JP5995201B2 - 過冷却状態の結晶性樹脂融液を製造する製造装置および製造方法 - Google Patents
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Description
機械的特性や耐熱性、透明性等の各種特性に優れたフィルムまたはシートを製造するのに好適な結晶性樹脂、即ち、本発明に係る製造装置および製造方法を適用するのに好適な結晶性樹脂は、ナノ配向結晶体(NOC:Nano Oriented Crystal) とも称される、伸長成形によって結晶化度を5%以上にすることができる熱可塑性樹脂であり、より好ましくは、比較的比重が小さく安価で成形が容易な、いわゆる汎用プラスチックである。
過冷却状態の結晶性樹脂融液を製造する製造装置、並びに、結晶性樹脂フィルムまたはシートを製造する成形機について、以下に説明する。
冷却器の他の例について、図3〜図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。尚、以下の説明においては、図1および図2を用いた上記説明における部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付記して、その説明を省略する。
次に、結晶性樹脂フィルムまたはシートを製造する成形機2について、以下に説明する。図1に示すように、過冷却樹脂融液製造装置1におけるスリットダイ30の下方には、成形機2が設けられている。成形機2は、スリットダイ30から吐出された過冷却状態の溶融樹脂をいわゆる超臨界伸長歪速度で伸長成形(圧延(延伸))してフィルム状またはシート状にすることにより、結晶性樹脂フィルムまたはシートを製造するための製造装置である。
過冷却状態の結晶性樹脂融液を製造する製造方法、並びに、結晶性樹脂フィルムまたはシートの製造方法について、以下に説明する。本発明の実施の一形態に係る製造方法では、下記工程を順に実施することにより、過冷却状態の結晶性樹脂融液を連続的に製造すると共に、結晶性樹脂フィルムまたはシートを連続的に製造する。
[工程1] 押出機10のシリンダー11を加熱した後、モータ13を駆動させてスクリュー12を回転させると共に、ホッパ14から結晶性樹脂のペレットを供給する。そして、シリンダー11内に供給された結晶性樹脂を溶融しながら、スクリュー12によって溶融樹脂をギアポンプ20に向けて押し出す。次に、押出機10から押し出された溶融樹脂をギアポンプ20によって昇圧しながら冷却器40に定量供給する。
[工程2] 溶融樹脂を、冷却器40および温度調節装置35によってTmc以上、Tm未満の過冷却状態であって、スリットダイ30から吐出される結晶性樹脂の温度が、結晶性樹脂の融点よりも2℃〜25℃低く、かつ、射出断面における温度分布が最大4℃の範囲内に納まるように、冷却する。そして、当該結晶性樹脂をスリットダイ30から吐出して成形機2に連続的に供給する。
[工程3] 過冷却状態の溶融樹脂を成形機2の挟持ロール50a,50bで圧延することにより、フィルム状またはシート状の結晶性樹脂を連続的に製造し、ガイドロール51a,51bを介して巻取機52に巻き取る。
図1に記載の構成を備えた過冷却樹脂融液製造装置を用いて過冷却状態の結晶性樹脂融液を製造した。押出機として40mm押出機を用いた。冷却器として、図5に記載の構成を備えた冷却器を用いた。
2 成形機
10 押出機
11 シリンダー
12 スクリュー
13 モータ
14 ホッパ
20 ギアポンプ(昇圧器)
25 スクリーンチェンジャー
30 スリットダイ(吐出部)
35 温度調節装置(冷却装置)
40 冷却器(冷却装置)
41 流路管
42 冷却管
43 ジャケット
50a,50b 挟持ロール
60 冷却器
62 冷却管
62a,62b,62c 冷却管
70 冷却器
72 冷却管
72a,72b,72c 冷却管
73a,73b 対流抑制板
75 加熱器具
76 冷却器具
80 冷却器
82 冷却管
82a,82b,82c 冷却管
83 中子
84 内部冷却管
85 冷媒収集管
86 流通管
87 冷媒排出管
88 冷媒供給管
Claims (14)
- 結晶性樹脂フィルムまたはシートを製造するために、過冷却状態の結晶性樹脂融液を製造する製造装置であって、
溶融状態の結晶性樹脂を押し出す押出機と、押出機から押し出された結晶性樹脂を結晶化温度以上、融点未満の過冷却状態にする冷却装置と、過冷却状態の結晶性樹脂融液を吐出する吐出部とを備え、
上記冷却装置は、結晶性樹脂の流路を構成する流路管と、結晶性樹脂を冷却する冷媒の流路を構成する冷却管とを備え、吐出部から吐出される結晶性樹脂の温度が、結晶性樹脂の融点よりも2℃〜25℃低く、かつ、吐出方向に対して垂直な断面における温度分布が最大4℃の範囲内に納まるように、当該結晶性樹脂を冷却するようになっており、
上記冷却管は、溶融状態の結晶性樹脂の流動方向に沿って複数のブロックに分割されており、
上記複数のブロックには、互いに異なる温度の冷媒が供給されるようになっていることを特徴とする過冷却状態の結晶性樹脂融液を製造する製造装置。 - 結晶性樹脂フィルムまたはシートを製造するために、過冷却状態の結晶性樹脂融液を製造する製造装置であって、
溶融状態の結晶性樹脂を押し出す押出機と、押出機から押し出された結晶性樹脂を結晶化温度以上、融点未満の過冷却状態にする冷却装置と、過冷却状態の結晶性樹脂融液を吐出する吐出部とを備え、
上記冷却装置は、結晶性樹脂の流路を構成する流路管と、結晶性樹脂を冷却する冷媒の流路を構成する冷却管とを備え、吐出部から吐出される結晶性樹脂の温度が、結晶性樹脂の融点よりも2℃〜25℃低く、かつ、吐出方向に対して垂直な断面における温度分布が最大4℃の範囲内に納まるように、当該結晶性樹脂を冷却するようになっており、
上記流路管の内部に、溶融状態の結晶性樹脂を混合する静止型混合器を備えていることを特徴とする過冷却状態の結晶性樹脂融液を製造する製造装置。 - 結晶性樹脂フィルムまたはシートを製造するために、過冷却状態の結晶性樹脂融液を製造する製造装置であって、
溶融状態の結晶性樹脂を押し出す押出機と、押出機から押し出された結晶性樹脂を結晶化温度以上、融点未満の過冷却状態にする冷却装置と、過冷却状態の結晶性樹脂融液を吐出する吐出部とを備え、
上記冷却装置は、結晶性樹脂の流路を構成する流路管と、結晶性樹脂を冷却する冷媒の流路を構成する冷却管とを備え、吐出部から吐出される結晶性樹脂の温度が、結晶性樹脂の融点よりも2℃〜25℃低く、かつ、吐出方向に対して垂直な断面における温度分布が最大4℃の範囲内に納まるように、当該結晶性樹脂を冷却するようになっており、
上記流路管および/または冷却管が、螺旋状の流路を有する管であることを特徴とする過冷却状態の結晶性樹脂融液を製造する製造装置。 - 結晶性樹脂フィルムまたはシートを製造するために、過冷却状態の結晶性樹脂融液を製造する製造装置であって、
溶融状態の結晶性樹脂を押し出す押出機と、押出機から押し出された結晶性樹脂を結晶化温度以上、融点未満の過冷却状態にする冷却装置と、過冷却状態の結晶性樹脂融液を吐出する吐出部とを備え、
上記冷却装置は、結晶性樹脂の流路を構成する流路管と、結晶性樹脂を冷却する冷媒の流路を構成する冷却管とを備え、吐出部から吐出される結晶性樹脂の温度が、結晶性樹脂の融点よりも2℃〜25℃低く、かつ、吐出方向に対して垂直な断面における温度分布が最大4℃の範囲内に納まるように、当該結晶性樹脂を冷却するようになっており、
上記冷却管は、冷媒の流通が可能でかつ対流による冷媒の移動を抑制することができる対流抑制板によって、溶融状態の結晶性樹脂の流動方向に沿って複数の冷却室に分割されており、
上記複数の冷却室は、冷媒を加熱する加熱器具を備えていることを特徴とする過冷却状態の結晶性樹脂融液を製造する製造装置。 - 結晶性樹脂フィルムまたはシートを製造するために、過冷却状態の結晶性樹脂融液を製造する製造装置であって、
溶融状態の結晶性樹脂を押し出す押出機と、押出機から押し出された結晶性樹脂を結晶化温度以上、融点未満の過冷却状態にする冷却装置と、過冷却状態の結晶性樹脂融液を吐出する吐出部とを備え、
上記冷却装置は、結晶性樹脂の流路を構成する流路管と、結晶性樹脂を冷却する冷媒の流路を構成する冷却管とを備え、吐出部から吐出される結晶性樹脂の温度が、結晶性樹脂の融点よりも2℃〜25℃低く、かつ、吐出方向に対して垂直な断面における温度分布が最大4℃の範囲内に納まるように、当該結晶性樹脂を冷却するようになっており、
上記流路管の内部に、結晶性樹脂を冷却する冷媒の流路を構成する内部冷却管を備えていることを特徴とする過冷却状態の結晶性樹脂融液を製造する製造装置。 - 押出機と、流路管および冷却管とを備える冷却装置との間に、溶融状態の結晶性樹脂を昇圧しながら冷却装置に定量供給する昇圧器をさらに備えていることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の過冷却状態の結晶性樹脂融液を製造する製造装置。
- 上記冷却管は、溶融状態の結晶性樹脂の流動方向に沿って複数のブロックに分割されていることを特徴とする請求項2から5の何れか一項に記載の過冷却状態の結晶性樹脂融液を製造する製造装置。
- 上記冷却管は、冷媒の流通が可能でかつ対流による冷媒の移動を抑制することができる対流抑制板によって、溶融状態の結晶性樹脂の流動方向に沿って複数の冷却室に分割されていることを特徴とする請求項1,2,3,5の何れか一項に記載の過冷却状態の結晶性樹脂融液を製造する製造装置。
- 請求項1から8の何れか一項に記載の過冷却状態の結晶性樹脂融液を製造する製造装置と、過冷却状態の結晶性樹脂融液を超臨界伸長歪速度で伸長成形してフィルム状またはシート状にする成形機とを備えることを特徴とする結晶性樹脂フィルムまたはシートの製造装置。
- 結晶性樹脂フィルムまたはシートを製造するために、過冷却状態の結晶性樹脂融液を製造する製造方法であって、
吐出部から吐出される結晶性樹脂の温度が、結晶性樹脂の融点よりも2℃〜25℃低く、かつ、吐出方向に対して垂直な断面における温度分布が最大4℃の範囲内に納まるように、
溶融状態の結晶性樹脂の流動方向に沿って複数のブロックに分割された冷却管における上記複数のブロックに、互いに異なる温度の冷媒を供給して、上記結晶性樹脂の流路を構成する流路管を流れる溶融状態の結晶性樹脂を過冷却状態にすることを特徴とする過冷却状態の結晶性樹脂融液を製造する製造方法。 - 結晶性樹脂フィルムまたはシートを製造するために、過冷却状態の結晶性樹脂融液を製造する製造方法であって、
吐出部から吐出される結晶性樹脂の温度が、結晶性樹脂の融点よりも2℃〜25℃低く、かつ、吐出方向に対して垂直な断面における温度分布が最大4℃の範囲内に納まるように、
上記結晶性樹脂の流路を構成する流路管の内部に備えた静止型混合器で、溶融状態の結晶性樹脂を混合して溶融状態の結晶性樹脂を過冷却状態にすることを特徴とする過冷却状態の結晶性樹脂融液を製造する製造方法。 - 結晶性樹脂フィルムまたはシートを製造するために、過冷却状態の結晶性樹脂融液を製造する製造方法であって、
吐出部から吐出される結晶性樹脂の温度が、結晶性樹脂の融点よりも2℃〜25℃低く、かつ、吐出方向に対して垂直な断面における温度分布が最大4℃の範囲内に納まるように、
上記結晶性樹脂の流路を構成する流路管であって螺旋状の流路を有する流路管、および/または、結晶性樹脂を冷却する冷媒の流路を構成する冷却管であって螺旋状の流路を有する冷却管で溶融状態の結晶性樹脂を過冷却状態にすることを特徴とする過冷却状態の結晶性樹脂融液を製造する製造方法。 - 結晶性樹脂フィルムまたはシートを製造するために、過冷却状態の結晶性樹脂融液を製造する製造方法であって、
吐出部から吐出される結晶性樹脂の温度が、結晶性樹脂の融点よりも2℃〜25℃低く、かつ、吐出方向に対して垂直な断面における温度分布が最大4℃の範囲内に納まるように、
上記結晶性樹脂を冷却する冷媒の流通が可能でかつ対流による冷媒の移動を抑制することができる対流抑制板によって、溶融状態の結晶性樹脂の流動方向に沿って複数に分割され、かつ、上記冷媒を加熱する加熱器具を備えている冷却室からなる、冷媒の流路を構成する冷却管で溶融状態の結晶性樹脂を過冷却状態にすることを特徴とする過冷却状態の結晶性樹脂融液を製造する製造方法。 - 結晶性樹脂フィルムまたはシートを製造するために、過冷却状態の結晶性樹脂融液を製造する製造方法であって、
吐出部から吐出される結晶性樹脂の温度が、結晶性樹脂の融点よりも2℃〜25℃低く、かつ、吐出方向に対して垂直な断面における温度分布が最大4℃の範囲内に納まるように、
上記結晶性樹脂を冷却する冷媒の流路を構成する内部冷却管を内部に備えている、上記結晶性樹脂の流路を構成する流路管で溶融状態の結晶性樹脂を過冷却状態にすることを特徴とする過冷却状態の結晶性樹脂融液を製造する製造方法。
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