以下、添付の図面を参照しながら、本発明によるカーシェアリングシステムにおける車両管理システム、車両管理方法、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な媒体の実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
なお、以下の説明においては、図1乃至図2を参照しながら説明した従来の技術による車両管理システム100と同一または相当する構成については、上記において用いた符号と同一の符号を用いて示すことにより、この詳細な構成ならびに作用の説明は適宜に省略することとする。
まず、図3を参照しながら、本発明による車両管理システムの第1の実施の形態について説明する。図3には、本発明の第1の実施の形態による車両管理システムの概要を示すブロック構成図が示されている。
この図3に示す本発明による車両管理システム10は、事業者のパーソナルコンピューター118、会員となった利用者のパーソナルコンピューター104および当該利用者の携帯端末106とネットワークを介して接続されるサーバー108と、車両110に設けられるとともにサーバー108と携帯電話網を利用して接続される車載器12と、車両110内の所定の位置に取り付けられるとともに車載器12と接続されるカードリーダー114と、車両110のダッシュボードの運転席近傍に設けられたカードリーダー14と、車両110のダッシュボード内に設けられるとともに車載器12と接続されるキーボックス116とを有して構成されている。
なお、カードリーダー114を取り付ける所定の位置とは、道路運送車両の保安基準に準拠する位置(例えば、リアウインドウや運転席より後方側の座席等の側面のガラスである。)において、利用する人間が車両110の外から視認可能な位置である。
より詳細には、車載器12は、車両110に備えられた装置や機能に対する監視や当該監視に基づく制御を行うものであり、GPS衛星16と通信するGPSモジュール12aと、携帯電話網と接続する通信モジュール12bと、GPSモジュール12a、通信モジュール12b、監視部12e(後述する。)およびカードリーダー14、114からの各種情報を処理するとともに、カードリーダー14、144、キーボックス116ならびに車載器12の全体の動きを制御するメインコントローラー12cと、メインコントローラー12cからの情報により車両110に設けられたエンジンスタータ110aおよびドアロックアンロックシステム110bを操作する操作部12dと、車両110に設けられたドアロックアンロックシステム110b、ドアスイッチ110c、イグニッション110d、バッテリー電圧検出器110e、燃料残量検出器110f、車速検出器110gおよびキー検出器110hを監視する監視部12eと、メインコントローラー12cからの情報によりキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から音声ガイダンスなどを出力させる音声モジュール12fとを有して構成されている。
また、GPSモジュール12aは、GPS衛星16からGPS信号を受信するために必要なアンテナ12aaを備えており、また、通信モジュール12bは、車載器12が各種情報を携帯電話網を介して送受信するためのアンテナ12baを備えている。
さらに音声モジュール12fは、キーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)に接続されている。
また、カードリーダー14、114は、ICカードに記憶された情報を読み取るものであり、カードリーダー14は運転席近傍のダッシュボードに取り付けられて、また、カードリーダー114は道路運送車両の保安基準に準拠する位置に取り付けられており、それぞれ翳されたICカードの情報を読み込むことが可能な位置に配置されている。
また、カードリーダー14、114には、それぞれ取り付けられた位置において、利用する人間が視認可能な位置にLEDランプ(図示せず。)が設けられている。
また、キー検出器110hは、ドアロック時またはドアロック解除時にキーが使用されると、監視部12eにドアロック時またはアンロック時にキーが使用されたとの信号を出力するものである。
以上の構成において、図4乃至図10を参照しながら、車両管理システム10を利用して車両110の予約や利用を行う場合について説明するが、はじめに各構成要素の機能について説明する。
まず、メインコントローラー12cは、サーバー108、カードリーダー14、114、監視部12eおよびGPS衛星からの各種情報の入力を行い、入力した情報を記憶するとともに、サーバー108に対して各種情報を出力する。
さらに、このメインコントローラー12cは、操作部12d、監視部12e、音声モジュール12f、カードリーダー14、114およびキーボックス116といった構成要素に対してそれらを制御する出力を行う。
また、操作部12dは、監視部12eにおけるイグニッション110dの監視結果などに基づいて、例えば、認証処理なしにキーを使用してエンジンをかけようとしたと判断された場合に、メインコントローラー12cの制御により、エンジンスタータ110aを起動しないように制御することでエンジンがかからないようにする。
さらに、操作部12dは、監視部12eにおけるキー検出器110hおよびドアロックアンロックシステム110bの監視結果に基づいて、キーにより車両110のドアロックが解除されたと判断された場合に、メインコントローラー12cの制御により、エンジンスタータ110aを起動しない状態とする。
さらにまた、操作部12dは、メインコントローラー12cから認証処理による認証が完了したとの情報を入力すると、ドアロックアンロックシステム110bを制御して車両110のドアのロックならびにロックの解除を行う。
また、監視部12eは、ドアロックアンロックシステム110bからドアロック信号あるいはドアアンロック信号を取得することにより、ドアロックされたかあるいはドアロックが解除されたかの監視を行い、ドアスイッチ110cから開閉信号を取得することによりドアの開閉状態の監視を行い、イグニッション110dからIG信号を取得することによりエンジンが起動した状態であるか否かの監視を行い、バッテリー電圧検出器110eから電位を取得することにより車両110が動作状態か否かの監視を行い、燃料残量検出器110fから燃料の残量信号を取得することにより車両110の燃料の残量の監視を行い、車速検出器110gから車速信号を取得することにより車両110の走行距離の監視を行い、キー検出器110hからキー使用信号を取得することによりドアロック時とドアロック解除時にキーが使用されたか否かを監視し、キーボックス116から所定の情報を取得することによりキーの有無などの監視を行うものであるとともに、こうした監視結果をメインコントローラー12cに出力するものである。なお、キーボックス116から取得する所定の情報とは、例えば、キーボックス116内の重さにより判断した情報であってもよいし、キーボックス116内に設けられたキー収納部分にキーが収納されたか否かの情報であってもよい。
また、GPSモジュール12aは、GPS衛星16からのGPS信号を取得し、当該GPS信号をメインコントローラー12cに出力するものであり、メインコントローラー12cにおいては、取得したGPS信号に基づいて車両110の位置情報を取得する。
また、通信モジュール12bは、メインコントローラー12cにおける各種情報を携帯電話網を利用してサーバー108に出力するとともに、サーバー108から携帯電話網を利用して出力された各種情報をメインコントローラー12cに出力する。
音声モジュール12fは、キーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から音声ガイダンスを流すものである。
そして、カードリーダー14、114は、メインコントローラー12cによりその起動が制御されるとともに、ICカードから取得した情報をメインコントローラー12cに出力するものである。
また、キーボックス116は、認証処理が完了した後に、メインコントローラー12cによって、キーの取り出しを可能または不可能な状態に制御するとともに、音声モジュール12fからの音声ガイダンスを、スピーカー(図示せず。)から流すものである。
次に、図4乃至図10を参照しながら、車両管理システム10における利用者および事業者それぞれによる利用処理について説明する。
まず、利用者は、車両管理システム10による車両110の共用利用に際して、事業者に対して会員登録を申請する。
これに対して事業者は、利用者固有の登録コードを当該利用者に配布するとともに、サーバー108内に設けられた記憶手段(図示せず。)に当該登録コードを当該利用者の諸情報(例えば、氏名などである。)とともに記憶させる。
さらに、事業者は、上記した登録コードと同じ認証用コードが記憶された利用者用ICカードを作成し、当該利用者用ICカードと、サーバー108に設けられた予約サイトにアクセスする際に必要となるIDおよびパスワードとを利用者に対して配布する。
即ち、利用者は、車両110の共用利用に際して、事業者に会員登録の依頼をし、事業者から利用者用ICカードと予約サイトにアクセスするためのIDおよびパスワードとを取得するものである。
そして、会員登録を完了した利用者は、車両110を利用しようとする場合には、車両管理システム10において、パーソナルコンピューター104または携帯端末106を利用してサーバー108に設けられた予約サイトにアクセスし、会員登録時に取得したIDおよびパスワードを入力して予約サイトにログインした後、当該予約サイトにおいて予約を行う。
なお、こうした利用者による車両110の予約情報は、サーバー108に設けられた記憶手段(図示せず。)に記憶されるものであるが、このとき、当該予約情報と予約した利用者の登録コードとが関連づけて記憶される。
また、こうした予約の具体的な内容としては、利用しようとする車両110の選択、利用開始時間および利用時間を入力するようにしてもよいし、車両110の選択、利用開始時間および利用終了時間を入力するようにしてもよい。
一方、事業者は、車両管理システム10による車両110の共用利用に際して、車両110のスペアキーと既に所定の認証用コードが記憶された事業者用ICカードとを準備する。なお、この所定の認証用コードは、サーバー108の記憶手段(図示せず。)に事業者の登録コードとして記憶される。
なお、事業者は、予約を行うことなく車両110を利用することができるものであり、その際、事業者用ICカードを利用して認証処理を行うものである。
ところで、車両管理システム10においては、サーバー108において、車両110に対する利用対象の判断処理が絶えず行われている。
即ち、事業者が、車載器12を搭載した車両110を準備し、車両110の共用利用を開始するにあたり車載器12を起動すると、サーバー108において車両110の利用対象判断処理が開始される。
具体的には、車載器12が起動すると、メインコントローラー12cからサーバー108に車載器12の起動信号が出力され、この起動信号に基づいて、サーバー108において、当該車載器12が搭載された車両110のシェアカーとしての利用が開始されたことを認識する。
その後、サーバー108では、予約サイトにおいて当該車両110の利用予約を開始して、当該車両110の予約管理を行うとともに、当該車両110の利用対象判断処理が開始される。
この利用対象判断処理においては、車両110を利用する対象が会員登録済みの利用者であるのか事業者であるのかを判断するものである。
ここで、図4のフローチャートには、利用対象判断処理の詳細な処理内容が示されており、この利用対象判断処理においては、まず、予約情報をメインコントローラー12cに出力する時間になったか否かの判断を行う(ステップS402)。
即ち、このステップS402の判断処理においては、サーバー108から予約情報をメインコントローラー12cに出力する時間になったか否か判断するものであって、予約情報をメインコントローラー12cに出力する時間は、予め設定されており、例えば、予約情報の利用開始時間の10分前と設定されている。なお、こうした設定時間については、15分前でもよいし5分前でもよく、要は、利用開始時間より前の時間であれは、上記したような設定時間以外でもよい。
このステップS402の判断処理において、予約情報をメインコントローラー12cに出力する時間であると判断されると、サーバー108において会員登録済みの利用者による利用が開始されるとして、利用者による利用処理を行う(ステップS404)。なお、この利用者による利用処理については後述する。
また、ステップS402の判断処理において、予約情報をメインコントローラー12cに出力する時間ではないと判断されると、キーにより車両110のドアロックが解除されたか否かの判断を行う(ステップS406)。
即ち、このステップS406の判断処理においては、メインコントローラー12cから出力された監視結果に基づいて、サーバー108によりキーによって車両110のドアロックが解除されたか否かの判断を行うものである。
具体的には、キー検出部110hによりキー使用の信号が出力されるとともに、ドアロックアンロックシステム110bによりドアロック解除の信号が出力された場合にのみ、監視部12eからキーが使用されたとの監視結果(つまり、キー使用の信号が出力されたとの監視結果である。)と、ドアロックが解除されたとの監視結果(つまり、ドアロック解除の信号が出力されたとの監視結果である。)とがメインコントローラー12cに出力される。そして、メインコントローラー12cから当該監視結果を、通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する。
その後、サーバー108において、入力された監視結果の情報からキーを利用して車両110のドアロックが解除されたとの判断を行う。
つまり、監視部12eからキーが使用されたとの監視結果と、ドアロックが解除されたとの監視結果とがメインコントローラー12cを介してサーバー108に出力されない限り、サーバー108においては、キーにより車両110のドアロックが解除されていないと判断される。
このとき、サーバー108においては、キー使用の信号が出力されたとの監視結果およびドアロック解除の信号が出力されたとの監視結果を入力した時間を、事業者による車両110の利用開始時間として記憶手段(図示せず。)に記憶する。
ステップS406の判断処理において、キーにより車両110のドアロックが解除されたと判断されると、サーバー108において事業者による利用が開始されるとして、事業者による利用処理を行う(ステップS408)。なお、この事業者による利用処理については後述する。
一方、ステップS406の判断処理において、キーにより車両110のドアロックが解除されていないと判断されると、再度、ステップS402の処理に戻り、ステップS402の処理以降の処理を行う。
つまり、この利用対象判断処理においては、ステップS402の判断処理で予約情報をメインコントローラー12cに出力する時間ではないと判断され、ステップS406の判断処理でキーにより車両110のドアロックが解除されてないとの判断される限り、絶えずステップS402の判断処理およびステップS406の判断処理を繰り返すものである。さらに、ステップS404の利用者による利用処理(後述する。)またはステップS408の事業者による利用処理(後述する。)が終了すると、利用対象判断処理が再開されることとなる。
次に、ステップS404の利用者による利用処理およびステップS408の事業者による利用処理について説明する。
まず、図5のフローチャートには、このステップS404の利用者による利用処理の詳細な処理内容が示されており、この利用者による利用処理においては、まず、利用開始時間10分前になったので(ステップS402の判断処理において判断された判断結果である。)、予約情報(例えば、利用開始時間や利用終了時間などである。)がサーバー108から携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力され、メインコントローラー12cにおいて記憶される(ステップS502)。
メインコントローラー12cに予約情報が記憶されると、メインコントローラー12cの制御により、利用開始時間になると車両110に設けられたカードリーダー14、114のうち、カードリーダー114のみを起動し、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させて利用者にカードリーダー114の起動を知らせる(ステップS504)。
そして、利用開始時間に車両110の駐車している駐車場まで来た利用者により、カードリーダー114に利用者用ICカードが翳されると認証処理を開始する(ステップS506)。
ここで、図6のフローチャートには、このステップS506の車両利用前の利用者用ICカードによる認証処理の詳細な処理内容が示されており、この車両利用前の利用者用ICカードによる認証処理においては、まず、予約した利用開始時間に、予約した車両110が駐車している駐車場についた利用者により、カードリーダー114に対して利用者用ICカードが翳され、カードリーダー114において当該利用者用ICカードの読み込みが行われる(ステップS602)。
即ち、ステップS602の処理においては、カードリーダー114に翳された利用者用ICカードに記憶された認証用コードを読み取るものである。
そして、カードリーダー114で読み取った認証用コードをメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cから当該認証用コードを通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する(ステップS604)。
認証用コードがサーバー108に入力されると、サーバー108では、当該認証用コードとサーバー108に予め記憶されている利用者の登録コードとが一致するか否かの判断を行う(ステップS606)。
ステップS606の判断処理において、認証用コードと利用者の登録コードとが一致しないと判断されると、認証用コードと利用者の登録コードとが一致しないという判断結果をサーバー108から携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させることで利用者に対して再び利用者用ICカードをカードリーダー114に翳すように警告し(ステップS608)、再度、ステップS602の処理に戻り、ステップS602の処理以降の処理を行う。
一方、ステップS606の判断処理において、認証用コードと利用者の登録コードとが一致すると判断されると、認証用コードと利用者の登録コードとが一致するという判断結果を携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させることで、利用者に対して認証された旨を知らせるとともに、メインコントローラー12cの制御により車両110のセキュリティを解除した状態、具体的には、車両110のドアロックを解除するとともに、キーボックス116からキーを取り出すことができる状態とする(ステップS610)。
なお、カードリーダー114に利用者用ICカードが翳されて認証処理が開始され、認証用コードと利用者の登録コードとが一致するか否かの判断がなされるまで(つまり、認証処理中のことである。)は、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させる。
上記した説明において、カードリーダー114が起動したとき、認証処理中、認証用コードと利用者の登録コードとが一致しないと判断されたとき、認証用コードと利用者の登録コードとが一致すると判断されたときにおいて、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させるものであるが、こうしたLEDランプの点滅はそれぞれ点滅パターンが異なっている。従って、利用者はこの点滅パターンの違いによって、どのような状態であるかを知ることができる。
上記のようにして、ステップS606の車両利用前の利用者用ICカードによる認証処理により認証が完了すると、メインコントローラー12cによってカードリーダー114の電源を切る(ステップS608)。
その後、利用者は車両110に乗車して、キーボックス116からキーを取り出し、取り出したキーを利用してエンジンを起動して車両110を利用する。
そして、予約した利用終了時間までに車両110を予め決められた駐車場に駐車させ、キーを利用して車両110のエンジンを停止させ、当該キーをキーボックス116に返却し、車両110から降車して車両110の全てのドアを閉める。
その後、利用者によりカードリーダー114に利用者用ICカードが翳されると、カードリーダー114において利用者用ICカードを読み取って認証処理を開始する(ステップS510)。
ここで、図7のフローチャートには、このステップS510の車両利用後の利用者用ICカードによる認証処理の詳細な処理内容が示されており、車両利用後の利用者用ICカードによる認証処理においては、まず、監視部12eにおけるイグニッション110d、キーボックス116ならびにドアスイッチ110cの監視結果に基づいて、メインコントローラー12cにより車両110のエンジンが停止され、キーボックス116にキーが返却され、かつ、車両110の全てのドアが閉められているか否かの判断を行う(ステップS702)。
ステップS702の判断処理において、「車両110のエンジンの停止」「キーボックス116へのキーの返却」、「車両110の全てのドアが閉められていること」の3つのうち1つでも行われていないと判断されると、継続して車両110を利用するものと判断して、この認証処理を終了する。
一方、ステップS702の判断処理において、車両110のエンジンが停止され、キーボックス116にキーが返却され、かつ、車両110の全てのドアが閉められていると判断されると、メインコントローラー12cの制御により、車両110に設けられたカードリーダー14、114のうち、カードリーダー114のみを起動し、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させて利用者にカードリーダー114の起動を知らせる。
このとき、メインコントローラー12cによって音声モジュール12fを介して利用者に対してカードリーダー114に利用者用ICカードを翳すように促す旨の音声ガイダンスをキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から流すようにしてもよい。
そして、利用者により利用者用ICカードがカードリーダー114に翳されると、カードリーダー114において利用者用ICカードを読み取る(ステップS704)。
即ち、ステップS704の処理では、利用者によりカードリーダー114に利用者用ICカードが翳されることにより、カードリーダー114では利用者用ICカードの認証用コードを読み取るものである。
その後、カードリーダー114において、利用者用ICカードを読み取ると、読み取った認証用コードをメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cから、カードリーダー114で読み取った認証用コードを通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する(ステップS706)。
認証用コードがサーバー108に入力されると、サーバー108においては、当該認証用コードと予めサーバー108に記憶された利用者の登録コードとが一致するか否かの判断を行う(ステップS708)。
このステップS708の判断処理において、認証用コードと利用者の登録コードとが一致しないと判断されると、サーバー108から、認証用コードと利用者の登録コードとが一致しないという判断結果を携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cへ出力し、メインコントローラー12cでは、認証用コードと利用者の登録コードとが一致しないという判断結果に基づいて、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させることで、利用者に対して再びカードリーダー114に利用者用ICカードを翳すように警告し(ステップS610)、再度、ステップS704の処理に戻る。
一方、ステップS708の判断処理において、認証用コードと利用者の登録コードとが一致すると判断されると、サーバー108において、サーバー108で管理されている予約情報から認証用コードと一致する登録コードの利用者の予約状況を確認し(ステップS712)、この判断処理が行われている時間において当該利用者が利用している車両110が存在するか否かの判断を行う(ステップS714)。
このステップS714の判断処理において、利用者が利用している車両110が存在しないと判断されると、サーバー108から、利用者が利用している車両110が存在しないとの判断結果を携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cへ出力し、メインコントローラー12cによりカードリーダー114を起動した状態で、車両110のセキュリティを起動せずにこの認証処理を終了する。
即ち、ステップS714の判断処理において、利用者が利用している車両110が存在しないと判断された場合には、当該利用者による車両110の返却は不可能であると判断され、車両110が返却されていない状態、つまり、利用者が車両110を使用したままの状態となる。
また、ステップS714の判断処理において、利用者が利用している車両110が存在すると判断されると、サーバー108から、利用者が利用している車両110が存在するとの判断結果を携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cへ出力する。メインコントローラー12cでは、利用者が利用している車両110が存在するとの判断結果に基づいて、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)点滅させて車両110の返却処理の完了を知らせるとともに、車両110のセキュリティが起動した状態、具体的には、車両110のドアロックを行うとともに、キーボックス116からキーを取り出すことができない状態とする(ステップS716)。
なお、カードリーダー114に利用者用ICカードが翳されて認証処理が開始され、利用者が利用している車両110が存在するか否かの判断処理による判断がなされるまで(つまり、認証処理中のことである。)は、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させる。
上記した説明において、カードリーダー114が起動したとき、認証処理中、認証用コードと利用者の登録コードとが一致しないと判断されたとき、利用者が利用している車両110が存在すると判断されたときにおいて、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させるものであるが、こうしたLEDランプの点滅はそれぞれ点滅パターンが異なっている。従って、利用者はこの点滅パターンの違いによって、どのような状態であるかを知ることができる。
そして、上記したステップS510の車両利用後の利用者用ICカードによる認証処理により認証が完了すると、メインコントローラー12cによりカードリーダー114の電源を切る(ステップS512)。
その後、車両110の利用が終了した時点の車両110の総走行距離や燃料残量など、利用料金の算出に必要な各種情報を算出するための情報が監視され、この監視情報をメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cから当該監視情報を通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する(ステップS514)。
なお、車両110の利用が終了した時点の車両110の総走行距離については、車両110に設けられた総走行距離が表示されるメータなどからその数値を監視部12eにより監視するものである。
こうしてサーバー108において、予約情報やステップS514の処理により出力された各種情報に基づいて、車両110の利用により発生した利用料金を算出し(ステップS516)、利用者による利用処理を終了する。
なお、こうした算出された各利用者における利用料金については、予め決められた利用者への料金請求日などの所定のタイミングで、それぞれの利用者のパーソナルコンピューター104や携帯端末106に通知する。
また、こうした各利用者による利用状況や利用料金については、表やグラフなどにまとめられ事業者がパーソナルコンピューター118により閲覧可能なようにサーバー108における記憶手段(図示せず。)に記憶する。
また、図8のフローチャートには、上記したステップS408の事業者による利用処理の詳細な処理内容が示されており、この事業者による利用処理においては、まず、キーにより車両110のドアロックが解除されたので(ステップS406の判断処理において判断された判断結果である。)、サーバー108において予約情報を確認し、事業者がキー(スペアキー)により車両110のドアロックを解除した時間以降において直近の予約の利用開始時間を、事業者に対して通知する(ステップS802)。
即ち、このステップS802の処理においては、サーバー108において確認した予約の利用開始時間を携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cによって音声モジュール12fを介して、事業者に対して直近の利用開始時間の音声ガイダンスをキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から流すものである。
そして、メインコントローラー12cに利用開始時間が出力されると、メインコントローラー12cの制御により、車両110に設けられたカードリーダー14、114のうち、運転席近傍のダッシュボードに設けられたカードリーダー14のみを起動して、カードリーダー14に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させて事業者にカードリーダー14の起動を知らせる(ステップS804)。
さらに、カードリーダー14が起動すると、メインコントローラー12cの制御により操作部12dを介して、エンジンスタータ110aを起動しない状態とする(ステップS806)。
次に、事業者が車両110の利用を中止したか否かの判断を行う(ステップS808)。
ここで、ステップS802の処理において事業者に対して通知した直近の予約における利用開始時間に基づいて、事業者が車両110を利用するか否かを決めることとなり、このステップS808の判断処理では、事業者がキー(スペアキー)により車両110のドアロックを行ったか否かの判断を行うことにより、事業者が車両110の利用を中止したか否かを判断するものである。
即ち、ステップS808の判断処理においては、サーバー108において、メインコントローラー12cから出力された監視結果に基づいて、事業者がキー(スペアキー)により車両110のドアロックを行ったか否かを判断するものである。
具体的には、キー検出部110hによりキー使用の信号が出力されるとともに、ドアロックアンロックシステム110bによりドアロックの信号が出力された場合にのみ、監視部12eからキーが使用されたとの監視結果(つまり、キー使用の信号が出力されたとの監視結果である。)と、ドアロックされたとの監視結果(つまり、ドアロックの信号が出力されたとの監視結果である。)とがメインコントローラー12cに出力される。そして、メインコントローラー12cから当該監視結果を、通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する。すると、サーバー108において、入力された監視結果の情報から事業者がキー(スペアキー)を利用して車両110がドアロックされたとの判断がなされる。
一方、カードリーダー14に事業者により事業者用ICカードが翳され、ICカードの読み込みを行った場合、読み込んだ情報(認証用コード)がカードリーダー14からメインコントローラー12cに出力され、メインコントローラー12cから通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力される。すると、サーバー108においては、当該読み込まれた情報(認証用コード)がサーバー108に入力したか否かを判断することにより、事業者がキー(スペアキー)により車両110のドアロックを行わなかったと判断される。
つまり、ステップS808の判断処理においては、事業者がキー(スペアキー)により車両110のドアロックをした場合には、事業者が車両110の利用を中止したと判断され、事業者が車両110に乗車して事業者用ICカードをカードリーダー14に翳した場合には、事業者が車両110の利用を中止しなかったと判断されるものである。
このステップS808の判断処理において、事業者が車両110の利用を中止した、つまり、事業者がキー(スペアキー)により車両110のドアロックを行ったと判断されると、事業者による利用処理を終了する。
また、ステップS808の判断処理において、事業者が車両110の利用を中止しなかった、つまり、事業者がキー(スペアキー)により車両110のドアロックを行わなかったと判断されると、認証処理を開始する(ステップS810)。
ここで、図9のフローチャートには、このステップS810の車両利用前の事業者用ICカードによる認証処理の詳細な処理内容が示されており、この車両利用前の事業者用ICカードによる認証処理においては、まず、カードリーダー14に翳された事業者用ICカードの読み込みが行われる(ステップS902)。
即ち、ステップS902の処理においては、事業者によりカードリーダー14に翳された事業者用ICカードに記憶された所定の認証用コードを読み取りが行われる。
そして、カードリーダー14で読み取った認証用コードをメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cから当該認証用コードを通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する(ステップS904)。
認証用コードがサーバー108に入力されると、サーバー108では、当該認証用コードとサーバー108に予め記憶されている事業者の登録コードとが一致するか否かの判断を行う(ステップS906)。
ステップS906の判断処理において、認証用コードと事業者の登録コードとが一致しないと判断されると、認証用コードと事業者の登録コードとが一致しないという判断結果をサーバー108から携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー14に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させることで事業者に対して再び事業者用ICカードをカードリーダー14に翳すように警告し(ステップS908)、再度、ステップS902の処理に戻り、ステップS902の処理以降の処理を行う。
一方、ステップS906の判断処理において、認証用コードと事業者の登録コードとが一致すると判断されると、認証用コードと事業者の登録コードとが一致するという判断結果を携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー14に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させることで、事業者に対して認証された旨を知らせるとともに、メインコントローラー12cの制御により車両110のセキュリティを解除した状態、具体的には、エンジンスタータ110aを起動できる状態とする(ステップS910)。
なお、カードリーダー14に事業者用ICカードが翳されて認証処理が開始され、認証用コードと事業者の登録コードとが一致するか否かの判断がなされるまで(つまり、認証処理中のことである。)は、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー14に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させる。
上記した説明において、カードリーダー14が起動したとき、認証処理中、認証用コードと事業者の登録コードとが一致しないと判断されたとき、認証用コードと事業者の登録コードとが一致すると判断されたときにおいて、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー14に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させるものであるが、こうしたLEDランプの点滅はそれぞれ点滅パターンが異なっている。従って、利用者はこの点滅パターンの違いによって、どのような状態であるかを知ることができる。
上記のようにして、ステップS810の車両利用前の事業者用ICカードによる認証処理により認証が完了すると、メインコントローラー12cによってカードリーダー14の電源を切る(ステップS812)。
さらに、サーバー108において、この車両利用前の事業者用ICカードによる認証処理が完了した時点から、ステップS802の処理において確認した直近の予約の利用開始時間までの予約サイトによる予約を予約不可能な状態とする(ステップS814)。
即ち、このステップS814の処理においては、車両利用前の認証処理が完了した時点から直近の予約の利用開始時間までの予約を予約サイトにおいて不可能な状態とするものであって、当該直近の予約の利用終了時間以降の予約は予約可能な状態となっている。
その後、事業者は、キー(スペアキー)を利用して車両110のエンジンを起動して車両110を利用する。
なお、事業者が車両110を利用しているときに、直近の予約の利用開始時間の1時間前になると、メインコントローラー12cの制御により音声モジュール12fを介してキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から次の利用者の利用開始時間まで1時間である旨の音声ガイダンスを流すようにしてもよい。また、こうした音声ガイダンスを流すタイミングとしては、直近の予約の利用開始時間の1時間前に限るものではなく、例えば、30分前に次の利用者の予約開始時間まで30分である旨のガイダンスを流すようにしてもよく、さらに、1時間前および30分前に音声ガイダンスを流すようにしてもよい。要は、直近の予約の利用開始時間の一定時間前に、事業者に当該利用開始時間が迫っている旨を知らせるようにすればよい。
また、事業者による車両110の利用中においては、車両110のエンジンが停止したか否かの判断を行う(ステップS816)。
即ち、ステップS816の判断処理においては、監視部12eのイグニッション110dなどの監視結果に基づいて、メインコントローラー12cにおいて、車両110のエンジンが停止したか否かの判断を行う。
ステップS816の判断処理において、車両110のエンジンが停止していないと判断されると、ステップS816の判断処理に戻り、車両110のエンジンが停止したか否かの判断を行う。
つまり、事業者による車両110の利用中は、常にステップS816の判断処理を行って、車両110のエンジンが停止したか否かの判断を行っているものである。
一方、ステップS816の判断処理において、車両110のエンジンが停止したと判断されると、GPS機能により車両110の位置情報を取得する(ステップS818)。
即ち、ステップS818の処理においては、メインコントローラー12cにおいて、GPSモジュール12aを介して、GPS衛星16からGPS信号を入力して、車両110の位置情報を取得するものである。
そして、車両110の位置情報を取得すると、次に、この取得した車両110の位置情報が、メインコントローラー12から通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力され、サーバー108において、サーバー108の記憶手段(図示せず。)に予め記憶された車両110の返却位置の位置情報と一致するか否かの判断を行う(ステップS820)。
このとき、ステップS818の処理で取得した車両110の位置情報と、サーバー108に記憶された車両110の返却位置の位置情報とは完全に一致するか否かを判断するものではなく、GPS機能により取得した車両110位置情報の誤差を考慮して判断を行うものである。
つまり、このステップS820の判断処理においては、ステップS818の処理で取得した車両110の位置情報の誤差の範囲内に、サーバー108に記憶された車両110の返却位置の位置情報が含まれているか否かの判断を行うものである。
ステップS820の判断処理において、ステップS818の処理で取得した車両110の位置情報とサーバー108に予め記憶された車両110の返却位置の位置情報とが一致しない、つまり、ステップS818の処理で取得した車両110の位置情報の誤差範囲内に、サーバー108に記憶された車両110の返却位置の位置情報が含まれていないと判断されると、この判断結果が、サーバー108から携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力され、ステップS816の判断処理に戻り、車両110のエンジンが停止したか否かの判断を行う。
また、ステップS820の判断処理において、ステップS818の処理で取得した車両110の位置情報とサーバー108に予め記憶された車両110の返却位置の位置情報とが一致する、つまり、ステップS818の処理で取得した車両110の位置情報の誤差範囲内に、サーバー108に記憶された車両110の返却位置の位置情報が含まれていると判断されると、車両利用後の事業者用ICカードによる認証処理が開始される(ステップS822)。
ここで、図10のフローチャートには、ステップS822の車両利用後の事業者用ICカードによる認証処理の詳細な処理内容が示されており、車両利用後の事業者用ICカードによる認証処理においては、まず、ステップS820の判断処理において、ステップS818の処理で取得した車両110の位置情報とサーバー108に予め記憶された車両110の返却位置の位置情報とが一致すると判断されると、この判断結果がサーバー108から携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力され、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー14を起動する(ステップS1002)。
このとき、カードリーダー14に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させて事業者にカードリーダー14の起動を知らせるようにする。
また、このとき、メインコントローラー12cによって音声モジュール12fを介して事業者に対してカードリーダー14に事業者用ICカードを翳すように促す旨の音声ガイダンスをキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から流す。
そして、事業者がカードリーダー14に事業者用ICカードを翳すと、カードリーダー14に翳された事業者用ICカードを読み込む(ステップS1004)。
即ち、このステップS1004の処理においては、カードリーダー14に翳された事業者用ICカードに記憶された所定の認証用コードを読み取るものである。
そして、カードリーダー14で読み取った認証用コードをメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cから当該認証用コードを通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する(ステップS1006)。
認証用コードがサーバー108に出力されると、サーバー108では、当該認証用コードとサーバー108に予め記憶されている事業者の登録コードとが一致するか否かの判断を行う(ステップS1008)。
ステップS1008の判断処理において、認証用コードと事業者の登録コードとが一致しないと判断されると、認証用コードと事業者の登録コードとが一致しないという判断結果をサーバー108から携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー14に設けられたLEDランプ(図示せず)を点滅させることで事業者に対して再び事業者用のICカードをカードリーダー14に翳すように警告し(ステップ1010)、再度ステップS1002の処理に戻り、ステップS1002の処理以降の処理を行う。
一方、ステップS1008の判断処理において、認証用コードと事業者の登録コードとが一致すると判断されると、事業者による車両110の利用が終了したものとする。
なお、カードリーダー14に事業者用ICカードが翳されて認証処理が開始され、事業者用ICカードの認証用コードと事業者の登録コードとが一致するか否かの判断処理による判断がなされるまで(つまり、認証処理中のことである。)は、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー14に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させる。
上記した説明において、カードリーダー14が起動したとき、認証処理中、認証用コードと事業者の登録コードとが一致しないと判断されたときにおいて、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー14に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させるものであるが、こうしたLEDランプの点滅はそれぞれ点滅パターンが異なっている。従って、事業者はこの点滅パターンの違いによって、どのような状態であるかを知ることができる。
そして、上記したステップS822の車両利用後の事業者用ICカードによる認証処理により認証が完了すると、メインコントローラー12cによりカードリーダー14の電源を切る(ステップS824)。
その後、事業者によりキー(スペアキー)を利用して車両110のドアロックがなされると、サーバー108において、予約サイトにおける予約を再開する(ステップS826)。
ここで、予約サイトにおいては、ステップS814の処理において、車両利用前の事業者用ICカードによる認証処理が完了した時点から、ステップS802の処理において確認した直近の予約の利用開始時間までの予約サイトにおける予約を予約不可能な状態とし、当該直近の予約の利用終了時間以降の予約は予約サイトにおいて予約可能なものとしていた。従って、ステップS826の処理においては、事業者による車両110の利用が終了した時点、つまり、車両110のドアロックがなされた時点から当該直近の予約の利用開始時間までの予約サイトにおける予約を予約可能な状態とするものである。
なお、キーを利用して車両110のドアロックがなされると、キー検出部110hによりキー使用の信号が出力されるとともに、ドアロックアンロックシステム110bによりドアロックの信号が出力され、監視部12eによるこうした信号(キー使用の信号およびドアロックの信号)が出力されたとの監視結果がメインコントローラー12cに出力される。そして、メインコントローラー12cから当該監視結果を通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する。
その後、サーバー108において入力された監視結果の情報からキーを利用して車両110のドアロックがなされたと判断するものであるが、このとき、サーバー108においては、キー使用の信号およびドアロックの信号が出力されたとの監視結果を入力した時間を、事業者による車両110の利用終了時間として記憶手段(図示せず。)に記憶する。
次に、車両110の利用が終了した時点の車両110の総走行距離や燃料残量などの利用料金の算出に必要な各種情報を算出するための情報が監視され、この監視情報をメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cから当該監視情報を通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する(ステップS828)。
なお、車両110の利用が終了した時点の車両110の総走行距離については、車両110に設けられた総走行距離が表示されるメータなどからその数値を監視部12eにより監視するものである。
こうしてサーバー108において、サーバー108において記憶した事業者による車両110の利用開始時間および利用終了時間やステップS828の処理により出力された各種情報に基づいて、車両110の利用により発生した利用料金を算出し(ステップS830)、事業者による利用処理を終了する。
なお、こうした算出された事業者に対する利用料金については、予め決められた料金請求日などの所定のタイミングで、それぞれの利用者のパーソナルコンピューター104や携帯端末106に通知する。
また、こうした事業者による利用状況や利用料金については、表やグラフなどにまとめられ事業者がパーソナルコンピューター118により閲覧可能なようにサーバー108における記憶手段(図示せず。)に記憶する。
次に、図11を参照しながら、本発明による車両管理システムの第2の実施の形態について説明する。図11には、本発明の第2の実施の形態による車両管理システムの概要を示すブロック構成図が示されている。
この図11に示す本発明による車両管理システム20は、上記した第1の実施の形態の車両管理システム10と比較すると、カードリーダーとしてカードリーダー114のみが設けられ、当該カードリーダー114上にメインコントローラー12cに接続されたタッチセンサー22が配設されている点において異なっている。
このタッチセンサー22は、常に作動した状態となっており、カードリーダー114にICカードや人の指がガラス面(つまり、カードリーダー114が取り付けられたガラス面である。)を介して接触したか否かを検知するものである。
以下、図12乃至図16を参照しながら、車両管理システム20における利用者および事業者それぞれによる利用処理について説明する。
まず、利用者は、車両管理システム20による車両110の共用利用に際して、事業者に対して会員登録を申請する。
これに対して事業者は、利用者固有の登録コードを当該利用者に配布するとともに、サーバー108内に設けられた記憶手段(図示せず。)に当該登録コードを当該利用者の諸情報(例えば、氏名などである。)とともに記憶させる。
さらに、事業者は、上記した登録コードと同じ認証用コードが記憶された利用者用ICカードを作成し、当該利用者用ICカードと、サーバー108に設けられた予約サイトにアクセスする際に必要となるIDおよびパスワードとを利用者に対して配布する。
即ち、利用者は、車両110の共用利用に際して、事業者に会員登録の依頼をし、事業者から利用者用ICカードと予約サイトにアクセスするためのIDおよびパスワードとを取得するものである。
そして、会員登録を完了した利用者は、車両110を利用しようとする場合には、車両管理システム20において、パーソナルコンピューター104または携帯端末106を利用してサーバー108に設けられた予約サイトにアクセスし、会員登録時に取得したIDおよびパスワードを入力して予約サイトにログインした後、当該予約サイトにおいて予約を行う。
なお、こうした利用者による車両110の予約情報は、サーバー108に設けられた記憶手段(図示せず。)に記憶されるものであるが、このとき、当該予約情報と予約した利用者の登録コードとが関連づけて記憶される。
また、こうした予約の具体的な内容としては、利用しようとする車両110の選択、利用開始時間および利用時間を入力するようにしてもよいし、車両110の選択、利用開始時間および利用終了時間を入力するようにしてもよい。
一方、事業者は、車両管理システム20による車両110の共用利用に際して、車両110のスペアキーと既に所定の認証用コードが記憶された事業者用ICカードとを準備する。なお、この所定の認証用コードは、サーバー108の記憶手段(図示せず。)に事業者の登録コードとして記憶される。
なお、事業者は、予約を行うことなく車両110を利用することができるものであり、その際、事業者用ICカードを利用して認証処理を行うものである。
ところで、車両管理システム20においては、サーバー108において、車両110に対する利用対象の判断処理が絶えず行われている。
即ち、事業者が、車載器12を搭載した車両110を準備し、車両110の共用利用を開始するにあたり車載器12を起動すると、サーバー108において車両110の利用対象判断処理が開始される。
具体的には、車載器12が起動すると、メインコントローラー12cからサーバー108に車載器12の起動信号が出力され、この起動信号に基づいて、サーバー108において、当該車載器12が搭載された車両110のシェアカーとしての利用が開始されたことを認識する。
その後、サーバー108では、予約サイトにおいて当該車両110の利用予約を開始して、当該車両110の予約管理を行うとともに、当該車両110の利用対象判断処理を開始する。
この利用対象判断処理においては、車両110を利用する対象が会員登録済みの利用者であるのか事業者であるのかを判断するものである。
ここで、図12のフローチャートには、利用対象判断処理の詳細な処理内容が示されており、この利用対象判断処理においては、まず、予約情報をメインコントローラー12cに出力する時間になったか否かの判断を行う(ステップS1202)。
即ち、このステップS1202の判断処理においては、サーバー108から予約情報をメインコントローラー12cに出力する時間になったか否か判断するものであって、予約情報をメインコントローラー12cに出力する時間は、予め設定されており、例えば、予約情報の利用開始時間の10分前と設定されている。なお、こうした設定時間については、15分前でもよいし5分前でもよく、要は、利用開始時間より前の時間であれは、上記したような設定時間以外でもよい。
このステップS1202の判断処理において、予約情報をメインコントローラー12cに出力する時間であると判断されると、サーバー108において会員登録済みの利用者による利用が開始されるとして、利用者による利用処理を行う(ステップS1204)。なお、この利用者による利用処理については後述する。
また、ステップS1202の判断処理において、予約情報をメインコントローラー12cに出力する時間ではないと判断されると、タッチセンサー22による検知があったか否かの判断を行う(ステップS1206)。
即ち、このステップS1206の判断処理においては、ICカードや人の指がガラス面を介してタッチセンサー22に検知されたときのみ、タッチセンサー22による検知情報がメインコントローラー12cに出力され、さらに、メインコントローラー12cからサーバー108に出力されて、サーバー108においてタッチセンサー22による検知があったと判断される。従って、タッチセンサー22から検知情報がメインコントローラー12cに出力されないと、タッチセンサー22による検知がなかったと判断される。
ステップS1206の判断処理において、タッチセンサー22による検知があったと判断されると、サーバー108において事業者による利用が開始されるとして、事業者による利用処理を行う(ステップS1208)。なお、この事業者による利用処理については後述する。
一方、ステップS1206の判断処理において、タッチセンサー22による検知がなかったと判断されると、再度、ステップS1202の処理に戻り、ステップS1202の処理以降の処理を行う。
つまり、この利用対象判断処理においては、ステップS1202の判断処理で予約情報をメインコントローラー12cに出力する時間ではないと判断され、ステップS1206の判断処理でタッチセンサー22による検知がなかったと判断される限り、絶えずステップS1202およびステップS1206の判断処理を繰り返すものである。さらに、ステップS1204の利用者による利用処理(後述する。)またはステップS1208の事業者による利用処理(後述する。)が終了すると、利用対象判断処理が再開されることとなる。
次に、ステップS1204の利用者による利用処理およびステップS1208の事業者による利用処理について説明する。
まず、図13のフローチャートには、このステップS1204の利用者による利用処理の詳細な処理内容が示されており、この利用者による利用処理においては、まず、利用開始時間10分前になったので(ステップS1202の判断処理において判断された判断結果である。)、予約情報(例えば、利用開始時間や利用終了時間などである。)がサーバー108から携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力され、メインコントローラー12cにおいて記憶される(ステップS1302)。
メインコントローラー12cに予約情報が記憶されると、メインコントローラー12cの制御により、利用開始時間になると車両110に設けられたカードリーダー114を起動し、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させて利用者にカードリーダー114の起動を知らせる(ステップS1304)。
そして、利用開始時間に車両110の駐車している駐車場まで来た利用者により、カードリーダー114に利用者用ICカードが翳されて認証処理を開始する(ステップS1306)。
即ち、このステップS1306の認証処理においては、車両利用前の利用者用ICカードによる認証処理が行われるものであり、この認証処理については、上記した第1の実施の形態における車両管理システム10の利用者による利用処理の車両利用前の利用者用ICカードによる認証処理と同様の処理を行うものであるため、その詳細な説明は省略する。
なお、車両利用前の利用者用ICカードによる認証処理においては、タッチセンサー22により検知情報が出力されるが、利用者による利用処理中に当該検知情報がメインコントローラー12cに出力されても、メインコントローラー12cにおいては、この検知情報を無視することとなる。
こうして車両利用前の利用者用ICカードによる認証処理により認証が完了すると、メインコントローラー12cによってカードリーダー114の電源を切る(ステップS1308)。
その後、利用者は車両110に乗車して、キーボックス116からキーを取り出し、取り出したキーを利用してエンジンを起動して車両110を利用する。
そして、予約した利用終了時間までに車両110を予め決められた駐車場に駐車させ、キーを利用して車両110のエンジンを停車させ、当該キーをキーボックス116に返却し、車両110から降車して車両110の全てのドアを閉める。
その後、利用者によりカードリーダー114に利用者用のICカードが翳されると、カードリーダー114において利用者用ICカードを読み取って認証処理を開始する(ステップS1310)。
即ち、このステップS1310の処理においては、車両利用後の利用者用ICカードによる認証処理が行われるものであり、この認証処理については、上記した第1の実施の形態における車両管理システム10の利用者による利用処理の車両利用後の利用者用ICカードによる認証処理と同様の処理を行うものであるため、その詳細な説明は省略する。
なお、車両利用後の利用者用ICカードによる認証処理においては、タッチセンサー22により検知情報が出力されるが、利用者による利用処理中に当該検知情報がメインコントローラー12cに出力されても、メインコントローラー12cにおいては、この検知情報を無視することとなる。
そして、上記したステップS1310の車両利用後の利用者用ICカードによる認証処理により認証が完了すると、メインコントローラー12cによりカードリーダー114の電源を切る(ステップS1312)。
その後、車両110の利用が終了した時点の車両110の総走行距離や燃料残量など、利用料金の算出に必要な各種情報を算出するための情報が監視され、この監視情報をメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cから当該監視情報を通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する(ステップS1314)。
なお、車両110の利用が終了した時点の車両110の総走行距離については、車両110に、設けられた総走行距離が表示されるメータなどからその数値を監視部12eにより監視するものである。
こうしてサーバー108において、予約情報やステップS1314の処理におり出力された各種情報に基づいて、車両110の利用により発生した利用料金を算出し(ステップS1316)、利用者による利用処理を終了する。
なお、こうした算出された各利用者における利用料金については、予め決められた利用者への料金請求日などの所定のタイミングで、それぞれ利用者のパーソナルコンピューター104や携帯端末106に通知する。
また、こうした各利用者による利用状況や利用時間については、表やグラフなどにまとめられ事業者がパーソナルコンピューター118により閲覧可能なようにサーバー108における記憶手段(図示せず。)に記憶する。
また、図14のフローチャートには、上記したステップS1208の事業者による利用処理の詳細な処理内容が示されており、この事業者による利用処理においては、まず、サーバー108から携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介して事業者による利用処理が開始した旨の信号がメインコントローラー12cに出力され、メインコントローラー12cによりカードリーダー114を起動して、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させて事業者にカードリーダー114の起動を知らせる(ステップS1402)。
その後、事業者によりカードリーダー114に事業者用ICカードが翳されると、カードリーダー114に翳された事業者用ICカードによる認証処理を開始する(ステップS1404)。
ここで、図15のフローチャートには、このステップS1404の車両利用前の事業者用ICカードによる認証処理の詳細な処理内容が示されており、この車両利用前の事業者用ICカードによる認証処理においては、まず、カードリーダー114に翳された事業者用ICカードの読み込みが行われる(ステップS1502)。
即ち、このステップS1502の処理においては、カードリーダー114に翳された事業者用ICカードに記憶された認証用コードを読み取るものである。
このとき、タッチセンサー22により検知情報が出力されるが、事業者による利用処理中に当該検知情報がメインコントローラー12cに出力されても、メインコントローラー12cにおいては、この検知情報を無視することとなる。
そして、カードリーダー114で読み取った認証用コードをメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cから当該認証用コードを通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する(ステップS1504)。
認証用コードがサーバー108に入力されると、サーバー108では、当該認証用コードとサーバー108に予め記憶されている事業者の登録コードとが一致するか否かの判断を行う(ステップS1506)。
ステップS1506の判断処理において、認証用コードと事業者の登録コードとが一致しないと判断されると、認証用コードと事業者の登録コードとが一致しないという判断結果をサーバー108から携帯電話網を利用して、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させることで事業者に対して再び事業者用ICカードをカードリーダー114に翳すように警告し(ステップS1508)、再度、ステップS1502の処理に戻り、ステップS1502の処理以降の処理を行う。
一方、ステップS1506の判断処理において、認証用コードと事業者の登録コードとが一致すると判断されると、認証用コードと事業者の登録コードとが一致するという判断結果を携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させることで、事業者に対して認証された旨を知らせるとともに、メインコントローラー12cの制御により車両110のセキュリティを解除した状態、具体的には、車両110のドアロックを解除する(ステップS1510)。
このとき、サーバー108においては、認証用コードと事業者の登録コードとが一致すると判断した時間を、事業者による車両110の利用開始時間として記憶手段(図示せず。)に記憶する。
なお、カードリーダー114に事業者用ICカードが翳されて認証処理が開始され、認証用コードと事業者の登録コードとが一致するか否かの判断がなされるまで(つまり、認証処理中のことである。)は、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させる。
上記した説明において、カードリーダー114が起動したとき、認証処理中、認証用コードと事業者の登録コードとが一致しないと判断されたとき、認証用コードと事業者の登録コードとが一致すると判断されたときにおいて、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させるものであるが、こうしたLEDランプの点滅はそれぞれ点滅パターンが異なっている。従って、利用者はこの点滅パターンの違いによって、どのような状態であるかを知ることができる。
上記のようにして、ステップS1404の車両利用前の事業者用ICカードによる認証処理により認証が完了すると、メインコントローラー12cによりカードリーダー114の電源を切る(ステップS1406)。
その後、サーバー108において予約情報を確認し、事業者が認証処理を行った時間以降において直近の予約の利用開始時間を事業者に対して通知する(ステップS1408)。
即ち、このステップS1408の処理においては、サーバー108において確認した直近の予約の利用開始時間を携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cによって音声モジュール12fを介して、事業者に対して直近の利用開始時間を音声ガイダンスとしてキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から流すものである。
なお、この音声ガイダンスを流すタイミングとしては、監視部12eのドアスイッチ110cにおける監視結果に基づいて、メインコントローラー12cにおいてドアが開いたと判断された後に音声ガイダンスを流すようにする。つまり、認証処理後に事業者が車両110に乗車する際に音声ガイダンスが流れるようにする。
次に、事業者が車両110の利用を中止したか否かの判断を行う(ステップS1410)。
ここで、ステップS1410の処理において事業者に対して通知した直近の予約における利用開始時間に基づいて、事業者は車両110を利用するか否かを決めることとなり、このステップS1410の判断処理では、事業者がキー(スペアキー)により車両110のドアロックを行ったか否かの判断を行うことにより、事業者が車両110の利用を中止したか否かの判断を行うものである。
即ち、ステップS1410の判断処理においては、サーバー108において、メインコントローラー12cから出力された監視結果に基づいて、事業者がキー(スペアキー)により車両110のドアロックを行ったか否かを判断するものである。
具体的には、キー検出部110hによりキー使用の信号が出力されるとともに、ドアロックアンロックシステム110bによりドアロックの信号が出力された場合にのみ、監視部12eからキーが使用されたとの監視結果(つまり、キー使用の信号が出力されたとの監視結果である。)と、ドアロックされたとの監視結果(つまり、ドアロックの信号が出力されたとの監視結果である。)とがメインコントローラー12cに出力される。そして、メインコントローラー12cから当該監視結果を、通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する。すると、サーバー108において、入力された監視結果の情報から事業者がキー(スペアキー)を利用して車両110がドアロックされたとの判断がなされる。
一方、事業者がキー(スペアキー)を利用してエンジンを起動した場合、監視部12eにおけるイグニッション110dとキー検出器110hとの監視結果がメインコントローラー12cから通信モジュール12bを介して、携帯電話網を利用してサーバー108に出力される。すると、サーバー108においては、当該監視結果からキーを利用してエンジンが起動されたと判断されることにより、事業者がキー(スペアキー)により車両110のドアロックを行わなかったと判断される。
つまり、ステップS1410の判断処理においては、事業者がキー(スペアキー)により車両110のドアロックを行った場合には、事業者が車両110の利用を中止したと判断され、事業者がキー(スペアキー)を利用してエンジンを起動した場合には、事業者が車両110の利用を中止しなかったと判断される。
このステップS1410の判断処理において、事業者が車両110の利用を中止した、つまり、事業者がキー(スペアキー)により車両110のドアロックを行ったと判断されると、事業者による利用処理を終了する。
また、ステップS1410の判断処理において、事業者が車両110の利用を中止しなかった、つまり、事業者がキー(スペアキー)により車両110のドアロックを行わなかったと判断されると、当該判断がなされた時点から、ステップS1408の処理において確認した直近の予約の利用開始時間までの予約サイトによる予約を予約不可能な状態とする(ステップS1412)。
即ち、ステップS1412の処理においては、ステップS1412の判断処理において、事業者が車両110の利用を中止しなかったと判断された時点から直近の予約の利用開始時間までの予約を予約サイトにおいて不可能な状態とするものであって、当該直近の予約の利用終了時間以降の予約は予約可能な状態となっている。
そして、事業者は車両110を利用するものであるが、事業者が車両110を利用しているときに直近の予約の利用開始時間の1時間前になると、メインコントローラー12cの制御により音声モジュール12fを介してキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から次の利用者の予約開始時間まで1時間である旨の音声ガイダンスを流すようにしてもよい。また、こうした音声ガイダンスを流すタイミングとしては、直近の予約の利用開始時間の1時間前に限るものではなく、例えば、30分前に次の利用者の予約開始時間まで30分である旨のガイダンスを流すようにしてもよく、さらに、1時間前および30分前に音声ガイダンスを流すようにしてもよい。要は、直近の予約の利用開始時間の一定時間前に、事業者に当該利用開始時間が迫っている旨を知らせるようにすればよい。
また、事業者による車両110の利用中においては、車両110のエンジンが停止したか否かの判断を行う(ステップS1414)。
即ち、ステップS1414の判断処理においては、監視部12eのイグニッション110dなどの監視結果に基づいて、メインコントローラー12cにおいて車両110エンジンが停止したか否かの判断を行う。
ステップS1414の判断処理において、車両110のエンジンが停止していないと判断されると、ステップS1414の判断処理に戻り、車両110のエンジンが停止したか否かの判断を行う。
つまり、事業者による車両110の利用中は、常にステップS1414の判断処理を行って、車両110のエンジンが停止したか否かの判断を行っているものである。
一方、ステップS1414の判断処理において、車両110のエンジンが停止したと判断されると、GPS機能により車両110の位置情報を取得する(ステップS1416)。
即ち、ステップS1416の処理においては、メインコントローラー12cにおいて、GPSモジュール12aを介して、GPS衛星16からGPS信号を入力して、車両110の位置情報を取得するものである。
そして、車両110の位置情報を取得すると、次に、この取得した車両110の位置情報が、メインコントローラー12cから通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力され、サーバー108において、サーバー108の記憶手段(図示せず。)に予め記憶された車両110の返却位置の位置情報と一致するか否かの判断を行う(ステップS1418)。
このとき、ステップS1416の処理で取得した車両110の位置情報と、サーバー108に記憶された車両110の返却位置の位置情報とは完全に一致するか否かを判断するものではなく、GPS機能により取得した車両110の位置情報の誤差を考慮して判断を行うものである。
つまり、このステップS1418の判断処理においては、ステップS1416の処理で取得した車両110の位置情報の誤差の範囲内に、サーバー108に記憶された車両110の返却位置の位置情報が含まれているか否かの判断を行うものである。
ステップS1418の判断処理において、ステップS1416の処理で取得した車両110の位置情報とサーバー108に予め記憶された車両110の返却位置の位置情報とが一致しない、つまり、ステップS1416の処理で取得した車両110の位置情報の誤差範囲内に、サーバー108に記憶された車両110の返却位置の位置情報が含まれていないと判断されると、この判断結果が、サーバー108から携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力され、ステップS1414の判断処理に戻り車両110のエンジンが停止したか否かの判断を行う。
また、ステップS1418の判断処理において、ステップS1416の処理で取得した車両110の位置情報とサーバー108に予め記憶された車両110の返却位置の位置情報とが一致する、つまり、ステップS1416の処理で取得した車両110の位置情報の誤差範囲内に、サーバー108に記憶された車両110の返却位置の位置情報が含まれていると判断されると、車両利用後の認証処理が開始される(ステップS1420)
ここで、図16のフローチャートには、ステップS1420の車両利用後の事業者用ICカードにより認証処理の詳細な処理内容が示されており、車両利用後の事業者用ICカードによる認証処理においては、まず、1418の処理において、ステップS1416の処理で取得した車両110の位置情報とサーバー108に予め記憶された車両110の返却位置の位置情報とが一致すると判断されると、この判断結果がサーバー108から携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力され、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー114を起動する(ステップS1602)。
このとき、カードリーダー14に設けられたLEDランプを点滅させて事業者にカードリーダー114の起動を知らせるようにする。
また、このとき、メインコントローラー12cによって音声モジュール12fを介して事業者に対してカードリーダー114に事業者用ICカードを翳すように促す旨の音声ガイダンスをキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から流す。
そして、事業者がカードリーダー114に事業者用ICカードを翳すと、カードリーダー114に翳された事業者用ICカードを読み込む(ステップS1604)。
即ち、このステップS1604)の処理においては、カードリーダー114に翳された事業者用ICカードに記憶された所定の認証用コードを読み取るものである。
このとき、タッチセンサー22により検知情報が出力されるが、事業者による利用処理中に当該検知情報がメインコントローラー12cに出力されても、メインコントローラー12cにおいては、この検知情報を無視することとなる。
そして、カードリーダー114で読み取った認証用コードをメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cから当該認証用コードを通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する(ステップS1606)。
認証用コードがサーバー108に出力されると、サーバー108では、当該認証用コードとサーバー108に予め記憶されている事業者の登録コードとが一致するか否かの判断を行う(ステップS1608)。
ステップS1608の判断処理において、認証用コードと事業者の登録コードとが一致しないと判断されると、認証用コードと事業者の登録コードとが一致しないという判断結果をサーバー108から携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー14に設けられたLEDランプ(図示せず)を点滅させることで事業者に対して再び事業者用のICカードをカードリーダー14に翳すように警告し(ステップ1610)、再度ステップS1002の処理に戻り、ステップS1602の処理以降の処理を行う。
一方、ステップS1608の判断処理において、認証用コードと事業者の登録コードとが一致すると判断されると、認証用コードと事業者の登録コードとが一致するという判断結果をサーバー108から携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cにおいて事業者が利用している車両110が存在するとの判断結果に基づいて、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)点滅させて車両110の返却処理の完了を知らせるとともに、車両110のセキュリティが起動した状態、具体的には、車両110のドアロックを行う(ステップS1610)。
このとき、サーバー108においては、認証用コードと事業者の登録コードとが一致すると判断した時間を、事業者による車両110の利用終了時間として記憶手段(図示せず。)に記憶する。
なお、カードリーダー114に事業者用ICカードが翳されて認証処理が開始され、事業者が利用している車両110が存在するか否かの判断処理による判断がなされるまで(つまり、認証処理中のことである。)は、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させる。
上記した説明において、カードリーダー114が起動したとき、認証処理中、認証用コードと事業者の登録コードとが一致しないと判断されたとき、車両110の返却処理の完了時に、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させるものであるが、こうしたLEDランプの点滅はそれぞれ点滅パターンが異なっている。従って、利用者はこの点滅パターンの違いによって、どのような状態であるかを知ることができる。
そして、上記したステップS1420の車両利用後の事業者用ICカードによる認証処理により認証が完了すると、メインコントローラー12cによってカードリーダー114の電源を切る(ステップS1422)。
その後、事業者によりキー(スペアキー)を利用して車両110のドアロックがなされると、サーバー108において、予約サイトにおける予約を再開する(ステップS1424)。
ここで、予約サイトにおいては、ステップS1412の処理において、事業者がキー(スペアキー)によりエンジンを起動した時点から、ステップS1408の処理において確認した直近の予約の利用開始時間までの予約を予約サイトにおける予約を予約不可能な状態とし、当該直近の予約の利用終了時間以降の予約は予約サイトにおいて予約可能なものとしていた。従って、ステップS1424の処理においては、事業者による車両110の利用が終了した時点、つまり、車両110のドアロックがなされた時点から当該直近の予約の利用開始時間までの予約サイトにおける予約を予約可能な状態とするものである。
次に、車両110の利用が終了した時点の車両110の総走行距離や燃料残量などの利用料金の算出に必要な各種情報を算出するための情報が監視され、この監視情報をメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cから当該監視情報を通信モジュール12bを開始、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する(ステップS1426)。
なお、車両110の利用が終了した時点の車両110の総走行距離については、車両110に設けられた総走行距離が表示されるメータなどからその数値を監視部12eにより監視するものである。
こうしてサーバー108において、サーバー108において記憶した事業者による車両110の利用開始時間および利用終了時間やステップS822の処理により出力された各種情報に基づいて、車両110の利用により発生した利用料金を算出し(ステップS1428)、事業者による利用処理を終了する。
なお、こうした算出された事業者に対する利用料金については、予め決められた料金請求日などの所定のタイミングで、それぞれの利用者のパーソナルコンピューター104や携帯端末106に通知する。
また、こうした事業者による利用状況や利用料金については、表やグラフなどにまとめられ事業者がパーソナルコンピューター118により閲覧可能なようにサーバー108における記憶手段(図示せず。)に記憶する。
次に、図17を参照しながら、本発明による車両管理システムの第3の実施の形態について説明する。図17には、本発明の第3の実施の形態による車両管理システムの概要を示すブロック構成図が示されている。
この図17に示す本発明による車両管理システム30は、上記した第1の実施の形態の車両管理システム10と比較すると、カードリーダー14に代えて、テンキー32が設けられている点において異なっている。
このテンキー32は、メインコントローラー12cに接続されており、運転席近傍のダッシュボード上において運転手が操作しやすい位置に配設されている。
さらに、テンキー32は、ダッシュボード上において運転手が操作しやすい位置に配設された状態で、運転手が視認可能な位置にLEDランプ(図示せず。)が設けられている。
以下、図18乃至図22を参照しながら、車両管理システム30における利用者および事業者それぞれによる利用処理について説明する。
まず、利用者は、車両管理システム30による車両110の共用利用に際して、事業者に対して会員登録を申請する。
これに対して事業者は、利用者固有の登録コードを当該利用者に配布するとともに、サーバー108内に設けられた記憶手段(図示せず。)に当該登録コードを当該利用者の諸情報(例えば、氏名などである。)とともに記憶させる。
さらに、事業者は、上記した登録コードと同じ認証用コードが記憶された利用者用ICカードを作成し、当該利用者用ICカードと、サーバー108に設けられた予約サイトにアクセスする際に必要となるIDおよびパスワードとを利用者に対して配布する。
即ち、利用者は、車両110の共用利用に際して、事業者に会員登録の依頼をし、事業者から利用者用ICカードと予約サイトにアクセスするためのIDおよびパスワードとを取得するものである。
そして、会員登録を完了した利用者は、車両110を利用しようとする場合には、車両管理システム30において、パーソナルコンピューター104または携帯端末106を利用してサーバー108に設けられた予約サイトにアクセスし、会員登録時に取得したIDおよびパスワードを入力して予約サイトにログインした後、当該予約サイトにおいて予約を行う。
なお、こうした利用者による車両110の予約情報は、サーバー108に設けられた記憶手段(図示せず。)に記憶されるものであるが、このとき、当該予約情報と予約した利用者の登録コードとが関連づけて記憶される。
また、こうした予約の具体的な内容としては、利用しようとする車両110の選択、利用開始時間および利用時間を入力するようにしてもよいし、車両110の選択、利用開始時間および利用終了時間を入力するようにしてもよい。
一方、事業者は、車両管理システム30による車両110の共用利用に際して、車両110のスペアキーと複数の数字の組み合わせにより作成された所定のパスワードとを準備する。なお、この所定のパスワードは、サーバー108の記憶手段(図示せず。)に事業者の登録コードとして記憶される。
なお、事業者は、予約を行うことなく車両110を利用することができるものであり、その際、所定のパスワードを利用して認証処理を行うものである。
ところで、車両管理システム30においては、サーバー108において、車両110に対する利用対象の判断処理が絶えず行われている。
即ち、事業者が、車載器12を搭載した車両110を準備し、車両110の共用利用を開始するにあたり車載器12を起動すると、サーバー108において車両110の利用対象判断処理が開始される。
具体的には、車載器12が起動すると、メインコントローラー12cからサーバー108に車載器12の起動信号が出力され、この起動信号に基づいて、サーバー108において、当該車載器12が搭載された車両110のシェアカーとしての利用が開始されたことを認識する。
その後、サーバー108では、予約サイトにおいて当該車両110の利用予約を開始して、当該車両110の予約管理を行うとともに、当該車両110の利用対象判断処理が開始される。
この利用対象判断処理においては、車両110を利用する対象が会員登録済みの利用者であるのか事業者であるのかを判断するものである。
ここで、図18のフローチャートには、利用対象判断処理の詳細な処理内容が示されており、この利用対象判断処理においては、上記した第1の実施の形態における車両管理システム10の利用対象判断処理と同様の処理を行うものである。
即ち、まず、予約情報をメインコントローラー12cに出力する時間になったか否かの判断を行う(ステップS1802)。
即ち、このステップS1802の判断処理においては、サーバー108から予約情報をメインコントローラー12cに出力する時間になったか否か判断するものであって、予約情報をメインコントローラー12cに出力する時間は、予め設定されており、例えば、予約情報の利用開始時間の10分前と設定されている。なお、こうした設定時間については、15分前でもよいし5分前でもよく、要は、利用開始時間より前の時間であれは、上記したような設定時間以外でもよい。
このステップS1802の判断処理において、予約情報をメインコントローラー12cに出力する時間であると判断されると、サーバー108において会員登録済みの利用者による利用が開始されるとして、利用者による利用処理を行う(ステップS1804)。なお、この利用者による利用処理については後述する。
また、ステップS1802の判断処理において、予約情報をメインコントローラー12cに出力する時間ではないと判断されると、キーにより車両110のドアロックが解除されたか否かの判断を行う(ステップS1806)。
即ち、このステップS1806の判断処理においては、メインコントローラー12cから出力された監視結果に基づいて、サーバー108によりキーにより車両110のドアロックが解除されたか否かの判断を行うものである。
具体的には、キー検出部110hによりキー使用の信号が出力されるとともに、ドアロックアンロックシステム110bによりドアロック解除の信号が出力された場合にのみ、監視部12eからキーが使用されたとの監視結果(つまり、キー使用の信号が出力されたとの監視結果である。)と、ドアロックが解除されたとの監視結果(つまり、ドアロック解除の信号が出力されたとの監視結果である。)とがメインコントローラー12cに出力される。そして、メインコントローラー12cから当該監視結果を、通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する。
その後、サーバー108において、入力された監視結果の情報からキーを利用して車両110のドアロックが解除されたとの判断を行う。このとき、サーバー108においては、キー使用の信号が出力されたとの監視結果およびドアロック解除の信号が出力されたとの監視結果を入力した時間を、事業者による車両110の利用開始時間として記憶手段(図示せず。)に記憶する。
つまり、監視部12eからキーが使用されたとの監視結果と、ドアロックが解除されたとの監視結果とがメインコントローラー12cを介してサーバー108に出力されない限り、サーバー108においては、キーにより車両110のドアロックが解除されていないと判断される。
ステップS1806の判断処理において、キーにより車両110のドアロックが解除されたと判断されると、サーバー108において事業者による利用が開始されるとして、事業者による利用処理を行う(ステップS1808)。なお、この事業者による利用処理については後述する。
一方、ステップS1806の判断処理において、キーにより車両110のドアロックが解除されていないと判断されると、再度、ステップS1802の処理に戻り、ステップS1802の処理以降の処理を行う。
つまり、この利用対象判断処理においては、ステップS1802の判断処理で予約情報をメインコントローラー12cに出力する時間ではないと判断され、ステップS1806の判断処理でキーにより車両110のドアロックが解除されてないとの判断される限り、絶えずステップS1802の判断処理およびステップS1806の判断処理を繰り返すものである。さらに、ステップS1804の利用者による利用処理(後述する。)またはステップS1808の事業者による利用処理(後述する。)が終了すると、利用対象判断処理が再開されることとなる。
次に、ステップS1804の利用者による利用処理およびステップS1808の事業者による利用処理について説明する。
まず、図19のフローチャートには、このステップS1804の利用者による利用処理の詳細な処理内容が示されており、この利用者による利用処理においては、まず、利用開始時間10分前になったので(ステップS1802の判断処理において判断された判断結果である。)、予約情報(例えば、利用開始時間や利用終了時間などである。)がサーバー108から携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力され、メインコントローラー12cにおいて記憶される(ステップS1902)。
メインコントローラー12cに予約情報が記憶されると、メインコントローラー12cの制御により、利用開始時間になると車両110に設けられたカードリーダー114を起動し、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させて利用者にカードリーダー114の起動を知らせる(ステップS1904)。
そして、利用開始時間に車両110の駐車している駐車場まで来た利用者により、カードリーダー114に利用者用ICカードが翳されると認証処理を開始する(ステップS1906)。
即ち、このステップS1906の認証処理においては、車両利用前の利用者用ICカードによる認証処理が行われるものであり、この認証処理については、上記した第1の実施の形態における車両管理システム10の利用者による利用処理の車両利用前の利用者用ICカードによる認証処理と同様の処理を行うものであるため、その詳細な説明は省略する。
こうして車両利用前の利用者用ICカードによる認証処理により認証が完了すると、メインコントローラー12cによってカードリーダー114の電源を切る(ステップS1908)。
その後、利用者は車両110に乗車して、キーボックス116からキーを取り出し、取り出したキーを利用してエンジンを起動して車両110を利用する。
そして、予約した利用終了時間までに車両110を予め決められた駐車場に駐車させ、キーを利用して車両110のエンジンを停止させ、当該キーをキーボックス116に返却し、車両110から降車して車両110の全てのドアを閉める。
その後、利用者によりカードリーダー114に利用者用ICカードが翳されると、カードリーダー114において利用者用ICカードを読み取って認証処理を開始する(ステップS1910)。
即ち、このステップS1910の処理においては、車両利用後の利用者用ICカードによる認証処理が行われるものであり、この認証処理については、上記した第1の実施の形態における車両管理システム10の利用者による利用処理の車両利用後の利用者用ICカードによる認証処理と同様の処理を行うものであるため、その詳細な説明は省略することとする。
そして、上記したステップS1910の車両利用後の利用者用ICカードによる認証処理による認証が完了すると、メインコントローラー12cによりカードリーダー114の電源を切る(ステップS1912)。
その後、車両110の利用が終了した時点の車両110の総走行距離や燃料残量など、利用料金の算出に必要な各種情報を算出するための情報が監視され、この監視情報をメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cから当該監視結果を通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する(ステップS1914)。
なお、車両110の利用が終了した時点の車両110の総走行距離については、車両110に、設けられた総走行距離が表示されるメータなどからその数値を監視部12eにより監視するものである。
こうしてサーバー108において、予約情報やステップS1314の処理におり出力された各種情報に基づいて、車両110の利用により発生した利用料金を算出し(ステップS1916)、利用者による利用処理を終了する。
なお、こうした算出された各利用者における利用料金については、予め決められた利用者への料金請求日などの所定のタイミングで、それぞれ利用者のパーソナルコンピューター104や携帯端末106に通知する。
また、こうした各利用者による利用状況や利用時間については、表やグラフなどにまとめられ事業者がパーソナルコンピューター118により閲覧可能なようにサーバー108における記憶手段(図示せず。)に記憶する。
また、図20のフローチャートには、上記したステップS1808の事業者による利用処理の詳細な処理内容が示されており、この事業者による利用処理においては、まず、キーのより車両110のドアロックが解除されたので(ステップS1806の判断処理において判断された判断結果である。)、サーバー108において予約情報を確認し、事業者がキー(スペアキー)により車両110のドアロックを解除した時間以降において直近の予約の利用開始時間を、事業者に対して通知する(ステップS2002)。
即ち、このステップS2002の処理においては、サーバー108において確認した予約の利用開始時間を携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cによって音声モジュール12fを介して、事業者に対して直近の利用開始時間の音声ガイダンスをキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から流すものである。
そして、メインコントローラー12cに利用開始時間が出力されると、メインコントローラー12cの制御により、テンキー32に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させて事業者に対して所定のパスワードの入力を促す(ステップS2004)。
その後、メインコントローラー12cの制御により操作部12dを介して、エンジンスタータ110aを起動しない状態とする(ステップS2006)。
次に、事業者が車両110の利用を中止したか否かの判断を行う(ステップS2008)。
ここで、ステップS2002の処理において事業者に対して通知した直近の予約における利用開始時間に基づいて、事業者が車両110を利用するか否かを決めることとなり、このステップS2008の判断処理では、事業者がキー(スペアキー)により車両110のドアロックを行ったか否かの判断を行うことにより、事業者が車両110の利用を中止したか否かを判断するものである。
即ち、ステップS2008の判断処理においては、サーバー108において、メインコントローラー12cから出力された監視結果に基づいて、事業者がキー(スペアキー)により車両110のドアロックを行ったか否かを判断するものである。
具体的には、キー検出部110hによりキー使用の信号が出力されるとともに、ドアロックアンロックシステム110bによりドアロックの信号が出力された場合にのみ、監視部12eからキーが使用されたとの監視結果(つまり、キー使用の信号が出力されたとの監視結果である。)と、ドアロックされたとの監視結果(つまり、ドアロックの信号が出力されたとの監視結果である。)とがメインコントローラー12cに出力される。そして、メインコントローラー12cから当該監視結果を、通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する。すると、サーバー108において、入力された監視結果の情報から事業者がキー(スペアキー)を利用して車両110がドアロックされたとの判断がなされる。
一方、事業者によりテンキー32が操作された場合、テンキー32により入力された情報がテンキー32からメインコントローラー12cに出力され、メインコントローラー12から通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用して、サーバー108に出力される。すると、サーバー108においては、事業者が車両110を利用することにしたと判断することとなり、事業者がキー(スペアキー)により車両110のドアロックを行わなかったと判断される。
つまり、ステップS2008の判断処理においては、事業者がキー(スペアキー)により車両110のドアロックをした場合には、事業者が車両110の利用を中止したと判断され、事業者が車両110に乗車してテンキー32を操作した場合には、事業者が車両110の利用を中止しなかったと判断されるものである。
このステップS2008の判断処理において、事業者が車両110の利用を中止した、つまり、事業者がキー(スペアキー)により車両110のドアロックを行ったと判断されると、事業者による利用処理を終了する。
また、ステップS2008の判断処理において、事業者が車両110の利用を中止しなかった、つまり、事業者がキー(スペアキー)により車両110のドアロックを行わなかったと判断されると、認証処理を開始する(ステップS2010)。
ここで、図21のフローチャートには、このステップS2010の車両利用前のパスワードによる認証処理の詳細な処理内容が示されており、この車両利用前のパスワードによる認証処理においては、まず、事業者がテンキー32を操作することにより入力されたパスワードをメインコントローラー12cから通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する(ステップS2102)。
パスワードがサーバー108に入力されると、サーバー108では、当該パスワードとサーバー108に予め記憶されている事業者の登録コードとが一致するか否かの判断を行う(ステップS2104)。
ステップS2104の判断処理において、パスワードと事業者の登録コードとが一致しないと判断されると、パスワードと事業者の登録コードとが一致しないという判断結果をサーバー108から携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cの制御によりテンキー32に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させることで事業者に対して再び所定のパスワードを入力するように警告し(ステップS2106)、再度、ステップS2102の処理に戻り、ステップS2102の処理以降の処理を行う。
一方、ステップS2104の判断処理において、パスワードと事業者の登録コードとが一致すると判断されると、パスワードと事業者の登録コードとが一致するという判断結果を携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cの制御によりテンキー32に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させることで、事業者に対して認証された旨を知らせるとともに、メインコントローラー12cの制御により車両110のセキュリティを解除した状態、具体的には、エンジンスタータ110aを起動できる状態とする(ステップS2108)。
なお、テンキー32からパスワードが入力されて認証処理が開始され、当該パスワードと事業者の登録コードとが一致するか否かの判断がなされるまで(つまり、認証処理中のことである。)は、メインコントローラー12cの制御によりテンキー32に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させる。
上記した説明において、事業者に対してパスワードの入力を促すとき、認証処理中、パスワードと事業者の登録コードとが一致しないと判断されたとき、パスワードと事業者の登録コードとが一致すると判断されたときにおいて、メインコントローラー12cの制御によりテンキー32に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させるものであるが、こうしたLEDランプの点滅はそれぞれ点滅パターンが異なっている。従って、利用者はこの点滅パターンの違いによって、どのような状態であるかを知ることができる。
上記のようにして、ステップS2008の車両利用前のパスワードによる認証処理により認証が完了すると、メインコントローラー12cによってテンキー32に設けられたLEDランプを消す(ステップS2012)。
さらに、サーバー108において、この車両利用前のパスワードによる認証処理が完了した時点から、ステップS2002の処理において確認した直近の予約の利用開始時間までの予約サイトによる予約を予約不可能な状態とする(ステップS2014)。
即ち、このステップS2014の処理においては、車両利用前の認証処理が完了した時点から直近の予約の利用開始時間までの予約を予約サイトにおいて不可能な状態とするものであって、当該直近の予約の利用終了時間以降の予約は予約可能な状態となっている。
その後、事業者は、キー(スペアキー)を利用して車両110のエンジンを起動して車両110を利用する。
なお、事業者が車両110を利用しているときに、直近の予約の利用開始時間の1時間前になると、メインコントローラー12cの制御により音声モジュール12fを介してキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から次の利用者の利用開始時間まで1時間である旨の音声ガイダンスを流すようにしてもよい。また、こうした音声ガイダンスを流すタイミングとしては、直近の予約の利用開始時間の1時間前に限るものではなく、例えば、30分前に次の利用者の予約開始時間まで30分である旨のガイダンスを流すようにしてもよく、さらに、1時間前および30分前に音声ガイダンスを流すようにしてもよい。要は、直近の予約の利用開始時間の一定時間前に、事業者に当該利用開始時間が迫っている旨を知らせるようにすればよい。
また、事業者による車両110の利用中においては、車両110のエンジンが停止したか否かの判断を行う(ステップS2016)。
即ち、ステップS2016の判断処理においては、監視部12eのイグニッション110dなどの監視結果に基づいて、メインコントローラー12cにおいて、車両110のエンジンが停止したか否かの判断を行う。
ステップS2016の判断処理において、車両110のエンジンが停止していないと判断されると、ステップS2016の判断処理に戻り、車両110のエンジンが停止したか否かの判断を行う。
つまり、事業者による車両110の利用中は、常にステップS2016の判断処理を行って、車両110のエンジンが停止したか否かの判断を行っているものである。
一方、ステップS2016の判断処理において、車両110のエンジンが停止したと判断されると、GPS機能により車両110の位置情報を取得する(ステップS2018)。
即ち、ステップS2018の処理においては、メインコントローラー12cにおいて、GPSモジュール12aを介して、GPS衛星16からGPS信号を入力して、車両110の位置情報を取得するものである。
そして、車両110の位置情報を取得すると、次に、この取得した車両110の位置情報が、メインコントローラー12から通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力され、サーバー108において、サーバー108の記憶手段(図示せず。)に予め記憶された車両110の返却位置の位置情報と一致するか否かの判断を行う(ステップS2020)。
このとき、ステップS2018の処理で取得した車両110の位置情報と、サーバー108に記憶された車両110の返却位置の位置情報とは完全に一致するか否かを判断するものではなく、GPS機能により取得した車両110位置情報の誤差を考慮して判断を行うものである。
つまり、このステップS2020の判断処理においては、ステップS2018の処理で取得した車両110の位置情報の誤差の範囲内に、サーバー108に記憶された車両110の返却位置の位置情報が含まれているか否かの判断を行うものである。
ステップS2020の判断処理において、ステップS2018の処理で取得した車両110の位置情報とサーバー108に予め記憶された車両110の返却位置の位置情報とが一致しない、つまり、ステップS2018の処理で取得した車両110の位置情報の誤差範囲内に、サーバー108に記憶された車両110の返却位置の位置情報が含まれていないと判断されると、この判断結果が、サーバー108から携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力され、ステップS2016の判断処理に戻り、車両110のエンジンが停止したか否かの判断を行う。
また、ステップS2020の判断処理において、ステップS2018の処理で取得した車両110の位置情報とサーバー108に予め記憶された車両110の返却位置の位置情報とが一致する、つまり、ステップS2018の処理で取得した車両110の位置情報の誤差範囲内に、サーバー108に記憶された車両110の返却位置の位置情報が含まれていると判断されると、車両利用後のパスワードによる認証処理が開始される(ステップS2022)。
ここで、図22のフローチャートには、ステップS2022の車両利用後の事業者用ICカードによる認証処理の詳細な処理内容が示されており、車両利用後の事業者用ICカードによる認証処理においては、まず、ステップS2020の判断処理において、ステップS2018の処理で取得した車両110の位置情報とサーバー108に予め記憶された車両110の返却位置の位置情報とが一致すると判断されると、この判断結果がサーバー108から携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力される、テンキー32に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させて事業者に対して所定のパスワードを入力するように促す(ステップS2202)。
また、このとき、メインコントローラー12cによって音声モジュール12fを介して事業者に対して所定のパスサード入力するように促す旨の音声ガイダンスをキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から流す。
そして、事業者がテンキー32を操作してパスワードを入力すると、当該パスワードをメインコントローラー12cから通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する(ステップS2204)。
パスワードがサーバー108に出力されると、サーバー108では、当該パスワードとサーバー108に予め記憶されている事業者の登録コードとが一致するか否かの判断を行う(ステップS2206)。
ステップS2206の判断処理において、パスワードと事業者の登録コードとが一致しないと判断されると、パスワードと事業者の登録コードとが一致しないという判断結果をサーバー108から携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cの制御によりテンキー32に設けられたLEDランプ(図示せず)を点滅させることで事業者に対して再び所定のパスワードを入力するように警告し(ステップ2308)、再度ステップS2202の処理に戻り、ステップS2202の処理以降の処理を行う。
一方、ステップS2206の判断処理において、パスワードと事業者の登録コードとが一致すると判断されると、事業者による車両110の利用が終了したものとする。
なお、事業者によりパスワードが入力されて認証処理が開始され、当該パスワードと事業者の登録コードとが一致するか否かの判断処理による判断がなされるまで(つまり、認証処理中のことである。)は、メインコントローラー12cの制御によりテンキー32に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させる。
上記した説明において、事業者に対してパスワードの入力を促すとき、認証処理中、パスワードと事業者の登録コードとが一致しないと判断されたときにおいて、メインコントローラー12cの制御によりテンキー32に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させるものであるが、こうしたLEDランプの点滅はそれぞれ点滅パターンが異なっている。従って、事業者はこの点滅パターンの違いによって、どのような状態であるかを知ることができる。
そして、上記したステップS2022の車両利用後のパスワードによる認証処理により認証が完了すると、メインコントローラー12cによりテンキー32に設けられてLEDランプ(図示せず。)を消す(ステップS2024)。
その後、事業者によりキー(スペアキー)を利用して車両110のドアロックがなされると、サーバー108において、予約サイトにおける予約を再開する(ステップS2026)。
ここで、予約サイトにおいては、ステップS2014の処理において、車両利用前のパスワードによる認証処理が完了した時点から、ステップS2002の処理において確認した直近の予約の利用開始時間までの予約サイトにおける予約を予約不可能な状態とし、当該直近の予約の利用終了時間以降の予約は予約サイトにおいて予約可能なものとしていた。従って、ステップS2026の処理においては、事業者による車両110の利用が終了した時点、つまり、車両110のドアロックがなされた時点から当該直近の予約の利用開始時間までの予約サイトにおける予約を予約可能な状態とするものである。
なお、キーを利用して車両110のドアロックがなされると、キー検出部110hによりキー使用の信号が出力されるとともに、ドアロックアンロックシステム110bによりドアロックの信号が出力され、監視部12eによるこうした信号(キー使用の信号およびドアロックの信号)が出力されたとの監視結果がメインコントローラー12cに出力される。そして、メインコントローラー12cから当該監視結果を通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する。
その後、サーバー108において入力された監視結果の情報からキーを利用して車両110のドアロックがなされたと判断するものであるが、このとき、サーバー108においては、キー使用の信号およびドアロックの信号が出力されたとの監視結果を入力した時間を、事業者による車両110の利用終了時間として記憶手段(図示せず。)に記憶する。
次に、車両110の利用が終了した時点の車両110の総走行距離や燃料残量などの利用料金の算出に必要な各種情報を算出するための情報が監視され、この監視情報をメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cから当該監視情報を通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する(ステップS2028)。
なお、車両110の利用が終了した時点の車両110の総走行距離については、車両110に設けられた総走行距離が表示されるメータなどからその数値を監視部12eにより監視するものである。
こうしてサーバー108において、サーバー108において記憶した事業者による車両110の利用開始時間および利用終了時間やステップS2028の処理により出力された各種情報に基づいて、車両110の利用により発生した利用料金を算出し(ステップS2030)、事業者による利用処理を終了する。
なお、こうした算出された事業者に対する利用料金については、予め決められた料金請求日などの所定のタイミングで、それぞれの利用者のパーソナルコンピューター104や携帯端末106に通知する。
また、こうした事業者による利用状況や利用料金については、表やグラフなどにまとめられ事業者がパーソナルコンピューター118により閲覧可能なようにサーバー108における記憶手段(図示せず。)に記憶する。
次に、図23を参照しながら、本発明による車両管理システムの第4の実施の形態について説明する。図23には、本発明の第4の実施の形態による車両管理システムの概要を示すブロック構成図が示されている。
この図23に示す本発明による車両管理システム40は、上記した第1の実施の形態の車両管理システム10と比較すると、カードリーダー14が設けられておらず、リモートコントローラー42(以下、「リモコン」と称する。)から発振される電波信号を受信するための受信機44が設けられている点において異なっている。
この受信機44は、メインコントローラー12cと接続されており、リモコン42から発振された電波信号を受信するために必要なアンテナ44aを備えている。
また、受信機44は、リモコン42から発振された電波信号を受信し、受信した受信信号をメインコントローラー12cに出力するものであり、メインコントローラー12cにおいては、取得した受信信号に基づいて操作部12dを介してドアロックアンロックシステム110bを制御して、車両110のドアロックおよびドアロックの解除を行うものである。
つまり、車両110のドアがロックされた状態のときに、受信機44がリモコン42からの電波信号を受信すると、受信機44からメインコントローラー12cに受信信号が出力され、メインコントローラー12においては、操作部12dを介し、ドアロックアンロックシステム110bを制御してドアのロックが解除される。また、車両110のドアのロックが解除された状態のときに、受信機44がリモコン42からの電波信号を受信すると、受信機44からメインコントローラー12cに受信信号が出力され、メインコントローラー12cにおいては、操作部12dを介し、ドアロックアンロックシステム110bを制御してドアをロックする。
なお、この受信機44は、メインコントローラー12cによりその起動が制御されるものであり、車載器12が起動するとメインコントローラー12cの制御により受信機44も起動され、車載器12が停止するとメインコントローラー12cの制御により受信機44も停止される。
以下、図24乃至図25を参照しながら、車両管理システム40における利用者および事業者それぞれにより利用処理について説明する。
まず、利用者は、車両管理システム40による車両110の共用利用に際して、事業者に対して会員登録を申請する。
これに対して事業者は、利用者固有の登録コードを当該利用者に配布するとともに、サーバー108内に設けられた記憶手段(図示せず。)に当該登録コードを当該利用者の諸情報(例えば、氏名などである。)とともに記憶させる。
さらに、事業者は、上記した登録コードと同じ認証用コードが記憶された利用者用ICカードを作成し、当該利用者用ICカードと、サーバー108に設けられた予約サイトにアクセスする際に必要となるIDおよびパスワードとを利用者に対して配布する。
即ち、利用者は、車両110の共用利用に際して、事業者に会員登録の依頼をし、事業者から利用者用ICカードと予約サイトにアクセスするためのIDおよびパスワードとを取得するものである。
そして、会員登録を完了した利用者は、車両110を利用しようとする場合には、車両管理システム40において、パーソナルコンピューター104または携帯端末106を利用してサーバー108に設けられた予約サイトにアクセスし、会員登録時に取得したIDおよびパスワードを入力して予約サイトにログインした後、当該予約サイトにおいて予約を行う。
なお、こうした利用者による車両110の予約情報は、サーバー108に設けられた記憶手段(図示せず。)に記憶されるものであるが、このとき、当該予約情報と予約した利用者の登録コードとが関連づけて記憶される。
また、こうした予約の具体的な内容としては、利用しようとする車両110の選択、利用開始時間および利用時間を入力するようにしてもよいし、車両110の選択、利用開始時間および利用終了時間を入力するようにしてもよい。
一方、事業者は、車両管理システム40による車両110の共用利用に際して、車両110のスペアキーとリモコン42とを準備する。
なお、事業者は、予約を行うことなく車両110を利用することができるものであり、その際、リモコン42を使用して車両110のドアのロックおよびロックの解除を行うものである。
ところで、車両管理システム40においては、サーバー108において、車両110に対する利用対象の判断処理が絶えず行われている。
即ち、事業者が、車載器12を搭載した車両110を準備し、車両110の共用利用を開始するにあたり車載器12の電源を起動すると、サーバー108において当該車両110の利用対象判断処理が開始される。
具体的には、車載器12が起動すると、メインコントローラー12cからサーバー108に車載器12の起動信号が出力され、この起動信号に基づいて、サーバー108において、当該車載器12が搭載された車両110のシェアカーとしての利用が開始されたことを認識する。
その後、サーバー108では、予約サイトにおいて当該車両110の利用予約を開始して、当該車両110の予約管理を行うとともに、当該車両の利用対象判断処理が開始される。
この利用対象判断処理においては、車両110を利用する対象が会員登録済みの利用者であるのか事業者であるのかを判断するものである。
ここで、図24のフローチャートには、利用対象判断処理の詳細な処理内容が示されており、この利用対象判断処理においては、まず、予約情報をメインコントローラー12cに出力する時間になったか否かの判断を行う(ステップS2402)。
即ち、このステップS2402の判断処理においては、サーバー108から予約情報をメインコントローラー12cに出力する時間になったか否か判断するものであって、予約情報をメインコントローラー12cに出力する時間は、予め設定されており、例えば、予約情報の利用開始時間の10分前と設定されている。なお、こうした設定時間については、15分前でもよいし5分前でもよく、要は、利用開始時間より前の時間であれは、上記したような設定時間以外でもよい。
このステップS2402の判断処理において、予約情報をメインコントローラー12cに出力する時間であると判断されると、サーバー108において会員登録済みの利用者による利用が開始されるとして、利用者による利用処理を行う(ステップS2404)。なお、この利用者による利用処理については、上記した第3の実施の形態における車両管理システム10の利用者による利用処理と同様の処理を行うため、その詳細な説明は省略する。
また、ステップS2402の判断処理において、予約情報をメインコントローラー12cに出力する時間ではないと判断されると、事業者によるリモコン42の操作により車両110のドアロックが解除されたか否かの判断を行う(ステップS2406)。
つまり、ステップS2402の判断処理においては、リモコン42からの電波信号を受信したか否かを判断することにより、事業者によるリモコン42の操作により、車両110のドアロックが解除されたか否かの判断を行うものである。
ここで、メインコントローラー12cにおいては、リモコン42からの電波信号を受信機44が受信すると、受信機44から受信信号が出力されるものであり、当該受信信号を受信すると、サーバー108に出力することとなる。
従って、ステップS2406の判断処理においては、サーバー108において、メインコントローラー12cから当該受信信号を入力された否かの判断を行うことにより、リモコン42から電波信号を受信したか否かの判断を行うものである。
即ち、サーバー108においてメインコントローラー12cから受信機44からの受信信号を入力されたと判断されると、サーバー108においてリモコン42から電波信号を受信したと判断される。また、サーバー108においてメインコントローラー12cから受信機44からの受信信号を入力していないと判断されると、サーバー108においてリモコン42から電波信号を受信していないと判断される。
このとき、メインコントローラー12cからサーバー108に対して受信信号が出力されない限り、サーバー108においてはリモコン42から電波信号を受信していないと判断される。
ステップS2406の判断処理において、リモコン42の操作により車両110のドアロックが解除された、つまり、リモコン42から電波信号を受信したと判断されると、サーバー108において事業者による利用が開始されるとして、事業者による利用処理を行う(ステップS2408)。なお、この事業者による利用処理については後述する。
このとき、サーバー108においては、車両110のドアのロックを解除した時間を事業者による車両110の利用開始時間として記憶手段(図示せず。)に記憶する。
一方、ステップS2406の判断処理において、リモコン42の操作により車両110のドアロックが解除されていない、つまり、リモコン42から電波信号を受信していないと判断されると、再度、ステップS2402の処理に戻り、ステップS2402の処理以降の処理を行う。
つまり、この利用対象判断処理においては、ステップS2402の判断処理で予約情報をメインコントローラー12cに出力する時間ではないと判断され、ステップS2406の判断処理でリモコン42の操作により車両110のドアロックが解除されていないと判断される限り、絶えずステップS2402の判断処理およびステップS2406の判断処理を繰り返すものである。さらに、ステップS2404の利用者による利用処理またはステップS2408の事業者による利用処理(後述する。)が終了すると、利用対象判断処理が再開されることとなる。
次に、ステップS2408の事業者による利用処理について説明する。
図25のフローチャートには、このステップS2408の事業者による利用処理の詳細な処理内容が示されており、この事業者による利用処理においては、まず、サーバー108において予約情報を確認し、リモコン42の操作により車両110のドアロックが解除されたと判断した時間以降において直近の予約の利用開始時間を、事業者に対して通知する(ステップS2502)。
即ち、このステップS2502の処理においては、サーバー108において確認した予約の利用開始時間を携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cによって音声モジュール12fを介して、事業者に対して直近の利用開始時間の音声ガイダンスをキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から流すものである。
その後、事業者が車両110の利用を中止したか否かの判断を行う(ステップS2504)。
ここで、ステップS2502の処理において事業者に対して通知した直近の予約における利用開始時間に基づいて、事業者が車両110を利用するか否かを決めることとなり、このステップS2504の判断処理では、事業者がキー(スペアキー)により車両110のドアロックを行ったか否かの判断を行うことにより、事業者が車両110の利用を中止したか否かを判断するものである。
即ち、ステップS2504の判断処理においては、サーバー108において、メインコントローラー12cから出力された監視結果に基づいて、事業者がキー(スペアキー)により車両110のドアロックを行ったか否かを判断するものである。
具体的には、キー検出部110hによりキー使用の信号が出力されるとともに、ドアロックアンロックシステム110bによりドアロックの信号が出力された場合にのみ、監視部12eからキーが使用されたとの監視結果(つまり、キー使用の信号が出力されたとの監視結果である。)と、ドアロックされたとの監視結果(つまり、ドアロックの信号が出力されたとの監視結果である。)とがメインコントローラー12cに出力される。そして、メインコントローラー12cから当該監視結果を、通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する。すると、サーバー108において、入力された監視結果の情報から事業者がキー(スペアキー)を利用して車両110がドアロックされたとの判断がなされる。
一方、事業者がキー(スペアキー)を利用してエンジンを起動した場合、監視部12eにおけるイグニッション110dとキー検出器110hとの監視結果がメインコントローラー12cから通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力される。すると、サーバー108においては、当該監視結果からキーを利用してエンジンが起動されたと判断されることにより、事業者がキー(スペアキー)により車両110のドアロックを行わなかったと判断される。
つまり、ステップS2504の判断処理においては、事業者がキー(スペアキー)により車両110のドアロックをした場合には、事業者が車両110の利用を中止したと判断され、事業者がキー(スペアキー)によりエンジンを起動した場合には、事業者が車両110の利用を中止しなかったと判断されるものである。
このステップS2504の判断処理において、事業者が車両110の利用を中止した、つまり、事業者がキー(スペアキー)により車両110のドアロックを行ったと判断されると、事業者による利用処理を終了する。
また、ステップS2504の判断処理において、事業者が車両110の利用を中止しなかった、つまり、事業者がキー(スペアキー)により車両110のドアロックを行わなかったと判断されると、当該判断がなされた時点から、ステップS2502の処理において確認した直近の予約の利用開始時間までの予約サイトによる予約を予約不可能な状態とする(ステップS2506)。
即ち、このステップS2506の処理においては、ステップS2504の判断処理において、事業者が車両110の利用を中止しなかったと判断された時点から直近の予約の利用開始時間までの予約を予約サイトにおいて予約不可能な状態とするものであって、当該直近の予約の利用終了時間以降の予約は予約可能な状態となっている。
その後、事業者は車両110を利用することになるが、事業者が車両110を利用しているときに直近の予約の利用開始時間の1時間前になると、メインコントローラー12cの制御により音声モジュール12fを介してキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から次の利用者の利用開始時間まで1時間である旨の音声ガイダンスを流すようにしてもよい。また、こうした音声ガイダンスを流すタイミングとしては、直近の予約の利用開始時間の1時間前に限るものではなく、例えば、30分前に次の利用者の予約開始時間まで30分である旨のガイダンスを流すようにしてもよく、さらに、1時間前および30分前に音声ガイダンスを流すようにしてもよい。要は、直近の予約の利用開始時間の一定時間前に、事業者に当該利用開始時間が迫っている旨を知らせるようにすればよい。
また、事業者による車両110の利用中においては、車両110のエンジンが停止したか否かの判断を行う(ステップS2508)。
即ち、ステップS2508の判断処理においては、監視部12eのイグニッション110dなどの監視結果に基づいて、メインコントローラー12cにおいて、車両110のエンジンが停止したか否かの判断を行う。
ステップS2508の判断処理において、車両110のエンジンが停止していないと判断されると、ステップS2508の判断処理に戻り、車両110のエンジンが停止したか否かの判断を行う。
つまり、事業者による車両110の利用中は、常にステップS2508の判断処理を行って、車両110のエンジンが停止したか否かの判断を行っているものである。
一方、ステップS2508の判断処理において、車両110のエンジンが停止したと判断されると、GPS機能により車両110の位置情報を取得する(ステップS2510)。
即ち、ステップS2510の処理においては、メインコントローラー12cにおいて、GPSモジュール12aを介して、GPS衛星16からGPS信号を入力して、車両110の位置情報を取得するものである。
そして、車両110の位置情報を取得すると、次に、この取得した車両110の位置情報が、メインコントローラー12から通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力され、サーバー108において、サーバー108の記憶手段(図示せず。)に予め記憶された車両110の返却位置の位置情報と一致するか否かの判断を行う(ステップS2512)。
このとき、ステップS2510の処理で取得した車両110の位置情報と、サーバー108に記憶された車両110の返却位置の位置情報とは完全に一致するか否かを判断するものではなく、GPS機能により取得した車両110位置情報の誤差を考慮して判断を行うものである。
つまり、このステップS2512の判断処理においては、ステップS2510の処理で取得した車両110の位置情報の誤差の範囲内に、サーバー108に記憶された車両110の返却位置の位置情報が含まれているか否かの判断を行うものである。
ステップS2512の判断処理において、ステップS2510の処理で取得した車両110の位置情報とサーバー108に予め記憶された車両110の返却位置の位置情報とが一致しない、つまり、ステップS2510の処理で取得した車両110の位置情報の誤差範囲内に、サーバー108に記憶された車両110の返却位置の位置情報が含まれていないと判断されると、この判断結果がサーバー108から携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力され、ステップS2508の判断処理に戻り、車両110のエンジンが停止したか否かの判断を行う。
また、ステップS2512の判断処理において、ステップS2510の処理で取得した車両110の位置情報とサーバー108に予め記憶された車両110の返却位置の位置情報とが一致する、つまり、ステップS2512の処理で取得した車両110の位置情報の誤差範囲内に、サーバー108に記憶された車両110の返却位置の位置情報が含まれていると判断されると、予約サイトにおける予約を再開する(ステップS2514)。
ここで、予約サイトにおいては、ステップS2506の判断処理において事業者が車両110の利用を中止しなかったと判断された時点から、ステップS2502の処理において確認した直近の予約の利用開始時間までの予約サイトにおける予約を予約不可能な状態としていた。
従って、ステップS2514の処理においては、ステップS2510の処理で取得した車両110の位置情報とサーバー108に記憶された車両110の返却位置の位置情報とが一致すると判断された時点から、当該直近の予約の利用開始時間までの予約サイトにおける予約を予約不可能な状態とするものである。
その後、事業者によりリモコン42が操作されて車両110のドアがロックされる(ステップS2516)。
即ち、ステップS2514の処理においては、ドアロックが解除された状態の車両110において、リモコン42から電波信号が送信されることにより、当該電波信号を受信した受信機44からメインコントローラー12cに受信信号出力されることとなり、メインコントローラー12cの制御により、操作部12dを介して、ドアロックアンロックシステム110によってドアをロックすることとなる。
このとき、サーバー108においては、車両110のドアをロックした時間を事業者による車両110の利用終了時間として記憶手段(図示せず。)に記憶する。
その後、車両110の利用が終了した時点の車両110の総走行距離や燃料残量などの利用料金の算出に必要な各種情報を算出するための情報が監視され、この監視情報をメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cから当該監視情報を通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する(ステップS2518)。
なお、車両110の利用が終了した時点の車両110の総走行距離については、車両110に設けられた総走行距離が表示されるメータなどからその数値を監視部12eにより監視するものである。
こうしてサーバー108において、サーバー108において記憶した事業者による車両110の利用開始時間および利用終了時間やステップS2028の処理により出力された各種情報に基づいて、車両110の利用により発生した利用料金を算出し(ステップS2520)、事業者による利用処理を終了する。
なお、こうした算出された事業者に対する利用料金については、予め決められた料金請求日などの所定のタイミングで、それぞれの利用者のパーソナルコンピューター104や携帯端末106に通知する。
また、こうした事業者による利用状況や利用料金については、表やグラフなどにまとめられ事業者がパーソナルコンピューター118により閲覧可能なようにサーバー108における記憶手段(図示せず。)に記憶する。
以上において説明したように、本発明による車両管理システム10、20、30、40は、車両110を利用する際の処理により、車両110を利用するのがカーシェアリング事業者であるのか、会員登録を行った利用者であるのかを判断するようにしたものである。
また、本発明による車両管理システム10、20、30、40は、カーシェアリング事業者は、車両110の利用に際して予約することなく利用することができ、当該カーシェアリング事業者が車両110を利用する際には、当該カーシェアリング事業者による車両110の利用中には、車両110の予約を受け付けないようにしたものである。
これにより、本発明による車両管理システム10、20、30、40においては、会員登録した利用者が共用で利用する車両110を事業者が利用するときに、容易に利用することが可能となる。
このため、本発明による車両管理システム10、20、30、40においては、従来の技術による車両管理システム100と比較して、カーシェアリング事業者が車両110を利用する際の煩わしさが著しく低減される。
なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(11)に示すように変形するようにしてもよい。
(1)上記した実施の形態においては、第1の実施の形態において、カードリーダー14、114と2つのカードリーダーを設けるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、カードリーダー14を設けず、カードリーダー114のみを設けるようにしてもよい。
このときには、事業者は、スペアキーを用いてドアのロックを解除した後、車両110に乗車する前に、カードリーダー114に事業者用ICカードを翳して認証処理を行い、認証された場合にのみ、スペアキーによりエンジンを起動することができるようにする。また、車両110利用後においては、降車後、車両のエンジンが停止され、かつ、車両の全てのドアを閉じた状態となると、カードリーダー114を起動するようにし、カードリーダー114に事業者用ICカードを翳して認証処理を行い、認証された場合にのみ、ドアをロックすることができるようにする。
(2)上記した実施の形態においては、第1の実施の形態において、事業者による車両110の利用の際には、カードリーダー14でのみ認証処理を行うようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、車両利用前の事業者用ICカードによる認証処理においてはカードリーダー14を使用し、車両利用後の事業者用ICカードによる認証処理においては、カードリーダー114を使用するようにしてもよい。
この場合、使用しない方のカードリーダーは起動しないものとする。つまり、車両利用前の事業者用ICカードによる認証処理においては、カードリーダー14は起動するが、カードリーダー114は起動しないものとする。また、車両利用後の事業者用ICカードによる認証処理においては、カードリーダー14は起動しないが、カードリーダー114は起動するものとする。
(3)上記した実施の形態においては、利用者による車両110の利用の際に、車両110返却時において、車両110の返却位置の確認を行っていなかったが、GPS機能に基づいて車両110の返却位置を確認し、予め決められた返却位置に車両110が停車された場合には認証処理を行って車両110の返却を可能にし、予め決められた返却位置に車両110が停車されていない場合には利用者による車両110の利用がまだ続くものとして認証処理を行わない。
(4)上記した実施の形態においては、事業者による車両110の利用中は、直近の予約の利用終了時間以降の予約を可能なようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、事業者による車両110の利用中は、全ての予約を不可能な状態にするようにしてもよい。
また、第3の実施の形態においては、テンキー32を利用して、サーバー108に事業者が車両110の利用を終了する予定の予定利用終了時間を入力することが可能なようにし、当該予定利用終了時間以降の予約を可能なようにするようにしてもよい。
(5)上記した実施の形態においては、第2の実施の形態において、特に記載しなかったが、ステップS1404の車両利用前の事業者用ICカードによる認証処理を行う前に、事業者がキー(スペアキー)を用いてドアロックを解除した場合には、メインコントローラー12cによりエンジンスタータ110aを起動しない状態とするようにしてもよい。
この場合には、ステップS1506の判断処理で認証用コードと事業者の登録コードとが一致すると判断されると、ステップS1510の処理でエンジンスタータ110aを起動できる状態にすることとなる。
(6)上記した実施の形態においては、事業者により利用処理において、第1の実施の形態および第2の実施の形態では車両利用前の事業者用ICカードによる認証処理、第3の実施の形態では車両利用前のパスワードによる認証処理、第4の実施の形態では事業者が車両110の利用を中止しなかったとの判断の後に、それぞれ予約サイトにおける予約を予約不可能としていたか、事業者による利用処理を開始するときに、予約サイトによる予約を不可能な状態とするようにしてもよい。
(7)上記した実施の形態においては、第3の実施の形態において、車載器12に接続されたテンキー32を設けるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、テンキー32に代えて車載器12にカーナビゲーションシステムを接続するようにして、当該カーナビゲーションシステムを入力デバイスとして利用してパスワードを入力するようにしてもよい。
これにより、使用できるパスワードが数字のみに限られることながくなり、文字と数字とを組み合わせたより複雑なパスワードを使用することができるようになる。
また、テンキー32に代えて事業者の携帯端末を利用してパスワードを入力するようにしてもよい。
具体的には、事業者は携帯端末により、予約サイトにアクセスし、当該予約サイトから、例えば、事業者がパスワードを入力することができる事業者用パスワード入力画面を開き、この事業者用パスワード入力画面においてパスワードを入力することとなる。
(8)上記した実施の形態においては、第4の実施の形態において、車載器12に接続された受信機44を設け、リモコン42を操作することにより、リモコン42から発振された電波信号を受信機44を受信し、受信機44において受信信号をメインコントローラー12cに出力して、メインコントローラー12cの制御によりドアロックおよびドアロックの解除を行うようにしていたが、これに限られるものではないことは勿論である。
即ち、車両110に受信機44を設けることなく、事業者が車両110を利用しようとする際に、事業者の携帯端末を利用してドアロックおよびドアロックの解除を行うようにしてもよい。
具体的には、事業者が携帯端末を利用して、予約サイトにアクセスし、当該予約サイトからドアロックおよびドアロック解除の操作が可能な画面を開き、所定の操作を行うことにより、車両110のドアロックおよびドアロックの解除を行うようにする。
(9)上記した実施の形態においては、直近の予約の利用開始時間をキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から音声ガイダンスとして流すようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、例えば、事業者が車両110を利用しようとする2時間以内に次の予約が入っている場合には、当該スピーカーから警告音を流すようにしてもよい。
(10)上記した実施の形態においては、第1の実施の形態および第2の実施の形態において、事業者が車両110を利用する際には、事業者用ICカードによる認証処理を行うようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、事業者用ICカードにより認証処理を行うことなく、キーにより車両110のドアを開けて直ちに利用することができるようにしてもよい。
この際には、第1の実施の形態においては、カードリーダー14を設ける必要がなくなる。
(11)上記した実施の形態ならびに上記した(1)乃至(10)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。