JP5988719B2 - 二次元曲げされたハードコートシートの製造方法 - Google Patents

二次元曲げされたハードコートシートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、携帯電話端末、パソコン、タブレット型PC、カーナビなど表示面の構成部品などに好適な新規な二次元曲げされたハードコートシート及びその製造方法に関する。
計器カバーなどの自動車内装品や家電、OA機器、パーソナルコンピュータ、小型携帯機器などの表示面の構成部品には、ガラス板、透明樹脂板などが使用され、これを保持する枠部品などに樹脂製の成形体が用いられている。これらは、適宜、金属調、木目調などの意匠が形成された加飾シートを一体化した加飾成形体として用いられている。
成形体と、加飾シートなどの特定の機能を付与したシートとを一体化させる方法としては、(1)特定の機能として、ハードコート層などをもつシートを特に予備成形することなく射出成形金型に装着し、溶融樹脂を射出して射出成形体を形成すると同時にその成形体にシートを貼り合わせる方法、
(2)熱成形(真空成形、圧空成形、真空圧空成形等)などを可能とした加飾シートを予備成形にて特定形状を付与し、これを射出成形金型にセットし、溶融樹脂を射出して、射出成形体を形成すると同時に予備成形加飾シートと一体化させる方法、などが用いられている。また、(3)成形体表面に被覆を施す方法(三次元表面加飾成形)も提案されている。
加飾シートとしては、たとえばアクリル系樹脂などを用い、適宜、ハードコートしたものの裏面に印刷等の意匠層、更にフィルムを貼り合わせたものなどが用いられている。
たとえば、特許文献1には、表面側から順に、透明アクリル系樹脂シート層、絵柄印刷インキ層、ABS樹脂シート層及びABS樹脂バッカー層が積層された化粧シートが開示されている。特許文献2には、ポリカーボネート樹脂層の表面にメタクリル樹脂およびアクリルゴム粒子からなる層が積層されてなる多層フィルムの一方の面に加飾を施し、その加飾面に熱可塑性樹脂シートを積層した加飾シート、または、その加飾面に熱可塑性樹脂を射出成形した加飾成形品が開示されている。
前記の加飾シートに代えて、特許文献3には、熱硬化型もしくは紫外線硬化型のハードコート層を設けたシートを用いる射出成形品が開示されている。
また、特許文献4には、基材シート或いはフィルムの片面に特定組成のハードコート塗料を用いて形成した層を有する熱成形がある程度まで可能で、適宜、裏面に意匠を付与したハードコートシート或いは加飾シートが開示されている。
このような加飾シート或いはハードコートシートは、保護層側(熱可塑性樹脂シート側)にて射出成形体と一体化され、加飾或いはハードコート成形体とされる。
該加飾成形体においては、透明樹脂シートが表面に配置され、該透明樹脂シートを通して意匠層を視認できるようになっている。
他方、携帯電話端末などに用いられるタッチパネル型表示面の構成部品には、射出成形樹脂からなる枠部品に、透明シート、特に、ガラス板を両面粘着テープなどで接着したものが用いられている。
これは、タッチパネル面は、応答速度の点などから板厚みは薄いものほど好ましく、強度の点からはある程度以上の厚さが必要であり、高弾性率の材料が選択される。また、耐擦り傷性や指紋ふき取り性なども必須となる。
また、特許文献5は、ポリカーボネート系樹脂組成物を主成分とする基材層の片面に、アクリル系樹脂を主成分とする被覆層を備えた積層シートを開示するが、ハードコート層を有するものではないため、表面硬度の高いハードコート層を表面に持つ透明樹脂板を曲げ加工する際の問題点を扱うものではない。
特開2001−334609号公報 特開2009−234184号公報 特公平4−40183号公報 特開2010−284910号公報 特開2009−196153号公報
本発明は、パソコン、携帯電話、カーナビなどの表示面の構成部品などに好適な、特に端部に曲げ部を持つハードコートシートを提供することを課題とする。
表示面の構成部品は、ガラス板などの透明板があり、それに代えて、透明樹脂板、例えば、ハードコート層を両面に持つ芳香族ポリカーボネートシートなどがある。
透明樹脂板のハードコート層は可能な限りガラス板に近い耐擦り傷性や指紋ふき取り性などが要求される。このため、表面硬度の高いハードコート層を表面に持つ透明樹脂板の場合、通常、曲げ加工を行うとハードコート層に亀裂が入るため、曲げ部分のある用途には使用されていない。
表面硬度の高いハードコート層を表面に持つ透明樹脂板は、通常のガラス板に比較して優れた耐衝撃性を持ち、また、通常のガラス板よりも曲げ易いものであり少しの曲げで割れることはない。樹脂板の場合、このことは、限度はあるがある程度の柔軟性をハードコート層がもつことによると思われる。
また表面硬度を高くするためには、ハードコート塗布面にアクリル系樹脂を積層させたポリカーボネート樹脂板が有効であり、これは同じハードコートを塗布しても基材がポリカーボネート単層板であると弾性率が低いために座屈してしまう為である。
そこで亀裂のない曲げ品を得るために、樹脂材料、その層構成、曲げ条件などに関して種々検討し、試験した。この結果、ハードコート層以外に2層で構成された硬質樹脂と基材樹脂のTg差を小さくして、ある範囲の加工温度で加工する事により、限度はあるが特定の曲率半径までの二次元曲げ品が製造できることを見出し、これに基づいて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
<1> 基材樹脂上に硬質樹脂を有し、更に該硬質樹脂上にハードコート層を有するハードコートシートを加熱加圧下にて二次元曲げして、二次元曲げされたハードコートシートを製造する方法であって、
前記基材樹脂のガラス転移温度が、前記硬質樹脂のガラス転移温度以上であるが、前記硬質樹脂のガラス転移温度に35℃加えた温度以下であり、
二次元曲げする際に、前記硬質樹脂のガラス転移温度に10℃加えた温度よりも低く、かつ、前記基材樹脂のガラス転移温度から35℃引いた温度よりも高い温度範囲で、前記ハードコートシートを加熱することを特徴とする、前記製造方法である。
<2> 前記硬質樹脂が、(メタ)アクリル樹脂、あるいは、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと芳香族ビニルモノマーとを共重合して得られる共重合体の芳香環を水添してなる樹脂、であって、該硬質樹脂のガラス転移温度が100〜135℃の範囲である上記<1>に記載の二次元曲げされたハードコートシートの製造方法である。
<3> 前記基材樹脂が、芳香族ポリカーボネート樹脂、あるいは、芳香族ポリカーボネート樹脂とポリエチレンテレフタレートのエチレングリコール成分の少なくとも一部がシクロヘキサンジメタノールに変更された共重合ポリエステル樹脂との樹脂組成物であって、該基材樹脂のガラス転移温度が110〜155℃の範囲である上記<1>または<2>に記載の二次元曲げされたハードコートシートの製造方法である。
<4> 前記ハードコート層が、アクリル架橋皮膜またはシリコン架橋皮膜を形成する化合物を含む上記<1>から<3>のいずれかに記載の二次元曲げされたハードコートシートの製造方法である。
<5> 二次元曲げされる前のハードコートシートの鉛筆硬度が3H以上である上記<1>から<4>のいずれかに記載の二次元曲げされたハードコートシートの製造方法である。
<6> プレス機を用いて、ハードコートシートを二次元曲げする上記<1>から<5>のいずれかに記載の二次元曲げされたハードコートシートの製造方法である。
<7> 二次元曲げされたハードコートシートであって、
該ハードコートシートが、基材樹脂上に硬質樹脂を有し、更に該硬質樹脂上にハードコート層を有し、
前記基材樹脂のガラス転移温度が、前記硬質樹脂のガラス転移温度以上であるが、前記硬質樹脂のガラス転移温度に35℃加えた温度以下であることを特徴とする、前記二次元曲げされたハードコートシートである。
<8> 前記硬質樹脂が、(メタ)アクリル樹脂、あるいは、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと芳香族ビニルモノマーとを共重合して得られる共重合体の芳香環を水添してなる樹脂であって、該硬質樹脂のガラス転移温度が100〜135℃の範囲である上記<7>に記載の二次元曲げされたハードコートシートである。
<9> 前記基材樹脂が、芳香族ポリカーボネート樹脂、あるいは、芳香族ポリカーボネート樹脂とポリエチレンテレフタレートのエチレングリコール成分の少なくとも一部がシクロヘキサンジメタノールに変更された共重合ポリエステル樹脂との樹脂組成物であって、該基材樹脂のガラス転移温度が110〜155℃の範囲である上記<7>または<8>に記載の二次元曲げされたハードコートシートである。
<10> 前記ハードコート層が、アクリル架橋皮膜またはシリコン架橋皮膜を形成する化合物を含む上記<7>から<9>のいずれかに記載の二次元曲げされたハードコートシートである。
本発明により、二次元曲げされたハードコートシートを製造できるようになった。この結果、例えば、透明樹脂シートからなる平面部と連続した曲げ部をもつ構成部品が得られるので、新規なデザインや機能を有する製品を提供できるようになった。
図1は、本発明の二次元曲げされたハードコートシートを示す概略図である。 図2は、二次元曲げ用金型を用いてハードコートシートをプレスする状態を示す概略図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の第一の実施形態は、基材樹脂上に硬質樹脂を有し、更に該硬質樹脂上にハードコート層を有するハードコートシートを加熱加圧下にて二次元曲げして、二次元曲げされたハードコートシートを製造する方法であって、前記基材樹脂のガラス転移温度が、前記硬質樹脂のガラス転移温度以上であるが、前記硬質樹脂のガラス転移温度に35℃加えた温度以下であり、二次元曲げする際に、前記硬質樹脂のガラス転移温度に10℃加えた温度よりも低く、かつ、前記基材樹脂のガラス転移温度から35℃引いた温度よりも高い温度範囲で、前記ハードコートシートを加熱することを特徴とする、前記製造方法である。
本発明の第一の実施形態により、従来技術では達成できなかった二次元曲げされたハードコートシートを製造できる。
即ち、本発明の第二の実施形態は、二次元曲げされたハードコートシートであって、該ハードコートシートが、基材樹脂上に硬質樹脂を有し、更に該硬質樹脂上にハードコート層を有し、前記基材樹脂のガラス転移温度が、前記硬質樹脂のガラス転移温度以上であるが、前記硬質樹脂のガラス転移温度に35℃加えた温度以下であることを特徴とする、前記二次元曲げされたハードコートシートである。
本発明の二次元曲げされたハードコートシートは、透明樹脂シートであり、新規な機能やデザインの表示面構成部品などとして好ましいものである。
また、表示面の周囲に相当する部分には、適宜、意匠性印刷などが形成される。
そして、所望の形状に加工して用いられる。形状加工性の点から、打ち抜き性を有するものがより好ましい。
さらに、本発明においては、特定の条件範囲にて加工する。したがって、必要とされる物性値の要求から、この条件範囲がより広くなる組み合わせを選択する。
本発明の透明樹脂シートに用いる基材樹脂としては、芳香族ポリカーボネート、ポリアミド樹脂、芳香族ポリカーボネートと脂環式ポリエステル樹脂との樹脂組成物、及び芳香族ポリカーボネートと芳香環を持つアクリルモノマーを共重合したアクリル樹脂との樹脂組成物、並びにこれらの混合物から選択される透明樹脂が挙げられる。これらの中でも、レンズ用として用いられている樹脂が好ましく、芳香族ポリカーボネート、及び芳香族ポリカーボネートと脂環式ポリエステル樹脂との樹脂組成物が特に好ましい。
基材樹脂として用いられる芳香族ポリカーボネート樹脂(PC)としては、フィルム強度、耐熱性、耐久性あるいは曲げ加工性の点から、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンや2,2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジハロゲノフェニル)アルカンで代表されるビスフェノール化合物から周知の方法で製造された重合体が好ましく、その重合体骨格に脂肪酸ジオールに由来する構造単位やエステル結合を持つ構造単位が含まれても良く、特に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導される芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましい。
芳香族ポリカーボネート樹脂(PC)と混合される脂環式ポリエステル樹脂は、例えばポリエチレンテレフタレートのエチレングリコール成分の少なくとも一部がシクロヘキサンジメタノールに変更された共重合ポリエステルである。置換割合によって分類され50mol%未満はPETG、50〜100mol%未満はPCTG、100mol%はPCTAに分類される。そのいずれを選択しても構わないが透明性という観点からはPCTGが好適である。
このような脂環式ポリエステル樹脂として、PETG(GN001)、PCTG(DN001)、PCTA(AN004)(EASTMAN CHEMICAL製)が一例として挙げられるが、これらに限定されるものではない。
芳香族ポリカーボネート樹脂(PC)と混合される芳香環を持つアクリルモノマーを共重合したアクリル樹脂は、例えば芳香族(メタ)アクリレート5〜80質量%とメチルメタクリレート20〜95質量%とから得られる共重合アクリル樹脂である。このような共重合アクリル樹脂として、メタブレンH880(三菱レイヨン(株)製)が一例として挙げられるが、これに限定されるものではない。
基材樹脂として用いられるポリアミド樹脂は、レンズ用透明ポリアミド樹脂として公知のものが挙げられ、耐熱性の一指標である熱変形温度が100〜170℃の範囲であり、芳香族ポリアミド樹脂、脂環族ポリアミド樹脂、脂肪族ポリアミド樹脂、並びに、これらの共重合体が挙げられ、機械的強度、耐薬品性、透明性等のバランスから脂環式ポリアミド樹脂は好ましいものであるが、2種以上のポリアミド樹脂を組み合わせてもよい。このようなポリアミド樹脂の例として、GLILAMID TR FE5577、XE 3805(EMS製)、NOVAMID X21(三菱エンジニアリングプラスチックス製)、東洋紡ナイロン T−714E(東洋紡製)があるが、これらに限定されない。
本発明に用いられる基材樹脂のガラス転移温度は、後述する硬質樹脂のガラス転移温度以上であるが、該硬質樹脂のガラス転移温度に35℃加えた温度以下であり、好ましくは、該硬質樹脂のガラス転移温度に20℃加えた温度以下である。本発明で用いられる基材樹脂のガラス転移温度は、好ましくは110〜155℃の範囲である。
本発明の透明樹脂シートに用いる硬質樹脂(基材樹脂の片面或いは両面に形成する硬質樹脂)としては、(メタ)アクリル樹脂(PMMA)、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと芳香族ビニルモノマーとを共重合して得られる共重合体の芳香環を水添してなる樹脂(以下、「核水添MS樹脂」と記す)、2,2−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)アルカンを共重合した芳香族ポリカーボネート樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂に相溶性である芳香環を持つアクリルモノマーを共重合したアクリル樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂との組成物などが例示され、これらは耐候性の改良から通常、紫外線吸収剤を配合した組成物として用いる。これらの中で、(メタ)アクリル系樹脂(PMMA)及び核水添MS樹脂が好ましい。
本発明で用いられる硬質樹脂のガラス転移温度は、好ましくは100〜135℃の範囲である。
また、芳香族ポリカーボネート樹脂に相溶性である芳香環を持つアクリルモノマーを共重合したアクリル樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂との組成物に関しては、耐候性が必要でない基材樹脂として用いることも可能である。
硬質樹脂として用いられる(メタ)アクリル樹脂(PMMA)は、メチルメタクリレート(MMA)に代表される各種(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体、またはMMAと他の1種以上の単量体との共重合体が好ましく、さらにそれらの樹脂の複数種が混合されたものでもよい。これらのなかでも、低複屈折性、低吸湿性、耐熱性に優れた環状アルキル構造を含む(メタ)アクリレートが好ましい。以上のような(メタ)アクリル樹脂の例として、アクリペット(三菱レイヨン製)、デルペット(旭化成ケミカルズ製)、パラペット(クラレ製)があるが、これらに限定されない。
本発明では、二次元曲げする際に、硬質樹脂のガラス転移温度に10℃加えた温度よりも低く、かつ、基材樹脂のガラス転移温度から35℃引いた温度よりも高い温度範囲で、ハードコートシートを加熱する。
例えば、硬質樹脂として、ガラス転移温度が105℃の(メタ)アクリル樹脂を選択する場合、基材樹脂のガラス転移温度が、105℃から140℃の範囲である基材樹脂を選択する。例えば、基材樹脂として、ガラス転移温度が125℃である、芳香族ポリカーボネート樹脂と脂環式ポリエステル樹脂との樹脂組成物を用いる場合、二次元曲げする際に、硬質樹脂のガラス転移温度に10℃加えた温度(即ち115℃)よりも低く、かつ、基材樹脂のガラス転移温度から35℃引いた温度(即ち90℃)よりも高い温度範囲(即ち90〜115℃)で、ハードコートシートを加熱する。
本発明のシート及び多層シートは、通常、押出法或いは共押出法により製造され、厚みは0.3mm〜1.5mmの範囲から適宜選択される。
多層シートにおいて、片面或いは両面に形成する硬質樹脂層の厚みは、好ましくは0.03mm〜0.1mmから選択する。薄すぎると鉛筆硬度などが低くなり好ましくなく、厚すぎても鉛筆硬度などの硬度をより高める効果がなく、特性低下につながるので好ましくない。
本発明における基材樹脂を含む層の厚みは、好ましくは0.5〜1.2mmである。
そして、押し出し工程において、或いは、押し出しされた後に、ハードコートされる。本発明は、耐磨耗性や耐指紋性(指紋ふき取り性)に優れたものが好ましく、また、生産性の点から、打ち抜きにて所望形状に加工出来るものが特に好ましい。
本発明におけるハードコート層は、アクリル系、シリコン系、メラミン系、ウレタン系、エポキシ系等公知の架橋皮膜を形成する化合物を含有する。また、硬化方法も紫外線硬化、熱硬化、電子線硬化等公知の方法を用いることができる。これらの中で、表面側とする面には特に鉛筆硬度3H以上、又はスチールウール硬度2以上と出来るものが好ましく、アクリル系及びシリコン系が好ましいものとして例示され、特に、加工性と硬さとのバランスからアクリル系が好ましい。
ハードコート層の付与は、通常の方法で良く、ロールコート法などの塗布法、ディプ法、転写法などで形成する。通常、両面に形成され、表面層は硬くふき取り性の優れたものが選択され、裏面層は、取り扱いにおける傷発生や、後加工性の付与、例えば、印刷適性の付与などを目的とするものが選択され、表裏の塗料は適宜変更される。
本発明におけるハードコート層の厚みは、好ましくは3〜15μmである。
アクリル系としては、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基(アクリロイルオキシ基及び/またはメタクリロイルオキシ基の意、以下同じ)を有する架橋重合性化合物であって、各(メタ)アクリロイルオキシ基を結合する残基が炭化水素またはその誘導体であり、その分子内にはエーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合等を含むことができる。
シリコン系は、適宜、紫外線吸収剤などを配合した熱硬化性のポリオルガノシロキサンの組成物があげられる。ポリオルガノシロキサンは、一般式R Si(OR)4−nで表される通常のオルガノシランを加水分解、縮合して得られる加水分解物及び/又は部分縮合物としてなるものなどである。
また、表示部の周囲には、意匠を付与するために印刷層が適宜形成される。
前記のように、裏面側にもハードコート層を有するものが好ましい。印刷模様は、このハードコート層に強固に接着するものを選択する。
たとえばポリエステル系、ポリカーボネート系、アクリル系、ウレタン系の印刷インクを用いて印刷可能であり、特にハードコート層との密着性に問題がある場合は、プラズマやイオンエッチング、コロナ放電等の表面処理によって表面改質して密着力を高めることも可能である。
次に、前記ハードコートシートを用いて本発明の二次元曲げされたハードコートシートを製造する。
打ち抜き、切削などで所定形状としたシートを、通常、加熱加圧のプレス機に設けた曲げ金型にセットし、加熱加圧にて曲げ加工し、取り出す工程により、本発明の二次元曲げされたハードコートシートを製造する。
少なくとも曲げ部分の加熱温度は、前記の通り「硬質樹脂のガラス転移温度に10℃加えた温度よりも低く、かつ、基材樹脂のガラス転移温度から35℃引いた温度よりも高い温度範囲」である。好ましくは、「硬質樹脂のガラス転移温度に5℃加えた温度よりも低く、かつ、基材樹脂のガラス転移温度から30℃引いた温度よりも高い温度範囲」である。
まず、曲げ加工された部分の表面状態は、硬質樹脂(ハードコート付着面樹脂)の性状に大きく作用され、硬質樹脂のガラス転移温度に10℃加えた温度を超えると、まず、表面樹脂分子が動き始めるために「クラック発生」が始まり、更に温度が上がると「表面荒れ」が追加発生する。ゆえに、曲げ加工温度は、硬質樹脂のガラス転移温度に10℃加えた温度より低くする。その他部分は、直接的な曲げ応力などはないことからクラック発生などは通常はおきないと思われるが、硬質樹脂のガラス転移温度に10℃加えた温度より低いことが好ましいといえる。硬質樹脂のガラス転移温度に10℃加えた温度未満でより低温側となる場合には、硬質樹脂の性状は安定しており、特に問題はない。
次に、曲げ加工後の曲げ形状の保持は、基材樹脂のガラス転移温度に近いほど良好で、成形も容易で、より短時間で可能となる。逆に、基材樹脂のガラス転移温度から35℃引いた温度に近いほど曲げ形状の保持性は悪化するので、より長時間、高圧での成形が好ましいこととなる。
硬質樹脂のガラス転移温度と基材樹脂のガラス転移温度との差が35℃を超えると、良好に二次元曲げできる加熱温度の範囲が狭くなるため安定製造上支障が生じる。
上記は、2つ割れの曲げ金型の温度は両者共に同じに設定した場合であるが、金型温度を曲面の凸側と、凹側とで変えることにより、冷却後の曲率を制御すること、所定形状としたシートを曲げ温度或いはその近傍まで予備加熱して、曲げ加工すること、など適宜、実施できる。なお、通常、用いる両面ハードコートシートにも、少なくとも片面に保護フィルムが張られたものとして入手される。この保護フィルムの種類によっては、耐熱性が不足し、曲げ加工時の熱により軟化、皺発生などして、これがシート表面を劣化させる場合があるので、保護フィルムも耐熱性が100℃以上のポリプロピレン系、PET系保護フィルムが好ましい。
所定温度の金型にセットして曲げ加工を行う場合、小型のものでは全体加熱となり特に問題はないが、大型のものや曲げ部分が端部のみの場合には、曲げ部分のみ上記の条件とすれば曲げ加工できるが、非加熱部分との間に歪みが発生するので、曲げ加工しない部分も、曲げ部分との温度差を20℃以内とすることが好ましい。
上記により、本発明の二次元曲げされたハードコートシートを製造する。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
曲率R40の二次元曲げ用金型を用い、熱プレス(5TON)による曲げ試験を行った。
曲げ試験片は、下記の三菱ガス化学(株)製の両面ハードコートを有する市販品のハードコートシート1及び2と、下記の構成を有するハードコートシート3及び4を用い、サイズ210×297(mm)で、その端部40mmの部分に曲げ部分を形成するように加工した。
<ガラス転移温度の測定方法>
パーキンエルマー社製示差走査熱量計DSC−7型を用いて、窒素雰囲気下、−40℃で1分間保持後、10℃/分の昇温速度下で測定し、得られたDSC曲線の微分の極大値となる温度をガラス転移温度として求めた。
<鉛筆硬度>
JIS K5400に準拠し、750g荷重で、ハードコートシート1〜4の表面における鉛筆硬度を測定した。
<スチールウール硬度>
スチールウール(等級#0000)に1000gの荷重をかけ、ハードコートシート1〜4の表面におけるスチールウール硬度を測定し、以下のように評価した。
スチールウール硬度1:1000gの荷重にて15往復にて、傷なし。
〃 2: 〃 にて、傷3本以下。
〃 3: 〃 にて、傷10本以下。
ハードコートシート1
三菱ガス化学(株)製の市販品であるMR58(製品名)をハードコートシート1として用いた。このシートは、基材樹脂であるビスフェノールA−ポリカーボネート(ガラス転移温度が150℃)上に、硬質樹脂であるPMMA(ガラス転移温度が105℃)を有し、両面に紫外線硬化アクリル系からなるハードコート層を有している。シートの厚みは1.0mmで、シート表面の鉛筆硬度は表面4H/裏面Fであり、スチールウール硬度は表面2/裏面2であった。
なお、このハードコートシート1は、本願請求項で規定される要件(基材樹脂のガラス転移温度が、硬質樹脂のガラス転移温度以上であるが、硬質樹脂のガラス転移温度に35℃加えた温度以下であり)を満たしていない。
ハードコートシート2
基材樹脂であるビスフェノールA−ポリカーボネート(ガラス転移温度が150℃)上に、硬質樹脂である核水添MS樹脂(ガラス転移温度が125℃)を有し、両面に紫外線硬化型アクリル系からなるハードコート層を有しているシートをハードコートシート2として用いた。シートの厚みは1.0mmで、シート表面の鉛筆硬度は表面4H/裏面Fであり、スチールウール硬度は表面2/裏面2であった。
なお、このハードコートシート2は、本願請求項で規定される要件(基材樹脂のガラス転移温度が、硬質樹脂のガラス転移温度以上であるが、硬質樹脂のガラス転移温度に35℃加えた温度以下であり)を満たしている。更に、本発明の要件を満たすためには、二次元曲げする際に、115〜135℃の温度範囲でハードコートシートを加熱する必要がある。
ハードコートシート3
ビスフェノールA−ポリカーボネートと共重合ポリエステルとの重量比が7:3である樹脂組成物(ガラス転移温度が120℃)を基材樹脂とし、その上にPMMA(ガラス転移温度が105℃)を硬質樹脂として形成し、両面に紫外線硬化型アクリル系からなるハードコート層を形成して、ハードコートシート3とした。
該基材樹脂の押出機として、バレル直径65mm、スクリュウのL/D=35を用い、シリンダー温度を280℃とした。
紫外線吸収剤配合のPMMAの押出機として、バレル直径32mm、スクリュウのL/D=32を用い、シリンダー温度を250℃とした。
更に詳しく製法を説明すると、ポリカーボネート樹脂としてビスフェノールA−ポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名:ユーピロンE−2000)とPCTA系共重合ポリエステル樹脂(EASTMAN CHEMICAL(株)製、商品名;CODAR AN004)とを重量比で7:3の割合でドライブレンドしたペレットを用いた基材樹脂とPMMA(硬質樹脂)2種類の樹脂を同時に溶融押出し、積層する際にはフィードブロックを使用し片面に上記のPMMAを積層した。
ダイヘッド内温度は260℃とし、ダイ内で積層一体化された樹脂は、鏡面仕上げされた3本のポリッシングロールに導かれ、1番ロール温度110℃、2番ロール温度140℃、3番ロール温度180℃に設定した。
最初に流入するロール間隔にて、バンクを形成した後、2番、3番ロールを通過させる方法にて共押出シートを製造した。
1.0mm厚共押出シート(PMMA層厚み0.06mm)を押出し、3本ロールの最終端部から4mのところで、表面温度80℃の共押出シートのポリメタクリレート樹脂面と100μm厚のPETフィルムの間に、下記に示した配合比率にて混合した紫外線硬化型アクリル系ハードコート組成物を硬化後の塗膜が3〜5μmになるように挟み込み、圧着後、出力密度80W/cmの高圧水銀灯を用い、光源下12cmの位置でコンベアスピード1.5m/分の条件で紫外線を照射して硬化し、硬化後PETフィルムを剥離し、上記樹脂積層体を得た。
<紫外線硬化型アクリル系ハードコート組成物>
トリス(アクロキシエチル)イソシアヌレート(品名;GX-8430、第一工業製薬(株)製)55重量部、ジプロピレングリコールジアクリレート(品名;Actilane422、Acros Chemicals 製)15重量部及びトリロチロールプロパントリアクリレート(品名;TMP-3、第一工業製薬(株)製)30重量部に、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(ビ−・エ−・エス・エフ ジャパン(株)製)3重量部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン(品名;Irgacure184:チバ・スペシャリティケミカルズ(株)製)1重量部、及び紫外線吸収剤:2−(ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール(品名;チヌビン-PS、チバ・スペシャリティケミカルズ(株)製)3重量部を配合し、均一に混合して紫外線硬化型の組成物を調製した。
シートの厚みは1.0mmで、シート表面の鉛筆硬度は表面4H/裏面Fであり、スチールウール硬度は表面2/裏面2であった。
なお、このハードコートシート3は、本願請求項で規定される要件(基材樹脂のガラス転移温度が、硬質樹脂のガラス転移温度以上であるが、硬質樹脂のガラス転移温度に35℃加えた温度以下であり)を満たしている。更に、本発明の要件を満たすためには、二次元曲げする際に、85〜115℃の温度範囲でハードコートシートを加熱する必要がある。
ハードコートシート4
ビスフェノールA−ポリカーボネートと芳香環を持つアクリルモノマーを共重合したアクリル樹脂との重量比が7:3である樹脂組成物(ガラス転移温度が125℃)を基材樹脂とし、その上に核水添MS樹脂(ガラス転移温度が125℃)を硬質樹脂として形成し、両面に紫外線硬化型アクリル系からなるハードコート層を形成して、ハードコートシート4とした。
シートの厚みは1.0mmで、シート表面の鉛筆硬度は表面4H/裏面Fであり、スチールウール硬度は表面2/裏面2であった。
なお、このハードコートシート4は、本願請求項で規定される要件(基材樹脂のガラス転移温度が、硬質樹脂のガラス転移温度以上であるが、硬質樹脂のガラス転移温度に35℃加えた温度以下であり)を満たしている。更に、本発明の要件を満たすためには、二次元曲げする際に、90〜135℃の温度範囲でハードコートシートを加熱する必要がある。
該基材樹脂の押出機として、バレル直径65mm、スクリュウのL/D=35を用い、シリンダー温度を240℃とした。
紫外線吸収剤配合の核水添MS樹脂の押出機として、バレル直径32mm、スクリュウのL/D=32を用い、シリンダー温度を250℃とした。
更に詳しく製法を説明すると、ポリカーボネート樹脂としてビスフェノールA−ポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名:ユーピロンE−2000)と芳香環を持つアクリルモノマーを共重合したアクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製、商品名;メタブレンH880)を重量比で7:3の割合でドライブレンドしたペレットを用いた基材樹脂と核水添MS樹脂(硬質樹脂)2種類の樹脂を同時に溶融押出し、積層する際にはフィードブロックを使用し片面に上記の核水添MS樹脂を積層した。
ダイヘッド内温度は260℃とし、ダイ内で積層一体化された樹脂は、鏡面仕上げされた3本のポリッシングロールに導かれ、1番ロール温度110℃、2番ロール温度140℃、3番ロール温度180℃に設定した。
最初に流入するロール間隔にて、バンクを形成した後、2番、3番ロールを通過させる方法にて共押出シートを製造した。
1.0mm厚共押出シート(核水添MS樹脂層厚み0.06mm)を押出し、3本ロールの最終端部から4mのところで、表面温度80℃の共押出シートのポリメタクリレート樹脂面と100μm厚のPETフィルムの間に、上記に示した配合比率にて混合した紫外線硬化型アクリル系ハードコート組成物を硬化後の塗膜が3〜5μmになるように挟み込み、圧着後、出力密度80W/cmの高圧水銀灯を用い、光源下12cmの位置でコンベアスピード1.5m/分の条件で紫外線を照射して硬化し、硬化後PETフィルムを剥離し、上記樹脂積層体を得た。
<ハードコートシート1を用いた試験>
比較例1
ハードコートシート1に対し、曲げ加工温度を100℃にした状態で二次元曲げ加工を行った。その結果、シートは賦形せずにクラックが発生した。
比較例2
ハードコートシート1に対し、曲げ加工温度を110℃にした状態で二次元曲げ加工を行った。その結果、シートは賦形せずにクラックが発生した。
比較例3
ハードコートシート1に対し、曲げ加工温度を120℃にした状態で二次元曲げ加工を行った。その結果、シートは賦形したが、クラックが発生した。
<ハードコートシート2を用いた試験>
比較例4
ハードコートシート2に対し、曲げ加工温度を100℃にした状態で二次元曲げ加工を行った。その結果、シートは賦形しなかった。
比較例5
ハードコートシート2に対し、曲げ加工温度を110℃にした状態で二次元曲げ加工を行った。その結果、シートは曲率不足だった。
実施例1
ハードコートシート2に対し、曲げ加工温度を120℃にした状態で二次元曲げ加工を行った。その結果、シートは賦形し、クラックは発生しなかった。
比較例6
ハードコートシート2に対し、曲げ加工温度を140℃にした状態で二次元曲げ加工を行った。その結果、シートは賦形したが、クラックが発生した。
<ハードコートシート3を用いた試験>
比較例7
ハードコートシート3に対し、曲げ加工温度を80℃にした状態で二次元曲げ加工を行った。その結果、シートは曲率不足だった。
実施例2
ハードコートシート3に対し、曲げ加工温度を100℃にした状態で二次元曲げ加工を行った。その結果、シートは賦形し、クラックは発生しなかった。
実施例3
ハードコートシート3に対し、曲げ加工温度を110℃にした状態で二次元曲げ加工を行った。その結果、シートは賦形し、クラックは発生しなかった。
比較例8
ハードコートシート3に対し、曲げ加工温度を120℃にした状態で二次元曲げ加工を行った。その結果、シートは賦形したが、クラックが発生した。
<ハードコートシート4を用いた試験>
比較例9
ハードコートシート4に対し、曲げ加工温度を80℃にした状態で二次元曲げ加工を行った。その結果、シートは曲率不足だった。
実施例4
ハードコートシート4に対し、曲げ加工温度を100℃にした状態で二次元曲げ加工を行った。その結果、シートは賦形し、クラックは発生しなかった。
実施例5
ハードコートシート4に対し、曲げ加工温度を110℃にした状態で二次元曲げ加工を行った。その結果、シートは賦形し、クラックは発生しなかった。
実施例6
ハードコートシート4に対し、曲げ加工温度を120℃にした状態で二次元曲げ加工を行った。その結果、シートは賦形し、クラックは発生しなかった。
比較例10
ハードコートシート4に対し、曲げ加工温度を140℃にした状態で二次元曲げ加工を行った。その結果、シートは賦形したが、クラックが発生した。

Claims (6)

  1. 基材樹脂上に硬質樹脂を有し、更に該硬質樹脂上にハードコート層を有するハードコートシートを加熱加圧下にて二次元曲げして、二次元曲げされたハードコートシートを製造する方法であって、
    前記硬質樹脂が、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと芳香族ビニルモノマーとを共重合して得られる共重合体の芳香環を水添してなる樹脂、2,2−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)アルカンを共重合した芳香族ポリカーボネート樹脂、または、芳香族ポリカーボネート樹脂に相溶性である芳香環を持つアクリルモノマーを共重合したアクリル樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂との組成物であり、
    前記基材樹脂のガラス転移温度が、前記硬質樹脂のガラス転移温度以上であるが、前記硬質樹脂のガラス転移温度に35℃加えた温度以下であり、
    二次元曲げする際に、前記硬質樹脂のガラス転移温度に10℃加えた温度よりも低く、かつ、前記基材樹脂のガラス転移温度から35℃引いた温度よりも高い温度範囲で、前記ハードコートシートを加熱することを特徴とする、前記製造方法。
  2. 前記硬質樹脂が、(メタ)アクリル樹脂、あるいは、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと芳香族ビニルモノマーとを共重合して得られる共重合体の芳香環を水添してなる樹脂であって、該硬質樹脂のガラス転移温度が100〜135℃の範囲である請求項1に記載の二次元曲げされたハードコートシートの製造方法。
  3. 前記基材樹脂が、芳香族ポリカーボネート樹脂、あるいは、芳香族ポリカーボネート樹脂とポリエチレンテレフタレートのエチレングリコール成分の少なくとも一部がシクロヘキサンジメタノールに変更された共重合ポリエステル樹脂との樹脂組成物であって、該基材樹脂のガラス転移温度が110〜155℃の範囲である請求項1または2に記載の二次元曲げされたハードコートシートの製造方法。
  4. 前記ハードコート層が、アクリル架橋皮膜またはシリコン架橋皮膜を形成する化合物を含む請求項1から3のいずれかに記載の二次元曲げされたハードコートシートの製造方法。
  5. 二次元曲げされる前のハードコートシートの鉛筆硬度が3H以上である請求項1から4のいずれかに記載の二次元曲げされたハードコートシートの製造方法。
  6. プレス機を用いて、ハードコートシートを二次元曲げする請求項1から5のいずれかに記載の二次元曲げされたハードコートシートの製造方法。
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