JP2009231810A - 半導体カーボン膜、半導体素子、及び半導体カーボン膜の製造方法 - Google Patents

半導体カーボン膜、半導体素子、及び半導体カーボン膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低コストかつ容易に製造でき、バンドキャップの制御が容易な半導体カーボン膜、半導体素子、及び半導体カーボン膜の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の半導体カーボン膜は、π結合を持ち、5員環、6員環、7員環のうち少なくともいずれかを含む多環炭素と、前記多環炭素に結合した水素及び/又は窒素と、から成り、前記多環炭素を100重量部としたとき、前記水素及び/又は窒素の量が、5〜20重量部であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、電子デバイス、光電変換素子、太陽電池等に利用できる半導体カーボン膜、半導体素子、及び半導体カーボン膜の製造方法に関する。
従来より、電子デバイス、光電変換素子、さらには太陽電池等として各種の半導体素子が開発されてきており、その機能の高度化と、新しい素材構成からなる新規物性の利用についての研究が精力的に進められてきている。これらの半導体素子では、シリコン系半導体、あるいは化合物半導体がその主流となっているが、近年では、有機系半導体についての研究も進展してきている。
しかし、シリコン系半導体等の無機半導体は、製造時に1600℃を超える温度での高温処理や、蒸着、スパッタリング、CVD等の真空下での素子製造プロセスを経るため、製造エネルギーが膨大なものになり、大面積の素子を、容易に低コストで製造することが難しい。
一方、グラファイトに代表される炭素材料は優れた化学的、機械的、生物・生体的及び電子的な特性を有するため、その応用は宇宙技術からスポーツ用品、生物・生体材料まで多岐にわたる。さらには、グラファイトの超高速移動性、超分極性等の電子特性に注目して、炭素系π電子材料が次世代の電子材料として重要な役割を演じる可能性についても最近の話題になっており、また地殻存在量が多く、低コストの半導体材料として期待されている。
実際に、Siと同族元素であるカーボン材料を用いて、有機半導体の一種であるカーボン半導体を調製し、その半導体を用いた太陽電池を作製することが提案されている(特許文献1)。また、また熱分解によりカーボン膜を形成し、Si基板とショットキー型の太陽電池にする技術がある(特許文献2)。さらに窒素および/またはイオウを含む有機化合物を、液相状態もしくは常圧下気相状態において基板に接触させた後、200℃〜900℃で加熱処理することによってn型の半導体カーボン膜を得ようとする技術が開示されている(特許文献3)。
特許第3284151号公報 特許第2980546号公報 特開2007−273970号公報
しかしながら、特許文献1で開示された技術では、ダイヤモンドに含まれるテトラへドラル構造のsp3炭素を主体としたアモルファスカーボンを用いているため、その作成に
特殊な原料、およびスパッタ、プラズマCVD等の装置が必要なことは、Si系半導体を用いた太陽電池の場合と変りがない。また、特許文献2、3で開示されている技術では、太陽電池等に用いる場合に重要なバンドギャップの制御方法が開示されていない。
本発明は、以上の点に鑑みなされたものであり、低コストかつ容易に製造でき、バンドキャップの制御が容易な半導体カーボン膜、半導体素子、及び半導体カーボン膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の半導体カーボン膜は、π結合を持ち、5員環、6員環、7員環のうち少なくともいずれかを含む多環炭素の集合体と、前記多環炭素に結合した水素及び/又は窒素とから成り、前記水素及び/又は窒素の含有量が、5〜20重量%であるという構成により、半導体の性質を有する。なお、水素及び/又は窒素の含有量は、半導体カーボン膜の全量を100wt%としたときの値である。
本発明の半導体カーボン膜が半導体の性質を有する理由は、以下のとおりであると考えられる。なお、ここでは、π結合を持ち、5員環、6員環、7員環のうち少なくともいずれかを含む多環炭素の集合体が、グラファイトである場合を例にとって説明するが、その他の多環炭素の集合体であっても同様である。
ベンゼン環を形成する炭素原子の6員環を平面状に連結した6角形の網目構造は、グラフェンシートと呼ばれ、このシートを何層にも積み重ねた構造がグラファイトの結晶である。グラファイトでは、6角形の網構造の炭素鎖に沿って形成された共役系を介して、非局在化したπ電子が移動できるため、金属と同様の高い電気伝導性を示す。一方、sp3結合を形成するダイヤモンド結合はσ結合といわれ、絶縁性を示し、バンドギャップも5.5eVと非常に広いことが知られている。
上記のように、グラファイトは、金属と同様の高い電気伝導性を示し、バンドギャップがないか非常に狭いことが知られている。このバンドギャップがないと、半導体にはならず、光起電力は発生しない。また、光を電気に変える効率が最も高くなるのは、バンドギャップ付近である。したがって、光起電力材料のバンドギャップを制御できないと、効率よく光を電気に変えることができない。
本発明の半導体カーボン膜では、グラファイトの6員環の一部に他の元素(水素、窒素、又はその両方)を結合させることで、連続的にあるπ結合を部分的に不連続にし(すなわち、π電子を局在化し)、バンドギャップを発生させている。このため、本発明の半導体カーボン膜は、半導体の性質を有する。
本発明の半導体カーボン膜は、バンドギャップの大きさを容易に制御することができる。例えば、多環炭素への水素、窒素の結合量を少なくすると、π電子の存在量が多くなり、局在しているπ結合の間を電子が飛び越えるエネルギーが少なくてすむ。つまり、バンドギャップが狭くなる。一方、多環炭素への水素、窒素の結合量を多くすれば、π電子の存在量が少なくなり、局在しているπ結合の間を電子が飛び越えるのに大きなエネルギーが必要になる。つまり、バンドギャップが広くなる。よって、本発明では、多環炭素に水素、窒素を結合させる量によって、半導体カーボン膜のバンドギャップを容易に制御することができる。
実際に水素、窒素を結合させる量を調整し、バンドギャップを制御するには、例えば、半導体カーボン膜を製造するときにおける熱処理の温度を制御すればよい。図3に示すように、半導体カーボン膜を熱処理する温度を変えると、結合する水素、窒素の量が変化し、結果として、半導体カーボン膜のバンドギャップが変化する。水素、窒素の結合量は、半導体カーボン膜の全量を100wt%としたとき、5〜20wt%の範囲で制御することができる。このとき、半導体カーボン膜のバンドギャップは、0.5〜3.0eVの範囲で変化する。
π結合を持ち、5員環を含む多環炭素は、例えば、フラーレンやカーボンナノチューブ等の中に見られる。π結合を持ち、6員環を含む多環炭素としては、例えば、グラフェン、グラファイト、カーボンナノチューブ等が挙げられる。π結合を持ち、7員環を含む多環炭素としては、例えば、カーボンナノチューブの欠陥等が挙げられる。
本発明の半導体カーボン膜における水素及び/又は窒素の含有量は、昇温脱離ガス分析法で算出することができる。
本発明の半導体カーボン膜は、n型、p型のいずれにもすることができる。
本発明に係るn型の半導体カーボン膜は、例えば、
(i) n型の半導体カーボン膜の原料を膜状としてから、650〜1600℃で加熱する方法や、
(ii) n型の半導体カーボン膜の原料を、650〜1600℃の気相中で熱分解し、その
気相に基板を接触させる方法で製造することができる。
n型の半導体カーボン膜の原料としては、例えば、窒素、燐、ヒ素、アンチモン、及びビスマスから成る群から選ばれる1種以上の原子(以下、窒素等の原子とする)を含有する炭化水素類であって、当初から多環炭素であるか、加熱処理により多環炭素を生成するものが挙げられ、例えば、脂肪族アミン類、芳香族アミン類、ニトリル類、芳香族複素環類、アミド類、イミド類、イミン類、ウレタン類、イソシアニド類、アミノ酸類、ニトロ化合物類、含窒素高分子化合物等、広く挙げることができる。この中でも特に、脂肪族アミン類、芳香族アミン類、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンイミン、芳香族複素環類が好ましい。
脂肪族アミンとしては、構造は特に限定されないが、好ましく用いられるのは、炭素数1〜60の脂肪族アミンである。具体例としては、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、1,6−ジアミノヘキサン、シクロヘキシルアミン等のアルキルアミン類が挙げられる。アミンの置換基に、アルキル基や、アルキル基以外の官能基や、アルカノールアミン類のように、置換基の中に、酸素、窒素、硫黄等の炭素や水素以外の元素を含有していても構わない。脂肪族アミンは、1級アミンでも2級アミンでも3級アミンでも構わない。
芳香族アミンとしては、構造は特に限定されないが、好ましく用いられるのは、炭素数1〜60の芳香族アミン類である。具体例としては、アニリン、ジフェニルアミン等が挙げられる。アミンの置換基に、アルキル基や、アルキル基以外の他の官能基や、酸素、窒素、硫黄等の炭素や水素以外の元素を有していても構わない。芳香族アミンは、1級アミンでも2級アミンでも3級アミンでも構わない。
ニトリル類の具体例として、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ヘキサンニトリル等の炭素数1〜30のニトリル類が好ましく用いられるが、その他に、ポリアクリロニトリルも好ましく用いられる。
イミン類としては、ポリエチレンイミンが好ましい。
芳香族複素環類としては、価数に限定はなく、構造も特に限定されないが、好ましく用いられるのは炭素数4〜30の芳香族複素環である。具体例としては、ピリジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリン、ピロール、ピペリジン、ピリミジン、イミダゾール、プリン、が挙げられる。これら芳香族環は置換基を有していても良い。置換基としては、特に制限はないが、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基等が挙げられる。
これらの原料は単独で用いても構わないし、2種類以上の任意の組み合わせで用いてもよい。2種類以上の組み合わせで用いる場合、その比率は任意である。また、上記の原料に加えて、製造時に水素をドープしてもよい。
n型の半導体カーボン膜を製造するとき、約650℃以上に加熱すると、窒素等の原子(例えばニトロ基の窒素原子)が、多環炭素における炭素原子の一部と入れ代わる。例えば、多環炭素がグラファイト、グラフェン構造の6員環である場合は、その4価のカーボンの一部が5価の窒素等の原子に置き換わる。その結果、多環炭素では電子が余るため、n型を示すことになる。
上記の現象は、X線光電子分光(XPS)法により確認することができる。例えば、原料として、ポリアクリロニトリルやnブチルアミンを用いる場合、加熱温度が500℃以下のときは、結合エネルギー400.5eVのピークが支配的であり、これはC−Nのσ結合である。加熱温度が600℃以上(特に著しくは650℃以上)のときは、399.2eVのピークが支配的になり、C−Nのπ結合が出来ていることを示している。つまり、加熱温度が600℃以上(650℃以上)のときは、π結合を持った多環炭素の中に、窒素が取り込まれたことを示している。
n型の半導体カーボン膜を製造するとき、その原料を膜状にする方法としては、例えば、原料を、液相状態、もしくは常圧(大気圧のことをいい、強制的に加圧もしくは減圧しない状態)下の気相状態としておき、基板をその原料に接触させる方法や、熱化学気相成長法(熱CVD)によって基板上に原料の膜を積層する方法が挙げられる。
n型の半導体カーボン膜を製造するとき、原料を液相状態にする方法としては、例えば、原料を溶媒に溶解もしくは分散する方法がある。この場合の溶媒としては、特に制限はなく、原料を溶解もしくは分散し得るものであれば、一般的な有機溶媒等や水を用いることができる。
有機溶媒の例としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン、ベンゼン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピレングリコールメチルエーテル等のエステル類;ピリジン、キノリン等の含窒素芳香族炭化水素;クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン等のアミド類、ジメチルスルホキシド、二硫化炭素等の含硫黄溶媒等を用いることができる。中でも、ケトン類、アミド類、エステル類、ジメチルスルホキシドが好ましい。
これらの有機溶媒は、いずれか一種を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせおよび比率で用いてもよい。原料を溶解もしくは分散させる方法としては、攪拌等一般的な方法が用いられる。溶解や分散を促進させるために、加熱しながら溶解させてもよい。原料の溶解状態や分散状態を安定化させるために、界面活性剤が共存してもよい。界面活性剤としては、カチオン系、アニオン系、ノニオン系が挙げられる。
溶液における原料の濃度は、特に制限はなく、基板の種類や基板への接触方法に応じて、任意の比率で用いることができる。
溶液を基板に接触させ、基板に溶液を付着させた後、必要に応じて、溶媒または分散媒を除去しても構わない。溶媒又は分散剤の除去は、常圧もしくは減圧下で加熱したり、気流に同伴させて除去する等の一般的な方法を用いることができる。
さらに、原料を液相状態で基板に接触させる方法としては、原料を実質的にそのまま単独で用い、もしくは溶液または分散液の状態で用い、塗布法、キャステイング法、ブレードコート法、ワイヤバー法、スピンコート法、デイップコート法、スプレーコート法等のコーテイング方法、印刷法、バブルジェット(登録商標)法等、公知の方法で行うことができる。これらの方法は一般的に常圧下で実施される。
n型の半導体カーボン膜を製造するとき、原料を気相状態としておき、基板をその原料に接触させる方法としては、例えば、原料を含有するガスやミストを作成し、そのガスやミストに基板を接触させる方法がある。原料を含有するガスやミストを作成する方法としては、特に制限はないが、例えば、原料とガスとをバブリング等により接触させる方法が挙げられる。原料を含有するガスとしては、不活性ガスが望ましい。不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素、一酸化炭素等が挙げられる。不活性ガスは単独で用いても、2種類以上の混合物で用いても構わない。不活性ガス中の酸素濃度は、3体積%以下、好ましくは1体積%以下、さらに好ましくは0.5体積%以下であることが望ましい。
n型の半導体カーボン膜を製造するとき、基板上に形成された原料の膜を加熱処理することによって、n型の半導体カーボン膜に変換し、基板上に固定化することができる。加熱処理は不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素、一酸化炭素等が挙げられる。不活性ガスは単独で用いても、2種類以上の混合物で用いても構わない。原料を気相状態で基板に接触させる場合には、原料を含有するガスを基板に接触させた状態のまま、加熱処理しても構わない。加熱処理の処理時間は、半導体カーボン膜の膜厚、原料の種類、加熱温度にもよるが、通常、0.1秒から100時間程度の範囲内が好ましい。
半導体カーボン膜の膜厚は目的に応じて選定し得るが、通常1〜1000nm、好ましくは5〜500nmである。1000nm(500nm)以下であることにより、熱処理のときに加わる応力でクラックが発生してしまうようなことが生じにくい。また、1nm(5nm)以上であることにより、電気変換効率において優れる。
半導体カーボン膜を形成する基板としては、目的に応じて適宜選定されうるが、例えば、シリコン基板等の半導体基板、ステンレス、ニッケル等の金属基板、ガラス、アルミナ、窒化ガリウム、酸化インジウム、酸化亜鉛等の絶縁基板、セラミック基板を用いることができる。これらの基板上に透明導電膜等の別の化合物等が予めコーテイングされていて、その上に本発明の半導体カーボン膜を形成してもよい。基板は使用する前に、フッ水素酸等で表面処理することが望ましい。またフレキシブルなプラスチック基板を用いる場合、原料を別の反応炉で先に熱分解させておいて、その熱分解した物質で基板上に半導体カーボン膜を形成するようにしても良い。
本発明に係るn型のカーボン半導体の電気伝導度は、例えば、100S/cm以上とすることができる。
本発明に係るp型の半導体カーボン膜は、例えば、その原料を、液相状態、もしくは常圧の気相状態としておき、その原料に基板を接触させて基板上に原料の膜を形成し、その原料の膜を加熱処理することによって製造できる。
一般的に、半導体カーボン膜は、芳香環周囲の未結合手および芳香環の開裂によるラジカルが分子性欠陥となって存在し、このような欠陥にπ電子が捕獲され、正孔が価電子帯に生成されるために発生する。従って半導体カーボン膜を形成しただけでp型を形成し易い。例えば、窒素を含む多環炭素で、炭素6員環に窒素が少なくとも1つ結合した多環炭素はp型半導体になる。さらに、B、Al、Ga、Inから成る群から選ばれる1種以上の原子を有する多環炭素化合物もp型半導体になる。この様な多環炭素は、熱処理されたとき、炭素原子の一部を上記の原子で置換する。その結果、より強いp型の半導体カーボン膜が製造できる。また、当初から、炭素原子の一部が上記の原子で置換された多環炭素を原料として用いてもよい。また、製造時に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のうちのいずれかをドーピングすることができる。こうすれば、多環炭素におけるπ電子の一部が抜かれて、電子が流れやすくなり、より強いp型の半導体カーボン膜が形成される。
原料の膜を基板上に形成する方法としては、n型の半導体カーボン膜を製造する場合と同様の方法を用いることができる。
基板上に形成されている原料の膜を加熱処理することによって、p型の半導体カーボン膜に変換し、基板上に固定化することができる。加熱温度は、700℃以下(より好ましくは600℃以下)の温度とすることが好ましい。
加熱処理は不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素、一酸化炭素等が挙げられる。不活性ガスは単独で用いても、2種類以上の混合物で用いても構わない。不活性ガス中の酸素濃度は、3体積%以下、好ましくは1体積%以下、さらに好ましくは0.5体積%以下であることが望ましい。ただし、加熱処理の温度が600℃以下の場合には、空気のような分子状酸素を含有する不活性ガス雰囲気下でも構わない。
加熱処理の時間は、半導体カーボン膜の膜厚、有機化合物の種類、温度にもよるが、通常、0.1秒から100時間程度とすることができる。半導体カーボン膜の膜厚は目的に応じて選定し得るが、通常1〜1000nm、好ましくは5〜500nmである。
p型の半導体カーボン膜の原料としては、天然由来のものが好ましい。天然由来の原料としては、例えば、エタノール、メタノール、カンファー、ボルネオール、ヒノキチオール、リナロール、リモネン、ツジョン、シネオール、テルビン油、ピネン、及びメントールが挙げられる。なお、表1に、これらの原料が自然界のどこに存在するかと、分子式、形状を示す。
上記の原料のうち、特に、植物由来の原料であるバイオエタノール、メタノールは粘度の低い液体であるため、扱い易い。例えば、不活性ガス(N2ガスやArガス)でバイオエタノールやメタノールをバブリングし、その蒸気を基板等に接触させることで、バイオエタノールやメタノールの膜を基板上に成膜することができる。このとき、不活性ガスの流量を調整することにより、膜厚等を制御できる。
また、カンファー(樟脳)、ボルネオール、ヒノキチオールのような昇華性の固体であれば、加熱して昇華させ、そのガスに基板などを接触させることにより、基板上にカンファー、ボルネオール、ヒノキチオールの膜を成膜することができる。このとき、固体を加熱する温度によりガスの発生量を制御できる。
原料を天然由来のもの(特に植物から製造できるもの)とすると、p型の半導体カーボン膜を製造するときのCO2発生を抑制できる。
また、基板上に、本発明のn型の半導体カーボン膜を形成させた後に、本発明のp型の半導体膜を形成させてもよい。逆に、基板上に、本発明のp型の半導体カーボン膜を形成させた後に、本発明のn型の半導体カーボン膜を形成させてもよい。
以上のように、本発明に係るn型の半導体カーボン膜、p型の半導体カーボン膜は、公知の様々な方法を用いて容易に製造することができる。また、原料を、加圧や減圧を必要としない、常圧下の気相状態から調製することができる。加熱処理も、一般的な加熱炉等を用いることができる。本発明によれば、容易に大面積の半導体カーボン膜を低コストで製造することができる。
本発明の半導体カーボン膜は、例えば、p型の半導体カーボン膜とn型の半導体カーボン膜とによるpn接合を有する半導体素子を構成する半導体カーボン膜として好適に用いられる。pn接合体とは、半導体中でp型の領域とn型の領域が接している部分のことである。pn接合体の形成自体は常法によることができる。さらに、pin接合とすることもできる。ここで、iは真性半導体である。
本発明に係るn型の半導体カーボン膜とp型の半導体カーボン膜とからpn接合体を形成する方法は特に限定はないが、例えば、ニッケルや透明性導電酸化物基板上に、本発明に係るp型の半導体カーボン膜を形成させた後、その上に本発明に係るn型の半導体カーボン膜を形成させる、等の方法が挙げられる。また、基板上に先にn型の半導体カーボン膜を形成させた後に、p型の半導体カーボン膜を形成させてもよい。
本発明に係る半導体カーボン膜を用いた半導体素子は、上記のようにp型の半導体カーボン膜とn型の半導体カーボン膜との接合構造であるpn接合体として、ダイオード、トランジスタ、光電変換素子や各種センサ等の素子の一部として、種々の電子回路中に組み込み得るが、特に太陽電池のための半導体素子として好適に使用され得る。すなわち、シリコン基板上に上記のn型の半導体カーボン膜およびp型の半導体カーボン膜を積層し、pn接合体を形成して光電変換層とし、電極等を有する公知の構成の太陽電池に組み込むことにより、太陽光が入射すると+の電気を有する正孔(電子が抜けた孔)と−の電気を有する電子が発生し、pn接合体により分けられ電流となる。
半導体素子1の構成を表す側断面図である。 半導体カーボン膜7を形成するための装置構成を表す説明図である。 半導体カーボン膜7を形成するときにおける熱処理温度と、半導体カーボン膜7のバンドギャップとの関係を表すグラフである。 半導体素子1の構成を表す側断面図である。 半導体カーボン膜7の窒素含有量と、バンドギャップとの関係を表すグラフである。 半導体カーボン膜7を形成するときにおける水素ガス濃度と、半導体カーボン膜7のバンドギャップとの関係を表すグラフである。 半導体カーボン膜7を形成するための装置構成を表す説明図である。 半導体カーボン膜7を形成するための装置構成を表す説明図である。 半導体カーボン膜7を形成するための装置構成を表す説明図である。 半導体カーボン膜7を形成するための装置構成を表す説明図である。
本発明を実施例に基づいて説明する。
半導体素子1を製造する方法を図1及び図2に基づいて説明する。基板3として、厚さ0.6mm、P(リン)をド−パントとしたn型Si単結晶ウェハを用意し、濃度20%のフッ酸で洗浄処理する。そして、基板3をグラファイト製マスクに挟み、石英の電気管状炉11(図2参照)に設置した。グラファイト製マスクに挟まれた状態で、基板3のうち、一方の面(以下、第1の面とする)では、後に半導体カーボン膜7を形成する部分が露出しており、反対側の面(以下、第2の面とする)は、完全に覆われている。
トルエンを溶液13とし、この溶液13を、図2に示すように、窒素ガスまたはアルゴンガスのバブリングにより蒸気化し、電気管状炉11に導入した。電気管状炉11内の温度は650℃とし、5時間加熱した。この工程により、基板3における第1の面(図1における上面)に、膜厚約100nmの半導体カーボン膜7が形成された。この半導体カーボン膜7は、ホール測定によりp型の半導体であることが確認できた。また、ラマン分光分析法により、半導体カーボン膜7が、π結合を持つ6員環を含む多環炭素の集合体であることが確認できた。また、昇温脱離ガス分析法で半導体カーボン膜7の水素含有量を分析したところ、8wt%であった。半導体カーボン膜7のバンドギャップは1.5eVであった。
次に、半導体カーボン膜7の上層に、膜厚150nmのIZO(In-Zn-O)透明導電膜9を、スパッタ装置を用いて形成した。さらに基板3における第2の面(図1における下面)に、金電極膜5を、真空蒸着法を用いて、100nmの厚みで成膜した。
得られたIZO透明導電膜9/半導体カーボン膜7/基板3/金電極膜5の積層体試料(半導体素子1)について、ソーラーシミュレータを用いて、AM1.5で100mW/cm2の擬似太陽光を照射して評価した結果、開放電圧VOC:320mV、短絡電流密度JSC:6.3A/cm2、エネルギー変換効率:2%の太陽電池として作動することが確認された。
半導体素子1を製造する方法を図1及び図2に基づいて説明する。基板3として、厚さ0.6mm、P(リン)をド−パントとしたn型Si単結晶ウェハを用意し、濃度20%のフッ酸で洗浄処理した。そして、基板3をグラファイト製マスクに挟み、石英の電気管状炉11(図2参照)に設置した。グラファイト製マスクに挟まれた状態で、基板3のうち、一方の面(以下、第1の面とする)では、後に半導体カーボン膜7を形成する部分が露出しており、反対側の面(以下、第2の面とする)は、完全に覆われている。
電気管状炉11内において、基板3の近くにヨウ素粉末3gを石英ガラス容器(図示略)に入れて設置した。一方、トルエンを溶液13とし、図2に示すように、この溶液13を窒素ガスまたはアルゴンガスのバブリングにより蒸気化し、電気管状炉11に導入した。
電気管状炉11の温度は650℃とし、5時間加熱した。この工程により、基板3における第1の面(図1における上面)に、膜厚約100nmの半導体カーボン膜7が形成された。このとき、ヨウ素は沸点が184.5℃のため蒸発し、上記溶液13の蒸気と混合され、半導体カーボン膜7にドープされる。この半導体カーボン膜7は、熱電測定によりp型の半導体であることが確認できた。また、ラマン分光分析法により、半導体カーボン膜7が、π結合を持つ6員環を含む多環炭素の集合体であることが確認できた。昇温脱離ガス分析法でこの半導体カーボン膜7の水素含有量を分析したところ、9wt%であった。半導体カーボン膜7のバンドギャップは1.2eVであった。
次に、半導体カーボン膜7の上層に、膜厚150nmのIZO(In-Zn-O)透明導電膜9を、スパッタ装置を用いて形成した。さらに基板3における第2の面(図1における下面)に、金電極膜5を、真空蒸着法を用いて、100nmの厚みで成膜した。
得られたIZO透明導電膜9/半導体カーボン膜7/基板3/金電極膜5の積層体試料(半導体素子1)について、ソーラーシミュレータを用いて、AM1.5で100mW/cm2の擬似太陽光を照射して評価した結果、開放電圧VOC:335mV、短絡電流密度JSC:7.1A/cm2、エネルギー変換効率:2.4%の太陽電池として作動することが確認された。
なお、ヨウ素の代わりに、フッ素、塩素、臭素のうちのいずれかをドープしても略同様の結果が得られた。
半導体素子1を製造する方法を図1及び図2に基づいて説明する。基板3として、厚さ0.6mm、P(リン)をド−パントとしたn型Si単結晶ウェハを用意し、濃度20%のフッ酸で洗浄処理した。そして、基板3をグラファイト製マスクに挟み、石英の電気管状炉11(図2参照)に設置した。グラファイト製マスクに挟まれた状態で、基板3のうち、一方の面(以下、第1の面とする)では、後に半導体カーボン膜7を形成する部分が露出しており、反対側の面(以下、第2の面とする)は、完全に覆われている。
トルエンを溶液13とし、図2に示すように、この溶液13を窒素ガス(またはアルゴンガス)とトリメチルボロンとを流量10:1で混合した混合ガスにより蒸気化し、電気管状炉11に導入した。
電気管状炉11の温度は650℃とし、5時間加熱した。この工程により、基板3における第1の面(図1における上面)に、膜厚約100nmの半導体カーボン膜7が形成された。このとき、混合ガス中に含まれるトリメチルボロンは分解され、半導体カーボン膜7中にドーピングされる。この半導体カーボン膜7は、ホール測定によりp型の半導体であることが確認できた。また、ラマン分光分析法により、半導体カーボン膜7が、π結合を持つ6員環を含む多環炭素の集合体であることが確認できた。昇温脱離ガス分析法でこの半導体カーボン膜7の水素含有量を分析したところ、14wt%であった。半導体カーボン膜7のバンドギャップは1.6eVであった。
次に、半導体カーボン膜7の上層に、膜厚150nmのIZO(In-Zn-O)透明導電膜9を、スパッタ装置を用いて形成した。さらに、基板3における第2の面(図1における下面)に、金電極膜5を、真空蒸着法を用いて、100nmの厚みで成膜した。
得られたIZO透明導電膜9/半導体カーボン膜7/基板3/金電極膜5の積層体試料(半導体素子1)について、ソーラーシミュレータを用いて、AM1.5で100mW/cm2の擬似太陽光を照射して評価した結果、開放電圧VOC:330mV、短絡電流密度JSC:6.9A/cm2、エネルギー変換効率:2.2%の太陽電池として作動することが確認された。
半導体素子1を製造する方法を図1及び図2に基づいて説明する。基板3として、厚さ0.6mm、B(硼素)をド−パントとしたp型Si単結晶ウェハを用意し、濃度20%のフッ酸で洗浄処理した。そして、基板3をグラファイト製マスクに挟み、石英の電気管状炉11(図2参照)に設置した。グラファイト製マスクに挟まれた状態で、基板3のうち、一方の面(以下、第1の面とする)では、後に半導体カーボン膜7を形成する部分が露出しており、反対側の面(以下、第2の面とする)は、完全に覆われている。
トルエンと、nブチルアミンとを1:1で混合させ、混合溶液15とした。
この混合溶液15を、図2に示すように、窒素ガスまたはアルゴンガスのバブリングにより蒸気化し、電気管状炉11に導入した。電気管状炉11内の温度は710℃とし、5時間加熱した。この工程により、基板3における第1の面(図1における上面)に、膜厚約100nmの半導体カーボン膜7が形成された。この半導体カーボン膜7は、ホール測定によりn型の半導体であることが確認できた。また、ラマン分光分析法により、半導体カーボン膜7が、π結合を持つ6員環を含む多環炭素の集合体であることが確認できた。また、半導体カーボン膜7をX線光電子分光(XPS)法で分析すると、399.2eVのピークが支配的になり、C−Nのπ結合が出来ていることを示している。つまり、π結合を持った、炭素6員環構造の中に、窒素が取り込まれたことを示している。昇温脱離ガス分析法でこの半導体カーボン膜7の水素含有量を分析したところ、10wt%であった。半導体カーボン膜7のバンドギャップは1.4eVであった。
次に、半導体カーボン膜7の上層に、膜厚150nmのIZO(In-Zn-O)透明導電膜9を、スパッタ装置を用いて形成した。さらに、基板3における第2の面(図1における下面)に、金電極膜5を、真空蒸着法を用いて、100nmの厚みで成膜した。
得られたIZO透明導電膜9/半導体カーボン膜7/基板3/金電極膜5の積層体試料(半導体素子1)について、ソーラーシミュレータを用いて、AM1.5で100mW/cm2の擬似太陽光を照射して評価した結果、開放電圧VOC:210mV、短絡電流密度JSC:14.5A/cm2、エネルギー変換効率:1.9%の太陽電池として作動することが確認された。
半導体素子1を製造する方法を図2及び図4に基づいて説明する。ガラス基板3の片面に、厚さ150nmのIZO(In−Zn−O)透明導電膜9を形成した。次に、基板3をグラファイト製マスクに挟み、石英の電気管状炉11内に設置した。グラファイト製マスクに挟まれた状態で、基板3のうち、IZO透明導電膜9を形成した面(以下、第1の面とする)では、後に半導体カーボン膜7を形成する部分が露出しており、反対側の面(以下、第2の面とする)は、完全に覆われている。
トルエンを溶液13とし、この溶液13を、図2に示すように、窒素ガスまたはアルゴンガスのバブリングにより蒸気化し、電気管状炉11に導入した。電気管状炉11内の温度は650℃とし、1時間加熱した。この工程により、IZO透明導電膜9の上層に、膜厚約100nmのp型の半導体カーボン膜7が形成された。このp型の半導体カーボン膜7は、ホール測定によりp型の半導体であることが確認できた。また、ラマン分光分析法により、半導体カーボン膜7が、π結合を持つ6員環を含む多環炭素の集合体であることが確認できた。p型の半導体カーボン膜7のバンドギャップは1.7eVであった。
次に、nブチルアミンを、図2に示すように、窒素ガスまたはアルゴンガスのバブリングにより蒸気化し、電気管状炉11に導入した。電気管状炉11内の温度は710℃とし、1時間加熱した。この工程により、p型の半導体カーボン膜7の上層に、膜厚約30nmのn型の半導体カーボン膜8が形成された。このn型の半導体カーボン膜8は、熱電測定によりn型の半導体であることが確認できた。また、ラマン分光分析法により、半導体カーボン膜8が、π結合を持つ6員環を含む多環炭素の集合体であることが確認できた。n型の半導体カーボン膜8のバンドギャップは1.3eVであった。
さらに、n型の半導体カーボン膜8の上層に、厚さ100nmの金電極膜5を、真空蒸着により形成した。
得られたガラス基板3/IZO透明導電膜9/p型の半導体カーボン膜7/n型の半導体カーボン膜8/金電極膜5の積層体試料(半導体素子1)について、ソーラーシミュレータを用いて、AM1.5で100mW/cm2の擬似太陽光を照射して評価した結果、開放電圧VOC:539mV、短絡電流密度JSC:24.4mA/cm2、エネルギー変換効率:8%の太陽電池として作動することが確認された。
半導体素子1を製造する方法を図1に基づいて説明する。基板3として、厚さ0.6mm、B(硼素)をド−パントとしたp型Si単結晶ウェハを用意し、濃度20%のフッ酸で洗浄処理した。そして、基板3をグラファイト製マスクに挟み、石英の電気管状炉11(図2参照)内に設置した。グラファイト製マスクに挟まれた状態で、基板3のうち、一方の面(以下、第1の面とする)では、後に半導体カーボン膜7を形成する部分が露出しており、反対側の面(以下、第2の面とする)は、完全に覆われている。
トルエンを窒素ガスまたはアルゴンガスのバブリングにより蒸気化した。同時に、燐(赤燐:P)の粉末を、別の電気管状炉で加熱し、蒸気化した。2つの蒸気を混合させ、基板3を収容した電気管状炉に導入した。
電気管状炉の温度は710℃とし、5時間加熱した。この工程により、基板3における第1の面(図1における上面)に、膜厚約100nmの半導体カーボン膜7が形成された。このとき、半導体カーボン膜7には、燐がドープされる。この半導体カーボン膜7は、ホール測定によりn型の半導体であることが確認できた。また、ラマン分光分析法により、半導体カーボン膜7が、π結合を持つ6員環を含む多環炭素の集合体であることが確認できた。昇温脱離ガス分析法でこの半導体カーボン膜7の水素含有量を分析したところ、9%であった。半導体カーボン膜7のバンドギャップは1.6eVであった。
次に、半導体カーボン膜7の上層に、膜厚150nmのIZO(In-Zn-O)透明導電膜9を、スパッタ装置を用いて形成した。さらに、基板3における第2の面(図1における下面)に、金電極膜5を、真空蒸着法を用いて、100nmの厚みで成膜した。
得られたIZO透明導電膜9/半導体カーボン膜7/基板3/金電極膜5の積層体試料(半導体素子1)について、ソーラーシミュレータを用いて、AM1.5で100mW/cm2の擬似太陽光を照射して評価した結果、開放電圧VOC:200mV、短絡電流密度JSC:15.5A/cm2、エネルギー変換効率:2.1%の太陽電池として作動することが確認された。
なお、燐の代わりに、砒素、アンチモン、ビスマスのうちのいずれかを用いても、略同様の結果を得ることができた。
基本的には前記実施例4と同様にして、半導体素子1を製造した。ただし、本実施例7では、半導体カーボン膜7の形成に用いる混合溶液15における、トルエンと、nブチルアミンとの混合比率を様々に変化させた。その結果、図5に示すように、半導体カーボン膜7における窒素含有量が、6〜17%の範囲で変化した。また、窒素含有量の変化に伴い、半導体カーボン膜7のバンドギャップが1.15〜1.46eVの範囲で変化した。
基本的には前記実施例1と同様にして、半導体素子1を製造した。ただし、本実施例8では、半導体カーボン膜7を形成するとき、電気管状炉11に水素ガスを流しながら、プラズマを発生させた。こうして形成された半導体カーボン膜7においては、水素が環状炭素と結合している。図6に示すように、電気管状炉11における水素ガス濃度を60〜97%の範囲で変化させると、半導体カーボン膜7のバンドギャップが、0.5〜3eVの範囲で変化した。
半導体素子1を製造する方法を図1及び図2に基づいて説明する。基板3として、厚さ0.6mm、P(燐)をド−パントとしたn型Si単結晶ウェハを用意し、濃度20%のフッ酸で洗浄処理した。そして、基板3をグラファイト製マスクに挟み、石英の電気管状炉11内に設置した。グラファイト製マスクに挟まれた状態で、基板3のうち、一方の面(以下、第1の面とする)では、後に半導体カーボン膜7を形成する部分が露出しており、反対側の面(以下、第2の面とする)は、完全に覆われている。
エタノールを容器に入れ、図2に示すように、窒素ガスまたはアルゴンガスのバブリングにより蒸気化し、電気管状炉11に導入した。電気管状炉11内の温度は700℃とし、1時間加熱した。この工程により、基板3における第1の面(図1における上面)に、膜厚約100nmの半導体カーボン膜7が形成された。この半導体カーボン膜7は、ホール測定によりp型の半導体であることが確認できた。半導体カーボン膜7のバンドギャップは0.8eVであった。
次に、半導体カーボン膜7の上層に、膜厚150nmのIZO(In-Zn-O)透明導電膜9を、スパッタ装置を用いて形成した。
次に、基板3における第2の面を研磨してから、真空蒸着により、金電極を200nmの厚みで形成した。
得られたIZO透明導電膜9/半導体カーボン膜7/基板3/金電極膜5の積層体試料(半導体素子1)について、ソーラーシミュレータを用いて、AM1.5で100mW/cm2の擬似太陽光を照射して評価した結果、開放電圧VOC:200mV、短絡電流密度JSC:14.5A/cm2、エネルギー変換効率:1.5%の太陽電池として作動することが確認された。またエタノールをメタノール、メントールに変えても、略同様の結果が得られた。
半導体素子1を製造する方法を図2及び図4に基づいて説明する。ガラス基板3の片面(以下、第1の面とする)に、厚さ150nmのIZO(In−Zn−O)透明導電膜9を形成した。基板3をグラファイト製マスクに挟み、石英の電気管状炉11内に設置した。グラファイト製マスクに挟まれた状態で、基板3のうち、第1の面では、後に半導体カーボン膜7を形成する部分が露出しており、反対側の面(以下、第2の面とする)は、完全に覆われている。
エタノール溶液の入った溶液を、図2に示すように、窒素ガスまたはアルゴンガスのバブリングにより蒸気化し、電気管状炉11に導入した。電気管状炉11内の温度は700℃とし、1時間加熱した。この工程により、IZO透明導電膜9の上層に、膜厚約100nmのp型の半導体カーボン膜7が形成された。このp型の半導体カーボン膜7は、熱電測定によりp型の半導体であることが確認できた。また、ラマン分光分析法により、半導体カーボン膜7が、π結合を持つ6員環を含む多環炭素の集合体であることが確認できた。p型の半導体カーボン膜7のバンドギャップは0.8eVであった。
次に、nブチルアミンを、図2に示すように、窒素ガスまたはアルゴンガスのバブリングにより蒸気化し、電気管状炉11に導入した。電気管状炉11内の温度は710℃とし、1時間加熱した。この工程により、p型の半導体カーボン膜7の上層に、膜厚約30nmのn型の半導体カーボン膜8が形成された。このn型の半導体カーボン膜8は、ホール測定によりn型の半導体であることが確認できた。また、ラマン分光分析法により、半導体カーボン膜8が、π結合を持つ6員環を含む多環炭素の集合体であることが確認できた。n型の半導体カーボン膜8のバンドギャップは1.1eVであった。
さらに、n型の半導体カーボン膜8の上層に、厚さ100nmの金電極膜5を、真空蒸着により形成した。
得られたガラス基板3/IZO透明導電膜9/p型の半導体カーボン膜7/n型の半導体カーボン膜8/金電極膜5の積層体試料(半導体素子1)について、ソーラーシミュレータを用いて、AM1.5で100mW/cm2の擬似太陽光を照射して評価した結果、開放電圧VOC:530mV、短絡電流密度JSC:23.4mA/cm2、エネルギー変換効率:6%の太陽電池として作動することが確認された。
半導体素子1を製造する方法を図1及び図7、8に基づいて説明する。
まず、半導体カーボン膜7の成膜に用いる電気管状炉101の構成を図7に基づいて説明する。電気管状炉101は、筒状の反応管103と、反応管103の一方の端部に設けられたガスの流入口105と、反対側の端部に設けられたガスの排出口107と、反応管103における流入口105側の部分を加熱する第1のヒータ109と、反応管103における排出口107側の部分を加熱する第2のヒータ111とを備える。排出口107から排出されたガスは、トラップ113を経て、ダクトへ送られる。
電気管状炉101は、反応管103の内部における任意の位置に、試料を設置可能である。また、流入口105から反応管103内にガスを導入し、排出口107から排出することができる。このとき、反応管103内には、流入口105から排出口107の方向に向かうガスの流れが生じる。
次に、半導体素子1の製造方法を説明する。
基板3として、厚さ0.6mm、P(燐)をド−パントとしたn型Si単結晶ウェハを用意し、濃度20%のフッ酸で洗浄処理した。そして、基板3をグラファイト製マスクに挟み、図7に示すように、反応管103の内部のうち、第2のヒータ111の近傍に設置した。グラファイト製マスクに挟まれた状態で、基板3のうち、一方の面(以下、第1の面とする)では、後に半導体カーボン膜7を形成する部分が露出しており、反対側の面(以下、第2の面とする)は、完全に覆われている。
また、半導体カーボン膜7の原料であるカンファーの結晶または粉末114を、図7に示すように、反応管103の内部のうち、第1のヒータ109の近傍に設置した。
次に、窒素ガスまたはアルゴンガスをキャリアガスとして、流入口105から導入した。そして、第1のヒータ109によりカンファーを130℃に加熱して気化した。気化したカンファーはキャリアガスの流れにより、基板3に運ばれる。反応管103内のうち、基板3が設置された部分の温度は、第2のヒータ111により650℃とし、この温度を1時間維持した。この工程により、基板3における第1の面(図1における上面)に、膜厚約100nmの半導体カーボン膜7が形成された。この半導体カーボン膜7は、ホール測定によりp型の半導体であることが確認できた。半導体カーボン膜7のバンドギャップは0.7eVであった。
次に、半導体カーボン膜7の上層に、膜厚150nmのIZO(In-Zn-O)透明導電膜9を、スパッタ装置を用いて形成した。
次に、基板3における第2の面を研磨してから、真空蒸着により、金電極を200nmの厚みで形成した。
得られたIZO透明導電膜9/半導体カーボン膜7/基板3/金電極膜5の積層体試料(半導体素子1)について、ソーラーシミュレータを用いて、AM1.5で100mW/cm2の擬似太陽光を照射して評価した結果、開放電圧VOC:298mV、短絡電流密度JSC:11.9A/cm2、エネルギー変換効率:0.7%の太陽電池として作動することが確認された。
なお、電気管状炉101は、図8に示すものであってもよい。この電気管状炉101は、反応管が上流側反応管103aと下流側反応管103bとに分離しており、上流側反応管103aは第1のヒータ109により加熱され、下流側反応管103bは第2のヒータ111により加熱される。上流側反応管103aと下流側反応管103bとの間は、連結管115で連通しており、上流側反応管103aから下流側反応管103bへのガスの流れが可能になっている。この電気管状炉101を用いる場合、上流側反応管103a内に原料(カンファーの結晶または粉末)114を配置し、下流側反応管103b内に基板3を配置する。
半導体素子1を製造する方法を図1及び図7、8に基づいて説明する。なお、半導体カーボン膜7の成膜に用いる電気管状炉101は、前記実施例11と同様のものを用いた。
基板3として、厚さ0.6mm、P(燐)をド−パントとしたn型Si単結晶ウェハを用意し、濃度20%のフッ酸で洗浄処理した。そして、基板3をグラファイト製マスクに挟み、図7に示すように、反応管103の内部のうち、第2のヒータ111の近傍に設置した。グラファイト製マスクに挟まれた状態で、基板3のうち、一方の面(以下、第1の面とする)では、後に半導体カーボン膜7を形成する部分が露出しており、反対側の面(以下、第2の面とする)は、完全に覆われている。
また、半導体カーボン膜7の原料であるボルネオールの結晶または粉末114を、図7に示すように、反応管103の内部のうち、第1のヒータ109の近傍に設置した。
次に、窒素ガスまたはアルゴンガスをキャリアガスとして、流入口105から導入した。そして、第1のヒータ109によりカンファーを150℃に加熱して気化した。気化したカンファーはキャリアガスの流れにより、基板3に運ばれる。反応管103内のうち、基板3が設置された部分の温度は、第2のヒータ111により650℃とし、この温度を1時間維持した。この工程により、基板3における第1の面(図1における上面)に、膜厚約100nmの半導体カーボン膜7が形成された。この半導体カーボン膜7は、ホール測定によりp型の半導体であることが確認できた。半導体カーボン膜7のバンドギャップは0.8eVであった。
次に、半導体カーボン膜7の上層に、膜厚150nmのIZO(In-Zn-O)透明導電膜9を、スパッタ装置を用いて形成した。
次に、基板3における第2の面を研磨してから、真空蒸着により、金電極を200nmの厚みで形成した。
得られたIZO透明導電膜9/半導体カーボン膜7/基板3/金電極膜5の積層体試料(半導体素子1)について、ソーラーシミュレータを用いて、AM1.5で100mW/cm2の擬似太陽光を照射して評価した結果、開放電圧VOC:278mV、短絡電流密度JSC:10.9A/cm2、エネルギー変換効率:0.6%の太陽電池として作動することが確認された。また原料を、ボルネオールの代わりに、ヒノキチオールの結晶、粉末を用いても略同様の結果が得られた。また、電気管状炉101として、図8に示すものを用いてもよい。
半導体素子1を製造する方法を図9及び図10に基づいて説明する。
まず、半導体カーボン膜7の成膜に用いる電気管状炉201の構成を図9に基づいて説明する。電気管状炉201は、筒状の反応管203と、反応管203の一方の端部に設けられたガスの流入口205と、反対側の端部に設けられたガスの排出口207と、反応管203における流入口205側の部分を加熱する第1のヒータ209と、反応管203における中央部分を加熱する第2のヒータ210と、反応管203における排出口207側の部分を加熱する第3のヒータ211とを備える。排出口207から排出されたガスは、トラップ213を経て、ダクトへ送られる。
電気管状炉201は、反応管203の内部における任意の位置に、試料を設置可能である。また、流入口205から反応管203内にガスを導入し、排出口207から排出することができる。このとき、反応管203内には、流入口205から排出口207の方向に向かうガスの流れが生じる。
次に、半導体素子1の製造方法を説明する。
基板3として、厚さ0.6mm、P(燐)をド−パントとしたn型Si単結晶ウェハを用意し、濃度20%のフッ酸で洗浄処理した。そして、基板3をグラファイト製マスクに挟み、図9に示すように、反応管203の内部のうち、第3のヒータ211の近傍に設置した。グラファイト製マスクに挟まれた状態で、基板3のうち、一方の面(以下、第1の面とする)では、後に半導体カーボン膜7を形成する部分が露出しており、反対側の面(以下、第2の面とする)は、完全に覆われている。
また、半導体カーボン膜7の原料であるカンファーの粉末5gを入れた石英容器301を、図9に示すように、反応管203の内部のうち、第1のヒータ209の近傍に設置した。また、ヨウ素粉末3gを入れた石英ガラス容器303を、反応管203の内部のうち、第2のヒータ210の近傍に設置した。
次に、窒素ガスまたはアルゴンガスをキャリアガスとして、流入口205から導入した。そして、第1のヒータ209によりカンファーを130℃に加熱して気化した。気化したカンファーはキャリアガスの流れにより、基板3に運ばれる。また、第2のヒータ210によりヨウ素を200℃に加熱して気化させる。気化したヨウ素はキャリアガスの流れにより、基板3に運ばれる。反応管203内のうち、基板3が設置された部分の温度は、第3のヒータ211により650℃とし、この温度を5時間維持した。この工程により、基板3における第1の面(図1における上面)に、膜厚約100nmの、ヨウ素がドープされた半導体カーボン膜7が形成された。この半導体カーボン膜7は、ホール測定によりp型の半導体であることが確認できた。半導体カーボン膜7のバンドギャップは1.3eVであった。
次に、半導体カーボン膜7の上層に、膜厚150nmのIZO(In-Zn-O)透明導電膜9を、スパッタ装置を用いて形成した。
得られたIZO透明導電膜9/半導体カーボン膜7/基板3/金電極膜5の積層体試料(半導体素子1)について、ソーラーシミュレータを用いて、AM1.5で100mW/cm2の擬似太陽光を照射して評価した結果、開放電圧VOC:340mV、短絡電流密度JSC:7.3A/cm2、エネルギー変換効率:2.5%の太陽電池として作動することが確認された。
なお、ヨウ素の代わりに、フッ素、塩素、臭素のうちのいずれかをドープしても略同様の結果が得られた。
また、電気管状炉201は、図10に示すものであってもよい。この電気管状炉201は、反応管が上流側反応管203aと、中央側反応管203bと、下流側反応管203cとに分離しており、上流側反応管203aは第1のヒータ209により加熱され、中央側反応管203bは第2のヒータ210により加熱され、下流側反応管203cは第3のヒータ211により加熱される。上流側反応管203aと中央側反応管203bとは連結管212で連通しており、中央側反応管203bと下流側反応管203cとは連結管214で連通している。そのため、上流側反応管203aから中央側反応管203bを経て下流側反応管203cへのガスの流れが可能になっている。この電気管状炉201を用いる場合、上流側反応管203a内にカンファーの粉末5gを入れた石英容器301を配置し、中央側反応管203b内にヨウ素粉末3gを入れた石英ガラス容器303を配置し、下流側反応管203c内にグラファイト製マスクに挟んだ基板3を配置する。
1・・・半導体素子、3・・・基板、5・・・金電極膜、
7、8・・・半導体カーボン膜、9・・・透明導電膜、
11、101、201・・・電気管状炉、13・・・溶液、15・・・混合溶液
103、203・・・反応管、103a・・・上流側反応管、
103b・・・下流側反応管、105、205・・・流入口、
107、207・・・排出口、109、111、209、210、211・・・ヒータ、
113、213・・・トラップ、115、212、214・・・連結管、
203a・・・上流側反応管、203b・・・中央側反応管、
203c・・・下流側反応管、301・・・石英容器、303・・・石英ガラス容器

Claims (13)

  1. π結合を持ち、5員環、6員環、7員環のうち少なくともいずれかを含む多環炭素の集合体と、
    前記多環炭素に結合した水素及び/又は窒素と、から成り、
    前記水素及び/又は窒素の含有量が、5〜20重量%であることを特徴とする半導体カーボン膜。
  2. バンドギャップが0.5〜3.0eVの範囲にあることを特徴とする請求項1記載の半導体カーボン膜。
  3. n型であることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体カーボン膜。
  4. 前記多環炭素の環を構成する炭素原子の一部が、窒素、燐、ヒ素、アンチモン、及びビスマスから成る群から選ばれる1種以上の原子により置換されていることを特徴とする請求項3記載の半導体カーボン膜。
  5. p型であることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体カーボン膜。
  6. エタノール、メタノール、カンファー、ボルネオール、ヒノキチオール、リナロール、リモネン、ツジョン、シネオール、テルビン油、ピネン、及びメントールから成る群から選ばれる1種以上が原料であることを特徴とする請求項5記載の半導体カーボン膜。
  7. 前記多環炭素の環を構成する炭素原子の一部が、B、Al、Ga、Inから成る群から選ばれる1種以上の原子により置換されていることを特徴とする請求項5又は6記載の半導体カーボン膜。
  8. フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素から成る群から選ばれる1種以上がドープされていることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の半導体カーボン膜。
  9. 請求項3または4に記載のn型の半導体カーボン膜と、
    請求項5〜8のいずれかに記載のp型の半導体カーボン膜とを備えることを特徴とする半導体素子。
  10. 請求項9記載の半導体素子を備える太陽電池。
  11. 請求項3または4に記載の半導体カーボン膜の製造方法であって、
    前記半導体カーボン膜の原料を膜状としてから、650〜1600℃で加熱することを特徴とする半導体カーボン膜の製造方法。
  12. 請求項3または4に記載の半導体カーボン膜の製造方法であって、
    前記半導体カーボン膜の原料を、650〜1600℃の気相中で熱分解し、その気相に基板を接触させることで、前記基板上に半導体カーボン膜を成膜することを特徴とする半導体カーボン膜の製造方法。
  13. 請求項5〜7のいずれかに記載の半導体カーボン膜の製造方法であって、
    前記半導体カーボン膜の原料を、気相中で熱分解し、その気相に基板を接触させることで、前記基板上に半導体カーボン膜を成膜することを特徴とする半導体カーボン膜の製造方法。
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