JP5699506B2 - レーザレーダ装置 - Google Patents

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本発明は、レーザレーダ装置に関するものである。
従来より、レーザ光を用いて検出物体までの距離や方位を検出する技術として例えば特許文献1のような装置が提供されている。この特許文献1の装置では、レーザ光発生手段からのレーザ光の光軸上に、レーザ光を透過させ、かつ検出物体からの反射光を検出手段に向けて反射する光アイソレータを設けている。さらに、光アイソレータを透過するレーザ光の光軸上において当該光軸方向の中心軸を中心として回動する凹面鏡を設け、この凹面鏡によってレーザ光を空間に向けて反射させると共に、検出物体からの反射光を光アイソレータに向けて反射させることで360°の水平走査を可能としている。また、類似する技術としては、特許文献2のようなものもある。
特開平10−20035号公報 特開平2008−216238公報
ところで、上記レーザレーダ装置では、偏向部(例えば凹面鏡等)から空間に照射されるレーザ光の照射経路上に防塵、防滴などを目的とする透明カバーを設けた構成が一般的である。しかしながら、このようにレーザ光の照射経路上に透明カバーを設けると、偏向部(例えば凹面鏡)から空間に照射されるレーザ光の一部が透明カバーで反射し、その内部反射光(外乱光)が偏向部を介して或いは偏向部を介さずに直接的に光検出手段によって検出されてしまうという問題がある。このように内部反射光が検出されてしまうと、本来検出されるべき反射光(装置外の空間に存在する検出物体からの反射光)を正確に検出できなくなる虞があるため、レーザレーダ装置では、透明カバーで生じる内部反射光が光検出手段に検出されにくい構成が望ましいといえる。一方、上記のような内部反射光をノイズとして除去する方法も考えられるが、このような方法だけでは、正規の検出信号の受光タイミングが内部反射光の受光タイミングに近い場合(即ち、装置に近い位置で物体が検出される場合)など、ノイズの除去が難しい場合に対処できず、更なる解決方法が求められている。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、レーザ光が透過板で反射して生じる内部反射光に起因する誤検出を効果的に防止し得るレーザレーダ装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、レーザ光を発生させるレーザ光発生手段と、
前記レーザ光発生手段が前記レーザ光を発生したときに、当該レーザ光が検出物体にて反射して生じる反射光を検出する光検出手段と、
所定の上下方向に延びる中心軸を中心として回動可能に構成された偏向部を備えるとともに、当該偏向部により前記レーザ光を空間に向けて偏向させ、且つ前記反射光を前記光検出手段に向けて偏向する回動偏向手段と、
前記偏向部にて偏向された前記反射光を前記光検出手段に向けて誘導する誘導部材と、
前記回動偏向手段の前記偏向部を回転駆動する駆動手段と、
少なくとも前記回動偏向手段を収容すると共に、前記偏向部からの前記レーザ光の走査経路上を当該レーザ光が透過可能な透過板によって囲んでなるケースと、
前記反射光が前記偏向部から前記光検出手段に至るまでに通る反射光経路を当該反射光経路の外から囲う構成で配置され、前記偏向部から空間に向けて偏向された前記レーザ光の一部が前記透過板にて反射する内部反射光を拡散反射させて低減する抑制カバーと、
を備え、
前記上下方向において、前記偏向部よりも前記誘導部材側を上方側としたとき、前記抑制カバーは、下端部が前記偏向部の上端部よりも上方に設けられ、前記反射光経路側に面する内壁面と前記内壁面の外側に配置される外壁面とを備え、前記内壁面と前記外壁面との間の厚さよりも前記上下方向の長さが長くなるように前記偏向部側から前記誘導部材側に向かって延びる構成であり、前記内壁面が斜め下側を向くように傾斜した構成、又は、前記内壁面が前記上下方向に延びる構成のいずれかであることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のレーザレーダ装置において、前記抑制カバーが、前記反射光経路を筒状に囲う構成で配置されている。
なお、筒状とは、外周壁全体が切り欠かれずに連続して形成されている構成(内部空間を完全に囲うような構成)に限らず、一部が切り欠かれている構成をも含む概念である。また、筒状とは、内部空間がある程度囲われていればよく、形状は特に限定されない。例えば断面外形が円形或いは楕円形となる「円筒状」であってもよく、断面外形が多角形状となる「角筒状」であってもよい。
請求項3の発明は、請求項2に記載のレーザレーダ装置において、更に、前記偏向部にて偏向された前記反射光を前記光検出手段に向けて誘導する誘導部材が設けられており、前記抑制カバーが、前記偏向部から前記誘導部材までの前記反射光経路を囲う構成で配置されている。
なお、誘導部材は、偏向部で偏向された反射光を光検出手段に導き得るものであればよく、例えばミラー等の反射部材であってもよく、プリズム等の他の光学部品であってもよい。
請求項4の発明は、請求項3に記載のレーザレーダ装置において、前記偏向部が、前記反射光を集光しつつ偏向する凹面鏡からなり、前記抑制カバーが、前記偏向部側から前記誘導部側に向かうにつれて開口領域が狭くなるように構成されている。
請求項5の発明は、請求項3又は請求項4に記載のレーザレーダ装置において、前記抑制カバーにおいて、前記中心軸の一方側から他方側に向かう方向を上下方向としたときの下端部が、前記偏向部の上端部よりも上方に設けられており、前記透過板は、内面が上方側を向くように前記中心軸に対して傾斜して配置されている。そして、前記抑制カバーは、前記偏向部側から前記誘導部材側に向かうにつれて開口領域が狭くなるように構成され、内壁面が斜め下方側を向いて配置されており、前記透過板で生じた前記内部反射光が前記内壁面に照射されたときに、当該内部反射光を前記内壁面で拡散反射させて低減するように構成されている。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のレーザレーダ装置において、前記抑制カバーの内壁面及び外壁面の反射率が、前記ケースの内壁面の反射率よりも低くなるように構成されている。
請求項1の発明では、ケース内に回動偏向手段が収容されており、このケースには、回動偏向手段に設けられた偏向部からのレーザ光の走査経路上を囲う構成で透過板が配置されている。この構成により、装置内の防塵等を図りつつ装置外へのレーザ光の照射を可能としている。
更に、反射光が偏向部から光検出手段に至るまでに通る反射光経路を当該反射光経路の外から囲う構成で抑制カバーが配置されている。そして、この抑制カバーは、偏向部から空間に向けて偏向されたレーザ光の一部が透過板にて反射する内部反射光を拡散反射させて低減するように構成されている。従って、レーザ光の一部が透過板で反射して生じる内部反射光(外乱光)を極力反射光経路に進入させないようにすることができ、内部反射光が反射光経路に進入することに起因する誤検出を効果的に抑えることができる。更に、抑制カバーは、透過板で生じた内部反射光を受けたときにこの内部反射光を拡散反射させて低減するため、内部反射光が透過板に当って生じる光(間接光)も光検出手段に検出されにくくなる。従って、内部反射光が光検出手段に及ぼす影響をより確実に低減することができる。特に、透過板に近い位置の物体を検出する場合に、内部反射光に起因する受光光量を抑えて対象物体からの反射光に基づく良好な受光波形を得ることができるため、近距離の物体を検出する上でより有利となる。
請求項2の発明では、抑制カバーが反射光経路を筒状に囲う構成で配置されている。この構成では、抑制カバーによって反射光経路を取り囲むことができるため、反射光経路内に進入しようとする様々な方向の内部反射光を抑えることができる。また、抑制カバーが筒状に構成されているため、仮に内部反射光の一部(透過板で反射して生じる内部反射光の直接光、或いは、透過板で反射して生じる内部反射光がケース内の部品で反射して生じる間接光)が一端側から筒内(即ち抑制カバー内)に進入し、筒内の反射光経路に入り込んだ場合であって、或いは入り込もうとした場合であっても、その筒内に進入した内部反射光が筒内の内壁で反射しやすく、その反射光が筒内で更に反射しやすくなる。つまり、内部反射光の一部が筒状の抑制カバー内に進入したとしても、この進入した内部反射光は抑制カバー内で反射が繰り返されやすいため、内部反射光の低減効果が相乗的に高まる。従って、少なくとも反射光経路の所定領域(筒状の抑制カバーによって囲われる領域)を通過しようとする内部反射光をより効果的に低減することができ、このような内部反射光が光検出手段に達することを効果的に抑えることができる。
請求項3の発明では、偏向部にて偏向された反射光を光検出手段に向けて誘導する誘導部材が設けられており、抑制カバーが、偏向部から誘導部材までの反射光経路を覆う構成で配置されている。
透過板は偏向部からのレーザ光を透過させるように配置されるため、配置的に偏向部付近の反射光経路、特に偏向部と誘導部材の間の反射光経路には透過板で反射した内部反射光(外乱光)が入り込む可能性がある。しかしながら、請求項3の発明では、内部反射光が向かいやすい領域(即ち、偏向部と誘導部材の間の領域)において内部反射光が反射光経路に入り込むことを効果的に抑え、内部反射光自体も低減することができるため、内部反射光の受光を抑制する効果を一層高めることができる。
請求項4の発明では、偏向部が、反射光を集光しつつ偏向する凹面鏡からなり、抑制カバーが、偏向部側から誘導部側に向かうにつれて開口領域が狭くなるように構成されている。このように抑制カバーを構成すると、凹面鏡から誘導部までの反射光経路において、反射光の径がより絞られる誘導部側の開口領域を狭く構成することができ、反射光の径が比較的に広い凹面鏡側の開口領域は相対的に広く構成することができる。従って、誘導部側の開口領域を広くしすぎることを抑制することができ、凹面鏡にて集光される反射光の経路を、多大なスペースを割くことなく(即ち、広く囲いすぎることなく)より効率的にカバーしやすくなる。また、偏向部側から抑制カバー内に内部反射光が入り込んだ場合に、この入り込んだ光を抑制カバーの内壁で拡散反射させて確実に低減することができ、更に、抑制カバーは誘導部側に向かうにつれて開口領域が狭くなるように構成されているため、内部に入り込んだ光が誘導部側に漏洩しにくくなる。
請求項5の発明では、抑制カバーにおいて、中心軸の一方側から他方側に向かう方向を上下方向としたときの下端部が、偏向部の上端部よりも上方に設けられており、透過板は、内面が上方側を向くように中心軸に対して傾斜して配置されている。この構成によれば、レーザ光の照射に応じて物体から反射してくる正規の反射光が抑制カバーに遮られずに偏向部に受けられやすくなる。また、レーザ光の照射時に当該レーザ光が透過板で反射して生じる内部反射光を上方側に逃がすことができ、内部反射光が偏向部に入射し難くなる。
そして、抑制カバーは、偏向部側から誘導部材側に向かうにつれて開口領域が狭くなるように構成され、内壁面が斜め下方側を向いて配置されており、透過板で生じた内部反射光が内壁面に照射されたときに、当該内部反射光を内壁面で拡散反射させて低減するように構成されている。従って、偏向部側から抑制カバー内に内部反射光が入り込んだ場合に、この入り込んだ光を抑制カバーの内壁で拡散反射させて確実に低減することができ、更に、抑制カバーは誘導部側に向かうにつれて開口領域が狭くなるように構成されているため、内部に入り込んだ光が誘導部側に漏洩しにくくなる。
特に、抑制カバーの内壁面が斜め下方側を向いて配置されているため、内部反射光が抑制カバーの内部に入り込んで内壁面で反射したときにその拡散反射光が上方側(即ち誘導部側)に向かいにくくなる。従って、抑制カバー内に入り込んだ内部反射光が誘導部側に漏洩することをより一層効果的に抑えることができる。
請求項6の発明は、抑制カバーの内壁面及び外壁面の反射率が、ケースの内壁面の反射率よりも低くなるように構成されている。この構成によれば、抑制カバーでの反射率をケース内壁面よりも相対的に低くして反射光経路付近の抑制効果を集中的に高めることができる。
図1は、第1実施形態に係るレーザレーダ装置の全体構成を概略的に例示する断面図である。 図2は、図1のレーザレーダ装置の一部を拡大して説明する説明図である。 図3は、図1のレーザレーダ装置において、抑制カバー、凹面鏡、透過板を上方側から見た配置関係を説明する説明図である。 図4は、図1のレーザレーダ装置で用いられる抑制カバーの斜視図である。 図5(A)は、第2実施形態に係るレーザレーダ装置で用いられる抑制カバーを例示する断面図であり、図5(B)はその斜視図である。 図6は、第2実施形態に係るレーザレーダ装置において、抑制カバー、凹面鏡、透過板を上方側から見た配置関係を説明する説明図である。 図7(A)は、他の実施形態に係る抑制カバーの第1の例を示す斜視図であり、図7(B)は、抑制カバーの第2のを示す斜視図である。
[第1実施形態]
以下、本発明のレーザレーダ装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(全体構成)
まず、図1を参照して第1実施形態に係るレーザレーダ装置の全体構成について説明する。
図1は、第1実施形態に係るレーザレーダ装置の全体構成を概略的に例示する断面図であり、この図1では、第1実施形態に係るレーザレーダ装置1を凹面鏡41の回転中心軸42aに沿って切断した所定切断面を概略的に示している。なお、以下の説明では、透過板の断面については白抜きで示すこととする。
図1に示すように、レーザレーダ装置1は、レーザダイオード10と、検出物体からの反射光L2を受光するフォトダイオード20とを備え、装置外の走査エリアに存在する検出物体までの距離や方位を検出する装置として構成されている。
レーザダイオード10は、「レーザ光発生手段」の一例に相当するものであり、制御回路70の制御により、図示しない駆動回路からパルス電流を受け、このパルス電流に応じたパルスレーザ光(レーザ光L1)を間欠的に出射している。なお、本実施形態では、レーザダイオード10から検出物体(図示略)に至るまでのレーザ光を符号L1にて概念的に示し、検出物体からフォトダイオード20に至るまでの反射光を符号L2にて概念的に示している。
フォトダイオード20は、「光検出手段」の一例に相当するものであり、例えばアバランシェフォトダイオード(avalanche photodiode)などによって構成されている。このフォトダイオード20は、レーザダイオード10からレーザ光L1が発生し、そのレーザ光L1が装置外に存在する検出物体(図示略)にて反射したとき、その反射光L2を受光して電気信号に変換している。なお、検出物体からの反射光については所定領域内のものが凹面鏡41に受けられる構成となっており、図1では、符号L2a,L2bで示す2つのライン付近を境界としてこのラインL2a,L2b間の領域(上下方向における凹面鏡41の配置領域C1)の反射光L2が凹面鏡41によって反射されるようになっている。
レーザダイオード10から出射されるレーザ光L1の光軸上にはレンズ60が設けられている。このレンズ60は、コリメートレンズとして構成されるものであり、レーザダイオード10で発生して拡散しようとするレーザ光L1を集光し略平行光に変換している。
レンズ60を通過したレーザ光L1の光路付近には、ミラー30が設けられている。このミラー30は、レーザ光L1の光軸に対し所定角度(例えば45°)で傾斜してなる反射面31と、反射面31と交差する方向の貫通路32とを備えており、レーザダイオード10からのレーザ光L1を貫通路32を介して通過させる一方、装置外の検出物体からの反射光L2(より詳しくは凹面鏡41にて反射された反射光)をフォトダイオード20に向けて反射させている。
なお、本実施形態では、ミラー30が「誘導部材」の一例に相当し、「偏向手段」にて偏向された反射光L2をフォトダイオード20(光検出手段)に向けて誘導するように機能する。
また、ミラー30を通過するレーザ光L1の光軸上には、回動反射機構40が設けられている。回動反射機構40は、「回動偏向手段」の一例に相当するものであり、回動可能に構成された凹面鏡41と、この凹面鏡41に連結された軸部42と、この軸部42を回動可能に支持する図示しない軸受とを備えている。そして、凹面鏡41によりレーザダイオード10からのレーザ光L1を空間に向けて反射させ、且つ、この凹面鏡41により装置外の検出物体からの反射光L2をフォトダイオード20に向けて偏向するように機能している。
凹面鏡41は、「偏向部」の一例に相当するものであり、ミラー30を通過したレーザ光L1の光軸上に配置される凹状の反射面41aを備えている。凹面鏡41の反射面41aは、例えば放物面として構成されており、水平方向に沿って平行に入射する所定領域(図2に示す領域C2)の反射光を上方に向けて反射させつつ集光し、集光される反射光L2の焦点位置が中心軸42a上になるように形状が調整されている。
また、凹面鏡41は、上下方向に延びる中心軸42aを中心として回転可能に配設されている。凹面鏡41の回転中心となる中心軸42aの方向は、ミラー30を通過して当該凹面鏡41に入射するレーザ光L1の方向と略一致しており、レーザ光L1が凹面鏡41に入射する入射位置P1が中心軸42a上の位置とされている。
また、本実施形態では、凹面鏡41の反射面41aにおいて位置P1付近の部分が、垂直方向(反射面41aに入射するレーザ光L1の方向)に対して略45°の角度で傾斜しており、凹面鏡41の反射面41aで反射したレーザ光L1が水平方向に照射されるようになっている。また、凹面鏡41は入射するレーザ光L1の方向と一致した方向の中心軸42aを中心として回転するため、凹面鏡41の回転位置に関係なくレーザ光L1の入射角度が常に約45°で維持され、位置P1からのレーザ光L1の向きは絶えず水平方向(中心軸42aと直交する方向)となるように構成されている。なお、本実施形態では、中心軸42aの方向を垂直方向(上下方向、縦方向)としており、中心軸42aと直交する平面方向を水平方向としている。
さらに、レーザレーダ装置1には、回動反射機構40を駆動するモータ50が設けられている。このモータ50は、「駆動手段」の一例に相当するものであり、軸部42を回転させることで、軸部42と連結された凹面鏡41を回転駆動している。なお、モータ50の具体的構成としては、例えば直流モータ、交流モータ、ステップモータなど様々なモータを使用できる。
また、本実施形態では、図1に示すように、モータ50の軸部42の回転角度位置(即ち凹面鏡41の回転角度位置)を検出する回転角度センサ52が設けられている。回転角度センサ52は、ロータリエンコーダなど、軸部42の回転角度位置を検出しうるものであれば公知の様々なセンサを使用できる。
このように構成されるレーザレーダ装置1では、凹面鏡41の回転角度(所定の基準回転位置(例えば、ロータリエンコーダが原点を示す位置)からの回転角度)が定まれば装置からのレーザ光L1の投射方向が特定される。従って、レーザレーダ装置1が所望の傾斜状態(例えば、レーザ光L1の走査方向が常に鉛直方向と直交する方向となるような状態等)で設置されていれば、フォトダイオード20が検出物体からの反射光を受光したときの凹面鏡41の回転角度を回転角度センサ52によって検出することで、検出物体の方位を正確に検出できる。
また、レーザダイオード10にてレーザ光L1(パルスレーザ光)が発生してからフォトダイオード20によって当該レーザ光L1に対応する反射光L2が検出されるまでの時間Tを検出すれば、この時間Tと光速とに基づいて、レーザ光L1の発生から反射光L2受光までの光経路の長さを算出することができ、レーザレーダ装置1の所定基準位置(例えば位置P1)から検出物体までの距離も正確に求めることができる。つまり、レーザレーダ装置1から検出物体までの距離及び方位をいずれも正確に検出することができる。
(ケースの構成)
次に、本実施形態の特徴の一つであるケース3について説明する。
本実施形態に係るレーザレーダ装置1では、レーザダイオード10、フォトダイオード20、ミラー30、レンズ60、回動反射機構40、モータ50等がケース3内に収容され、防塵や衝撃保護が図られている。このケース3は、主ケース部4と透過板5とを備えており、全体として箱状に構成されている。主ケース部4は、上壁部4a及び下壁部4bが上下に対向して配置され、周壁部4cが上方側の外周壁として構成されており、周壁部4cと下壁部4bの間が窓部4eとして導光可能に開放されている。
この主ケース部4は、凹面鏡41の周囲に窓部4eが形成されており、レーザ光L1及び反射光L2の通過を可能としている。この窓部4eは、主ケース部4において光の出入りを可能とするように開放した部分であり、ケース3の下方側において凹面鏡41の周囲において周方向略全周に亘って形成され、且つ上下方向所定領域を開放する構成で設けられている。そしてこの開放形態の窓部4eを閉塞するように透過板5が設けられている。なお、主ケースにおいて上壁部4a側と下壁部4b側は、図示しないフレームによって支持されていてもよく、後述する透過板5によって支持されていてもよい。
透過板5は、例えば、透明の樹脂板、ガラス板などからなり、凹面鏡41の周囲において周方向全周に亘って連続的に形成されており、窓部4eを閉塞する構成で配置されている。本実施形態では、図3のように透過板5が環状に配置されているため、凹面鏡41がどの方向に向いても凹面鏡41からのレーザ光L1の照射経路上に透過板5が位置するようになっている。そして、この透過板5は、上記窓部4eを閉塞する一方で、凹面鏡41から投射されたレーザ光L1を透過させて装置外に導出するように機能し、更に、装置外の検出物体で生じた反射光を透過させて装置内に導入するように機能している。
図1、図3に示すように、透過板5は、筒状に構成されると共に上方となるにつれて内周壁の径が大きくなるすり鉢状に構成されており、周方向のいずれの位置においても内面5aが上方側を向くように中心軸42aに対して傾斜して配置されている。具体的には、中心軸42aを通るどの平面方向に切断しても、図1のように切断面のおける内面5aの向きが斜め上方を向くように上方側が広がる形態をなしている。
本実施形態では、ミラー30と凹面鏡41とが所定の間隔をあけて配置されている。そして、凹面鏡41から照射されるレーザ光L1が透過板5の内面5aで正反射したときの反射光の向きが斜め上方となり、且つミラー30と凹面鏡41の間を通るように傾きが設定されている。なお、図2では、図1に示す状態のときにレーザ光L1の一部が透過板5の位置P2で鏡面反射して生じる内部反射光L3(外乱光)の経路を矢印F3で示しているが、本実施形態では、透過板5におけるレーザ光L1のどの照射位置(透過位置)でも、透過板5で鏡面反射したときの内部反射光L3(外乱光)がミラー30と凹面鏡41の間を通るようになっている。
(抑制カバー)
次に、本実施形態の特徴の一つである抑制カバー80について詳述する。
抑制カバー80は、凹面鏡41から空間に向けて偏向されたレーザ光L1の一部が透過板5にて反射する内部反射光を拡散反射させて低減するように機能するものである。この抑制カバー80は、例えば樹脂材料或いは金属材料などによって構成され、図4のような略円筒形態をなしており、反射光L2が凹面鏡41からフォトダイオードに至るまでに通る反射光経路Rを、この反射光経路Rの外から囲う構成で配置されている。
本実施形態では、空間に照射されたレーザ光L1が検出物体で反射し、この反射光の一部が横方向から装置内に入り込むようになっており、この入り込んだ反射光L2が凹面鏡41で反射してからフォトダイオード20に至るまでの経路、具体的には、反射光L2が凹面鏡41で反射した後、ミラー30で反射し、最終的にフォトダイオード20に入射するまでの経路が反射光経路Rとなっている。
図2の例では、凹面鏡41に取り込まれる反射光L2の上端の境界を符号L2aで概念的に示し、下端の境界を符号L2bで概念的に示しており、まず、この符号L2a、L2b内の領域の反射光L2が凹面鏡41によって集光されながら当該凹面鏡41で反射してミラー30に向かうようになっている。図2では、このように凹面鏡41に取り込まれる反射光L2が凹面鏡41からミラー30に向かうときの経路を第1反射光経路R1として表わしている。また、この反射光L2がミラー30で反射してからフォトダイオード20に向かうときの経路を第2反射光経路R2で表わしている。
第1反射光経路R1は、所定領域C1の反射光L2が凹面鏡41によって集光されつつ上方に反射したときの経路であり、この第1反射光経路R1では、反射光L2は中心軸42aに沿って進むと共に上方側につれて径が小さくなるような領域で進んでいる。一方、第2反射光経路R2は、上記第1反射光経路R1を通った反射光L2がミラー30で横方向に反射したときの経路であり、この第2反射光経路R2では、反射光L2は中心軸42aと直交する所定方向(図2ではX軸方向)に沿って進むと共にX軸方向一方側につれて径が小さくなるような領域で進んでいる。
抑制カバー80は、上記のような反射光経路Rを筒状に囲う構成で配置されており、具体的には、凹面鏡41からミラー30までの上記第1反射光経路R1を、中心軸42aを中心とする周方向全体に亘って囲むように環状に配置されている。上述したように、第1反射光経路R1では、反射光L2は上方側につれて径が小さくなるような領域で進んでおり、抑制カバー80は、内壁面82が反射光経路R1の外側において反射光経路R1の境界に沿うように配置され、且つ凹面鏡41側からミラー30側に向かうにつれて開口領域が次第に狭くなるように構成されている。
また、抑制カバー80は、内壁面82及び外壁面81のいずれも、赤外光或いは赤色光からなるレーザ光が照射されるときの反射率が2%未満であって、且つ当該レーザ光を拡散反射させるような表面構造となっている。具体的には、、内壁面82及び外壁面81のいずれも、レーザ光が照射されたときに鏡面反射光よりも拡散反射光の方が十分多く生じるようになっている。
例えば、抑制カバー80は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS 、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、PBT、PET、変性PPE、PPSなどの様々な樹脂材料を好適に用いることができ、更に、このような樹脂材料の表面粗さを調整することで、内壁面82及び外壁面81の反射率を2%未満とすることができる。
或いは、エポキシ樹脂、アクリルウレタン樹脂、フッ素樹脂などをベースとして黒色、青色等の顔料を含んでなる塗料を抑制カバー80の内表面及び外表面に塗布することで内壁面82及び外壁面81の反射率を2%未満に抑えるようにしてもよい。
また、上記構成に代えて或いは上記構成に加え、内壁面82及び外壁面81の表面に艶消し加工、或いは微細な凹凸加工(シボ加工、ねじ切状の溝を形成する加工、突起や窪みを分散させて形成する加工等)などを施すことで反射率2%以下に抑える構成としてもよい。
また、内壁面82及び外壁面81の反射率は、ケース3の内壁面3aの反射率よりも低くなるように構成されており、例えば、ケース3の内壁面3aが所定の表面粗さ(透明板5の内面よりも十分大きい表面粗さ)で構成され、抑制カバー80の内壁面82及び外壁面81の表面粗さがこれよりも大きくなるように構成されている。或いは、抑制カバーの内壁面82及び外壁面81にシボ加工等を施し、ケース3の内壁面3aにこのような加工を施さないような構成であってもよい。このように構成されているため、レーザ光L1が透過板5で反射して生じる内部反射光が抑制カバー80に当ったとき、或いはこのような内部反射光が他部材で反射した間接光が抑制カバー80に当ったときにこれらの光を拡散反射させて低減することができる。
また、図2に示すように、抑制カバー80は、下端部84が凹面鏡41の上端部41bよりも上方に設けられており、凹面鏡41に向けて横方向に入射しようとする反射光L2の入射を阻害しないようになっている。一方、上述したように、透過板5は、凹面鏡41側に面する内面5aが斜め上方側を向くように中心軸42aに対して傾斜して配置され、内面5aで鏡面反射(正反射)した場合の内部反射光L3(外乱光)がミラー30と凹面鏡41の間を通るようになっている。そして、この鏡面反射(正反射)した場合の内部反射光L3(外乱光)は、抑制カバー80の下端部84の開口から抑制カバー80内に斜めに進入して内壁面82に当たるようになっており、少なくともこの内壁面82で拡散反射が生じるようになっている。
更に、抑制カバー80は、凹面鏡41側からミラー30側に向かうにつれて開口領域が狭くなるように構成され、内壁面82が斜め下方側を向くように逆すり鉢状に配置されている。従って、内壁面が中心軸42aと平行な円筒構成と比較すると、上記のように透過板5で鏡面反射(正反射)した場合の内部反射光L3(外乱光)が内壁面82に当ったときに、拡散反射によって生じる光が上方側に漏れにくく、水平方向或いは斜め下方側に向かおうとする光の割合が大きくなる。
(第1実施形態の主な効果)
第1実施形態に係るレーザレーダ装置1では、ケース3内に回動反射機構40が収容されており、このケース3には、回動反射機構40に設けられた凹面鏡41からのレーザ光の走査経路上を囲う構成で透過板が配置されている。この構成により、装置内の防塵等を図りつつ装置外へのレーザ光L1の照射を可能としている。
更に、反射光が凹面鏡41からフォトダイオード20(光検出手段)に至るまでに通る反射光経路Rを当該反射光経路Rの外から囲う構成で抑制カバー80が配置されている。そして、この抑制カバー80は、凹面鏡41から空間に向けて偏向されたレーザ光L1の一部が透過板5にて反射する内部反射光を拡散反射させて低減するように構成されている。従って、レーザ光L1の一部が透過板5で反射して生じる内部反射光(外乱光)を極力反射光経路Rに進入させないようにすることができ、内部反射光が反射光経路Rに進入することに起因する誤検出を効果的に抑えることができる。
更に、抑制カバー80は、透過板5で生じた内部反射光を受けたときにこの内部反射光を拡散反射させて低減するため、内部反射光が透過板5に当って生じる光(間接光)もフォトダイオード20に検出されにくくなる。従って、内部反射光がフォトダイオード20に及ぼす影響をより確実に低減することができる。
特に、透過板5に近い位置の物体を検出する場合に、内部反射光に起因する受光光量を抑えて対象物体からの反射光に基づく良好な受光波形を得ることができるため、近距離の物体を検出する際に問題となっていた従来の以下の具体的課題を効果的に解消することができる。
従来では、外部空間において透明板5に近い位置に存在する近距離の物体を検出しようとする場合、上記のような内部反射光がフォトダイオード20に受光されてしまうと、その内部反射光の受光波形が完全に終わらないタイミング(具体的には、フォトダイオード20において受光によって蓄積された電荷が抜けきらないタイミング)で正規の検出物体からの反射光が受光されてしまい、内部反射光による受光波形と正規の検出物体による受光波形がつながってしまうことで、正規の検出物体を正確に検出できないという具体的な問題もあった。しかしながら、本実施形態の構成によれば、内部反射光に起因する受光波形をほぼ完全に除去、或いはノイズとして除去し易いレベルまで落とすことができるため、仮に近距離に検出物体が存在したとしても、この検出物体からの受光波形を確実に得ることができ、ひいては近距離の検出物体をより正確且つ良好に検出できるようになる。
また、第1実施形態に係るレーザレーダ装置1では、抑制カバー80によって反射光経路を取り囲むことができるため、反射光経路内に進入しようとする様々な方向の内部反射光を抑えることができる。また、抑制カバー80が筒状に構成されているため、仮に内部反射光の一部(透過板で反射して生じる内部反射光の直接光、或いは、透過板で反射して生じる内部反射光がケース内の部品で反射して生じる間接光)が一端側から筒内(即ち抑制カバー80内)に進入し、筒内の反射光経路に入り込んだ場合であって、或いは入り込もうとした場合であっても、その筒内に進入した内部反射光が筒内の内壁で反射しやすく、その反射光が筒内で更に反射しやすくなる。つまり、内部反射光の一部が筒状の抑制カバー80内に進入したとしても、この進入した内部反射光は抑制カバー80内で反射が繰り返されやすいため、内部反射光の低減効果が相乗的に高まる。従って、少なくとも反射光経路の所定領域(筒状の抑制カバー80によって囲われる領域)を通過しようとする内部反射光をより効果的に低減することができ、このような内部反射光がフォトダイオード20(光検出手段)に達することを効果的に抑えることができる。
特に、本実施形態では、筒状に構成される抑制カバー80の下端部84(開口部)が上下方向において、透過板5におけるレーザ光L1の入射位置の高さ(入射位置P2の高さ)とフォトダイオード20の高さの間の領域に配置されている。より詳しくは、凹面鏡41がいずれの回動位置にあるときでも、透過板5の内面でレーザ光L1が鏡面反射する光(内部反射光の鏡面反射成分、図2の例では符号L3参照)が斜め横方向に向かうようになっており、且つ、凹面鏡41がいずれの回動位置にあるときでも、この鏡面反射成分が抑制カバー80の下端部84から斜め横向きに入り込むように下端部84の開口領域が設定されている。従って、レーザ光L1が透過板5で反射して生じる内部反射光を抑制カバー80内に下方側から進入させやすく、上述の内部反射光の低減効果をより得やすくなる。特に、内部反射光の鏡面反射成分を下端部84から斜め横向きに積極的に入り込ませて内壁面82で受けることができ、上述のように内壁面82での反射の繰り返し、或いは下方側への誘導が可能となるため、内部反射光を低減する上で一層有利となる。
また、第1実施形態に係るレーザレーダ装置1では、凹面鏡41にて偏向された反射光をフォトダイオード20に向けて誘導するミラー30が設けられており、抑制カバー80が、凹面鏡41からミラー30までの反射光経路を囲う構成で配置されている。
透過板5は凹面鏡41からのレーザ光を透過させるように配置されるため、配置的に凹面鏡41付近の反射光経路、特に凹面鏡41とミラー30の間の反射光経路には透過板5で反射した内部反射光(外乱光)が入り込む可能性がある。しかしながら、本実施形態では、内部反射光が向かいやすい領域(即ち、凹面鏡41とミラー30の間の領域)において内部反射光が反射光経路に入り込むことを効果的に抑え、内部反射光自体も低減することができるため、内部反射光の受光を抑制する効果を一層高めることができる。
特に、図1、図2のように、凹面鏡41からのレーザ光L1が水平方向においてフォトダイオード20の配置側と反対側に照射される場合、透過板5とフォトダイオード20の間に上記抑制カバー80が配置されていれば、第1反射光経路R2を適切に確保しつつ、透過板5で生じた内部反射光が直接フォトダイオード20に入り込むことをより確実に防止することができるため、誤検出の防止効果が一層高まる。
また、第1実施形態に係るレーザレーダ装置1では、レーザ光L1を空間に向けて偏向する「偏向部」が反射光L1を集光しつつ偏向する凹面鏡41によって構成されており、抑制カバー80は、凹面鏡41側から誘導部品側に向かうにつれて開口領域が狭くなるように構成されている。このように抑制カバー80を構成すると、凹面鏡41からミラー30(誘導部品)までの反射光経路において、反射光の径がより絞られるミラー30側の開口領域を狭く構成することができ、反射光の径が比較的に広い凹面鏡41側の開口領域は相対的に広く構成することができる。従って、ミラー30側の開口領域を広くしすぎることを抑制することができ、凹面鏡41にて集光される反射光の経路を、多大なスペースを割くことなく(即ち、広く囲いすぎることなく)、より効率的にカバーしやすくなる。また、凹面鏡41側から抑制カバー80内に内部反射光が入り込んだ場合に、この入り込んだ光を抑制カバー80の内壁で拡散反射させて確実に低減することができ、更に、抑制カバー80は誘導部品側に向かうにつれて開口領域が狭くなるように構成されているため、内部に入り込んだ光がミラー30(誘導部品)側に漏洩しにくくなる。
また、第1実施形態に係るレーザレーダ装置1では、抑制カバー80において、中心軸42aの一方側から他方側に向かう方向を上下方向としたときの下端部が、凹面鏡41の上端部よりも上方に設けられており、透過板5は、内面が上方側を向くように中心軸42aに対して傾斜して配置されている。この構成によれば、レーザ光の照射に応じて物体から反射してくる正規の反射光が抑制カバー80に遮られずに凹面鏡41に受けられやすくなる。また、レーザ光の照射時に当該レーザ光が透過板5で反射して生じる内部反射光を上方側に逃がすことができ、内部反射光が凹面鏡41に入射し難くなる。
一方、抑制カバー80は、凹面鏡41側からミラー30側に向かうにつれて開口領域が狭くなるように構成され、内壁面82が斜め下方側を向いて配置されており、透過板5で生じた内部反射光が内壁面82に照射されたときに、当該内部反射光を内壁面82で拡散反射させて低減するように構成されている。従って、上記の透過板5の構成によって内部反射光が斜め上方に逃げ、凹面鏡41側から抑制カバー80内に内部反射光が入り込んだ場合に、この入り込んだ光を抑制カバー80の内壁で拡散反射させて確実に低減することができる。
また、抑制カバー80はミラー30(誘導部品)側に向かうにつれて開口領域が狭くなるように構成されているため、内部に入り込んだ光がミラー30側に漏洩しにくく、更に、抑制カバー80の内壁面82が斜め下方側を向いて配置されているため、内部反射光が抑制カバー80の内部に入り込んで内壁面82で反射したときに、その拡散反射光が上方側(即ちミラー30側)に向かいにくくなる。
より詳しく説明すると、この構成では、上方側となるにつれて開口領域が狭くなるように内壁面82が先細り状に傾斜しているため、抑制カバー80の真下側から上下方向に近い向きに内部反射光が入り込まないと、内部反射光が内壁面82で反射して生じる光が上端部83の開口領域に到達し難くなる。つまり、横方向(上下方向と直交する方向)或いは斜め横方向に進む内部反射光が抑制カバー80内に入り込んだときには、この内部反射光が内壁面82で反射したときに横向きに近い反射が生じやすくなり、この反射によって生じる光が、再び内壁面82で反射したり或いは下方側に漏洩し易くなる。一方、透過板5で生じる内部反射光は、凹面鏡41の周囲に配される透過板5の内面から直接抑制カバー80側に向かう光が主であるため、抑制カバー80内に下方側から入り込もうとする内部反射光は、横方向又は斜め横方向に進む光の割合が大きい。従って、抑制カバー80内に下方側から入り込む内部反射光の大部分を、内壁面82で繰り返し反射させたり、下方側に漏洩させたりすることができるため、抑制カバー80内に入り込んだ内部反射光がミラー30側に漏洩することをより一層効果的に抑えることができる。
また、第1実施形態に係るレーザレーダ装置1では、抑制カバー80の内壁面82及び外壁面81の反射率が、ケース3の内壁面3aの反射率よりも低くなるように構成されている。この構成によれば、抑制カバー80での反射率をケース3の内壁面3aよりも相対的に低くして反射光経路付近の抑制効果を集中的に高めることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るレーザレーサ装置について説明する。
図5(A)は、第2実施形態に係るレーザレーダ装置で用いられる抑制カバーを例示する断面図であり、図5(B)はその斜視図である。図6は、第2実施形態に係るレーザレーダ装置において、抑制カバー、凹面鏡、透過板を上方側から見た配置関係を説明する説明図である。
本実施形態に係るレーザレーダ装置は、抑制カバーの構成のみが第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同様である。よって抑制カバー以外の部分の具体的な説明は省略し、抑制カバーについてのみ重点的に説明することとする。なお、第2実施形態で用いられる抑制カバー280は、張り出し部285を設けた点のみが第1実施形態の抑制カバー80と異なり、配置位置は第1実施形態の抑制カバー80と同位置に配置されるようになっている。例えば、上下方向における上端部283や下端部284の位置、或いは内壁面282や外壁面281の位置については、第1実施形態の抑制カバー80の上端部83や下端部84の位置、或いは内壁面82及び外壁面81の位置と同様となっている。また、内壁面282や外壁面281の構成(反射率等)についても、第1実施形態の抑制カバー80の内壁面82及び外壁面81の構成と同様となっている。
図5(A)(B)、図6に示すように、本実施形態で用いられる抑制カバー280は、上端部283において中心軸42aを中心とする周方向所定領域(例えばほぼ180°の領域)に亘り、内壁面282から内側に張り出す張り出し部285が形成されている。この張り出し部285は、上端部283において約半周に亘って水平方向に突出しており、図5(A)、図6のように、張り出し部285が形成された部分287の半径r1は、張り出し部285が形成されていない部分288の半径r2よりも小さくなっている。
この張り出し部285は、図6のように、中心軸42aを中心とする周方向において、フォトダイオード20が設けられた側に配置されており、レーザ光L1が水平方向においてフォトダイオード20側と反対側に照射される場合(図1、図6参照)に、図5(A)のように、透明板5(図1、図2、図6参照)にて反射した内部反射光がフォトダイオード20側に直接又は間接的に向かおうとすることを遮断している。
例えば、L5のように透過板5からフォトダイオード20に直接向かおうとする光成分については、張り出し部285によってフォトダイオード20側への漏洩を直接遮断することができる。また、L4のように透過板5から内壁面282に照射され、拡散反射してフォトダイオード20に向かおうとする光成分についても、張り出し部285の下面で拡散反射させて低減することができ、フォトダイオード20側への漏洩を効果的に抑えることができる。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
上記第1、第2実施形態では、円筒軸方向の一方側から他方側に向かうにつれて開口領域が小さくなるすり鉢状の外周壁を備えた抑制カバーを例示したが、抑制カバーの構成はこのような構成に限られない。例えば、図7(A)のように、開口領域が軸方向全領域に亘って一定となる円筒の抑制カバー380であってもよい。この場合であっても、第1実施形態の抑制カバー80と同様に配置することができ、上下方向における上端部383や下端部384の位置、或いは内壁面382及び外壁面381の構成などは第1実施形態の構成(抑制カバー80の上端部83や下端部84の位置、或いは内壁面82及び外壁面81の構成)と同様とすることができる。
上記説明で挙げられたいずれの抑制カバーも、全周に亘って反射光経路を取り囲む構成であったが、図7(B)の抑制カバー480のように、一部に切欠部486が形成され、部分的に反射光経路を囲まない領域が設けられるものであってもよい。この場合であっても、第1実施形態の抑制カバー80と同様に配置することができ、上下方向における上端部383や下端部384の位置、或いは内壁面482及び外壁面481の構成などは第1実施形態の構成(抑制カバー80の上端部83や下端部84の位置、或いは内壁面82及び外壁面81の構成)と同様とすることができる。
上記実施形態では、ケース3の内面3aの反射率と抑制カバー80の内壁面82及び外壁面81の反射率が異なる例を示したが、ケース3の内面3aの反射率が抑制カバー80の内壁面82及び外壁面81の反射率とほぼ同じであってもよい。
上記実施形態では、第1反射光経路R1を囲う構成で抑制カバー80を配置したが、第2反射光経路R2を囲う構成で抑制カバーが配置されていてもよい。
1…レーザレーダ装置
3…ケース
3a…ケースの内壁面
5…透過板
5a…透過板の内面
10…レーザダイオード(レーザ光発生手段)
20…フォトダイオード(光検出手段)
30…ミラー(誘導部材)
40…回動反射機構(回動偏向手段)
41…凹面鏡(偏向部)
41b…凹面鏡の上端部(偏向部の上端部)
42a…中心軸
50…モータ(駆動手段)
L1…レーザ光
L2…検出物体からの反射光
R…反射光経路
80,280,380,480…抑制カバー
81,281,381,481…抑制カバーの外壁面
82,282,382,482…抑制カバーの内壁面
84,284,384,484…抑制カバーの下端部

Claims (6)

  1. レーザ光を発生させるレーザ光発生手段と、
    前記レーザ光発生手段が前記レーザ光を発生したときに、当該レーザ光が検出物体にて反射して生じる反射光を検出する光検出手段と、
    所定の上下方向に延びる中心軸を中心として回動可能に構成された偏向部を備えるとともに、当該偏向部により前記レーザ光を空間に向けて偏向させ、且つ前記反射光を前記光検出手段に向けて偏向する回動偏向手段と、
    前記偏向部にて偏向された前記反射光を前記光検出手段に向けて誘導する誘導部材と、
    前記回動偏向手段の前記偏向部を回転駆動する駆動手段と、
    少なくとも前記回動偏向手段を収容すると共に、前記偏向部からの前記レーザ光の走査経路上を当該レーザ光が透過可能な透過板によって囲んでなるケースと、
    前記反射光が前記偏向部から前記光検出手段に至るまでに通る反射光経路を当該反射光経路の外から囲う構成で配置され、前記偏向部から空間に向けて偏向された前記レーザ光の一部が前記透過板にて反射する内部反射光を拡散反射させて低減する抑制カバーと、
    を備え、
    前記上下方向において、前記偏向部よりも前記誘導部材側を上方側としたとき、前記抑制カバーは、下端部が前記偏向部の上端部よりも上方に設けられ、前記反射光経路側に面する内壁面と前記内壁面の外側に配置される外壁面とを備え、前記内壁面と前記外壁面との間の厚さよりも前記上下方向の長さが長くなるように前記偏向部側から前記誘導部材側に向かって延びる構成であり、前記内壁面が斜め下側を向くように傾斜した構成、又は、前記内壁面が前記上下方向に延びる構成のいずれかであることを特徴とするレーザレーダ装置。
  2. 前記抑制カバーは、前記反射光経路を筒状に囲う構成で配置されていることを特徴とする請求項1に記載のレーザレーダ装置。
  3. 前記抑制カバーは、前記偏向部から前記誘導部材までの前記反射光経路を囲う構成で配置されていることを特徴とする請求項2に記載のレーザレーダ装置。
  4. 前記偏向部は、前記反射光を集光しつつ偏向する凹面鏡からなり、
    前記抑制カバーは、前記偏向部側から前記誘導部材側に向かうにつれて開口領域が狭くなるように構成されていること特徴とする請求項3に記載のレーザレーダ装置。
  5. 前記抑制カバーは、前記中心軸の一方側から他方側に向かう方向を前記上下方向としたときの下端部が、前記偏向部の上端部よりも上方に設けられており、
    前記透過板は、内面が上方側を向くように前記中心軸に対して傾斜して配置され、
    前記抑制カバーは、前記偏向部側から前記誘導部材側に向かうにつれて開口領域が狭くなるように構成され、前記内壁面が斜め下方側を向いて配置されており、
    前記透過板で生じた前記内部反射光が前記内壁面に照射されたときに、当該内部反射光を前記内壁面で拡散反射させて低減すること特徴とする請求項3又は請求項4に記載のレーザレーダ装置。
  6. 前記抑制カバーの前記内壁面及び前記外壁面の反射率が、前記ケースの内壁面の反射率よりも低くなるように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のレーザレーダ装置。
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