JP5985301B2 - 応急用あて板 - Google Patents

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Description

本発明は、応急用あて板に係り、特に、身体の所定の部位に取り付けられて、かかる身体部位を固定的に保持する応急用あて板に関するものである。
従来から、整形外科の分野においては、骨折や捻挫、変形等の身体の疾患に対して、そのような疾患部位の固定又は矯正を行なうべく、スプリント、カラー、コルセット、ブレース等の装具が用いられている。しかし、それらの装具による専門的な処置を早急に行なうことができない場合や、比較的軽度の疾患であって専門的な処置を必要としない場合においては、応急処置として、あて板(副木)を疾患部位にあてがい、弾性包帯やテープ等で固定することが行なわれている。
そのような応急用あて板としては、主として、金属板や合成樹脂等からなる細長い板が用いられてきており、その用途に応じて、各種の構造のものが提案されている。例えば、特開2003−10216号公報においては、副木として患部にあてがわれる平板状の救急用補装具が明らかにされている。
しかしながら、そのような救急用補装具の材質としては、厚紙、木片部材、プラスチック等の軽量で、安価な材料を用いるとされているものの、応急用あて板の本来の目的である、適用身体部分の確実な固定や安定的な保持等のために、強度や剛性が確保される必要がある。そして、そのような要請に応えるべく、比較的に厚手の板材が用いられることとなり、そのために、あて板の全体としての重量が必然的に重くなって、身体の動作に影響をもたらしたり、身体に負担をかける等の問題を内在しているのである。
また、かかる提案の救急用補装具本体には、筋状の折り曲げ補助部が、複数条形成されているのであるが、その実施の形態において明らかにされているところでは、そのような折り曲げ補助部が、救急用補装具本体を厚さ方向にハーフカットすることによって、形成されている。そのため、その使用に際して、それを湾曲せしめた時に、折り曲げ補助部を起点として、それに沿って救急用補装具本体が割れて、細片に分離してしまい、取扱いが困難となる恐れがあるという問題も内在している。
特開2003−10216号公報
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、軽量且つ高剛性化を有利に実現して、着用者に対する負担の軽減を図ると共に、その使用性乃至は取扱い性を効果的に高め、加えて、疾患部位の固定や保護を有利に行なうことが可能な応急用あて板を提供することにある。
そして、本発明にあっては、上述の如き課題を解決するために、身体の所定の部位に取り付けられて、かかる身体部位を固定的に保持する応急用あて板にして、それぞれ熱可塑性樹脂からなるハニカムコアとその両側に配した面板とから一体的に形成された板状のハニカム材にて構成されると共に、該ハニカム材の少なくとも一方の面に、所定の間隔を隔てて位置するように、互いに平行に延びる複数条の溝部が、熱圧着による内部の融着によって形成されて、該溝部形成部位において該ハニカム材が湾曲せしめられ得るようになっていることを特徴とする応急用あて板を、その要旨とするものである。
また、本発明にあっては、前述せる課題の解決のために、身体の所定の部位に取り付けられて、かかる身体部位を固定的に保持する応急用あて板にして、それぞれ熱可塑性樹脂からなるハニカムコアとその両側に配した面板とから一体的に形成された、所定大きさの第一の領域とこれに隣接する第二の領域を有する板状のハニカム材にて構成されると共に、該ハニカム材の第一の領域の少なくとも一方の面に、所定の間隔を隔てて位置するように、互いに平行に延びる複数条の第一の溝部が、熱圧着による内部の融着によって形成される一方、該ハニカム材の第二の領域の少なくとも一方の面に、該第一の溝部とは直角な方向に延びる互いに平行な複数条の第二の溝部が、熱圧着による内部の融着によって形成されて、それら2種の溝部形成部位において該ハニカム材が直交する方向に湾曲せしめられ得るようになっていることを特徴とする応急用あて板をも、また、その要旨とするものである。
なお、かかる本発明に従う応急用あて板の望ましい態様によれば、前記ハニカム材における前記第一の領域と前記第二の領域との境界領域に、複数の長孔が、該ハニカム材を貫通して設けられている。
また、本発明に従う応急用あて板の他の望ましい態様によれば、前記ハニカム材の身体部位側の面に、クッション性を有する保護パッド層が、固定的に又は脱着可能に設けられている。
加えて、本発明に従う応急用あて板の別の望ましい態様の一つによれば、前記保護パッド層が、互いに離間して配置された一対の編地と、該編地間を往復して両者を結合する弾力性のある連結糸とから編成された三次元立体編物を含んで構成されており、更に望ましくは、そのような三次元立体編物を構成する一対の編地が、前記連結糸とは異なる材質の糸を用いて編成されている。
このように、本発明に従う応急用あて板にあっては、それぞれ熱可塑性樹脂からなるハニカムコアとその両側に配した面板とから一体的に形成された板状のハニカム材にて構成されているところから、かかる応急用あて板に必要とされる剛性乃至は強度を有利に確保しつつ、そのような応急用あて板の大幅な軽量化を効果的に実現し得たのであり、そしてそれによって、かかる応急用あて板を着用する者の負担を軽減し、また、その使用性乃至は取扱い性を有利に高め得たのである。
加えて、かかる本発明に従う応急用あて板にあっては、所定の間隔を隔てて位置するように、互いに平行に延びる複数条の溝部が、熱圧着による内部の融着によって形成されているところから、そのような溝部の延出方向と平行な方向を湾曲中心として、応急用あて板を円弧状乃至筒体形状に、比較的容易に湾曲せしめることが出来る一方、溝部の延出方向と直角な方向を湾曲中心とした曲げに対しては、高い剛性を発揮し得ることとなる。これにより、本発明に従う応急用あて板は、取り付けられるべき身体部位の形状に沿わせて使用することが出来、以て、適用身体部分の確実な固定や安定的な保持等が有利に実現され得ることとなるのである。なお、このような形態を有する溝部は、従来の切込み溝による薄肉化部の形成形態とは異なり、両側の面板を圧着して、ハニカムコアが圧遺されて、当該部分の厚肉化が図られているところから、応急用あて板の使用時に、ハニカム材の割れの起点となることがないのである。そのため、応急用あて板が割れて、複数の細片に分離してしまうという問題が有利に回避され、その使用性乃至は取扱い性を、より一層有利に高めることが可能となるのである。
さらに、本発明に従う応急用あて板においては、取り付けられるべき身体部位、又はかかる身体部位における疾患の程度によって、疾患部位を保護しつつ、ある程度の柔軟性が求められる場合がある。そのような場合においても、本発明に従う応急用あて板にあっては、溝部の形成間隔や延出方向を適宜設定することで、有利に対応することが出来ることとなるのである。
本発明に従う応急用あて板の一例を示す平面説明図である。 図1におけるA−A断面拡大説明図である。 本発明に従う応急用あて板を与えるハニカム材を構成するハニカムコアの一例を示す斜視説明図である。 本発明に従う応急用あて板を与えるハニカム材を構成するハニカムコアの両側に面板を配設してなる構造の一例を示す斜視部分説明図である。 図1に示される応急用あて板における溝部を形成するための工程の一例を示す説明図であって、(a)は、受け台にハニカム板を載置した状態、(b)は、ハニカム板に熱圧着用のコテを押し付けた直後の状態、(c)は、(b)の状態から更にコテを押し込み、熱圧着による内部の融着によって溝部が形成された状態を、それぞれ示す断面説明図である。 図1に示される応急用あて板を、溝部の延出方向を湾曲中心として湾曲させた状態を示す、図2に対応する断面説明図である。 図1に示される応急用あて板を、前腕部に取り付けた状態を示す説明図であって、(a)は、その斜視説明図であり、(b)は、かかる(a)におけるB−B断面説明図である。 本発明に従う応急用あて板の他の一例を示す平面説明図である。 図8に示される応急用あて板を、前腕部乃至手指部に取り付けた状態を示す説明図であって、(a)は、その斜視説明図であり、(b)は、かかる(a)におけるC−C断面説明図であり、手指部の湾曲状態を模式的に示す説明図である。 ハニカム材の身体部位側の面に保護パッド層が設けられている、本発明に従う応急用あて板の一例を示す、図2に対応する断面説明図である。 ハニカム材の身体部位側の面に保護パッド層が脱着可能に設けられている、本発明に従う応急用あて板の一例を示す説明図であり、(a)は、保護パッド層が取り付けられた状態、(b)は、保護パッド層が取り外された状態を、それぞれ示す、図2に対応する断面説明図である。 ハニカム材の身体部位側の面に保護パッド層が設けられている、本発明に従う応急用あて板の他の一例を示す、図2に対応する断面説明図である。 図12に示される応急用あて板において、保護パッド層を与える三次元立体編物の一例を示す説明図であって、(a)は、その斜視説明図であり、(b)は、かかる(a)におけるD−D断面部分説明図である。 本発明に従う応急用あて板の別の一例における、ハニカム材の断面形態を示す、図2に対応する説明図である。 本発明に従う応急用あて板の更に別の一例における、ハニカム材の断面形態を示す、図2に対応する説明図である。 本発明に従う応急用あて板の異なる実施態様を示す説明図である。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1及び図2には、本発明に従う応急用あて板の実施形態の一つが、平面形態及び断面形態において示されている。そこにおいて、応急用あて板10は、その平面形態が全体として長手矩形形状を呈するように、板状のハニカム材12から構成されている。なお、かかる応急用あて板10を与えるハニカム材は、後で詳述するように、それぞれ熱可塑性樹脂からなるハニカムコアとその両側に配した面板とから、一体的に構成されて、所定の剛性が付与されたものとなっている。
そして、かかるハニカム材12の一方の面に対して、所定の間隔を隔てて位置するように、互いに平行に延びる複数条の溝部14が、形成されているのである。なお、その形成された各溝部14は、熱圧着によるハニカム材12内部の融着によって、応急用あて板10の身体非対向側の面(図2において上側の面)が円弧状に凹陥乃至は湾曲して薄肉化した形態において、長手方向に直線状に延びるように構成されている。このような熱圧着により、応急用あて板10を構成するハニカム材12は熱可塑性樹脂にて形成されているところから、溝部14の形成部位において、そのようなハニカム材12の内部が融着せしめられて、その厚さが薄くなるように成形されることとなるのである。また、ハニカム材12において、溝部14の非形成部分が山部16とされている。つまり、本実施形態における応急用あて板10は、板状のハニカム材12に、複数の溝部14(図1において、その底部15を実線で示す)と複数の山部16(図1において、その頂部17を破線で示す)とが交互に形成された状態において、構成されているのである。
ところで、このような応急用あて板10は、それぞれ、熱可塑性樹脂からなるハニカムコアとその両側に配した面板とから、一体的に形成された板状のハニカム材12にて構成されてなるものであって、そのようなハニカム材12が、所定の大きさ及び形状に切り抜かれ、そして必要な成形操作が施されることによって、目的とする形状の応急用あて板10が形成されるのである。
ここでは、かかる応急用あて板10を与えるハニカム材12として、六角形状の筒状部が蜂巣状に整列して配された、熱可塑性樹脂からなるハニカムコアと、その両側に配された、熱可塑性樹脂からなる面板とから、一体的に構成されてなる、従来から公知の各種の構造のものが、適宜に用いられ得るところであって、その一例が、図3及び図4に示されている。即ち、図3には、上記したハニカム材12の一構成成分たる、熱可塑性樹脂からなるハニカムコア18が示されており、そのようなハニカムコア18は、熱可塑性樹脂シートを用い、公知の如く、ハーフハニカムウェブの真空成形(シートへのセルの形成)、ウェブの折り込み、スキン面の溶着等の工程を経て製造され得るものである。そして、そのようなハニカムコア18に対して、図4に示される如く、その上下に、熱可塑性樹脂製のスキンシートを面板20として供給して、それらハニカムコア18と面板20、20とを、接着等の公知の接合方法にて接合・一体化することによって、目的とするハニカム材12が形成されるのである。かかる図3、図4に示される構造のハニカム材12は、例えばWO2008/141688等に明らかにされている如き手法によって製造することが可能である。また、この種のハニカム材は、岐阜プラスチック工業株式会社から「テクセル」の名称にて販売されており、本発明においては、その利用が可能である。
従って、図1に示される応急用あて板10にあっては、図3及び図4に示される如き、ハニカムコア18と面板20、20とからなる、一体的な構造のハニカム材12にて構成されているところから、そのような基材に必要とされる剛性乃至は強度を、有利に付与することが出来ると共に、その重量にあっても、従来の如き比較的厚手の合成樹脂板に比べても、大幅な軽量化が効果的に実現され得ているのである。
そして、そのような構造を有するハニカム材12に対して、必要な成形操作が施されて、溝部14が形成されることとなるのであるが、かかる溝部14は、従来から公知の工程に従って、適宜に形成され得るところであって、その一例が、図5(a)〜(c)に示されている。
すなわち、先ず、図5(a)に示されるように、板状のハニカム材12が受け台22上に、図示しない固定器具等によって、位置固定に載置される。次いで、図5(b)に示されるように、そのようなハニカム材12に対して、所定の間隔を隔てて位置するように配された複数の熱圧着用のコテ24が、ハニカム材12の上側から押し付けられることとなる。ここで、コテ24は、図示しないヒーター等によって一定の温度に加熱されており、面板20を変形させ、ハニカムコア18を座屈させながら、一定の圧力で押し込まれるようになっている。そして、コテ24の更なる押し込みによって、図5(c)に示されるように、ハニカム材12を構成する両側の面板20、20が接触するように、ハニカムコア18を遺して融着させて、熱圧着が実現されることとなる。これによって、ハニカム材12の一方の面に、所定の間隔を隔てて位置するように、互いに平行に延びる複数条の溝部14が、熱圧着による内部の融着によって形成されるのである。
このように、本実施形態における応急用あて板10にあっては、溝部14の形成部位において、ハニカム材12内部のハニカムコア18が圧潰されて、ハニカム材12の厚さが薄くなるようにされている。このため、ハニカム材12の全体において、その溝部14の形成部位の曲げ剛性が低下せしめられることとなるのである。これによって、図6に示されるように、ハニカム材12が、溝部14の形成部位において、溝部14の延出方向(図6における紙面垂直方向)を湾曲中心として、比較的容易に湾曲せしめられ得るようになっている。従って、応急用あて板10を、全体として溝部14の延出方向を湾曲中心として、略円弧状に湾曲せしめることが可能となるのである。
ところで、図1に示される如き応急用あて板10は、例えば、前腕部28の中央部を骨折等による疾患部位とした場合において、図7(a)及び(b)に示されるようにして、使用されることとなる。即ち、図7(a)に示される如く、応急用あて板10は、溝部14の延出方向と前腕部28の延出方向とを一致させると共に、溝部14の形成されていない面を身体部位側の面とした状態で、前腕部28を取り囲むように湾曲せしめられて、あてがわれる。そして、疾患部位の上部(上腕側)と下部(手指部30側)とにおいて弾性包帯32が巻き付けられることにより、応急用あて板10が前腕部28に取り付けられて、当該部位の固定が行なわれるのである。
ここで、用いられた応急用あて板10は、溝部14の延出方向と平行な方向を湾曲中心として、比較的容易に湾曲せしめることが出来るため、図7(b)に示される如く、前腕部28の形状に沿うように湾曲させて取り付けることが出来るのである。一方、溝部14の延出方向と直角な方向を湾曲中心とする曲げに対しては、高い剛性を発揮し得ることとなる。これにより、前腕部28の疾患部位を確実に固定することや安定的に保持すること等が、可能となるのである。
また、かかる応急用あて板10にあっては、前述の如き構造のハニカム材12にて構成されているところから、高い剛性を確保しつつ、その重量において、従来の如き比較的厚手の合成樹脂板に比べて、大幅な軽量化が効果的に実現され得ている。これによって、そのような応急用あて板10にて疾患部位を固定、保持せしめてなる着用者の負担が、有利に軽減され得ることとなったのであり、また、その使用性乃至は取扱い性も有利に高められ得ることとなるのである。
さらに、本実施形態に係る応急用あて板10における溝部14にあっては、ハニカム材12の両側の面板20、20を圧着して、ハニカムコア18が圧遺されて、溝部14の形成部分の厚肉化が図られているところから、応急用あて板10の使用時に、溝部14が、特にその底部15であっても、ハニカム材12の割れの起点となることがない。そのために、応急用あて板10を湾曲させても、かかる応急用あて板10が割れて、複数の細片に分離してしまうという問題が有利に回避され、その使用性乃至は取扱い性がより一層有利に高められ得ているのである。
次に、本発明に従う応急用あて板の別の実施形態について詳述する。なお、以下の説明において、図1、図2及び図7にて示された構造、部材及び部位については、図1、図2及び図7と同一の符号を付すことにより、詳細な説明を省略する。
図8には、本発明に従う応急用あて板の他の実施形態の一つが示されている。そこにおいて、応急用あて板34は、所定大きさの長手矩形状を呈する第一の領域36と、手指部に対応するミトン形を呈する第二の領域38とを有する板状のハニカム材12にて構成されている。そして、ハニカム材12の第一の領域36の一方の面には、所定の間隔を隔てて位置するように、互いに平行に延びる複数条の第一の溝部40が、熱圧着による内部の融着によって形成される一方、ハニカム材12の第二の領域38の一方の面には、第一の溝部40とは直角な方向に延びる互いに平行な複数条の第二の溝部42が、熱圧着による内部の融着によって形成されている。なお、そのような応急用あて板34は、予め、第一の溝部40及び第二の溝部42に対応する各溝部が形成された、充分な大きさを有するベース板43を、所定の形状において切り出すことで形成されることとなる。
また、応急用あて板34の第一の領域36と第二の領域38との境界領域においては、第一の溝部40や第二の溝部42の形成によって形成される山部16に対して、かかる山部16の延出方向を長手方向とする長孔44が適数個(ここでは、第一の領域36において5個、第二の領域38において4個の合計9個)、ハニカム材12を貫通するように設けられている。
そして、そのような応急用あて板34は、図9の(a)及び(b)に示されるようにして使用される。即ち、図9の(a)に示されるように、応急用あて板34における第一の領域36を、前腕部28に対して、第一の溝部40の延出方向と前腕部28の延出方向とを一致させると共に、第一の溝部40の形成されていない面を身体部位側の面とした状態で、湾曲せしめて、あてがうようにする。同時に、応急用あて板34における第二の領域38を、手指部30に対して、第二の溝部42の形成されていない面を身体部位側の面とした状態で、湾曲せしめて、あてがうようにするのである。ここで、第二の溝部42は、第一の溝部40とは直角な方向に延びるように設けられているため、第二の溝部42の延出方向は手指部30の延出方向と直交する方向となる。そして、第一の領域36の上部(上腕側)及び下部(手指部30側)、更に、第二の領域38の親指部及び人差し指乃至小指部において、それぞれ、弾性包帯32が巻き付けられて、応急用あて板34が、前腕部28と手指部30に取り付けられて、当該部位が固定されるようにするのである。
これによって、第一の領域36においては、前述した実施形態に係る応急用あて板10と同様にして、ハニカム材12を前腕部28の形状に沿うように湾曲させて取り付けることが出来る一方、第一の溝部40の延出方向と直角な方向を湾曲中心とした曲げに対しては、高い剛性を発揮し得ることとなる。このため、前腕部28の疾患部位を確実に固定することや安定的に保持すること等が、可能となるのである。また、図9の(b)に示される如く、第二の領域38においては、ハニカム材12が第二の溝部42の延出方向を湾曲中心として湾曲せしめられることで、取り付けられた手指部30の動きに対応して湾曲可能となっているのである。これにより、手指部30の疾患部位を保護しつつ、手指部30の動きがある程度の範囲で許容されるため、応急用あて板34の使用性が向上する利点がある。
また、応急用あて板34の第一の領域36と第二の領域38との境界領域においては、第一の溝部40や第二の溝部42の形成によって形成される山部16に対して、かかる山部16の延出方向を長手方向とする長孔44が、適数個、ハニカム材12を貫通するように設けられている。これによって、第一の領域36と第二の領域38との境界領域において、第一の領域36においては、第一の溝部40の延出方向と直角な方向を湾曲中心とした曲げに対して、第二の領域38においては、第二の溝部42の延出方向と直角な方向を湾曲中心とした曲げに対して、それぞれ、剛性が低下することとなり、当該領域において適度な柔軟性を持たせることが出来る。そのため、第一の領域36と第二の領域38との境界領域において、それぞれ、剛性が発揮される方向を緩やかに移行することが出来、以て応急用あて板34の使用性乃至は取扱い性を有利に向上せしめることができるようになるのである。
ところで、本発明に従う応急用あて板には、種々なる変更、修正、改良等が、当業者の知識に基づいて施され得ることが、理解されるべきであり、またそのような変更された実施の態様が、目的に応じて有利に採用されることとなる。
例えば、例示の実施形態においては、応急用あて板を構成するハニカム材12が、直接に、身体部位にあてがわれる構造とされていたが、かかるハニカム材12の身体部位側の面に、クッション性を有する保護パッド層を設けてなる構成とすることも可能である。具体的には、図10に示される応急用あて板46にあっては、ハニカム材12の身体部位側の面に、ポリウレタンフォームの如き発泡体、有利には連続気泡型の発泡体からなる通気性の材料にて構成されている、クッション性を有する保護パッド層48が、所定厚さにおいて固定的に設けられているのである。これによって、応急用あて板46を身体に取り付ける際に、熱可塑性樹脂からなる硬質のハニカム材12が、直接、身体部位に触れることがなく、代わりにクッション性を有する保護パッド層48が身体部位に触れることとなる。そのため、応急用あて板46の装用感等を有利に向上せしめることが出来るのである。
また、そのような保護パッド層48を、ハニカム材12に対して脱着可能に設けることも出来る。具体的には、図11の(a)及び(b)に示される如く、応急用あて板50には、ハニカム材12と保護パッド層48とに対して、それらが対向する面の所定部位に、一対の係止部材52a、52bにて構成される公知の面ファスナー部材52が、固設されているのである。従って、図11の(a)に示されるように、一対の係止部材52a、52bを重ね合わせ、それらが係止されるようにして、面ファスナーとして機能させることにより、ハニカム材12に対して、保護パッド層48が固定的に保持され得るようになっていると共に、図11の(b)に示されるように、係止部材52a、52bの係止を解除することで、ハニカム材12から保護パッド層48を取り外すことも出来ることとなる。
従って、このような応急用あて板50にあっては、必要に応じて、保護パッド層48を取り付けて、装用感等の向上を適宜に図ることが出来る特徴がある。更に、保護パッド層48が脱着可能であるため、保護パッド層48に、汚れ等が付着、蓄積している場合であっても、そのような保護パッド層48を、適宜に取り外して、個別に洗浄することも出来ることとなる。このため、クッション性を有する保護パッド層48が設けられた応急用あて板50を、繰り返し使用する場合においても、清潔性を維持して、衛生的に使用することが可能となり、以て、その使用性乃至は取扱い性を高めることが出来るのである。
また、図12に示される応急用あて板54の如く、所定厚さの三次元立体編物56を用いて、保護パッド層58を構成することも、有利に採用し得るところである。この三次元立体編物56は、図13の(a)及び(b)に示されるように、公知の如く、互いに離間して配置された一対の編地60、60と、それら編地間を往復して両者を結合する弾力性のある連結糸(フィラメント)62とから、編成されてなるものである。
ここにおいて、保護パッド層58として用いられる三次元立体編物56は、その通気性が極めて良好であるところから、応急用あて板54の着用者の汗や水分が、効率よく外部に放出せしめられることとなるのであって、これにより、応急用あて板54を長時間に亘って装着しても、その着用者に対して苦痛や不快感を与える等の問題の発生を良好に回避することが出来るのであって、応急用あて板54の着用に際して、その不快感をなくし、着用の快適性の向上に有利に寄与し得ることとなるのである。また、そのような三次元立体編物56は、従来、保護パッド層として用いられていた、ポリウレタンフォーム等の発泡体(48)と比べて、比較的軽量である。そのため、このような三次元立体編物56を保護パッド層58として用いることで、応急用あて板54全体の軽量化が、更に効果的に図られ得ることとなるのである。
なお、そのような三次元立体編物56において、その両側の一対の編地60、60の材質を、それらの間を往復するようにして結合する連結糸62の材質と同じくすることも可能ではあるが、それよりも、連結糸62の材質とは異ならしめて、柔らかな肌触りの編地とすることによって、応急用あて板54の装着時の装用感等を、より一層向上せしめるようにすることも、有利に採用されることとなる。
また、図14に示される如く、本発明に従う応急用あて板64にあっては、溝部14が比較的大きな間隔を隔てて設けられていてもよい。その間隔は、取り付けられるべき身体部位、又はかかる身体部位における骨折等の患部の程度によって、適宜設定することが出来る。
さらに、ここまで例示してきた実施形態においては、ハニカム板12に対して片側から熱圧着操作を施し、その一方の面にのみ、溝部14が形成されている形態が示されているが、かかるハニカム板12に対して両側から熱圧着操作を施して、両側の面に互いに平行に延びる複数条の溝が相対向して形成されるようにしてもよい。そのような場合には、例えば、図15において示されるように、応急用あて板66を構成するハニカム板12の両側の面板20、20が、それぞれ同様な円弧状に凹陥乃至は湾曲した形状となって、当該熱圧着部位が薄肉化されることとなる。勿論、ハニカム板12の両側の面に形成される溝部14は、図15の如く、その両側の面の相対応する位置に配置せしめられる他、交互に、換言すれば一方の面の溝部間に他方の面の溝部が位置するように配置せしめられるようにすることも可能であり、そうすることによって、ハニカム板12を更に湾曲させ易くすることが可能となる。
なお、本発明に従う応急用あて板としては、図16に示されるように、既に、溝部14が形成された、充分な大きさを有するベース板68から、切り出したものを用いることも可能である。つまり、取り付けられるべき身体部位、又はかかる身体部位における患部の程度によって、適宜、応急用あて板の大きさや溝部14の延出方向を設定して、ベース板68から、応急用あて板70、72を切り出して、使用することが出来るのである。また、応急用あて板70、72を、公知の手段により連結して、それぞれを第一の領域、第二の領域とする応急用あて板として、使用することも可能である。更に、ベース板68は、前述の如き、熱可塑性樹脂からなるハニカム板であるため、比較的容易に切断することが出来ると共に、ベース板68から応急用あて板として必要な分だけを切り出して使用することが出来るため、軽度の症状である場合においても、手軽に使用することが出来るのである。
また、例示の実施形態においては、本発明に従う応急用あて板を、前腕部や手指部の保持、固定に用いてなる例について説明したが、本発明が他の身体部位に対しても適用可能であることは言うまでもない。更に、本発明に従う応急用あて板は、全体として、例示の如き円弧状の湾曲形態にて装着される他、取り付けられる身体部位の形状、疾患の程度に応じて、筒体形態等を呈する等、各種の形態において使用され得るものであることは、言うまでもないところである。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、そして、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範疇に属するものであることが、理解されるべきである。
10、34、46、50、54、64、66、70、72 応急用あて板
12 ハニカム材 14 溝部
15 底部 16 山部
17 頂部 18 ハニカムコア
20 面板 24 コテ
28 前腕部 30 手指部
32 弾性包帯 36 第一の領域
38 第二の領域 40 第一の溝部
42 第二の溝部 43、68 ベース板
44 長孔 48、58 保護パッド層
52 面ファスナー部材 52a、52b 係止部材
56 三次元立体編物 60 編地
62 連結糸

Claims (6)

  1. 身体の所定の部位に取り付けられて、かかる身体部位を固定的に保持する応急用あて板にして、
    それぞれ熱可塑性樹脂からなるハニカムコアとその両側に配した面板とから一体的に形成された板状のハニカム材にて構成されると共に、該ハニカム材の少なくとも一方の面に、所定の間隔を隔てて位置するように、互いに平行に延びる複数条の溝部が、熱圧着による内部の融着によって形成されて、該溝部形成部位において該ハニカム材が湾曲せしめられ得るようになっていることを特徴とする応急用あて板。
  2. 身体の所定の部位に取り付けられて、かかる身体部位を固定的に保持する応急用あて板にして、
    それぞれ熱可塑性樹脂からなるハニカムコアとその両側に配した面板とから一体的に形成された、所定大きさの第一の領域とこれに隣接する第二の領域を有する板状のハニカム材にて構成されると共に、該ハニカム材の第一の領域の少なくとも一方の面に、所定の間隔を隔てて位置するように、互いに平行に延びる複数条の第一の溝部が、熱圧着による内部の融着によって形成される一方、該ハニカム材の第二の領域の少なくとも一方の面に、該第一の溝部とは直角な方向に延びる互いに平行な複数条の第二の溝部が、熱圧着による内部の融着によって形成されて、それら2種の溝部形成部位において該ハニカム材が直交する方向に湾曲せしめられ得るようになっていることを特徴とする応急用あて板。
  3. 前記ハニカム材における前記第一の領域と前記第二の領域との境界領域に、複数の長孔が、該ハニカム材を貫通して設けられている請求項2に記載の応急用あて板。
  4. 前記ハニカム材の身体部位側の面に、クッション性を有する保護パッド層が、固定的に又は脱着可能に設けられている請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の応急用あて板。
  5. 前記保護パッド層が、互いに離間して配置された一対の編地と、該編地間を往復して両者を結合する弾力性のある連結糸とから編成された三次元立体編物を含んで構成されている請求項4に記載の応急用あて板。
  6. 前記三次元立体編物を構成する一対の編地が、前記連結糸とは異なる材質の糸を用いて編成されている請求項5に記載の応急用あて板。
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