JP5990501B2 - 無灰炭の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、石炭から灰分を除去した無灰炭を得るための無灰炭の製造方法に関する。
従来より、石炭から灰分等を除去することで高品質の無灰炭が得られることが知られており、この無灰炭の収率を向上させるための技術開発が進められている。無灰炭を石炭から得る方法として、石炭から灰分等以外の可溶成分を溶剤に溶解させることで抽出し、当該可溶成分が溶解した溶液から溶剤を蒸発分離する方法がある。この方法では、石炭の可溶成分をより多く溶剤に溶解させて、石炭の抽出率を大きくすることで、無灰炭の収率を向上させることができる。
そこで、例えば特許文献1に記載の無灰炭の製造方法では、上記溶剤として石炭との親和性に優れている1−メチルナフタレンを用いることで抽出率の増大を図っている。しかしながら、無灰炭の収率のさらなる向上のためには、石炭の抽出率がより大きい溶剤が望まれるところである。
特開2008−115369号公報
ここで、石炭の抽出に優れている物質として含窒素化合物があり、石炭の抽出率を大きくするために含窒素化合物を溶剤として用いることも考えられる。しかしながら、含窒素化合物は石炭の成分と強く会合する性質を有するため、含窒素化合物を溶剤として用いると、無灰炭を得る際に溶剤をうまく蒸発分離することができず、プロセスの溶剤が減少するため効率的に再利用することができない。溶剤を効率的に再利用できなければ、溶剤を補填する必要があり、プロセスのランニングコストが増加する。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、無灰炭の収率を向上させるとともに、溶剤を効率的に再利用することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明における無灰炭の製造方法は、石炭と溶剤とを混合して得られたスラリーを加熱して前記溶剤に可溶な石炭成分を抽出する抽出工程と、前記抽出工程で得られたスラリーを、前記溶剤に可溶な石炭成分が溶解した溶液と、前記溶剤に不溶な石炭成分が濃縮した固形分濃縮液とに分離する分離工程と、前記分離工程で分離された前記溶液から前記溶剤を蒸発分離して無灰炭を得る無灰炭取得工程と、を備え、前記溶剤は、常温で液体の二環芳香族化合物を主成分とする溶媒に、ベンゼン環を2つ有するとともに二重結合を持たない環状構造を少なくとも1つ有し、且つ窒素を含まない石炭抽出促進剤を添加したものであることを特徴とする。
後で詳細に説明するが、上記溶剤を用いることで、石炭の抽出率を大きくすることができる。しかも、上記石炭抽出促進剤は窒素を含まないので、石炭の成分と強く会合することがなく、溶剤を問題なく蒸発分離することができる。したがって、本発明によれば、無灰炭の収率を向上させるとともに、溶剤を効率的に再利用することが可能となる。
ここで、前記溶剤中における前記石炭抽出促進剤の重量パーセント濃度が40重量%以下であると好適である。このように、石炭抽出促進剤の重量パーセント濃度を規定することで、石炭抽出促進剤が常温で固体のものであったとしても、石炭抽出促進剤を溶媒に十分に溶解させることができ、石炭抽出促進剤が固体のまま溶剤中に残留することを抑制できる。
例えば、前記石炭抽出促進剤は、アセナフテン類、フルオレン類及びジベンゾフラン類のいずれかに属する物質とすることできる。
特に、前記溶剤は、1−メチルナフタレンを主成分とする溶媒に、前記石炭抽出促進剤としてアセナフテンを添加したものであると好適である。後で詳細に説明するが、このように溶剤を構成した場合、アセナフテンを少量添加するだけでも石炭の抽出率が大きく増加する。
また、前記無灰炭取得工程で蒸発分離した前記溶剤を、前記抽出工程で使用する溶剤として循環利用すると好適である。このように、溶剤をプロセスの中で循環利用するように構成することで、より効率的に溶剤を再利用することが可能となる。
無灰炭製造設備の模式図である。 石炭抽出実験に用いた加熱濾過装置の模式図である。 石炭抽出実験の実験結果を示す図である。
以下、本発明にかかる無灰炭の製造方法の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(無灰炭の製造方法の概略)
図1に示すように、本実施形態による無灰炭(HPC)の製造方法に用いられる無灰炭製造設備100は、石炭ホッパ1、溶剤タンク2、スラリー調製槽3、移送ポンプ4、予熱器5、抽出槽6、重力沈降槽7、フィルターユニット8、及び溶剤分離器9、10を備えている。このうち、スラリー調製槽3、移送ポンプ4、予熱器5、抽出槽6、重力沈降槽7、フィルターユニット8、及び溶剤分離器9は無灰炭の製造工程の上流側からこの順番で配設されている。また、石炭ホッパ1及び溶剤タンク2はともにスラリー調製槽3の上流側に配設され、溶剤分離器10は重力沈降槽7の下流側に配設されている。
本実施形態における無灰炭の製造方法は、スラリー調製工程、抽出工程、分離工程、無灰炭取得工程、及び副生炭取得工程を有する。以下、各工程について説明した後、石炭を抽出するのに使用される溶剤について詳細に説明する。なお、本製造方法において原料とする石炭に特に制限はなく、抽出率の高い瀝青炭を用いてもよいし、より安価な劣質炭(亜瀝青炭、褐炭)を用いてもよい。また、無灰炭とは、灰分が5重量%以下、好ましくは3重量%以下のもののことをいう。
(スラリー調製工程)
スラリー調製工程は、石炭と溶剤とを混合してスラリーを調製する工程である。このスラリー調製工程は、スラリー調製槽3で実施される。すなわち、石炭ホッパ1から原料である石炭がスラリー調製槽3に投入されるとともに、溶剤タンク2から溶剤がスラリー調製槽3に投入される。そして、投入された石炭及び溶剤が、スラリー調製槽3に設けられた攪拌機3aにより攪拌され、石炭と溶剤とからなるスラリーが調製される。
(抽出工程)
抽出工程は、スラリー調製工程で得られたスラリーを加熱して溶剤に可溶な石炭成分を抽出する(溶解させる)工程である。この抽出工程は、予熱器5及び抽出槽6で実施される。すなわち、スラリー調製槽3にて調製されたスラリーは、移送ポンプ4によって、予熱器5に供給されて所定温度まで加熱される。その後、このスラリーが抽出槽6に供給されて、抽出槽6に設けられた攪拌機6aにより攪拌されることで抽出が行われる。
本実施形態では、石炭の可溶成分を抽出するための溶剤として、常温(25℃)で液体の二環芳香族化合物を主成分とする溶媒に、ベンゼン環を2つ有するとともに二重結合を持たない環状構造を少なくとも1つ有し、且つ窒素を含まない石炭抽出促進剤を添加したものを用いる。なお、二環芳香族化合物を主成分とする溶媒とは、溶媒中の二環芳香族化合物の重量パーセント濃度が50重量%以上、好ましくは60重量%以上であることを指す。後で詳細に説明するが、上記溶剤を用いることで、石炭の抽出率を大きくすることができる。しかも、上記石炭抽出促進剤は窒素を含まないので、石炭の成分と強く会合することがなく、後述する無灰炭取得工程において溶剤を問題なく蒸発分離することができる。したがって、本実施形態によれば、無灰炭の収率を向上させるとともに、溶剤を効率的に再利用することが可能となる。
溶剤の沸点は特に制限されるものではない。抽出工程及び分離工程での圧力低減、抽出工程での抽出率、無灰炭取得工程及び副生炭取得工程での溶剤回収率等の観点から、例えば180〜300℃、特に240〜280℃の沸点の溶剤が好ましく使用される。
抽出工程でのスラリーの加熱温度は、石炭の可溶成分が溶解され得る限り特に制限されず、可溶成分の十分な溶解と抽出率の向上の観点から、例えば300〜420℃、より好ましくは360〜400℃とすることができる。
また、加熱時間(抽出時間)も特に制限されるものではないが、十分な溶解と抽出率の向上の観点から、例えば10〜60分間である。なお、ここでの加熱時間とは、予熱器5及び抽出槽6での加熱時間を合計したものである。
抽出工程は、窒素等の不活性ガスの存在下で行う。抽出槽6内の圧力が溶剤の蒸気圧より低い場合には、溶剤の揮発が促進されてしまうため、抽出槽6内の圧力は溶剤の蒸気圧より高いことが望ましい。一方、圧力が高すぎると、機器のコスト、運転コストが高くなり、経済的ではない。そこで、抽出槽6内の圧力は、抽出の際の温度や用いる溶剤の蒸気圧にもよるが、1.0〜2.0MPaが好ましい。
(分離工程)
分離工程は、抽出工程で得られたスラリーを、重力沈降法により、溶剤に可溶な石炭成分が溶解した溶液と、溶剤に不溶な石炭成分(例えば灰分)が濃縮した固形分濃縮液とに分離する工程である。この分離工程は、重力沈降槽7で実施される。すなわち、抽出工程で得られたスラリーは、重力沈降槽7内で、重力の作用により沈降する固形分濃縮液と、溶液としての上澄み液とに分離される。重力沈降槽7の上部の上澄み液は、必要に応じてフィルターユニット8を経て溶剤分離器9へ排出され、重力沈降槽7の下部に沈降した固形分濃縮液は、溶剤分離器10へ排出される。
重力沈降槽7内は、石炭の可溶成分の再析出を防止するため、保温(または加熱)したり、加圧したりしておくことが好ましい。保温(加熱)温度は、例えば300〜380℃であり、槽内圧力は、例えば1.0〜3.0MPaとされる。
なお、抽出工程で得られたスラリーから、石炭の可溶成分を含む溶液を分離する方法として、重力沈降法以外に、濾過法、遠心分離法等を採用することも可能である。
(無灰炭取得工程)
無灰炭取得工程は、分離工程で分離された溶液(上澄み液)から溶剤を蒸発分離して無灰炭を得る工程である。この無灰炭取得工程は、溶剤分離器9で実施される。すなわち、重力沈降槽7で分離された溶液は、フィルターユニット8で濾過された後、溶剤分離器9に供給され、溶剤分離器9内で溶液から溶剤が蒸発分離される。溶液からの溶剤の蒸発分離は、窒素等の不活性ガスの存在下で行うことが好ましい。
溶液から溶剤を分離する方法は、一般的な蒸留法、蒸発法等を用いることができる。溶剤分離器9にて分離された溶剤は、溶剤タンク2に戻されて、循環して繰り返し使用される。このように、溶剤をプロセスの中で循環利用するように構成することで、より効率的に溶剤を再利用することが可能となる。また、溶液から溶剤を分離することで、実質的に灰分を含まない無灰炭を得ることができる。
無灰炭は、例えばコークス原料の配合炭として使用することができる。また、灰分をほとんど含まない無灰炭は、燃焼効率が高く且つ石炭灰の発生を低減できるので、ガスタービン燃焼による高効率複合発電システムのガスタービン直噴燃料としての用途も注目されている。
(副生炭取得工程)
副生炭取得工程は、分離工程で分離された固形分濃縮液から溶剤を蒸発分離して副生炭を得る工程である。この副生炭取得工程は、溶剤分離器10で実施される。すなわち、重力沈降槽7で分離された固形分濃縮液は溶剤分離器10に供給され、溶剤分離器10内で固形分濃縮液から溶剤が蒸発分離される。固形分濃縮液からの溶剤の蒸発分離は、窒素等の不活性ガスの存在下で行うことが好ましい。なお、副生炭取得工程は、必須の工程ではない。
固形分濃縮液から溶剤を分離する方法は、上述した無灰炭取得工程と同様に、一般的な蒸留法、蒸発法を用いることができる。溶剤分離器9にて分離された溶剤は、溶剤タンク2に戻されて、循環して繰り返し使用される。このように、溶剤をプロセスの中で循環利用するように構成することで、より効率的に溶剤を再利用することが可能となる。また、溶剤の分離により、固形分濃縮液からは灰分等を含む不溶成分が濃縮された副生炭(RC、残渣炭ともいう)を得ることができる。
(溶剤の構成)
本実施形態では、上述のように、石炭を抽出するための溶剤として、常温で液体の二環芳香族化合物を主成分とする溶媒に、ベンゼン環を2つ有するとともに二重結合を持たない環状構造を少なくとも1つ有し、且つ窒素を含まない石炭抽出促進剤を添加したものを用いている。
このような溶媒としては、例えば1−メチルナフタレンを主成分とするものが挙げられるが、これに限定されるものではない。他に、2−メチルナフタレンやジメチルナフタレン等の二環芳香族化合物を主成分とすることも可能である。また、上述のような石炭抽出促進剤としては、例えばアセナフテン類、フルオレン類及びジベンゾフラン類等に属する物質が挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、後述の実験では、アセナフテン類の一種としてアセナフテン、フルオレン類の一種としてフルオレン、及びジベンゾフラン類の一種としてジベンゾフランを用いているが、石炭抽出促進剤はアセナフテン、フルオレン、ジベンゾフランに限定されるものではなく、アセナフテン類、フルオレン類及びジベンゾフラン類に属する他の物質であってもよい。また、石炭抽出促進剤は、必ずしも1種類の物質で構成されている必要はなく、複数種類の物質を含むものであってもよい。
ここで、1−メチルナフタレンに、アセナフテン類に属するアセナフテン、フルオレン類に属するフルオレン及びジベンゾフラン類に属するジベンゾフランをそれぞれ添加したものを溶剤として用いた場合の石炭の抽出率を求める実験を行った。1−メチルナフタレン(化学式1参照)は、常温で液体の二環芳香族化合物であり、この実験において溶媒として機能する。また、アセナフテン、フルオレン及びジベンゾフラン(化学式2参照)は、ベンゼン環を2つ有するとともに二重結合を持たない環状構造を少なくとも1つ有し、且つ窒素を含まない有機化合物であり、この実験において石炭抽出促進剤として機能する。

本実験では、図2に示す加熱濾過装置200を用いて、石炭と上記溶剤とを混合したスラリーを380℃、60分、2.0MPaの条件下で攪拌処理した後に、当該スラリーを熱時濾過した。そして、仕込み石炭の無水無灰ベース(daf base)の重量に対する、抽出された石炭の可溶成分(仕込み石炭daf−濾残daf)の重量の割合を、石炭の抽出率として算出した。
加熱濾過装置200は、オートクレーブ20を有して構成されており、容器21(内容積:500cc)の周囲に配設されたヒーター22によって容器21内を加熱・加圧自在となっている。また、容器21には、スラリーを攪拌するための攪拌機23が設けられるとともに、その底部にフィルター24が配設されており、さらにフィルター24の下方には濾液を排出するためのノズル25が設けられている。ノズル25にはバルブ26が接続されており、バルブ26を開くことによってフィルター24によって濾過された濾液が濾液受器27によって回収される。
アセナフテン、フルオレン及びジベンゾフランの1−メチルナフタレン中の重量パーセント濃度を、0、10、20(ジベンゾフランは除く)、100wt%とした場合にそれぞれ算出した石炭の抽出率を図3に示す。
図3に示すように、アセナフテン、フルオレン及びジベンゾフランのいずれを石炭抽出促進剤として添加した場合においても、石炭抽出促進剤を添加しない場合(濃度が0重量%の場合)と比べて、石炭の抽出率は大きくなる。つまり、常温で液体の二環芳香族化合物を主成分とする溶媒に、ベンゼン環を2つ有するとともに二重結合を持たない環状構造を少なくとも1つ有し、且つ窒素を含まない石炭抽出促進剤を添加したものを溶剤として用いることで、石炭の抽出率を大きくできることが分かる。しかも、上記石炭抽出促進剤は窒素を含まないので、石炭の成分と強く会合することがなく、無灰炭取得工程において溶剤を問題なく蒸発分離することができる。したがって、かかる溶剤を利用することで、無灰炭の収率を向上させるとともに、溶剤を効率的に再利用することが可能となる。
また、図3から明らかなように、石炭抽出促進剤の1−メチルナフタレン中の濃度が大きくなるにつれ、石炭の抽出率が漸増する。特に、アセナフテンについては、濃度が0〜30%程度の範囲で抽出率の増加率が大きくなっており、少量のアセナフテンを添加するだけでもその効果が大きいことが分かる。本実験で用いたアセナフテン、フルオレン及びジベンゾフランは、いずれも常温で固体の物質であるが、1−メチルナフタレンに対しては、常温でも40重量%以下程度までは十分に可溶である。したがって、1−メチルナフタレンを主成分とする溶媒を用いることで、これらの物質を融解させる工程を省略することができ、好適である。
ところで、上述の実験では、オートクレーブ20の容器21内の温度を、アセナフテン、フルオレン及びジベンゾフランの融点を超える高温としているため、いずれの物質も液体の状態で存在している。しかしながら、石炭抽出促進剤として用いる物質が常温で固体の場合、溶媒に対する溶解度を超えて添加する場合には各物質の融点を超える程度まで溶剤を加熱する必要がある。
その場合には、例えば溶剤タンク2にヒーターを設けて、溶剤を石炭抽出促進剤の融点以上まで加熱し、石炭抽出促進剤を融解させればよい。あるいは、スラリー調製槽3にヒーターを設け、スラリー調製槽3に溶媒、石炭抽出促進剤及び石炭を投入した後に、これらを石炭抽出促進剤の融点以上まで加熱しつつ、スラリーを調製してもよい。
ただし、上述のように、石炭抽出促進剤を融解させるためにヒーター等の加熱手段を設けることで、無灰炭製造設備100のコストアップを招来するおそれがある。このような問題を避けるためには、溶媒に添加する石炭抽出促進剤の量を常温における溶解度以下、重量パーセント濃度で表した場合に40重量%以下とすればよい。例えば、常温において、1−メチルナフタレンに対するアセナフテンの溶解度は40(重量パーセント濃度で約40重量%に相当)である。したがって、石炭抽出促進剤の濃度を40重量%以下に規定することで、加熱手段を設けなくても、常温において石炭抽出促進剤が溶解せずに固体のまま残留することを抑制でき、石炭抽出促進剤を有効に活用することができる。
なお、上述の実験では、溶媒の1−メチルナフタレン、並びに石炭抽出促進剤のアセナフテン、フルオレン及びジベンゾフランをいずれも純物質として準備したが、実際の無灰炭の製造工程においては、必ずしもこれらは純物質である必要はない。
例えば、アセナフテン、フルオレン及びジベンゾフラン等の石炭抽出促進剤は、コークスの製造時に副生成物として得られるコールタール留分に含まれている。よって、このようなコールタール留分を溶媒に直接添加して溶剤を製造することも可能である。あるいは、コールタール留分から石炭抽出促進剤を抽出して取得してもよい。このようにコールタール留分を有効活用することで、石炭抽出促進剤の入手に要するコストの低減が期待される。なお、コールタール留分に限らず、石炭抽出促進剤を含む他の混合物を利用することも可能である。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上記実施形態の要素を適宜組み合わせまたは種々の変更を加えることが可能である。
1 石炭ホッパ
2 溶剤タンク
3 スラリー調製槽
4 移送ポンプ
5 予熱器
6 抽出槽
7 重力沈降槽
8 フィルターユニット
9 溶剤分離器
10 溶剤分離器
100 無灰炭製造設備

Claims (3)

  1. 石炭と溶剤とを混合して得られたスラリーを加熱して前記溶剤に可溶な石炭成分を抽出する抽出工程と、
    前記抽出工程で得られたスラリーを、前記溶剤に可溶な石炭成分が溶解した溶液と、前記溶剤に不溶な石炭成分が濃縮した固形分濃縮液とに分離する分離工程と、
    前記分離工程で分離された前記溶液から前記溶剤を蒸発分離して無灰炭を得る無灰炭取得工程と、
    を備え、
    前記溶剤は、常温で液体の二環芳香族化合物を主成分とする溶媒に、ベンゼン環を2つ有するとともに二重結合を持たない環状構造を少なくとも1つ有し、且つ窒素を含まない石炭抽出促進剤を添加したものであり、
    前記溶剤中における前記石炭抽出促進剤の重量パーセント濃度が40重量%以下であり、
    前記石炭抽出促進剤は、アセナフテン類、フルオレン類及びジベンゾフラン類のいずれかに属する物質であり、
    前記溶剤は、1−メチルナフタレンを主成分とする溶媒に、前記石炭抽出促進剤としてアセナフテンを添加したものであることを特徴とする無灰炭の製造方法。
  2. 石炭と溶剤とを混合して得られたスラリーを加熱して前記溶剤に可溶な石炭成分を抽出する抽出工程と、
    前記抽出工程で得られたスラリーを、前記溶剤に可溶な石炭成分が溶解した溶液と、前記溶剤に不溶な石炭成分が濃縮した固形分濃縮液とに分離する分離工程と、
    前記分離工程で分離された前記溶液から前記溶剤を蒸発分離して無灰炭を得る無灰炭取得工程と、
    を備え、
    前記溶剤は、常温で液体の二環芳香族化合物を主成分とする溶媒に、ベンゼン環を2つ有するとともに二重結合を持たない環状構造を少なくとも1つ有し、且つ窒素を含まない石炭抽出促進剤を添加したものであり、
    前記石炭抽出促進剤は、アセナフテン類、フルオレン類及びジベンゾフラン類のいずれかに属する物質であり、
    前記溶剤は、1−メチルナフタレンを主成分とする溶媒に、前記石炭抽出促進剤としてアセナフテンを添加したものであることを特徴とする無灰炭の製造方法。
  3. 前記無灰炭取得工程で蒸発分離した前記溶剤を、前記抽出工程で使用する溶剤として循環利用する請求項1または2に記載の無灰炭の製造方法。
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