JP4132790B2 - 昇降装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、物体を載置して昇降させる昇降装置に関し、特に、種々のワークを保持したパレット等を載置して所定の高さまで持ち上げ位置決めして保持する昇降装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
生産設備等において適用される従来の昇降装置としては、例えば、特開平9−286523号公報、特開2000−53244号公報等に開示されたものが知られている。これらの公報に開示の昇降装置は、物体を載置する昇降テーブル(荷台)に設けたカムフォロワ、カムフォロワにカム作用を及ぼす円盤状のカム部材、カム部材を駆動するモータ等を備え、モータによりカム部材を回転させることで、カムフォロワを介して昇降テーブルを鉛直方向に昇降させるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の昇降装置においては、モータによりカム部材を回転させて、カムフォロワが上死点に達したところで停止させることにより、最も高い位置に物体を持ち上げることができる。
しかしながら、上死点は点であるが故に、例え高精度な検知センサ等を用いても、迅速な動作でカム部材を上死点の位置にて確実に停止させるのは困難であり、一方、確実に上死点の位置で停止させようとすると、例えば、モータの回転を遅くして徐々に上死点に近づけるようなきめ細かな制御が必要になり、迅速な上昇動作を行うことができない。
【0004】
また、一度上昇させた後再び下降させる際に、昇降テーブルを移動自在に案内するガイド機構等において、相対的に移動する界面にてスティック、かじり等を生じると、カム部材が下降動作を行っても、それに追従して昇降テーブルが降下せず、昇降機能が停止してしまう。
さらに、従来のカム部材において、カム部材だけで直接荷重を支持できる停止位置すなわち圧力角が0度となる停止位置は、上死点に対応する一ヶ所のみであり、エアシリンダ、油圧シリンダ等の如く任意ないしは複数の位置で停止させることができない。
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、簡略な構造にて、所定の上昇位置に確実に位置決めでき、又、カム部材の下降動作に対してカムフォロワを確実に追従させることができ、さらに、高さの異なる複数の上昇位置にて停止させることができる昇降装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の昇降装置は、荷重を受ける昇降テーブルと昇降テーブルを上下方向に移動自在に案内するベースと、ベースに支持されて水平方向に伸長する回転軸と、昇降テーブルにおいて回転軸よりも上方位置に設けられたカムフォロワと、回転軸に固定されて昇降テーブルを下降停止位置と上昇停止位置との間で昇降させるべくカムフォロワにカム作用を及ぼすリフト用カム部材と、回転軸に回転駆動力を及ぼす駆動源とを備えた昇降装置であって、上記昇降テーブルは、回転軸よりも下方位置に設けられた係合部を有し、上記リフト用カム部材は、昇降テーブルを,一方向への回転により上昇停止位置に上昇させかつ逆方向への回転により下降停止位置に下降させるべくカムフォロワに下側から当接するリフト用のカム面と、逆方向への回転に追従して昇降テーブルが下降しないときに係合部に係合して下向きの復帰力を及ぼす復帰用のカム面とを有する、ことを特徴としている。
この構成によれば、駆動源によりリフト用カム部材が一方向に回転し、リフト用のカム面がカム作用を及ぼし、カムフォロワを介して昇降テーブルが上昇して所定の上昇停止位置に至ると、駆動源が止められて昇降テーブルが停止する。一方、駆動源によりリフト用カム部材が逆方向に回転し、リフト用のカム面がカム作用を及ぼし、カムフォロワを介して昇降テーブルが下降して所定の下降停止位置に至ると、駆動源が止められて昇降テーブルが停止する。
この下降動作において、昇降テーブルを案内するガイド機構等においてスティック、かじり等の現象を生じ、リフト用カム部材の逆方向への回転に追従して昇降テーブルが下降しないとき、復帰用のカム面が係合部に係合して下向きに押し下げる復帰力を及ぼすため、昇降テーブルは途中で停止することなく確実に下降停止位置に復帰することができ、昇降機能が維持される。
ここでは、昇降テーブルを下降停止位置に復帰させる復帰手段として、昇降テーブルに係合部を設け、リフト用カム部材に復帰用のカム面を設けて復帰用のカム部材としての役割を兼ねさせる構成を採用したことにより、構造の簡略化、装置の簡略化、部品点数の削減、軽量化、低コスト化を達成でき、特に、カム作用により下向きの復帰力を及ぼすだけであるため、例えば、リターンスプリング等を採用した場合に生じる上昇動作の際の負荷等もなく、確実に復帰動作を行わせることができる。
【0007】
上記構成において、復帰用のカム面は、係合部が係合し得る直線部と、直線部に連続して形成され係合部が係合し得る曲線部とを含む、構成を採用できる。
この構成によれば、リフト用カム部材の逆方向への回転に追従して昇降テーブルが下降しない場合、復帰用カム面の直線部が係合部に係合してカム作用を及ぼし、下向きに押し下げる衝撃力としての復帰力を与え、又、昇降テーブルが途中まで下降して停止した場合でも、直線部の後半領域あるいは直線部に連続する曲線部が係合部に係合してカム作用を及ぼし、同様に下向きの復帰力を与えることができる。
【0008】
上記構成において、リフト用のカム面は、カムフォロワに対してカム作用を及ぼす曲線部と、曲線部に連続して形成され上昇停止位置に対応するカム高さが所定の角度範囲に亘って形成された同一高さ部とを含む、構成を採用できる。
この構成によれば、リフト用カム部材には、曲線部に連続して同一高さ部が形成されているため、カムフォロワがこの同一高さ部の領域内に留まる限り、昇降テーブルは所定の上昇停止位置に確実に停止させられる。すなわち、駆動源の制御を高精度に行わなくても、所定の高さの位置に高精度に位置決めすることができる。
【0009】
上記構成において、昇降テーブルは、荷重物が載置される上板部と、上板部の両側に形成された両側の側壁部とを含み、リフト用カム部材は、両側の側壁部に沿ってそれぞれ配置され、両側の側壁部には、その上方側面においてカムフォロワがそれぞれ設けられ、その下方側面において係合部を画定するシャフトがそれぞれ設けられている、構成を採用できる。
この構成によれば、昇降テーブルは、その両側において、二つのリフト用カム部材により昇降駆動され、又、下降動作時に停止した場合は、それぞれのリフト用カム部材に設けられた復帰用のカム面がそれぞれ係合部としてのシャフトに係合して下向きの復帰動作が行われる。これにより、昇降テーブルはより確実に昇降動作を行うことができる
【0010】
上記構成において、リフト用カム部材は、高さの異なる複数の同一高さ部を有する、構成を採用できる。
この構成によれば、リフト用カム部材を、それぞれの同一高さ部の領域にてカムフォロワが留まるように停止させることで、昇降テーブルをそれぞれの上昇停止位置に停止させることができる。すなわち、高精度にて多点停止を行わせることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1ないし図7は、本発明に係る昇降装置の一実施形態を示すものであり、図1は正面図、図2は側面図、図3は上面図、図4はリフト用カム部材を示す平面図、図5はカムリフト線図、図6は昇降動作の状態図、図7は復帰手段の動作説明図である。
【0012】
この昇降装置は、図1ないし図3に示すように、荷重を受ける昇降テーブル10、昇降テーブル10を上下方向において移動自在に案内するベース20、昇降テーブル10に回動自在に取り付けられた二つのカムフォロワ30、ベース20に支持されて水平方向に伸長する回転軸40、回転軸40に固定された二つのリフト用カム部材50、回転軸40に回転駆動力を及ぼす駆動源としてのギヤモータ60等を備えている。
【0013】
昇降テーブル10は、図1ないし図3に示すように、ワークあるいはワークを担持するパレット等の荷重物を載置する略矩形形状の上板部11、両側の側壁部12、後方の後壁部13等により形成されている。側壁部12は、回転軸40を逃げるように切り欠かれた略コ字状をなし、上方の両外側面には、ローラタイプのカムフォロワ30が回動自在に取り付けられている。後壁部13の背面には、後述するガイド23aに連結される連結部13aが形成されている。
また、側壁部12の下方両外側面には、復帰手段の一部をなす係合部としての円柱状のシャフト12aが、水平方向に伸長するように固着されている。
【0014】
ベース20は、図1ないし図3に示すように、設置の際の土台となる基部21、両側の側壁部22、後方の後壁部23等により形成されている。側壁部22の略中央領域には、前方に向けて開口する切り欠き部22aが形成され、この領域から回転軸40の組み付けが行えるようになっている。
側壁部22には、図1及び図3に示すように、切り欠き部22aの外側の領域に軸受部22bが固着され、軸受部22bにより、回転軸40が水平方向に伸長した状態で回動自在に支持されている。
【0015】
後壁部23の前面には、図1及び図3に示すように、上下方向に伸長する凸状断面の二つのガイド23aが形成されており、二つのガイド23aに対して凹状断面をなす連結部13aが嵌合されることで、昇降テーブル10は上下方向に移動自在に案内される。すなわち、ガイド23a、連結部13aにより、昇降テーブル10を上下方向に案内するガイド機構が形成されている。
側壁部22の一方には、図1に示すように、ブラケット24が結合されており、ブラケット24によりギヤモータ60が固定されている。
【0016】
駆動源としてのギヤモータ60は、減速用の歯車列を内蔵するものであり、特に高荷重(例えば、数トンの高負荷)が加わった場合においても、確実に回転軸40に回転駆動力を伝達するものである。ここで、駆動源としては、ブレーキ付のギヤモータ、あるいは、微調整が可能なサーボモータ等であってもよい。これらのモータを採用すると、回転軸40すなわちリフト用カム部材50を、所望の角度位置にて、容易に停止させることができる。
【0017】
リフト用カム部材50は、図1ないし図3に示すように、後述するカム面51がカムフォロワ30に下側から当接して、回転に伴なってカムフォロワ30にカム作用を及ぼすものである。また、回転軸40及びリフト用カム部材50とカムフォロワ30とは、回転軸中心Cと、カム面51とカムフォロワ30とが接触する点(線)Pとが常に鉛直線上に並ぶように配置されている。
したがって、圧力角が0度の角度位置、すなわち、カムフォロワ30の回転中心を通る鉛直線とリフト用カム部材50のカム面51の法線とが一致する角度位置では、荷重による回転モーメントが生じないため、リフト用カム部材50は、ギヤモータ60等により保持力が与えられなくとも、直接高荷重を支えることができる。
【0018】
リフト用カム部材50は、図4に示すように、外周面にリフト用のカム部としてのカム面51を有し、又、カム面51に連続して形成され復帰手段の一部として機能するカム面52を有する。また、回転の中心となる部分には、回転軸40が嵌合される切り欠き部53が形成され、その周りには回転軸40のフランジ部に連結するためのボルト孔54、位置決め孔55等が形成されている。
【0019】
リフト用カム部材50のカム面51は、図4及び図5に示すように、基礎円部51a、変形正弦曲線部51b、同一高さ部51c等により形成されている。
基礎円部51aは、カムフォロワ30に対してカム作用を及ぼさない領域であり、昇降テーブル10が最も下降して停止する下降停止位置に対応している。
変形正弦曲線部51bは、回転に伴ないカムフォロワ30に対してカム作用を及ぼし、昇降テーブル10を徐々に押し上げていく領域であり、この領域の始め(P1から後の所定領域)と終わり(P2より手前の所定領域)に緩和曲線を設けて、昇降テーブル10の始動と停止を緩やかにすることができる。
【0020】
同一高さ部51cは、図4及び図5に示すように、所定の角度範囲θに亘って、回転中心Cからの半径がR、すなわち、領域(P2〜P3)全体が同一のカム高さHt(最大リフト量)に形成されている。したがって、同一高さ部51c(領域P2〜P3)は、カムフォロワ30に対してカム作用を及ぼさず、昇降テーブル10が最も上昇して停止する上昇停止位置に対応している。
ここで、角度θとしては、例えば、最大リフト量が100mm〜200mm程度の場合に、10度〜20度の範囲で選定される。尚、形状等の制約が無い限り、角度θとして20度以上の角度を選定してもよい。
【0021】
この構成により、カムフォロワ30が同一高さ部51cの領域に留まる限り、昇降テーブル10は一定の上昇停止位置に保持されることになる。換言すれば、リフト用カム部材50が、カムフォロワ30に対して、同一高さ部51cの領域で停止するように制御されれば、昇降テーブル10は必ず同一の高さまで持ち上げられて停止することになる。
このように、リフト用カム部材50のカム面51に対して、所定の角度範囲をもつ同一高さ部51cを設けたことにより、ギヤモータ60の停止タイミングをそれ程高精度に行わなくても、昇降テーブル10を所定の高さの位置(予め定められた上昇停止位置)に高精度に位置決めすることができる。
【0022】
図4に示すように、リフト用カム部材50の他の外周面に形成されたカム面52は、切り欠き部53の近傍に形成された直線部52a、直線部52aと同一高さ部51cとの間に形成された曲線部52bとにより形成されている。
すなわち、カム面52が形成されたリフト用カム部材50は、昇降テーブル10を上昇停止位置から下降停止位置に復帰させる際に、シャフト12aと協働して昇降テーブル10に復帰力を及ぼす復帰手段としての復帰用カム部材を兼ねるものである。
【0023】
したがって、リフト用カム部材50が逆回りに回転し、昇降テーブル10を降下させる際に、昇降テーブル10を案内するガイド機構等においてスティック、かじり等の現象が生じて昇降テーブル10が降下しない場合、リフト用カム部材50のカム面52における直線部52aが、シャフト12aに係合しつつカム作用を及ぼして、昇降テーブル10を強制的に押し下げ、昇降テーブル10に下向きの復帰力を与える。
【0024】
このように、復帰手段を設けたことにより、リフト用カム部材50の下降動作に伴なって、昇降テーブル10は確実に下降停止位置に復帰することができ、所期の昇降機能が維持される。また、復帰手段をシャフト12a及びカム面52により形成したことにより、装置の構造が簡略化される。さらに、復帰用カム部材としてリフト用カム部材50を兼用したことにより、構造がさらに簡略化され、部品点数の削減、軽量化、低コスト化等を行うことができる。
【0025】
尚、ここでは、復帰用カム部材をリフト用カム部材50で兼用したが、別個に専用の復帰用カム部材を設ける構成を採用してもよい。この場合、リフト用のカム面51を設定する際の自由度が増加し、又、復帰用のカム面を設定する際の自由度も増加する。
【0026】
次に、この昇降装置がワーク(あるいはパレット)等を搬送する搬送ラインに設置された場合の動作について、図6及び図7を参照しつつ説明する。尚、昇降装置においては、その他に、ワーク(あるいはパレット)を停止させるストッパ、種々の制御を司る制御部、昇降装置を作動させる際のタイミングを検知する検知センサ(いずれも不図示)等が設けられている。
【0027】
先ず、ワーク(あるいはワークを載せたパレット)Wが搬送ラインLにより搬送されてきて、図6(a)に示すように、下降停止位置にある昇降テーブル10(上板部11)上に位置すると、ストッパに衝突して停止する。
と同時に、検知センサからの出力信号に基づいて、制御部がギヤモータ60を駆動させて回転軸40に回転駆動力が伝達され、リフト用カム部材50は図6(a)中の時計回り(R1方向)に回転し始めて、カムフォロワ30にカム作用を及ぼす。これにより、昇降テーブル10は、ベース20のガイド23aに案内されて上昇し始める。
【0028】
そして、リフト用カム部材50の回転に伴なって、昇降テーブル10は上昇を続け、カム面51の同一高さ部51cの領域がカムフォロワ30に当接するに至った時点で、検知センサの出力信号あるいは制御部での演算結果等に基づいて、制御部がギヤモータ60の駆動を停止する。このとき、昇降テーブル10は、図6(b)に示すように、最も高い位置に持ち上げられた上昇停止位置に位置している。
【0029】
ここで、リフト用カム部材50には、上昇停止位置に対応するカム面51cが、所定の角度範囲θに亘って同一のカム高さ(Ht)となっているため、カムフォロワ30がこの範囲と接触するようにリフト用カム部材50が停止する限り、昇降テーブル10は同一の上昇停止位置に高精度に位置決めされて停止する。
したがって、ギヤモータ60の停止のタイミングがそれ程高精度に制御されなくても、昇降テーブル10を所定の高さの位置に高精度に位置決めすることができる。
【0030】
続いて、この上昇停止位置に持ち上げられたワークWは、例えば、他の処理ラインに移送される。その後、再び制御部がギヤモータ60を駆動して回転軸40を逆回りに回転させる。これにより、リフト用カム部材50は、図6(b)中において反時計回り(R2方向)に回転し始め下降動作を開始する。
このとき、ガイド機構(ガイド23a、連結部13a)等においてスティック、かじり等を生じなければ、昇降テーブル10の自重により、カムフォロワ30はカム面51に追従して、昇降テーブル10は徐々に下降し始める。
そして、図6(a)に示すように、カム面51の基礎円部51aがカムフォロワ30に当接するに至った時点で、制御部がギヤモータ60の駆動を停止する。これにより、昇降テーブル10が下降停止位置に復帰することになる。
【0031】
一方、図6(b)に示す上昇停止位置にある状態から、リフト用カム部材50が反時計回り(R2方向)に回転し始めて昇降テーブル10が下降動作を開始する際に、ガイド機構(ガイド23a、連結部13a)等においてスティック、かじり等が生じて昇降テーブル10が下降しない場合がある。このとき、図7に示すように、リフト用カム部材50のみが回転することにより、そのカム面52の直線部52aが、昇降テーブル10に設けられたシャフト12aに係合してカム作用を及ぼし、下向きに押し下げる復帰力を与えることになる。この復帰力は、昇降テーブル10に対して衝撃力として作用するため、スティック、かじり等の現象が強制的に解除されて、昇降テーブル10は下降を始める。
【0032】
その後、カムフォロワ30がリフト用カム部材50のカム面51に接触した後は、リフト用カム部材50の回転に追従して、昇降テーブル10は徐々に下降し始める。そして、図6(a)に示すように、カム面51の基礎円部51aがカムフォロワ30に当接するに至った時点で、制御部がギヤモータ60の駆動を停止し、昇降テーブル10は下降停止位置に復帰させられる。
尚、昇降テーブル10が、途中まで下降して停止した場合でも、カム面52の領域で、直線部52aの後半領域あるいは曲線部52bがシャフト12aに係合してカム作用を及ぼし、同様に下向きの復帰力を与える。
【0033】
このように、昇降テーブル10を強制的に復帰させる復帰手段を設けたことにより、昇降機能が断たれることなく確実に維持されて、ギヤモータ60、回転軸40、リフト用カム部材50の正逆の回転に伴なって、昇降テーブル10は、下降停止位置と上昇停止位置との間を昇降させられる。
【0034】
図8及び図9は、本発明の昇降装置の一部を構成するリフト用カム部材の他の実施形態を示すものであり、図8は平面図、図9はカムリフト線図である。
この実施形態に係るリフト用カム部材500は、図8に示すように、外周面にリフト用のカム部としてのカム面501を有し、又、カム面501に連続して形成され復帰手段の一部として機能するカム面502を有する。また、回転の中心となる部分には、回転軸40が嵌合される切り欠き部503が形成され、その周りには回転軸40のフランジ部に連結するためのボルト孔504、位置決め孔505等が形成されている。
【0035】
リフト用カム部材500のカム面501は、図8に示すように、基礎円部501a、変形正弦曲線部501b、第1の同一高さ部501c、変形正弦曲線部501d、第2の同一高さ部501e、変形正弦曲線部501f、第3の同一高さ部501g等により形成されている。
【0036】
基礎円部501aは、カムフォロワ30に対してカム作用を及ぼさない領域であり、昇降テーブル10が最も下降して停止する下降停止位置に対応している。
変形正弦曲線部501b,501d,501fは、回転に伴ないカムフォロワ30に対してカム作用を及ぼし、昇降テーブル10を徐々に押し上げていく領域であり、これらの領域の始め(P1,P3,P5から後の所定領域)と終わり(P2,P4,P6より手前の所定領域)に緩和曲線を設けて、昇降テーブル10の始動と停止を緩やかにすることができる。
【0037】
同一高さ部501c,501e,501gは、図8及び図9に示すように、所定の角度範囲θ1,θ2,θ3に亘って、回転中心Cからの半径がR1,R2,R3、すなわち、領域(P2〜P3)全体が同一のカム高さH1(第1のリフト量)、領域(P4〜P5)全体が同一のカム高さH2(第2のリフト量)、領域(P6〜P7)全体が同一のカム高さH3(第3のリフト量)に形成されている。
【0038】
したがって、これら同一高さ部501c,501e,501gは、カムフォロワ30に対してカム作用を及ぼさない。また、それぞれの領域にカムフォロワ30があるとき、昇降テーブル10は、第1の上昇停止位置、第2の上昇停止位置、及び第3の上昇停止位置(最も上昇した停止位置)にそれぞれ対応して位置付けられる。
ここで、角度θ1,θ2,θ3としては、例えば、リフト量が50mm〜200mm程度の場合に、10度〜20度の範囲で選定される。尚、形状等の制約が無い限り、それぞれ20度以上の角度を選定してもよい。
【0039】
この構成により、カムフォロワ30が同一高さ部501c,501e,501gのいずれかの領域に留まる限り、昇降テーブル10は第1の上昇停止位置、第2の上昇停止位置、第3の上昇停止位置のいずれかに保持されることになる。
換言すれば、リフト用カム部材500が、カムフォロワ30に対して、同一高さ部501c,501e,501gのいずれかの領域で停止するように制御されれば、昇降テーブル10は必ず高さH1,H2,H3のいずれかの高さまで持ち上げられて停止することになる。
【0040】
このように、リフト用カム部材500のカム面501に対して、所定の角度範囲θ1,θ2,θ3をもつ同一高さ部501c,501e,501gを複数設けたことにより、ギヤモータ60の停止タイミングをそれ程高精度に行わなくても、昇降テーブル10をそれぞれの高さの位置(予め定められた第1の上昇停止位置、第2の上昇停止位置、第3の上昇停止位置のいずれかの位置)に高精度に位置決めして停止させる、多点停止が可能となる。
【0041】
リフト用カム部材500の他の外周面に形成されたカム面502は、切り欠き部503の近傍に形成された直線部502a、直線部502aと同一高さ部501gとの間に形成された曲線部502bとにより形成されている。
すなわち、カム面502が形成されたリフト用カム部材500は、前述の実施形態と同様に、昇降テーブル10を上昇停止位置から下降停止位置に復帰させる際に、シャフト12aと協働して昇降テーブル10に復帰力を及ぼす復帰手段としての復帰用カム部材を兼ねるものである。
【0042】
したがって、リフト用カム部材500が逆回りに回転し、昇降テーブル10を降下させる際に、昇降テーブル10を案内するガイド機構等においてスティック、かじり等の現象が生じて昇降テーブル10が降下しない場合、リフト用カム部材500のカム面502が、シャフト12aに係合しつつカム作用を及ぼして、昇降テーブル10を強制的に押し下げ、昇降テーブル10に下向きの復帰力を与える。
【0043】
このように、復帰手段を設けたことにより、リフト用カム部材500の下降動作に伴なって、昇降テーブル10は確実に下降停止位置に復帰することができ、所期の昇降機能が維持される。また、復帰手段をシャフト12a及びカム面502により形成し、又、復帰用カム部材としてリフト用カム部材500を兼用したことにより、前述の実施形態と同様に、装置の構造を簡略化でき、部品点数の削減、軽量化、低コスト化等を行うことができる。
【0044】
また、このような複数の同一高さ部501c,501e,501gをもつリフト用カム部材500を採用した昇降装置においては、駆動源としてブレーキ付ギヤモータあるいはサーボモータを採用することにより、緻密な回転制御が行なえるため、リフト用カム部材500を所望の回転角度位置に、高精度にて容易に停止させることができる。
【0045】
上記実施形態においては、リフト用カム部材50,500を側壁部12の外側に二つ配置する構成を採用したが、これに限定されるものではなく、荷重を支え得る限り、回転軸40の略中央部に一つ配置し、これに対応させて一つのカムフォロワ30を上板11の下方に配置する構成を採用してもよい。
【0046】
また、上記実施形態においては、昇降テーブル10として、上板11にワークWを直接載置する構成を示したが、これに限定されるものではなく、上板11の上にパレット等を支持すると共に傾斜角度、高さ等の種々の調整が行なえる調整テーブルを設け、この調整テーブルの上にパレット等を載置する構成を採用してもよい。
【0047】
さらに、上記実施形態においては、リフト用カム部材500に設ける同一高さ部として、三つの同一高さ部501c,501e,501gを採用したが、これに限定されるものではなく、二つあるいは四つ以上の同一高さ部を設ける構成を採用してもよい。
【0048】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の昇降装置によれば、昇降テーブルにカムフォロワと係合部を設け、カムフォロワにカム作用を及ぼすリフト用カム部材において、リフト用カム部材の逆方向への回転に追従して昇降テーブルが下降しないとき、係合部に係合して昇降テーブルを下向きに押し下げる復帰力を及ぼす復帰用のカム面を設けたことにより、昇降テーブルを案内するガイド機構等においてスティック、かじり等の現象を生じても、復帰用のカム面が及ぼす復帰力により、昇降テーブルを確実に下降停止位置に復帰させることができ、所期の昇降機能を維持することができる。特に、リフト用カム部材を兼用して、昇降テーブルに設けられた係合部にカム作用を及ぼす復帰用のカム面を設けたことにより、構造の簡略化、部品点数の削減、軽量化、低コスト化等を達成できる。
また、リフト用のカム面において、昇降テーブルの上昇停止位置に対応するカム高さが所定の角度範囲に亘って形成された同一高さ部を設けたことにより、カムフォロワがこの同一高さ部の領域内に留まるようにリフト用カム部材が停止させられる限り、駆動源の制御を高精度に行わなくても、昇降テーブルを所定の上昇停止位置に確実に位置決めして停止させることができる。
さらに、リフト用カム部材に複数の同一高さ部を設けることにより、昇降テーブルを複数の異なる高さ位置にて、高精度にて多点停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る昇降装置の一実施形態を示す正面図である。
【図2】図1に示す昇降装置の側面図である。
【図3】図1に示す昇降装置の上面図である。
【図4】図1に示す昇降装置に用いられているリフト用カム部材を示す平面図である。
【図5】図4に示すリフト用カム部材のカムリフト線図である。
【図6】昇降装置の動作を説明するためのものであり、(a)は昇降テーブルが下降停止位置にある状態図、(b)は昇降テーブルが上昇停止位置にある状態図である。
【図7】本発明の昇降装置に採用される復帰手段の動作を説明する状態図である。
【図8】本発明の昇降装置に用いられるリフト用カム部材の他の実施形態を示す平面図である。
【図9】図8に示すリフト用カム部材のカムリフト線図である。
【符号の説明】
10 昇降テーブル
12a シャフト(係合部、復帰手段)
13a 連結部
20 ベース
22b 軸受部
23a ガイド
30 カムフォロワ
40 回転軸
50 リフト用カム部材(復帰用カム部材、復帰手段)
51 カム面
51a 基礎円部
51b 変形正弦曲線部
51c 同一高さ部
52 カム面(カム部)
52a 直線部
52b 曲線部
60 ギヤモータ(駆動源)
500 リフト用カム部材(復帰用カム部材、復帰手段)
501 カム面
501a 基礎円部
501b,501d,501f 変形正弦曲線部
501c,501e,501g 同一高さ部
502 カム面(カム部)
502a 直線部
502b 曲線部
θ,θ1,θ2,θ3 角度
Ht,H1,H2,H3 カム高さ

Claims (5)

  1. 荷重を受ける昇降テーブルと、前記昇降テーブルを上下方向に移動自在に案内するベースと、前記ベースに支持されて水平方向に伸長する回転軸と、前記昇降テーブルにおいて前記回転軸よりも上方位置に設けられたカムフォロワと、前記回転軸に固定されて前記昇降テーブルを下降停止位置と上昇停止位置との間で昇降させるべく前記カムフォロワにカム作用を及ぼすリフト用カム部材と、前記回転軸に回転駆動力を及ぼす駆動源とを備えた昇降装置であって、
    前記昇降テーブルは、前記回転軸よりも下方位置に設けられた係合部を有し、
    前記リフト用カム部材は、前記昇降テーブルを,一方向への回転により前記上昇停止位置に上昇させかつ逆方向への回転により前記下降停止位置に下降させるべく前記カムフォロワに下側から当接するリフト用のカム面と、前記逆方向への回転に追従して前記昇降テーブルが下降しないときに前記係合部に係合して下向きの復帰力を及ぼす復帰用のカム面と、を有する、
    ことを特徴とする昇降装置。
  2. 前記復帰用のカム面は、前記係合部が係合し得る直線部と、前記直線部に連続して形成され前記係合部が係合し得る曲線部と、を含む、
    ことを特徴とする請求項1記載の昇降装置。
  3. 前記リフト用のカム面は、前記カムフォロワに対してカム作用を及ぼす曲線部と、前記曲線部に連続して形成され前記上昇停止位置に対応するカム高さが所定の角度範囲に亘って形成された同一高さ部と、を含む、
    ことを特徴とする請求項2記載の昇降装置。
  4. 前記昇降テーブルは、荷重物が載置される上板部と、前記上板部の両側に形成された両側の側壁部と、を含み、
    前記リフト用カム部材は、前記両側の側壁部に沿ってそれぞれ配置され、
    前記両側の側壁部には、その上方側面において前記カムフォロワがそれぞれ設けられ、その下方側面において前記係合部を画定するシャフトがそれぞれ設けられている、
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一つに記載の昇降装置。
  5. 記リフト用カム部材は、高さの異なる複数の前記同一高さ部、を有する、
    ことを特徴とする請求項1ないし4いずれかに記載の昇降装置。
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