JP5991084B2 - レーザレーダ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザレーダ装置に関するものである。
従来より、レーザレーダ装置を用いて監視エリア内に侵入する物体を監視するシステムが提供されている。この種のシステムでは、例えば、レーザレーダ装置内にレーザ光走査部と受光部が設けられており、レーザ光走査部により監視対象となる空間に対してレーザ光の走査を行い、このレーザ光が空間内で物体に照射されたときの当該物体からの反射光を受光部によって検出し、これにより物体の存在を把握している。そして、このように物体からの反射光が検出されたときには、この物体に照射されたレーザ光の照射方向、及び当該レーザ光の発生から反射光の受光までに要した時間に基づいて、空間内での物体の位置を検出し、この検出位置が予め設定された監視エリア内にある場合に、当該物体を侵入物としている。
特開2009−110069公報
ところで、上記のようなレーザレーダ装置を設置して監視エリア内に侵入した物体(侵入者等)を検出しようとした場合、この検出対象物よりも十分小さく本来的に検出されるべきでない拡散物(例えば霧や煙等)が監視エリア内に入り込んだとき、或いはこのような霧等の拡散物が監視エリア内で生じたときにこれらを検出してしまい、個々の拡散物は小さいのであるがレーザレーダ上は纏まって1つの物体に見えてしまうので、その結果、検出対象物が侵入したものと誤判断してしまう虞がある。このような問題は、気候条件の影響を受けやすい屋外に監視エリアを設定する場合などにおいて特に懸念される。
例えば、レーザレーダ装置を屋外に設置し、屋外に設定された監視エリア内に侵入する者を検出しようとした場合、屋外では、霧などが突発的に生じる可能性があり、このような霧が監視エリア内で発生したり、監視エリア外から監視エリア内に入り込んでしまうことが懸念される。このように霧が監視エリア内に入り込んでしまうと、レーザレーダ装置から照射されるレーザ光が監視エリア内の霧(具体的には霧を構成する微小な水滴)で反射して大きな物体として見えてしまうため、霧を侵入者と間違えて判断してしまうことになる。また、監視エリア内に入り込んだ侵入者を検出しようとしたとき、例えば侵入者の前方においてある程度広い範囲で霧が生じているような場合にはこの霧の領域が人と判別されてしまい、実際の侵入者の正確な位置が分からなくなるといった虞もある。
一方、上記問題に関連する技術としては、特許文献1のようなものが提供されている。この特許文献1の技術では、所定の検出エリアに対してレーザ光の走査を周期的に行い、前中後の測定周期において所定程度を超える(周期を超えた、いわば時系列的な)不連続変化が生じている場合に、この不連続情報に対応する距離情報をノイズとして除去している。この特許文献1の技術では、雨滴によってパルスレーザ光の一部が反射された場合に現れるようなパルス(P20、P30)は、同じ測定方向での前中後の測定周期における反射光の受光信号波形に通常は現れないという確率的な考えに基づき、ある測定方向において、ある測定周期に取得された特定の距離データが、これとは同じ測定方向においてその測定周期の前後の測定周期に取得された距離データと大きく異なっている場合に、前記特定の距離データを雨滴や雪などのノイズによるものと判断し、検出対象物(人体)の距離データではないものとして除去している。
しかしながら、上記特許文献1の方法では、測定された物体が雨滴などのノイズであるか、それとも検出対象物(人体)であるかを判断するために、監視エリア内で物体が検出される度に、最低でも2周期以上の波形をリアルタイムで取得、記憶しなければならず、その上で、更にこれらを読み出して比較、判断する処理を行わなければならない。このような方法では、監視エリア内に存在する物体からの反射光を装置側で確認できたとしても、その物体が検出対象物(人体)であるかノイズであるかを判定するために要する処理時間が大きくなってしまうため、装置側で反射光を確認してから判定結果を得るまでに時間がかかってしまい、その結果、検出対象物(人体)の迅速な検出が阻害されてしまうことになる。また、特許文献1で想定する雨滴と比べて霧は動きが遅く、同じ位置に長い時間滞留し続けるという特徴がある。従って、特許文献1の技術を霧が発生する環境下で用いた場合、同じ測定方向において複数の測定周期で連続して霧に照射される可能性があり、このような場合、霧がノイズと判定されずに検出対象物(人体)と誤判定されてしまう。つまり、特許文献1の方法では、霧のように同じ位置に長い時間滞留しつつける拡散物を正確にノイズと判別することができない。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、検出エリア内に霧等の拡散物が存在する場合に、このような拡散物をノイズとして迅速かつ正確に判定することができ、ひいては、検出対象物を迅速かつ正確に検出することができるレーザレーダ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明に係るレーザレーダ装置は、
レーザ光を発生させるレーザ光発生手段と、
所定の中心軸を中心として回転可能に構成されると共に前記レーザ光発生手段からのレーザ光を前記中心軸と直交する水平方向と該水平方向よりも低くなるように地面又は床面に向かう斜め下方向とに少なくとも上下2分割してそれぞれ反射する偏向部と、前記偏向部を回転する駆動部とを備え、前記駆動部により前記偏向部を回転することで前記偏向部から外部空間に照射される上下2つのレーザ光を前記中心軸の周りで移動させる走査手段と、
前記偏向部で分割された前記水平方向のレーザ光が前記外部空間に存在する物体で反射したときに、この反射で生じる第1反射光を、前記偏向部を介して検出する第1検出手段と、
前記偏向部で分割された前記斜め下方向のレーザ光が前記外部空間で反射したときに、この反射で生じる第2反射光を、前記偏向部を介して検出する第2検出手段と、
前記レーザ光発生手段にてレーザ光が発生し、当該レーザ光に応じた前記第1反射光が前記第1検出手段によって検出されたときに、当該レーザ光が発生した際の前記偏向部の回転角度と、当該レーザ光の発生から前記第1反射光が前記第1検出手段によって検出されるまでの経過時間とを求め、それら回転角度及び経過時間に基づいて、前記第1反射光の発生元となるレーザ光到達位置を検出する第1到達位置検出手段と、
前記第1到達位置検出手段によって検出されたレーザ光到達位置が予め定められた監視エリア内であることを条件として検出対象物が検出されたものと判定する判定手段と、
前記レーザ光発生手段にてレーザ光が発生し、当該レーザ光に応じた前記第2反射光が前記第2検出手段によって検出されたときに、当該レーザ光が発生した際の前記偏向部の回転角度と、当該レーザ光の発生から前記第2反射光が前記第2検出手段によって検出されるまでの経過時間とを求め、それら回転角度及び経過時間に基づいて、前記外部空間における前記斜め下方向のレーザ光の到達位置を検出する第2到達位置検出手段と、
前記偏向部の1周期の回転範囲におけるいずれか連続する複数の回転角度において、それぞれの回転角度で前記第2到達位置検出手段によりレーザ光の複数の到達位置が検出された場合に、それら連続した複数の回転角度でノイズが発生していると判断するノイズ検出手段と、
を有することを特徴とする。
請求項1の発明では、偏向部が、レーザ光発生手段からのレーザ光を水平方向と該水平方向よりも低くなるように地面又は床面に向かう斜め下方向とに上下2分割してそれぞれ反射させており、このような偏向部を回転させることで水平方向の走査と、斜め下方向の走査とを可能としている。
そして、水平方向に照射される一方のレーザ光については、当該レーザ光が外部空間に存在する物体で反射したときに生じる反射光(第1反射光)を第1検出手段によって検出し、第1到達位置検出手段は、第1検出手段での検出結果に基づいて当該第1反射光の発生元となるレーザ光到達位置を検出し得るようになっている。この構成によれば、水平走査による物体検出が可能となり、何らかの物体が水平方向のどの位置に存在するかを特定可能となる。
一方、偏向部を基点として斜め下方向に照射される他方のレーザ光については、偏向部の1周期内のいずれか連続する複数の各回転角度にあるときに斜め下方向のレーザ光によって複数の到達位置が検出された場合、それら複数の各回転角度では、霧等の拡散物などに斜め下方向のレーザ光の一部が照射され、残余のレーザ光がその後方の物体(地面や床面等)に照射されたことが想定される。本構成では、このような二重の検出結果が、連続する複数の回転角度で得られた場合、それら複数の回転角度でノイズが発生していると判定するので、それら各回転角度で霧等に起因するノイズが発生しているものとして、より正確なタイミングでノイズに対処することができる。なお「連続する複数の回転角度」で上記二重の検出結果が得られている場合、検出対象物の端部にレーザ光の一部が照射され残余のレーザ光が検出対象物の後ろの物体に照射されるようなケースではない可能性が極めて高いため、正規の検出対象物をノイズと判定してしまう問題も生じ難い。
特に、上記方法では、偏向部を何周も回転することなく1周期内での受光結果に基づき霧等のノイズが発生しているか否かを判定することができるため、霧等のノイズが発生しているか否かを判断するために要する時間を効果的に低減して検出の迅速化を図ることができる。
また、本構成では、一方のレーザ光(主にノイズ判定用に用いられるレーザ光)が斜め下向きに照射されるように偏向部にてレーザ光を分割しており、斜め下向きのレーザ光は光路全体が阻害されずに一定距離以上に達したときには必然的に地面や床面等の物体に到達することになる。従って、例えば「霧等のノイズ物体にレーザ光の一部が照射されたものの、残余のレーザ光が遠方(例えば、反射光を検出できなくなる程度の遠方)まで物体に当たらず、その結果、当該回転角度で二重の検出結果が得られない」といったノイズ検出漏れを防ぐことができ、霧等のノイズの検出精度を格段に高めることができる。
請求項の発明では、判定手段は、ノイズ検出手段により複数の回転角度でノイズが発生していると判断された場合、これら複数の回転角度のいずれかにおいて第1到達位置検出手段によりレーザ光到達位置が検出されたときでも検出対象物が検出されたと判定しないようになっている。
いずれかの回転角度において斜め下方向のレーザ光に基づいてノイズが検出された場合、当該回転角度では、霧等のノイズ原因が斜め下方向での物体検出だけでなく水平方向での物体検出にも影響を及ぼしている可能性が高いといえる。従って、連続する複数の回転角度で斜め下方向に照射された各レーザ光に基づいて各回転角度でノイズが発生していると判断された場合、それら各回転角度での水平照射によってレーザ光到達位置が検出されても検出対象物が検出されたと判定しないようにすれば、霧等のノイズを検出対象物と誤検出するリスクを極力低減することができる。
請求項の発明では、当該レーザレーダ装置が、地面又は床面から所定高さの位置において、中心軸が地面又は床面と直交する方向となるように設置されるものとなっている。そして、偏向部の各回転角度において斜め下方向のレーザ光が地面又は床面に到達する位置が各回転角度における監視エリアの外側となるように構成されている。
この構成によれば、各回転角度において、ノイズ検出が可能となる水平方向の範囲(即ち、装置を基点として斜め下方向のレーザ光が到達する地面等までの水平方向の範囲)が監視エリアの水平方向範囲を包含することになるため、各回転角度において監視エリアを網羅する形でノイズの検出を行うことができる。従って、監視エリア内に発生した霧等のノイズを、検出漏れを抑えてより確実に検出することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るレーザレーダ装置を概略的に例示する断面図である。 図2は、図1のレーザレーダ装置を屋外に設置して検出する様子を説明する説明図である。 図3(A)は、図1のレーザレーダ装置で行われる検出処理の流れを例示するフローチャートであり、図3(B)は、その検出処理における初期処理の流れを例示するフローチャートである。図3(C)は、その検出処理における距離測定処理の流れを例示するフローチャートである。 図4は、図3(C)の距離測定処理におけるノイズ判別処理の流れを例示するフローチャートである。 図5は、初期設定処理で得られた背景物体の距離データを示すグラフであり、各回転位置(回転角度)での照射方向におけるレーザレーダ装置から背景物体までの距離をそれぞれ示すものである。 図6(A)は、ある照射方向においてレーザ光が単一の物体で反射したときのフォトダイオードでの受光波形を示すグラフであり、図6(B)は、ある照射方向においてレーザ光が2つの物体で反射したときのフォトダイオードでの受光波形を示すグラフである。 図7は、後方の到達位置からの反射光の減衰を説明する説明図である。 図8は、後方の到達位置での受光波形を補正するための補正テーブルを説明する説明図である。 図9は、第1実施形態に係るレーザレーダ装置において、近距離の物体を検出する場合の受光の様子を概念的に説明する説明図である。 図10は、第1実施形態に係るレーザレーダ装置において、遠距離の物体を検出する場合の受光の様子を概念的に説明する説明図である。 図11(A)は、近距離の霧の粒子からの受光波形が飽和し、後方の物体の波形が読み取れない場合の受光波形の例を説明する説明図であり、図11(B)は、図11(A)の波形において霧の粒子からの受光量が抑えられた場合の受光波形の例を説明する説明図である。 図12は、第1実施形態の変形例に係るレーザレーダ装置に用いられる偏向部を概略的に例示する斜視図である。 図13は、本発明の第2実施形態に係るレーザレーダ装置を概略的に例示する断面図である。 図14は、図13のレーザレーダ装置で用いる偏向部を概略的に示す斜視図である。 図15は、図13のレーザレーダ装置で用いる凹面鏡を中心軸を通る平面方向に切断した切断面を概略的かつ部分的に示す断面概略図である。 図16は、図13のレーザレーダ装置を屋外に設置して物体検出を行うときの検出状態を横から見た様子を概念的に説明する説明図である。 図17は、図13のレーザレーダ装置を屋外に設置して物体検出を行うときの検出状態を上から見た様子を概念的に説明する説明図である。
[第1実施形態]
以下、本発明のレーザ測定装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(レーザレーダ装置の概要)
まず、図1等を参照してレーザレーダ装置1の概要について説明する。
図1は、第1実施形態に係るレーザレーダ装置1の全体構成を概略的に例示する断面図である。図2は、図1のレーザレーダ装置を屋外に設置して検出する様子を説明する説明図である。なお、図1では、レーザレーダ装置1を凹面鏡41の回転中心軸42aに沿った所定切断面(中心軸42a及びフォトダイオード20の受光位置を通る切断面)で切断した構成を概略的に示している。また、以下の説明では、透過板の断面については白抜きで示すこととする。
図2に示すように、レーザレーダ装置1は、レーザダイオード10と、検出物体からの反射光L2を受光するフォトダイオード20とを備え、装置外の走査エリアに存在する検出物体までの距離や方位を検出する装置として構成されている。
レーザダイオード10は、「レーザ光発生手段」の一例に相当するものであり、制御回路70の制御により、図示しない駆動回路からパルス電流を受け、このパルス電流に応じたパルスレーザ光(レーザ光L1)を間欠的に出射している。なお、本実施形態では、レーザダイオード10から装置外の物体(図示略)に至るまでのレーザ光を符号L1にて概念的に示し、装置外の物体からフォトダイオード20に至るまでの反射光を符号L2にて概念的に示している。
フォトダイオード20は、例えばアバランシェフォトダイオード(avalanche photodiode)などによって構成されている。このフォトダイオード20は、光を受光する受光領域を有し、当該受光領域に入射する光を検出する構成をなしており、レーザダイオード10からレーザ光L1が発生し、そのレーザ光L1が装置外に存在する検出物体(図示略)にて反射したとき、その反射光L2(具体的には、反射光L2のうちの凹面鏡41及びミラー30によって受光領域に導かれた光)を受光して電気信号に変換するように機能している。なお、検出物体からの反射光については上下方向所定領域内のものが凹面鏡41に受けられる構成となっており、図2では、符号L2a,L2bで示す2つのライン付近を境界としてこのラインL2a,L2b間の領域の反射光L2が凹面鏡41によって反射されるようになっている。
本実施形態では、フォトダイオード20が「検出手段」の一例に相当し、後述する走査手段によって照射されるレーザ光が外部空間に存在する物体で反射したときに当該物体からの反射光を検出するように機能する。
レーザダイオード10から出射されるレーザ光L1の光軸上にはレンズ60が設けられている。このレンズ60は、コリメートレンズとして構成されるものであり、レーザダイオード10で発生して拡散しようとするレーザ光L1を集光し略平行光に変換している。
レンズ60を通過したレーザ光L1の光路付近には、ミラー30が設けられている。このミラー30は、レーザ光L1の光軸に対し所定角度(例えば45°)で傾斜してなる反射面31と、反射面31と交差する方向の貫通孔32とを備えている。本実施形態では、凹面鏡41の回転中心となる中心軸42aの方向を上下方向とし、上下方向と直交する方向を水平方向としており、ミラー30の反射面31は、その上下方向に対して所定角度(例えば45°)で傾斜しており、その反射面31を上方から下方に貫通するように上下方向に連通する貫通孔32が形成されている。このように構成されるミラー30は、レーザダイオード10から出射されて中心軸42aの方向に通るレーザ光L1を貫通孔32を介して凹面鏡41側に通過させる一方、装置外の検出物体からの反射光L2(より詳しくは凹面鏡41にて反射された反射光)を反射面31にて反射してフォトダイオード20側に導くように機能している。
また、ミラー30を通過するレーザ光L1の光軸上には、回転反射機構40が設けられている。回転反射機構40は、回転可能に構成された凹面鏡41と、この凹面鏡41に連結された軸部42と、この軸部42を回転可能に支持する図示しない軸受とを備えている。そして、凹面鏡41によりレーザダイオード10からのレーザ光L1を空間に向けて反射させ、且つ、この凹面鏡41により装置外の検出物体からの反射光L2をフォトダイオード20に向けて偏向するように機能している。
凹面鏡41は、ミラー30を通過したレーザ光L1の光軸上に配置される凹状の反射面41aを備えている。凹面鏡41の反射面41aは、例えば放物面として構成されており、水平方向に沿って平行に入射する所定領域(L2aとL2bの間の領域)の反射光L2を上方に向けて反射させつつ集光し、集光される反射光L2の焦点位置が中心軸42a上になるように形状が調整されている。
また、凹面鏡41は、上下方向に延びる中心軸42aを中心として回転可能に配設されている。凹面鏡41の回転中心となる中心軸42aの方向は、ミラー30を通過して当該凹面鏡41に入射するレーザ光L1の方向と略一致しており、レーザ光L1が凹面鏡41に入射する入射位置が中心軸42a上の位置P1付近とされている。
また、本実施形態では、凹面鏡41の反射面41aにおいて位置P1付近の部分が、垂直方向(反射面41aに入射するレーザ光L1の方向)に対して略45°の角度で傾斜しており、凹面鏡41の反射面41aで反射したレーザ光L1が水平方向に照射されるようになっている。また、凹面鏡41は入射するレーザ光L1の方向と一致した方向の中心軸42aを中心として回転するため、凹面鏡41の回転位置(回転角度)に関係なくレーザ光L1の入射角度が常に約45°で維持され、位置P1からのレーザ光L1の向きは絶えず水平方向(中心軸42aと直交する方向)となるように構成されている。なお、本実施形態では、中心軸42aの方向を垂直方向(上下方向、縦方向)としており、中心軸42aと直交する平面方向を水平方向としている。
さらに、レーザレーダ装置1には、回転反射機構40を駆動するモータ50が設けられている。このモータ50は、軸部42を回転させることで、軸部42と連結された凹面鏡41を回転駆動している。なお、モータ50の具体的構成としては、例えば直流モータ、交流モータ、ステップモータなど様々なモータを使用できる。
この構成では、凹面鏡41が「偏向部」の一例に相当し、レーザ光発生手段で発生したレーザ光を偏向するように機能する。また。モータ50が「駆動部」の一例に相当し、偏向部を回転するように機能する。更に、回転反射機構40及びモータ50が「走査手段」の一例に相当し、駆動部により偏向部を回転することで偏向部から外部空間に照射されるレーザ光の向きを変化させるように機能する。
また、本実施形態では、図1に示すように、モータ50の軸部42の回転角度位置(即ち凹面鏡41の回転角度位置)を検出する回転角度センサ52が設けられている。回転角度センサ52は、ロータリーエンコーダなど、軸部42の回転角度位置を検出しうるものであれば公知の様々なセンサを使用できる。
また、本実施形態に係るレーザレーダ装置1では、レーザダイオード10、フォトダイオード20、ミラー30、レンズ60、回転反射機構40、モータ50等がケース3の内部に収容され、防塵や衝撃保護が図られている。このケース3は、主ケース部4と透過板5とを備えており、全体として箱状に構成されている。主ケース部4は、上壁部4a及び下壁部4bが上下に対向して配置され、周壁部4cが上方側の外周壁として構成されており、周壁部4cと下壁部4bの間が窓部4eとして導光可能に開放されている。窓部4eは、主ケース部4において光の出入りを可能とするように開放した部分であり、ケース3の下方側且つ凹面鏡41の周囲において周方向所定領域に亘って形成され、且つ上下方向所定領域を開放する構成で設けられている。そして、この開放形態の窓部4eを閉塞するように透明の樹脂板、ガラス板などからなる透過板5が配置されている。
このように構成されるレーザレーダ装置1では、凹面鏡41の回転角度θ(所定の基準回転位置(例えば、ロータリエンコーダが原点を示す位置)からの回転角度)が定まれば装置からのレーザ光L1の投射方向が特定される。従って、レーザレーダ装置1が所望の傾斜状態(例えば、レーザ光L1の走査方向が常に鉛直方向と直交する方向となるような状態等)で設置されていれば、フォトダイオード20が物体からの反射光L2を受光したときの凹面鏡41の回転角度を回転角度センサ52によって検出することで、物体の方位を正確に検出できる。なお、フォトダイオード20が物体からの反射光を受光したか否かは、フォトダイオード20での受光量(即ち、フォトダイオード20からの出力)が閾値を超えたか否かによって判断することができ、「フォトダイオード20にて閾値を超える反射光が受光されたとき」が「物体からの反射光L2を受光したとき」となる。
また、レーザダイオード10にてレーザ光L1(パルスレーザ光)が発生してからフォトダイオード20によって当該レーザ光L1に対応する反射光L2が検出されるまでの時間Tを検出すれば、この時間Tと光速とに基づいて、レーザ光L1の発生から反射光L2受光までの光経路の長さを算出することができ、レーザレーダ装置1の所定基準位置(例えば位置P1)から検出物体までの距離Lも正確に求めることができる。つまり、レーザレーダ装置1から検出物体までの距離及び方位をいずれも正確に検出することができる。
なお、本実施形態では、回転角度センサ52、制御回路70が「到達位置検出手段」の一例に相当し、レーザダイオード10(レーザ光発生手段)にてレーザ光が発生したときに、当該レーザ光が発生した際の凹面鏡41(偏向部)の回転角度と、当該レーザ光の発生から当該レーザ光に応じた反射光がフォトダイオード20(検出手段)によって検出されるまでの経過時間とを求め、これら回転角度及び経過時間に基づいて、外部空間における当該レーザ光の到達位置を検出するように機能する。
(検出処理)
次に、レーザレーダ装置で行われる検出処理について説明する。
図3(A)は、図1のレーザレーダ装置で行われる検出処理の流れを例示するフローチャートであり、図3(B)は、その検出処理における初期処理の流れを例示するフローチャートである。図3(C)は、その検出処理における距離測定処理の流れを例示するフローチャートである。図4は、図3(C)の距離測定処理におけるノイズ判別処理の流れを例示するフローチャートである。図5は、初期設定処理で得られた背景物体の距離データを示すグラフであり、各回転位置(各回転角度)での照射方向におけるレーザレーダ装置から背景物体までの距離をそれぞれ示すものである。図6(A)は、ある照射方向においてレーザ光が単一の物体で反射したときのフォトダイオードでの受光波形を示すグラフであり、図6(B)は、ある照射方向においてレーザ光が2つの物体で反射したときのフォトダイオードでの受光波形を示すグラフである。図7は、後方の到達位置からの反射光の減衰を説明する説明図である。図8は、後方の到達位置での受光波形を補正するための補正テーブルを説明する説明図である。
本実施形態では、所定の開始条件の成立時(例えば、電源投入時や図示しない操作部に対する所定操作等がなされたとき)に、図3(A)のような流れで検出処理が行われる。
この検出処理では、まず最初に初期設定処理(S1)が行われるようになっており、その後に距離測定処理(S2)が繰り返されるようになっている。
S1の初期設定処理は、図3(B)のような流れとなっており、まず、初期値の設定処理を行う(S10)。この初期値の設定処理では、例えば凹面鏡41の回転基準位置の設定などの様々な設定を行う。なお、ここでは、図2に示す矢印F1の方向を回転角度0°の基準方向とし、矢印F2の方向を180°の方向とし、0°〜180°の範囲を検出角度範囲とする場合について説明する。
S10の処理の後には、測距エリア(監視エリア)を設定する処理を行う(S11)。この処理では、所定の角度範囲(図2に示す0°〜180°の角度範囲)においてレーザ光による走査を行い、この角度範囲における各回転位置(各回転角度)においてレーザ光の到達位置を検出する。具体的には、凹面鏡41を回転駆動すると共に各回転角度においてレーザダイオード10からパルスレーザ光L1を順次出射してレーザ光L1の走査を行う。なお、凹面鏡41の回転速度やパルスレーザ光L1の出射時間間隔は様々に設定することができる、例えば、凹面鏡41が0.5°ずつ回転する毎にパルスレーザ光L1が出射されるようなタイミングで走査を行うことができる。また、S11でのレーザ光の走査は、監視対象とするべきエリアに物体が存在しないことを確認した上で行うことが望ましく、この場合、各パルスレーザ光L1が出射されるときの各回転位置(各回転角度)において凹面鏡41から投射されたパルスレーザ光L1が背景物体にて反射し、この反射光の一部が再び凹面鏡41に入射することになる。従って、各回転位置でレーザ光が照射されたときのレーザレーダ装置1から背景物体までの距離をそれぞれ算出できることとなる。
このS11の処理では、図5のように、検出角度範囲(ここでは0°〜180°)における各回転位置(各回転角度)でのレーザ光の到達位置(到達位置までの距離値)が取得できる。この処理で検出される各回転位置での到達位置までの距離値は、各回転位置においてレーザ光が照射可能となる限界位置であり、各回転位置でのレーザ光照射方向における背景物体の位置を示すものである。このようにして、検出角度範囲において、各回転位置でのレーザ光照射方向における背景物体の位置を示すデータが得られ、実施形態では、このように背景物体で区切られる内側の領域を測距エリア(監視エリア)として設定する。なお、図2では、背景物体を符号A1〜A5で示しており、背景物体で区切られる内側の測距エリア領域(監視エリア)をハッチングにて示している。
なお、図5に示すような各回転角度での背景物体までの距離データが「背景データ」の一例に相当し、走査手段によるレーザ光の走査範囲においてレーザ光の照射方向毎の背景物体位置を特定するように機能する。また、記憶部80は、このような背景データを記憶する「記憶手段」の一例に相当する。
図3(B)に示す初期設定処理の後には、距離測定処理を行う(S2)。この距離測定処理では、凹面鏡41を回転駆動すると共に各回転角度においてレーザダイオード10からパルスレーザ光L1を順次出射してレーザ光L1の走査を行う。そして、例えば検出角度範囲(こでは0°〜180°)の1周期分において各回転角度毎に受光波形を取得し、各回転角度での照射方向におけるレーザ光の到達位置(距離値)を算出する(S20)。ここでも、各回転角度毎に、パルスレーザ光L1の投光から受光(閾値を超える反射光の受光)までの時間T1を検出し、この時間T1と光速とに基づいてレーザ光到達位置までの距離値を算出する。なお、この処理でも、凹面鏡41の回転速度やパルスレーザ光L1の出射時間間隔は様々に設定することができる、例えば、初期設定処理と同様、凹面鏡41が0.5°ずつ回転する毎にパルスレーザ光L1が出射されるようなタイミングで走査を行うことができる。そして、検出角度範囲(0°〜180°)における各回転角度での距離値を算出した後には、ノイズ判別処理を行う(S21)。
S21のノイズ判別処理は、例えば図4のような流れで行う。
まず、検出角度範囲(0°〜180°)において、連続する複数の回転角度において到達位置までの距離値が近似するグループを検出する。具体的には、検出角度範囲(0°〜180°)において、連続する2つの回転角度に着目したときに、これら回転角度における到達位置までの距離値の差が所定範囲に収まっている場合には、これら回転角度の各到達位置を同一グループとし、これら回転角度における到達位置までの距離値の差が所定範囲に収まっていない場合には、これら回転角度の各到達位置を別グループとするようにグループ分けを行う。
S30の後には、いずれかの回転角度において、複数の到達位置が検出されているか否かを判断する(S31)。ある回転角度のときのレーザ光照射方向において単一の物体のみにレーザ光が照射されるような場合には、当該回転角度の受光波形は図6(A)のように閾値を超える受光量の山が一つのみ現れることになり、このような場合、当該回転角度では単一の到達位置が検出されているものと判断できる。一方、ある回転角度のときのレーザ光照射方向において複数の物体にレーザ光が照射されるような場合には、当該回転角度の受光波形は図6(B)のように閾値を超える受光量の山が複数現れることになり、このような場合、当該回転角度において複数の到達位置が検出されているものと判断できる。S30では、このように複数の到達位置が検出されるような回転角度が検出角度範囲(0°〜180°)に存在するか否かを判断する。検出角度範囲(0°〜180°)において複数の到達位置が検出される回転角度が存在しない場合には、S31にてYesに進み、各回転角度での受光波形に基づいて検出対象物の位置を特定する。この場合の物体検出方法は従来と同様であり、S20で算出された距離値に基づいて測距エリア(即ち、図3(B)のS11で設定された監視エリア)において物体が検出されたか否かを判断し、当該物体が検出された判断できる場合には当該物体を検出対象物として位置を特定する。
一方、いずれかの回転角度において、複数の到達位置が検出されている場合には、S31にてNoに進み、複数の到達位置の検出パターンが検出対象物のパターンに該当するか否かを判断する(S33)。このS33の処理では、、複数の到達位置が検出された回転角度(以下、複数位置検出回転角度ともいう)が複数存在することを条件とし、且つ各複数位置検出回転角度が他の複数位置検出回転角度から所定の角度差内にある場合に、各複数位置検出回転角度をノイズが発生している回転角度(以下、ノイズ発生回転角度ともいう)と判断する。逆に、いずれかの複数位置検出回転角度が他の複数位置検出回転角度から所定の角度差内にない場合には、当該いずれかの複数位置検出回転角度については、ノイズ発生回転角度と判断せず、検出対象物のパターンと判断する。
なお、「所定の角度差」とは、順次照射されるレーザ光の最小照射ステップ(分解能)であってもよく、最小照射ステップの数倍(例えば、2〜3倍)程度であってもよい。なお、最小照射ステップとは、凹面鏡41が定常状態で駆動しているときのあるレーザ光の照射方向と、その次のレーザ光の照射方向との角度差に相当する。
S33において、検出対象物のパターンが存在すると判断された場合には、S33にてYesに進み、検出対象物のパターン(他の複数位置検出回転角度から所定の角度差内にない複数位置検出回転角度)については、最も前方の到達位置を検出対象物の位置として特定する。また、S33にてYesに進む場合において、ノイズ発生回転角度も存在する場合には、ノイズ発生回転角度については最後方の到達位置よりも前の到達位置をノイズと判別し、最後方の到達位置をノイズではない物体(検出対象物又は背景物体)と判別する。このノイズ発生回転角度については、S35、S36と同様の処理がなされることになる。また、検出対象物のパターンやノイズ発生回転角度以外において、単一の到達位置が検出された回転角度(単一到達位置検出回転角度)については、検出された到達位置が監視エリア内にある場合には、当該到達位置を検出対象物の位置として特定し、検出された到達位置が背景物体の位置に該当する場合には、当該到達位置を背景物体の位置として特定する。
検出対象物のパターンが存在しない場合には、S33にてNoに進み、各ノイズ発生回転角度において最後方の到達位置よりも前の到達位置をノイズと判別し、最後方の到達位置をノイズではない物体(検出対象物又は背景物体)と判別する(S35)。そして、S35の後には、各ノイズ発生回転角度での最後方の到達位置についての補正処理及び位置特定処理を行う(S36)。
S36の処理では、各ノイズ発生回転角度において得られた受光波形(即ち、図6(B)のように、第1到達位置に相当する波形と、この第1到達位置よりも後方の第2到達位
置に相当する波形とを含む受光波形)において、最後方の到達位置(第2到達位置)からの反射光によって得られた波形を補正し、この補正結果に基づいて、当該最後方の到達位置が背景位置か否かを判断する。この補正方法としては様々な方法を採用することができ、例えば、図7のように最後方の到達位置の波形Pa(山となる波形)において閾値での波形幅Waを求め、予め記憶された補正テーブルを参照して検出位置(当該波形Paにおいて閾値を超える最初のタイミング)からの補正量Δを算出し、検出位置を補正することができる。
この場合、図8のように、閾値での波形幅についての候補値と、各候補値に対応した補正量とをそれぞれ対応付けた補正テーブルを用意しておき、上記の検出された検出位置から補正量(補正テーブルによって得られた値)の分だけ前側とした位置を正規の位置として決定することができる。即ち、最後方の到達位置では、本来的に想定される波形Pbと比較して所定量Dだけ減衰していることが想定され、閾値での波形幅も本来的な波形幅Wbよりも短くなっていることが想定されるため、この減衰に起因して後退した分だけ検出位置を前側にする。そして、このように決定された正規の位置が、背景位置に該当する場合、当該回転位置においては検出対象物が検出されていないものとする。一方、決定された正規の位置が背景位置に該当しない場合には、補正後の位置を当該回転位置における検出対象物の位置として決定する。
なお、S33にてNoに進む場合、ノイズ発生回転角度以外において、単一の到達位置が検出された回転角度(単一到達位置検出回転角度)については、検出された到達位置が監視エリア内にある場合には、当該到達位置を検出対象物の位置として特定し、検出された到達位置が背景物体の位置に該当する場合には、当該到達位置を背景物体の位置として特定する。
この例では、図3、図4の処理を行う制御回路70が「補正手段」の一例に相当し、各照射方向での補正値を設定しうる補正式又は補正テーブルにより、各照射方向における第2到達位置からの反射光の受光波形を各照射方向での第1到達位置の受光波形に基づく減衰を補うように補正するように機能する。なお、上記の例では、補正テーブルによって補正した例を示したが、波形幅と補正量との関係は、波形幅が小さくなるほど補正量が大きくなる関係にあるため、このような関係を補正式(比例式等の一次式や二次式等)によって表わし、この補正式によって補正量を決定するようにしてもよい。
また、本実施形態では、制御回路70が「判定手段」の一例に相当し、到達位置検出手段によって検出された到達位置が予め定められた監視エリア内であることを条件として検出対象物が検出されたものと判定するように機能する。また、この判定手段は、凹面鏡41(偏向部)の1周期の回転範囲におけるいずれか複数の回転角度にあるときのレーザ光の各照射位置において、前記到達位置検出手段によりレーザ光の複数の到達位置が検出された場合に、それら複数の回転角度において最後方の到達位置よりも前側の到達位置の検出結果を前記検出対象物以外のノイズによるものと判定している。
(第1実施形態の主な効果)
本実施形態において、「凹面鏡41の1周期の回転範囲におけるいずれか複数の回転角度にあるときのレーザ光の各照射位置において、到達位置検出手段によりレーザ光の複数の到達位置が検出された場合」とは、即ち、それら複数の各回転角度に対応する各照射方向において、霧等の拡散物などにレーザ光の一部が照射され、残余のレーザ光がその後方の物体(背景等)に照射されたことが想定される。従って、このような検出結果が得られた場合にそれら複数の各回転角度における前側の到達位置の検出結果を検出対象物以外のノイズによるものと判定すれば、霧等に起因するノイズを除去しやすくなる。特に、上記方法では、凹面鏡41の1周期の回転範囲における複数の回転角度での受光結果に基づき、その受光結果に係る対象物体が検出対象物であるか霧等のノイズであるかを判定することができるため、例えばある1回のスキャン(即ち1周期のスキャン)にて物体からの反射光が確認された場合に、この物体が検出対象物であるか霧等のノイズであるかを当該1回のスキャン結果によって判別することが可能となる。従って、霧等のノイズに起因する誤検出を抑えて検出対象物をより正確に検出することができると共に、霧等のノイズと検出対象物とを判別するために要する時間を効果的に低減して検出の迅速化を図ることができる装置を実現できる。
上記構成では、且つ各複数位置検出回転角度が他の複数位置検出回転角度から所定の角度差内にある場合に、各複数位置検出回転角度をノイズが発生している回転角度(以下、ノイズ発生回転角度ともいう)と判断しているが、特に、凹面鏡41(偏向部)が連続した切替順序の2以上の各回転角度にあるときのレーザ光の各照射方向において、到達位置検出手段によりレーザ光の複数の到達位置が検出された場合に、それら連続する2以上の各回転角度において最後方の到達位置よりも前側の到達位置の検出結果を検出対象物以外のノイズによるものと判定している。
検出対象物の端部にレーザ光が照射された場合でもレーザ光の到達位置として2つの到達位置が検出される可能性があるが、このような場合、検出対象物の端部にレーザ光が照射される一方向のみで複数の到達位置が検出される可能性が高く、連続する複数方向で複数の到達位置が検出される可能性は低くなる。従って、上記のように、凹面鏡41(偏向部)が連続した切替順序の所定数の各回転角度にあるときの各照射方向において、レーザ光の複数の到達位置が検出された場合には、検出対象物の端部にレーザ光が照射されたことに起因して複数の到達位置が検出されたのではなく、各照射方向において霧等の微小な拡散物にレーザ光の一部が当たることで複数の到達位置が検出された可能性が高いといえる。従って、このような検出結果が得られたときに、所定数の各回転角度における前側の到達位置の検出結果を検出対象物以外のノイズによるものと判定すれば、より高い精度で霧等に起因するノイズを除去しやすくなる。
また、上記構成では、走査手段によるレーザ光の走査範囲においてレーザ光の照射方向毎の背景物体位置を特定可能な背景データを記憶する記憶部80(記憶手段)を備えており、判定手段は、偏向部が連続した切替順序の所定個数の回転角度にあるときのレーザ光の各照射方向において、到達位置検出手段により、レーザ光の到達位置として背景データで定められる各照射方向での背景物体位置よりも近い近距離位置(即ち、単一の到達位置)が検出され且つこの近距離位置よりも遠い遠距離位置が検出されないことを条件として、所定個数の回転角度における近距離位置において検出対象物が検出されたものと判定している。
外部空間の検出エリア内に霧等の拡散物が存在する場合、拡散物の粒子(例えば微小な水滴等)は極めて小さいため、所定方向に照射されたレーザ光の一部がこのような粒子に当たっても、当該レーザ光の残余の部分は粒子の後方に照射されるため、この照射方向でのレーザ光の到達位置は少なくとも2位置となる。従って、上記構成のように、各照射方向において、背景データで定められる各照射方向での背景物体位置よりも近い近距離位置がレーザ光の到達位置として検出され、且つこの近距離位置よりも遠い遠距離位置がレーザ光の到達位置として検出されない場合、即ち、各照射方向でのレーザ光到達位置がそれぞれ1つである場合、これら照射方向で検出された各レーザ光到達位置(即ち、所定個数の回転角度における各近距離位置)は上記のような微小な粒子の位置ではなく、検出対象物の位置である可能性が高い。従って、このような検出結果が得られることを条件としてこれら近距離位置において検出対象物が検出されたものと判定すれば、検出対象物をより正確に検出できるようになる。
また、本実施形態では、補正手段が設けられており、この補正手段は、偏向部がいずれか複数の回転角度にあるときのレーザ光の各照射方向において到達位置検出手段により第1到達位置とこの第1到達位置よりも後方の第2到達位置が検出されたときに、各照射方向における第1到達位置からの反射光の受光波形と第2到達位置からの反射光の受光波形とに基づいて各照射方向での補正値を設定しうる補正式又は補正テーブルにより、各照射方向における第2到達位置からの反射光の受光波形を各照射方向での第1到達位置の受光波形に基づく減衰を補うように補正している。
そして、判定手段は、補正手段により各照射方向における第2到達位置からの受光波形を補正した補正結果と、背景データで定められる各照射方向での背景物体位置とに基づいて、第2到達位置に存在する物体が背景であるか否かを判別し、背景でないと判別された場合に複数の回転角度における第2到達位置にて検出対象物が検出されたものと判定している。
外部空間の検出エリア内に霧等の拡散物が存在しているときにおいて、所定方向に照射されたレーザ光の一部がこの拡散物の粒子に当たり、残余のレーザ光が後方の背景物体に照射されたときには、背景物体に照射されるレーザ光の量が通常時(霧等の拡散物に照射されることなく直接照射された時)よりも小さくなり、背景物体からの反射光の受光波形は本来予定していた通常時の受光波形から大きく変化することになる。そして、このように背景物体からの受光波形が変化してしまうと、算出される背景物体の位置が背景データで定められる本来の位置からずれる虞がある。
これに対し、上記のように補正手段を設け、各照射方向においてレーザ光の到達位置として2位置(第1到達位置及び第2到達位置)が検出されたときに、各照射方向における第2到達位置からの反射光の受光波形を、各照射方向の第1到達位置の受光波形に基づく減衰を補うように補正すれば、各第2到達位置の通常時(レーザ光が直接照射される時)の波形内容を推測しやすくなり、それら第2到達位置が背景物体位置であるか否かをより正確に判別できるようになる。
また、本実施形態では、走査手段の偏向部が、中心軸42aを中心として回転可能に構成された凹面鏡41によって構成されており、貫通孔32を通過したレーザ光L1を水平方向に対して所定角度(図1の例では、水平方向に対して0°の角度、即ち同方向)で反射して外部空間に照射するように機能している。そして、凹面鏡41は、当該凹面鏡41に対して前記所定角度の方向に入り込んでくる光(図1の例では、水平方向に入り込んでくる光)を中心軸42a上に設定された集光点に向けて集光しつつ反射する構成をなし、且つその集光点に向けて集光される光のうち、ミラー30の反射面31で反射する光が、フォトダイオード20の受光領域で受光されるようになっている。なお、水平方向に入り込む光を凹面鏡41が集光する際の集光点は、中心軸42a上に設定されていればよく、例えば上下方向においてミラー30とほぼ同位置(例えば貫通孔32内の位置、或いは、反射面31を含む仮想平面上の位置など)であってもよく、ミラー30よりも上方位置であってもよい。この構成によれば、偏向部を投光及び受光に兼用することができるため、投光用回転ミラーと受光用回転ミラーを別々に設けるような構成と比較して部品点数の削減及び小型化を図りやすく、更に、偏向部を凹面鏡41として機能させて反射光の集光に用いることができるため、大型の集光レンズ等を配置せずに済み、一層の小型化を図りやすくなる。
更に、本実施形態の構成では、凹面鏡41から前記所定角度で照射された投光レーザが外部空間の物体に当たって生じる反射光のうち、投光角度(図1の例では、水平方向とのなす角度が0°)に近い角度で凹面鏡41に戻ってくる反射光が凹面鏡41により集光点に向けて集光され、その内の一部がミラー30を介してフォトダイオード20に導かれ、検出されることとなる。例えば、図9のように、凹面鏡41から照射された投光レーザL1が近距離の物体Mで反射した場合、投光レーザL1が大きく拡散する前に物体に当たって反射することになり、その反射光は、図9の一点鎖線F1のように、中心軸42a上にある投光レーザの照射起点(凹面鏡41における出射位置P1)付近に所定角度(位置P1からのレーザ光L1の出射角度)に近い角度で戻りやすくなる。そして、このような反射光は凹面鏡41によって中心軸42a近傍に誘導され、その一部がミラー30の反射面31で反射してフォトダイオード20によって検出されることになる。但し、このように投光レーザL1の照射起点(凹面鏡41における出射位置)付近に戻ってくる反射光(一点鎖線F1参照)は、凹面鏡41によって中心軸42a近傍に誘導され、そのうちのある程度の光が、ミラー30で反射せずに貫通孔32を抜けることになるため、フォトダイオード20に導かれない光の割合が大きくなり、フォトダイオード20での受光量を一層抑えることができる。なお、近距離の物体で反射した光のうちの一部が投光レーザL1の出射角度とは大きく異なる角度で凹面鏡41の上端や下端に入射しても(破線F2,F3参照)、このような光はフォトダイオード20への誘導経路とは関係ない方向に導かれるため、フォトダイオード20で受光されないことになる。
そして、このような特徴は、本発明のように、ある回転角度において複数の受光パルスを検出することで霧等の微粒子を判別しようとする場合に非常に有利になる。例えば、本願発明のような構成ではなく、近距離物体から偏向部に入り込む反射光のほぼ全てを検出手段に導き得る構成の場合、レーザ光L1が近距離の霧粒子で反射したときに、図11(A)の波形P1のように受光量がすぐに飽和レベルに達してしまうことになる。そして、このように一旦受光量が飽和レベルに達してしまうと、次の反射光を検出し得る状態になるまで(即ち、検出されている受光量が低レベルに低下するまで)に時間がかかるため、その霧粒子のすぐ後ろに物体が存在する場合には、その物体からの反射光の受光パルスが霧粒子からの受光パルスにかき消されてしまう虞がある。例えば、図9の物体Mの位置に微小な霧粒子が存在し、その後ろに検出すべき物体が存在する場合、図11(A)の波形P1のように霧粒子を検出した受光パルスが大きくなりすぎ、その後ろの物体からの受光パルスと一体化してしまうため、当該物体の検出漏れが生じてしまうことになる。しかしながら上述の構成では、図9を参照して説明したように、近距離の物体からの反射光については、フォトダイオード20での受光量を効果的に抑えることができるため、このような問題を解消することができる。例えば、近距離の霧粒子からの反射光については、受光レベルを相当低下させて受光することができるため、図11(A)のような波形P1を、図11(B)の波形P1’のように抑えることができるため、その霧粒子のすぐ後ろに物体が存在する場合であっても、その物体からの受光波形P2と霧粒子からの受光波形P1’とを区別できるようになり、物体の検出漏れを防ぐことができる。
一方、投光レーザL1が当たる物体の位置が凹面鏡41から遠くなると、投光レーザL1がある程度拡散してから物体に当たって反射してくることになり、凹面鏡41全体において投光角度(図1、図10の例では、水平方向に対して0°)に近い角度で入り込む光(物体からの反射光)の割合が多くなり、フォトダイオード20で受光できる割合が大きくなる。例えば、図10のように投光レーザL1がかなり遠い位置にある物体Mで反射した場合、一点鎖線F41、F42のような、投光レーザL1の照射起点(凹面鏡41における出射位置P1)付近だけでなく、投光レーザの照射起点P1から離れた位置にもレーザ光L1の投光角度に近い角度(即ち、水平方向に近い向き)の反射光(一点鎖線F51,F52,F61,F62参照)が入り込みやすく、凹面鏡41全体に入り込む光が凹面鏡41及びミラー30によってフォトダイオード20に導かれやすくなり、受光量を相対的に大きくして検出感度を高めることができる。特に、凹面鏡41によりフォトダイオード20に向けて集められる反射光のうち、貫通孔32を抜ける光の割合が近距離の場合に比べて相対的に少なくなるため受光経路でのロスを抑えることができ、受光量が小さくなりやすい遠距離からの反射光の検出感度を確実に高めることができる。
[第1実施形態の変形例]
次に、図12等を参照し、第1実施形態の変形例について説明する。なお、この変形例は、凹面鏡の形状以外は上述した第1実施形態と同一であるため、凹面鏡以外の部分については詳細な説明を省略すると共に、第1実施形態の図面、説明、符号等を引用することとする。
変形例に係るレーザレーダ装置で用いる凹面鏡41は、レーザダイオード10からのレーザ光L1の入射位置に平坦な平面状反射面72aを備えた平面反射部72と、湾曲した凹面状反射面71aを備えた凹面反射部71とを有し、平面状反射面72a内を交差して通る中心軸42aを中心として回転可能とされている。第1実施形態の凹面鏡41は、反射面41aの全体が凹面状反射面71aと同様の放物面(即ち、中心軸42a上に集光点が設定されるように構成される曲面)で構成されていたが、この変形例は、その一部(位置P2付近の投光レーザL1が当たる位置)を放物面ではなく、中心軸に対してある角度で傾斜した平坦面(平面状反射面72a)としている。この構成でも、凹面鏡41は、中心軸42aを中心として回転可能に構成されており、貫通孔32を通過したレーザ光L1を平面状反射面72aによって所定角度(例えば水平方向に対して0°)で反射して外部空間に照射するようになっている。また、この構成でも、凹面鏡41に対して所定角度(投光レーザの角度)の方向に入り込んでくる光を、少なくとも凹面反射部71が中心軸42a上の集光点に向けて集光しつつ反射するようになっており、このように中心軸42a上の集光点に向けて導かれる光の一部がミラー30(図1等参照)で反射してフォトダイオード20に受光されるようになっている。なお、図12では、変形例で用いられる凹面鏡41を概念的に示しているが、平面反射部のサイズや形状は図の例に限られるものではなく、様々に変更することができる。例えば、平面反射部72を水平面(中心軸42aと直交する仮想平面)に投影したときの正投影の外形は、中心軸42aを中心とする円形となっていることが好ましく、更に、その平面反射部72の正投影の径(円形外形の径)は、位置P1でのレーザ光の径(スポット径)と同一であってもよく、スポット径よりもやや大きかったり、やや小さかったりしてもよい。また、貫通孔32の内面は、中心軸42aを中心とする円筒面として構成されており、その円筒面の径は、当該貫通孔32を通過するレーザ光L1のスポット径よりもやや大きいことが望ましいが、上記平面反射部72の上記正投影の径と同程度であってもよい。
この変形例のように投光レーザL1の照射の起点位置(凹面鏡41での反射位置P1)に平面反射部を設けることで凹面鏡41で反射したレーザ光L1が拡散しにくくなり、レーザ光のエネルギー密度を高めてレーザ光をより遠方に飛ばすことができる。但し、この構成では、近距離におけるエネルギー密度がより一層大きくなるため、近距離に霧が存在する場合の上述の問題(受光量の飽和に起因する後方物体の検出漏れの問題)が一層顕著となる。従って、このような構成に上述の特徴構成を適用し、近距離からの反射光の検出感度を抑え、遠距離からの反射光の検出感度を高めるようにすれば、より有効である。
[第2実施形態]
次に、図13〜図17を参照しつつ第2実施形態について説明する。
図13は、第2実施形態に係るレーザレーダ装置200の全体構成を概略的に例示する断面図である。なお、図13では、レーザレーダ装置200を偏向部241の回転中心軸42aに沿った所定切断面(中心軸42a及びフォトダイオード20の受光位置を通る切断面)で切断した構成を概略的に示している。また、以下の説明では、透過板の断面については白抜きで示すこととする。
本実施形態に係るレーザレーダ装置200は、ケース3、レーザダイオード10、フォトダイオード20、ミラー30、軸部42、モータ50、回転角度センサ52については、第1実施形態と同一の構成となっており、第1実施形態と同一の機能を有している。また、制御回路70は、制御方法が第1実施形態と異なるだけでハードウェア構成は第1実施形態と同様である。また、記憶部80は、記憶内容が第1実施形態と異なるだけでハードウェア構成は第1実施形態と同様である。よって、これらについては、第1実施形態と同一の符号を付し、ハードウェア構成等の詳細な説明は省略する。
レーザダイオード10は、「レーザ光発生手段」の一例に相当し、第1実施形態と同様の構成をなしており、制御回路70の制御により、図示しない駆動回路からパルス電流を受け、このパルス電流に応じたパルスレーザ光(レーザ光L1)を間欠的に出射している。なお、本実施形態では、レーザダイオード10から装置外の物体(図示略)に至るまでのレーザ光を符号L1にて概念的に示し、このレーザ光L1のうち、後述する第1反射部73(図14等)から水平方向に照射されるレーザ光を符号L11で概念的に示している。また、後述する第2反射部74(図14等)から斜め下方向に照射されるレーザ光を符号L12で概念的に示している。一方、水平方向に照射されたレーザ光L11が装置外の物体に当ったときに、この物体からフォトダイオード20に至るまでの反射光(第1反射光)の経路を符号L21にて概念的に示している。また、斜め下方向に照射されたレーザ光L12が装置外の物体(地面等)に当った時にこの物体からフォトダイオード220に至るまでの反射光の経路を符号L22にて概念的に示している。
フォトダイオード20、220はいずれも、例えばアバランシェフォトダイオード(avalanche photodiode)などによって構成されている。一方のフォトダイオード20は、「第1検出手段」の一例に相当するものであり、基本的には第1実施形態で用いられたフォトダイオード20と同様の構成をなしており、レーザダイオード10からレーザ光L1が発生し、そのレーザ光L1が偏向部241で分岐した一方のレーザ光(水平方向のレーザ光L11)が外部空間に存在する物体(図示略)で反射したときに、この反射で生じる第1反射光L21を偏向部241を介して検出するように構成されている。なお、水平方向からの反射光については上下方向所定領域内のものが偏向部241に受けられる構成となっており、図13では、符号L21a,L21bで示す2つのライン付近を境界としてこのラインL21a,L21b間の領域の反射光L2が偏向部241によって反射されるようになっている。他方のフォトダイオード220は、「第2検出手段」の一例に相当するものであり、レーザダイオード10からレーザ光L1が発生し、そのレーザ光L1が偏向部241で分岐した他方のレーザ光(下方向のレーザ光L12)が外部空間の物体で反射したときに、この反射で生じる第2反射光L22を、偏向部241を介して検出するように構成されている。なお、斜め下方向からの反射光L22についても所定領域内のものが偏向部241に受けられる構成となっており、図13では、符号L22a,L22bで示す2つのライン付近を境界としてこのラインL22a,L22b間の領域の反射光L22が偏向部241によって反射されるようになっている。
なお、本構成でも、レーザダイオード10から出射されるレーザ光L1の光軸上にはレンズ60が設けられ、レンズ60を通過したレーザ光L1の光路付近には、ミラー30が設けられている。レンズ60は、第1実施形態と同様のコリメートレンズとして構成されるものであり、レーザダイオード10で発生して拡散しようとするレーザ光L1を集光し略平行光に変換している。また、ミラー30は、レーザ光L1の光軸に対し所定角度(例えば45°)で傾斜してなる反射面31と、反射面31と交差する方向(詳しくは上下方向)の貫通孔32とを備えており、レーザダイオード10からのレーザ光L1を貫通孔32を介して通過させる一方、装置外の検出物体からの反射光L21(より詳しくは水平方向に沿って入ってくる第1反射光L21が偏向部241にて反射された反射光)をフォトダイオード20に向けて反射させている。
そして、ミラー30を通過するレーザ光L1の光軸上には、回転反射機構240が設けられている。回転反射機構240は、回転可能に構成された偏向部241と、この偏向部241に連結された軸部42と、この軸部42を回転可能に支持する図示しない軸受とを備えている。偏向部241は、上下方向に延びる中心軸42aを中心として回転可能に配設されている。偏向部241の回転中心となる中心軸42aの方向は、ミラー30を通過して当該偏向部241に入射するレーザ光L1の方向と略一致しており、レーザ光L1が偏向部241に入射する入射位置が中心軸42a上の位置P1付近となっている。
偏向部241は、貫通孔32を通過したレーザ光L1の経路上に配される平面状反射面(平面状反射面73a,74a)を備えた平面反射部72と、平面状反射面よりも広い領域の凹面状反射面を備えた凹面反射部71とを有すると共に、平面反射部72と凹面反射部71とが中心軸42aを中心として一体的に回動するように構成されている。
平面反射部72は、例えば中心軸42aとのなす角度(鋭角側の角度)が45°に設定された平面状反射面73aを有する第1反射部73と、中心軸42aとのなす角度(鋭角側の角度)が0°よりも大きく45°よりも小さく設定された平面状反射面74aを有する第2反射部74とを備えており、第1反射部73と第2反射部74の傾きが異なるように構成されている。このように構成される平面反射部72は、レーザダイオード10からのレーザ光L1を中心軸42aと直交する水平方向と該水平方向よりも低い斜め下方向とに少なくとも上下2分割してそれぞれ反射している。即ち、平面反射部72に入射するレーザ光L1の内、第1反射部73に入射する光についてはこの第1反射部73で反射して水平方向に向かうことになる。一方、平面反射部72に入射するレーザ光L1の内、第2反射部74に入射する光についてはこの第2反射部74で反射して斜め下方向に向かうようになっている。なお、本実施形態では、中心軸42aを含み且つ水平方向のレーザ光L11の光軸中心を含む仮想平面を想定した場合、斜め下方向に向かうレーザ光L12がこの仮想平面上を通るようになっている。
このように、本実施形態では、偏向部241の反射面241aにおいて位置P1付近の部分(第1反射部73の部分)が、垂直方向(反射面241aに入射するレーザ光L1の方向)に対して略45°の角度で斜め上向きに傾斜しており、偏向部241は入射するレーザ光L1の方向と一致した方向の中心軸42aを中心として回転するため、偏向部241の回転位置(回転角度)に関係なく上記部分(第1反射部73の部分)へのレーザ光L1の入射角度が常に約45°で維持され、第1反射部73からのレーザ光L11の向きは絶えず水平方向(中心軸42aと直交する方向)となる。従って、モータ50によって偏向部241が回転駆動されたときには、その回転に伴ってレーザ光L11が水平方向に移動するように水平走査がなされる。なお、本実施形態では、中心軸42aの方向を垂直方向(上下方向、縦方向)としており、中心軸42aと直交する平面方向を水平方向としている。また、位置P1を基準としたとき、レーザ光L1が位置P1に向かってくる側を上側としている。
一方、偏向部241におけるレーザ光L1の入射位置において中心軸42aから若干外れた部分(第2反射部74の部分)は、平面状反射面74aと垂直方向(反射面241aに入射するレーザ光L1の方向)とのなす角度が45°よりも小さくなるように斜め上向きに傾斜している。そして、偏向部241は入射するレーザ光L1の方向と一致した方向の中心軸42aを中心として回転するため、偏向部241の回転位置(回転角度)に関係なく上記部分(第2反射部74の部分)と入射するレーザ光L1とのなす角度が常に約45°未満の一定角度で維持され、第2反射部74からのレーザ光L12の向きは、水平方向とのなす角度が一定角度(0°より大きく45°よりも小さい一定角度)となる斜め下向きとなる。従って、モータ50によって偏向部241が回転駆動されたときには、その回転に伴い、レーザ光L12は、水平方向に対し一定角度斜め下向きで維持されつつ横方向に移動するように走査がなされる。このように、モータ50によって偏向部241が回転駆動されたときには、偏向部241から外部空間に照射される上下2つのレーザ光(レーザ光L11、L12が中心軸42aの周りで移動することになる。
凹面反射部71は、例えば外面(凹面状反射面)が放物面等として構成され、凹面鏡として機能しており、平面反射部72の平面状反射面(平面状反射面73a,74a)に隣接して当該平面状反射面を取り囲むように外面(凹面状反射面)が配置されている。この凹面反射部71は、水平方向に入射する所定領域(L21aとL21bの間の領域)の反射光L21を上方に向けて反射させつつ集光し、集光される反射光L21の焦点位置が中心軸42a上になるように形状が調整されている。また、斜め下方向から入射する所定領域(L22aとL22bの間の領域)の反射光L22を上方に向けて反射させつつ集光し、集光される反射光L22の焦点位置がフォトダイオード220付近となるように形状が調整されている。
偏向部241の形状を更に詳しく説明すると、偏向部241を平面視したときの平面反射部72の外形(即ち、偏向部241を中心軸42aと直交する仮想平面に投影したときの平面反射部72の外形)が略円形状となるように構成されており、偏向部241におけるレーザ光L1の入射領域は、平面反射部72の領域と略一致、又は平面反射部72の領域に収まるように当該平面反射部72の領域よりもやや小さくなっている。なお、図14、図15の例では、第1反射部73の平面状反射面73aの領域のほうが第2反射部74の平面状反射面74aの領域よりも大きくなっており、中心軸42aの軸線上に第1反射部73の平面状反射面73aが位置するようになっている。
このように構成される回転反射機構240は、偏向部241によりレーザダイオード10からのレーザ光L1を空間に向けて反射させると共に、この偏向部241により、装置外の物体から水平方向に返ってくる反射光(水平方向のレーザ光L11が装置外の物体で反射して返ってくる第1反射光L21)をフォトダイオード20に向けて偏向させ、且つ装置外の物体から斜め方向に返ってくる反射光(斜め下方向のレーザ光L12が装置外の物体で反射して返ってくる第2反射光L22)を第1反射光L21の経路とは異なる経路でフォトダイオード220に向けて偏向させるように機能する。
なお、モータ50及び回転角度センサ52は、第1実施形態と同様の構成となっており、モータ50は、軸部42を回転させることで、軸部42と連結された偏向部241を回転駆動しており、回転角度センサ52は、モータ50の軸部42の回転角度位置(即ち偏向部241の回転角度位置)を検出している。本構成でも、回転反射機構240及びモータ50が「走査手段」の一例に相当する。
このように構成されるレーザレーダ装置1では、偏向部241の回転角度θ(所定の基準回転位置(例えば、ロータリエンコーダが原点を示す位置)からの回転角度)が定まれば装置からの水平方向のレーザ光L11の投射方向が特定される。従って、レーザレーダ装置1が規定の設置状態(例えば、中心軸42aの方向が鉛直方向となるような設置状態等)で設置されていれば、フォトダイオード20が物体からの反射光L12を受光したときの偏向部241の回転角度を回転角度センサ52によって検出することで、当該物体の方位を正確に検出できる。なお、フォトダイオード20が物体からの反射光を受光したか否かは、フォトダイオード20での受光量(即ち、フォトダイオード20からの出力)が閾値を超えたか否かによって判断することができ、「フォトダイオード20にて閾値を超える反射光が受光されたとき」が「物体からの反射光L21を受光したとき」となる。
また、レーザダイオード10にてレーザ光L1(パルスレーザ光)が発生してからフォトダイオード20によって当該レーザ光L11に対応する反射光L12が検出されるまでの時間T1を検出すれば、この時間T1と光速とに基づいて、レーザ光L1の発生から反射光L21受光までの光経路の長さを算出することができ、レーザレーダ装置1の所定基準位置(例えば位置P1)から検出物体までの距離Lも正確に求めることができる。つまり、レーザレーダ装置1から検出物体までの距離及び方位をいずれも正確に検出することができる。
なお、本実施形態では、回転角度センサ52、制御回路70が「第1到達位置検出手段」の一例に相当し、レーザダイオード10にてレーザ光L1が発生し、当該レーザ光L1に応じた第1反射光L21がフォトダイオード20によって検出されたときに、当該レーザ光L1が発生した際の偏向部241の回転角度と、当該レーザ光L1の発生から第1反射光L21がフォトダイオード20によって検出されるまでの経過時間T1とを求め、それら回転角度及び経過時間T1に基づいて、第1反射光L21の発生元となるレーザ光到達位置を検出するように機能する。
また、偏向部241の回転角度θ(所定の基準回転位置(例えば、ロータリエンコーダが原点を示す位置)からの回転角度)が定まれば装置からの斜め下方向のレーザ光L12の投射方向も特定される。従って、レーザレーダ装置1が規定の設置状態(例えば、中心軸42aが鉛直方向となる設置状態等)で設置されていれば、フォトダイオード220が物体からの反射光L22を受光したときの偏向部241の回転角度を回転角度センサ52によって検出することで、斜め下方向のレーザ光L12が到達した物体の方位(第2反射光L22が発生した位置の方位)を正確に検出できる。なお、フォトダイオード220が物体からの反射光を受光したか否かは、フォトダイオード220での受光量(即ち、フォトダイオード220からの出力)が閾値を超えたか否かによって判断することができ、「フォトダイオード220にて閾値を超える反射光が受光されたとき」が「物体からの反射光L22を受光したとき」となる。
この構成では、回転角度センサ52、制御回路70が「第2到達位置検出手段」の一例に相当し、レーザダイオード10にてレーザ光L1が発生し、当該レーザ光L1に応じた第2反射光L22がフォトダイオード220によって検出されたときに、当該レーザ光L1が発生した際の偏向部241の回転角度と、当該レーザ光L1の発生から第2反射光L22がフォトダイオード220によって検出されるまでの経過時間T2とを求め、それら回転角度及び経過時間T2に基づいて、外部空間における斜め下方向のレーザ光の到達位置を検出するように機能する。
次に、本実施形態に係るレーザレーダ装置200での検出の流れについて説明する。なお、検出の大まかな流れは第1実施形態で用いた図3と同様であるので、図3を参照しつつ説明する。
本実施形態では、所定の開始条件の成立時(例えば、電源投入時や図示しない操作部に対する所定操作等がなされたとき)に、図3(A)のような流れで検出処理が行われる。この検出処理では、まず最初に初期設定処理(S1)が行われるようになっており、その後に距離測定処理(S2)が繰り返されるようになっている。
S1の初期設定処理は、図3(B)のような流れとなっており、まず、初期値の設定処理を行う(S10)。この初期値の設定処理では、例えば偏向部241の回転基準位置の設定などの様々な設定を行う。なお、ここでは、図17に示す矢印F1の方向を回転角度0°の基準方向とし、矢印F2の方向を180°の方向とし、0°〜180°の範囲を検出角度範囲とする場合について説明する。
S10の処理の後には、測距エリア(監視エリア)を設定する処理を行う(S11)。本実施形態では、この処理において、所定の角度範囲(図17に示す0°〜180°の角度範囲)においてレーザ光による走査を行い、この角度範囲における各回転位置(各回転角度)において斜め下方向のレーザ光L12の到達位置を検出する。具体的には、偏向部241を回転駆動すると共に各回転位置(各回転角度)においてレーザダイオード10からパルスレーザ光L1を順次出射してレーザ光L12の走査を行う。なお、偏向部241の回転速度やパルスレーザ光L1の出射時間間隔(即ち、レーザ光L12の出射時間間隔)は様々に設定することができる、例えば、偏向部241が0.5°ずつ回転する毎にパルスレーザ光L1が出射されるようなタイミングで走査を行うことができる。また、S11でのレーザ光の走査は、監視対象とするべきエリアに物体が存在しないことを確認した上で行うことが望ましく、この場合、各パルスレーザ光L1が出射されるときの各回転位置(各回転角度)において偏向部241から投射された斜め下向きのレーザ光L12が地面や床面(図16の符号E参照)にて反射し、この反射光の一部が再び偏向部241に入射すると共にフォトダイオード220によって検出されることとなる。従って、各回転位置でレーザ光L1が照射されたときのレーザレーダ装置1からレーザ光L12が到達する地面又は床面までの距離(例えば、到達位置P2までの水平方向の距離)をそれぞれ算出できることとなる。
このS11の処理では、図5と同様に検出角度範囲(ここでは0°〜180°)における各回転位置(各回転角度)でのレーザ光L12の到達位置(例えば各回転角度においてレーザ光L12が地面等に到達する到達位置P2までの位置P1からの水平方向の距離値)が取得できる。この処理で検出される各回転位置(各回転角度)での到達位置までの距離値は、各回転位置において斜め下向きのレーザ光L12が照射可能となる限界位置である。このようにして、検出角度範囲において、各回転位置での到達位置P2までの水平距離のデータが得られ、実施形態では、水平方向において各回転位置(各回転角度)でのレーザ光L12の各到達位置よりも内側(即ち、各到達位置よりもレーザレーダ装置1に近い領域)を測距エリア(監視エリア)として設定する。なお、図17では、斜め下向きのレーザ光L12の到達位置の軌跡をAR2で示しており、監視エリアの設定例をARで示している。
なお、上述したような初期設定のための検出動作を行わず、例えば、作業者によるデータ入力などによって監視エリアを設定してもよい。本実施形態の構成では、中心軸42aが鉛直方向となるようにレーザレーダ装置1が設置された場合において、地面又は床面(図16では、地面又は床面を符号Eで概念的に例示)がほぼ水平面に近い場合、レーザレーダ装置1の位置P1の高さが判明すれば、第2反射部74の平面状反射面74aの傾きが既知であるため、レーザ光L12の到達位置P2までの水平距離A2が判明する。即ち、位置P1の面Eからの高さがhであり、レーザ光L12と水平方向とのなす角度がαである場合、位置P1から到達位置P2までの距離L2は、測定によって求めることができるため、距離A2は、A2=h/tanαとして求めることができる。そして、この場合、図17のように平面視したときに、レーザ光L12は、位置P1を中心とする半径A2の円上(図17の符号AR2で示す円上)で面E(地面又は床面)に到達することになるため、この半径A2の円内に収まるように監視エリアを設定すればよい。例えば、図17の例では、位置P1を中心とする半径A1(但しA1<A2)の略半円内を監視エリアとするように設定している。
このように、本構成では、レーザレーダ装置1が基準面E(地面又は床面)から所定高さhの位置において、中心軸42aが基準面E(地面又は床面)と直交する方向となるように設置され、偏向部241の各回転角度において斜め下方向のレーザ光L12が基準面E(地面又は床面)に到達する位置が各回転角度における監視エリアの外側となるように構成されている。
図3(B)に示す初期設定処理の後には、距離測定処理を行う(S2)。この距離測定処理では、偏向部241を回転駆動すると共に各回転角度においてレーザダイオード10からパルスレーザ光L1を順次出射し、水平方向のレーザ光L11及び斜め下方向のレーザ光L12の走査を行う。そして、例えば検出角度範囲(こでは0°〜180°)の1周期分において各回転角度毎にフォトダイオード20での受光波形(即ち、レーザ光L11の反射光L21の受光結果波形)を取得し、各回転角度での照射方向における水平方向のレーザ光L11の到達位置(距離値)を算出する(S20)。ここでは、各回転角度毎に、パルスレーザ光L1の投光から反射光L21の受光(閾値を超える反射光の受光)までの時間T1を検出し、この時間T1と光速とに基づいて水平レーザ光L11のレーザ光到達位置までの距離値を算出する。なお、この処理でも、偏向部241の回転速度やパルスレーザ光L1の出射時間間隔は様々に設定することができる、例えば、初期設定処理と同様、偏向部241が0.5°ずつ回転する毎にパルスレーザ光L1が出射されるようなタイミングで走査を行うことができる。そして、検出角度範囲(0°〜180°)における各回転角度での距離値を算出した後には、ノイズ判別処理を行う(S21)。
S21のノイズ判別処理は、例えば図4の流れに代えて以下のように行う。
まず、いずれかの回転角度において、斜め下方向のレーザ光L12によって複数の到達位置が検出されているか否かを判断する。ある回転角度のときのレーザ光照射方向において単一の対象(例えば地面や床面)のみにレーザ光L12が照射されるような場合には、当該回転角度におけるフォトダイオード220での受光波形は図6(A)と同様、閾値を超える受光量の山が一つのみ現れることになり、このような場合、当該回転角度では単一の到達位置が検出されているものと判断できる。一方、ある回転角度のときのレーザ光照射方向において複数の物体にレーザ光L12が照射されるような場合には、当該回転角度におけるフォトダイオード220での受光波形は図6(B)のように閾値を超える受光量の山が複数現れることになり、このような場合、当該回転角度において複数の到達位置が検出されているものと判断できる。従って、偏向部241が1回転する間に、このようにフォトダイオード220で複数の到達位置が検出されるような回転角度が検出角度範囲(0°〜180°)に存在するか否かを判断する。検出角度範囲(0°〜180°)において複数の到達位置が検出される回転角度が存在しない場合、その周回において水平方向のレーザ光L11によって得られている受光波形(即ち、各回転角度におけるフォトダイオード20での受光波形)に基づいて検出対象物の位置を特定する。この場合の物体検出方法は従来と同様であり、水平方向に照射されるレーザ光L11の走査によって測距エリア(即ち、図3(B)のS11で設定された監視エリア)内で物体が検出されたか否かを判断し、当該物体が検出された判断できる場合には当該物体を検出対象物として位置を特定する。
一方、ある周回におけるいずれか連続する複数の回転角度において、フォトダイオード220によって図6(B)のように複数の到達位置が検出されている場合には、このようにノイズが検出された周回、又はノイズが検出された周回を含むその後の一定周回のときに、水平方向のレーザ光L11の走査においてノイズが検出された回転角度と同じ回転角度で物体が検出されてもその結果を無視する。即ち、レーザ光L12の照射によってノイズが検出された回転角度(上記複数の到達位置が検出された回転角度)においてレーザ光L11の照射によって監視エリア内で物体が検出されていても、その物体を検出対象物として扱わず、ノイズとして扱うようにする。なお、レーザ光L12の照射によってノイズが検出されていない回転角度(上記複数の到達位置が検出されていない回転角度、即ち、上記のように無視する対象でない回転角度)については、従来と同様であり、水平方向に照射されるレーザ光L11の走査によって測距エリア(即ち、図3(B)のS11で設定された監視エリア)内で物体が検出されたか否かを判断し、当該物体が検出された判断できる場合には当該物体を検出対象物として位置を特定する。なお、ある周回におけるいずれか連続する複数の回転角度において、フォトダイオード220によって図6(B)のように複数の到達位置が検出された場合、それら回転角度で霧等のノイズが発生している旨を図示しない表示部での表示、音声案内、データ出力などによって報知してもよい。
本構成では、制御回路70は、「ノイズ検出手段」の一例に相当し、偏向部241の1周期の回転範囲におけるいずれか連続する複数の回転角度において、それぞれの回転角度で第2到達位置検出手段によりレーザ光の複数の到達位置が検出された場合に、それら連続した複数の回転角度でノイズが発生していると判断する。
本構成では、制御回路70が、「判定手段」の一例に相当し、第1到達位置検出手段によって検出されたレーザ光到達位置が予め定められた監視エリア内であることを条件として検出対象物が検出されたものと判定しており、ノイズ検出手段により複数の回転角度でノイズが発生していると判断された場合、これら複数の回転角度のいずれかにおいて第1到達位置検出手段によりレーザ光到達位置が検出されたときでも検出対象物が検出されたと判定しないようにしている。
(第2実施形態の主な効果)
偏向部241の1周期内のいずれか連続する複数の各回転角度にあるときに斜め下方向のレーザ光L12によって複数の到達位置が検出された場合、それら複数の各回転角度では、霧等の拡散物などに斜め下方向L12のレーザ光の一部が照射され、残余のレーザ光がその後方の物体(地面や床面等)に照射されたことが想定される。本構成では、このような二重の検出結果が連続する複数の回転角度で得られた場合、それら複数の回転角度でノイズが発生していると判定するので、当該各回転角度で霧等に起因するノイズが発生しているものとして装置内で適切な対応をとりやすくなる。例えば、ノイズが検出された周回と同じ周回において、或いはノイズ検出後の一定周回において、ノイズが検出された回転角度と同じ回転角度で水平方向のレーザ光L11に基づいて検出対象物が検出されてもその結果を無視するようにしたり、或いは、ノイズが検出された回転角度でノイズが発生していることをエラー情報等として報知するといった対応がとりやすくなる。
なお、検出対象物の端部にレーザ光の一部が照射され残余のレーザ光が検出対象物の後ろの物体に照射されるようなケースでも同様の「二重の検出結果」が得られる懸念があるが、「連続する複数の回転角度」で上記二重の検出結果が得られている場合、このようなケース(検出対象物の端部にレーザ光の一部が照射され残余のレーザ光が検出対象物の後ろの物体に照射されるようなケース)ではない可能性が確率的に極めて高くなるため、正規の検出対象物をノイズと判定してしまう問題も生じ難い。特に、回転角度のピッチをより狭くし、監視エリア内において連続する2つの回転角度のレーザ光が物体に当たるときの間隔が想定している検出対象物の想定幅(例えば人等)よりも短くなるように構成すれば、上記効果を一層高めることができる。
更に、上記方法では、偏向部241を何周も回転することなく1周期内での受光結果に基づき霧等のノイズが発生しているか否かを判定することができるため、霧等のノイズが発生しているか否かを判断するために要する時間を効果的に低減して検出の迅速化を図ることができる。なお、このようなノイズ判定は、ノイズが検出された周回内で行ってもよく、ノイズが検出された周回後に行ってもよい。
また、本構成では、一方のレーザ光L12(主にノイズ判定用に用いられるレーザ光)が斜め下向きに照射されるようにレーザ光L1を分割しているため、当該レーザ光L12は光路全体が阻害されずに一定距離以上に達したときには必然的に地面や床面等の物体に到達することになる。従って、例えば「霧等のノイズ物体にレーザ光の一部が照射されたものの残余のレーザ光が遠方(例えば、反射光を検出できなくなる程度の遠方)まで物体に当たらず、その回転角度で二重の検出結果が得られない」といったノイズ検出漏れを防ぐことができ、霧等のノイズの検出精度を格段に高めることができる。
また、本構成では、ノイズ検出手段により複数の回転角度でノイズが発生していると判断された場合、判定手段は、これら複数の回転角度のいずれかにおいて第1到達位置検出手段によりレーザ光到達位置が検出されたときでも検出対象物が検出されたと判定しないようになっている。いずれかの回転角度において斜め下方向のレーザ光L12に基づいてノイズが検出された場合、当該回転角度では、霧等のノイズ原因が斜め下方向での物体検出だけでなく水平方向での物体検出にも影響を及ぼしている可能性が高いといえる。従って、連続する複数の回転角度で斜め下方向に照射された各レーザ光L12に基づいて各回転角度でノイズが発生していると判断された場合、それら各回転角度での水平照射によってレーザ光到達位置が検出されても検出対象物が検出されたと判定しないようにすれば、霧等のノイズを検出対象物と誤検出するリスクを極力低減することができる。
また、本構成では、当該レーザレーダ装置1が、基準面E(地面又は床面)から所定高さhの位置において、中心軸42aが地面又は床面と直交する方向となるように設置されるものとなっている。そして、偏向部241の各回転角度において斜め下方向のレーザ光L12が基準面E(地面又は床面)に到達する位置が各回転角度における監視エリアの外側となるように構成されている。
この構成によれば、各回転角度において、ノイズ検出が可能となる水平方向の範囲(即ち、装置を基点として斜め方向のレーザ光L12が到達する地面等までの水平方向の範囲)が監視エリアの水平方向範囲を包含することになるため、監視エリア内に発生した霧等のノイズを、検出漏れを抑えてより確実に検出することができる。なお、レーザレーダ装置1の基準面Eからの高さh及び斜め下方向のレーザ光L12の角度(水平方向とのなす角度α)、レーザ光L1の出力、フォトダイオード220の感度の関係は、レーザ光L12が基準面E(地面又は床面)で反射して生じる反射光(第2反射光L22)をフォトダイオード220が確実に検出できる関係(即ち、第2反射光L22をフォトダイオード220が受光したときに、フォトダイオード220での受光量が物体検出の目安となる閾値を超える関係)にすればよい。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
第1実施形態では、走査方向が中心軸42aと直交する水平方向(横方向)に限定されたレーザレーダ装置を例示したが、レーザ光の照射方向が上下に変化し得る構成であっても同様に適用できる。
第1実施形態では、偏向部として凹面鏡41を例示したが、凹面鏡構造でない公知の偏向部(例えば傾斜した平面ミラーとして構成される偏向部など)を用いた公知構造を採用してもよい。
第2実施形態では、偏向部241において、平面反射部72の周りに凹面反射部71を設けた構成を例示したが、凹面反射部71の部分を平面ミラーとして構成してもよい。
第1実施形態では、背景物体の位置から内側を監視エリアとしていたが、背景物体の位置とは別に監視エリアを設定してもよい。例えば、図2のように、検出角度範囲においてレーザレーダ装置1から所定距離隔てた位置ARよりも内側の領域を監視エリアとして設定するような構成であってもよい。
1…レーザレーダ装置
10…レーザダイオード(レーザ光発生手段)
20…フォトダイオード(検出手段、第1検出手段)
40…回転反射機構(走査手段)
41…凹面鏡(偏向部)
42a…中心軸
50…モータ(走査手段、駆動部)
52…回転角度センサ(到達位置検出手段、第1到達位置検出手段、第2到達位置検出手段)
70…制御回路(到達位置検出手段、判定手段、補正手段、第1到達位置検出手段、第2到達位置検出手段、ノイズ検出手段)
80…記憶部(記憶手段)
220…フォトダイオード(第2検出手段)
241…偏向部

Claims (3)

  1. レーザ光を発生させるレーザ光発生手段と、
    所定の中心軸を中心として回転可能に構成されると共に前記レーザ光発生手段からのレーザ光を前記中心軸と直交する水平方向と該水平方向よりも低くなるように地面又は床面に向かう斜め下方向とに少なくとも上下2分割してそれぞれ反射する偏向部と、前記偏向部を回転する駆動部とを備え、前記駆動部により前記偏向部を回転することで前記偏向部から外部空間に照射される上下2つのレーザ光を前記中心軸の周りで移動させる走査手段と、
    前記偏向部で分割された前記水平方向のレーザ光が前記外部空間に存在する物体で反射したときに、この反射で生じる第1反射光を、前記偏向部を介して検出する第1検出手段と、
    前記偏向部で分割された前記斜め下方向のレーザ光が前記外部空間で反射したときに、この反射で生じる第2反射光を、前記偏向部を介して検出する第2検出手段と、
    前記レーザ光発生手段にてレーザ光が発生し、当該レーザ光に応じた前記第1反射光が前記第1検出手段によって検出されたときに、当該レーザ光が発生した際の前記偏向部の回転角度と、当該レーザ光の発生から前記第1反射光が前記第1検出手段によって検出されるまでの経過時間とを求め、それら回転角度及び経過時間に基づいて、前記第1反射光の発生元となるレーザ光到達位置を検出する第1到達位置検出手段と、
    前記第1到達位置検出手段によって検出されたレーザ光到達位置が予め定められた監視エリア内であることを条件として検出対象物が検出されたものと判定する判定手段と、
    前記レーザ光発生手段にてレーザ光が発生し、当該レーザ光に応じた前記第2反射光が前記第2検出手段によって検出されたときに、当該レーザ光が発生した際の前記偏向部の回転角度と、当該レーザ光の発生から前記第2反射光が前記第2検出手段によって検出されるまでの経過時間とを求め、それら回転角度及び経過時間に基づいて、前記外部空間における前記斜め下方向のレーザ光の到達位置を検出する第2到達位置検出手段と、
    前記偏向部の1周期の回転範囲におけるいずれか連続する複数の回転角度において、それぞれの回転角度で前記第2到達位置検出手段によりレーザ光の複数の到達位置が検出された場合に、それら連続した複数の回転角度でノイズが発生していると判断するノイズ検出手段と、
    を有することを特徴とするレーザレーダ装置。
  2. 前記判定手段は、前記ノイズ検出手段により複数の回転角度でノイズが発生していると判断された場合、これら複数の回転角度のいずれかにおいて前記第1到達位置検出手段によりレーザ光到達位置が検出されたときでも前記検出対象物が検出されたと判定しないことを特徴とする請求項1に記載のレーザレーダ装置。
  3. 当該レーザレーダ装置は、地面又は床面から所定高さの位置において、前記中心軸が地面又は床面と直交する方向となるように設置されるものであり、
    前記偏向部の各回転角度において前記斜め下方向のレーザ光が地面又は床面に到達する位置が各回転角度における前記監視エリアの外側となるように構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレーザレーダ装置。
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