JP2009089732A - 飲料抽出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】抽出液が接触する壁面に、被抽出物の成分が付着して積層化するのを防ぐ飲料抽出装置を提供する。
【解決手段】排水弁24を開弁することにより、貯湯タンク11、供給路200、抽出室30及び還流路15内の抽出液を排出後、抽出室30からフィルタ800を取り出し、抽出室30に漂白系洗剤を投入する。給水弁21を開弁して貯湯タンク11に給水し、貯湯タンク11内の水位が上限水位Aになったら、給水弁21を閉弁する。ポンプ27の運転を開始すると、貯湯タンク11内の水が、供給路200、抽出室30、還流路15を流通して、再び貯湯タンク11に戻るように還流する。抽出室30内の漂白系洗剤が水に溶解して洗浄水となり、洗浄水が、貯湯タンク11、供給路200、抽出室30及び還流路15を循環する。
【選択図】図4
【解決手段】排水弁24を開弁することにより、貯湯タンク11、供給路200、抽出室30及び還流路15内の抽出液を排出後、抽出室30からフィルタ800を取り出し、抽出室30に漂白系洗剤を投入する。給水弁21を開弁して貯湯タンク11に給水し、貯湯タンク11内の水位が上限水位Aになったら、給水弁21を閉弁する。ポンプ27の運転を開始すると、貯湯タンク11内の水が、供給路200、抽出室30、還流路15を流通して、再び貯湯タンク11に戻るように還流する。抽出室30内の漂白系洗剤が水に溶解して洗浄水となり、洗浄水が、貯湯タンク11、供給路200、抽出室30及び還流路15を循環する。
【選択図】図4
Description
この発明は飲料抽出装置に係り、特に、薬草、山野草、及び茶葉等の被抽出物の成分を抽出し飲料を生成する飲料抽出装置に関する。
従来の飲料抽出装置が、例えば特許文献1に記載されている。このような飲料抽出装置において、薬草、山野草、及び茶葉等の被抽出物から飲料用の有効成分を抽出するには、一般的には、被抽出物に適した温度(約70〜90℃)の熱水中に、被抽出物を所定時間浸漬することにより行われている。被抽出物の形態は、粉体、葉体、根体、豆体など様々で、所定量ずつティーバックやフィルターバッグなどに封入されたものや、適当な大きさに裁断されて金網製の抽出容器に所定量入れられているものなどを、熱水に接触させて使用する。これら被抽出物から飲料用の有効成分を抽出する飲料抽出装置は、貯湯タンク内の所定温度の熱水を循環しながら抽出機能を発揮させ、得られた抽出液を所定温度で貯湯タンク内に保存する。貯湯タンク内の抽出液をコップ等に所定量ずつ複数回の注出を行うと、保温されていた抽出液が減少し、注出口から抽出液が出なくなることにより、注出が終了となる。その後、再度給水して抽出操作が行われる。
しかしながら、抽出操作が繰り返し行われると、被抽出物の成分が、貯湯タンクや抽出室などの抽出液が接触する壁面に付着して積層化し、加熱ヒータからの熱伝達率の低下、水循環路の閉塞、ポンプの昇圧低下、各種センサ機能の低下及び動作不良、各種バルブの詰まりなどの不具合が生じたり、積層化した成分の一部が剥離して抽出液に混入し、抽出液の品質が低下したりする問題点があった。
この発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、抽出液が接触する壁面に、被抽出物の成分が付着して積層化するのを防ぐ飲料抽出装置を提供することを目的とする。
この発明に係る飲料抽出装置は、熱水を貯留する貯湯タンクと、被抽出物を収納する抽出室と、前記貯湯タンクと前記抽出室とに接続された供給路と、前記貯湯タンクと前記抽出室とに接続された還流路とを備え、前記貯湯タンク内の前記熱水を前記供給路を介して前記抽出室に供給し、前記抽出室内において前記被抽出物と前記熱水とが接触することにより前記被抽出物の成分を前記熱水に抽出して抽出液とした後、該抽出液を前記還流路を介して前記貯湯タンク内へ供給する飲料抽出装置であって、該飲料抽出装置から前記抽出液を排出後、前記貯湯タンクに水を給水し、前記水が、前記供給路と、前記抽出室と、前記還流路とを流通して、再び前記貯湯タンクに戻るように、前記水を循環させることにより洗浄を行わせることを特徴とする。
前記水の循環中における前記貯湯タンク内の水位を、前記貯湯タンク内に前記抽出液が貯溜されているときの該抽出液の水位よりも高くしてもよい。
前記抽出室は、前記水の循環前における前記貯湯タンク内の前記水の水位よりも上方に配置され、前記洗浄終了後、前記抽出室に残留する水を前記貯湯タンクに戻して静置させてもよい。
前記水の循環中における前記貯湯タンク内の水位を、前記貯湯タンク内に前記抽出液が貯溜されているときの該抽出液の水位よりも高くしてもよい。
前記抽出室は、前記水の循環前における前記貯湯タンク内の前記水の水位よりも上方に配置され、前記洗浄終了後、前記抽出室に残留する水を前記貯湯タンクに戻して静置させてもよい。
この発明によれば、飲料抽出装置から抽出液を排出後、貯湯タンクに水を給水し、その水が、供給路と、抽出室と、還流路とを流通して、再び貯湯タンクに戻るように、水を循環させることによって洗浄するので、抽出液が接触する壁面に、被抽出物の成分が付着して積層化するのを防ぐことができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による飲料抽出装置の断面図である。図2は、図1の飲料抽出装置を示す正面図であり、正面から見たときの抽出室30の断面を示している。図1において、筐体10は、前面開口を有する箱形である。筐体10の前面上部には、筐体10の前面開口を開閉するドア体36と、ドア体36の開閉状態を検出するドアスイッチ56(図2参照)とが取り付けられている。ドア体36には、利用者によって操作される操作盤37が取り付けられている。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による飲料抽出装置の断面図である。図2は、図1の飲料抽出装置を示す正面図であり、正面から見たときの抽出室30の断面を示している。図1において、筐体10は、前面開口を有する箱形である。筐体10の前面上部には、筐体10の前面開口を開閉するドア体36と、ドア体36の開閉状態を検出するドアスイッチ56(図2参照)とが取り付けられている。ドア体36には、利用者によって操作される操作盤37が取り付けられている。
筐体10の前面下部には、断面L字状の受皿25が取り付けられている。この受皿25の上部には、断面コ字状の載置台26が配置されている。載置台26は、利用者がコップ等を置くためのものである。載置台26の上方には、出口管43が配置されている。利用者による操作盤37の操作に応じて、この出口管43から載置台26上のコップ等に飲料が注がれる。この載置台26の上面には、複数の開口26aが設けられている。受皿25は、例えばコップから溢れる等して開口26aから流れ落ちた飲料を受ける。筐体10の内部下側には、外部排水系(図示せず)に接続された排水本管23が設けられている。受皿25が受けた飲料は、排水本管23を通って外部排水系に排出される。
筐体10の背面上部には、外部水道系20が接続されている。この外部水道系20は、給水弁21及び給水管22を介して、筐体10内の金属製の貯湯タンク11に接続されている。貯湯タンク11は、上部開口の容器形状である。貯湯タンク11の上部開口は、タンク蓋体12によって覆われている。貯湯タンク11の底部11bの下面には、ヒータ17が密着固定されている。外部水道系20からの供給水は、ヒータ17により熱せられる。すなわち、貯湯タンク11内には、所定温度の熱水が貯留される。
筐体10の内部前側には、抽出室30が配置されている。貯湯タンク11の下部には、貯湯タンク11内の熱水を抽出室30に供給するための供給路200が接続されている。供給路200は、排水管14、吸入管28、ポンプ27、及び吐出管29により構成されている。排水管14の一端は、貯湯タンク11の底部11bに接続されており、他端は排水弁24を介して排水本管23に接続されている。吸入管28は、排水弁24よりも貯湯タンク11側で排水管14から分岐された配管である。すなわち、貯湯タンク11内の熱水は、排水弁24が閉弁された状態でポンプ27が作動された場合に、排水管14、吸入管28、及び吐出管29を通って、抽出室30に供給される。
抽出室30は、底部を構成する底板30bと、側部を構成する前板30e、後板30a、及び側面板30c,30d(図2参照)とからなる上部開口の容器形状である。吐出管29は、抽出室30の底板30bに接続されている。抽出室30の後板30aの上端には、抽出室蓋体31の後端が回動可能に取り付けられている。抽出室蓋体31は、抽出室30の上部開口を開閉するものであり、抽出室蓋体31が後上方へ回動されることで開放される。この抽出室蓋体31は、抽出室30の上部を構成している。なお、図示はしないが、抽出室30の上部端面、又は抽出室蓋体31の下面には、パッキンが取り付けられており、抽出室30の上部開口からの蒸気洩れが防止される。
抽出室30の下部には、平板状の誘導部材32が配置されている。この誘導部材32は、吐出管29の吐出開口端29aとの間に所定間隔を空けた位置で、吐出開口端29aの垂直上方に配置されている。誘導部材32の面積は、抽出室30の底板30bの面積より小さい。すなわち、誘導部材32と抽出室30の後板30a、側面板30c,30d、及び前板30eとの間には所定幅の隙間が形成されている。また、誘導部材32の面積は、吐出開口端29aの開口面積より大きくされている。すなわち、誘導部材32は、吐出開口端29aから吐出された熱水を周囲の隙間に向けて分散させる。なお、図示はしないが、誘導部材32は、脚部を介して底板30b上に載置してもよい。また、誘導部材32は、後板30a、底板30b、側面板30c,30dの少なくとも1つに一体に設けられてもよい。
後に詳しく説明するが、誘導部材32の上部には、例えば薬草、山野草、及び茶葉等の被抽出物を収納したフィルターバッグや抽出容器が投入される。抽出室30に熱水が供給されることで、被抽出物が熱水に浸漬されて、被抽出物から飲料用の有効成分が抽出される。抽出室30の後板30aには、底板30bから所定寸法だけ立ち上がった位置に還流路15が接続されている。還流路15の他端は、貯湯タンク11の前板11cに接続されている。この還流路15は、被抽出物から成分を抽出した抽出水を貯湯タンク11に戻すための配管である。貯湯タンク11内に戻された抽出水は、再び抽出室30に供給される。この抽出水の循環が繰り返し行われることで、抽出水すなわち飲料の濃度調整が行われる。
なお、図2に示すように、還流路15は長穴形状にされている。つまり、還流路15は、後板30aの横幅全体に延在されており、開口面積ができるだけ広くされている。これは、循環水量を多くして抽出時間を短くするため、及びメンテナンスを容易にするためである。
図1に戻り、抽出室30は、貯湯タンク11の上限水位Aよりも上方に配置されている。すなわち、抽出室30は、抽出室30内に水が供給されているときに、抽出室30内の水面が貯湯タンク11内の水面よりも高くなる位置に配置されている。これにより、ポンプ27が停止されたときには、水面の差による圧力によって、抽出室30内の殆どの水が供給路200側に戻される。従って、ポンプ27が停止されると、被抽出物の浸漬が解除されて、成分抽出が終了される。
貯湯タンク11の前板11cの下限水位B付近には、注出管16が接続されている。注出管16は、注出弁42を介して出口管43に接続されている。すなわち、注出弁42が開弁されると、貯湯タンク11内の飲料が出口管43から注ぎ出される。
タンク蓋体12には、水温検知センサ18と、水位センサ19とが取り付けられている。水温検知センサ18は、貯湯タンク11内の水温を検知するためのセンサである。水位センサ19は、ステム19a、フロート19b、ストッパ19c、上限水位スイッチ19d、及び下限水位スイッチ19eを有している。ステム19aは、貯湯タンク11の高さ方向に沿って延在している。フロート19bは、ステム19aに案内されて貯湯タンク11内の水面とともに変位する。また、フロート19bは、図示はしないが磁石を内蔵している。ストッパ19cは、ステム19aの下部に取り付けられた板である。このストッパ19cは、フロート19bの下方への変位を規制するものである。上限水位スイッチ19d及び下限水位スイッチ19eは、上限水位A付近と下限水位B付近とにそれぞれ配置されている。これら上限水位スイッチ19d及び下限水位スイッチ19eは、リードスイッチにより構成されている。すなわち、上限水位スイッチ19d及び下限水位スイッチ19eは、フロート19bが内蔵する磁石の磁力によりオン/オフされるスイッチである。上限水位スイッチ19d及び下限水位スイッチ19eは、貯湯タンク11内の水面が上限水位A又は下限水位Bに達したことを示す信号をそれぞれ出力する。
筐体10内の前側上部には、制御盤44が配置されている。制御盤44は、操作盤37、ドアスイッチ56(図2参照)、水温検知センサ18、及び水位センサ19からの信号に基づいて、給水弁21及び注出弁42の開閉とポンプ27の動作とを制御する。なお、制御盤44及び操作盤37の構成については、後に詳しく説明する。
貯湯タンク11の後板11aには、オーバーフロー管13の一端が接続されている。このオーバーフロー管13の一端は、上限水位Aよりも上方に配置されている。オーバーフロー管13の他端は、排水本管23に接続されている。オーバーフロー管13は、仮に水位センサ19、給水弁21、又は制御盤44に異常が生じて、上限水位Aを超える水が外部水道系20から供給された場合に、排水本管23を通して過剰な供給水を外部排水系に排出するための配管である。
次に、図3は、図2の抽出室30に取り付けられるフィルタ800を示す正面図である。フィルタ800は、枠体800aと、網体800bとを有している。枠体800aは、中実丸棒が円や矩形の環状に成形されたものである。網体800bは、上部開口の容器形状に、絞り加工された金属網である。網体800bは、枠体800aに固着されている。このフィルタ800は、図1及び図2に示した抽出室30内に取り付けられるものであり、被抽出物を収容するためのものである。網体800bとしては、被抽出物が通過できない細かな網目のものが採用される。
次に、図4は、図3のフィルタ800が抽出室30に取り付けられた状態を示す飲料抽出装置の断面図である。図5は、図4の抽出室30を正面から見たときの断面図である。フィルタ800は、抽出室30の上部開口端付近に設けられた掛け金具(図示せず)により吊り下げ固定されている。誘導部材32は、フィルタ800と抽出室30の底板30bとの間に配置されている。枠体800aの開口面積は、抽出室30の上部開口の面積と同程度である。すなわち、抽出室30の上部開口は、フィルタ800により塞がれている。なお、フィルタ800は、吊り下げ固定でなく、誘導部材32上に載置してもよい。誘導部材32上に載置する場合でも、抽出室30の上部開口をフィルタ800により塞ぐようにするのが好ましい。
網体800bは、抽出室30の後板30a、側面板30c,30d、及び前板30eとの間に所定幅の隙間が形成される程度の大きさに形成されている。すなわち、フィルタ800が抽出室30に取り付けられることで、抽出室30内に、網体800bの周囲の隙間と誘導部材32の下部の隙間とを含む直接連通部300と、網体800b内の空間であるフィルタ介在連通部310とが形成される。
直接連通部300は、供給路200及び還流路15に直接連通する空間である。換言すると、フィルタ800は、供給路200の吐出開口端29a及び還流路15の開口15aを覆わない(塞がない)ように配置されている。フィルタ介在連通部310は、フィルタ800を介して供給路200及び還流路15に連通する空間である。被抽出物は、このフィルタ介在連通部310内に収納される。
次に、図6は、図5のフィルタ介在連通部310内に被抽出物が収納された状態を示す説明図である。図7は、図6とは別の方法でフィルタ介在連通部310内に被抽出物を収納した例を示す説明図である。一般的に、被抽出物の形態は、粉体、葉体、根体、豆体など数多くある。そこで、フィルターバッグ802(図6参照)や、金属製の網体からなる抽出容器803(図7参照)を利用して、種々の形態の被抽出物を所定量ずつまとめて用いる。なお、抽出容器803は、下網体803aと上網体803bとから構成されている。図示はしないが、下網体803a及び上網体803bの開口端には、オス・メスのネジ体が設けられている。上網体803bは、上網体803bのネジ体が下網体803aのネジ体にねじ込まれることで、下網体803aに固定されている。すなわち、上網体803bは、下網体803aに回動係止されている。
次に、抽出室30内での水の流れについて説明する。図8は、図5の抽出室30を拡大して示す断面図である。図9は、図8の抽出室30を側方から見たときの断面図である。なお、図中の矢印は、水の流れを示している。吐出開口端29aから吐出された水は、直接連通部300を通って還流路15に向かう。すなわち、吐出開口端29aから吐出された水は、誘導部材32に衝突し、誘導部材32に沿って水平方向全周囲(360°)に向かう。水平方向に流れを変えた水は、抽出室30の後板30a、側面板30c,30d、及び前板30eに到達すると上方へ流れを変える。この後、誘導部材32と、後板30a、側面板30c,30d、及び前板30eとの間の隙間を通るとともに、網体800bの周囲の隙間を通って還流路15に向かう。すなわち、誘導部材32は、網体800bと抽出室30の後板30a、側面板30c,30d、及び前板30eとの間の直接連通部300に熱水の流れを誘導する。還流路15に到達した水は、還流路15を通って貯湯タンク11に戻される。
このとき、直接連通部300を通る水の一部は、フィルタ800を抜けてフィルタ介在連通部310内に流入する。フィルタ介在連通部310内に水が流入されると、フィルターバッグ802や抽出容器803(図6,図7参照)内の被抽出物が浸漬されて、被抽出物の成分が抽出される。
ところで、直接連通部300を通る水の流れは、層流でなく、乱流状態である。このため、フィルタ介在連通部310への水の流入及びフィルタ介在連通部310からの流出が無数の箇所で行われる。これにより、フィルターバッグ802や抽出容器803内の被抽出物が乱流水中で揺動され、成分の抽出が促進される。なお、図示はしないが、乱流を促進するための凹凸を抽出室30の後板30a、側面板30c,30d、及び前板30eに設けたり、突起程度の部材を後板30a、側面板30c,30d、及び前板30eに固着させたりすれば、さらに好適である。
ここで、フィルターバッグ802に破れが生じたり、抽出容器803が開いたりして、フィルターバッグ802及び抽出容器803から被抽出物が流出したとする。まず、網体800bとして目が細かいものが採用されているので、被抽出物のフィルタ介在連通部310外への流出は防止される。これにより、飲料の混濁が防止される。次に、フィルタ介在連通部310への水の流入及び流出が無数の箇所で行われるので、網体800bへの被抽出物の吸着及び剥離が無数の箇所で行われる。これにより、網体800bの網目全体が完全に塞がれることが防止される。さらに、供給路200からの水は、直接連通部300を通って還流路15に向かうことができるので、万が一、被抽出物が軟化し膨潤する等して網体800bの網目全体が完全に塞がれたとしても、直接連通部300での流速が速くなるだけで、抽出室30の上部開口から水(熱水)が溢れ出ることは防止される。
次に、飲料抽出装置の制御系の構成について説明する。図10は、図1の操作盤37を示す正面図である。操作盤37の前面には、運転ランプ38、準備中ランプ39、注出スイッチ40、表示パネル41が設けられている。第1運転ランプ38は、飲料抽出装置が運転状態であるか否かを示す表示ランプである。準備中ランプ39は、成分抽出動作が実施されている途中か否かを示す表示ランプである。注出スイッチ40は、載置台26(図1参照)上のコップ等に飲料を注ぐための操作スイッチである。
ここで、被抽出物の種類は、例えば薬草、山野草、及び茶葉等、数多くある。一般に、成分抽出は、それぞれの被抽出物に適した温度及び時間で行われる。表示パネル41としては、例えば液晶タッチパネル等が用いられ、利用者に被抽出物の種類を決定させるためのものである。すなわち、表示パネル41は、種類別に被抽出物の例を表示する。また、表示パネル41は、利用者により選択された被抽出物の種類を示す信号を出力する。
次に、図11は、図1の制御盤44を示す正面図である。制御盤44の前面には、電源スイッチ45、洗浄スイッチ130、洗浄ランプ132、保存スイッチ131、保存ランプ133、抽出スイッチ48、抽出ランプ49、抽出温度設定手段50、抽出温度表示部51、抽出時間設定手段52、抽出時間表示部53、保存温度設定手段54、保存温度表示部55、注出時間設定手段59、注出時間表示部60が設けられている。
電源スイッチ45は、電源投入のための操作スイッチである。洗浄ランプ132は、洗浄スイッチ130と連動して動作する表示ランプであり、保存ランプ133は、保存スイッチ131と連動して動作する表示ランプである。
抽出スイッチ48は、抽出動作を開始させるための操作スイッチである。抽出ランプ49は、成分抽出動作が行われているか否かを示す表示ランプであり、抽出スイッチ48と連動して動作する。抽出温度設定手段50は、成分抽出の温度を手動で設定するための操作部であり、約40〜95℃の範囲で設定できる。抽出温度表示部51は、表示パネル41で選択された被抽出物に対応する抽出温度、又は抽出温度設定手段50で変更された抽出温度を表示する表示部である。抽出時間設定手段52は、成分抽出の時間を手動で設定するための操作部であり、数分〜数十分の範囲で設定できる。抽出時間表示部53は、表示パネル41で選択された被抽出物に対応する抽出時間、又は抽出時間設定手段52で変更された抽出時間を表示する表示部である。
保存温度設定手段54は、成分抽出後の飲料の保存温度を手動で設定するための操作部である。保存温度表示部55は、表示パネル41で選択された被抽出物に対応する保存温度、又は保存温度設定手段54で変更された保存温度を表示する表示部である。
注出時間設定手段59は、コップ等の大きさに応じて注出弁42(図1参照)の開弁時間を設定するための操作部である。注出時間表示部60は、注出時間設定手段59で設定された注出弁42の開弁時間を表示する表示部である。
次に、図12は、図11の制御盤44に内蔵されている制御装置58を示すブロック図である。図において、表示パネル41には、タッチパネル部分である種別設定操作部41aと、被抽出物の種類等の情報を表示する表示部41bとを有している。制御装置58は、制御盤44に内蔵されている制御ユニットである。
制御装置58の入力側には、表示パネル41の種別設定操作部41a、電源スイッチ45、洗浄スイッチ130、保存スイッチ131、ドアスイッチ56、抽出スイッチ48、上限水位スイッチ19d、下限水位スイッチ19e、水温検知センサ18、注出スイッチ40、抽出温度設定手段50、抽出時間設定手段52、保存温度設定手段54、及び注出時間設定手段59が接続されている。
制御装置58の出力側には、表示パネル41の表示部41b、運転ランプ38、準備中ランプ39、抽出ランプ49、洗浄ランプ132、保存ランプ133、給水弁21、注出弁42、ヒータ17、ポンプ27、抽出温度表示部51、抽出時間表示部53、保存温度表示部55、及び注出時間表示部60が接続されている。
制御装置58は、マイクロコンピュータ58a、メモリ58b、及びタイマ58cを内蔵している。メモリ58bは、プログラム等の情報を記憶している。マイクロコンピュータ58aは、入力側から入力される情報と、メモリ58bの情報と、タイマ58cの情報とに基づいて、出力側の表示部41b等の動作を制御する。
次に、制御装置58の制御による飲料抽出装置の動作について説明する。図13は、図12の制御装置58の制御による飲料抽出装置の動作を示すフローチャートである。図14は、図13の続きの動作を示すフローチャートである。図15は、図13中の「洗浄工程」のフローチャートであり、図16は、図14及び15中の「排水工程」のフローチャートである。電源スイッチ45がオンにされると(ステップS1)、設定処理動作が行われる(ステップS2)。すなわち、表示パネル41の表示部41bに種類別の被抽出物の例が表示される。このとき、利用者は、被抽出物を収納したフィルターバッグ802や抽出容器803をフィルタ介在連通部310内に投入するとともに、種別設定操作部41aを用いて被抽出物の種類選択を行う。種別設定操作部41aを用いての被抽出物の種類選択が行われると、選択された被抽出物の種類を示す信号が種別設定操作部41aから制御装置58に入力される。被抽出物の種類を示す信号が入力されると、制御装置58では、被抽出物の種類に応じた抽出温度、抽出時間、及び保存温度がメモリ58bからそれぞれ取得される。また、取得された抽出温度、抽出時間、及び保存温度が抽出温度表示部51、抽出時間表示部53、及び保存温度表示部55にそれぞれ表示される。これ以降、利用者による抽出温度設定手段50、抽出時間設定手段52、及び保存温度設定手段54の操作が有れば、抽出温度、抽出時間、及び保存温度がそれぞれ変更される。
設定処理動作が行われた後に、運転ランプ38が点灯され(ステップS3)、準備中ランプ39が点灯される(ステップS4)。次に、ステップS5に進んで、抽出スイッチ48がオンかオフかを判定する。ステップS5においてオンと判定された場合には、抽出ランプ49を点灯する(ステップS9)。ここで、抽出スイッチ48がオンにされるのは、新たに抽出操作をするときである。抽出操作は、抽出室蓋体31を開き、被抽出物が入れられたフィルターバッグ802を所定数だけフィルタ800内に収納して抽出室蓋体31を閉じておく。この操作は、電源スイッチ45がオンにされた後であれば適時行われ、抽出スイッチ48がオンにされたのをマイクロコンピュータ58aが記憶している。尚、フィルターバッグ802に代えて抽出容器803を使用するときは、貯湯タンク11内に残留抽出液がない状態にして運転を開始した初回の抽出であれば、大きい抽出容器に被抽出物を所定量入れて使用し、2回目以降の抽出であれば、小さい抽出容器に被抽出物を入れて使用する。一方、ステップS5においてオフと判定された場合には、ステップS6に進んで、洗浄スイッチ130がオンかオフかを判定する。ステップS6においてオンと判定された場合には、ステップS8の洗浄工程を開始する。尚、ステップS8の洗浄工程については、後述する。ここで、洗浄スイッチ130がオンにされるのは、貯湯タンク11及び水回路に被抽出物の抽出成分が付着したとき、水道水の含有成分が付着したとき、種類の異なる被抽出物の抽出操作をするときなどである。一方、ステップS6においてオフと判定された場合には、ステップS7に進んで、保存スイッチ131がオンかオフかを判定する。ステップS7においてオフと判定された場合には、ステップS5に戻る。一方、ステップS7においてオンと判定された場合には、後述するステップS19に進む。尚、ステップS7においてオンとなるのは、貯湯タンク11に抽出液が貯留されていて、保存時間以内のときに電源スイッチ45がオフにされて、再度飲用に供されるときである。
ステップS9において抽出ランプ49が点灯した後、ステップS10に進んで、上限水位スイッチ19dがオンかオフか、すなわち貯湯タンク11内の水位が上限水位に達したか否かを制御装置58により判定する。ステップS10においてオフと判定された場合には、給水弁21が開弁されて、貯湯タンク11内に水が供給される(ステップS11)。一方、上限水位スイッチ19dがオンと判定された場合には、給水弁21が閉弁されて(ステップS12)、給水動作(ステップS10〜S12)を終了する。
給水動作が終了すると、水温検知センサ18により検知された水温が抽出設定温度に達しているか否かを制御装置58により判定する(ステップS13)。水温が抽出設定温度に達していないと判定された場合には、ヒータ17がオンにされて貯湯タンク11内の水が加熱される(ステップS14)。一方、水温が抽出設定温度に達していると判定された場合には、ヒータ17がオフにされて(ステップS15)、加熱動作(ステップS13〜S15)を終了する。
加熱動作が終了すると、ポンプ27がオンにされるとともに抽出時間の計時が開始され(ステップS16)、計時されている抽出時間が抽出設定時間に達したか否かが判定される(ステップS17)。
このとき、ポンプ27がオンにされることで、貯湯タンク11内の水が、排水管14、吸入管28を通ってポンプ27に吸入される。ポンプ27で加圧された水は、吐出管29から抽出室30内に吐出されるとともに、誘導部材32に衝突されて、網体800bの周囲の直接連通部300に誘導される。水位が上昇すると、被抽出物が熱水に浸漬されて成分が抽出される。このときの水の流れは乱流状態であり、フィルタ介在連通部310への水の流入及びフィルタ介在連通部310からの流出が無数の箇所で行われる。これにより、フィルターバッグ802や抽出容器803内の被抽出物が乱流水中で揺動され、成分の抽出が促進される。さらに水位が上昇した水は、還流路15から貯湯タンク11に戻されて、再びポンプ27に吸入され、吐出管29から抽出室30内に吐出される。この水の循環が行われることで、被抽出物から抽出される成分の濃度が徐々に高まる。そして、計時されている抽出時間が抽出設定時間に達したときに成分濃度が最適となる。
ステップS17において、計時されている抽出時間が抽出設定時間に達したと判定されると、ポンプ27がオフされるとともに抽出時間の計時が終了され(ステップS18)、成分抽出動作(ステップS16〜S18)を終了する。
このとき、抽出室30内の水面が貯湯タンク11内の水面よりも高くなる位置に抽出室30が配置されているので、抽出室30内に残留していた水は、吐出開口端29aから、吐出管29、ポンプ27、吸入管28、及び排水管14を通って、貯湯タンク11に戻る。これにより、被抽出物の浸漬が解除されて、これ以上の成分抽出はなくなる。
ここで、成分抽出動作中に、フィルターバッグ802及び抽出容器803から被抽出物が流出したとしても、フィルタ800の作用によって、被抽出物のフィルタ介在連通部310外への流出は防止され、飲料の混濁が防止される。また、フィルタ介在連通部310への水の流入及び流出が無数の箇所で行われることで、網体800bの網目全体が完全に塞がれることが防止される。さらに、万が一、被抽出物により網体800bの網目全体が完全に塞がれたとしても、水の流れは直接連通部300を通って還流路15に向かうので、抽出室30の上部開口から熱水が溢れ出ることは防止される。
成分抽出動作が終了した後またはステップS7において保存スイッチ131がオンであると判定された後、抽出ランプ49及び準備中ランプ39が消灯され、保存ランプ133が点灯されて、保存時間の計時が開始される(ステップS19)。続いてステップS20に進み、注出スイッチ40がオンかオフかを制御装置58により判定する。ステップS20においてオフと判定された場合については、後述する。一方、オンと判定された場合には、注出弁42が開弁されて飲料の注出が行われ(ステップS21)、飲料を注出している時間が注出設定時間に達したか否かを制御装置58により判定し(ステップS22)、注出設定時間に達したと判定された場合には、注出弁42が閉弁されて飲料の注出を終了する(ステップS23)。
飲料の注出を終了すると、下限水位スイッチ19eがオンかオフかを制御装置58により判定し(ステップS24)、オフと判定された場合には、飲料の量がまだ十分に有ることが検出され、保存時間が保存設定時間に達したか否かを判定する(ステップS25)。保存時間が保存設定時間に達していないと判定された場合には、ステップS20に戻り、注出スイッチ40がオンかオフかを再度判定する。尚、ステップS24及びステップS25のそれぞれにおいてオンと判定された場合については、後述する。
ステップS20において、注出スイッチ40がオフと判定された場合には、水温検知センサ18により検知された水温が保存設定温度よりも低いか否かを制御装置58により判定する(ステップS26)。このとき、検知水温が保存設定温度よりも低いと判定されると、ヒータ17がオンにされて貯湯タンク11内の飲料が温められる(ステップS27)。一方、検知水温が保存設定温度よりも低くないと判定された場合には、ヒータ17がオフにされて、貯湯タンク11内の飲料が自然放熱される(ステップS28)。なお、この動作説明では、抽出設定温度と保存設定温度とが同程度であるという前提で説明しており、成分抽出動作が終了した直後に飲料を注出できるように説明している。しかしながら、抽出設定温度と保存設定温度とが大きく異なる場合もある。この場合、検知温度が保存設定温度になるまで準備中ランプ39を点灯しておき、検知温度が保存設定温度になった後に飲料を注出できるようにしてもよい。また、検知温度が保存設定温度よりも高い又は低いということを表示部41bに表示し、通常よりも熱い又は冷たいということを利用者が認識できるように構成していれば、この動作説明と同様に成分抽出動作が終了した直後に飲料を注出できるにしていてもよい。
これに対して、飲料の注出によって貯湯タンク11内の水位が下がることにより、ステップS24において下限水位スイッチ19eがオンと判定された場合には、表示部41bに注出終了が表示され、保存時間の計時が終了され、保存ランプ133が消灯されて(ステップS29)、ステップS4に戻る。
また、ステップS25において、保存時間が保存設定時間に達したと判定されたときには、表示部41bに保存終了が表示され、保存時間の計時が終了され、保存ランプ133が消灯されて(ステップS30)、後述する排水工程を行う(ステップS31)。その後、表示部41bに表示された保存終了が消灯されて(ステップS32)、ステップS4に戻る。
次に、図15に基づいて、ステップS8の洗浄工程について説明する。
ステップS6において洗浄スイッチ130がオンであると判定されると、洗浄ランプ132を点灯して(ステップS101)、貯湯タンク11、供給路200、抽出室30及び還流路15内に残留している抽出液を排水する排水工程が開始される(ステップS102)。尚、排水工程については、後述する。排水工程の終了後、抽出室30からフィルタ800を取り出し、次亜塩素酸ナトリウム、界面活性剤、水酸化ナトリウムなどの成分を含有した漂白系洗剤を、抽出室30に投入する(ステップS103)。このときの漂白系洗剤の投入量は、例えば、貯湯タンク11の貯水量が5リットルならば漂白系洗剤量は約50ミリリットルである。
ステップS6において洗浄スイッチ130がオンであると判定されると、洗浄ランプ132を点灯して(ステップS101)、貯湯タンク11、供給路200、抽出室30及び還流路15内に残留している抽出液を排水する排水工程が開始される(ステップS102)。尚、排水工程については、後述する。排水工程の終了後、抽出室30からフィルタ800を取り出し、次亜塩素酸ナトリウム、界面活性剤、水酸化ナトリウムなどの成分を含有した漂白系洗剤を、抽出室30に投入する(ステップS103)。このときの漂白系洗剤の投入量は、例えば、貯湯タンク11の貯水量が5リットルならば漂白系洗剤量は約50ミリリットルである。
次に、上限水位スイッチ19dがオンかオフかを判定し(ステップS104)、オフと判定された場合には、給水弁21を開弁することにより(ステップS105)、貯湯タンク11への給水を開始する。貯湯タンク11の水位が上昇するに従いフロート19bが上昇して、所定の上限水位Aに到達すると、ステップS104において上限水位スイッチ19dがオンと判定され、給水弁21が閉弁される(ステップS106)。
このようにして、貯湯タンク11内に所定量(上限水位A)の水が給水されると、ポンプ27が運転を開始するとともに洗浄時間の計時を開始する(ステップS107)。ポンプ27が運転を開始することにより、貯湯タンク11内の水が抽出室30に供給されて、漂白系洗剤を溶解して洗浄水となり、還流路15から貯湯タンク11内に戻る循環が繰り返される。しばらくすると、貯湯タンク11内の水及び水回路内の水は全て、漂白系洗剤が溶解した洗浄水となって、各壁面に付着した被抽出物の成分を分解除去する。また、ポンプ27が運転を開始すると、抽出室30に供給された分だけ貯湯タンク11内の水位が低下して水位Cとなる(図1参照)。
続いて、ステップS108に進んで、計時されている洗浄時間が洗浄設定時間(例えば、30分〜1時間の範囲)を経過したか否かを判定する。洗浄設定時間を経過したと判定されると、ポンプ27の運転を停止するとともに洗浄時間の計時を停止し(ステップS109)、再び排水工程が開始され(ステップS110)、洗浄水が排水される。尚、洗浄時間が洗浄設定時間を経過する頃には、各壁面に付着した被抽出物の成分のほとんどは、分解除去されている。
排水工程が終了すると、洗浄ランプ132を消灯するとともに図示しないすすぎランプを点灯し(ステップS111)、給水弁21が開弁されて(ステップS112)、貯湯タンク11に給水が開始される。貯湯タンク11内の水位が上昇するに従いフロート19bが上昇し、上限水位Aに到達したか否か、すなわち、上限水位スイッチ19dがオンかオフかを判定する(ステップS113)。オンと判定されると、ポンプ27の運転を開始するとともにすすぎ時間の計時を開始する(ステップS114)。このとき、給水弁21から継続して給水が行われているので、上限水位Aよりも上方に水位が上昇し、ついにはオーバーフロー管13から排水本管23を介して排水され始める。この排水が始まると、すすぎ水に希釈された漂白系洗剤の濃度が徐々に低くなり、やがて測定機器で検出できなくなる。また、上限水位Aよりも上方に水位が上昇することにより、抽出運転時や洗浄運転時に水跳ねなどで上限水位Aよりも上方に付着した抽出水や洗剤が洗い流される。すすぎ設定時間は貯湯タンク11の大きさによって異なるが、大抵約数分である。計時されているすすぎ時間がこのすすぎ設定時間を経過したか否かを判定し(ステップS115)、すすぎ設定時間を経過したと判定すると、ポンプ27の運転を停止するとともにすすぎ時間の計時を停止し(ステップS116)、給水弁21が閉弁される(ステップS117)。その後、さらに排水工程を行い(ステップS118)、貯湯タンク11内の貯溜水がなくなると、すすぎランプを消灯する(ステップS119)。
次に、図16に基づいて、ステップS31、S102、S110及びS118の排水工程について説明する。
排水工程が開始されると、まず排水弁24が開弁されるとともに排水時間の計時が開始され(ステップS201)、貯湯タンク11に貯留されている水が排水され始める。続いて、ステップS202に進んで、計時されている排水時間が排水設定時間を経過しているか否かを判定し、排水設定時間が経過していると判定されると、排水弁24を閉弁するとともに排水時間の計時を終了し(ステップS203)、排水工程を終了する。尚、このフローチャートは、排水弁24が電磁式のものである場合に限られ、排水弁24が手動式のものにあっては、手動で排水弁24を開閉することにより排水を行う。また、電源スイッチ45がオンされる前や、抽出スイッチ48、洗浄スイッチ130及び保存スイッチ131がオンされる前に排水弁24が開弁されて排水が行われた後に排水弁24が閉弁されている場合には、排水工程での排水弁24の開閉を省略してもよい。ただし、図示しないランプやブザーで排水の報知をしたり、排水終了のスイッチを設けておきこのスイッチが押されると次の工程に進むようにしたりすれば、なお好適である。
排水工程が開始されると、まず排水弁24が開弁されるとともに排水時間の計時が開始され(ステップS201)、貯湯タンク11に貯留されている水が排水され始める。続いて、ステップS202に進んで、計時されている排水時間が排水設定時間を経過しているか否かを判定し、排水設定時間が経過していると判定されると、排水弁24を閉弁するとともに排水時間の計時を終了し(ステップS203)、排水工程を終了する。尚、このフローチャートは、排水弁24が電磁式のものである場合に限られ、排水弁24が手動式のものにあっては、手動で排水弁24を開閉することにより排水を行う。また、電源スイッチ45がオンされる前や、抽出スイッチ48、洗浄スイッチ130及び保存スイッチ131がオンされる前に排水弁24が開弁されて排水が行われた後に排水弁24が閉弁されている場合には、排水工程での排水弁24の開閉を省略してもよい。ただし、図示しないランプやブザーで排水の報知をしたり、排水終了のスイッチを設けておきこのスイッチが押されると次の工程に進むようにしたりすれば、なお好適である。
このように、洗浄スイッチ130を押すと、飲料抽出装置から抽出液を排出後、抽出室30に洗剤を投入するとともに貯湯タンク11内の水位が上限水位Aとなるまで貯湯タンク11に水を給水し、その水が、供給路200と、抽出室30と、還流路15とを流通して、再び貯湯タンク11に戻るように、ポンプ27がその水を循環させることにより、洗剤を含んだ水が循環して被抽出物の成分を分解除去するので、抽出液が接触する壁面に、被抽出物の成分が付着して積層化するのを防ぐことができる。
実施の形態1では、洗浄工程のステップS103において、抽出室30に洗剤を投入しているが、この工程は必ずしも必要ではない。水道水を循環することによっても、水道水中の塩素成分によって洗浄効果を得ることができる。また、水道水の代わりに、電解生成装置によって生成した殺菌作用のある酸性水を使用してもよい。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2に係る飲料抽出装置を説明する。尚、以下の実施の形態において、図1〜14の参照符号と同一の符号は、同一又は同様な構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
この実施の形態2に係る飲料抽出装置は、洗浄工程中の一部の工程を変更したものであり、その構成及び洗浄工程以外の動作については、実施の形態1と同じである。
次に、この発明の実施の形態2に係る飲料抽出装置を説明する。尚、以下の実施の形態において、図1〜14の参照符号と同一の符号は、同一又は同様な構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
この実施の形態2に係る飲料抽出装置は、洗浄工程中の一部の工程を変更したものであり、その構成及び洗浄工程以外の動作については、実施の形態1と同じである。
図17に基づいて、実施の形態2に係る飲料抽出装置の動作中の洗浄工程について説明する。
洗浄工程の開始後、ステップS121〜S125までは、実施の形態1のステップS101〜S105と同じである。ステップS124においてオンと判定された場合には、ポンプ27が運転を開始するとともに洗浄時間の計時を開始する(ステップS126)。ポンプ27の運転を開始してから所定時間経過後、抽出室30に供給された分だけ貯湯タンク11内の水位が低下するが、その後再び水位が上昇してから、上限水位スイッチ19dがオンかオフかを判定し(ステップS127)、オンと判定されたら、給水弁21が閉弁される(ステップS128)。これにより、洗浄水の循環中、貯湯タンク11内の水位が上限水位Aに保たれる。その後のステップS129〜S140は、実施の形態1のステップS108〜S119と同じである。このように、洗浄水の循環中も貯湯タンク11内の水位が上限水位Aになるように、洗浄水の循環開始後も貯湯タンク11への給水を行うことにより、貯湯タンク11内の壁面のうち上限水位A以下の部分について確実に、付着した被抽出物の成分を分解除去することができる。
洗浄工程の開始後、ステップS121〜S125までは、実施の形態1のステップS101〜S105と同じである。ステップS124においてオンと判定された場合には、ポンプ27が運転を開始するとともに洗浄時間の計時を開始する(ステップS126)。ポンプ27の運転を開始してから所定時間経過後、抽出室30に供給された分だけ貯湯タンク11内の水位が低下するが、その後再び水位が上昇してから、上限水位スイッチ19dがオンかオフかを判定し(ステップS127)、オンと判定されたら、給水弁21が閉弁される(ステップS128)。これにより、洗浄水の循環中、貯湯タンク11内の水位が上限水位Aに保たれる。その後のステップS129〜S140は、実施の形態1のステップS108〜S119と同じである。このように、洗浄水の循環中も貯湯タンク11内の水位が上限水位Aになるように、洗浄水の循環開始後も貯湯タンク11への給水を行うことにより、貯湯タンク11内の壁面のうち上限水位A以下の部分について確実に、付着した被抽出物の成分を分解除去することができる。
実施の形態2では、ポンプ27の運転開始後も貯湯タンク11への給水を継続しているが、このような形態に限定するものではない。ポンプ27の運転開始前まで給水を行って貯湯タンク11内の水位を上限水位Aよりも高くし、ポンプ27の運転開始によって抽出室30への供給分だけ水位が下がることにより上限水位Aになるようにしてもよい。
実施の形態3.
この実施の形態3に係る飲料抽出装置も、洗浄工程中の一部の工程を変更したものであり、その構成及び洗浄工程以外の動作については、実施の形態1と同じである。
この実施の形態3に係る飲料抽出装置も、洗浄工程中の一部の工程を変更したものであり、その構成及び洗浄工程以外の動作については、実施の形態1と同じである。
図18に基づいて、実施の形態3に係る飲料抽出装置の動作中の洗浄工程について説明する。
洗浄工程の開始後ステップS151〜S156までは、実施の形態1のステップS101〜S106と同じである。ステップS151〜S156により貯湯タンク11内の水位が上限水位Aとなるように貯湯タンク11に水が給水されると、ポンプ27が運転を開始するとともに第1洗浄時間の計時を開始する(ステップS157)。ポンプ27が運転を開始することにより、貯湯タンク11内の水が抽出室30に供給されて、漂白系洗剤を溶解して洗浄水となり、還流路15から貯湯タンク11内に戻る循環が繰り返される。しばらくすると、貯湯タンク11内の水及び水回路内の水は全て、漂白系洗剤が溶解した洗浄水となって、各壁面に付着した被抽出物の成分を分解除去する。また、ポンプ27が運転を開始すると、貯湯タンク11内の水位が低下して水位Cとなる。
洗浄工程の開始後ステップS151〜S156までは、実施の形態1のステップS101〜S106と同じである。ステップS151〜S156により貯湯タンク11内の水位が上限水位Aとなるように貯湯タンク11に水が給水されると、ポンプ27が運転を開始するとともに第1洗浄時間の計時を開始する(ステップS157)。ポンプ27が運転を開始することにより、貯湯タンク11内の水が抽出室30に供給されて、漂白系洗剤を溶解して洗浄水となり、還流路15から貯湯タンク11内に戻る循環が繰り返される。しばらくすると、貯湯タンク11内の水及び水回路内の水は全て、漂白系洗剤が溶解した洗浄水となって、各壁面に付着した被抽出物の成分を分解除去する。また、ポンプ27が運転を開始すると、貯湯タンク11内の水位が低下して水位Cとなる。
続いて、ステップS158に進んで、計時されている第1洗浄時間が第1洗浄設定時間(例えば、15分)を経過したか否かを判定する。第1洗浄設定時間を経過したと判定されると、ポンプ27の運転を停止し、第1洗浄時間の計時を停止するとともに第2洗浄時間の計時を開始する(ステップS159)。尚、第1洗浄時間が第1洗浄設定時間を経過する頃には、供給路200、抽出室30及び還流路15の壁面に付着した被抽出物の成分のほとんどは、分解除去されている。貯湯タンク11については、洗浄水の循環中、貯湯タンク11内の水位は水位Cに保たれているので、水位C以下の壁面は、付着した被抽出物の成分のほとんどが分解除去されているものの、水位Cより上の壁面については、十分に分解除去が行われていない。しかし、ポンプ27の運転が停止すると、水面の差による圧力によって、抽出室30内の洗浄水が供給路200を介して貯湯タンク11内に戻ることにより、貯湯タンク11内の水位は上限水位Aになる。貯湯タンク11の壁面について、水位Cから上限水位Aまでの部分は、この時点から洗浄水によって、付着した被抽出物の成分の分解除去が始まる。
次に、ステップS160に進んで、計時されている第2洗浄時間が第2洗浄設定時間(例えば、30分)を経過したか否かを判定する。第2洗浄設定時間を経過したと判定されると、第2洗浄時間の計時を停止する(ステップS161)。尚、第2洗浄時間が第2洗浄設定時間を経過する頃には、貯湯タンク11の壁面のうち水位Cから上限水位Aまでの部分は、付着した被抽出物の成分のほとんどが分解除去されている。その後のステップS162〜S171は、実施の形態1のステップS110〜S119と同じである。
このように、洗剤が溶解した水(洗浄水)が、ポンプ27によって、供給路200と、抽出室30と、還流路15とを流通して、再び貯湯タンク11に戻るように循環する間、貯湯タンク11内の水位は水位Cに保たれるので、供給路200、抽出室30及び還流路15の壁面と、貯湯タンク11内の壁面のうち水位C以下の部分とについて、付着した被抽出物の成分を分解除去することができる。その後、ポンプ27を停止すると、抽出室30に残留する洗浄水が貯湯タンク11に戻り、貯湯タンク11内の水位が上限水位Aとなる。この状態で静置させることにより、貯湯タンク11内の壁面のうち水位Cから上限水位Aまでの部分について、付着した被抽出物の成分を分解除去することができる。従って、貯湯タンク11内の壁面のうち上限水位A以下の部分について確実に、付着した被抽出物の成分を分解除去することができる。
実施の形態1〜3において、各種設定時間や各種容量について具体的数値を記載したが、それらに限定するものではない。各種設定時間や各種容量は、飲料抽出装置の大きさ等によって、適宜設定することができる。
11 貯湯タンク、15 還流路、30 抽出室、30b 底板(抽出室30の底部)、200 供給路。
Claims (3)
- 熱水を貯溜する貯湯タンクと、
被抽出物を収納する抽出室と、
前記貯湯タンクと前記抽出室とに接続された供給路と、
前記貯湯タンクと前記抽出室とに接続された還流路と
を備え、
前記貯湯タンク内の前記熱水を前記供給路を介して前記抽出室に供給し、前記抽出室内において前記被抽出物と前記熱水とが接触することにより前記被抽出物の成分を前記熱水に抽出して抽出液とした後、該抽出液を前記還流路を介して前記貯湯タンク内へ供給する飲料抽出装置であって、
該飲料抽出装置から前記抽出液を排出後、前記貯湯タンクに水を給水し、前記水が、前記供給路と、前記抽出室と、前記還流路とを流通して、再び前記貯湯タンクに戻るように、前記水を循環させることにより洗浄を行わせることを特徴とする飲料抽出装置。 - 前記水の循環中における前記貯湯タンク内の水位が、前記貯湯タンク内に前記抽出液が貯溜されているときの該抽出液の水位よりも高いことを特徴とする、請求項1に記載の飲料抽出装置。
- 前記抽出室は、前記水の循環前における前記貯湯タンク内の前記水の水位よりも上方に配置され、
前記洗浄終了後、前記抽出室に残留する水を前記貯湯タンクに戻して静置させることを特徴とする、請求項1に記載の飲料抽出装置。
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