基板の触媒
    成分非供給側面から触媒成分が突出した凸部を有する板
    状触媒を形成する第1の圧延工程と、該第1の圧延工程
    で得られた板状触媒の前記触媒成分が突出した凸部を押
    圧して前記基板の触媒成分非供給側面を前記触媒成分で
    被覆する第2の圧延工程を有することを特徴とする板状
    触媒の成形方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の圧延工程における圧延面とし
    て第2の圧延工程における圧延面よりも、前記触媒成分
    との付着力が大きい圧延面を用いることを特徴とする請
    求項1に記載の板状触媒の成形方法。
  3. 【請求項3】 網目状の開孔を有する基板に粘土状の触
    媒成分を圧延、付着させて板状に成形する、板状触媒の
    成形装置において、第1の圧延ローラと第2の圧延ロー
    ラとを設け、前記第1の圧延ローラの圧延面を、前記第
    2の圧延ローラの圧延面よりも、前記触媒成分との付着
    力が大きい圧延面としたことを特徴とする板状触媒の成
    形装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の圧延ローラの圧延面を、多孔
    質金属にポリフッカエチレン(テフロン(登録商標))
    を浸透させたものとし、第2の圧延ローラの圧延面を、
    ポリフッカエチレン(テフロン)コーティング金属面と
    したことを特徴とする請求項3に記載の板状触媒の成形
    装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の圧延ローラの圧延面を、前記
    基板の網目状の開孔径と同じかまたはそれよりも小さい
    径の凹凸を有し、かつ単位面積当たりの凹凸数が前記基
    板の単位面積当たりの開孔数以上である圧延面とし、前
    記第2の圧延ローラの圧延面を、前記基板の開孔径より
    も大きい径の凹凸を有する面または平らな面としたこと
    を特徴とする請求項3に記載の板状触媒の成形装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014018740A (ja) * 2012-07-18 2014-02-03 Babcock-Hitachi Co Ltd 板状触媒及び板状触媒の製造方法

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