JP5996589B2 - だし汁製造装置及びだし汁製造方法 - Google Patents
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Description
例えば特許文献1には、だし汁の抽出タンク(第1のタンク(3))に水とだしパック(かつおぶしパック)とを入れてヒータ(加熱ヒータ(5))で加熱し、所定温度で所定時間煮出すことでだし汁を製造するようにした装置が記載されている(段落0006〜0016等参照)。
この装置は、だしパックを煮出してだし汁を抽出することから、煮出し抽出方式のだし汁製造装置であるといえる。
この装置は、抽出後のだし汁を保温タンク(T)に送り、貯留部(R)から送られたかえし汁と混合して保温タンク(T)に貯えるようにしている。
この公報が開示するのは、底部にフィルタ(53)を設えただし汁の抽出タンク(抽出容器(51))を設け、この抽出タンクに収納しただし粉末に熱湯を噴射してだし汁を抽出するようにしただし汁製造装置である。この公報には、「ヒータ(3)により加熱された熱湯は、抽出容器(51)内に収容されているだし粉末に噴射され、前記抽出容器(51)内においてだし粉末と熱湯が一定期間混合してだしが抽出される。だし汁はフィルタ(53)により濾過されて、抽出容器(51)の下方に設けられた受け部材(54)に受けられたあと、保温タンク(7)に送られる」と記載されている(段落0037参照)。
特許文献3に記載された発明は、だし汁を抽出するに際して撹拌作用も利用している。つまり抽出タンク内に撹拌ハネ(52)を設け、抽出タンクに噴射された熱湯を撹拌するわけである。撹拌ハネ(52)の作用について特許文献2は、「上述の熱湯の噴射作用と撹拌ハネの撹拌作用とにより抽出部内におけるだし材料の熱湯中の躍動を促進するので、安定かつ効果的なだしの抽出を行うことができる」と述べている(段落0038参照)。
だし粉末については、「だし粉末は装置に併設されたミキサーにより、かつお節やにぼし等のだし材料が粉末状にされるのが好ましい」とされ(段落0037参照)、だしパックではなく、削り節の利用が明記されている。
この装置は、抽出タンク内をフィルタ(108)で上下に仕切り、上部を上部室(102)、下部を下部室(103)としている。そして削り節(調味だし用の原料)を上部室(102)に収納して熱水を供給する。この際、上部室(102)よりも下部室(103)の圧力を高くし、抽出中のだし汁が下部室(103)に滴下するのを防止しつつ、撹拌翼(104)を撹拌させてだし汁の抽出を行う。だし汁の抽出を完了したら、下部室(103)の圧力を低下させ、抽出しただし汁の下部室(103)への滴下を促す(以上、段落0018〜0052参照)。
煮出し抽出方式のだし汁製造装置は、お湯の対流を利用して削り節やだしパックからだしの有効成分を抽出するものであることから、
(1)完成後のだし汁に灰汁(あく)が混入してしまう
(2)風味が逃げやすい
(3)だし汁の抽出までに時間がかかる(特にだしパックを用いた場合に顕著)
という問題を有している。
だしパックを用いた場合にだし汁の抽出までに時間がかかるのが顕著であるのは、だしパックの内部まで十分に湯が循環しないからである。
しかしながら、削り節などのだしの原料にお湯を一回通過させるだけでだし汁の抽出を行わなければならないという構造上、だしの原料から十分な有効成分を抽出するためには、原料を通過するお湯の滴下速度を低下させ、時間をかけてゆっくりと抽出を行う必要がある。このためドリップ抽出方式のだし汁製造装置は、上記(3)の問題を本来的に抱えているものと言える。
これが第1の課題である。
煮出し抽出方式のだし汁製造装置は、だしの原料を投下した水を煮出してだし汁を製造する仕組みなので、だし汁の製造過程においてだし汁の温度が下がってしまうことがない。
これに対してドリップ抽出方式のだし汁製造装置は、時間をかけてゆっくりと抽出を行う必要上、
(4)製造過程においてだし汁の温度が下がってしまう
という問題が発生する。
この点、特許文献2、3に記載されているように、フィルタから滴下する抽出後のだし汁を保温タンクに送って保温すれば、使用する際のだし汁の温度を高温に維持することが可能である。しかしこの場合、一旦温度が下がっただし汁の温度を保温タンクで上昇させなければならないため、エネルギー損失が大きくなってしまう。
これが第2の課題である。
製造後のだし汁の取り扱いに着目した場合の課題である。
特許文献1は、こうして抽出タンク(第1のタンク(3))に貯えられただし汁を保温タンク(第3のタンク(6))に移し、かえし汁を混合して保温状態で保存するようにしている。そのための構造として、抽出タンクの排水路に開閉自在のバルブ(8)を配置している(段落0014〜0016参照)。
一旦貯留しただし汁を排出させる構造として特許文献4は、だし汁の排出路(排出部(107))にバルブ(110)を配置し、これを手動又は自動で操作することを開示している。
ところがバルブを手動で操作する構造では、バルブの閉め忘れが発生する可能性がある。この状態でだし汁の抽出動作を開始すると、お湯やだし汁が意図せぬ場所に垂れ流し状態になり、だし汁の抽出動作に支障をきたすなどの不都合を発生させてしまう。
バルブを自動で操作する構造を採用すればこのような問題は発生しないが、この場合にはだし汁の流通状態を監視するための仕組が必要になるなど、構造や制御が複雑化してしまう。
これが第3の課題である。
まず図1(a)(b)に基づいて本実施の形態のだし汁製造装置によるだし汁製造方法の原理を説明し、続いて図2〜図10に基づいて実施の形態を詳しく説明する。図11及び図12には変形例を示す。
1.だし汁製造方法の原理
2.実施の形態
(1)外観構成
(2)内部構成
(a)抽出タンク
(b)貯湯タンク
(c)保温タンク
(d)操作部(第1操作パネル)
(3)ハードウェア構成
(4)プログラム処理
(a)貯湯処理
(b)湯移送処理、抽出処理、撹拌処理、だし汁移送処理、白だし注ぎ出し処理
(b−1)湯移送処理
(b−2)抽出処理
(b−3)撹拌処理とだし汁移送処理
(b−4)白だし注ぎ出し処理
(c)だし汁保温処理、だし汁注ぎ出し処理
(c−1)だし汁保温処理
(c−2)だし汁注ぎ出し処理
(5)効果
(6)変形例
(a)変形例1
(b)変形例2
(c)変形例3
(d)変形例4
(e)変形例5
本実施の形態のだし汁製造装置1は、供給されたお湯を貯える抽出タンク101を備え、この抽出タンク101の内部でだしの原料dmからだし汁を抽出する。だしの原料dmとしては、だしパックdm1(図1(a)(b)、図3、図4、図12参照)、又は削り節dm2(図11参照)が用いられる。
次いで抽出タンク101にお湯HWを供給する。お湯HWはだしの原料dmとセット部102の底部に設けた流通部材102aとを流通し、正圧室103と負圧室104とに満たされる。
抽出タンク101にお湯HWが満ちたならば、循環ポンプP1を作動させる。すると抽出タンク101内のお湯HWが循環ポンプP1の吸入側に吸引されて連絡路105に吸い込まれ、循環ポンプP1の吐出側から吐き出されて正圧室103に戻される。このとき負圧室104は負圧になるので、正圧室103から負圧室104にお湯HWが流れ込む。こうして負圧室104と正圧室103との間をお湯HWが循環する。
したがって、有効成分が十分に溶け出した濃度の高いだし汁が短時間のうちに抽出される。
これによって、
・濃度の高いだし汁を短時間で抽出することができる
という効果が得られる。
何故ならば、煮出し抽出方式はお湯の対流を利用してだしの原料にお湯を巡らせながら徐々にだしを抽出することから、だしパックを用いた場合にはその内部までお湯が巡りにくく、だしの抽出までに長時間を要する。
これに対して負圧循環抽出方式では、負圧室104に発生する負圧を利用して正圧室103から負圧室104にお湯HWを引き込むので、だしパックdm1がセット部102の流通部材102aに吸着され、吸着されただしパックdm1の全面をお湯HWが通り抜ける。
このためだしパックdm1の内部まで万遍なくお湯HWを行き渡らせることができ、比較的短時間でだしを抽出することができるからである。
・完成後のだし汁への灰汁(あく)の混入量が少ない
・吹きこぼれや煮つまりの心配がない
・風味が逃げにくい
という点で優れている。
ドリップ抽出方式ではだしの原料(本実施の形態のだしの原料dmに相当)に一度だけしかお湯が通らない。このためお湯の流通に長い時間をかけたとしても、有効成分が十分に溶け出した濃度の高いだし汁を抽出しがたい傾向がある。
これに対して負圧循環抽出方式によるだしの抽出手法は、ドリップ抽出方式と比較しても、
・濃度の高いだし汁を短時間で抽出することができる
という効果を発揮する。
これに対して負圧循環抽出方式によるだしの抽出手法によれば、抽出タンク101の内部にヒータ(抽出ヒータH1)を設置することで、循環するだし抽出中のお湯HWを加熱することができる(図6も参照)。そればかりか、抽出タンク101の内部に測温体(だし汁温度センサTS1)を設けてお湯HWの温度を計測し、計測結果に応じて抽出ヒータH1の駆動を断続すれば、循環するだし抽出中のお湯HWを一定の温度に管理することも可能となる(図6も参照)。
図1(a)は負圧室104に抽出ヒータH1及びだし汁温度センサTS1を設置した一例、図1(b)は正圧室103に抽出ヒータH1及びだし汁温度センサTS1を設置した一例をそれぞれ示す。
したがって負圧循環抽出方式によるだしの抽出手法によれば、
・製造後のだし汁が冷めてしまうことを防止し、高温に維持することができる
という効果も得られる。
(1)外観構成
図2及び図3に示すように、本実施の形態のだし汁製造装置1は、四隅の脚部11に支えられた板金製のハウジング12に各部を収納している。ハウジング12は上部ハウジング12aと下部ハウジング12bとからなり、ほぼ正立方体形状をした下部ハウジング12bに奥行き寸法が短い直方体形状の上部ハウジング12aを載せたような形状をしている。上部ハウジング12aは奥側にオフセット配置され、下部ハウジング12bの上面に空間を形成している。
貯湯タンク201はお湯HWを貯留するタンクである。ここに貯留されているお湯HWは、だし汁の抽出のために抽出タンク101に移送される。
保温タンク301は製造しただし汁を貯留するタンクである。ここに貯留されているだし汁は、必要に応じてどんぶりDなどに排出される。
ここに、抽出タンク101と保温タンク301とをだし汁移送管18を介して連絡し、抽出タンク101から保温タンク301にだし汁を移送するだし汁移送機構DTM(図2、図3参照)が構成されている。
つまり容器台20は容器Cを載せる台座20aとこれを支えるストッパ20bとからなり、これらの台座20aとストッパ20bとは、それぞれの上縁が水平軸周りに回転自在となるように下部ハウジング12bのフロントパネルに取り付けられている。
台座20a及びストッパ20bは、下部ハウジング12bのフロントパネルに沿う状態が折り畳まれた状態であり、容器台20の不使用時には折り畳まれた状態にされている。
この状態から台座20aを回転させて水平状態まで起こし、ストッパ20bを45度程度回転させて起こすと、台座20aにストッパ20bが引っ掛かり、台座20aをその状態に維持することが可能となる。この状態が容器台20の使用状態である。
電源スイッチ422はだし汁製造装置1全体の給電をオンオフするためのスイッチである。電源スイッチ422が投入されている限り、電子部品に対する必要最小限の給電が行われる。
操作表示部423は、「(3)ハードウェア構成」の項目で後述する保温用調温ユニット553(図6参照)の一部をなす部品で、保温タンク301が貯留するだし汁の温度を設定したり表示したりする。
水頭管21aは、保温タンク301の下面から上面までの高さと位置を合わせて垂直に配置された透明な管であり、保温タンク301の内部と連結している。これによって保温タンク301と水頭管21aとは水頭位置が一致し、保温タンク301に貯留されただし汁の水位が水頭管21aに示される。
ゲージ21bは、水頭管21aの水頭位置を保温タンク301が貯留するだし汁の残量に置き換えて表示するゲージである。
したがって水頭管21aの水頭位置に対応するゲージ21bの値を読み取ることで、保温タンク301が貯留するだし汁の残量を知ることができる。
ドレイン操作口22から手を伸ばすことができる下部ハウジング12bの内部位置には、排水コック23が配置されている。排水コック23は図示しないレバーを備え、このレバーを捻ることによって、保温タンク301からだし汁を排水させる。
図3及び図4に示すように、本実施の形態のだし汁製造装置1は、上部ハウジング12aに抽出タンク101を収納して保持し、下部ハウジング12bに貯湯タンク201と保温タンク301とを収納して保持している。
抽出タンク101は、前述したようにだしを抽出するためのタンクである。上部ハウジング12aの上面に設けた抽出タンク蓋13を開閉することで、抽出タンク101の上部からセット部102を出し入れすることができる。
本実施の形態では、セット部102の側壁102cを金属製の板状部材により形成し、流体(本実施の形態ではお湯HW)の流通を阻止するようにしている。つまりセット部102は上下面のみが開口し、開口する下面に流通部材102aを配置している。
そして流通部材102aをだしパックdm1によって完全に覆われる大きさに形成している。
したがって流通部材102aにだしパックdm1を載せた状態でセット部102を抽出タンク101内に配置すると、正圧室103と負圧室104とが完全に分断された状態になる。ということは、負圧室104と正圧室103との間にお湯HWを流通させると、お湯HWは必ずだしパックdm1のみを通り抜けることになる。その結果、短時間でだしパックdm1からだしを抽出することが可能となる。
セット部102が正圧室103と負圧室104とをどの程度仕切るかは、循環ポンプP1(図4等参照)のパワーやだしパックdm1の種類などの各種要因を考慮して適宜設定する。
インペラ106は抽出タンク101の外側面に固定されたモータ107に駆動されて回転し、回転することによって連絡路105の入口105aからお湯HWを吸水口106aに引き込み、吐出口106bから吐出する。したがって循環ポンプP1を作動させることで、負圧室104から正圧室103へとお湯HWを移送することができる。
図3に示すように、本実施の形態では、抽出タンク101の底面下部に抽出ヒータH1を配置し、抽出タンク101が貯留するお湯HWを外部から加熱する。図4では負圧室104の内部に抽出ヒータH1が配置されているように示しているが、これは模式的に示すものである。これに対して、だし汁温度センサTS1については図1(a)に示す一例と同様に、負圧室104の内部に配置している。
水位センサS1は、抽出タンク101に6リットルのお湯HWが貯えられると反応するセンサである(図3及び図4参照)。
水位センサS2は、抽出タンク101に12リットルのお湯HWが貯えられると反応するセンサである(図3及び図4参照)。
水位センサS3は、抽出タンク101に18リットルのお湯HWが貯えられると反応するセンサである(図3及び図4参照)。
水位センサS4は、抽出タンク101にある程度の分量のお湯HWが貯えられる反応するとセンサである。空焚き検出用に用いられる(図3参照)。
このときのだし汁弁19aの開閉は、だし移送センサS10(図6参照)によって検出される。だし移送センサS10としては、各種方式のものを用いることが可能である。例えば排出コネクタ19の内部に設けた流量センサ、だし汁排出ハンドル19bの開閉状態を検知するロータリスイッチなどをだし移送センサS10として用いることができる。
貯湯タンク201は、抽出タンク101に供給するお湯HWを貯留しておくタンクである。
水位センサS5は、貯湯タンク201に6リットル+αの水道水Wが貯えられると反応するセンサである(図3及び図4参照)。
水位センサS6は、貯湯タンク201に12リットル+αの水道水Wが貯えられると反応するセンサである(図3及び図4参照)。
水位センサS7は、貯湯タンク201に18リットル+αの水道水Wが貯えられると反応するセンサである(図3及び図4参照)。
水位センサS8は、貯湯タンク201にある程度の分量の水道水Wが貯えられる反応するとセンサである。空焚き検出用に用いられる(図3参照)。
これらの水位センサS5〜S8には、例えばフロートスイッチを用いることができる。
保温タンク301は、抽出タンク101から移送されただし汁を貯留し、保温できるようにしたタンクである。
図5に示すように、第1操作パネル401は三つの領域に区分けされている。抽出準備領域401a、抽出領域401b、そして報知部としての排だし領域401cである。
これらの報知ランプ403(6Lランプ403a,12Lランプ403b,18Lランプ403c)は、切替表示402aの「6L」「12L」「18L」の位置に対応させてそれぞれ配列され、貯湯タンク201でのお湯HWの準備状態を報知する。「(4)プログラム処理」の項目で詳しく述べるが、報知ランプ403a,403b,403cは点滅によってお湯HWが準備中であることを示し、点灯によってお湯HWの準備が整ったことを示す。
準備中であるかどうか、準備が整ったかどうかは、お湯HWの量と温度とで判断する。
だし抽出ランプ405は、スタートボタン404が投入されてだしの抽出動作中であることを点滅によって示し、だしの抽出動作が完了したことを点灯によって示す。
撹拌ランプ406は、スタートボタン404が投入されてだし汁とかえし汁との撹拌動作中であることを点滅によって示し、撹拌動作が完了したことを点灯によって示す。
ハンドル開閉表示ランプ407は、だし汁排出ハンドル19bを反時計方向に回転させてだし汁弁19aを開き、だし排出口18aからだし汁を排出させた場合、これを点滅によって示す。だし汁排出ハンドル19bを時計方向に回転させてだし汁弁19aを閉じると、ハンドル開閉表示ランプ407が消灯する。
したがって排だし領域401cは、バルブとしてのだし汁弁19aの開閉状態を報知する報知部として機能する。
だし汁製造装置1は制御部501を備え、この制御部501によって各部を制御する。
制御部501は、各種演算処理を実行して各部を集中的に制御するCPU502にROM503とRAM504とEEPROM505が接続されて構成されている。
ROM503はデータを固定的に記憶する記憶媒体で、だし汁製造のためのコンピュータプログラムを格納している。
RAM504はデータを書き換え自在に記憶する記憶媒体で、ROM503が格納するコンピュータプログラムの実行に際してワークエリアとして利用される。
EEPROM505はデータを書き換え自在に記憶してその記憶内容を保存可能な記憶媒体で、例えば、
・負圧循環方式によるだし汁の抽出動作時間、つまり循環ポンプP1の稼働時間(図8のフローチャート中のステップS217〜S218参照)
・だし汁とかえし汁との撹拌時間、つまり循環ポンプP1の稼働時間(図9のフローチャート中のステップS225〜S226参照)
などを書き換え自在に記憶する。
このような制御部501には、タイマ506が接続している。
ポンプ駆動回路511は、CPU502から送られてきた駆動信号に応じて循環ポンプP1、移送ポンプP2、及びだし注ぎ出しポンプP3を駆動する回路である。
バルブ駆動回路521は、CPU502から送られてきた駆動信号に応じて給水電磁弁V1を駆動する回路である。
センサ入力回路531は、水位センサS1〜S9及びだし移送センサS10が出力するアナログ信号を二値化してCPU502の入力ポートに入力する回路である。
先に述べたとおり、水位センサS1〜S9はそれぞれの水位に反応するセンサである。センサ入力回路531は、水位センサS1〜S9がそれぞれの水位に反応した場合、オン信号を出力するように回路を構成している。
入出力回路541は、だし注ぎ出しスイッチ412と第1操作パネル401とから取り込んだアナログ信号を二値化してCPU502の入力ポートに入力する。
調温器551aはEEPROM(図示せず)を備え、「予め決められた温度」をEEPROMに書き換え自在に記憶する。したがって調温器551aを操作することで、調温する温度をEEPROMに自由に設定することができる。
もっとも「予めきられた温度」は、抽出タンク101が貯留するお湯HW(だし汁)が沸騰に至らない温度範囲で設定される。このような温度設定のための作業はユーザに任せるわけではなく、サービスマンによって行われる。
調温器552aはEEPROM(図示せず)を備え、「予め決められた温度」をEEPROMに書き換え自在に記憶する。したがって調温器552aを操作することで、調温する温度をEEPROMに自由に設定することができる。
もっとも「予めきられた温度」は、貯湯タンク201が貯留する水道水Wが沸騰に至らない温度範囲で設定される。このような温度設定のための作業はユーザに任せるわけではなく、サービスマンによって行われる。
調温器553aには第2操作パネル421に配置された操作表示部423が接続している。操作表示部423は表示領域を備え、この表示領域にだし汁の設定温度を大きく表示し、保温タンク301が貯留しているだし汁の現在の温度を小さく表示する。操作表示部423は入力ボタンも有しており、調温するだし汁の設定温度を入力ボタンによって入力することができる。
調温器553aはEEPROM(図示せず)を備え、「予め決められた温度」、つまり入力ボタンによって入力した設定温度をEEPROMに書き換え自在に記憶する。したがって操作表示部423に設けられた入力ボタンを操作することで、調温する温度をEEPROMに自由に設定することができる。この作業は操作表示部423の入力ボタンでの作業となるため、サービスマンのみならず、ユーザにも解放されている。
制御部501は、ROM503に格納するコンピュータプログラムにしたがい、「貯湯処理」「湯移送処理」「抽出処理」「撹拌処理」「だし汁移送処理」「白だし注ぎ出し処理」「だし汁保温処理」「だし汁注ぎ出し処理」を実行する。これらの各処理のうち、「だし汁移送処理」「白だし注ぎ出し処理」以外の処理に際して、制御部501は「温度維持処理」も実行する。
この際、給水された水道水Wを貯湯用調温ユニット552の設定温度まで加熱し、貯湯タンク201に貯えられたお湯HWの温度を沸騰に至らない予め決められた温度に維持する温度維持処理も実行される。
この際、抽出タンク101に貯えられたお湯HWの温度を沸騰に至らない予め決められた温度に維持する温度維持処理も実行される。
この際、抽出タンク101に貯えられたお湯HWの温度を沸騰に至らない予め決められた温度に維持する温度維持処理も実行される。
この際、抽出タンク101に貯えられたお湯HWの温度を沸騰に至らない予め決められた温度に維持する温度維持処理も実行される。
この際、保温タンク301に貯えられただし汁の温度を予め決められた温度に維持する温度維持処理も実行される。
この際にも、保温タンク301に貯えられただし汁の温度を予め決められた温度に維持する温度維持処理が引き続き実行される。
図7のフローチャートに示すように、だし汁製造装置1の電源スイッチ422を投入すると、制御部501はイニシャライズを実行した後、給水電磁弁V1を開く(ステップS101)。これによって貯湯タンク201に水道水Wが給水される。
12リットルが選択されていると判定した場合(ステップS103のYES)、CPU502は入出力回路541に信号を与え、第1操作パネル401の抽出準備領域401aに設けた報知ランプ403のうち、12Lランプ403bを点灯させる(ステップS107)。
18リットルが選択されていると判定した場合(ステップS104のYES)、CPU502は入出力回路541に信号を与え、第1操作パネル401の抽出準備領域401aに設けた報知ランプ403のうち、18Lランプ403cを点灯させる(ステップS108)。
切替スイッチ402の切り替え状態が6リットル、12リットル、又は18リットルのいずれでもなければエラーと推定されるので、エラー処理を実行する(ステップS105)。
こうして貯湯タンク201に貯えられたお湯HWの温度を沸騰に至らない予め決められた温度に維持する温度維持処理が実行される。
12リットルが選択されていると判定した場合(ステップS112のYES)、CPU502は水位センサS6の状態を判定し、オンになったならば(ステップS115のYES)、給水電磁弁V1を閉じるようにバルブ駆動回路521に信号を与える(ステップS115)。これによって12リットル+αの分量の水道水Wが貯湯タンク201に貯留される。
18リットルが選択されていると判定した場合(ステップS113のYES)、CPU502は水位センサS7の状態を判定し、オンになったならば(ステップS116のYES)、給水電磁弁V1を閉じるようにバルブ駆動回路521に信号を与える(ステップS116)。これによって18リットル+αの分量の水道水Wが貯湯タンク201に貯留される。
切替スイッチ402の切り替え状態が6リットル、12リットル、又は18リットルのいずれでもなければエラーと推定されるので、CPU502はエラー処理を実行する(ステップS105)。
そこでCPU502は、貯湯タンク201に貯留されている水道水Wが予め決められた規定の温度になっているかどうかを判定する(ステップS118)。この処理は、貯湯用調温ユニット552から送信される、お湯HWが規定の設定温度になったかどうかの信号を受け取ることによって行われる。
これによって作業者は、お湯HWの準備が整ったことを知ることができる。
これによって貯湯タンク201には再び水道水Wが給水されて加熱され、切替スイッチ402によって選択された規定の分量のお湯HWが貯えられ、だし汁抽出の準備が整えられる。
作業者は、第1操作パネル401の報知ランプ403の状態を見ることで、お湯HWの準備が整っているかどうかを一見して知ることができる。つまり切替スイッチ402の切り替えによって選択されている分量の報知ランプ403(6Lランプ403a、12Lランプ403b、又は18Lランプ403c)が点滅から点灯に変わっていれば、お湯HWの準備が整っていることがわかる。
そこでお湯HWの準備が整っていることを確認したならば、作業者は第1操作パネル401のスタートボタン404を押下する。
図8のフローチャートに示すように、CPU502はスタートボタン404の押下有無の判定処理に待機している(ステップS201)。
この場合の稼動条件は、
(条件1)貯湯タンク201においてお湯HWの準備が整っていること
(条件2)抽出タンク101からだし汁が排出中でないこと
という二つの条件である。
したがってステップS202では、これらの二つの条件が充足されているかどうかが判定されるのである。
つまり制御部501は、図7中のステップS118の判定結果をRAM504に一時的に記憶し、これを図8のステップS202で参照するわけである。
前述したとおり、だし汁弁19aは時計回りに捻られると閉じて抽出タンク101からのだし汁の流出を抑止し、反時計回りに捻られると開いて抽出タンク101からのだし汁の流出を許可する。だし移送センサS10(図6参照)は、このようなだし汁弁19aの開閉状態を検出する。
そこで制御部501は、だし移送センサS10の出力信号に基づいてだし汁弁19aの開閉状態を判定し、だし汁弁19aが閉じられていることをもって、抽出タンク101からだし汁が排出中でないことを見極めるわけである。
つまり貯湯タンク201においてお湯HWの準備が整っていないのにも拘らずスタートボタン404が押された場合、あるいは抽出タンク101からだし汁が排出中であるにも拘らずスタートボタン404が押された場合、その操作を無効とし、だし汁の抽出動作を開始しない。
これによって貯湯タンク201に貯留されているお湯HWが移送ポンプP2に吸引され、抽出タンク101に移送される。だし汁の抽出準備が始まるわけである。
だし汁の抽出準備が始まったことは、だし抽出ランプ405の点滅によって作業者に示される。
こうして抽出タンク101に貯えられたお湯HWの温度を沸騰に至らない予め決められた温度に維持する温度維持処理が実行される。
12リットルが選択されていると判定した場合(ステップS209のYES)、CPU502は水位センサS2の状態を判定し、オンになったならば(ステップS213のYES)、移送ポンプP2の駆動を停止する(ステップS215)。これによって丁度12リットルの分量のお湯HWが貯湯タンク201に貯留される。
18リットルが選択されていると判定した場合(ステップS210のYES)、CPU502は水位センサS3の状態を判定し、オンになったならば(ステップS214のYES)、移送ポンプP2の駆動を停止する(ステップS215)。これによって丁度18リットルの分量のお湯HWが貯湯タンク201に貯留される。
切替スイッチ402の切り替え状態が6リットル、12リットル、又は18リットルのいずれでもなければエラーと推定されるので、CPU502はエラー処理を実行する(ステップS211)。
そこでCPU502は、給水許可を宣言する(ステップS216)。
するとだし汁抽出処理(図8及び図9のフローチャート)とマルチタスクで実行されている図7のフローチャートに示す貯湯処理において、CPU502は給水許可宣言ありと判定し(図7のフローチャート中のステップS120のYES)、給水電磁弁V1を開く(図7のフローチャート中のステップS121)。これによって貯湯タンク201に対する給水が再び開始され、いずれお湯HWの準備が整うことになる。
必要な分量のお湯HWが貯湯タンク201から抽出タンク101に移送されたならば(ステップS215参照)、CPU502はポンプ駆動回路511に駆動信号を出力し、循環ポンプP1を駆動する(ステップS217)。
すると抽出タンク101内のお湯HWが循環ポンプP1の吸入側に吸引されて連絡路105に吸い込まれ、循環ポンプP1の吐出側から吐き出されて正圧室103に戻される。このとき負圧室104は負圧になるので、正圧室103から負圧室104にお湯HWが流れ込む。こうして負圧室104と正圧室103との間をお湯HWが循環する。
したがって、有効成分が十分に溶け出した濃度の高いだし汁が短時間のうちに抽出される。
つまりCPU502は、循環ポンプP1を駆動してのだし汁抽出動作(ステップS217)の開始後、経過時間をタイマ506でカウントし、EEPROM505に設定されている予め決められた時間のタイムアップを監視する。そしてタイムアップを判定したならば(ステップS218のYES)、循環ポンプP1の駆動を停止する(ステップS219)。こうしてだし汁抽出動作が完了する。
そこでCPU502は、第1操作パネル401の抽出領域401bで点滅しているだし抽出ランプ405を点灯状態に状態遷移させ(ステップS220)、だし汁の抽出動作の完了を作業者に知らせる。
こうしてだし汁の抽出動作が完了し、セット部102にセットしただしパックdm1の有効成分が溶け込んだだし汁が抽出される。このときだし汁は、抽出タンク101に貯留されている。
つまり抽出タンク蓋13を開け、把手102bを掴んでセット部102を抽出タンク101から取り出す。取り出したセット部102は、例えばトレイ14の上に置いておく。そして抽出タンク101内のだし汁にかえし汁を投入し、抽出タンク蓋13を閉じる。
この際、だし汁の抽出作業を続行する場合には、セット部102をトレイ14の上に置いたまま、だしパックdm1を新しいものに交換しておくとよい。
つまりだし汁移送管18の排出口18aが保温タンク301に連絡していることを確認し、連絡していない場合には連絡させるわけである。
この作業は、第1操作パネル401の抽出領域401bに設けたスタートボタン404を押し下げることによって行う。
この作業は、一つ目の作業と二つ目の作業とを完了した後に行う。
この作業は、だし汁排出ハンドル19bを反時計方向に回転させ、排出コネクタ19のだし汁弁19aを開くことによって行う。すると抽出タンク101に貯留されているだし汁が連絡管108、排出コネクタ19、及びだし汁移送管18を通って自重で落下し、保温タンク301に移送される。
この作業は、三つ目の作業を完了した後に行う。
選択肢2を選択する場合、作業者は容器台20を用意して容器Cを載せ、だし汁移送管18の排出口18aを容器Cの上に位置付ける(図2、図3参照)。
そしてだし汁排出ハンドル19bを反時計方向に回転させ、排出コネクタ19のだし汁弁19aを開く。
すると抽出タンク101に貯留されているだし汁が連絡管108、排出コネクタ19、及びだし汁移送管18を通って自重で落下し、白だしとして容器Cに供給される。
だし汁排出ハンドル19bの開閉に応じただし汁弁19aの開閉はだし移送センサS10によって検知されるので、ステップS221の処理は、だし移送センサS10から送られる信号を参照することによって実行される。
選択肢1が選択される場合の処理の流れは次のとおりである。
これによってCPU502は、選択肢1が選択された場合の処理である「撹拌処理」「だし汁移送処理」を実行する。
CPU502はまず、第1操作パネル401の抽出領域401bで点灯しているだし抽出ランプ405を消灯する(ステップS223)。
撹拌処理という新たな段階に入るからである。
だし汁とかえし汁との攪拌中であることを作業者に知らせるためである。
すると抽出タンク101が貯留するかえし汁を投入しただし汁が循環ポンプP1の吸入側に吸引されて連絡路105に吸い込まれ、循環ポンプP1の吐出側から吐き出されて正圧室103に戻される。この動作が繰り返されることで負圧室104と正圧室103との間をだし汁が循環し、だし汁とかえし汁とが撹拌されて混合される。
そこでCPU502は、第1操作パネル401の抽出領域401bで点滅している撹拌ランプ406を点灯状態に状態遷移させ(ステップS228)、撹拌動作の完了を作業者に知らせる。
CPU502は移送センサS10の出力を参照し、だし汁排出ハンドル19bが開かれたかどうかを監視しており(ステップS229)、だし汁排出ハンドル19bが開かれたと判定すると(ステップS229のYES)、撹拌ランプ406を消灯する(ステップS230)。
だし汁移送処理という新たな段階に入るからである。
だし汁排出ハンドル19bが開いていること、正確に言うとだし汁排出ハンドル19bが反時計方向に回転してだし汁弁19aが開いていることを作業者に知らせ、だし汁排出ハンドル19bの閉じ忘れに対して注意を喚起するためである。
抽出タンク101が直に空になるため、抽出ヒータH1による空焚きを防止するためである。
選択肢2が選択される場合の処理の流れは次のとおりである。
これによってCPU502は、選択肢2が選択された場合の処理である「白だし注ぎだし処理」を実行する。
白だし注ぎ出し処理という新たな段階に入るからである。
だし汁排出ハンドル19bが開いていること、正確に言うとだし汁排出ハンドル19bが反時計方向に回転してだし汁弁19aが開いていることを作業者に知らせ、だし汁排出ハンドル19bの閉じ忘れに対して注意を喚起するためである。
抽出タンク101が直に空になるため、抽出ヒータH1による空焚きを防止するためである。
保温タンク301では、だし汁の保温と注ぎ出しとを行う。
図10のフローチャートに示すように、CPU502は保温タンク301の底部に配置したと水位センサS9の出力を参照し、保温タンク301が空なのか(水位センサS9がオフの状態)、それとも保温タンク301にだし汁が貯留されているのか(水位センサS9がオンの状態)を見極める(ステップS301)。
そこでCPU502は、調温動作中であると判定した場合(ステップS302のYES)には保温用調温ユニット553に調温停止指示を与え(ステップS303)、調温動作中ではないと判定した場合(ステップS302のNO)にはそのままステップS301の判定処理にリターンする。
そこでCPU502は調温動作中であるかないかを判定し(ステップS304)、調温動作中でないならば(ステップS304のNO)保温用調温ユニット553に調温開始指示を与えた後(ステップS305)、調温動作中であるならばそのままステップS306の処理に進む。
したがって保温タンク301にだし汁が貯留されている場合(ステップS301のYES)、だし汁の温度は保温用調温ユニット553によって調温され、操作表示部423によって入力された設定温度に維持される。
このような保温用調温ユニット553は、CPU502からの調温開始指示に応じて調温動作を開始し、調温停止指示に応じて調温動作を停止する。
つまりCPU502はステップS306で、だし注ぎ出しレバー411が押し下げられてだし注ぎ出しスイッチ412がオンになったかどうかを判定する。
CPU502は、だし注ぎ出しスイッチ412がオンであると判定すると(ステップS306のYES)、ポンプ駆動回路511に駆動信号を与え、だし注ぎ出しポンプP3を駆動する。これによって保温タンク301に貯留されているだし汁がだし注ぎ出しポンプP3に吸引され、だし注ぎ出し管302から注ぎ出される。
そこで食器置き台16にどんぶりDを置いておけば、だし注ぎ出し管302からどんぶりDにだし汁を注ぎ出すことができる。
そこでCPU502は、だし注ぎ出しスイッチ412がオフになったことを判定すると(ステップS308のYES)、だし注ぎ出しポンプP3の駆動を停止し(ステップS309)、処理を終了する。
本実施の形態によれば、前述したように、セット部102の流通部材102aに載せられだしパックdm1を何度もお湯が通過して循環するので、だしパックdm1から有効成分が十分に溶け出しただし汁を短時間のうちに抽出することができる。
この際、パックdm1よりもお湯HWの流通経路の下流側となる負圧室104に完成後のだし汁を貯留することができるので、完成しただし汁に対する灰汁(あく)の混入を防止することができる。
まただし汁の製造は密閉性の高い抽出タンク101内で行われるため、完成しただし汁から風味成分が飛んでしまいにくくなり、美味なだし汁を製造することが可能である。風味を逃がさないということに関しては、抽出タンク101に貯えたお湯HW(製造過程のだし汁)の温度が沸騰に至らない温度に維持されることも一役買っている。
しかも沸騰に至らない温度維持という温度管理は、循環ポンプP1に生ずることがあるキャビテーションの防止にも貢献している。
したがって、抽出過程でお湯HW(製造過程のだし汁)の温度を下げることなく、有効成分が十分に溶け出しただし汁を短時間で抽出することができる。
この際、第2の制御部としての抽出用調温ユニット551の調温器551aは、抽出タンク101に貯えられたお湯HW(だし汁)の設定温度を可変することができる。
したがって、例えば昆布だしなら60〜80℃、鰹だしなら90℃という具合に、だしの原料dmに適した最適な温度のお湯HWでだし汁を抽出することができ、風味が損なわれない美味なだし汁を製造することができる。
したがって、だし汁弁19aの閉め忘れを原因とする不都合の発生を防止することができる。
したがって、だし汁弁19aの閉め忘れを原因とする不都合の発生を防止することができる。
これにより、だし汁弁19a(バルブ)の開閉操作をするべきタイミングを作業者に視覚的に知らせることができ、ひいては作業者の意識をだし汁弁19aの開閉作業に向けさせ、だし汁弁19aの閉め忘れを原因とする不都合の発生を防止することができる。
したがって、だし汁の排出先を手軽に変更することができる。
そして制御部501は、スタートボタン404を押下してのだし汁抽出動作の開始指示にしたがい(図8のフローチャート中のステップS201参照)移送ポンプP2を作動させ、貯湯タンク201から正圧室103に予め決められた分量のお湯HWを移送する湯移送処理(図8のフローチャート中のステップS205参照)と、お湯HWの移送後に循環ポンプP1を作動させ、だし汁を抽出する抽出処理(図9のフローチャート中のステップS217参照)とを実行する。
したがって、抽出タンク101にお湯HWを導き入れる作業が不要となり、作業性が良好なばかりか安全性を向上させることができる。
したがって、抽出タンク101でのお湯HW(だし汁)の設定温度と貯湯タンク201での水道水W(お湯HW)の設定温度とを合わせておけば、貯湯タンク201から抽出タンク101にお湯HWを移送後、抽出タンク101でのだし汁抽出動作を速やかに完遂させ、その作業効率を高めることができる。
したがって、抽出タンク101でのお湯HW(だし汁)の設定温度が可変されたとしても、これに合わせて貯湯タンク201での水道水W(お湯HW)の設定温度を追従させることができる。
したがって、だし汁抽出動作の開始指示(図8のフローチャート中のステップS201参照)を与えるタイミングを作業者に知らせることができる。
したがって、貯湯タンク201でお湯HWの準備が整わないのにだし汁抽出動作が開始されてしまう不都合を未然に防止することができる。
したがって、貯湯タンク201では必要最小限の水を沸かすことになるので、エネルギー効率を向上させることができる。
したがって、そのときどきに応じた最適な量のだし汁を製造することができ、無駄を省くことができる。
したがって、作業者によるだし汁抽出時間の管理を要することなく、ということはつまりだし汁の製造に関する特別なノウハウを要求することなく、誰が作業を行っても最適な濃度の均質なだし汁をいつでも得ることができる。
したがって、だし汁抽出のためのメカニズム(循環ポンプP1)を利用して、だし汁とかえし汁とを撹拌することができる。
したがって、作業者による撹拌時間の管理を要することなく、だし汁とかえし汁とを十分に撹拌して混合することができる。
実施に際しては、各種の変形及び変更が可能である。
以下、いくつかの変形例を例示する。
図11に基づいて、本実施の形態のだし汁製造装置1の変形例を説明する。図1〜図10に基づいて説明した部分と同一部分は同一符号で示し、説明も省略する。
そこでセット部102には、底部のみならず側部にまでまたがって流通部材102aが設けられている。この流通部材102aは、削り節dm2をセット部102に留めておく必要性から、きわめて目が細かいものが用いられる。
図12に基づいて、本実施の形態のだし汁製造装置1の別の変形例を説明する。図1〜図10に基づいて説明した部分と同一部分は同一符号で示し、説明も省略する。
温水器251は先止め式の電気温水器であり、その排湯口252を抽出タンク101の正圧室103に連絡している。
温水器251の排湯口252と抽出タンク101の正圧室103とを連絡させているのは配管161である。配管161には移送用電磁弁V2が介在しており、温水器251から抽出タンク101へのお湯HWの移送を制御している。移送用電磁弁V2はバルブ駆動回路521に接続され、制御部501にその制御が司られる。
また温水器251とその周辺構造物に対する制御は不要となるため、制御部501は図7のフローチャートに示す処理を実行しない。
したがって、抽出タンク101にお湯HWを導き入れる作業が不要となり、作業性が良好なばかりか安全性を向上させることができる。
これによって、そのときどきに応じた最適な量のだし汁を製造することができ、無駄を省くことができる。
したがって、だし汁弁19aの閉め忘れを原因とする不都合の発生を防止することができる。
報知ランプ403による報知として、本実施の形態では、切替スイッチ402の切り替え状態によって選択された6リットル、12リットル、又は18リットルに対応する6Lランプ403a、12Lランプ403b、又は18Lランプ403cのみを点滅及び点灯させる例を示した。
図7のフローチャート中のステップS118は、制御部501のCPU502が、お湯HWが規定の設定温度になったかどうかの信号を貯湯用調温ユニット552から受け取り、貯湯タンク201に貯留されている水道水Wが予め決められた規定の温度になっているかどうかを判定する処理を例示した。
本実施の形態では、各種の機能や処理を実行するハードウェア資源として、制御部501(CPU502,ROM503,RAM504,EEPROM505)、タイマ506、抽出用調温ユニット551、貯湯用調温ユニット552、及び保温用調温ユニット553の利用を例示した。
例えば本実施の形態の場合、制御部501と第2の制御部としての調温器551aとを別の制御回路として設けたが、実施に際してはこれらを同一の制御回路によって構成するようにしてもよい。
19a・・だし汁弁(バルブ)
101・・・抽出タンク
102・・・セット部
103・・・正圧室
104・・・負圧室
105・・・連絡路
152・・・湯移送部
161・・・配管
201・・・貯湯タンク
251・・・温水器
252・・・排湯口
301・・・保温タンク
401・・・第1操作パネル(操作部、表示部)
404・・・スタートボタン(操作部)
405・・・だし抽出ランプ(報知部)
501・・・制御部
551a・・調温器(第2の制御部)
C・・・容器(別の容器)
dm・・・だしの原料
dm1・・だしパック(だしの原料)
dm2・・削り節(だしの原料)
DTM・・・だし汁移送機構
H1・・・抽出ヒータ
H2・・・水加熱ヒータ
H3・・・保温ヒータ
HW・・・お湯
P1・・・循環ポンプ
P2・・・移送ポンプ
S10・・・だし移送センサ
TS1・・・だし汁温度センサ
V2・・・移送用電磁弁
W・・・水道水(水)
Claims (8)
- 供給されたお湯を貯える抽出タンクと、
お湯の流通を自在にして前記抽出タンクに着脱自在に取り付けられて当該抽出タンクの内部を上下に仕切り、だし汁を抽出するためのだしの原料を載せるセット部と、
前記抽出タンク内における前記セット部の上方に位置する正圧室の底面と下方に位置する負圧室の側面とに隣接する房(へや)形状を有し、前記負圧室の側面に連絡する部分を入口とし、前記正圧室の底面に連絡する部分を出口として前記負圧室と前記正圧室とを連絡させる連絡路と、
中心部分に設けられた吸水口を前記入口に対面させて外周部分に備える複数個の吐出口を前記出口に対面させて前記連絡路の内部に回転自在に配置されたインペラと、前記抽出タンクの外部に配置されて前記インペラを駆動して回転させるモータとを備え、前記モータに駆動されて回転する前記インペラが前記吸水口から前記負圧室のお湯を吸引して前記吐出口から吐出することで前記正圧室に戻す循環ポンプと、
前記抽出タンクで製造されただし汁を貯える保温タンクと、
前記保温タンクに貯えられただし汁を保温する保温ヒータと、
前記抽出タンクと前記保温タンクとをだし汁移送管を介して連絡し、当該だし汁移送管に介在させたバルブの開閉に応じて前記抽出タンクから前記保温タンクにだし汁を移送するだし汁移送機構と、
前記循環ポンプ及び前記保温ヒータの作動指示を発して各部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とするだし汁製造装置。 - 前記抽出タンクに貯えられたお湯を加熱する抽出ヒータと、
前記抽出タンクに貯えられたお湯の温度を計測するだし汁温度センサと、
だし汁温度センサの計測値に応じて前記抽出ヒータを制御し、前記抽出タンクに貯えられたお湯の温度を予め決められた温度に維持する第2の制御部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のだし汁製造装置。 - 前記バルブの開閉状態を検出するだし移送センサと、
情報を報知する報知部と、
を備え、
前記制御部は、前記移送センサの出力信号から判定される前記バルブの開閉状態を前記報知部に報知させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のだし汁製造装置。 - 前記バルブの開閉状態を検出するだし移送センサと、
水を貯える貯湯タンクと、
前記貯湯タンクに貯えられた水を加熱してお湯にする水加熱ヒータと、
前記貯湯タンクに貯えられたお湯を移送ポンプの動作によって前記正圧室に移送する湯移送部と、
指示を与えるための操作部と、
を備え、
前記制御部は、前記操作部のだし汁抽出動作の開始指示にしたがい、前記だし移送センサの出力信号から判定される前記バルブの閉状態を条件に、前記移送ポンプを作動させて前記貯湯タンクから前記正圧室に予め決められた分量のお湯を移送する湯移送処理と、お湯の移送後に前記循環ポンプを作動させてだし汁を抽出する抽出処理とを実行する、
ことを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のだし汁製造装置。 - 温水器の排湯口を前記正圧室に連絡させる配管と、
前記配管に介在する移送用電磁弁と、
指示を与えるための操作部と、
を備え、
前記制御部は、前記操作部のだし汁抽出動作の開始指示にしたがい、前記だし移送センサの出力信号から判定される前記バルブの閉状態を条件に、前記移送用電磁弁を開いて前記温水器から前記正圧室に予め決められた分量のお湯を移送する湯移送処理と、お湯の移送後に前記循環ポンプを作動させてだし汁を抽出させる抽出処理とを実行する、
ことを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のだし汁製造装置。 - 前記だし汁移送管は透光性を有している、
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一に記載のだし汁製造装置。 - 前記だし汁移送管は柔軟性を有し、前記保温タンクに対して排出口が着脱自在で、だし汁の排出位置を前記保温タンクと別の容器とに変更自在である、
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一に記載のだし汁製造装置。 - 供給されたお湯を貯える抽出タンク内をお湯の流通を自在にして上下に仕切るセット部を前記抽出タンクから引き上げ、引き上げた前記セット部にだし汁を抽出するためのだしの原料を載せて前記抽出タンク内に戻す工程と、
前記抽出タンクにお湯を供給する工程と、
前記抽出タンク内における前記セット部の上方に位置する正圧室の底面と下方に位置する負圧室の側面とに隣接する房(へや)形状を有し、前記負圧室の側面に連絡する部分を入口とし、前記正圧室の底面に連絡する部分を出口として前記負圧室と前記正圧室とを連絡させる連絡路に介在し、中心部分に設けられた吸水口を前記入口に対面させて外周部分に備える複数個の吐出口を前記出口に対面させて前記連絡路の内部に回転自在に配置されたインペラを前記抽出タンクの外部に配置されたモータで駆動して回転させる循環ポンプを作動させ、前記モータに駆動されて回転する前記インペラが前記吸水口から前記負圧室のお湯を吸引して前記吐出口から吐出することで前記正圧室に戻す工程と、
前記抽出タンクとこの抽出タンクで製造されただし汁を貯える保温タンクとを連絡するだし汁移送管に介在させたバルブを開き、前記抽出タンクから前記保温タンクにだし汁を移送する工程と、
前記保温タンクに貯えられただし汁を保温ヒータで保温する工程と、
を備えることを特徴とするだし汁製造方法。
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