JP2013136692A - 無灰炭の製造方法 - Google Patents

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繁 木下
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Abstract

【課題】無灰炭の収率およびハンドリング性を向上させることができるようにする。
【解決手段】溶剤分離器8において行われる、石炭成分を含む溶液部から溶剤を蒸発分離して無灰炭を得る無灰炭取得工程において、無灰炭中に溶剤を残存させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、石炭から灰分を除去した無灰炭を得るための無灰炭の製造方法に関する。
特許文献1には、無灰炭の製造方法が開示されている。この製造方法では、一般炭に粘結炭を混合した石炭原料と溶剤とを混合してスラリーを調製し、得られたスラリーを加熱して溶剤に可溶な石炭成分を抽出し、石炭成分を抽出したスラリーから、重力沈降法により、溶剤に可溶な石炭成分を含む溶液部と、溶剤に不溶な石炭成分を含む非溶液部とを分離し、分離された溶液部から溶剤を分離して無灰炭を得ている。
特開2009−227718号公報
ここで、特許文献1においては、溶液部から溶剤をほぼ100重量%分離しており、無灰炭中に残存する溶剤の残存率は0〜2重量%であるので、無灰炭を製造する際の無灰炭の収率は、原料に使用する石炭の抽出率によってほぼ決定される。無灰炭の収率は謂わば「製造効率」であるので、高い方がよいが、無灰炭の収率が原料に使用する石炭の抽出率によってほぼ決定される特許文献1の無灰炭の製造方法では、無灰炭の収率を向上させるのは困難である。そこで、無灰炭に非溶液部を混入させることで、無灰炭の収率を向上させることが考えられるが、灰分濃度が上昇するという問題が生じる。
また、無灰炭は通常、常温で固体であり、温度上昇に伴って流動性が高まり、液体ハンドリングできるようになる。しかし、特許文献1の無灰炭の製造方法では、無灰炭中に残存する溶剤の残存率が0〜2重量%であるので、固体の無灰炭が溶融し始める軟化開始温度が高い。そのため、かなりの温度まで昇温させなければ液体ハンドリングすることができず、ハンドリング性が悪い。
ここで、無灰炭の収率とは、原料である石炭の質量に対する製造された無灰炭の質量の比率のことである。また、ハンドリング性とは、無灰炭の取り扱いのし易さのことをいい、液体ハンドリングできれば無灰炭を取り扱い易い。
本発明の目的は、無灰炭の収率およびハンドリング性を向上させることが可能な無灰炭の製造方法を提供することである。
本発明における無灰炭の製造方法は、石炭と溶剤とを混合して得られるスラリーを加熱して溶剤に可溶な石炭成分を抽出する抽出工程と、前記抽出工程にて前記石炭成分が抽出されたスラリーから前記石炭成分を含む溶液部を分離する分離工程と、前記分離工程で分離された溶液部から溶剤を蒸発分離して無灰炭を得る無灰炭取得工程と、を備え、前記無灰炭取得工程において、前記無灰炭中に前記溶剤を残存させることを特徴とする。
本発明の無灰炭の製造方法によると、無灰炭の収率およびハンドリング性を向上させることができる。
製造装置の模式図である。 溶剤含有率の測定結果を示すグラフである。 溶剤濃度の測定結果を示すグラフである。 流動度の測定結果を示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
(製造装置の構成)
本実施形態による無灰炭の製造方法は、スラリー調製工程、抽出工程、分離工程、および、無灰炭取得工程を含み、所望により副生炭取得工程をさらに含むものである。本実施形態に係る無灰炭の製造方法を、図1を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態の無灰炭の製造方法を実施する無灰炭の製造装置1の一例を示す模式図である。
(スラリー調製工程)
スラリー調製工程は、石炭と溶剤とを混合してスラリーを調製する工程であり、スラリー調製槽2で行われる。
原料とする石炭には、特に制限はなく、抽出率(無灰炭回収率)の高い瀝青炭を用いても良いし、より安価な劣質炭(亜瀝青炭、褐炭)を用いても良い。
溶剤は石炭を溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、石炭由来の油分が好ましく使用される。石炭由来の油分とは石炭から生まれた油分のことであり、そのような石炭由来の油分として、例えば、2環式芳香族化合物を主とする非水素供与性溶剤が好ましい。非水素供与性溶剤は、主に石炭の乾留生成物から精製した、2環式芳香族化合物を主とする溶剤である石炭誘導体である。この非水素供与性溶剤は、加熱状態でも安定であり、石炭との親和性に優れているため、溶剤に抽出される可溶成分(ここでは石炭成分)の割合(以下、抽出率ともいう)が高く、また、蒸留等の方法で容易に回収可能な溶剤である。
非水素供与性溶剤の主たる成分としては、2環式芳香族化合物であるナフタレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、トリメチルナフタレン等が挙げられ、その他の非水素供与性溶剤の成分として、脂肪族側鎖をもつナフタレン類、アントラセン類、フルオレン類、また、これらにビフェニルや長鎖脂肪族側鎖をもつアルキルベンゼンが含まれる。
なお、上記の説明では非水素供与性化合物を溶剤として用いる場合について述べたが、テトラリンを代表とする水素供与性の化合物(石炭液化油を含む)を溶剤として用いても良いことは勿論である。水素供与性溶剤を用いた場合、無灰炭の収率が向上する。
溶剤の沸点は、特に限定されないが、抽出工程および分離工程での圧力低減、抽出工程での抽出率、無灰炭取得工程等での溶剤回収率などの観点から、例えば、180〜300℃、特に240〜280℃の沸点の溶剤が好ましく使用される。
溶剤に対する石炭の混合比率は、例えば、乾燥炭基準で10〜50重量%であり、より好ましくは、20〜35重量%である。
(抽出工程)
抽出工程は、スラリー調製工程で得られたスラリーを加熱して、溶剤に可溶な石炭成分(溶剤可溶成分)を抽出する工程であり、抽出槽5で行われる。スラリー調製槽2で調製されたスラリーは、ポンプ3によって、一旦、予熱器4に供給されて所定温度まで加熱された後、抽出槽5に供給され、抽出槽5に設けられた攪拌機5aで攪拌されながら所定温度に加熱保持されて抽出が行われる。なお、スラリーは、予熱器4を経由することなく抽出槽5に供給されてもよい。
石炭と溶剤とを混合して得られるスラリーを加熱して溶剤に可溶な石炭成分を抽出するにあたっては、石炭に対して大きな溶解力を持つ溶媒、多くの場合、上述の芳香族溶剤(水素供与性あるいは非水素供与性の溶剤)と石炭とを混合して、それを加熱し、石炭中の有機成分を抽出することになる。
ここで、溶剤可溶成分は、溶剤に溶解され得る石炭成分であり、主として分子量が比較的小さく、架橋構造が発達していない石炭中の有機成分に由来するものである。
抽出工程でのスラリーの加熱温度は、溶剤可溶成分が溶解され得る限り特に制限されず、溶剤可溶成分の十分な抽出の観点から、例えば、300〜420℃であり、より好ましくは、360〜400℃である。加熱時間(抽出時間)もまた特に制限されるものではないが、十分な溶解と抽出率の向上の観点から、例えば、10〜60分間である。なお、加熱時間は、予熱器4での加熱時間および抽出槽5での加熱時間を合計したものである。
抽出工程は、窒素などの不活性ガスの存在下で行う。また、抽出槽5内の圧力は、抽出の際の温度や用いる溶剤の蒸気圧にもよるが、1.0〜2.0MPaが好ましい。抽出槽5内の圧力が溶剤の蒸気圧より低い場合には、溶剤が揮発して液相に閉じ込められず、抽出できない。溶剤を液相に閉じ込めるには、溶剤の蒸気圧より高い圧力が必要となる。一方、圧力が高すぎると、機器のコスト、運転コストが高くなり、経済的ではない。
(分離工程)
分離工程は、抽出工程で得られたスラリーを、重力沈降法によって分離する重力沈降槽6を用いて、溶液部と固形分濃縮液とに分離する工程である。溶液部は溶剤可溶成分が溶解された溶液部分であり、固形分濃縮液は溶剤に不溶な石炭成分(溶剤不溶成分)を含むスラリー部分である。重力沈降槽6の上部の溶液部は、必要に応じてフィルターユニット7を経て、溶剤分離器8へ排出されるとともに、下部に沈降した固形分濃縮液は溶剤分離器9へ排出される。
ここで、溶剤不溶成分は、溶剤により石炭の溶解・抽出を行っても、溶剤に溶解されずに残る灰分や該灰分を含む石炭(すなわち灰炭)などの石炭成分であり、主として石炭に含まれていた無機成分や、溶剤に抽出されない石炭成分であり、比較的分子量が高く、架橋構造が発達した有機成分に由来するものである。
重力沈降法は、スラリーを槽内に保持することにより、重力を利用して溶剤不溶成分を沈降・分離させる方法である。スラリーを槽内に連続的に供給しながら、上澄み液(溶液部)を上部から、固形分濃縮液を下部から連続的に排出することにより、連続的な分離処理が可能である。なお、本実施形態においては、重力沈降法により分離したが、例えば濾過法や遠心分離法により分離してもよい。
重力沈降槽6内は、原料の石炭から溶出した溶剤可溶成分の再析出を防止するため、保温や加熱または/および加圧しておくことが好ましい。加熱温度は、例えば、300〜420℃であり、槽内圧力は、例えば、1.0〜3.0MPaとされる。
(無灰炭取得工程)
無灰炭取得工程は、分離工程で分離された溶液部から溶剤を蒸発分離して無灰炭を得る工程であり、溶剤分離器8で行われる。
蒸発分離とは、一般的な蒸留法(薄膜蒸留法、フラッシュ蒸留法等)や蒸発法(スプレードライ法等)等を含む分離方法である。分離して回収された溶剤はスラリー調製槽2へ循環して繰り返し使用することができる。溶剤の分離・回収により、溶液部からは、実質的に灰分を含まない無灰炭(HPC)を得ることができる。無灰炭の灰分は、5重量%以下、好ましくは3重量%以下である。
無灰炭は、灰分をほとんど含まず、水分は皆無であり、原料石炭よりも高い発熱量を示す。さらに、製鉄用コークスの原料として特に重要な品質である軟化溶融性が大幅に改善され、原料石炭が軟化溶融性を有しなくとも、得られた無灰炭は良好な軟化溶融性を有する。従って、無灰炭は、例えばコークス原料の配合炭として使用することができる。
ここで、本実施形態においては、無灰炭取得工程において、無灰炭中に残存する溶剤の残存率を2.0重量%以上50重量%以下にすることで、無灰炭中に溶剤を残存させている。即ち、本実施形態の無灰炭は、内部に溶剤を含んでいる。ここで、溶剤の残存率の上限値は、25重量%以下がより好ましく、10重量%以下がさらに好ましい。なお、溶液部から溶剤をほぼ100重量%分離させる従来の無灰炭の製造方法では、無灰炭中に残存する溶剤の残存率は0〜2重量%である。ここで、無灰炭中に残存する溶剤の残存率とは、無灰炭と無灰炭中に残存する溶剤との混合物に対する無灰炭中に残存する溶剤の割合を意味する。
無灰炭中に溶剤を残存させる方法としては、溶液部から溶剤をほぼ100重量%(99重量%以上)分離させる場合の温度よりも低い温度で蒸発分離を行う方法と、溶液部から溶剤をほぼ100重量%(99重量%以上)分離させる場合の時間よりも短い時間で蒸発分離を行う方法と、これら2つの方法を同時に行う方法とがある。これらの方法のうち、無灰炭の性状に与える影響が少ないという観点から、溶液部から溶剤をほぼ100重量%分離させる場合の温度よりも低い温度で蒸発分離を行う方法がより好ましい。この方法による蒸発分離の温度は、溶剤の沸点との関係から、180〜320℃が好ましく、200〜240℃がより好ましい。なお、溶液部から溶剤をほぼ100重量%分離させる場合の蒸発分離の温度は、250〜300℃である。
無灰炭中に溶剤を残存させることにより、溶剤の分だけ無灰炭の質量が増加するので、無灰炭の収率が向上する。また、後述するように、無灰炭の軟化開始温度が低下する。また、無灰炭が溶剤に溶け出す現象も生じる。そのため、無灰炭の流動性をより低い温度で得ることができるようになる。これにより、内部に溶剤をほとんど含まない無灰炭に比べて、より低い温度で、内部に溶剤を含む無灰炭を液体ハンドリングすることができるようになる。また、無灰炭中に残存する溶剤の残存率を2.0重量%以上10重量%以下にすることで、無灰炭中に溶剤が残存していても製鉄用コークスの原料炭として好適に使用することができる。
(副生炭取得工程)
副生炭取得工程は、分離工程で分離された固形分濃縮液から溶剤を蒸発分離して副生炭を得る工程であり、溶剤分離器9で実施される。
蒸発分離とは、一般的な蒸留法や蒸発法(スプレードライ法等)等を含む分離方法である。分離して回収された溶剤は、スラリー調製槽2へ循環して繰り返し使用することができる。溶剤の分離・回収により、固形分濃縮液からは灰分等を含む溶剤不溶成分が濃縮された副生炭(RC)を得ることができる。副生炭は、灰分が含まれるものの水分が皆無であり、発熱量も十分に有している。副生炭は軟化溶融性は示さないが、含酸素官能基が脱離されているため、配合炭として用いた場合に、この配合炭に含まれる他の石炭の軟化溶融性を阻害するようなものではない。従って、この副生炭は、通常の非微粘結炭と同様に、コークス原料の配合炭の一部として使用することもでき、また、コークス原料炭とせずに、各種の燃料用として利用することも可能である。なお、副生炭は、回収せずに廃棄してもよい。
(溶剤含有率測定)
次に、無灰炭取得工程において、溶液部から溶剤を蒸発分離した際の溶剤含有率の時間変化を測定した。具体的には、スチームチューブドライヤーを用いて、スチーム圧力2.05MPa(215℃)とスチーム圧力2.55MPa(225℃)の2条件で、内部に溶剤を5重量%含む固体状の無灰炭を乾燥させた。その結果を図2に示す。
乾燥開始から12分経過するまでの間に溶剤含有率は大きく低下し、その後の溶剤含有率は1重量%以下となった。乾燥開始から8分後では溶剤含有率が2重量%であることから、乾燥時間を短縮すれば無灰炭における溶剤含有率が上昇し、無灰炭中に溶剤を残存させて無灰炭の収率を向上させることができることがわかる。なお、この測定で使用した無灰炭は、12分以上かけて乾燥させて溶剤含有率を1重量%以下にすると、原料石炭から42.3重量%(dry base)の収率で製造される。この無灰炭を、8分の乾燥時間で製造すると、収率が43.2重量%(dry base)に向上した。
(溶剤濃度測定)
次に、無灰炭取得工程において、溶液部から溶剤を蒸発分離した際に無灰炭中に残存する溶剤の濃度を測定した。具体的には、無灰炭濃度が30重量%の溶液部を160℃に加熱し、内壁が300℃に加熱された薄膜蒸留装置に流し込んだ。このとき、溶液部の流量を、4.5kg/h、9.2kg/h、16.9kg/h、18.2kg/hと異ならせて薄膜蒸留装置に流し込んだ。そして、薄膜蒸留装置の底部から流出した無灰炭の温度を測定し、ステンレス容器に受けた。ステンレス容器上の無灰炭は即座に固化した。また、薄膜蒸留装置の底部から流出した無灰炭中の溶剤の残存量を測定して、薄膜蒸留装置の出口における無灰炭の温度と溶剤残存量との関係について調べた。薄膜蒸留装置の出口における無灰炭の温度と無灰炭中に残存する溶剤の濃度との関係を図3に示す。
薄膜蒸留装置の出口における無灰炭の温度は、薄膜蒸留装置に流す溶液部の流量が多くなるほど低くなる。つまり、図3において、無灰炭の温度が291℃の点が、流量が最も少ない4.5kg/hに対応しており、無灰炭の温度が276℃の点が、流量が最も多い18.2kg/hに対応している。そして、薄膜蒸留装置の出口における無灰炭の温度が高くなるほど、無灰炭中に残存する溶剤の濃度が低くなることがわかる。このことから、薄膜蒸留装置の出口における無灰炭の温度を低くするほど(溶液部の流量を多くするほど)、無灰炭中に溶剤を残存させて、無灰炭の収率を向上させることができることがわかる。ここで、薄膜蒸留装置の出口における無灰炭の温度が276℃になるような乾燥条件で無灰炭を製造した場合、内部に溶剤を10重量%含んだ無灰炭となった。なお、この測定で使用した無灰炭は、溶剤含有率を1重量%以下にすると、原料石炭から42.3重量%(dry base)の収率で製造される。この無灰炭を、薄膜蒸留装置の出口における無灰炭の温度が276℃になるような乾燥条件で製造すると、収率が47.0重量%(dry base)に向上した。
(流動度測定)
次に、内部に溶剤を含む無灰炭と、内部に溶剤をほとんど含まない無灰炭とで、流動度をそれぞれ測定した。具体的には、無灰炭取得工程において、フラッシュ法により溶剤の蒸留回収を行う際に、フラッシャー容器の内壁を溶剤の沸点よりも高温の320℃に加熱し、フラッシャー容器の内壁面に溶液部を飛散させて、溶剤を蒸発させることにより、溶剤回収を行った。そして、溶剤回収に7時間かけて無灰炭Aを得るとともに、溶剤回収に2時間かけて無灰炭Bを得た。無灰炭A中には溶剤が0.51重量%残存していたのに対し、無灰炭B中には溶剤が23.3重量%残存していた。得られた無灰炭Aおよび無灰炭Bについて、ギーセラー流動度を測定した。その結果を図4および表1に示す。
23.3重量%の溶剤を内部に含む無灰炭Bは、軟化開始温度が150℃であり、内部に溶剤をほとんど含まない無灰炭Aの軟化開始温度である246℃に比べて大幅に軟化開始温度が低下している。また、内部に溶剤を含む無灰炭Bは、内部に溶剤をほとんど含まない無灰炭Aに比べて、最高流動範囲が広くなっている。このことから、無灰炭中に液体である溶剤を残存させることで、無灰炭の軟化開始温度が低下し、無灰炭の流動性をより低い温度で得ることができるようになり、より低い温度で液体ハンドリングできるようになることがわかる。なお、固化温度については、固化時には溶剤がほとんど蒸発してしまっていることから、無灰炭Bと無灰炭Aとの間に差はなかった。
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係る無灰炭の製造方法によると、分離工程で分離された溶液部は液体であり、この溶液部から溶剤を蒸発分離する際に、あえて無灰炭中に液体である溶剤を残存させる。この構成によれば、内部に含まれている溶剤の分だけ無灰炭の質量が増加するので、無灰炭の収率を向上させることができる。また、無灰炭中に溶剤が残存していると、無灰炭の軟化開始温度が低下するので、無灰炭の流動性をより低い温度で得ることができるようになり、より低い温度で液体ハンドリングすることができるようになるから、無灰炭のハンドリング性を向上させることができる。
また、無灰炭中に残存する溶剤の残存率を2.0重量%以上10重量%以下にすることで、製鉄用コークスの原料炭として使用可能な無灰炭を得ることができる。
また、溶液部から溶剤を99重量%以上分離させる場合の温度よりも低い温度で蒸発分離を行うことで、無灰炭の性状に与える影響を抑えながら、無灰炭中に溶剤を好適に残存させることができる。
(本実施形態の変形例)
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
1 製造装置
2 スラリー調製槽
3 ポンプ
4 予熱器
5 抽出槽
5a 攪拌機
6 重力沈降槽
7 フィルターユニット
8 溶剤分離器
9 溶剤分離器

Claims (2)

  1. 石炭と溶剤とを混合して得られるスラリーを加熱して溶剤に可溶な石炭成分を抽出する抽出工程と、
    前記抽出工程にて前記石炭成分が抽出されたスラリーから前記石炭成分を含む溶液部を分離する分離工程と、
    前記分離工程で分離された溶液部から溶剤を蒸発分離して無灰炭を得る無灰炭取得工程と、
    を備え、
    前記無灰炭取得工程において、前記無灰炭中に前記溶剤を残存させることを特徴とする無灰炭の製造方法。
  2. 前記無灰炭中に残存する溶剤の残存率を2.0重量%以上10重量%以下にすることを特徴とする請求項1に記載の無灰炭の製造方法。

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