JP5111052B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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Description
生理用ナプキンを着用者が装着する際には、ショーツ等の下着に固定して装着することが普通であるが、その装着の際あるいは着用中に、ナプキンの前後の端部が折れ曲がり、折れ曲がった端部が肌に当たることによって、着用者に違和感や不快感を与えることがあった。
特許文献1には、吸収性物品の肌当接面側における吸収体の長手方向端縁の位置に段差が生じないようにして装着感を向上させた吸収性物品が記載されている。しかし、特許文献1の吸収性物品においても、端部が肌に当たる場合があり、着用者に違和感や不快感を与える恐れがある。
このような問題は、生理用ナプキン以外の他の吸収性物品おいても同様に起こり得る。
本発明の吸収性物品の製造方法によれば、そのような吸収性物品を効率的に製造することができる。
図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態である生理用ナプキン1を、その肌当接面(表面シート側の面)側から見た平面図であり、図2は、図1のII−II線断面を一部省略して示す断面図である。
図1及び図2に示すように、生理用ナプキン1は、液透過性の表面シート2、液不透過性又は液難透過性(撥水性等)の裏面シート3、及びこれら両シート2,3間に介在された吸収体4を具備し、実質的に縦長に形成されている。
生理用ナプキン1の本体部分5(ウイング部6を除く部分)の非肌当接面(裏面シート3側の面)には、ナプキン1をショーツ等の下着の肌対向面の固定するための粘着部6が設けられており、ウイング部6の裏面シート3側の面には、該ウイング部6を前記下着の非肌対向面に固定するための粘着部(図示せず)が設けられている。
前端部Aは、生理用ナプキン(吸収性物品)の長手方向の両端部のうち、着用時に着用者の腹部寄り(前寄り)に位置する端部であり、後端部Bは、前記両端部のうち、着用時に着用者の背中寄りに位置する端部である。
エンドシール部7a,7bは、それぞれ、概ねナプキン1の幅方向に延びるように形成されている。また、本実施形態のナプキン1におけるエンドシール部7a,7bは、ナプキン1の長手方向の両側に形成された側部シール部7c,7cと連続している。
しかも、前後の端部A,Bにおける、延出部2a,2bの先端2a’,2b’から所定幅離間した位置に前記エンドシール部7a,7bが形成されているため、それらのエンドシール部7a,7bが、着用者の肌に当たって違和感や不快感を与えることを防止することができると共に、吸収体4に吸収された液がナプキンの前後から漏れ出したりすることも防止される。
前記延出部2a,2bの延出長さL1は、それぞれ、少なくともナプキン1の幅方向の中央部(II−II線と重なる部位)において上記範囲であることが好ましい。また、ナプキンの前端部A側の延出部2aと後端部B側の延出部2bとで延出長さL1は同じでも異なっていても良い。
表面シート2、裏面シート3、吸収体4、粘着部の形成材料としては、生理用ナプキン等の吸収性物品に従来用いられているものを特に制限無く用いることができる。
例えば表面シートとしては、各種製法による不織布や開孔フィルム等を用いることができる。これらのなかでも不織布が好ましく、不織布の中でも、特に、肌着に近い感触を与えるものとして、芯成分にポリプロピレンやポリエステル、鞘成分にポリエチレンを用いた、芯鞘構造型(サイドバイサイド型含む)複合繊維をカーディングによりウエブ化した後、エアスルー法によって不織布(この後所定箇所に開孔処理を施しても良い)としたものが好ましく、液透過性の高さの点(ドライ感)から、低密度ポリエチレン等のポリオレフィンからなる開孔化した不織布を好ましく用いることができる。
裏面シート3としては、樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布とのラミネート材等を用いることができる。裏面シート3は、水蒸気透過性を有していてもよい。
吸収体4としては、繊維集合体又はそれに吸水性ポリマーを保持させてなる吸収性コアを、ティッシュへーパー等で被覆してなるもの等を用いることができる。繊維集合体は、不織布化されていないウエブであっても良いし、不織布であっても良い。吸水性ポリマーは、パルプ繊維等の繊維材料と吸水性ポリマーとの混合積繊体のように、繊維集合体に、3次元的に分散した状態に保持されていても良いし、ウエブや不織布等からなる2枚の繊維層間にサンドイッチされた状態に保持されていても良い。
本製造方法においては、先ず、図4に示すように、表面シート1の帯状原反10と裏面シート3の帯状原反30との間に吸収体4を間欠配置し、これらが積層された帯状複合体1Aを得る(積層工程)。
次いで、周面に所定形状のエンボス用の凸条部81を有するエンボスロール8と、エンボスロール8に対向配置されたアンビルロール(図示せず)との間に、帯状複合体1Aを導入する。エンボスロール8は、予め所定の温度に加熱しておき、帯状複合体1Aを、凸条部81とアンビルロールの周面との間で、加圧及び加熱することにより、該帯状複合体1Aの長手方向における相隣接する吸収体4,4間それぞれに、第1及び第2のエンドシール部7a,7bを形成する(接合工程)。
第1及び第2のエンドシール部7a,7bに近い位置P1,P1で、裏面シートの帯状原反30部分を切断するには、表面シート及び裏面シートそれぞれの形成材料や、エンボスロール8及びアンビルロールにより加える圧力や温度を、裏面シートの帯状原反30は切断されるが表面シートの帯状原反10は切断されない条件に設定する。例えば、表面シートの帯状原反10として、不織布を用いると共に、裏面シートの帯状原反30として、該不織布の構成樹脂の融点よりも低融点の樹脂からなる樹脂フィルムを用いると、このような条件の設定が容易となる。
本製造方法においては、この切断を環状に行っており、その結果、図4及び図5(c)に示すように、表面シート2からなる延出部2a,2bを長手方向の両端部に備えた生理用ナプキン1が得られる。
第2実施態様においては、第1実施態様と同様にして帯状複合体1Aを得、その帯状複合体1Aの長手方向における相隣接する吸収体4,4間それぞれに、周面に所定形状のエンボス用の凸条部81を有するエンボスロール8と、エンボスロール8に対向配置されたアンビルロール(図示せず)とを用いて、第1及び第2のエンドシール部7a,7bを形成する〔図6(a)参照〕。但し、第2実施態様においては、第1実施態様とは異なり、裏面シートの帯状原反30部分のみの切断(第1切断工程)は行わない。
加熱処理により収縮するシートとしては、延伸ポリエチレンフイルム、延伸したスパンボンド不織布、スパンボンド・メルトブロー・スパンボンド(SMS)不織布等を用いることができる。
これに対して、第1及び第2のエンドシール部7a,7bを形成する前記接合工程において、図7や図8に示すように、第1及び第2のエンドシール部7a,7b間を連結する連結シール部7d,7dを併せて形成しておくと、帯状複合体1Aを切断したときに、表面シートの帯状原反10に由来するトリム11と裏面シートの帯状原反30に由来するトリム31とが連結シール部7d、7dを介して一体化した複合トリム(図示せず)が生じる。このような複合トリムは、吸引等により製造ライン外に除去する場合等にトラブルを生じない。
図9に示す生理用ナプキン1Aは、長手方向の前端部及び後端部の各エンドシール部7a,7bより外方部分に、サイドシート22が配されて厚みの厚い部分16と、サイドシート22が配されておらずに相対的に厚みの薄い部分15とを有しており、それらの境目には段差が生じている。
このような段差を有する吸収性物品の場合には、その製造の際に、図8に示すように、第1エンドシール部7aと第2エンドシール部7bとの間を連結する連結シール部7d、7dを形成し、得られる吸収性物品における前記厚みの薄い部分15に、その連結シール部7d、7dが位置するように形成しておくと、該連結シール部7d、7dが、着用者に違和感や不快感を与えにくいので好ましい。
加熱処理により伸長するシートとしては、特開2005−350836号記載の不織布に使用されている伸長性繊維を主として用いた不織シートが挙げられる。
例えば、吸収性物品の長手方向の端部の構造は、前端部と後端部とで同じであっても異なっていても良い。例えば、前端部が、図3(a)〜図3(h)のなかの一つの構造を有し、後端部が、図3(a)〜図3(h)のなかの他の一つの構造を有していても良い。
また、本発明の吸収性物品の製造方法において、接合工程で形成する第1及び第2エンドシール部7a,7bは、吸収性物品とされたときに、何れが前端部Aに存するものとなっても良い。
2 表面シート
2a,2b 延出部
3 裏面シート
3a,3b 端縁
4 吸収体
5 本体部分
6 ウイング部
7a,7b エンドシール部
7c 側部シール部
7d 連結シール部
Claims (6)
- 液透過性の表面シート、液不透過性又は液難透過性の裏面シート、及びこれら両シート間に介在された吸収体を具備し、実質的に縦長に形成され、長手方向の両側部にウイング部を備えている吸収性物品であり、
長手方向の前後の端部それぞれに、前記表面シートが、前記吸収体及び前記裏面シートの何れの端縁よりも外方に延出した延出部を有し、該延出部の先端から離間した位置に、前記表面シートと前記裏面シートとの間が加圧により接合されたエンドシール部を有しており、
長手方向の両側部においては、長手方向に延びる側部シール部が形成されていると共に、前記表面シートの側縁と前記裏面シートの側縁の位置が一致しており、
前記エンドシール部においては、前記表面シートが肌当接面側から厚み方向に窪んでいる吸収性物品。 - 吸収性物品の前端部及び/又は後端部において、前記吸収体が前記裏面シートの端縁より外方に延出していない、請求項1記載の吸収性物品。
- 吸収性物品の前端部及び/又は後端部において、前記エンドシール部が、前記吸収体の端縁と重なる位置に形成されている、請求項1又は2記載の吸収性物品。
- 吸収性物品の前端部及び/又は後端部において、前記エンドシール部が、前記吸収体の端縁より外方に形成されている、請求項1又は2記載の吸収性物品。
- 液透過性の表面シート、液不透過性又は液難透過性の裏面シート、及びこれら両シート間に介在された吸収体を具備し、実質的に縦長に形成されている吸収性物品であり、
長手方向の前後の端部それぞれに、前記表面シートが、前記吸収体及び前記裏面シートの何れの端縁よりも外方に延出した延出部を有し、該延出部の先端から離間した位置に、前記表面シートと前記裏面シートとの間が加圧により接合されたエンドシール部を有する吸収性物品の製造方法であって、
前記表面シートの帯状原反と前記裏面シートの帯状原反との間に吸収体を間欠配置し、これらが積層された帯状複合体を得る積層工程、前記帯状複合体の長手方向における相隣接する吸収体間それぞれに、第1及び第2のエンドシール部を形成する接合工程、前記接合工程におけるエンドシール部の形成と同時又はその後に、前記帯状複合体における前記裏面シートの帯状原反部分を、第1及び第2のエンドシール部に近い位置において切断する第1切断工程、及び前記第1切断工程後に、前記帯状複合体における前記表面シートの帯状原反部分を、第1及び第2のエンドシール部から遠い位置において切断する第2切断工程を具備する、吸収性物品の製造方法。 - 液透過性の表面シート、液不透過性又は液難透過性の裏面シート、及びこれら両シート間に介在された吸収体を具備し、実質的に縦長に形成されている吸収性物品であり、
長手方向の前後の端部それぞれに、前記表面シートが、前記吸収体及び前記裏面シートの何れの端縁よりも外方に延出した延出部を有し、該延出部の先端から離間した位置に、前記表面シートと前記裏面シートとの間が加圧により接合されたエンドシール部を有する吸収性物品の製造方法であって、
前記表面シートの帯状原反と前記裏面シートの帯状原反との間に吸収体を間欠配置し、これらが積層された帯状複合体を得る積層工程、前記帯状複合体の長手方向における相隣接する吸収体間それぞれに、第1及び第2のエンドシール部を形成する接合工程、第1及び第2のエンドシール部を形成した前記帯状複合体を、第1及び第2のエンドシール部間で切断する切断工程、及び前記切断工程における切断と同時又はその後に、前記裏面シートの帯状原反部分の、第1又は第2のエンドシール部から延出する部分を収縮させる工程を具備する、吸収性物品の製造方法。
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