JP5990847B2 - 光学用粘着剤組成物及びこれを用いた光学機能性フィルム - Google Patents
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Description
R1 nSi(OR2)4-n
([1]式中、R1は、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜20の一価炭化水素基を示す。R2は、炭素原子数1〜10のアルキル基を示す。nは、0又は1を示す。)
([2]式中、Xは、酸無水物基を有する一価炭化水素基を示す。Yは、ポリエーテル基を有する一価炭化水素を有する基を示す。R3は、それぞれ独立に、水素原子、又はハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜20の一価炭化水素基を示す。)
前記オルガノシロキサン(b)として、前記[2]式において、A式中のXが、下記[3]式で表される酸無水物基を有する一価炭化水素基であり、B式中のYが、下記[4]式で表されるポリエーテル基を有する一価炭化水素基である、シロキサン単位がそれぞれ挿入されている前記ポリオルガノシロキサン(b)が少なくとも配合されていることが好ましい。
([3]式中、Aは、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数2〜6のアルキレン基を示す。)
[4]式
−CmH2m−O(C2H4O)p(C3H6O)qR4
([4]式中、R4は、水素原子、炭素原子数1〜6の一価の炭化水素基又は下記[5]式で表される基のいずれかを示す。mは1以上の整数を示す。p、qは、0以上の整数を示す。ただし、p、qのうち少なくとも1つは、1以上の整数をとる。)
([5]式中、R5は、炭素原子数1〜4の一価の炭化水素基を示す。)
前記(メタ)アクリル酸エステルを含む共重合体(a)は、炭素数1〜18の有機置換基を側鎖に有するアルキル(メタ)アクリレート単量体を少なくとも形成成分としてなる共重合体であって、かつ、該共重合体の重量平均分子量が40万〜200万であることである。
本発明の粘着剤組成物は、(メタ)アクリル酸エステルを含む共重合体(a)に、特定の構造を有するオルガノポリシロキサン(b)及び/又はその加水分解縮合物(以下、単にオルガノポリシロキサン(b)と呼ぶ)が配合されてなることを特徴とする。本発明の粘着剤組成物は、特定のオルガノポリシロキサン(b)を含有しているため、形成した粘着剤層は、その耐久性が向上したものになるとともに、優れたリワーク性を示すものになる。以下、各構成要件について説明する。なお、本発明の特許請求の範囲及び明細書における「(メタ)アクリル」という用語は、「アクリル」及び「メタクリル」の双方を意味し、また、「(メタ)アクリレート」という用語は、「アクリレート」及び「メタクリレート」の双方を意味する。
本発明を特徴づけるオルガノポリシロキサン(b)について説明する。
オルガノポリシロキサン(b)は、下記[1]式で表されるアルコキシシラン又はその部分加水分解縮合物の分子内に存在するO−Si結合の少なくとも1つにおいて、OとSiの原子間に、少なくとも2種類のシロキサン単位が、シロキサン結合を形成して挿入されている、その分子内に、アルコキシ基と、酸無水物基と、ポリエーテル基とを有する化合物である。そして、該化合物を構成する、挿入されているシロキサン単位が、1〜100個の下記[2]式のA式で表されるシロキサン単位と、1〜100個の下記[2]式のB式で表されるシロキサン単位と、さらに必要に応じて挿入されている1〜100個の下記[2]式のC式で表されるシロキサン単位であることを特徴とする。本発明を特徴づけるオルガノポリシロキサン(b)においては、これらから選ばれる少なくとも2種類のシロキサン単位が挿入されていることを要するが、これらのシロキサン単位は、1つのOとSiの原子間において、1個或いは複数個挿入されていてもよく、また、それぞれ個別に或いは他のシロキサン単位と共に挿入されていてもよい。
R1 nSi(OR2)4-n
([1]式中、R1は、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜20の一価炭化水素基を示す。R2は、炭素原子数1〜10のアルキル基を示す。nは、0又は1を示す。)
([3]式中、Aは、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数2〜6のアルキレン基を示す。)
−CmH2m−O(C2H4O)p(C3H6O)qR4
([4]式中、R4は、水素原子、炭素原子数1〜6の一価の炭化水素基又は下記[5]式で表される基のいずれかを示す。mは1以上の整数を示す。p、qは、0以上の整数を示す。ただし、p、qのうち少なくとも1つは、1以上の整数をとる。)
([5]式中、R5は、炭素原子数1〜4の一価の炭化水素基を示す。)
以下、上記したオルガノポリシロキサン(b)とともに用いる本発明の光学用粘着剤組成物の主成分であるアクリル系共重合体(a)について説明する。
本発明を構成するアクリル系共重合体(a)の好適なものとしては、例えば、炭素数1〜18の有機置換基を側鎖に有するアルキル(メタ)アクリレート単量体を少なくとも形成成分としてなる共重合体であって、かつ、該共重合体の重量平均分子量が40万〜200万である粘着性を有するものが挙げられる。重量平均分子量が40万未満の場合は、後述する架橋剤(e)を使用しても形成された粘着剤層の凝集力が弱く、粘着剤層に発泡や剥れが生じ易くなり、耐久性が不十分となる場合があるので好ましくない。一方、重量平均分子量が200万を超える場合には、粘着剤組成物の粘度が高くなりすぎて作業性に劣る場合があるので好ましくない。
例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレートモノマー;
フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマー;
(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸又はカルボキシエチル(メタ)アクリレートなどのカルボキシ基含有(メタ)アクリレートモノマー;
無水マレイン酸又は無水フマル酸などの酸無水物モノマー、(メタ)アクリルアミドN−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有モノマー;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート又はポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートモノマー、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有(メタ)アクリレートモノマー;
スチレンメチルスチレンなどの芳香族環含有モノマー;
酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリルなどが挙げられる。
(架橋剤(e))
本発明の光学用粘着剤組成物は、アクリル系共重合体(a)100質量部に対して、0.001〜5.0質量部の範囲で、先に説明したオルガノポリシロキサン(b)及び/又はその加水分解縮合物が添加配合されてなるが、さらに0.01〜40質量部の架橋剤(e)を添加したものとすることができる。架橋剤(e)としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属系架橋剤及びアジリジン系架橋剤からなる群から選ばれるものが挙げられる。具体的には、例えば、1分子中にグリシジル基を2個以上有するポリグリシジル化合物、1分子中にイソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート化合物、1分子中にアジリジニル基を2個以上有するポリアジリジン化合物、1分子中にオキサゾリン基を2個以上有するポリオキサゾリン化合物、金属キレート化合物又はブチル化メラミン化合物などが挙げられる。これらは、単独、もしくは2種類以上を併用して使用することができる。
また、本発明の光学用粘着剤組成物は、さらに、本発明で必須とするオルガノポリシロキサン(b)以外のシランカップリング剤(f)及び/又はその加水分解縮合物を添加することができる。該シランカップリング剤(f)を添加することにより、本発明の光学用粘着剤組成物によって形成される粘着剤層の耐久性をさらに向上させることができる。シランカップリング剤(f)及び/又はその加水分解縮合物の添加量は、共重合体(a)100重量部に対して、0.01〜5質量部であることが好ましい。
また、本発明の光学用粘着剤組成物は、粘着力を調整する目的など、必要な特性に応じて、本発明の効果を損なわない範囲において、種々の添加剤を配合してもよい。例えば、テルペン系、テルペン−フェノール系、クマロン−インデン系、スチレン系、ロジン系、キシレン系、フェノール系又は石油系などの粘着付与樹脂、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、顔料などを配合することができる。また、本発明の光学用粘着剤組成物は、有機溶剤を含んだ溶液形態であることが好ましく、この場合、粘着剤層の形成が容易となる。
以下、本発明の別の実施形態である、光学機能性フィルムについて説明する。
本発明の光学機能性フィルムは、粘着剤層が形成されていない光学機能性フィルム(以下、これを「原反フィルム」と呼ぶ)の片面或いは両面に、「耐久性」と「リワーク性」とが共に優れる本発明の光学用粘着剤組成物からなる膜(粘着剤層)を積層してなることを特徴とする。このため、本発明の光学機能性フィルムは、高温或いは高温高湿下においても、液晶セルを構成するガラス基板等から剥れることなく、粘着剤層に発泡が生じることのない特性(耐久性)と、長期間時間が経過しても容易に剥離でき、また、剥離後において基板などに残留物が生じない特性(リワーク性)とを併せ持つものになる。
<共重合体溶液の調製>
[合成例1−1]共重合体溶液1の製造
下記の各単量体を用い、下記の方法で共重合して共重合体溶液を得た。まず、撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を備えた反応装置に、窒素ガスを導入して、この反応装置内の空気を窒素ガスに置換した。次に、この反応装置中に、ブチルアクリレート80質量部、メチルアクリレート20質量部、アクリル酸1.0質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.4質量部、アゾビスイソブチロニトリル0.1質量部及び酢酸エチル120質量部を加えた。これを撹拌させながら、窒素ガス気流中において、68℃で8時間反応させ、重量平均分子量150万のアクリル共重合体の溶液を得た。得られた共重合体溶液を酢酸エチルで希釈して、固形分20%の共重合体溶液1を得た。
合成例1のモノマー組成を、表1に記載のモノマー組成に変更した以外は、合成例1−1と同様にして、共重合体溶液2〜8を得た。
・BA:ブチルアクリレート
・MA:メチルアクリレート
・PHEA:フェノキシエチルアクリレート
・MMA:メチルメタクリレート
・AA:アクリル酸
・2HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
(メトキシ基含有酸無水物・ポリエーテル共変性ポリシロキサン)
[合成例2−1]
まず、下記のようにして、メトキシ基含有メチルハイドロジェンポリシロキサンの合成を行った。
撹拌機、温度計、及びジムロート冷却管を備えた1リットルの3つ口フラスコに、本発明で規定する[1]式において、R2=CH3、n=0で示されるテトラメトキシシラン(Si(OCH3)4)の部分加水分解縮合物[4量体;Si4O3(OCH3)10]を49.8g(0.106mol)と、及びテトラメチルテトラヒドロシクロテトラシロキサン76.4g(0.318mol)を仕込んだ。その後、さらにトリフルオロメタンスルホン酸0.102gを撹拌しながら添加し、室温で4時間反応させた。反応終了後、Mg6Al2(OH)16CO3・4H2Oで示される固体塩基性中和剤0.620gを系内に添加し、2時間撹拌して、トリフルオロメタンスルホン酸の中和処理を行った後、ろ過精製を行い、120gの生成物−1(メトキシ基含有メチルハイドロジェンポリシロキサン)を得た。
まず、次の方法によって、反応前後におけるサンプル1g中の≡SiH含有量をそれぞれ測定し、実際に反応したアリルポリエーテルの量を算出した。
まず、反応前後のサンプル1gを、それぞれブタノール10gで希釈し、撹拌を加えながら、20質量%NaOH水溶液を20g加えた。このときに発生する水素ガス(≡SiH+H2O→≡Si−OH+H2↑)の量から、≡SiHの含有量(mol)をそれぞれ算出した。次に、下式により、サンプル1g中において、実際に反応したアリルポリエーテルの反応量(mol)を算出した。表2に、その結果を示した。
反応量(mol)=[反応前の≡SiH含有量]−[反応後の≡SiH含有量]
[反応率=0.73×10-3(mol)/9.87×10-4(mol)×100≒74.0(%)]
以上のことから、ヒドロシリル化反応により、原料として仕込んだCH2=CH−CH2−O(CH2CH2CH2O)12C4H9の74.0%が、メトキシ基含有メチルハイドロジェンポリシロキサンへ導入され、残り約26.0%が未反応物として残留したことが確認された。
排ガス管をジムロート冷却管につなぎかえ、60〜70℃の温度下で、アリル無水コハク酸169g(1.21mol)を滴下添加した後、90℃で3時間反応させた。ここで、アリル無水コハク酸の反応率について測定を行った。前記と同様の方法により、反応前後におけるサンプル1g中の≡SiH含有量を測定し、実際に反応したアリル無水コハク酸の反応量(mol)を算出した。表3に、得られた結果を示した。
反応前のサンプル1g中には、原料として仕込んだアリル無水コハク酸が1.56×10-3mol存在する。先に求めた反応量と、原料として仕込んだ量とから、下記のようにして反応率を計算すると、60.1%となる。
[反応率=9.37×10-4(mol)/1.56×10-3(mol)×100=60.1(%)]
以上のことから、原料として仕込んだアリル無水コハク酸の約60%が、メトキシ基含有メチルハイドロジェンシロキサンへ導入され、残り約40%が余剰分として残留したことを確認した。
ここで、ろ過精製後のサンプルに関し、GPC測定を行った。測定の際、THFを溶媒として使用した。得られた結果を、表4に示した。
その結果、まず、−80ppm〜−110ppmの範囲に、SiO4/2の単位に起因する3本のピークが存在した。これらのピークは、SiO1/2(OCH3)3、SiO2/2(OCH3)2、SiO3/2(OCH3)で示される構造の存在を示唆している。また、−5ppm〜−25ppmの範囲に、SiO2/2の単位に起因する2本のピークが存在した。これらのピークは、SiO2/2(CH3)W、SiO1/2(CH3)(OCH3)W[W=X(下記化学式の酸無水物基を有する一価炭化水素基)、Y(下記化学式のポリエーテル基を有する一価炭化水素基)]で示される構造の存在を示唆する。
合成例2−1において、CH2=CH−CH2−O(CH2CH2CH2O)12C4H9で示されるアリルポリエーテルの仕込み量を、484g(0.598mol)から、564g(0.696mol)へ変更したこと以外は、合成例2−1と同様の操作を行って、液体状の生成物を得た。
また、合成例2−1と同様に、ろ過精製後のサンプルに関し、GPC測定を行った。その結果、合成例2−1と同様、目的物のメトキシ基含有酸無水物・ポリエーテル共変性ポリシロキサンのピーク以外に、未反応のアリルポリエーテルのピークが存在していた。また、合成例2−1と同様にして、メトキシシロキサン1molに対し、反応して導入された酸無水物基を有する一価炭化水素基Xを有するシロキサン単位A、及びポリエーテル基を有する一価炭化水素基Yを有するシロキサン単位Bの量を算出した。表5に、得られた結果を示す。
設計としては、メトキシシロキサン1molに対し、上記シロキサン単位Aが7mol、上記シロキサン単位Bが5mol導入されるように、各原料の仕込みを行った。しかし、合成例2−1の場合と同様、原料として仕込んだポリエーテルの一部が未反応のまま残留したため、シロキサン単位Aが過剰の組成となった。
合成例2−1において、CH2=CH−CH2−O(CH2CH2CH2O)12C4H9で示されるアリルポリエーテルと、その仕込み量484g(0.598mol)を、CH2=CH−CH2−O(CH2CH2O)2(CH2CH2CH2O)10C4H9で示されるアリルポリエーテル468g(0.598mol)に変更したこと以外は、合成例2−1と同様の操作を行って、液体状の生成物を得た。
また、合成例2−1と同様に、ろ過精製後のサンプルに関し、GPC測定を行った。その結果、合成例2−1と同様、目的物のメトキシ基含有酸無水物・ポリエーテル共変性ポリシロキサンのピーク以外に、未反応のアリルポリエーテルのピークが存在していた。また、合成例2−1と同様にして、メトキシシロキサン1molに対し、反応して導入された酸無水物基を有する一価炭化水素基Xを有するシロキサン単位A、及びポリエーテル基を有する一価炭化水素基Yを有するシロキサン単位Bの量を算出した。表5に、得られた結果を示す。
設計としては、メトキシシロキサン1molに対し、シロキサン単位Aが6mol、シロキサン単位Bが6mol導入されるように、各原料の仕込みを行った。しかし、合成例2−1、2の場合と同様、原料として仕込んだポリエーテルの一部が未反応のまま残留したため、シロキサン単位Aが過剰の組成となった。
合成例2−1において、CH2=CH−CH2−O(CH2CH2CH2O)12C4H9で示されるアリルポリエーテルと、その仕込み量484g(0.598mol)を、CH2=CH−CH2−O(CH2CH2O)10C4H9で示されるアリルポリエーテル484g(0.598mol)へ変更したこと以外は、合成例2−1と同様の操作を行って、液体状の生成物を得た。
また、合成例2−1と同様に、ろ過精製後のサンプルに関し、GPC測定を行った。その結果、合成例2−1と同様、目的物のメトキシ基含有酸無水物・ポリエーテル共変性ポリシロキサンのピーク以外に、未反応のアリルポリエーテルのピークが存在していた。また、合成例2−1と同様にして、メトキシシロキサン1molに対し、反応して導入された酸無水物基を有する一価炭化水素基Xを有するシロキサン単位A、及びポリエーテル基を有する一価炭化水素基Yを有するシロキサン単位Bの量を算出した。表5に、得られた結果を示す。
設計としては、メトキシシロキサン1molに対し、上記シロキサン単位Aが6mol、上記シロキサン単位Bが6mol導入されるように、各原料の仕込みを行った。しかし、合成例2−1〜2−3の場合と同様、原料として仕込んだポリエーテルの一部が未反応のまま残留したため、シロキサン単位Aが過剰の組成となった。
[実施例1〜18、比較例1〜5]
前記合成例1−1〜1−8で得た共重合体の固形分100質量部に対し、表6に記載の各成分を添加配合して、実施例1〜18及び比較例1〜5の各粘着剤組成物を得た。
実施例19では、前記した合成例1−5で得た共重合体5の固形分100質量部に対して、重合可能な反応性二重結合を少なくとも2つ有するモノマーとして、トリス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートを10質量部と、さらに反応性二重結合を1つのみ有するモノマーであるブチルアクリレートを30質量部加え、さらに、光重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドを0.1質量部加えたものに、コロネートL9.0質量部及び前記した合成例2−1で得た生成物−1を0.5質量部加えて、実施例19の粘着剤組成物を得た。
・コロネートL:日本ポリウレタン工業(株)製、ポリイソシアネート化合物
・テトラッドX:三菱瓦斯化学(株)製、ポリグリシジル化合物
・テトラッドC:三菱瓦斯化学(株)製、ポリグリシジル化合物
・アルミキレートA:川研ファインケミカル(株)製、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)
・TAZM:トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート
・X−41−1810:信越化学工業(株)製、メチルメルカプト系アルコキシオリゴマー
・KBM−403:信越化学工業(株)製、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
・KBE−402:信越化学工業(株)製、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン
・X−12−641:信越化学工業(株)製、ポリエーテル変性シラン
・SCA−A:市販オルガノシロキサンオリゴマー
・TAI:トリス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート
・BA:ブチルアクリレート
上記で得られた実施例1の粘着剤組成物を、シリコーン樹脂コートされたPETフィルム(離型性基材)上に塗布後、90℃で乾燥することによって溶媒を除去し、厚さ25μmの粘着剤層を形成した。この粘着剤層を形成した面に、厚さ180μmの偏光フィルムを貼り合わせた後、23℃、50%RHの雰囲気で7日間養生することにより、実施例1の偏光板を作製した。これと同様にして表6に記載の実施例2〜18及び比較例1〜5の各粘着剤組成物を用いて、実施例2〜18及び比較例1〜5の各偏光板を得た。
[リワーク性試験]
実施例及び比較例における各偏光板を50mm×50mmの大きさに切断後、PETフィルムを剥離し、ガラス板に貼り合わせ後、温度50℃、圧力0.5MPa条件で20分間保持して接着させ、試験用の試料を作成した。23℃,50%RHで1時間放置した後、試料をガラス板から手で剥がし、ガラスに対する接着剤の転着の有無を目視観察により評価した。さらに同様にして作成した各試料を、70℃で17時間加熱放置した後、23℃まで放冷し、この温度で1時間放置後の糊残り試験をし、下記の基準で評価した。上記試験の結果、再剥離性が良好な粘着剤は、加熱の有無に関わらず、ガラスに対して粘着剤の転着が無いことが確認された。
○:ガラス板に粘着剤の転着無し。
×:ガラス板に粘着剤の転着有り。
実施例及び比較例における各偏光板を、それぞれ300mm×400mmに断裁し、PETフィルムを剥離した後、ガラス基板上に貼り付け、オートクレーブ処理を行い、評価用サンプルを作製した。得られた評価用サンプルについて、それぞれ下記項目の試験を行った。
上記で調製した各評価用サンプルを、80℃(DRY)の雰囲気下と、60℃・90%RHの雰囲気下に、それぞれ500時間放置して耐久試験を行った。その後、発泡及び剥れについて目視により確認し、下記の評価基準で評価した。
(評価基準)
(1)発泡
○:偏光板に発泡が確認されない。
△:偏光板に発泡が僅かに確認された。
×:偏光板に発泡が確認された。
(2)剥れ
○:偏光板に剥れが確認されない。
△:偏光板に剥れが僅かに確認された。
×:偏光板に剥れが確認された。
実施例及び比較例における各偏光板を用いた80℃(DRY)の耐久試験後の同試料を2枚用い、液晶パネルの上下面にクロスニコルにして貼り合わせ、液晶モニターのバックライトを点灯して、白抜けの状態を目視で観察した。
○:偏光板に白抜けが観察されなかった。
△:偏光板に白抜けが僅かに観察された。
×:偏光板に白抜けが観察された。
Claims (10)
- (メタ)アクリル酸エステルを含む共重合体(a)100質量部に対して、0.001〜5.0質量部の、オルガノポリシロキサン(b)及び/又はその加水分解縮合物が添加配合されてなり、
上記オルガノポリシロキサン(b)は、下記[1]式で表されるアルコキシシラン又はその部分加水分解縮合物の分子内に存在するO−Si結合の少なくとも1つにおいて、OとSiの原子間に、少なくとも2種類のシロキサン単位が、シロキサン結合を形成して挿入されている、分子内に、アルコキシ基と、酸無水物基と、ポリエーテル基とを有する化合物であって、かつ、
上記挿入されているシロキサン単位が、1〜100個の下記[2]式のA式で表されるシロキサン単位と、1〜100個の下記[2]式のB式で表されるシロキサン単位と、0〜100個の下記[2]式のC式で表されるシロキサン単位であることを特徴とする光学用粘着剤組成物。
[1]式
R1 nSi(OR2)4-n
([1]式中、R1は、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜20の一価炭化水素基を示す。R2は、炭素原子数1〜10のアルキル基を示す。nは、0又は1を示す。)
([2]式中、Xは、酸無水物基を有する一価炭化水素基を示す。Yは、ポリエーテル基を有する一価炭化水素を有する基を示す。R3は、それぞれ独立に、水素原子、又はハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜20の一価炭化水素基を示す。) - 前記[2]式において、A式中のXが、下記[3]式で表される酸無水物基を有する一価炭化水素基であり、B式中のYが、下記[4]式で表されるポリエーテル基を有する一価炭化水素基である、シロキサン単位がそれぞれ挿入されている前記ポリオルガノシロキサン(b)が少なくとも配合されている請求項1に記載の光学用粘着剤組成物。
([3]式中、Aは、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数2〜6のアルキレン基を示す。)
[4]式
−CmH2m−O(C2H4O)p(C3H6O)qR4
([4]式中、R4は、水素原子、炭素原子数1〜6の一価の炭化水素基又は下記[5]式で表される基のいずれかを示す。mは1以上の整数を示す。p、qは、0以上の整数を示す。ただし、p、qのうち少なくとも1つは、1以上の整数をとる。)
([5]式中、R5は、炭素原子数1〜4の一価の炭化水素基を示す。) - 前記B式中のYが、その式中においてpが0であり、かつ、qが1以上の整数である前記[4]式で表されるプロピレンオキサイド型のポリエーテル基を有する一価炭化水素基である請求項2に記載の光学用粘着剤組成物。
- 前記[2]式のC式で表されるシロキサン単位が挿入されていない前記オルガノシロキサン(b)が少なくとも配合されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物。
- 前記(メタ)アクリル酸エステルを含む共重合体(a)は、炭素数1〜18の有機置換基を側鎖に有するアルキル(メタ)アクリレート単量体を少なくとも形成成分としてなる共重合体であって、かつ、該共重合体の重量平均分子量が40万〜200万である請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物。
- 前記(メタ)アクリル酸エステルを含む共重合体(a)100質量部に対して、さらに0.01〜40質量部の架橋剤(e)が添加されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物。
- 前記架橋剤(e)が、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属系架橋剤及びアジリジン系架橋剤からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項6に記載の光学用粘着剤組成物。
- 前記オルガノポリシロキサン(b)以外のシランカップリング剤(f)及び/又はその加水分解縮合物がさらに添加されている請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物。
- 前記シランカップリング剤(f)及び/又はその加水分解縮合物の添加量が、前記(メタ)アクリル酸エステルを含む共重合体(a)100質量部に対して、0.01〜5質量部である請求項8に記載の光学用粘着剤組成物。
- その片面或いは両面に、請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学用粘着剤組成物からなる膜が積層されていることを特徴とする光学機能性フィルム。
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