JP6044934B2 - グラフェンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水中で発生させるプラズマを利用したグラフェンの製造方法に関する。
炭素原子が主としてsp2共有結合されてなり、少なくとの一つの次元の寸法がナノメートル単位(1nm〜100nm)の構造を有するカーボンナノ材料は、その特異な電気的性質とともに、化学的、機械的および熱的に安定した性質を持つ材料として、その応用が進められている。かかるカーボンナノ材料としては、代表的には、フラーレン、単層あるいは多層のカーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、オニオンライクカーボン、グラフェン等が挙げられる。これらの材料のうちでも、特にグラフェンは、電気移動度が格段に高く、形状の柔軟性および光透過性を有していること等から、電子デバイスを始めとする様々な分野での利用が期待されている。
かかるグラフェンは、その概念自体は古くから知られていたが、単層のグラフェンシートはフラーレンやナノチューブのような丸まった形状をとらないと層が崩壊してしまうと考えられており、単層のグラフェンの分離は2004年に実現されるまでは事実上不可能であると考えられていた。
このようなグラフェンの製造方法としては、現在では、例えば、アーク放電やプラズマ等により炭素源を基板上に気相成長(CVD)させる方法、炭化ケイ素(SiC)の熱処理により表面のSiを蒸発させる方法等の、いわゆるボトムアップの手法の他、高配向無水黒鉛(HOPG)から粘着テープにより剥離する方法、酸化したグラフェンを超音波で剥離する手法等のトップダウンの手法が知られている。
しかしながら、上記のようなボトムアップで製造する手法は、比較的大面積のグラフェンを製造できるという利点があるものの、製造設備等が大型でコストを要し、また生産性が低いという問題があった。一方の上記の粘着テープにより剥離する手法によると、グラフェンの製造に時間と手間を要し、得られるグラフェンに欠陥が多く、またその表面が不純物により汚染される虞があるため、良質なグラフェンを大量に製造することは不可能であった。また、酸化したグラフェンを剥離する手法によると、層内の結合が破壊されたり、酸化の処理によりグラフェンの表面に官能基が導入されるため、π電子共役系が広範囲に破壊されてグラフェンの物性に悪影響を与える虞がある等の問題があった。
国際公開第WO2010/104200号明細書 国際公開第WO2009/119059号明細書
佐野、真空,Vol.47(2004)No.12,P841−846
ところで、水溶液中で発生されるプラズマ(以下、単に「液中プラズマ」という場合がある。)の作用を利用することで、様々なカーボンナノ材料を作製できることが報告されている(例えば、特許文献1および非特許文献1等参照)。しかしながら、液中プラズマにより得られるカーボンナノ材料は、代表的には、フラーレン、オニオンライクカーボン、多層カーボンナノチューブあるいはカーボンナノホーン集合体であって、最もシンプルな構成のグラフェンの作製については報告されていない。
なお、有機化合物を含む液状物と気相との気液界面でプラズマを発生させることによりグラフェンを製造することが提案されている(例えば、特許文献2等参照)。しかしながら、この手法で得られるグラフェンはランダム集合体であって、欠陥が多く、良質なグラフェンの製造方法とはなり得ていなかった。
本発明は上記課題に鑑みて創出されたものであり、欠陥の発生を抑制して、簡便で生産性良くグラフェンを製造することが可能な、グラフェンの製造方法を提供することを目的とする。
この出願は、上記の従来技術の課題を解決するものとして、以下の構成のグラフェンの製造方法を提供する。すなわち、かかる製造方法は、水または水溶液中に一対の炭素電極を浸漬させること、上記炭素電極間に、電圧1kV〜2kV、パルス幅0.5μs〜4μs、周波数5kHz〜50kHzの条件でパルス状に電圧を印加してグロー放電プラズマを発生させること、上記グロー放電プラズマの作用により上記炭素電極からグラフェンを形成すること、を含むことを特徴としている。
液体中で発生させるプラズマ(液中プラズマ)は、一般に、液体中に浸漬させた電極間に電圧を印加することで発生させたジュール熱により当該液体を気化させ、その気相を構成する分子を部分的ないしは完全に電離させることで得られる。このような液中プラズマには、典型的には、電極間にかかる電位差等によって、火花放電、コロナ放電、グロー放電、アーク放電等に分類される。これらのうち、グロー放電プラズマは、電子温度は高いがイオンや中性粒子の温度が低い非平衡状態にある低温プラズマである。
本発明においては、かかるグロー放電プラズマを発生させることで炭素電極間に作用するエネルギーを上記の通りに極微量に制限し、炭素電極に由来するグラフェンを得るようにしている。典型的には、かかるグロー放電プラズマの作用により炭素電極を剥離してグラフェンを作成し得る。すなわち、炭素源を含む溶媒を用意したり、触媒を用いたりすることなく、グラフェンの製造を可能としている。もちろん、大気圧下での実施が可能であるため、大型で極めて高価な装置は必要ない。
なお、グラフェンは、厳密には、炭素原子がsp2結合されてなる炭素六員環構造のグラフェンシートが1枚(1原子層)の状態のものをいう。しかしながら、本明細書における「グラフェン」とは、かかるグラフェンシート1枚からなるものに加え、数枚が積層(典型的には、2〜10層程度の積層)されてなる平面状物(すなわち、グラフェンシートが閉じていない形態である)を包含する。
ここに開示されるグラフェンの製造方法の好ましい態様においては、上記炭素電極間に、1秒間あたりの出力が120J以下となるように上記グロー放電プラズマを発生させることを特徴としている。
実際に電極間に発生される1秒間あたりの出力は、電極間の電流−電圧特性から求めることができる。かかる構成によると、適切なエネルギー量のグロー放電プラズマを安定して定常的に発生させることができるため、炭素骨格の破壊を抑制して、より少ない出力で効率的にグラフェンを製造することが可能とされる。
ここに開示されるグラフェンの製造方法の好ましい態様においては、1パルスあたりの出力が0.5×10−3J〜2.5×10−3Jとなるようにパルス状に電圧を印加してグロー放電プラズマを発生させることを特徴としている。
かかる構成によると、プラズマの発生状態をより精密に制御することができ、より欠陥の少ないグラフェンを製造することができる。
ここに開示されるグラフェンの製造方法の好ましい態様においては、上記炭素電極はグラファイトから構成されていることを特徴としている。
グラファイトを炭素電極として用いることで、かかるグラファイトを構成するグラフェンの積層構造を維持したまま、グラフェンの層間を剥離してグラフェンを製造することができる。
グラフェンの製造に用いる液中プラズマ発生装置の構成の一例を示す模式図である。 液中プラズマによるグラフェンの製造を説明する概念図である。 (a)(b)は、一実施形態において得られたグラフェンの透過型電子顕微鏡(TEM)像である。 オニオンライクカーボンの透過型電子顕微鏡(TEM)像である。 一実施形態において得られた(a)グラフェンと、(b)オニオンライクカーボンとのラマンスペクトルを例示した図である。 一実施形態において得られた(a)グラフェンと、(b)オニオンライクカーボンを製造した際の液中プラズマの発光スペクトルを例示した図である。
以下、本発明のグラフェンの製造方法について説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(グラフェンの製造条件等)以外の事柄であって、本発明の実施に必要な事柄(液中プラズマの発生装置の構成等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書および図面に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
ここに開示されるグラフェンの製造方法は、本質的に、水または水溶液中に一対の炭素電極を浸漬させて、この電極間に、電圧1kV〜2kV、パルス幅0.5μs〜4μs、周波数5kHz〜50kHzの条件でパルス状に電圧を印加してグロー放電プラズマを発生させる。そしてこのグロー放電プラズマの作用により、水または水溶液中に上記の炭素電極に由来するグラフェンを形成するものである。
炭素電極としては、常温常圧で導電性を示す炭素(C)の同素体を主成分とする炭素材料からなるものであれば特に制限なく用いることができる。かかる炭素材料としては、代表的には、いわゆる黒鉛質材料、導電性アモルファス炭素材料、および、これらの複合材料等が例示される。
そしてここに開示される製造方法において、この炭素電極は、グラフェンを構成する原料を供給するための炭素源として用いるものであり、好ましくはグラフェンそのものの源と考えることができる。すなわち、本製造方法において、グラフェンは、主として炭素電極(典型的には、グラファイトとすることもできる。)の一部が剥離されることで形成されると考えられる。したがって、炭素電極の結晶構造は、得られるグラフェンの結晶構造に大きな影響を与え得る。このような観点から、炭素電極は、グラファイト(黒鉛)から構成されているのが好ましい。つまり、グラファイトは複数のグラフェンシートがシート間に働くファンデルワールス力により比較的弱い力で結合された積層構造を有しており、本発明においては、かかるグラファイトからグラフェンシートを層間剥離することによりグラフェンを取り出すのを好ましい形態としている。特に高品質のグラフェンを得るには、結晶方位の揃った高配向性のグラファイトから構成された炭素電極を用いるのがより好適である。かかる高配向性の黒鉛としては、例えば、高配向熱分解黒鉛(HOPG)が挙げられる。
水または水溶液としては、水を主体とする液媒体を考慮することができ、典型的には、蒸留水やイオン交換水等の純水や、水道水を用いることができる。また、本願発明の目的を逸脱しない範囲で、任意の溶質が溶解された水溶液を使用することができる。本発明においては、例えば、後述のプラズマの発生を安定かつ容易にするために電解質を含有した水を使用し得る点で水溶液を用いてもよい。かかる電解質としては、例えば、塩化カリウム(KCl)や水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)等を考慮することができる。しかしながら、かかる電解質の添加は必須のものではない。また、この水溶液は、グラフェンの原料を含んでいる必要はない。すなわち、本発明の水溶液は、本質的には、炭素(C)成分を含まないものを用いることができる。
ここで、グラフェンの形成をもたらす水溶液(電解質等を含まない水を包含する。特にことわりの無い限り、以下同じ。)中でのグロー放電プラズマについて説明する。水溶液中のグロー放電プラズマは、水溶液中の電極間に電圧を印加して発生された気体(気相)の中に、当該気体を構成する分子を部分的ないしは完全に電離させることで、形成され得る。つまり、水溶液中でのグロー放電プラズマにおいて、プラズマ相を取り囲む気相はさらに液相に取り囲まれており、プラズマを構成する上記のイオン、電子およびラジカル等の活性種は制限された気相中において自由に運動し得る状態である。そのため、解放された気相中に発生される気相プラズマ(典型的には、大気圧プラズマ、低圧プラズマ等)とは異なる物理的および化学的性質を示す。
例えば、気相プラズマは、気体の温度を上げて行った際にこの気体を構成する中性分子が電離してプラズマ化することで発生する。このとき、固体・液体・気体間の相転移とは異なり気体からプラズマへの転移は徐々に起こるため、構成分子のごく一部が電離した電離度が非常に低い状態でも充分にプラズマであり得る。これに対し、水溶液中で発生されるプラズマは、典型的には、まず液中での放電により当該液体がジュール加熱により気化されて気相を形成し、さらにこの気相においてプラズマが発生することで形成される。すなわち、液中プラズマは、プラズマという高エネルギー状態が液中(すなわち凝縮相)に閉じ込められており、閉鎖系の物理が実現するとともに、解放されない高密度なプラズマ反応場が形成されているといえる。
さらに、水溶液中で発生されるグロー放電プラズマは、その他の液中プラズマに対して、さらに異なる特徴を有している。例えば、アーク放電プラズマは、粒子密度が高く、イオンや中性粒子の温度が電子温度とほぼ等しい局所熱平衡状態にある熱プラズマである。これに対し、グロー放電プラズマは、電子温度は高いがイオンや中性粒子の温度が低い非平衡状態にある低温プラズマである。また、コロナ放電では連続的なプラズマの発生は難しいことに加え、水の分解により水素ラジカルと共に酸化性のヒドロキシラジカルが比較的多く形成されるという特徴がある。これに対し、グロー放電プラズマではプラズマの持つエネルギーが高く、酸化性のヒドロキシラジカルがさらに分解されて還元性の水素ラジカルが多く生成される。すなわち、グロー放電プラズマによるとグラフェンシートの酸化は起こり難い状態であり得る。また、グロー放電は絶縁破壊電圧が比較的低く、プラズマのもつエネルギーをより精密に制御することが可能となる。これらのことから、本発明では、水溶液中に発生させるプラズマとして、グロー放電プラズマを採用するようにしている。以下、水溶液中で発生させるグロー放電プラズマを、単に「ソリューションプラズマ」という場合がある。
なお、ソリューションプラズマにおいては、プラズマ相を囲む液体の膨張・圧縮運動とプラズマ相とは連動しつつ安定な状態が長時間(例えば、2時間以上)維持され得る。これによると、例えば、ソリューションプラズマにおいては、電極間に発生される気相はその一部が浮力により電極間から浮上して液表面に到達することがあり得るものの、その大部分は電極間に一定の大きさの気相として定常的に維持され得る。したがって、グラフェンを安定して製造することが可能である。発生したプラズマがグロー放電プラズマであるかどうかは、例えば、プラズマ発光分光分析等により求められるタウンゼント第2係数が0.0005〜0.005の範囲にあることで確認することができる。
以上のソリューションプラズマは、正負のイオン、電子およびラジカル等の活性種を含んでいる。ここで、活性種としては、典型的には、上記の水溶液中の水分子が分解されて生成する、水素イオン、水酸化物イオン、酸素イオン、水素ラジカル、酸素ラジカルおよびヒドロキシラジカル等が考慮される。
本発明においては、これらのプラズマ活性種(典型的には、正イオン)が炭素電極に衝突した際に、いわゆるスパッタリングと類似の作用が生じ、炭素電極の表面から炭素成分を(典型的には、グラフェンの形態で)剥がし取るものである。ここで、プラズマの活性種の衝突により、炭素電極における炭素原子(C)のsp2結合が切断されるのは好ましくない。典型的には、かかる衝突は、グラフェンシートにおけるsp2結合を切断することなく、ファンデルワールス力による結合を解消する(へき開させる)に適したエネルギーを有するものであり得る。
なお、本発明の方法は、上記の炭素成分の剥がし取りにおいて、必ずしも炭素電極における炭素原子のsp2結合の切断を排除するものではない。例えば、形成されるグラフェンの端部においては炭素結合が切断された形態であり得るし、また、切断された炭素原子のsp2結合は、ソリューションプラズマの反応場において、ラジカルの作用により再度sp2結合を形成する可能性があるためである。
このようなソリューションプラズマは、サブマイクロ秒のパルス幅の電圧を、高い繰り返し周波数で印加することにより、投入エネルギーを低くした場合でも比較的安定して発生させることができる。投入エネルギーを低く抑えることで、炭素のsp2結合の切断を低減することができる。このようなソリューションプラズマの発生条件は、典型的には、電圧1kV〜2kV、パルス幅0.5μs〜4μs、周波数5kHz〜50kHzの直流パルス電圧を印加することとして把握し得る。これらの条件の詳細は、使用する装置や原料である炭素電極等にもよるため一概には言えないものの、好適には、直流パルス電圧のパルス幅や、周波数を調整することで、適切な条件を実現し得る。より具体的には、例えば、パルス幅は0.5μs〜3μs程度、より好適には、0.5μs〜2μs程度の範囲で調整するのが好適な例として示される。また、周波数を10kHz〜40kHz程度、例えば、10kHz〜30kHz程度の範囲で調整するのがより好適である。ただし、パルス幅が小さすぎたり、周波数が低すぎる場合等には、投入エネルギーが低くなりすぎ、放電が起こらない、あるいは略連続した放電状態を維持できないために好ましくない。逆に、パルス幅が大きすぎたり、周波数が高すぎる場合等には、投入エネルギーが高くなりすぎ、グラファイトをへき開させるのみならず、新たなカーボンナノ物質の形成を誘起するために好ましくない。具体的には、フラーレンが入れ子になった構造を有するオニオンライクカーボンが形成され得る。
従って、このようなソリューションプラズマは、おおよその目安として、1秒間あたりの出力が120J以下となるように前記グロー放電プラズマを発生させることで好ましく実現することができる。かかる1秒間あたりの出力は、110J以下であるのがより適切であり、例えば100J以下である。1秒間あたりの出力の下限は、例えば、ソリューションプラズマの発生状況と、グラフェンの製造速度との兼ね合いで決定することができる。かかる目安としては、1秒間あたりの出力がおおよその目安で30J以上(例えば50J以上)であればよいといえる。
なお、かかるパルス電圧は、1パルスあたりの出力は、0.5×10−3J〜5×10−3J程度であってよく、0.5×10−3J〜2.5×10−3J(例えば、0.8×10−3J〜2×10−3J)となるようにするのがより好ましい。このような条件とすることで、パルス波形をより適切に制御することができ、グラフェンシートにおけるsp2結合の切断をさらに抑制し、欠陥の少ないグラフェンを得るに適切な出力のパルスとなり得る。
なお、上記の「1秒間あたりの出力」および「1パルスあたりの出力」は、例えば、炭素電極間の抵抗挙動を観測することで求めることができる。具体的には、炭素電極間に生じる実際の電圧と電流との波形をオシロスコープ等の検出手段により測定し、かかる波形と周波数条件とから算出することができる。すなわち、1パルスあたりの出力は、炭素電極間の実際の電圧波形と電流波形とから、出力[W(J)]=電圧[V(V)]×電流[I(A)]×時間[t(s)]の関係に基づいて算出することができる。より具体的には、例えば、オシロスコープ等の検出精度に応じて、ΔW=V×I×Δtで算出されるΔWの積分値として求めることができる。また、かかる1パルスあたりの出力に周波数を乗じることにより、1秒間あたりの出力を算出することができる。
なお、電圧および電流の1波形は、パルス状に電圧を印加した時点を波形の始まりとみなすことができ、電圧値および電流値がゼロに収束した状態を波形の終わりとみなすことができる。ただし、電圧および電流のいずれかの値がゼロであれば出力もゼロとなるため、これらの値は厳密な境界を設けなくても算出することができる。
また、使用する水溶液としては、上記の通りの純水等の水であっても良く、また上記の通りの電解質を含む水溶液であってよい。後者の場合の電気伝導度は、100μS・cm−1〜2500μS・cm−1程度であるのが好ましい。電気伝導度が100μS・cm−1未満であると、ソリューションプラズマの発生により多くの電力を要するために好ましくない。また、電気伝導度が2500μS・cm−1を超過する場合は、プラズマ発生のために電極間に投入した電力がイオン電流として消費されてしまい、定常的にプラズマを発生させるのが困難となるために好ましくない。電気伝導度は、必須ではないものの、300μS・cm−1〜2300μS・cm−1程度とすることができ、例えば、1000μS・cm−1〜2000μS・cm−1程度とすることができる。
なお、他の側面から、本発明は、水または水溶液中に一対の炭素電極を浸漬させること、上記電極間に、電圧1kV〜2kV、パルス幅0.5μs〜4μs、周波数50kHzを超えて80kHz程度の条件でパルス状に電圧を印加し、グロー放電プラズマを発生させること、を含むオニオンライクカーボンの製造方法を提供することができる。また、ソリューションプラズマの投入エネルギーの観点からは、例えば、おおよその目安として、1秒間あたりの出力が120Jを超えるようにすることで、好適にオニオンライクカーボンを製造することができる。しかしながら、過剰なエネルギーは電極の溶融や、グロー放電プラズマの不安定化をもたらすために好ましくない。
以下、本発明の好適な実施形態を例にして、本発明のグラフェンの製造方法についてより詳細に説明する。
図1は、水溶液2中でソリューションプラズマ4を発生させるためのソリューションプラズマ発生装置10の概略を示す図である。この実施形態では、水または水溶液2としてイオン交換水を用い、ガラス製のビーカーからなる容器5に入れている。また、プラズマ4を発生させるための一対の炭素電極6は、所定の間隔を以て水2中に配設され、絶縁部材9を介して容器5に保持されている。炭素電極6は外部電源8に接続されており、この外部電源8から所定の条件のパルス電圧が印加される。これによって、一対の炭素電極6間に、定常的にソリューションプラズマ4を発生させることができる。
炭素電極6の形態については特に制限はなく、例えば、平板状電極や棒状電極およびその組み合わせ等の様々な形態であってよい。例えば、一例として、線状(ワイヤ状、針状)電極を用いると、電界を局所的に集中させることが可能となるために好ましい。この場合の炭素電極6の直径は、0.1mm以上3mm以下、典型的には0.1mm以上2mm以下、例えば0.1mm以上1mm以下とすることが例示される。また、このような炭素電極6間の距離は、0.1mm以上3mm以下、典型的には0.1mm以上2mm以下、例えば0.3mm以上1mm以下とすることが好ましい例として示される。なお、炭素電極6は、上記の通り、高配向性のグラファイトで構成されていることが好ましく、特にグラファイトのc軸が線状電極の軸方向に一致するように構成されていることが好ましい。または、グラファイトのc軸が線状電極の軸方向に対して所定の角度となるように構成されていてもよい。このようにすることで、ソリューションプラズマ4の発生状況に応じて炭素電極を構成するグラファイトの軸方向を好適に調整することができ、ソリューションプラズマ4のスパッタ作用を、炭素間の結合を切断することなくグラファイトの層間剥離に効果的に作用させることが可能となり得る。
本実施形態においては、炭素電極6として高配向熱分解黒鉛(HOPG)を用いており、電界集中を妨げる余分な電流を抑えるために先端部(例えば、0.1mm程度)のみを露出させ、残りの部分は絶縁部材9等で絶縁している。絶縁部材9は、例えばゴム製あるいは樹脂(例えば、フッ素樹脂)製とすることが例示される。この実施形態において、絶縁部材9は電極6を容器5に固定するとともに、電極6と容器5との水密を保つための栓をも兼ねた構成である。かかる装置10において、上記のとおりのパルス電圧の印加によりソリューションプラズマを発生させる。
なお、ソリューションプラズマの発生に用いる外部電源8としては、双極性のパルス電圧の発生が可能な電源を用いるのが好ましい。いわゆるバイポーラ電源であり得る。例えば、かかる双極性電源により電極間に負荷に電圧を印加することで、上記の条件のソリューションプラズマを好適に発生させることができる。
ソリューションプラズマ発生装置10により発生されるプラズマ反応場は、例えば、図2に説明するような構成となり得る。すなわち、水(液相)2中に気相3が形成され、この気相3中にソリューションプラズマ(プラズマ相)4が形成されている。このプラズマ反応場は、炭素電極6間に定常的に維持されている。かかるプラズマ反応場では、プラズマ相4中に生成される高いエネルギーを有した電子、イオン、ラジカル等の活性種が炭素電極6の表面に衝突する。炭素電極6aの表面では、かかる衝撃によりファンデルワールス力から解放されたグラフェン1が水2中に剥がれてくる。そしてこのグラフェン1は、水2中を浮遊して水面にまで浮かび上がる。以上の構成により、ソリューションプラズマ4の作用によって、炭素電極6からグラフェン1を製造することができる。
なお、図2では理解を容易にするために、液相2と気相3、気相3とプラズマ相4の間の各界面が略楕円球状に明確に形成されている様子を示しているが、かかる界面は必ずしも明確に形成されることに限定されない。例えば、気相3とプラズマ相4の間の界面に臨界的なものがなく、かかる界面は空間的な広がりを持っていても良い。
以上、好適な実施形態に基づきグラフェンの製造方法について説明したが、かかる製造方法はこの例に限定されず、適宜に態様を変化して行うことができる。例えば、ソリューションプラズマの発生に際しては、必ずしも炭素電極を一対のみで用いる必要はなく、例えば、2以上の炭素電極対によりグラフェンを製造してもよい。また、ソリューションプラズマを発生させる電極対の構成等についても、本発明の目的を達成し得る限り、様々な態様とすることができる。
次に、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
[実施形態1]
図1に示した構成のソリューションプラズマ発生装置10を用い、2つの炭素電極6を水2中に対向して配置し、かかる電極6間にパルス電圧を印加してグロー放電プラズマ4を発生させた。この実施形態においては、水2として蒸留水(電気伝導率:0.06μS/cm)を用いた。また、炭素電極6としては、直径は0.3mmのワイヤ状のHOHG(ニラコ社製、99.9%)を用い、電極間距離は0.5mmに設定したほか、電界集中を妨げる余分な電流を抑えるために先端部(例えば、数mm程度)のみを露出させて、後の部分はフッ素樹脂からなる絶縁部材9で絶縁した。炭素電極6は外部電源8に接続されており、この外部電源8から所定の条件のパルス電圧を印加した。外部電源8としては、バイポーラパルス電源(株式会社栗田製作所製、MPS−R06K02C−WP1F)を用いた。
電圧の印加条件は、電圧1〜2kV、パルス周波数10〜60kHz、パルス幅1〜4μsの範囲で様々に変化させた。かかる条件で発生させたプラズマは、プラズマ発光分光分析等により求められるタウンゼント第2係数が0.0005〜0.005の範囲にあることが確認された。また、放電中の電圧波形と電流波形とを、デジタルオシロスコープを使用して測定した。さらに放電中のプラズマの発光について、発光スペクトルを測定した。
かかる放電の後、蒸留水2の水面に浮かんできた生成物をそれぞれ回収して、その構造を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察した。
[出力計算]
ソリューションプラズマの放電に伴う電圧波形と電流波形をオシロスコープにより計測した。この電圧および電流の波形は、イオンをほぼ含まない液相の抵抗挙動を表し得る。本実施形態において、パルス電圧の印加直後、炭素電極間には急激に高電圧が加わった。次いで、絶縁破壊に伴う電圧の急激な低下が生じ、その後パルス電圧が印加されている間は所定の電圧値となった。一方、放電電流は、パルス電圧の印加とともに直線的に増加し、パルス電圧が消滅すると次第に減少してゆくことが確認できた。
例えば、上記のバイポーラパルス電源を用い、(A)電圧1000kV、パルス周波数20kHz、パルス幅1μsの電圧印加条件では、最大電流値が約5Aとなる電流波形が得られた。かかる電圧および電流波形から、1パルスあたりの電力は、W[J]=V×I×tの関係から、1.07×10−3Jと算出された。また、パルス周波数から、1秒当たりの出力は、8.26×10×Jであると算出された。
一方で、例えば、(B)電圧1000kV、パルス周波数60kHz、パルス幅1μsの電圧印加条件では、最大電流値が約3.5Aとなる電流波形が得られた。かかる電圧および電流波形から、1パルスあたりの電力は、1.17×10−3Jと算出された。また、1秒当たりの出力は、1.41×10Jと算出された。
[TEM観察]
上記で得られた生成物を高分解能透過型電子顕微鏡(HR−TEM:日本電子株式会社製、JOEL4000EX)により観察した。その結果を、図3(a)(b)および図4に示した。
図3は、上記(A)のプラズマ発生条件で得られた生成物の(a)HR−TEM像と、(b)TEM像である。図3(a)には、六角形のハニカム形状が観察され、(b)にはシート状の物質が観察され、グラフェンが形成されていることが確認できた。なお、具体的には示していないが、かかるTEM観察に伴う電子回折分析像から、このグラフェンが高度に配向した六方晶系の結晶構造を有することが明らかとなり、炭素電極に用いた熱分解性グラファイトの構造に一致することが確認された。
一方の図4は、上記(B)のプラズマ発生条件で得られた生成物のHR−TEM像である。図4に示された通り、かかる条件では直径2〜16nm程度のオニオンライクカーボンが形成されることが確認できた。
なお、このグラフェンとオニオンライクカーボンとは、いずれも1パルスあたりの出力がそれぞれ(a)1.07×10−3J,(b)1.17×10−3Jとほぼ同じ条件で得られたものであるが、1秒間あたりの出力を上記のとおり異ならしめることにより、形成されるカーボンナノ材料の形態が変化されたものである。
[ラマン散乱分光分析]
上記で得られた生成物である(a)グラフェンと(b)オニオンライクカーボンのラマンスペクトルをラマン分光分析装置により測定し、ナノ構造解析を行った。その結果を図5に示した。(a)グラフェンと(b)オニオンライクカーボンのラマンスペクトルには、いずれも1348cm−1、1578cmcm−1、2718cm-cm−1近傍に、Dバンド、GバンドおよびG’バンドとして知られるカーボンナノ材料に特徴的な3つのピークがそれぞれ検出された。
(a)グラフェンについては、Gバンドに由来するピークがシャープで強度も強く、かかるグラフェンの結晶性の高さを示すものとなっている。また、Dバンドのピークが小さいことから、sp2結合による炭素6員環構造において欠陥が少ないことや、他の原子との結合が見られないことが伺える。また、G’バンドとGバンドの比から、ここで観察したグラフェンには複数のグラフェンシートが積層されてなる積層構造が含まれていることがわかった。G’バンドとGバンドの比からかかるグラフェンは3層程度以下の積層構造を有しているものと考えられる。
一方の(b)オニオンライクカーボンについては、その曲面構造に由来してDバンドのピークが高く、また、面内伸縮振動によりGバンドが幅広となることが確認できた。G/D比は0.8程度であり、ソリューションプラズマの1秒間あたりの出力を変化させることで全く構造の異なるナノ材料が製造される。
[発光分光分析]
上記の(A)および(B)で示す条件で発生されたソリューションプラズマの発光を光ファイバーで分光器(Avantes社製、AvaSpec3648−USB2)に取り込み、発光分析法(OES)によりソリューションプラズマ中の化学活性種の分析を行った。ソリューションプラズマの発生条件(A)および(B)は、それぞれ(a)グラフェンおよび(b)オニオンライクカーボンの製造条件に相当する。得られた発光スペクトルを図6に示した。
(a)グラフェンが製造された際のソリューションプラズマには、Hα(656.3nm)、Hβ(486.1nm)、O(777nm)等のピークが見られ、水(HO)
に由来するHラジカルとOラジカルの存在が確認できる。特にHラジカルの鋭いピークが観察され、グロー放電が発生していることが確認された。
(b)オニオンライクカーボンが製造された際のソリューションプラズマには、上記の3種のピークに加え、CH(BΣ―Xπ:388.9nm)、C(Aπ−X’π:512.9nm〜516.5nm)等とみられるピークが検出されており、炭素電極におけるグラファイト骨格が破壊されたことが確認できた。また、熱放射に起因すると思われるブロードな発光が検出されており、プラズマ内は高温になっていると考えられる。このような高温の反応場では、グラフェンは形成されず、オニオンライクカーボンが製造されることが確認された。
以上のことから、水中で炭素電極を用いたソリューションプラズマの発生により、炭素電極を原料としてグラフェンおよびオニオンライクカーボンのカーボンナノ材料を製造できることが確認できた。また、ソリューションプラズマの出力条件、特に1秒あたりの出力条件を制御することにより、グラフェンとオニオンライクカーボンとを作り分けられることが示された。かかる製法によると、グラフェンは炭素電極のグラファイト層の層間を剥離することで形成され、欠陥が少なく高品質なグラフェンを簡便に製造することが可能とされる。すなわち、グラフェンの原料を溶液中に含有させたり、触媒を用いたりする必要はない。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。ここで開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれ得る。
1 グラフェン
2 水溶液(液相)
3 気相
4 ソリューションプラズマ(プラズマ相)
5 容器
6,6a 炭素電極
8 外部電源
9 絶縁部材
10 ソリューションプラズマ発生装置

Claims (4)

  1. 水または水溶液中に一対の炭素電極を浸漬させること、
    前記炭素電極間に、電圧1kV〜2kV、パルス幅0.5μs〜4μs、周波数5kHz〜50kHzの条件でパルス状に電圧を印加してグロー放電プラズマを発生させること、
    前記グロー放電プラズマの作用により前記炭素電極からグラフェンを形成すること、
    を包含する、グラフェンの製造方法。
  2. 1秒間あたりの出力が120J以下となるように前記グロー放電プラズマを発生させる、請求項1に記載の製造方法。
  3. 1パルスあたりの出力が0.5×10−3J〜2.5×10−3Jとなるように前記グロー放電プラズマを発生させる、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記炭素電極はグラファイトから構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
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