JP2014071028A - レーザレーダ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】三次元的な物体検出が可能なレーザレーダ装置において、投光から受光までの真の時間をより正確に把握し、物体までの距離をより精度高く計測しうる構成を提供する。
【解決手段】レーザレーダ装置1は、回転体41の回転に応じて、各反射部51〜54がレーザ光の投光経路上に順次位置してレーザ光を外部空間に向けて反射するように構成されている。また、いずれかの反射部からの走査エリア上には基準物体90が配され、レーザ光が発生してから、当該レーザ光が基準物体90で反射して生じる光がフォトダイオード20で検出されるまでの時間を基準時間T1として算出している。そして、物体検出時に、レーザ光が発生してから、当該レーザ光に対応する反射光が入力光としてフォトダイオード20で検出されるまでの計測時間Tを求め、当該計測時間Tと、前記基準時間T1とに基づいて、物体までの距離Lを算出している。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザレーダ装置に関するものである。
レーザレーダ装置の分野では、3次元的な検出を行い得る技術として、例えば特許文献1のような技術が提供されている。特許文献1で開示される3次元レーザ測距装置は、小鏡面群を有するポリゴンミラー30と、揺動ミラー22を有する2次元走査ミラーユニット20とを備えており、2次元走査ミラーユニット20では、揺動ミラー22が2軸ジンバル構造で揺動可能となっている。この構成では、揺動ミラー22で多方向に走査される光が、ポリゴンミラー30の各小鏡面で反射して空間に投射されるようになっており、3次元的な広い走査レンジが確保される構成となっている。
特開2010−38859公報
また、三次元的な走査を行う方法としては、傾斜の異なる複数の反射部を周方向に並べて配置した回転体(例えばポリゴンミラー等)を用い、これら反射部をレーザ光の投光経路上に順次配置するように回転体を回転させて高さ方向の向きを変化させるような方法を用いることもできる。この方法によれば、複雑な揺動制御を行わずともレーザ光の照射の向きを各反射面に対応する高さ方向に変化させて複数段の高さ方向で走査を行うことができ、構成面や制御面で非常に有利になる。
このような構成によれば、外部空間に存在する物体(検出物体)の方位及び距離を三次元的に検出することが可能になるが、距離検出をより高精度に行うためには計測部品等に起因する誤差の影響を取り除く必要がある。例えばこの構成では、レーザ光発生手段、受光センサ、演算回路などが最低限必要となるが、このような計測部品では、レーザ光発生手段に対する投光信号の伝達や、受光センサからの受光信号の伝達等、距離計測の際に処理の遅延を考慮すべき箇所があり、このような遅延時間は、部品精度のばらつきや、温度特性、経年変化などの影響を受けるため、固定値として把握することが難しいという問題がある。そして、このような計測部品のばらつき(遅延時間等のばらつき)は、レーザ光の投光から反射光の受光までにかかった真の時間を検出するための重要な要素であり、これらを適正に考慮しないと物体までの距離を正確に算出することは難しくなる。特に、本発明では、極めて速度が速いレーザ光を検出に用いているため、上記遅延時間のばらつきは真の時間検出に与える影響が極めて大きく、遅延時間が誤差となって含まれてしまうと、光速に基づいて計測距離を算出したときに大きな誤差が生じてしまうことになる。
一方、上記のような遅延時間のバラツキを補正する場合、ミラーを360°回転させて水平走査を行うタイプのものでは、レーザ照射側とは関係のない位置(例えば、照射側とは反対の背面側)に所定の基準物体を設けておき、この基準物体に照射されるときの投光から受光までの時間に基づいて補正データを算出するといった方法が考えられる。しかしながら、上述した構成、即ち、傾斜の異なる複数の反射部を周方向に並べて配置した回転体(例えばポリゴンミラー等)によって複数段のレーザ走査を行う構成では、いずれの段でも一方側のみに照射がされるため、背面側にレーザ光が照射されないという問題があり、装置内での距離補正自体が想定しにくかった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、三次元的な物体検出が可能なレーザレーダ装置において、投光から受光までの真の時間をより正確に把握することができ、物体までの距離をより精度高く計測しうる構成を提供することを目的とする。
本発明は、レーザレーダ装置に関するものであり、
レーザ光を発生させる投光手段と、
複数の反射部が所定の中心軸を囲む構成で周方向に配置されてなり、前記中心軸と直交する平面と少なくともいずれかの前記反射部の反射面とのなす角度が、当該平面と他の前記反射部とのなす角度と異なるように構成された回転体と、前記回転体を回転させる駆動手段とを備え、前記駆動手段による前記回転体の回転に応じて、各反射部が前記投光手段からの前記レーザ光の投光経路上に順次位置して前記レーザ光を外部空間に向けて反射するように構成され、各反射部から照射された前記レーザ光が前記外部空間に存在する物体で反射したときに当該物体からの反射光を照射元の各反射部で反射させて入力光として導くように構成された回転反射手段と、
前記入力光を受光可能な受光素子を備えた受光センサと、
少なくともいずれかの前記反射部によって前記レーザ光が走査されるときの走査エリア上に配置される基準物体と、
前記投光手段で前記レーザ光が発生してから、当該レーザ光が前記基準物体で反射して生じる光が前記受光センサで検出されるまでの時間を基準時間として算出する基準時間算出手段と、
前記投光手段で前記レーザ光が発生してから、当該レーザ光に対応する前記反射光が前記入力光として前記受光センサで検出されるまでの計測時間を求め、当該計測時間と、前記基準時間算出手段で算出された前記基準時間とに基づいて、前記物体までの距離を算出する距離算出手段と、
を有することを特徴とする。
請求項1の発明では、中心軸を中心として回転する回転体において、複数の反射部が中心軸の周りにおいて周方向に複数配置されている。そして、少なくともいずれかの反射部の傾斜(中心軸と直交する平面とのなす角度)が、他の反射部の傾斜と異なるように構成されている。そして、駆動手段による回転体の回転駆動に応じて、各反射部が投光手段からのレーザ光の投光経路上に順次位置する構成であるため、各反射部の角度(中心軸と直交する平面とのなす角度)に対応する上下方向の向きにレーザ光を照射することができる。また、各反射部から照射されたレーザ光が外部空間に存在する物体で反射したときには、当該物体からの反射光を照射元の各反射部で反射させて入力光として導き、この入力光を受光センサで受光できるため、いずれの照射方向でも物体から生じる反射光をより確実に検出可能となる。特にこの構成では、回転体を回転させることだけでレーザ光の向きを上下に切り替えて物体検出を行うことができるため、レーザ光を上下方向に変化させるための揺動機構等が必須とならず、走査の高速化も図りやすくなる。
また、少なくともいずれかの反射部によってレーザ光が走査されるときの走査エリア上に基準物体が配置されており、更に、投光手段でレーザ光が発生してから、当該レーザ光が基準物体で反射して生じる光が受光センサで検出されるまでの時間を基準時間として算出する基準時間算出手段と、投光手段でレーザ光が発生してから、当該レーザ光に対応する反射光が入力光として受光センサで検出されるまでの計測時間を求め、当該計測時間と、前記基準時間とに基づいて、物体までの距離を算出する距離算出手段とが設けられている。
このように、少なくともいずれかの段の走査エリアの一部を犠牲にして基準物体を配置するという特徴をもたせることで、複数段のいずれもが所定側を走査するような構成であっても、実測データに基づく補正値を算出することができ、この補正値に基づいて物体の距離計測をより正確に行うことができるようになる。
請求項2の発明では、前記回転体の複数の前記反射部から前記レーザ光が走査されるときの各走査エリアのうち、最も狭い角度範囲となる走査エリア以外の少なくともいずれかの走査エリア上に前記基準物体が配置されている。このように相対的に余裕のある広い走査エリア(一番狭い走査エリアを除くいずれかの走査エリア)に基準物体を配置すれば、基準物体によって特定の段の走査エリアが狭くなりすぎるといった事態を回避しやすくなる。
請求項3の発明では、前記回転体の複数の前記反射部から前記レーザ光が走査されるときの各走査エリアのうち、最も広い角度範囲となる走査エリア上に前記基準物体が配置されている。最も広い角度範囲となる走査エリアは、角度範囲の余裕が最も大きいため、多少角度範囲を削減しても他の走査エリアと同程度或いはそれに近い角度範囲を確保し易くなる。従って、全ての走査エリアにおいて一定の角度範囲を確保する上で有利になる。
請求項4の発明では、当該レーザレーダ装置は、地面又は他の基準面よりも高位置に設置されるものであり、前記回転体における複数の前記反射部からの各レーザ光は、それら各反射部から前記地面又は前記他の基準面に向けて斜め下向きに照射されるように構成されており、前記回転体の複数の前記反射部から前記レーザ光が走査されるときの各走査エリアのうち、当該レーザレーダ装置から最も遠方の前記地面又は前記他の基準面に向けて前記レーザ光を照射する走査エリア以外の少なくともいずれかの走査エリア上に前記基準物体が配置されている。
遠距離の走査では、各パルスレーザでの投光間隔が広くなり、角度範囲のロスに対する不検出領域の増大割合が大きくなるため、少しでも角度範囲が犠牲になると検出漏れを招きやすくなる。従って、最も遠方を走査する走査エリアの角度範囲の一部を犠牲にすることは好ましくない。一方、相対的に近い距離を走査する走査エリアは、最も遠方を走査する走査エリアに比べてその程度(角度範囲のロスによる不検出割合の増大の程度)が相対的に小さく、このようなエリアに基準物体を配置することがより望ましい。
請求項5の発明では、前記回転体の複数の前記反射部から前記レーザ光が走査されるときの各走査エリアのうち、最も近い前記地面又は前記他の基準面に向けて前記レーザ光を照射する走査エリア上に前記基準物体が配置されている。
近距離を走査する場合、各パルスレーザでの投光間隔が狭くなり、角度範囲のロスによる不検出割合の増大割合が小さくなる。従って、最も近い位置を走査する走査エリアに基準物体を設ければ、その基準物体に起因して不検出領域ができたとしても、その不検出領域の物体検出は他の角度範囲(その段における基準物体の当たらない角度範囲)のレーザ光によってカバーしやすく、検出漏れを生じさせ難くなる。
請求項6の発明では、前記基準物体は、いずれかの前記反射部からの前記レーザ光の走査エリア上において、当該走査エリアの角度範囲における端部寄りの位置に配置されている。この構成では、走査エリアのうち、比較的影響の小さい端部領域を犠牲にし、中央領域付近を検出エリアとして十分確保できるようになる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るレーザレーダ装置を概略的に例示する断面概略図である。 図2は、図1のレーザレーダ装置における物体からの反射光の受光経路を説明する説明図である。 図3は、図1のレーザレーダ装置の回転体を下側から軸方向に見た外観を示す説明図である。 図4は、図1のレーザレーダ装置おいて、回転体が図1とは異なる回転角度にあるときの投光の経路を説明する説明図である。 図5は、図4のときの受光の経路を説明する説明図である。 図6は、図4の回転角度のときの回転体を下側から軸方向に見た外観を示す説明図である。 図7は、透明板における各段のレーザ光の透過位置(走査位置)を概念的に示す概念図である。 図8は、図1のレーザレーダ装置の使用例を説明する説明図である。 図9は、基準面を平面視したときの各段のレーザ光の入射位置の例を概念的に説明する説明図である。
[第1実施形態]
以下、本発明を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(全体構成)
図1に示すように、レーザレーダ装置1は、レーザダイオード10と、検出物体からの反射光を受光するフォトダイオード20とを備え、装置外の走査エリアに存在する検出物体までの距離や方位を検出する装置として構成されている。
レーザダイオード10は、「投光手段」の一例に相当するものであり、制御回路70の制御により、図示しない駆動回路からパルス電流を受け、このパルス電流に応じたパルスレーザ光(レーザ光L1)を間欠的に出射している。また、レーザダイオード10から出射されるレーザ光L1の光軸上には図示しないレンズが設けられている。このレンズは、例えばコリメートレンズとして構成されるものであり、レーザダイオードで発生して拡散しようとするレーザ光L1を集光し略平行光に変換しており、図1の例では、このように変換された光が貫通孔32の内部を通過するようになっている。なお、図1では、レーザダイオード10から回転体41に至るまでのレーザ光を符号L1にて概念的に示し、回転体41の各反射部で反射して照射されるレーザ光をL1a,L1b,L1c,L1d(図8等参照)で概念的に示している。
フォトダイオード20は、「受光センサ」の一例に相当し、例えばアバランシェフォトダイオード(avalanche photodiode)等の受光素子によって構成されている。このフォトダイオード20は、光を受光する受光領域を有し、当該受光領域に入射する光を検出する構成をなしている。そして、レーザダイオード10からレーザ光L1が発生し、そのレーザ光L1が装置外に存在する検出物体(図示略)にて反射したとき、その反射光を受光して電気信号に変換するように機能している。
レーザダイオード10と回転体41の間には、ミラー30が設けられている。このミラーは、例えば板状に構成され、回転体41側の面が反射面31として構成されており、中央部付近に貫通孔32が形成されている。本構成では、レーザダイオード10からのレーザ光L1が貫通孔32の内部を通過するように構成されており、貫通孔32を通過したレーザ光L1が回転体41に入射するようになっている。
回転反射装置40は、「回転反射手段」の一例に相当するものであり、主に回転体41と、軸部42と、モータ43とによって構成されている。このうち、回転体41は、所定の中心軸Cを中心として回動可能に構成され、平面ミラーとして構成される複数の反射部51,52,53,54が中心軸Cの周りにおいて当該中心軸Cを囲む構成で周方向に複数配置された構成となっている(図3も参照)。そして、回転体41を構成する複数の反射部51,52,53,54の各反射面51a,52a,53a,54aは、中心軸Cと直交する水平面とのなす角度(鋭角)がそれぞれ異なるように構成されている。なお、本実施形態では、レーザレーダ装置1の設置の向きに関係なく、中心軸Cの方向を上下方向としており、その内の一方側を下側、他方側を上側としている。
具体的には、反射部51の反射面51aは平坦な鏡面として構成され、且つ中心軸Cを通る所定方向の第1平面(図3では、この平面をF1として図示)と直交するように構成されている。そして、反射部51の反射面51aと水平方向(中心軸Cと直交する平面方向)とのなす角度θ1(鋭角)は、他の反射部52,53,54の反射面と当該水平方向とのなす角度よりも小さくなっている。この反射部51は、回転体41が所定の第一回転角度範囲のときに、反射面51aがレーザ光の投光経路上に位置する構成となっている。
反射部52の反射面52aは平坦な鏡面として構成され、且つ中心軸Cを通る所定方向の第2平面(上記平面F1と直交する平面であり、図3ではこの平面をF2として図示)と直交するように構成されている。そして、反射部52の反射面52aと水平方向(中心軸Cと直交する平面方向)とのなす角度θ2(鋭角)は、上記角度θ1よりも大きくなっている。この反射部52は、回転体41が所定の第二回転角度範囲のときに、反射面52aがレーザ光の投光経路上に位置する構成となっている。
反射部53の反射面53aは平坦な鏡面として構成され、且つ中心軸Cを通る所定方向の第1平面(符号F1:図3)と直交するように構成されている。そして、反射部53の反射面53aと水平方向(中心軸Cと直交する平面方向)とのなす角度θ3(鋭角)は、上記角度θ2よりも大きくなっている。この反射部53は、回転体41が所定の第三回転角度範囲のときに、反射面53aがレーザ光の投光経路上に位置する構成となっている。
更に、反射部54の反射面54aは平坦な鏡面として構成され、且つ中心軸Cを通る所定方向の第2平面(符号F2:図3)と直交するように構成されている。そして、反射部54の反射面54aと水平方向(中心軸Cと直交する平面方向)とのなす角度θ4(鋭角)は、上記角度θ3よりも大きくなっている。この反射部54は、回転体41が所定の第四回転角度範囲のときに、反射面54aがレーザ光の投光経路上に位置する構成となっている。
さらに、回転反射装置40には、モータ43が設けられている。このモータ43は、回転体41を回動させる「駆動手段」の一例に相当し、回転体41に連結された軸部42を駆動軸としてこの軸部42を回転させ、この軸部42と共に軸部42と連結された回転体41を一体的に回転駆動している。なお、モータ43の具体的構成としては、例えば直流モータ、交流モータ、ステップモータなど様々なモータを使用できる。
なお、図示はしていないが、モータ43の駆動軸(例えば軸部42)の回転角度位置(即ち回転体41の回転角度位置)を検出する回転角度センサも設けられている。この回転角度センサは、ロータリエンコーダなど、回転体41或いは軸部42の回転角度位置を検出しうるものであれば公知の様々なセンサを使用できる。
また、本実施形態に係るレーザレーダ装置1では、レーザダイオード10、フォトダイオード20、ミラー30、レンズ22、回転反射装置40、モータ43等がケース3の内部に収容され、防塵や衝撃保護が図られている。このケース3は、主ケース部4と透過板5とを備えており、全体として箱状に構成されている。主ケース部4は、上壁部4b及び下壁部4cが上下に対向して配置され、周壁部4dが上方側の外周壁として構成されており、周壁部4dと下壁部4cの間が窓部4aとして導光可能に開放されている。窓部4aは、主ケース部4において光の出入りを可能とするように開放した部分であり、回転体41の周囲において周方向所定領域に亘って形成され、且つ上下方向所定領域を開放する構成で設けられている。そして、この開放形態の窓部4aを閉塞するように透明の樹脂板、ガラス板などからなる透過板5が配置されている。
透過板5は、例えば平板状、曲板状(例えば、外面が円筒面の一部、円錐面の一部として構成される曲板状等)の透明板として構成されている。なお、以下では平板状の透明板からなる場合を代表例として説明する。
図7は、透過板5をケース内側から見た図であり、平板状の透明板であれば厚さ方向に見た図であり、曲板状の透明板であれば平面に展開したものである。図7に示すように、この透過板5の内面側には、拡散反射部材として構成される基準物体90が設けられている。図2に示すように、基準物体90は、回転体41側の面が拡散反射面として構成されており、少なくともいずれかの反射部によってレーザ光が走査されるときの走査エリア上に配置され、この基準物体90に対してレーザ光が照射されるときに、このレーザ光をその拡散反射面で反射(拡散反射)するようになっている。
基準物体90の拡散反射面は、例えばシボ加工などによって微小な凹凸が形成されており、全体としては、ほぼ平坦面として構成されており、例えば、入射するレーザ光L1に対して拡散反射面がほぼ直交するように配されている。また、基準物体90の内面(拡散反射面)は、例えば黒色面などの暗色面として構成されており、拡散反射面の反射率が回転体の各反射部の反射率よりも大幅に低くなるように構成されている。本構成では、回転体41が上記第一回転角度範囲(レーザ光L1が反射部51に入射するときの回転角度範囲)にあり、当該第一回転角度範囲における所定回転角度のときにレーザ光L1が基準物体90に入射するようになっている。つまり、回転体41がこの所定回転角度にあるときには、レーザ光L1が装置外の空間に投射されずに基準物体90に入射し、この基準物体90からの拡散反射光がフォトダイオード20によって受光されるようになっている。
(検出動作)
レーザレーダ装置1は、例えば図8のように、地面や床面などの基準面(例えば、人等の検出対象がその上を移動することが想定される面)Fよりも高位置に設置されて使用される。この場合、図1に示す中心軸Cは、基準面Fと直交する方向(図8の例では鉛直方向)に対して傾斜することになる。なお、図8ではレーザレーダ装置1を「LR」として概念的に示している。また、本実施形態でいう「上下方向」は、中心軸Cの方向であり、地面と直交する方向(例えば鉛直方向)とは異なる概念である。また、本実施形態でいう水平面は、中心軸Cと直交する方向の仮想的な平面であり、鉛直方向と直交する平面方向とは異なる概念である。ここでは、上下方向(中心軸Cの方向)において鉛直下側を下方とし、その反対側を上方とする。
本実施形態に係るレーザレーダ装置1は、複数の反射部51,52,53,54の少なくともいずかによって鉛直直交方向(鉛直方向と直交する平面方向)よりも下向きにレーザ光が照射されるようになっている。図8の具体例では、各反射部51,52,53,54の各反射面51a,52a,53a,54aからの各レーザ光L1a,L1b,L1c,L1dが、それら各反射面51a,52a,53a,54aから地面等の基準面Fに向けて鉛直直交方向よりも斜め下向きに照射される。但し、各反射面51a,52a,53a,54aからの各レーザ光L1a,L1b,L1c,L1dは、レーザ光L1bよりもレーザ光L1aが下向きであり、レーザ光L1cよりもレーザ光L1bが下向きであり、レーザ光L1dよりもレーザ光L1cが下向きの関係となっている。
検出時においてレーザレーダ装置1では、回転反射装置40におけるモータ43による回転体41の回動に応じて、各反射部51,52,53,54がレーザダイオード10からのレーザ光の投光経路上に順次位置し、レーザ光L1を外部空間に向けて順次反射することになる。そして、各反射部から照射されたレーザ光が外部空間に存在する物体で反射したときには、当該物体からの反射光を照射元の各反射部で反射させて入力光として導くことになる。
例えば、図1のように回転体41が第一の回転角度範囲にあるときには、反射部51の反射面51aがレーザ光L1の投光経路上に位置することになる。このように、レーザ光L1が反射面51aに入射する第一回転角度範囲では、レーザ光L1が反射面51aで反射して当該反射面51aに対応する上下方向の向きにレーザ光L1aを照射することになる。
そして、その照射されたレーザ光L1aが外部空間の物体で反射した場合には、その物体からの反射光は、図2のように、レーザ光L1aとほぼ同方向で照射元の反射部51の反射面51aに入射し(図2では符号L21a,L22aによって反射光の領域を概念的に図示)、この反射面51aにてミラー30側に反射する。そして、その反射面51aで反射した反射光(入力光)は、更にミラー30にてレンズ22側に反射し、その反射した光(入力光)はこのレンズ22に入射してレンズ22によってフォトダイオード20の受光領域に向けて集光される。
また、この第一回転角度範囲から回転体41が更に時計回り(図2のように下方側から見て時計回り)に回転すると、反射部52の反射面52aがレーザ光L1の投光経路上に位置することになる。このように、レーザ光L1が反射面52aに入射する第二回転角度範囲では、レーザ光L1が反射面52aで反射して当該反射面52aに対応する上下方向の向き(反射面51aの照射の向きよりも上向き)にレーザ光L1bを照射することになる。
そして、その照射されたレーザ光L1bが外部空間の物体で反射した場合には、その物体からの反射光は、レーザ光L1bとほぼ同方向で照射元の反射面52aに入射し、この反射面52aにてミラー30側に反射する。そして、その反射面52aで反射した反射光(入力光)は、更にミラー30にてレンズ22側に反射し、その反射した光(入力光)はこのレンズ22に入射してレンズ22によってフォトダイオード20の受光領域に向けて集光される。
また、この第二回転角度範囲から回転体41が更に時計回り(下方側から見て時計回り)に回転すると、反射部53の反射面53aがレーザ光L1の投光経路上に位置することになる。このように、レーザ光L1が反射面53aに入射する第三回転角度範囲(図5,図6参照)では、レーザ光L1が反射面53aで反射して当該反射面53aに対応する上下方向の向き(反射面52aの照射の向きよりも上向き)にレーザ光L1cを照射することになる。
そして、その照射されたレーザ光L1cが外部空間の物体で反射した場合には、図5のように、その物体からの反射光は、レーザ光L1cとほぼ同方向で照射元の反射面53aに入射し(図5では符号L21c,L22cによって反射光の領域を概念的に図示)、この反射面53aにてミラー30側に反射する。そして、その反射面53aで反射した反射光(入力光)は、更にミラー30にてレンズ22側に反射し、その反射した光(入力光)はこのレンズ22に入射してレンズ22によってフォトダイオード20の受光領域に向けて集光される。
また、この第三回転角度範囲から回転体41が更に時計回り(下方側から見て時計回り)に回転すると、反射部54の反射面54aがレーザ光L1の投光経路上に位置することになる。このように、レーザ光L1が反射面54aに入射する第四回転角度範囲では、レーザ光L1が反射面54aで反射して当該反射面54aに対応する上下方向の向き(反射面53aの照射の向きよりも上向き)にレーザ光L1dを照射することになる。
そして、その照射されたレーザ光L1dが外部空間の物体で反射した場合には、その物体からの反射光は、レーザ光L1dとほぼ同方向で照射元の反射面54aに入射し、この反射面54aにてミラー30側に反射する。そして、その反射面54aで反射した反射光(入力光)は、更にミラー30にてレンズ22側に反射し、その反射した光(入力光)はこのレンズ22に入射してレンズ22によってフォトダイオード20の受光領域に向けて集光される。
そして、第四回転角度範囲から回転体41が更に時計回り(下方側から見て時計回り)に回転すると、第一回転角度範囲となり、再びレーザ光L1が反射部51に入射することになる。このようにして各回転角度範囲毎に上下方向の向きを切り替える投光動作が行われ、その向きに応じた検出がなされる。
このように構成されるレーザレーダ装置1では、回転体41の回転角度θa(所定の基準回転位置(例えば、ロータリエンコーダが原点を示す位置)からの回転角度)が定まれば装置からのレーザ光L1の投射方向が特定される。つまり、回転体41の回転角度が定まれば、どの反射部からどの向きにレーザ光が照射されるかを特定でき、水平方向及び高さ方向の照射の向きを特定できる。従って、フォトダイオード20が物体からの反射光を受光したときの回転体41の回転角度を回転角度センサ等によって検出することで、物体の方位を正確に検出できる。なお、フォトダイオード20が物体からの反射光を受光したか否かは、フォトダイオード20からの出力値が閾値を超えたか否かによって判断することができ、このような出力値が所定の閾値を超えたときの回転体41の回転角度に基づいて物体の方位(水平方向及び垂直方向の方位)を算出することができる。
また、レーザダイオード10にてレーザ光L1(パルスレーザ光)が発生してからフォトダイオード20によって当該レーザ光L1に対応する反射光が検出されるまでの時間Tを検出すれば、この時間Tと光速とに基づいて、レーザ光L1の発生から反射光(このレーザ光が物体に当たって生じる反射光)の受光までの光経路の長さを算出することができ、レーザレーダ装置1の所定基準位置(例えばレーザダイオードの位置)から検出物体までの距離Lも正確に求めることができる。つまり、レーザレーダ装置1から検出物体までの距離及び方位をいずれも正確に検出することができる。
例えば、図1のように回転体41が第一回転角度範囲にあるときには、反射部51に照射されていることが特定でき、回転体41から照射されるレーザ光の上下方向の向き(レーザ光L1aの向き)が特定される。更に、その回転体41の具体的回転角度が特定されれば回転体41から照射されるレーザ光L1aの水平方向の向きが特定される。このように方向が特定される各回転角度において、レーザダイオード10にてレーザ光L1(パルスレーザ光)が発生してからフォトダイオード20によって当該レーザ光に対応する反射光が検出されるまでの時間(計測時間T)を検出すれば、この計測時間Tと光速Cとに基づき、レーザ光L1の発生からレーザ光L1aの方向の物体からの反射光を受光するまでの光経路の長さを算出することができ、レーザレーダ装置1の所定基準位置(例えばレーザダイオードの位置)から検出物体(レーザ光L1cの方向の物体)までの距離Lも正確に求めることができる。但し、計測時間Tから実際の距離Lを算出する際には、以下のような補正データを用いて行う。
例えば、検出物体までの距離L(レーザダイオード10からフォトダイオード20までの往復距離)は、L=T×C/Rで表すことができる。ここで、Tは上述したように、実際の物体検出時の計測時間であり、Cは光速(固定値)である。また、Rは補正データ(補正係数)であり、例えば、R=T1×C/L1で求めることができる。Rを算出する当該算出式のT1は、基準物体90にパルスレーザ光が照射されるときのレーザダイオード10での投光からフォトダイオード20での受光までの計測時間である。また、L1は、このときの距離、即ち、レーザダイオード10からレーザ光が照射されて基準物体90に入射し、この反射光がフォトダイオード20で受光されるまでの距離(往復距離)であり、装置の構成によって予め判明している既知の値である。このような補正係数を予め決められた時間帯(例えば電源投入直後や所定操作がなされた時など)に求めておけば、実際の物体検出時に、L=T×C/Rの式に基づいて物体までの距離を正確に計測できる。或いは、回転体が1回転する毎に、或いは所定の複数回転する毎に、若しくは一定時間毎に補正係数を求めるようにしてもよい。
なお、本実施形態では、制御回路80が「基準時間算出手段」の一例に相当し、レーザダイオード10(投光手段)でレーザ光が発生してから、当該レーザ光が基準物体90で反射して生じる光がフォトダイオード20(受光センサ)で検出されるまでの時間T1を基準時間として算出するように機能する。
また、制御回路80は、「距離算出手段」の一例に相当し、レーザダイオード10(投光手段)でレーザ光が発生してから、当該レーザ光に対応する反射光が入力光としてフォトダイオード20(受光センサ)で検出されるまでの計測時間Tを求め、当該計測時間Tと、基準時間算出手段で算出された基準時間T1とに基づいて、物体までの距離Lを算出するように機能し、例えば、L=T×C/R、R=T1×C/L1の式に基づいて距離L(往復距離)を算出するように機能する。
以上の通り、本構成では、中心軸Cを中心として回転する回転体41において、複数の反射部が中心軸Cの周りにおいて周方向に複数配置されている。そして、少なくともいずれかの反射部の傾斜(中心軸Cと直交する平面とのなす角度)が、他の反射部の傾斜と異なるように構成されている。そして、モータ43による回転体41の回転駆動に応じて、各反射部がレーザダイオード10からのレーザ光の投光経路上に順次位置する構成であるため、各反射部の角度(中心軸Cと直交する平面とのなす角度)に対応する上下方向の向きにレーザ光を照射することができる。また、各反射部から照射されたレーザ光が外部空間に存在する物体で反射したときには、当該物体からの反射光を照射元の各反射部で反射させて入力光として導き、この入力光を受光センサで受光できるため、いずれの照射方向でも物体から生じる反射光をより確実に検出可能となる。特にこの構成では、回転体41を回転させることだけでレーザ光の向きを上下に切り替えて物体検出を行うことができるため、レーザ光を上下方向に変化させるための揺動機構等が必須とならず、走査の高速化も図りやすくなる。
また、少なくともいずれかの反射部によってレーザ光が走査されるときの走査エリア上に基準物体90が配置されており、更に、レーザダイオード10でレーザ光が発生してから、当該レーザ光が基準物体90で反射して生じる光が受光センサで検出されるまでの時間を基準時間として算出する基準時間算出手段と、レーザダイオード10でレーザ光が発生してから、当該レーザ光に対応する反射光が入力光として受光センサで検出されるまでの計測時間を求め、当該計測時間と、基準時間とに基づいて、物体までの距離を算出する距離算出手段とが設けられている。
このように、少なくともいずれかの段の走査エリアの一部を犠牲にして基準物体90を配置するという特徴をもたせることで、複数段のいずれもが所定側を走査するような構成であっても、実測データに基づく補正値を算出することができ、この補正値に基づいて物体の距離計測をより正確に行うことができるようになる。
また、本構成では、回転体41の複数の反射部からレーザ光が走査されるときの各走査エリアのうち、最も狭い角度範囲となる走査エリア以外の少なくともいずれかの走査エリア上に基準物体90が配置されている。
具体的には、図3のように、中心軸Cの方向に平面視したときに各反射部の幅が同一であっても、反射面の傾斜(水平面に対する傾斜)が異なれば、各反射面で走査できる範囲(水平方向の走査角)が異なることになる。図1等に示す具体例では、回転体41に対して水平方向(中心軸Cと直交する方向)にレーザ光L1が入射するようになっており、各反射面51a,51b,51c,51dの傾斜角度が異なっているため、水平面に対する反射面の傾斜が最も小さい反射部51では、図7の走査エリアAR1で概念的に示すように、水平方向の走査角度範囲が最も広くなっている。そして、水平面に対する反射面の傾斜が大きくなるにつれて、図7の走査エリアAR2、AR3、AR4で概念的に示すように、水平方向の走査角度範囲が次第に狭くなっている。このような特徴を有する構成において、相対的に余裕のある広い走査エリア(一番狭い走査エリアAR4を除くいずれかの走査エリア)に基準物体90を配置すれば、基準物体90によって特定の段の走査エリアが狭くなりすぎるといった事態を回避しやすくなる。
より具体的には、回転体41の複数の反射部からレーザ光が走査されるときの各走査エリアAR1〜AR4のうち、水平方向の走査角度範囲が最も広い角度範囲となる走査エリアAR1上に基準物体90が配置されている。最も広い角度範囲となる走査エリアAR1は、角度範囲の余裕が最も大きいため、多少角度範囲を削減しても他の走査エリアと同程度或いはそれに近い角度範囲を確保し易くなる。従って、全ての走査エリアにおいて一定の角度範囲を確保する上で有利になる。
また、当該レーザレーダ装置1は、図8のように、地面又は他の基準面Fよりも高位置に設置して使用することができ、この場合、回転体41における複数の反射部からの各レーザ光は、それら各反射部から地面又は他の基準面Fに向けて斜め下向きに照射するように構成すればよい。このような構成において、回転体41の複数の反射部からレーザ光が走査されるときの各走査エリアAR1〜AR4のうち、当該レーザレーダ装置1から最も遠方の地面又は他の基準面Fに向けてレーザ光を照射する走査エリア以外の少なくともいずれかの走査エリア上に基準物体90が配置することが望ましい。なお、図9では、このようにスキャンを行う場合のレーザ光の到達位置(地面に入射する位置)を破線にて概念的に示しており、基準面Fを各段のレーザ光によって走査するときの周方向の境界をPa1,Pa2の対、Pb1,Pb2の対、Pc1,Pc2の対、Pd1,Pd2の対でそれぞれ示している。この構成では、より遠方の走査エリアとなるほど走査角度範囲が狭くなるため、相対的に近い走査エリアの段に基準物体90を設けることが望ましい。
更に、遠距離の走査では、各パルスレーザでの投光間隔が広くなり、角度範囲のロスに対する不検出領域の増大割合が大きくなるため、少しでも角度範囲が犠牲になると検出漏れを招きやすくなるという事情も重なる。従って、最も遠方を走査する走査エリアの角度範囲の一部を犠牲にすることは好ましくない。一方、相対的に近い距離を走査する走査エリアは、最も遠方を走査する走査エリアに比べてその程度(角度範囲のロスによる不検出割合の増大の程度)が相対的に小さく、このようなエリアに基準物体90を配置することがより望ましい。
より好ましくは、図7等に示すように、基準面F上の最も近い位置に向けてレーザ光を照射する走査エリア上に基準物体90を配置することが望ましい。このように近距離を走査する場合、走査角度範囲が広いというメリットに加え、各パルスレーザでの投光間隔が狭く、角度範囲のロスによる不検出割合の増大割合が小さいというメリットもある。従って、最も近い位置を走査する走査エリア(レーザ光L1aによる走査エリア)に基準物体90を設ければ、その基準物体90に起因して不検出領域ができたとしても、その不検出領域の物体検出は他の角度範囲(その段における基準物体90の当たらない角度範囲)のレーザ光によってカバーしやすいため、検出漏れが生じにくくなる。
また、本構成では、基準物体90は、いずれかの反射部からのレーザ光の走査エリア上において、当該走査エリアの角度範囲における端部寄りの位置に配置されている。この構成では、走査エリアのうち、比較的影響の小さい端部領域を犠牲にし、中央領域付近を検出エリアとして十分確保できるようになる。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
基準物体90は、例えば、レーザ光L1bやL1cの走査エリア上(図7のAR2、AR3の領域等)に配置されていてもよい。
基準物体90の表面状態はシボ加工による凹凸に限られるものではなく、拡散反射し得るものであればよい。また表面色も黒色以外の色、例えば藍色や青色等の暗色等であってもよい。
基準物体90に照射されるときの投光から受光までの時間に基づいて補正する方法であれば、補正方法は上記の例に限られない。例えば、特開2010-190759で開示されるような方法を用いてもよい。
1…レーザレーダ装置
10…レーザダイオード(投光手段)
20…フォトダイオード(受光センサ)
40…回転反射装置(回転反射手段)
41…回転体
43…モータ(駆動手段)
51,52,53,54…反射部
70…制御回路(基準時間算出手段、距離算出手段)
90…基準物体
C…中心軸
F…基準面

Claims (6)

  1. レーザ光を発生させる投光手段と、
    複数の反射部が所定の中心軸を囲む構成で周方向に配置されてなり、前記中心軸と直交する平面と少なくともいずれかの前記反射部の反射面とのなす角度が、当該平面と他の前記反射部とのなす角度と異なるように構成された回転体と、前記回転体を回転させる駆動手段とを備え、前記駆動手段による前記回転体の回転に応じて、各反射部が前記投光手段からの前記レーザ光の投光経路上に順次位置して前記レーザ光を外部空間に向けて反射するように構成され、各反射部から照射された前記レーザ光が前記外部空間に存在する物体で反射したときに当該物体からの反射光を照射元の各反射部で反射させて入力光として導くように構成された回転反射手段と、
    前記入力光を受光可能な受光素子を備えた受光センサと、
    少なくともいずれかの前記反射部によって前記レーザ光が走査されるときの走査エリア上に配置される基準物体と、
    前記投光手段で前記レーザ光が発生してから、当該レーザ光が前記基準物体で反射して生じる光が前記受光センサで検出されるまでの時間を基準時間として算出する基準時間算出手段と、
    前記投光手段で前記レーザ光が発生してから、当該レーザ光に対応する前記反射光が前記入力光として前記受光センサで検出されるまでの計測時間を求め、当該計測時間と、前記基準時間算出手段で算出された前記基準時間とに基づいて、前記物体までの距離を算出する距離算出手段と、
    を有することを特徴とするレーザレーダ装置。
  2. 前記回転体の複数の前記反射部から前記レーザ光が走査されるときの各走査エリアのうち、最も狭い角度範囲となる走査エリア以外の少なくともいずれかの走査エリア上に前記基準物体が配置されていることを特徴とする請求項1に記載のレーザレーダ装置。
  3. 前記回転体の複数の前記反射部から前記レーザ光が走査されるときの各走査エリアのうち、最も広い角度範囲となる走査エリア上に前記基準物体が配置されていることを特徴とする請求項2に記載のレーザレーダ装置。
  4. 当該レーザレーダ装置は、地面又は他の基準面よりも高位置に設置されるものであり、
    前記回転体における複数の前記反射部からの各レーザ光は、それら各反射部から前記地面又は前記他の基準面に向けて斜め下向きに照射されるように構成されており、
    前記回転体の複数の前記反射部から前記レーザ光が走査されるときの各走査エリアのうち、当該レーザレーダ装置から最も遠方の前記地面又は前記他の基準面に向けて前記レーザ光を照射する走査エリア以外の少なくともいずれかの走査エリア上に前記基準物体が配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のレーザレーダ装置。
  5. 前記回転体の複数の前記反射部から前記レーザ光が走査されるときの各走査エリアのうち、最も近い前記地面又は前記他の基準面に向けて前記レーザ光を照射する走査エリア上に前記基準物体が配置されていることを特徴とする請求項4に記載のレーザレーダ装置。
  6. 前記基準物体は、いずれかの前記反射部からの前記レーザ光の走査エリア上において、当該走査エリアの角度範囲における端部寄りの位置に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のレーザレーダ装置。
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