JP5995467B2 - 昇降装置、搬送装置、搬送方法、搬送プログラム及び記録媒体 - Google Patents
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この昇降機構によれば、モータを正逆回転させることで、可動部材をボールねじに沿って鉛直方向に上下動させることができ、この可動部材の上下動を利用して昇降対象物を昇降させることが可能となる。
更には、上記昇降装置を備える搬送装置、その搬送方法、搬送プログラム、及び該プログラムが記録された記録媒体を提供することである。
(1)本発明に係る昇降装置は、搬送路に沿って搬送させられる昇降対象物を、その搬送路から搬送方向とは異なる特定方向に沿って持ち上げる昇降機構を具備する昇降装置であって、前記昇降機構は、回転運動するカム体を備え、このカム体の回転運動により前記特定方向に直線的に変位して、前記昇降対象物に当接した後に該昇降対象物を持ち上げ、前記カム体は、前記昇降対象物への前記当接時における前記昇降機構の変位速度が、前記昇降対象物の持ち上げ中の少なくとも一時期における変位速度よりも遅くなるように形成されていることを特徴とする。
特に、昇降装置によって高速な持ち上げが可能であるので、効率の良い昇降対象物の搬送を行える。また、昇降装置によって、所望する高さに精度良く昇降対象物を持ち上げることができるので、上記処理を確実に行い易い。
<搬送装置の構成>
図1に示すように、本実施形態の搬送装置1は、昇降対象物Wを搬送路Rに沿って矢印方向に搬送させる搬送体2と、該搬送体2によって搬送させられている昇降対象物Wを、その搬送路Rから上下方向(特定方向)L1に沿って持ち上げるリフタ装置(昇降装置)3と、これらを総合的に制御する制御部4と、を備えている。
そして、制御部4は、その動作の一例として、例えばCPUが記録媒体4aに記憶される本発明における搬送プログラムを読み出し実行することにより、後述する本発明における搬送工程及び持ち上げ工程を実行している。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、上記可搬媒体に限られず、コンピュータシステム(OSや周辺機器等のハードウェアを含むものをいう)に内蔵されるハードディスク等の記憶部であっても良い。
更に、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでも良い。
以下、リフタ装置3について、詳細に説明する。
リフタ装置3は、図1〜図4に示すように、昇降対象物Wを支持する支持プレート(支持体)11を有し、上下方向L1に沿って移動可能に配設された昇降部材10と、この昇降部材10を移動可能に保持する保持部材12と、回転運動する板カム(カム体)13と、昇降部材10と板カム13とを機械的に連結させると共に、板カム13の回転運動を昇降部材10の直線運動に切り替えるリンク機構14と、を備えた昇降機構5を具備している。
この支持プレート11は、昇降対象物Wに対して平行に配設されており、その上端面は平面視長方形状に形成された持ち上げ面11aとして機能する。この際、支持プレート11の左右方向L3の長さは、一対の搬送体2間の間隔よりも短い長さとされている。これにより、一対の搬送体2上に支持されている昇降対象物Wに対して下方から接近し、持ち上げ面11aを一旦昇降対象物Wに当接させた後、該昇降対象物Wを持ち上げることが可能とされている。
これにより、持ち上げ面11aの当接時、昇降対象物Wは支持プレート11に対して前後方向L2及び左右方向L3に位置決めされる。
円筒部12a内には、例えば図示しない転動体が組み込まれており、挿通されたシャフト20を低騒音且つ低摩擦で上下方向L1に案内することが可能とされている。これにより、昇降部材10は、上下方向L1以外の方向に対するがたつき等が抑制された状態で、上下方向L1に移動可能に保持されている。
つまり、昇降部材10の最下降位置P2は、円筒部12aと支持プレート11との接触によって規定されるのではなく、板カム13の回転角度によって規定されている。
そして、回転円板31の下方には、該回転円板31の外周縁部を左右方向L3から挟み込むように回転検出センサ32が配設されている。この回転検出センサ32は、下端壁部26bに固定され、板カム13の下方を通過した後に上方に折曲された折曲プレート33によって支持されている。そして、この回転検出センサ32は、例えば切欠孔31aを通じて回転円板31を通過する図示しない検出光の受光状態に基づいて、板カム13の回転基準位置を検出している。
第2アーム部40bは、支持プレート11の下方に向けて延びており、その先端部にはカムフォロワ46が取付けられている。
そのため、回転レバー40は、第2アーム部40bが下方に移動するような回転付勢力を受けており、それによって第1アーム部40aに取付けられたカムフォロワ45のローラ部45aが板カム13の外周面に対して常時押し付けられている。
さらに、このコイルバネ42によって支持プレート11が常時下方に付勢されることによって、外部からの振動による支持プレート11とカムフォロワ46とのガタツキを防止することができ、支持プレート11とカムフォロワ46との追従性が向上することとなる。また、コイルバネ42の適用数を増減させたり、コイルバネ42のバネ定数を適宜変更したりして、このガタツキの防止や追従性の向上をさらに効果的にすることもできる。
また、この板カム13は、昇降対象物Wの持ち上げ後、変位速度を段階的に変化させながら昇降部材10を持ち上げ完了位置P1(最上昇位置)まで移動させるように形成されていると共に、持ち上げ完了位置P1に達する手前の変位速度が昇降対象物Wへの当接時における変位速度以下となるように外形形成されている。
この板カム13は、図2に示すように、支持プレート11が最下降位置P2に位置している場合では、回転角度が0度(回転基準位置)に位置している。そして、この位置を起点として、板カム13がモータ部30の駆動により回転軸線Oを中心としてCW方向に回転することで、支持プレート11が上方に持ち上がり、図5に示すように、回転角度が90度の位置に達すると支持プレート11が昇降対象物Wに当接する。そして、図6に示すように、板カム13がさらにCW方向に回転し、回転角度が235度の位置に達すると支持プレート11が持ち上げ完了位置P1に位置する。
具体的には、板カム13の外周面(軌道面)のうち、回転レバー40の第1アーム部40aに取付けられたカムフォロワ45のローラ部45aが接する部分の形状が、以下のように設計されている。
(a)回転角度が0度〜20度の範囲においては、上記距離Hが20mmとされた円弧形状とされている。
(b)回転角度が20度〜80度の範囲においては、上記距離Hが20mmから漸次大きくなって25mmに達するような湾曲形状とされている。
(c)回転角度が上記90度を挟んだ前後10度の範囲、即ち80度〜100度の範囲においては、上記距離Hが25mmとされた円弧形状とされている。
(d)回転角度が100度〜220度の範囲においては、上記距離Hが25mmから漸次大きくなって45mmに達するような湾曲形状とされている。
(e)回転角度が上記235度の前後15度の範囲、即ち220度〜250度の範囲においては、上記距離Hが45mmとされた円弧形状とされている。
(f)回転角度が250度〜360度(0度)の範囲においては、上記距離Hが45mmから漸次小さくなって20mmに達するような湾曲形状とされている。
次に、上記のように構成された搬送装置1により、昇降対象物Wを途中で持ち上げながら搬送する場合について説明する。
なお、初期状態としては、昇降対象物Wが搬送体2上に載置され、リフタ装置3よりも搬送方向の上流側に位置しているものとする。また、リフタ装置3の支持プレート11は、図2に示すように、最下降位置P2に位置しており、板カム13は回転角度が0度の状態とされている。
具体的には、モータ部30を同一速度で駆動させて、板カム13を図2に示すCW方向に回転させる。すると、図8に示すように板カム13の回転角度が20度を越えると上記距離Hが漸次大きくなるので、第1アーム部40aが板カム13によって押圧され、第2アーム部40bが上方に移動するように回転レバー40が回転する。すると、この第2アーム部40bからの力は、ブロック体41を介して昇降部材10に伝わるので、該昇降部材10を上方に直線的に変位させて、支持プレート11を上昇させることができる。
この際、本実施形態では、板カム13をさらにCW方向に回転させるのではなく、回転角度が235度に達した時点で、制御部4がモータ部30を一旦停止させた後、逆回転させて板カム13を反対方向(CCW方向)に回転させる。これにより、板カム13の回転角度が再び90度に達し、昇降対象物Wを搬送体2上に受け渡すことができる。
なお、昇降対象物Wの受け渡し後、制御部4は板カム13の回転角度が0度に達するまで回転させ、回転角度が0度になった時点でモータ部30を停止させる。これにより、支持プレート11は、再び最下降位置P2に位置し、次ぎの持ち上げ工程に向けて待機状態に移行する。
しかも、この当接時における昇降機構5の変位速度が、持ち上げ途中の少なくとも一時期における変位速度よりも遅くなるように板カム13が形成されている。つまり、板カム13の回転角度が90度を挟んで前後10度の範囲、即ち80度〜100度の範囲においては、上記距離Hが25mmとされた円弧形状とされている。従って、モータ部30の速度が同じであっても、当接時及びその前後段階で、昇降部材10の変位速度を遅くすることができる。
その一方、上記当接前の段階、即ち板カム13の回転角度が20度〜80度の範囲では、上記間隔Hが傾きK1で大きくなるように形成されていると共に、当接後の段階、即ち、板カム13の回転角度が100度〜220度の範囲では、上記間隔Hがさらに急峻な傾きK2で大きくなるように形成されている。そのため、モータ部30の速度が同じであっても、昇降部材10を高速に変位させることができ、全体としては高速な持ち上げを行うことが可能である。
よって、昇降対象物Wを位置ずれさせることなく、持ち上げ完了位置P1にて該昇降対象物Wへの各種処理を正確に行うことができる。
従って、モータ部30の停止精度に依存していた従来のものとは異なり、所望する高さに精度良く昇降対象物Wを持ち上げて、高精度な位置決めを行うことができる。
但し、上記実施形態のように、リンク機構14を介して昇降部材10と板カム13とを連結することが好ましい。こうすることで、両者を離間して配置することが可能となり、位置関係の制約がなくなり、設計の自由度を向上することができるうえ、装置全体のコンパクト化を図り易い。
本実施形態では、上述したように、昇降対象物Wに対して衝撃等を与えることなく、該昇降対象物Wをゆっくりと、また、飛び跳ね等を抑制しながら安定して持ち上げることができるため、かかる昇降対象物Wとしては、表面実装タイプ(チップ型)の抵抗、LED、コンデンサ等の微細な電子部品や、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems )技術を適用して製造された超微細機械要素部品、センサ、アクチュエータ、電子回路等の搬送(持ち上げ)において、より効果を奏するものである。
S…昇降位置
W…昇降対象物
L1…上下方向(特定方向)
P1…持ち上げ完了位置
1…搬送装置
2…搬送体
3…リフタ装置(昇降装置)
4…制御部
4a…記録媒体
5…昇降機構
10…昇降部材
11…支持プレート(支持体)
13…板カム(カム体)
14…リンク機構
Claims (8)
- 支持体によって支持される昇降対象物が搬送路に沿って搬送させられ、その搬送路から搬送方向とは異なる特定方向に沿って持ち上げる昇降機構を具備する昇降装置であって、
前記昇降機構は、
回転運動するカム体を備え、このカム体の回転運動により前記特定方向に直線的に変位して、前記昇降対象物に当接した後に該昇降対象物を持ち上げ、
前記カム体は、
前記昇降対象物への前記当接時における前記昇降機構の変位速度が、前記昇降対象物の持ち上げ中の少なくとも一時期における変位速度よりも遅くなるように形成され、
前記支持体は、前記特定方向とは反対方向である下方に、付勢部材により付勢されており、
前記昇降機構は、
前記支持体を有し、前記カム体の回転に伴って前記特定方向に沿って移動可能に配設された昇降部材と、
前記昇降部材を移動可能に保持する保持部材と、
前記昇降部材と前記カム体とを機械的に連結させると共に、前記カム体の回転運動を前記昇降部材の直線運動に切り替えるリンク機構を備えることを特徴とする昇降装置。 - 請求項1に記載の昇降装置において、
前記カム体は、
前記昇降対象物の持ち上げ後、変位速度を段階的に変化させながら前記昇降機構を持ち上げ完了位置まで移動させるように形成されていると共に、持ち上げ完了位置に達する手前の変位速度が前記昇降対象物への当接時における変位速度以下となるように形成されていることを特徴とする昇降装置。 - 請求項1又は2に記載の昇降装置において、
前記リンク機構は、
第1アーム部及び第2アーム部を有する回転レバーと、
前記支持体に取付けられ、前記第2アーム部の先端部に取付けられたカムフォロワのローラ部を回転自在とさせた状態で上下方向から挟み込む一対の対向板を有しているブロック体と、を備え、
前記第1アーム部の先端部に取付けられたカムフォロワのローラ部が前記カム体の外周面に接しており、
前記ブロック体は回転レバーの回転に伴って第2アーム部に押圧されることにより、上下方向に変位させられることを特徴とする昇降装置。 - 請求項1乃至3の何れか1項に記載の昇降装置において、
前記カム体は、板カムとされていることを特徴とする昇降装置。 - 請求項1に記載の昇降装置と、
前記昇降対象物を前記搬送路に沿って搬送させる搬送体と、を備えていることを特徴とする搬送装置。 - 請求項5に記載の搬送装置を利用した搬送方法であって、
前記搬送体により昇降対象物を前記搬送路に沿って搬送させると共に、該搬送路における昇降位置で一旦停止させる搬送工程と、
前記昇降機構を作動させ、前記昇降位置に停止させられている前記昇降対象物を前記特定方向に沿って持ち上げる持ち上げ工程と、を備えていることを特徴とする搬送方法。 - 請求項5に記載の搬送装置のコンピュータに、
前記搬送体により昇降対象物を前記搬送路に沿って搬送させると共に、該搬送路における昇降位置で一旦停止させる搬送工程と、
前記昇降機構を作動させ、前記昇降位置に停止させられている前記昇降対象物を前記特定方向に沿って持ち上げる持ち上げ工程と、
を実行させることを特徴とする搬送プログラム。 - コンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、請求項7に記載の搬送プログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体。
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