JP5988205B2 - グラフェンの製造方法 - Google Patents

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本発明は、欠陥が少なく結晶性に優れたグラフェンの製造方法に関するものである。
グラフェンは、炭素の六員環が2次元的に繰り返し配列した2次元炭素分子である。その構造や配列により、フラーレンやカーボンナノチューブをはじめとする種々の形状の構造体を構成する。グラフェンは、高速デバイス、透明電極、タッチパネル、大容量キャパシタ、電池の電極材料等、種々の応用分野が期待されている素材である。したがって、その構造や製造方法について、研究・開発が活発に行われてきている。
特許文献1には、グラファイトを酸化して酸化グラファイトを得る工程と、酸化グラファイトを溶媒に分散して遠心分離することにより酸化グラフェンを含む懸濁液を得る工程と、懸濁液を基板に流延塗布して流延物を形成してその流延物を還元してグラフェン膜を形成する工程と、を有するグラフェンを製造する方法が開示されている(特許文献1の請求項および段落[0023]等参照)。
特開2011−195363号公報
特許文献1に記載の方法では、工程数が多い。そのため、グラフェンの生産性は高くない。また、酸化反応および還元反応を用いているため、製造後のグラフェンの結晶性等の品質はそれほど高くない。
本発明は、前述した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは、欠陥が少なく結晶性に優れたグラフェンを簡易な工程により高い生産性で製造することのできるグラフェンの製造方法を提供することである。
第1の態様におけるグラフェンの製造方法は、アルコールに樟脳とテレビン油との少なくとも一方を混入して混合溶液を作成する溶液作成工程と、少なくとも一部を混合溶液の内部に配置した第1電極と混合溶液の外部に配置した第2電極との間にパルス電圧を印加するパルス電圧印加工程と、を有する。
このグラフェンの製造方法では、炭素の六員環を形成しやすい樟脳がアルコール中に溶けている。そして、パルス電圧を印加することにより、気液界面を挟んで対向して配置されている第1電極および第2電極の間で放電が生じる。パルス電圧を印加することにより十分に高いピーク電圧が生じる。そして、ピーク電圧の高さが十分であれば、それに続いてグロー放電が生じる。これらのピーク電圧とそれに続くグロー放電により、グラフェンが製造される。
第2の態様におけるグラフェンの製造方法では、アルコールとして、炭素数6以下のアルコールを含むもの用いる。炭素数6以下のアルコールも、炭素の六員環を形成しうるからである。
第3の態様におけるグラフェンの製造方法では、アルコールとして、エタノールを用いる。
第4の態様におけるグラフェンの製造方法では、第1電極は、溶液を収容するための底面および内側面を有する。一方、第2電極は、棒状電極部を有する。そして、棒状電極部の先端から底面までの距離は、棒状電極部の先端から内側面までの距離よりも短い。第2電極の棒状電極部の先端と、溶液を収容している第1電極の底面との間に、放電が生じるからである。ここで、内側面とは、斜面を含む。そして、底面と内側面とが連続している曲面形状のものも含む。曲面形状の場合には、底面とは溶液を収容したときに溶液の液面から最も遠い位置に位置している箇所をいう。内側面とは底面以外の面のことをいう。
本発明によれば、欠陥が少なく結晶性に優れたグラフェンを簡易な工程により高い生産性で製造することのできるグラフェンの製造方法が提供されている。
実施形態に係るグラフェン製造装置の概略構成図である。 実施形態に係るパルス電圧印加部の構成を示す図である。 パルス電圧の印加による放電電圧および放電電流の時間変化を示すグラフである。 実施形態に係るグラフェンの製造方法により製造されたグラフェンのTEM写真(樟脳無し)である。 実施形態に係るグラフェンの製造方法により製造されたグラフェンのTEM写真(樟脳有り)である。 実施形態に係るグラフェンの製造方法により製造されたグラフェンのラマンシフトを示すグラフ(樟脳無し)である。 実施形態に係るグラフェンの製造方法により製造されたグラフェンのラマンシフトを示すグラフ(樟脳有り)である。
以下、具体的な実施形態について、グラフェンの製造方法を例に挙げて図を参照しつつ説明する。
1.グラフェン製造装置
1−1.概略構成図
図1に本実施形態におけるグラフェン製造装置100の概略構成図を示す。グラフェン製造装置100は、第1電極10と、第2電極20と、流水路30、40と、反応室110と、ポンプ120と、流量調整部130と、ガス供給部140と、パルス電圧印加部200と、を有している。
第1電極10は、正極である。第1電極10は、パルス電圧印加部200のプラス側の端子に接続されている。第1電極10は、第1放電電極部11と、第1根元部12と、を有している。第1放電電極部11は、円筒皿形状をしている。そのため第1放電電極部11は、溶液を収容するための底面11aおよび内側面11bを有している。グラフェンの原材料となるアルコール等の液体を収容するためである。したがって、液体を収容できる形状であれば、円筒皿形状に限らずその他の形状であってもよい。第1放電電極部11の材質は、モリブデン(Mo)である。第1根元部12は、平板形状である。また、これ以外の形状であってもよい。その材質は、ステンレス鋼である。第1放電電極部11および第1根元部12の材質として、その他の材質のものを用いることができる。例えば、モリブデン、タングステン、ニッケル、ニクロム、ステンレス等を用いることができる。耐熱性のある金属や合金であれば、その他のものを用いてもよい。
第2電極20は、負極である。第2電極20は、パルス電圧印加部200のマイナス側の端子に接続されている。第2電極20は、第2放電電極部21と、第2根元部22と、を有している。第2放電電極部21は、棒状をしている棒状電極部である。第2放電電極部21の材質は、タングステン(W)である。または、第2根元部22は、円板形状をしている。また、これ以外の形状であってもよい。第2根元部22の材質は、ステンレス鋼である。第2放電電極部21および第2根元部22の材質として、その他の材質のものを用いることができる。例えば、モリブデン、タングステン、ニッケル、ニクロム、ステンレス等を用いることができる。耐熱性のある金属や合金であれば、その他のものを用いてもよい。
第1放電電極部11と第2放電電極部21とは、対向して配置されている。そして、第1電極10に溶液を注いだ後には、第1放電電極部11の放電箇所、すなわち底面11aは溶液の内部に配置されるとともに、第2放電電極部21の放電箇所、すなわち先端21aは溶液の外部に配置されることとなる。この溶液を収容している状態では、第1放電電極部11と第2放電電極部21とは、気液界面S1を挟んで対向している。
第1放電電極部11と第2放電電極部21との間の距離は、例えば、10mmである。もちろん、これ以外の値であってもよい。ただし、第1放電電極部11と第2放電電極部21とで気液界面S1を挟むように放電を起こす必要がある。つまり、第1放電電極部11の円筒皿形状のうち、液体で満たされていない箇所と、第2放電電極部21との間で放電が起こさないようにする必要がある。そこで、第2放電電極部21の先端21aから第1放電電極部11の底面11aまでの距離は、第2放電電極部21の先端21aから第1放電電極部11の内側面11bまでの距離よりも短い。
流水路30は、その内部に水を流すことができるようになっている流路である。そして、流水路30の内部に水を流すことで第1電極10を冷却する。そのため、流水路30は、第1根元部12の内部にまで形成されているとよい。冷却効果が高いからである。流水路40は、その内部に水を流すことができるようになっている流路である。そして、流水路40の内部に水を流すことで第2電極20を冷却する。そのため、流水路40は、第2根元部22の内部にまで形成されているとよい。これらの流水路30、40を流れる水は、反応室110の内部に漏れ出ることのないようになっている。なお、流水路30、40に流れる水の向きをそれぞれ、図1の矢印D3、D4で表している。
反応室110は、その内部で放電を起こすためのものである。そのため、反応室110の内部には、第1電極10および第2電極20が配置されている。また、図示していないが、第1放電電極部11の内部に液体を供給し、もしくは液体を回収するための小窓が反応室110に設けられている。なお、第1放電電極部11が、第1根元部12から取り外しができるようになっていてもよい。その場合には、第1放電電極部11を加熱室110の内部から外部に取り出すことができるようになっているとよい。
ポンプ120は、反応室110の内部の圧力を減圧するためのものである。これにより、反応室110の内部の圧力を調整する。流量調整部130は、反応室110の内部に流入するガスの流量を調整するためのものである。ガス供給部140は、ガスを反応室110の内部に供給するためのものである。ここで供給するガスは、Arガスである。または、その他の不活性ガスを用いてもよい。その流量は、前述のように、流量調整部130によりなされる。
1−2.パルス電圧印加部
パルス電圧印加部200の構成を図2に示す。パルス電圧印加部200は、直流電源210と、パルス発振器220と、インテリジェントパワーモジュール230と、抵抗240と、高圧トランス250と、ダイオード260と、を有している。
パルス発振器220は、パルス信号を発信するためのものである。インテリジェントパワーモジュール230は、電力を制御するためのものである。また、種々の自己保護機能を有している。高圧トランス250は、直流電源210の電圧を変圧するための変圧器である。ダイオード260は、高圧トランス250の高圧側からの電圧を放電するためのものである。
パルス発振器220は、ON信号とOFF信号とを周期的に繰り返すパルス信号を発信する。インテリジェントパワーモジュール230は、そのパルス信号に基づいて、高圧トランス250の低圧側にパルス信号に同期した波形の電圧(パルス電圧)を印加する。そして、パルス電圧は、高圧トランス250の低圧側に入力される。これにより、高圧トランス250の高圧側から高電圧のパルス電圧が出力される。そして、ダイオード260により整流された高電圧のパルス電圧が出力される。このように、パルス電圧印加部200は、周期的なパルス電圧を印加することができる。
1−3.放電電圧および放電電流
パルス電圧印加部200により第1電極10と第2電極20との間に電圧を印加したときの放電電圧および放電電流を図3に示す。ただし、図3に示すのは、第1電極10の第1放電電極部11に原材料である溶液が注がれている場合である。つまり、第1電極10および第2電極20との間の放電が気液界面S1を挟むように生じた場合である。溶液が第1放電電極部11に存在しない場合には、気体中での放電が起こるのみであり、放電電圧および放電電流の波形は、図3に示した波形とは異なる。
図3(a)は、パルス発振器220の発するパルス信号の波形を示している。図3(b)は、そのパルス信号に基づいてパルス電圧印加部200が第1電極10および第2電極20の間に電圧を印加したときの放電電圧の波形を示している。図3(c)は、図3(b)の放電電圧が印加された場合における第1電極10と第2電極20との間に流れる放電電流の波形を示している。
図3(a)に示すように、パルス発振器220はパルス信号を発信する。ここで、パルス信号の周期はTrである。パルス信号のON信号の期間はTdである。これらのパルス信号周期TrおよびON信号期間Tdについては、パルス発振器220の設定により行うことができる。
図3(b)に示すように、パルス信号のON信号となる時刻とほぼ同じ時刻に、放電電圧は、ピーク電圧Vpとなる。ピーク電圧Vpは、第1電極10と第2電極20との間に一時的に印加されるピークをもった電圧である。このピーク電圧Vpの電圧値がある閾値以上であれば、このピーク電圧Vpが印加された後に、グロー放電が生じる。ただし、この閾値は、電極間距離や溶液、その他の条件により変化する。グロー放電電圧Vgを図3(b)に示す。
第1電極10と第2電極20との間のピーク電圧Vpが十分に大きければ、グロー放電が起こる。このグロー放電の生じている期間をグロー放電期間Taということとする。
ここで、グラフェンの生成は、グロー放電により生じる。したがって、パルス電圧印加部200により周期的に印加されるパルス電圧により、グロー放電が繰り返し起こり、その度にグラフェンが生成されることとなる。なお、グロー放電が生じなかった場合には、グラフェンは生成されない。実際に、ピーク電圧が加わった後にグロー放電が生じることなく誘電体バリア放電が生じた場合には、グラフェンは生成されなかった。つまり、十分な大きさのピーク電圧Vpと、グロー放電とが発生することにより、グラフェンが生成されるのである。
また、図3(c)に示すように、グロー放電期間Taに十分な大きさの電流が流れる。グロー放電期間Taにおけるピーク電流をIpとする。
2.グラフェンの製造方法
製造工程を説明する前に、グラフェンの製造方法に用いる原材料について説明する。グラフェンの炭素源として好ましい有機化合物として、例えば樟脳(camphor) 、α−ピネンを主成分とするテレビン油(turpentine oil)を挙げることができる。これらはいずれも2環式の化合物である。樟脳(camphor) は歪を有する2つの5員環を有しており、特に2つの4級炭素間の結合が反応性を有している。また、ケトンであって1分子中に酸素原子を1個有する。沸点は209℃である。α−ピネンは反応性の高い4員環を有しており、また、1分子中に酸素原子は無く、炭素と炭素の2重結合を1つ有する。沸点は156℃である。これらは各々クスノキ、マツから得られる環境にやさしい原料でも有る。また、これらを混入するアルコールも、グラフェンの炭素源となりうる。
2−1.溶液作成工程
ここでグラフェンの製造方法について説明する。まず、グラフェンの原材料となる混合溶液を作成する。そのために、エタノールに樟脳を混入する。このときの樟脳は、固体である。この混入により、樟脳はエタノール中に溶解して混合溶液となる。また、適宜攪拌するとよい。なお、表1に、エタノールおよび樟脳の材料比の一例を示す。これはあくまで一例であり、その他の混合比で混合した混合溶液を作成してもよい。また、樟脳の代わりに、テレビン油を用いてもよい。そして、樟脳およびテレビン油をエタノールに混入することとしてもよい。
[表1]
エタノール 100ml
樟脳 10g
2−2.パルス電圧印加工程
この混合溶液を第1電極10の第1放電電極部11の内部に収容する。このとき、第1電極10の第1放電電極部11の底面11aは、溶液の内部に配置されている。つまり、第1電極10の少なくとも一部は、溶液の内部に配置されている。第2電極20の第2放電電極部21の先端21aは、溶液の外部に配置されている。そして、第1放電電極部11の底面11aと、第2放電電極部21の先端21aとは、気液界面S1を挟んで対向して配置されている状態にある。
そして、この状態で、パルス電圧印加部200により、第1電極10と第2電極20との間に図3(a)に示すようなパルス電圧を印加する。このため、ピーク電圧Vpで、第1電極10と第2電極20との間に放電が生じる。そして、グロー放電により、グラフェンが製造される。ピーク電圧Vpおよびグロー放電の周期的な発生により、時間の経過とともにグラフェンが製造されることとなる。
3.実験
本実施形態について行った実験について説明する。この実験では、エタノールのみの溶液(実験1)と、エタノールに樟脳を溶かした混合溶液との2種類の溶液(実験2)を用いて実験を行った。混合溶液におけるエタノールと樟脳との混合比は、表1に示したものを用いた。また、その他の実験条件を表2に示す。
[表2]
実験1 実験2
エタノールのみ エタノール+樟脳
電極 Mo(+)W(−) Mo(+)W(−)
ガス Ar Ar
ガス圧 600Torr 600Torr
パルス周波数 5.0kHz 1.0kHz
デューティ比 20% 10%
電極間距離 10mm 10mm
ピーク電圧 4.3kV 4.0kV
ピーク電流 4.3A 5.0A
放電時間 10分 1分
溶液の温度 室温 室温
図4は、実験1(エタノールのみ)で製造したグラフェンのTEM写真(透過型電子顕微鏡(TEM)により撮影した写真)である。このとき、グラフェン膜の領域は、10nm以上200nm以下の程度である。
図5は、実験2(エタノールに樟脳を混合した溶液)で製造したグラフェンのTEM写真である。このとき、グラフェン膜の領域は、100nm以上200nm以下の程度である。つまり、樟脳を加えた混合溶液を用いたほうが、結晶の大きいグラフェンを製造することができる。
図6は、実験1(エタノールのみ)で製造したグラフェンのラマン分光の結果である。G/D比は、表3にも示すように1.4である。ここで、Gはグラフェン固有のバンドである。Dは欠陥に由来するバンドである。したがって、G/D比が高いほど、グラフェンの結晶性は高い。つまり、このように製造して得られたグラフェンの結晶性は高い。
図7は、実験2(エタノールに樟脳を混合した溶液)で製造したグラフェンのラマン分光の結果である。G/D比は、表3にも示すように2.0である。つまり、このように製造して得られたグラフェン(実験2)では、欠陥が少ない。すなわち、グラフェン(実験2)の結晶性は、エタノールのみを原材料として製造されたグラフェン(実験1)の結晶性よりも高い。
[表3]
エタノールのみ エタノール+樟脳
G/D比 1.4 2.0
なお、実験1の製造方法を用いた場合におけるグラフェンの生成速度は、1.23mg/minであった。実験2の製造方法を用いた場合におけるグラフェンの生成速度は、1.83mg/minであった。したがって、実験2の製造方法の生産性は、実験1の製造方法の生産性よりも高い。
4.変形例
4−1.アルコール
実施形態では、混合溶液を作成するためにエタノールを用いた。しかし、その他のアルコールを用いてもよい。例えば、炭素数6以下のアルコールを含むものを使用してもよい。また、複数種類のアルコールを混合したものであってもよい。ただし、樟脳が溶解するものである必要がある。
4−2.パルス電圧
ピーク電圧Vpの大きさが十分であり、そのピーク電圧Vpの後にグロー放電が引き続いて生じるようなパルス電圧であれば、上記のパルス電圧の条件に限らない。
4−3.電極の極性
実施形態では、第1電極10を正極とするとともに第2電極20を負極とした。しかし、第1電極10を負極とするとともに第2電極20を正極としてもよい。また、実施形態では、正の電位をもつパルス電圧を印加することとした。しかし、パルス電圧として、負の電位をもつパルス電圧を印加することとしてもよい。
5.まとめ
以上詳細に説明したように、本実施形態に係るグラフェンの製造方法は、溶液作成工程と、パルス電圧印加工程と、を有する。溶液作成工程では、アルコール等に樟脳を混合して混合溶液を作成する。そして、気液界面S1を挟んで対向している第1放電電極部11と第2放電電極部21との間でグロー放電を起こすことにより、グラフェンが製造される。
なお、本実施形態は単なる例示にすぎない。したがって当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。例えば、第1電極10の第1放電電極部11の形状は、図1等に示したものと異なっていてもよい。溶液を収容することができ、気液界面S1を挟んだ状態で第1電極10と第2電極20との間に放電が生じるものであれば、他の形状であってもよい。
100…グラフェン製造装置
10…第1電極
11…第1放電電極部
11a…底面
11b…内側面
12…第1根元部
20…第2電極
21…第2放電電極部
21a…先端
22…第2根元部
30、40…流水路
110…反応室
120…ポンプ
130…流量調整部
140…ガス供給部
200…パルス電圧印加部
S1…気液界面

Claims (4)

  1. アルコールに樟脳とテレビン油との少なくとも一方を混入して混合溶液を作成する溶液作成工程と、
    少なくとも一部を混合溶液の内部に配置した第1電極と混合溶液の外部に配置した第2電極との間にパルス電圧を印加するパルス電圧印加工程と、
    を有すること
    を特徴とするグラフェンの製造方法。
  2. 請求項1に記載のグラフェンの製造方法において、
    前記アルコールとして、炭素数6以下のアルコールを含むものを用いること
    を特徴とするグラフェンの製造方法。
  3. 請求項2に記載のグラフェンの製造方法において、
    前記アルコールとして、エタノールを用いること
    を特徴とするグラフェンの製造方法。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のグラフェンの製造方法において、
    前記第1電極は、
    溶液を収容するための底面および内側面を有し、
    前記第2電極は、
    棒状電極部を有し、
    前記棒状電極部の先端から前記底面までの距離は、前記棒状電極部の先端から前記内側面までの距離よりも短いこと
    を特徴とするグラフェンの製造方法。
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