JP5988829B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式を用いて記録材上に画像を形成する画像形成装置に関するものである。
電子写真画像形成方式(電子写真プロセス)を用いたプリンタ等の画像形成装置では、像担持体としての電子写真感光体(以下、「感光体」という。)を一様に帯電させ、帯電した感光体を選択的に露光することによって、感光体上に静電像を形成する。感光体上に形成された静電像は、現像装置により現像剤(トナーともいう)でトナー像として顕像化される。そして、感光体上に形成されたトナー像を、記録用紙、プラスチックシート等の記録材に転写し、更に記録材上に転写されたトナー像に熱や圧力を加えることでトナー像を記録材に定着させることで画像記録を行う。
現像装置は、例えばトナーを収納する現像剤容器の開口に配置される現像剤担持体と、この現像剤担持体の表面に当接して配置され、現像剤担持体上のトナー量を規制する規制部材、現像剤担持体に当接して回転しトナーを供給する供給部材が設けられる。
また、現像方式としては例えば像担持体と現像剤担持体が接触した状態で現像を行う接触現像方式があり、この方式によればトナーの飛び散りや飛散の少ない高画質な画像の出力が可能である。
近年、電子写真プロセスを応用した高画質化の現像装置においては、多様なメディアへの対応が求められており、それぞれのメディアに最適な印刷スピードで出力する手段が採用されている。しかしながら、像担持体と現像剤担持体の周速比を同じままで印刷スピード(画像形成速度)を落としてしまうと、印刷スピードが遅いほど白地部へトナーが付着する、白地部へのかぶりが増大することが確認されている。そこで特許文献1では、印刷スピードが遅いモードにおいて像担持体に対する現像剤担持体の周速比を通常のモードでの周速比よりも大きくすることにより、白地部へのかぶりを通常モード並みのレベルに維持することが提案されている。
特開2006−171245公報
本発明は上記従来技術を更に発展させたものであり、現像剤担持体と供給部材とが逆方向に回転する現像装置を用いた画像形成装置において、画像形成速度を変更しても画像濃度を安定させつつかぶりを抑制することを目的とする。
上記目的を達成するため、本出願に係る第1の発明は、静電潜像を担持して回転する像担持体と、現像剤を担持して前記像担持体に対し一定の周速比で回転し、前記静電潜像を現像する現像剤担持体と、表面に発泡層を備え、前記現像剤担持体に接触して配置され、前記現像剤担持体に対し一定の周速比で前記現像剤担持体の回転方向とは逆方向に回転し、前記現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給部材と、前記現像剤担持体に電圧Vdrを印加する第一の電圧印加手段と、前記現像剤供給部材に電圧Vrsを印加する第二の電圧印加手段と、前記第一の電圧印加手段と前記第二の電圧印加手段とを制御する制御手段と、を有する画像形成装置において、前記像担持体の周速と前記現像剤担持体の周速との速度差の絶対値をSとすると、前記制御手段は、Sが小さいほどVrs とVdrとの差Vdif(=Vrs−Vdr)を現像剤の正規帯電極性と逆極性方向にシフトさせることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、現像剤担持体と供給部材とが逆方向に回転する現像装置を用いた画像形成装置において、画像形成速度を変更しても画像濃度を安定させつつかぶりを抑制することができる。
実施例に係る画像形成装置の概略構成断面図である。 実施例に係る現像装置及びプロセスカートリッジの概略構成図である。 実施例における速度差の絶対値Sとかぶりの関係を示した図である。 実施例における電位差Vとかぶりの関係を示した図である。 実施例における電位差Vと現像剤担持体上帯電量分布の関係を示した図である。 本における各印刷モードにおける速度差Sとかぶりの関係を表した図である。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適応される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施例に限定する主旨のものではない。
本発明の実施例について図1〜図5により説明する。
[画像形成装置]
まず、本発明に係る電子写真画像形成装置(画像形成装置)の全体構成について説明する。
図1は本実施例の画像形成装置の概略構成断面図である。
本実施例において、画像形成装置はクリーニング機構を有する非磁性一成分接触現像方式のレーザービームプリンタである。
画像形成装置は、像担持体としてドラム形の電子写真感光体(感光ドラム)を備えている。感光ドラム303は駆動力が伝達されることにより、軸を中心に図2中の矢印R1方向に所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動される。
感光ドラム303は、その表面が帯電装置としての帯電ローラ313によって帯電される。帯電ローラ313は、感光ドラム303表面に接触配置されており、感光ドラム303の矢印R1方向の回転に伴って従動回転する。帯電ローラ313には、帯電バイアス印加電源(不図示)によって、例えば直流電圧からなる帯電バイアスが印加される。これにより、感光ドラム303表面が所定の極性、所定の電位に均一に帯電される。
帯電後の感光ドラム303表面は、露光装置によって静電潜像が形成される。露光装置212は、レーザスキャナ、ポリゴンミラー、反射レンズ等を有しており、画像情報に基づいたレーザ光を感光ドラム303表面に照射して照射部分の電荷を除去し、静電潜像を形成するものである。
こうして感光ドラム303表面に形成された静電潜像は、現像装置306によってトナーが付着され、トナー像として現像される。
感光ドラム303表面に形成されたトナー像は、転写装置としての転写ローラ204によって転写材P上に転写される。この転写材Pは、給紙カセット206に収納され、給紙ローラ207やレジストローラ208等によって感光ドラム303上のトナー像と同期をとって転写ニップ部に供給されたものである。転写ローラ204に、転写バイアス印加電源(不図示)によって感光ドラム303上のトナー像が転写材P上に転写される。
転写材Pに対するトナー像の転写後に表面に残ったトナーがクリーニング装置311のクリーニング装置304によって除去された後、感光ドラム303は次の画像形成に供される。
一方、トナー像転写後の転写材Pは、定着装置213に搬送され、定着ローラ、加圧ローラによる加熱、加圧を受けて、表面のトナー像が定着される。
トナー像定着後の転写材Pは、装置本体外部に排出され、これにより、画像形成が完了する。
画像形成プロセスを行う上記部材のうち、感光ドラム303、帯電ローラ313、現像装置306及びクリーニング装置311はプロセスカートリッジとして一体構成され、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されている。
[プロセスカートリッジ]
次に、本実施例の画像形成装置に装着されるプロセスカートリッジの全体構成について説明する。
図2は、感光ドラム303の長手方向(回転軸線方向)に沿って見た本実施例のプロセスカートリッジの概略断面(主断面)図である。
プロセスカートリッジは、感光ドラム303等を備えたクリーニング装置311と、現像ローラ301等を備えた現像装置306とを一体化して構成される。
クリーニング装置311は、クリーニング装置311内の各種要素を支持する枠体としてのクリーニング枠体を有する。クリーニング枠体には、感光ドラムが図示しない軸受を介して回転可能に取り付けられている。感光ドラム303は、図示しない駆動手段(駆動源)としての駆動モータの駆動力が伝達されることで、画像形成動作に応じて図示矢印A方向(時計方向)に回転駆動される。本実施例にて、画像形成プロセスの中心となる感光ドラムは、アルミニウム製シリンダの外周面に機能性膜である下引き層、キャリア発生層、キャリア移送層を順にコーティングした有機感光ドラムを用いている。
又、クリーニング装置311には、感光ドラム303の周面上に接触するように、クリーニング部材312、帯電ローラ313が配置されている。クリーニング部材312によって感光ドラム303の表面から除去された転写残トナーは、クリーニング枠体内に落下、収容される。
帯電手段である帯電ローラ313は、導電性ゴムのローラ部を感光ドラムに加圧接触することで従動回転する。
ここで、帯電ローラ313の芯金には、帯電工程として、感光ドラムに303対して所定の直流電圧が印加されており、これにより感光ドラム303の表面には、一様な暗部電位(Vd)が形成される。前述のスキャナユニットからのレーザ光によって画像データに対応して発光されるレーザ光のスポットパターンは、感光ドラムを露光し、露光された部位は、キャリア発生層からのキャリアにより表面の電荷が消失し、電位が低下する。この結果、露光部位は所定の明部電位(Vl)、未露光部位は所定の暗部電位(Vd)の静電潜像が、感光ドラム上に形成される。
一方、現像装置306は、現像剤(トナー)を担持するための現像剤担持体としての現像ローラ301と、現像ローラ301にトナーを供給する現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ302が配置された現像室308、を有している。更に、現像ユニットは、現像室の後方に配置され、現像室と現像開口で連通された、トナーを収納する現像剤収納室、即ち、トナー収容室307を備えている。
トナー収容室内には、攪拌搬送部材310が設けられている。攪拌搬送部材310は、トナー収容室内に収納されたトナーを攪拌すると共に、トナー供給ローラに向けて図中矢印G方向にトナーを搬送するためのものでもある。
トナー供給ローラ302は、対向部において現像ローラ301の周面上に所定の接触部(ニップ部)Nを形成して配設されており、図示矢印E方向(時計方向)、すなわち現像ローラ301の回転方向とは逆方向に回転する。トナー供給ローラ302は、導電性芯金の外周に発泡体層を形成した弾性スポンジローラである。トナー供給ローラ302と現像ローラ301とは、それぞれの表面が接触部Nにおいて同一方向に周速差を持って移動しており、この動作により、トナー供給ローラ302による現像ローラ301へのトナー供給を行っている。その際、トナー供給ローラに対して現像ローラとの電位差を調整することにより、現像ローラへのトナー供給量を調整することが出来る。なお、本実施例においては現像ローラの表面線速に対してトナー供給ローラの表面線速が150%になるように回転周速比を設定した。
現像ブレード304は現像ローラ301の上方に配置され、現像ローラ301に対してカウンターで当接しており、トナー供給ローラ302によって供給されたトナーのコート量規制及び電荷付与を行っている。
現像ローラ301と感光ドラム303とは、対向部(接触部)において互いの表面が同方向(本実施例では上から下に向かう方向)に移動するようにそれぞれ回転する。
尚、本実施例において、現像ローラ301と感光ドラム303は通常状態(非画像形成時)においては離間されており、画像形成時のみ当接される機構を持つ。
また、本実施例では現像剤として、一成分現像剤である非磁性の負極性トナーを使用している。そのため、現像ローラ301に印加された所定の直流バイアスに対して、摩擦帯電によりマイナスに帯電したトナーが、感光ドラム303に接触する現像部において、明部電位部にのみ転移して静電潜像を顕像化する。
ここで、本実施例で用いられる現像ローラ301について説明する。
本実施例における現像ローラは、導電性支持体の周囲に導電剤が配合された半導電性の弾性ゴム層が設けられている。また、導電性支持体には外径φ6(mm)の芯金電極が用いられ、さらに芯金電極の周囲に導電剤が配合された半導電性のシリコンゴム層が設けられている。
更に、シリコンゴム層の表層には20(μm)ほどのアクリル・ウレタン系ゴム層がコーティングされており、現像ローラ301全体の外径はφ12(mm)である。また、現像ローラ301の抵抗は1×10^6(Ω)である。本実施例においては、現像ローラ301に対して第一の電圧印加手段としての現像バイアス電源装置110により、電圧Vdr(=−300V)が印加されている。
ここで、現像ローラ301の抵抗の測定方法を説明する。
現像ローラ301を、直径30mmのアルミスリーブに対し、当接荷重9.8Nで当接させる。このアルミスリーブを回転させることにより、現像ローラ301を60rpmでアルミスリーブに対して従動回転させる。
次に、現像ローラ301に、−50Vの直流電圧を印加する。その際、アース側に10kΩの抵抗を設け、その両端の電圧を測定することで電流を算出し、現像ローラ301の抵抗を算出する。
なお、現像ローラ301の体積抵抗が1×10(Ω)よりも大きいと、現像ローラ301の表面での現像バイアスの電圧値が下がり、現像領域の直流電界が減少することで現像効率が低下するため、画像濃度が低下する場合がある。従って、このような画像濃度の低下を防止するために、現像ローラ301の抵抗を1×10(Ω)以下とするのが良い。
また、現像ローラの表面形状としては、その表面粗度を制御することが高画質及び高耐久性を両立するために好ましい。現像ローラの表面粗度として、例えばRa(μm)「JIS B 0601」を3.0以下となるように設定すると、安定した現像剤搬送量が得られる。現像ローラの表面粗度Raが3.0を超えると、現像ローラ上の現像剤搬送量が増大し、現像ブレードとの摩擦による現像剤への帯電付与が不十分になり、白地部への画像かぶりが発生してしまう恐れがある。
次に、本実施例で用いられるトナー供給ローラについて説明する。
本実施例におけるトナー供給ローラ302は、導電性支持体と、導電性支持体に支持される発泡層と、を備える。具体的には、導電性支持体たる外径φ5(mm)の芯金電極と、その周囲に気泡同士がつながっている連続気泡体(連泡)から構成される発泡層としての発泡ウレタン層が設けられており、図中Eの方向に回転する。本実施例におけるトナー供給ローラ全体の外径はφ12(mm)である。
表層のウレタンを連続気泡体とすることで、トナー供給ローラ302内部にトナーが多量に進入可能となる。本実施例におけるトナー供給ローラ302の抵抗は1×10(Ω)である。
ここで、トナー供給ローラ302の抵抗の測定方法を説明する。
トナー供給ローラ302を、直径30mmのアルミスリーブに対し、侵入量、即ち、トナー供給ローラ302が現像ローラ301により凹状とされるその凹み量ΔEを1.5mmとなるように、当接させる。このアルミスリーブを回転させることにより、供給ローラ302を30rpmでアルミスリーブに対して従動回転させる。
次に、現像ローラ301に、−50Vの直流電圧を印加する。その際、アース側に10kΩの抵抗を設け、その両端の電圧を測定することで電流を算出し、トナー供給ローラ302の抵抗を算出する。
尚、本実施例においては、現像ローラ301、トナー供給ローラ302は、共に外径12mmであり、トナー供給ローラ302の現像ローラ301への侵入量が1.0mmになるように設定した。
また、現像ローラとトナー供給ローラとの間のトナーを現像ローラ側へ供給する為、通常印刷時においてトナー供給ローラに対して第二の電圧印加手段としてのトナー供給ローラバイアス電源装置112により、電圧Vrs(=−500V)が印加されている。
次に、感光ドラムと現像ローラとの回転周速比は、画像濃度を満たし、感光ドラムと現像ローラとの摩擦による十分なトナー帯電を得るためには、回転周速比は110%以上が好ましい。一方、回転周速比が150%より大きい周速差に設定すると、接触部分の機械的ストレスが増し、現像ローラやトナーの劣化が顕著になる可能性がある。以上より、回転周速比は110〜150%が好ましく、本実施例では回転周速比を120%に設定している。
また、本実施例では現像ローラとトナー供給ローラが対向部においてローラ表面が互いに同一方向に回転している。すなわち、現像ローラとトナー供給ローラが逆方向に回転している。本発明者らの検討によると、このように現像ローラとトナー供給ローラが逆方向に回転している場合においては、印刷スピードが遅いほどベタ画像の追従性が向上することが分かった。
表1は本実施例における現像ローラ周速とベタ画像濃度の追従性の関係を示した表である。ここで、表中のAはベタ黒画像を印字した時の紙先端と紙後端での濃度をX−Rite製spectordensitometer 500を用いて測定し、その濃度差が0.2未満であることを示している。Bは、同様の測定において、紙先端と紙後端での濃度差が0.2〜0.3未満であることを示している。Cは、同様の測定において、紙先端と紙後端での濃度差が0.3以上であることを表している。
ここで、本実施例においてはトナーの帯電極性が負極性である為、現像ローラに対するトナー供給ローラの電位が負極性方向に大きいほどトナー供給ローラ内のトナーは電界により現像ローラ方向への力を受け、現像ローラへ供給される。よって、現像ローラに対するトナー供給ローラの電位差が負極性に小さい電圧差でありながらベタ画像濃度が安定している場合は、ベタ画像の追従性が良いといえる。ここで、表1をみると現像ローラの周速が遅くなるほど現像ローラに対するトナー供給ローラの電位(電位差)が負極性方向に小さくてもベタ画像濃度が追従しており、ベタ画像濃度の追従性が向上している。これは、トナー供給ローラの回転スピードが遅くなるほどトナー供給ローラ内のトナー量が増加し、トナー供給ローラ1回転当たりの現像ローラへのトナー搬送量が多くなるためである。
本実施例では、画像形成装置が備える電源(トナー供給ローラバイアス電源装置112、現像バイアス電源装置110)は、画像形成装置本体が有するCPU60(制御手段)によって制御される。
つまり、CPU60は、記憶部に予め設定された感光ドラムと現像ローラの速度差の絶対値Sに基づきトナー供給ローラバイアスと現像バイアスを制御する。すなわち、CPU60は、トナー供給ローラに印加する電圧Vrsと現像ローラに印加する電圧Vdrとの差Vdif(=Vrs−Vdr)を選択し、切り替える手段として機能する。
また、本実施例では様々な印刷メディアに対応するため、複数の印刷スピードモードを有する。
この際、感光ドラムと現像ローラとの回転周速比を120%に維持したまま、複数の印刷スピードで出力した場合、表2に示すように、感光ドラムと現像ローラとの速度差の絶対値Sは、印刷スピードが遅いほど小さくなってしまう。また、本発明者らの検討によれば図3に示すように、速度差の絶対値Sが小さくなるにつれて、かぶりが増大する問題が確認されている。これは、感光ドラムと現像ローラとの速度差の絶対値Sが小さいほど現像ローラ上のトナーが現像ニップを通過するのに要する時間が長くなり、非画像部へ現像されるトナーが増加する為と考えられる。
そこで、本実施例においては感光ドラムと現像ローラの速度差の絶対値Sが小さくなる程、Vdif(=Vrs−Vdr)をトナーの正規帯電極性と逆極性方向にシフトするように電位差VdifをCPU60によって制御する。
ここで、本発明者らの検討によって、本実施例のように現像ローラとトナー供給ローラが逆方向に回転している構成における新たな知見を得ることができた。すなわち、図4に示すように現像ローラ印加電圧に対するトナー供給ローラ印加電圧がトナーの正規帯電極性と逆極性方向にシフトする程かぶりが減少することが分かった。これは、トナー供給ローラへの印加電圧をトナーの正規帯電極性と逆極性方向にシフトするとトナー供給ローラ表面と現像ローラ表面間のトナー量が減少するので、トナー供給ローラと現像ローラ間で十分な電荷付与が行われる為である。その結果、図5のように現像ローラ上のトナーの帯電量が高くなり、白地部のかぶりが減少する。
通常、トナー供給ローラへの印加電圧をトナーの帯電極性と同極性に小さくするとトナーの供給性が低下し、ベタ画像の追従性が落ちる。しかし、本実施例のように現像ローラとトナー供給ローラが逆方向に回転している構成においては、印刷スピードが遅いほど(感光ドラムと現像ローラの周速差の絶対値Sが小さい程)供給ローラのトナー供給能力が上がるため、ベタ画像の追従性も確保できる。
そこで、本発明によれば、速度差の絶対値Sが小さいほど、Vdifをトナーの正規帯電極性と逆極性方向にシフトするように、CPU60によってVdrとVrsを制御する。
具体的には、以下の制御が挙げられる。例えば、Vdif<0を満たす場合(Vdifがトナーの正規帯電極性と同極性の値を有する場合)、速度差の絶対値Sが小さくなるにつれて、Vdifの絶対値が小さくなるように制御させる。一方、Vdif≧0(Vdifがトナーの正規帯電極性と逆極性の値を有する場合)の場合、速度差の絶対値Sが小さくなるにつれて、Vdifの絶対値を大きくなるように制御させる。濃度を安定させつつかぶりを抑制するには、前者の方が望ましい。なお、本実施例では、負極性トナーを用いているが、正極性トナーを用いた場合、上記不等号が逆になる。
図6は本実施例における各印刷モードの速度差Sとかぶりの関係を表した図である。また、比較例は速度差Sによらず電位差VdifをVdif=−200Vとした場合の速度差Sとかぶりの関係である。比較例においては速度差Sが小さいほどかぶりが増加しているが、本実施例の制御を行うことで印刷モードによらずほぼ一定のかぶりに抑制することが出来ている。
以上より、感光ドラムと現像ローラの速度差の絶対値がいかなる場合でも、感光ドラムと現像ローラの周速比を変えることなく、かぶりを抑制できる高品位の画像を形成することが可能となる。
表2に示した制御方法の選択は、かぶりの度合いとベタ画像の追従性によって決定されるものであり、採用する画像形成装置、現像装置、トナーによってはこの限りではない。
表2に示した制御方法の選択は、現像バイアスが一定の場合を例示したが、画像濃度等の出力画像に影響がない範囲で、現像バイアスを変動させて制御させても良い。その場合の制御例を表3に示す。
以上説明したように、本実施例によれば、Vdifをトナーの正規帯電極性と逆極性方向にシフトするように、CPU60によってVdrとVrsを制御する。これにより、ユーザーの使用状況や使用環境によらず、トナーや現像ローラの劣化を進めることなく、かぶりを抑制することができる高品位な画像を長期にわたって形成することが可能となる。
なお、前述した実施形態では、画像形成装置としてプリンタを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば複写機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置であっても本発明を適用可能である。また、記録剤担持体を使用し、前記記録剤担持体に担持された記録材に各色のトナー像を順次重ね合わせて転写する画像形成装置であっても本発明を適用可能である。
201 感光ドラム
301 現像ローラ
302 トナー供給ローラ
110 現像バイアス電源装置
112 トナー供給ローラバイアス電源装置
60 CPU

Claims (4)

  1. 静電潜像を担持して回転する像担持体と、
    現像剤を担持して前記像担持体に対し一定の周速比で回転し、前記静電潜像を現像する現像剤担持体と、
    表面に発泡層を備え、前記現像剤担持体に接触して配置され、前記現像剤担持体に対し一定の周速比で前記現像剤担持体の回転方向とは逆方向に回転し、前記現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給部材と、
    前記現像剤担持体に電圧Vdrを印加する第一の電圧印加手段と、
    前記現像剤供給部材に電圧Vrsを印加する第二の電圧印加手段と、
    前記第一の電圧印加手段と前記第二の電圧印加手段とを制御する制御手段と、
    を有する画像形成装置において、
    前記像担持体の周速と前記現像剤担持体の周速との速度差の絶対値をSとすると、
    前記制御手段は、Sが小さいほどVrs とVdrとの差Vdif(=Vrs−Vdr)を現像剤の正規帯電極性と逆極性方向にシフトさせることを特徴とする画像形成装置。
  2. Vdifは現像剤の正規帯電極性と同極性の値を有する請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 静電潜像を担持して回転する像担持体と、
    現像剤を担持して前記像担持体に対し一定の周速比で回転し、前記静電潜像を現像する現像剤担持体と、
    表面に発泡層を備え、前記現像剤担持体に接触して配置され、前記現像剤担持体に対し一定の周速比で前記現像剤担持体の回転方向とは逆方向に回転し、前記現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給部材と、
    前記現像剤担持体に電圧Vdrを印加する第一の電圧印加手段と、
    前記現像剤供給部材に電圧Vrsを印加する第二の電圧印加手段と、
    前記第一の電圧印加手段と前記第二の電圧印加手段とを制御する制御手段と、
    を有する画像形成装置において、
    前記像担持体の周速と前記現像剤担持体の周速との速度差の絶対値をSとすると、
    前記制御手段は、VrsとVdrとの差Vdif(=Vrs−Vdr)を現像剤の正規帯電極性と同極性の値にし、且つ、Sが小さいほどVdifの絶対値を小さくすることを特徴とする画像形成装置。
  4. 静電潜像を担持して回転する像担持体と、
    現像剤を担持して前記像担持体に対し一定の周速比で回転し、前記静電潜像を現像する現像剤担持体と、
    表面に発泡層を備え、前記現像剤担持体に接触して配置され、前記現像剤担持体に対し一定の周速比で前記現像剤担持体の回転方向とは逆方向に回転し、前記現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給部材と、
    前記現像剤担持体に電圧Vdrを印加する第一の電圧印加手段と、
    前記現像剤供給部材に電圧Vrsを印加する第二の電圧印加手段と、
    前記第一の電圧印加手段と前記第二の電圧印加手段とを制御する制御手段と、
    を有する画像形成装置において、
    前記像担持体の周速と前記現像剤担持体の周速との速度差の絶対値をSとすると、
    前記制御手段は、VrsとVdrとの差Vdif(=Vrs−Vdr)を現像剤の正規帯電極性と逆極性の値にし、且つ、Sが小さいほどVdifの絶対値を大きくすることを特徴とする画像形成装置。
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