JP5988719B2 - 二次元曲げされたハードコートシートの製造方法 - Google Patents
二次元曲げされたハードコートシートの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5988719B2 JP5988719B2 JP2012135926A JP2012135926A JP5988719B2 JP 5988719 B2 JP5988719 B2 JP 5988719B2 JP 2012135926 A JP2012135926 A JP 2012135926A JP 2012135926 A JP2012135926 A JP 2012135926A JP 5988719 B2 JP5988719 B2 JP 5988719B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- hard coat
- hard
- sheet
- glass transition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
Description
(2)熱成形(真空成形、圧空成形、真空圧空成形等)などを可能とした加飾シートを予備成形にて特定形状を付与し、これを射出成形金型にセットし、溶融樹脂を射出して、射出成形体を形成すると同時に予備成形加飾シートと一体化させる方法、などが用いられている。また、(3)成形体表面に被覆を施す方法(三次元表面加飾成形)も提案されている。
たとえば、特許文献1には、表面側から順に、透明アクリル系樹脂シート層、絵柄印刷インキ層、ABS樹脂シート層及びABS樹脂バッカー層が積層された化粧シートが開示されている。特許文献2には、ポリカーボネート樹脂層の表面にメタクリル樹脂およびアクリルゴム粒子からなる層が積層されてなる多層フィルムの一方の面に加飾を施し、その加飾面に熱可塑性樹脂シートを積層した加飾シート、または、その加飾面に熱可塑性樹脂を射出成形した加飾成形品が開示されている。
また、特許文献4には、基材シート或いはフィルムの片面に特定組成のハードコート塗料を用いて形成した層を有する熱成形がある程度まで可能で、適宜、裏面に意匠を付与したハードコートシート或いは加飾シートが開示されている。
このような加飾シート或いはハードコートシートは、保護層側(熱可塑性樹脂シート側)にて射出成形体と一体化され、加飾或いはハードコート成形体とされる。
該加飾成形体においては、透明樹脂シートが表面に配置され、該透明樹脂シートを通して意匠層を視認できるようになっている。
これは、タッチパネル面は、応答速度の点などから板厚みは薄いものほど好ましく、強度の点からはある程度以上の厚さが必要であり、高弾性率の材料が選択される。また、耐擦り傷性や指紋ふき取り性なども必須となる。
表示面の構成部品は、ガラス板などの透明板があり、それに代えて、透明樹脂板、例えば、ハードコート層を両面に持つ芳香族ポリカーボネートシートなどがある。
透明樹脂板のハードコート層は可能な限りガラス板に近い耐擦り傷性や指紋ふき取り性などが要求される。このため、表面硬度の高いハードコート層を表面に持つ透明樹脂板の場合、通常、曲げ加工を行うとハードコート層に亀裂が入るため、曲げ部分のある用途には使用されていない。
また表面硬度を高くするためには、ハードコート塗布面にアクリル系樹脂を積層させたポリカーボネート樹脂板が有効であり、これは同じハードコートを塗布しても基材がポリカーボネート単層板であると弾性率が低いために座屈してしまう為である。
そこで亀裂のない曲げ品を得るために、樹脂材料、その層構成、曲げ条件などに関して種々検討し、試験した。この結果、ハードコート層以外に2層で構成された硬質樹脂と基材樹脂のTg差を小さくして、ある範囲の加工温度で加工する事により、限度はあるが特定の曲率半径までの二次元曲げ品が製造できることを見出し、これに基づいて本発明を完成させるに至った。
<1> 基材樹脂上に硬質樹脂を有し、更に該硬質樹脂上にハードコート層を有するハードコートシートを加熱加圧下にて二次元曲げして、二次元曲げされたハードコートシートを製造する方法であって、
前記基材樹脂のガラス転移温度が、前記硬質樹脂のガラス転移温度以上であるが、前記硬質樹脂のガラス転移温度に35℃加えた温度以下であり、
二次元曲げする際に、前記硬質樹脂のガラス転移温度に10℃加えた温度よりも低く、かつ、前記基材樹脂のガラス転移温度から35℃引いた温度よりも高い温度範囲で、前記ハードコートシートを加熱することを特徴とする、前記製造方法である。
<2> 前記硬質樹脂が、(メタ)アクリル樹脂、あるいは、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと芳香族ビニルモノマーとを共重合して得られる共重合体の芳香環を水添してなる樹脂、であって、該硬質樹脂のガラス転移温度が100〜135℃の範囲である上記<1>に記載の二次元曲げされたハードコートシートの製造方法である。
<3> 前記基材樹脂が、芳香族ポリカーボネート樹脂、あるいは、芳香族ポリカーボネート樹脂とポリエチレンテレフタレートのエチレングリコール成分の少なくとも一部がシクロヘキサンジメタノールに変更された共重合ポリエステル樹脂との樹脂組成物であって、該基材樹脂のガラス転移温度が110〜155℃の範囲である上記<1>または<2>に記載の二次元曲げされたハードコートシートの製造方法である。
<4> 前記ハードコート層が、アクリル架橋皮膜またはシリコン架橋皮膜を形成する化合物を含む上記<1>から<3>のいずれかに記載の二次元曲げされたハードコートシートの製造方法である。
<5> 二次元曲げされる前のハードコートシートの鉛筆硬度が3H以上である上記<1>から<4>のいずれかに記載の二次元曲げされたハードコートシートの製造方法である。
<6> プレス機を用いて、ハードコートシートを二次元曲げする上記<1>から<5>のいずれかに記載の二次元曲げされたハードコートシートの製造方法である。
<7> 二次元曲げされたハードコートシートであって、
該ハードコートシートが、基材樹脂上に硬質樹脂を有し、更に該硬質樹脂上にハードコート層を有し、
前記基材樹脂のガラス転移温度が、前記硬質樹脂のガラス転移温度以上であるが、前記硬質樹脂のガラス転移温度に35℃加えた温度以下であることを特徴とする、前記二次元曲げされたハードコートシートである。
<8> 前記硬質樹脂が、(メタ)アクリル樹脂、あるいは、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと芳香族ビニルモノマーとを共重合して得られる共重合体の芳香環を水添してなる樹脂であって、該硬質樹脂のガラス転移温度が100〜135℃の範囲である上記<7>に記載の二次元曲げされたハードコートシートである。
<9> 前記基材樹脂が、芳香族ポリカーボネート樹脂、あるいは、芳香族ポリカーボネート樹脂とポリエチレンテレフタレートのエチレングリコール成分の少なくとも一部がシクロヘキサンジメタノールに変更された共重合ポリエステル樹脂との樹脂組成物であって、該基材樹脂のガラス転移温度が110〜155℃の範囲である上記<7>または<8>に記載の二次元曲げされたハードコートシートである。
<10> 前記ハードコート層が、アクリル架橋皮膜またはシリコン架橋皮膜を形成する化合物を含む上記<7>から<9>のいずれかに記載の二次元曲げされたハードコートシートである。
本発明の第一の実施形態は、基材樹脂上に硬質樹脂を有し、更に該硬質樹脂上にハードコート層を有するハードコートシートを加熱加圧下にて二次元曲げして、二次元曲げされたハードコートシートを製造する方法であって、前記基材樹脂のガラス転移温度が、前記硬質樹脂のガラス転移温度以上であるが、前記硬質樹脂のガラス転移温度に35℃加えた温度以下であり、二次元曲げする際に、前記硬質樹脂のガラス転移温度に10℃加えた温度よりも低く、かつ、前記基材樹脂のガラス転移温度から35℃引いた温度よりも高い温度範囲で、前記ハードコートシートを加熱することを特徴とする、前記製造方法である。
本発明の第一の実施形態により、従来技術では達成できなかった二次元曲げされたハードコートシートを製造できる。
即ち、本発明の第二の実施形態は、二次元曲げされたハードコートシートであって、該ハードコートシートが、基材樹脂上に硬質樹脂を有し、更に該硬質樹脂上にハードコート層を有し、前記基材樹脂のガラス転移温度が、前記硬質樹脂のガラス転移温度以上であるが、前記硬質樹脂のガラス転移温度に35℃加えた温度以下であることを特徴とする、前記二次元曲げされたハードコートシートである。
本発明の二次元曲げされたハードコートシートは、透明樹脂シートであり、新規な機能やデザインの表示面構成部品などとして好ましいものである。
そして、所望の形状に加工して用いられる。形状加工性の点から、打ち抜き性を有するものがより好ましい。
さらに、本発明においては、特定の条件範囲にて加工する。したがって、必要とされる物性値の要求から、この条件範囲がより広くなる組み合わせを選択する。
このような脂環式ポリエステル樹脂として、PETG(GN001)、PCTG(DN001)、PCTA(AN004)(EASTMAN CHEMICAL製)が一例として挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明で用いられる硬質樹脂のガラス転移温度は、好ましくは100〜135℃の範囲である。
また、芳香族ポリカーボネート樹脂に相溶性である芳香環を持つアクリルモノマーを共重合したアクリル樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂との組成物に関しては、耐候性が必要でない基材樹脂として用いることも可能である。
例えば、硬質樹脂として、ガラス転移温度が105℃の(メタ)アクリル樹脂を選択する場合、基材樹脂のガラス転移温度が、105℃から140℃の範囲である基材樹脂を選択する。例えば、基材樹脂として、ガラス転移温度が125℃である、芳香族ポリカーボネート樹脂と脂環式ポリエステル樹脂との樹脂組成物を用いる場合、二次元曲げする際に、硬質樹脂のガラス転移温度に10℃加えた温度(即ち115℃)よりも低く、かつ、基材樹脂のガラス転移温度から35℃引いた温度(即ち90℃)よりも高い温度範囲(即ち90〜115℃)で、ハードコートシートを加熱する。
多層シートにおいて、片面或いは両面に形成する硬質樹脂層の厚みは、好ましくは0.03mm〜0.1mmから選択する。薄すぎると鉛筆硬度などが低くなり好ましくなく、厚すぎても鉛筆硬度などの硬度をより高める効果がなく、特性低下につながるので好ましくない。
本発明における基材樹脂を含む層の厚みは、好ましくは0.5〜1.2mmである。
そして、押し出し工程において、或いは、押し出しされた後に、ハードコートされる。本発明は、耐磨耗性や耐指紋性(指紋ふき取り性)に優れたものが好ましく、また、生産性の点から、打ち抜きにて所望形状に加工出来るものが特に好ましい。
ハードコート層の付与は、通常の方法で良く、ロールコート法などの塗布法、ディプ法、転写法などで形成する。通常、両面に形成され、表面層は硬くふき取り性の優れたものが選択され、裏面層は、取り扱いにおける傷発生や、後加工性の付与、例えば、印刷適性の付与などを目的とするものが選択され、表裏の塗料は適宜変更される。
本発明におけるハードコート層の厚みは、好ましくは3〜15μmである。
シリコン系は、適宜、紫外線吸収剤などを配合した熱硬化性のポリオルガノシロキサンの組成物があげられる。ポリオルガノシロキサンは、一般式R1 nSi(OR2)4−nで表される通常のオルガノシランを加水分解、縮合して得られる加水分解物及び/又は部分縮合物としてなるものなどである。
前記のように、裏面側にもハードコート層を有するものが好ましい。印刷模様は、このハードコート層に強固に接着するものを選択する。
たとえばポリエステル系、ポリカーボネート系、アクリル系、ウレタン系の印刷インクを用いて印刷可能であり、特にハードコート層との密着性に問題がある場合は、プラズマやイオンエッチング、コロナ放電等の表面処理によって表面改質して密着力を高めることも可能である。
打ち抜き、切削などで所定形状としたシートを、通常、加熱加圧のプレス機に設けた曲げ金型にセットし、加熱加圧にて曲げ加工し、取り出す工程により、本発明の二次元曲げされたハードコートシートを製造する。
少なくとも曲げ部分の加熱温度は、前記の通り「硬質樹脂のガラス転移温度に10℃加えた温度よりも低く、かつ、基材樹脂のガラス転移温度から35℃引いた温度よりも高い温度範囲」である。好ましくは、「硬質樹脂のガラス転移温度に5℃加えた温度よりも低く、かつ、基材樹脂のガラス転移温度から30℃引いた温度よりも高い温度範囲」である。
次に、曲げ加工後の曲げ形状の保持は、基材樹脂のガラス転移温度に近いほど良好で、成形も容易で、より短時間で可能となる。逆に、基材樹脂のガラス転移温度から35℃引いた温度に近いほど曲げ形状の保持性は悪化するので、より長時間、高圧での成形が好ましいこととなる。
硬質樹脂のガラス転移温度と基材樹脂のガラス転移温度との差が35℃を超えると、良好に二次元曲げできる加熱温度の範囲が狭くなるため安定製造上支障が生じる。
上記により、本発明の二次元曲げされたハードコートシートを製造する。
曲げ試験片は、下記の三菱ガス化学(株)製の両面ハードコートを有する市販品のハードコートシート1及び2と、下記の構成を有するハードコートシート3及び4を用い、サイズ210×297(mm)で、その端部40mmの部分に曲げ部分を形成するように加工した。
<ガラス転移温度の測定方法>
パーキンエルマー社製示差走査熱量計DSC−7型を用いて、窒素雰囲気下、−40℃で1分間保持後、10℃/分の昇温速度下で測定し、得られたDSC曲線の微分の極大値となる温度をガラス転移温度として求めた。
JIS K5400に準拠し、750g荷重で、ハードコートシート1〜4の表面における鉛筆硬度を測定した。
スチールウール(等級#0000)に1000gの荷重をかけ、ハードコートシート1〜4の表面におけるスチールウール硬度を測定し、以下のように評価した。
スチールウール硬度1:1000gの荷重にて15往復にて、傷なし。
〃 2: 〃 にて、傷3本以下。
〃 3: 〃 にて、傷10本以下。
三菱ガス化学(株)製の市販品であるMR58(製品名)をハードコートシート1として用いた。このシートは、基材樹脂であるビスフェノールA−ポリカーボネート(ガラス転移温度が150℃)上に、硬質樹脂であるPMMA(ガラス転移温度が105℃)を有し、両面に紫外線硬化アクリル系からなるハードコート層を有している。シートの厚みは1.0mmで、シート表面の鉛筆硬度は表面4H/裏面Fであり、スチールウール硬度は表面2/裏面2であった。
なお、このハードコートシート1は、本願請求項で規定される要件(基材樹脂のガラス転移温度が、硬質樹脂のガラス転移温度以上であるが、硬質樹脂のガラス転移温度に35℃加えた温度以下であり)を満たしていない。
基材樹脂であるビスフェノールA−ポリカーボネート(ガラス転移温度が150℃)上に、硬質樹脂である核水添MS樹脂(ガラス転移温度が125℃)を有し、両面に紫外線硬化型アクリル系からなるハードコート層を有しているシートをハードコートシート2として用いた。シートの厚みは1.0mmで、シート表面の鉛筆硬度は表面4H/裏面Fであり、スチールウール硬度は表面2/裏面2であった。
なお、このハードコートシート2は、本願請求項で規定される要件(基材樹脂のガラス転移温度が、硬質樹脂のガラス転移温度以上であるが、硬質樹脂のガラス転移温度に35℃加えた温度以下であり)を満たしている。更に、本発明の要件を満たすためには、二次元曲げする際に、115〜135℃の温度範囲でハードコートシートを加熱する必要がある。
ビスフェノールA−ポリカーボネートと共重合ポリエステルとの重量比が7:3である樹脂組成物(ガラス転移温度が120℃)を基材樹脂とし、その上にPMMA(ガラス転移温度が105℃)を硬質樹脂として形成し、両面に紫外線硬化型アクリル系からなるハードコート層を形成して、ハードコートシート3とした。
該基材樹脂の押出機として、バレル直径65mm、スクリュウのL/D=35を用い、シリンダー温度を280℃とした。
紫外線吸収剤配合のPMMAの押出機として、バレル直径32mm、スクリュウのL/D=32を用い、シリンダー温度を250℃とした。
ダイヘッド内温度は260℃とし、ダイ内で積層一体化された樹脂は、鏡面仕上げされた3本のポリッシングロールに導かれ、1番ロール温度110℃、2番ロール温度140℃、3番ロール温度180℃に設定した。
最初に流入するロール間隔にて、バンクを形成した後、2番、3番ロールを通過させる方法にて共押出シートを製造した。
トリス(アクロキシエチル)イソシアヌレート(品名;GX-8430、第一工業製薬(株)製)55重量部、ジプロピレングリコールジアクリレート(品名;Actilane422、Acros Chemicals 製)15重量部及びトリロチロールプロパントリアクリレート(品名;TMP-3、第一工業製薬(株)製)30重量部に、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(ビ−・エ−・エス・エフ ジャパン(株)製)3重量部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン(品名;Irgacure184:チバ・スペシャリティケミカルズ(株)製)1重量部、及び紫外線吸収剤:2−(ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール(品名;チヌビン-PS、チバ・スペシャリティケミカルズ(株)製)3重量部を配合し、均一に混合して紫外線硬化型の組成物を調製した。
なお、このハードコートシート3は、本願請求項で規定される要件(基材樹脂のガラス転移温度が、硬質樹脂のガラス転移温度以上であるが、硬質樹脂のガラス転移温度に35℃加えた温度以下であり)を満たしている。更に、本発明の要件を満たすためには、二次元曲げする際に、85〜115℃の温度範囲でハードコートシートを加熱する必要がある。
ビスフェノールA−ポリカーボネートと芳香環を持つアクリルモノマーを共重合したアクリル樹脂との重量比が7:3である樹脂組成物(ガラス転移温度が125℃)を基材樹脂とし、その上に核水添MS樹脂(ガラス転移温度が125℃)を硬質樹脂として形成し、両面に紫外線硬化型アクリル系からなるハードコート層を形成して、ハードコートシート4とした。
シートの厚みは1.0mmで、シート表面の鉛筆硬度は表面4H/裏面Fであり、スチールウール硬度は表面2/裏面2であった。
なお、このハードコートシート4は、本願請求項で規定される要件(基材樹脂のガラス転移温度が、硬質樹脂のガラス転移温度以上であるが、硬質樹脂のガラス転移温度に35℃加えた温度以下であり)を満たしている。更に、本発明の要件を満たすためには、二次元曲げする際に、90〜135℃の温度範囲でハードコートシートを加熱する必要がある。
該基材樹脂の押出機として、バレル直径65mm、スクリュウのL/D=35を用い、シリンダー温度を240℃とした。
紫外線吸収剤配合の核水添MS樹脂の押出機として、バレル直径32mm、スクリュウのL/D=32を用い、シリンダー温度を250℃とした。
ダイヘッド内温度は260℃とし、ダイ内で積層一体化された樹脂は、鏡面仕上げされた3本のポリッシングロールに導かれ、1番ロール温度110℃、2番ロール温度140℃、3番ロール温度180℃に設定した。
最初に流入するロール間隔にて、バンクを形成した後、2番、3番ロールを通過させる方法にて共押出シートを製造した。
比較例1
ハードコートシート1に対し、曲げ加工温度を100℃にした状態で二次元曲げ加工を行った。その結果、シートは賦形せずにクラックが発生した。
ハードコートシート1に対し、曲げ加工温度を110℃にした状態で二次元曲げ加工を行った。その結果、シートは賦形せずにクラックが発生した。
ハードコートシート1に対し、曲げ加工温度を120℃にした状態で二次元曲げ加工を行った。その結果、シートは賦形したが、クラックが発生した。
比較例4
ハードコートシート2に対し、曲げ加工温度を100℃にした状態で二次元曲げ加工を行った。その結果、シートは賦形しなかった。
ハードコートシート2に対し、曲げ加工温度を110℃にした状態で二次元曲げ加工を行った。その結果、シートは曲率不足だった。
ハードコートシート2に対し、曲げ加工温度を120℃にした状態で二次元曲げ加工を行った。その結果、シートは賦形し、クラックは発生しなかった。
ハードコートシート2に対し、曲げ加工温度を140℃にした状態で二次元曲げ加工を行った。その結果、シートは賦形したが、クラックが発生した。
比較例7
ハードコートシート3に対し、曲げ加工温度を80℃にした状態で二次元曲げ加工を行った。その結果、シートは曲率不足だった。
ハードコートシート3に対し、曲げ加工温度を100℃にした状態で二次元曲げ加工を行った。その結果、シートは賦形し、クラックは発生しなかった。
ハードコートシート3に対し、曲げ加工温度を110℃にした状態で二次元曲げ加工を行った。その結果、シートは賦形し、クラックは発生しなかった。
ハードコートシート3に対し、曲げ加工温度を120℃にした状態で二次元曲げ加工を行った。その結果、シートは賦形したが、クラックが発生した。
比較例9
ハードコートシート4に対し、曲げ加工温度を80℃にした状態で二次元曲げ加工を行った。その結果、シートは曲率不足だった。
ハードコートシート4に対し、曲げ加工温度を100℃にした状態で二次元曲げ加工を行った。その結果、シートは賦形し、クラックは発生しなかった。
ハードコートシート4に対し、曲げ加工温度を110℃にした状態で二次元曲げ加工を行った。その結果、シートは賦形し、クラックは発生しなかった。
ハードコートシート4に対し、曲げ加工温度を120℃にした状態で二次元曲げ加工を行った。その結果、シートは賦形し、クラックは発生しなかった。
ハードコートシート4に対し、曲げ加工温度を140℃にした状態で二次元曲げ加工を行った。その結果、シートは賦形したが、クラックが発生した。
Claims (6)
- 基材樹脂上に硬質樹脂を有し、更に該硬質樹脂上にハードコート層を有するハードコートシートを加熱加圧下にて二次元曲げして、二次元曲げされたハードコートシートを製造する方法であって、
前記硬質樹脂が、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと芳香族ビニルモノマーとを共重合して得られる共重合体の芳香環を水添してなる樹脂、2,2−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)アルカンを共重合した芳香族ポリカーボネート樹脂、または、芳香族ポリカーボネート樹脂に相溶性である芳香環を持つアクリルモノマーを共重合したアクリル樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂との組成物であり、
前記基材樹脂のガラス転移温度が、前記硬質樹脂のガラス転移温度以上であるが、前記硬質樹脂のガラス転移温度に35℃加えた温度以下であり、
二次元曲げする際に、前記硬質樹脂のガラス転移温度に10℃加えた温度よりも低く、かつ、前記基材樹脂のガラス転移温度から35℃引いた温度よりも高い温度範囲で、前記ハードコートシートを加熱することを特徴とする、前記製造方法。 - 前記硬質樹脂が、(メタ)アクリル樹脂、あるいは、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと芳香族ビニルモノマーとを共重合して得られる共重合体の芳香環を水添してなる樹脂であって、該硬質樹脂のガラス転移温度が100〜135℃の範囲である請求項1に記載の二次元曲げされたハードコートシートの製造方法。
- 前記基材樹脂が、芳香族ポリカーボネート樹脂、あるいは、芳香族ポリカーボネート樹脂とポリエチレンテレフタレートのエチレングリコール成分の少なくとも一部がシクロヘキサンジメタノールに変更された共重合ポリエステル樹脂との樹脂組成物であって、該基材樹脂のガラス転移温度が110〜155℃の範囲である請求項1または2に記載の二次元曲げされたハードコートシートの製造方法。
- 前記ハードコート層が、アクリル架橋皮膜またはシリコン架橋皮膜を形成する化合物を含む請求項1から3のいずれかに記載の二次元曲げされたハードコートシートの製造方法。
- 二次元曲げされる前のハードコートシートの鉛筆硬度が3H以上である請求項1から4のいずれかに記載の二次元曲げされたハードコートシートの製造方法。
- プレス機を用いて、ハードコートシートを二次元曲げする請求項1から5のいずれかに記載の二次元曲げされたハードコートシートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012135926A JP5988719B2 (ja) | 2012-06-15 | 2012-06-15 | 二次元曲げされたハードコートシートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012135926A JP5988719B2 (ja) | 2012-06-15 | 2012-06-15 | 二次元曲げされたハードコートシートの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014000688A JP2014000688A (ja) | 2014-01-09 |
JP5988719B2 true JP5988719B2 (ja) | 2016-09-07 |
Family
ID=50034340
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012135926A Active JP5988719B2 (ja) | 2012-06-15 | 2012-06-15 | 二次元曲げされたハードコートシートの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5988719B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6657875B2 (ja) * | 2015-12-03 | 2020-03-04 | 凸版印刷株式会社 | ハードコートフィルム、偏光板、および透過型液晶ディスプレイ |
CN110402192B (zh) | 2017-03-14 | 2021-12-24 | Dic株式会社 | 成型体的制造方法 |
CN108928075B (zh) | 2017-05-26 | 2019-12-31 | 住友化学株式会社 | 曲面状树脂层叠体 |
CN108973281B (zh) | 2017-05-26 | 2020-01-03 | 住友化学株式会社 | 树脂层叠体 |
US11370206B2 (en) | 2017-09-06 | 2022-06-28 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | High-hardness molding resin sheet and molded article using same |
KR102178559B1 (ko) * | 2018-01-12 | 2020-11-17 | 한국다이카텍(주) | 하드코팅 보호커버의 제조방법 및 이를 이용하여 제조된 보호커버 |
WO2020075619A1 (ja) | 2018-10-11 | 2020-04-16 | 三菱瓦斯化学株式会社 | ポリカーボネートシートのプレス成形体の製造方法 |
CN109483859B (zh) * | 2018-12-26 | 2021-06-04 | 业成科技(成都)有限公司 | 热成型凸模的制作方法 |
CN114502356B (zh) * | 2019-10-09 | 2023-12-26 | 帝人株式会社 | 弯曲构件的制造方法和用于热弯的带硬涂层的聚碳酸酯树脂层叠体 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4430313B2 (ja) * | 2002-04-22 | 2010-03-10 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 透明な樹脂積層体及びそれを用いた成形品 |
JP4037437B2 (ja) * | 2005-05-10 | 2008-01-23 | 大日本インキ化学工業株式会社 | 熱成形用シートの成形方法および成形装置 |
JP4971218B2 (ja) * | 2008-02-20 | 2012-07-11 | 三菱樹脂株式会社 | 成形用樹脂シート及び成形体 |
JP2010234640A (ja) * | 2009-03-31 | 2010-10-21 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 多層フィルム |
-
2012
- 2012-06-15 JP JP2012135926A patent/JP5988719B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014000688A (ja) | 2014-01-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5988719B2 (ja) | 二次元曲げされたハードコートシートの製造方法 | |
JP6571528B2 (ja) | 透明樹脂積層体 | |
KR102159523B1 (ko) | 합성 수지 적층체 | |
JP6311229B2 (ja) | 成形体の製造方法、および成形体 | |
JP5861414B2 (ja) | 射出成形同時積層用フィルム及び成形品、並びにそれらの製造方法 | |
KR102445018B1 (ko) | 2단 경화성 적층판 | |
JP6558189B2 (ja) | ハードコート層付ポリカーボネート成形品の製造方法 | |
JP6078258B2 (ja) | 透明多層シート | |
KR102368754B1 (ko) | 합성 수지 적층체 | |
JP2014141088A (ja) | 成形用樹脂積層体、および成形体 | |
JP6128854B2 (ja) | 空気圧成形品の製造法 | |
JP2015104883A (ja) | 熱成形体および熱成形体の製造方法 | |
JP2015104881A (ja) | 熱成形体および熱成形体の製造方法 | |
JP2017177647A (ja) | 転写用ハードコートフィルム、基材フィルム付ハードコート層積層体、及びハードコート層積層体の製造方法 | |
JP2006330290A (ja) | 反射光線のゆらぎを防止可能な銘板作製用積層体 | |
JP2014180807A (ja) | 保護フィルム付樹脂積層体 | |
JP2015020288A (ja) | 耐擦傷性樹脂積層体 | |
WO2014104334A1 (ja) | 成形用樹脂積層体、および成形体 | |
JP5741587B2 (ja) | 合成樹脂積層体 | |
JP2014205342A (ja) | 成形体、およびその製造方法 | |
JP2014012366A (ja) | 高弾性透明樹脂積層体の製造方法 | |
CN114174041A (zh) | 成型用树脂片和使用其的成型品 | |
WO2014109372A1 (ja) | 成形体、およびその製造方法 | |
WO2014109373A1 (ja) | 成形体、およびその製造方法 | |
CN116761709A (zh) | 树脂片材的弯曲成型品的制造方法和弯曲成型品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150414 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160114 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160119 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160309 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160802 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160809 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5988719 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |