JP5984944B2 - レーザーレーダ装置及び測定対象物の速度算出方法 - Google Patents

レーザーレーダ装置及び測定対象物の速度算出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5984944B2
JP5984944B2 JP2014535397A JP2014535397A JP5984944B2 JP 5984944 B2 JP5984944 B2 JP 5984944B2 JP 2014535397 A JP2014535397 A JP 2014535397A JP 2014535397 A JP2014535397 A JP 2014535397A JP 5984944 B2 JP5984944 B2 JP 5984944B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
speed
speed calculation
signal
peak value
spectrum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014535397A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2014041852A1 (ja
Inventor
論季 小竹
論季 小竹
俊平 亀山
俊平 亀山
勝治 今城
勝治 今城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Publication of JPWO2014041852A1 publication Critical patent/JPWO2014041852A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5984944B2 publication Critical patent/JP5984944B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01PMEASURING LINEAR OR ANGULAR SPEED, ACCELERATION, DECELERATION, OR SHOCK; INDICATING PRESENCE, ABSENCE, OR DIRECTION, OF MOVEMENT
    • G01P5/00Measuring speed of fluids, e.g. of air stream; Measuring speed of bodies relative to fluids, e.g. of ship, of aircraft
    • G01P5/26Measuring speed of fluids, e.g. of air stream; Measuring speed of bodies relative to fluids, e.g. of ship, of aircraft by measuring the direct influence of the streaming fluid on the properties of a detecting optical wave
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01SRADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
    • G01S17/00Systems using the reflection or reradiation of electromagnetic waves other than radio waves, e.g. lidar systems
    • G01S17/02Systems using the reflection of electromagnetic waves other than radio waves
    • G01S17/50Systems of measurement based on relative movement of target
    • G01S17/58Velocity or trajectory determination systems; Sense-of-movement determination systems
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01SRADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
    • G01S17/00Systems using the reflection or reradiation of electromagnetic waves other than radio waves, e.g. lidar systems
    • G01S17/88Lidar systems specially adapted for specific applications
    • G01S17/95Lidar systems specially adapted for specific applications for meteorological use
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A90/00Technologies having an indirect contribution to adaptation to climate change
    • Y02A90/10Information and communication technologies [ICT] supporting adaptation to climate change, e.g. for weather forecasting or climate simulation

Description

この発明は、例えば、風速を測定するレーザーレーダ装置及び測定対象物の速度算出方法に関するものである。
遠隔点に存在する物体の位置を計測する装置として、レーダ装置が知られている。
レーダ装置は、例えば、電磁波や音波などの波動を空間に放射して、測定対象となる物体に反射されて戻ってきた波動を受信し、その波動の受信信号を解析することで、レーダ装置から物体までの距離や角度を計測する装置である。
レーダ装置の中でも、大気中に浮遊している微小な液体又は固体の粒子(以降、「エアロゾル」と称する)を測定対象として、エアロゾルに反射されて戻ってきた波動の位相回転量からエアロゾルの動く速度(風の速度)を算出する気象レーダ装置が特に知られている。
また、気象レーダ装置の中でも、特に、電磁波としてレーザ光を用いるレーザーレーダ装置では、放射するビームの広がりが極めて小さいため、高い角度分解能で物体を観測することが可能であり、風向風速レーダ装置として使用されている(例えば、非特許文献1を参照)。
従来のレーザーレーダ装置では、レーザ光を大気中に放射したのち、大気中に存在しているエアロゾルに反射されて戻ってきたレーザ光(エアロゾルの移動に伴って、その移動速度に応じたドップラー周波数シフトを受けているレーザ光)を受信し、そのレーザ光とローカル光のヘテロダイン検波を行うことで、エアロゾルの移動速度(風速)に相当するドップラ信号を検出するようにしている。
ここで、図14は従来のレーザーレーダ装置による測定の概念を示す説明図である。
レーザーレーダ装置では、各高度における大気中のエアロゾルに反射されて戻ってきたレーザ光(反射光)を時間毎に区切る処理が行われる。一般的に、各時間の反射光は「レンジビン」と呼ばれる。
レーザーレーダ装置は、各々のレンジビン毎に、微小間隔でのコヒーレント積算を実施して、レンジビン内でフーリエ変換を実施する。
その後、レーザーレーダ装置は、信号対雑音比(以降、SNR(Signal to Noise Ratio)と称する)を高めるために、図15に示すように、各々のレンジビン毎に、N回のパルスのインコヒーレント積算を行う。
一般的に、N回のインコヒーレント積算が行われた場合、SNRが√N倍向上することが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
ここで、図16は受信スペクトルから導出される風速と風速幅の概念を示す説明図である。
図16では、ガウシアンビームが放射された場合に取得される風速のスペクトルを表しており、当該スペクトルのピークをドップラ速度(風速)として定義している。
このドップラ速度を算出する手法として、SNRのピーク値に対応する周波数からドップラ速度を算出するピーク検出法のほか、SNRにおける1以上のピーク値の重心を算出し、その重心に対応する周波数からドップラ速度を算出する重心演算法がある(例えば、非特許文献1を参照)。
また、予め用意されている受信スペクトルの波形モデルのパラメータを可変して、受信信号のスペクトルとの相関が最も高いパラメータを探索し、そのパラメータを用いて測定対象物の速度を算出する最尤推定法がある(例えば、特許文献2を参照)。
ここで、図17はピーク検出法及び重心演算法による風速測定のメリットとデメリットを説明する説明図である。
サンプリング周波数をfs、データ点数をpとすると、周波数分解能Δfはfs/pで与えられる。
ピーク検出法で風速測定が行われる場合には、サンプリング周波数fsが十分でないと、図17(a)に示すように、SNRのピークを正確に検出することができない場合がある。そのため、ピーク検出法で得られる風速は、真値に対して誤差を有していることがある。
これに対して、重心演算法で風速測定が行われる場合、図17(a)に示すように、周波数分解能以上の風速測定が可能になる。
ただし、図17(b)に示すように、クラッタが存在して、雨などによる雑音が受信信号に混入している場合や、統計的な揺らぎがある場合には、クラッタ成分を重心演算に加えてしまうため、重心演算法で得られる風速には大きな誤差が含まれてしまう。このような場合には、ピーク検出法の方が真の風速に近い値を取得することができる。なお、図17(a),(b)の差異は、取得される風速幅によって区別が可能である。
上記の最尤推定法では、受信信号のスペクトルとの相関が最も高い波形モデルのパラメータを反復計算で求めるため、高精度な風速が求められるメリットがある。
また、風速測定のための所望SNRは、ピーク検出法よりも緩和させることができる効果がある(例えば、非特許文献2を参照)。
また、同一レンジビン内に複数の風が混入している場合、それぞれの風速を測定することができるメリットがある(例えば、特許文献2を参照)。図18は最尤推定法を用いた複数の風の風速測定を説明する説明図である。
ただし、反復計算を行う必要があるため、その計算速度は、ピーク検出法及び重心演算法よりも遅く、風速測定レートが遅くなるデメリットがある。
特開2006−284260号公報 特開2010−271058号公報
深尾昌一郎,浜津享助著「気象と大気のレーダーリモートセンシング」,京都大学学術出版会,2005年3月30日、p.112-113,ISBN 4-87698-653-3 Kameyama et al.,"Performance of Discrete-Fourier-Transform-Based Velocity Estimators for a Wind-Sensing Coherent Doppler Lidar System in the Kolmogorov Turbulence Regime",IEEE,VOL. 47,NO. 10,2009.
従来のレーザーレーダ装置は以上のように構成されているので、ピーク検出法、重心演算法や最尤推定法などの算出手法にしたがってドップラ速度(風速)を算出することができる。しかし、例えば、クラッタの存在の有無など、大気中のエアロゾルの形態を考慮して、適正な算出手法を選択するものではなく、予め用意されている単一の算出手法にしたがってドップラ速度(風速)を算出するものである。このため、大気中のエアロゾルの形態によっては、ドップラ速度(風速)の算出精度が低下することがある。また、ドップラ速度(風速)の算出処理に長時間を要してしまうことがある課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、測定対象物の速度を短時間で高精度に算出することができるレーザーレーダ装置及び測定対象物の速度算出方法を得ることを目的とする。
この発明に係るレーザーレーダ装置は、レーザ光を大気中に放射して、大気中に存在している測定対象物に反射して戻ってくるレーザ光を受信し、そのレーザ光の受信信号を出力するレーザ光送受信手段と、レーザ光送受信手段から出力された受信信号をコヒーレント積算するコヒーレント積算手段と、コヒーレント積算手段によりコヒーレント積算された受信信号をフーリエ変換し、フーリエ変換後の受信信号をインコヒーレント積算して、その受信信号のスペクトルを算出するスペクトル算出手段と、スペクトル算出手段により算出された受信信号のスペクトルと雑音信号のスペクトルから信号対雑音比を算出する信号対雑音比算出手段と、信号対雑音比算出手段により算出された信号対雑音比のピーク値を検出するピーク値検出手段とを設け、速度算出手段が、速度の算出精度と速度の算出レートのうち、どちらを優先して測定対象物の速度を算出するかを示す情報と、ピーク値検出手段により検出された信号対雑音比のピーク値とを用いて、複数の速度算出手法の中から、測定対象物の速度を算出する速度算出手法を選択し、その選択した速度算出手法にしたがって測定対象物の速度を算出するようにしたものである。
この発明によれば、速度算出手段が、速度の算出精度と速度の算出レートのうち、どちらを優先して測定対象物の速度を算出するかを示す情報と、ピーク値検出手段により検出された信号対雑音比のピーク値とを用いて、複数の速度算出手法の中から、測定対象物の速度を算出する速度算出手法を選択し、その選択した速度算出手法にしたがって測定対象物の速度を算出するように構成したので、測定対象物の速度を短時間で高精度に算出することができる効果がある。
この発明の実施の形態1によるレーザーレーダ装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態1によるレーザーレーダ装置の信号解析部6を示す構成図である。 この発明の実施の形態1によるレーザーレーダ装置の信号解析部6の処理内容(測定対象物の速度算出方法)を示すフローチャートである。 信号解析部6内の速度算出部16を示す構成図である。 速度の算出精度より速度の算出レートを優先する場合の速度算出部16の処理内容を示すフローチャートである。 速度の算出レートより速度の算出精度を優先する場合の速度算出部16の処理内容を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2によるレーザーレーダ装置の信号解析部6を示す構成図である。 信号解析部6内の速度算出部17を示す構成図である。 速度の算出精度より速度の算出レートを優先する場合の速度算出部17の処理内容の一部を示すフローチャートである。 速度の算出レートより速度の算出精度を優先する場合の速度算出部17の処理内容の一部を示すフローチャートである。 SNR判定部31におけるSNR判定を示す説明図である。 この発明の実施の形態3によるレーザーレーダ装置の信号解析部6を示す構成図である。 この発明の実施の形態3によるレーザーレーダ装置の信号解析部6の処理内容(測定対象物の速度算出方法)を示すフローチャートである。 従来のレーザーレーダ装置による測定の概念を示す説明図である。 レーザーレーダ装置によりドップラ速度が測定される信号処理の内容を示す説明図である。 受信スペクトルから導出される風速と風速幅の概念を示す説明図である。 ピーク検出法及び重心演算法による風速測定のメリットとデメリットを説明する説明図である。 最尤推定法を用いた複数の風の風速測定を説明する説明図である。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるレーザーレーダ装置を示す構成図である。
図1において、光送受信部1は光発振装置2、光学系3及びレーザ光検出器4から構成されており、レーザ光を大気中に放射して、大気中に存在しているエアロゾル(測定対象物)に反射して戻ってくるレーザ光を受信し、そのレーザ光の受信信号を信号処理部5に出力する処理を実施する。なお、光送受信部1はレーザ光送受信手段を構成している。
ただし、電磁波であるレーザ光を大気中に放射して、エアロゾルに反射して戻ってくるレーザ光を受信することができればよく、図1に示す構成の光送受信部1に限るものではない。したがって、例えば、特許文献1に開示されている構成の光送受信部1であってもよい。
光送受信部1の光発振装置2はレーザ光を発振する光源である。
光送受信部1の光学系3は1以上のレンズなどから構成されており、エアロゾルに反射して戻ってくるレーザ光をレーザ光検出器4に集光させる光学部材である。
光送受信部1のレーザ光検出器4は光学系3により集光されたレーザ光を受光して、そのレーザ光の波形を電気信号に変換し、その電気信号を受信信号として信号処理部5に出力する処理を実施する。
信号処理部5は信号解析部6及び表示・保存部7から構成されており、光送受信部1から出力された受信信号を解析して、エアロゾルの速度(風速)を算出し、その算出結果である風速を表示する処理を実施する。
信号処理部5の信号解析部6は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、光送受信部1から出力された受信信号を解析して、エアロゾルの速度(風速)を算出する処理を実施する。
ここでは、信号解析部6における個々の構成要素が専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが(図2を参照)、信号解析部6がコンピュータで構成されていてもよい。
信号解析部6がコンピュータで構成されている場合、信号解析部6の構成要素である雑音信号保存装置13をコンピュータのメモリ上に構成するとともに、信号解析部6の構成要素であるコヒーレント積算処理部11、スペクトル算出部12、SNR算出部14、ピークSNR検出部15及び速度算出部16の処理内容が記述されているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
信号処理部5の表示・保存部7は例えばRAMやハードディスクなどの記憶装置と、液晶ディスプレイなどの表示装置とから構成されており、信号解析部6により算出されたエアロゾルの速度(風速)を表示するとともに、そのエアロゾルの速度(風速)を保存する処理を実施する。
図2はこの発明の実施の形態1によるレーザーレーダ装置の信号解析部6を示す構成図である。
図2において、コヒーレント積算処理部11は光送受信部1から出力された受信信号をコヒーレント積算し、コヒーレント積算後の受信信号をスペクトル算出部12に出力する処理を実施する。なお、コヒーレント積算処理部11はコヒーレント積算手段を構成している。
スペクトル算出部12はコヒーレント積算処理部11によりコヒーレント積算された受信信号をフーリエ変換し、フーリエ変換後の受信信号をインコヒーレント積算して、その受信信号のスペクトルを算出する処理を実施する。なお、スペクトル算出部12はスペクトル算出手段を構成している。
雑音信号保存装置13は予め雑音信号(信号が混ざっていない雑音のみの信号:ノイズ信号)のスペクトルを記憶している装置である。なお、雑音信号のスペクトルは事前に取得されたものであればよく、例えば、リアルタイムに取得した雑音信号をコヒーレント積算してフーリエ変換し、フーリエ変換後の雑音信号をインコヒーレント積算することで算出されたものでもよい。
SNR算出部14はスペクトル算出部12により算出された受信信号のスペクトルを雑音信号保存装置13により記憶されている雑音信号のスペクトルで除算することで、信号対雑音比であるSNR(Signal to Noise Ratio)を算出する処理を実施する。
なお、雑音信号保存装置13及びSNR算出部14から信号対雑音比算出手段が構成されている。
ピークSNR検出部15はSNR算出部14により算出されたSNRのピーク値を検出する処理を実施する。なお、ピークSNR検出部15はピーク値検出手段を構成している。
速度算出部16はエアロゾルの速度(風速)を算出する複数の速度算出手法(例えば、ピーク検出法、重心演算法、最尤推定法)の中から、ピークSNR検出部15により検出されたSNRのピーク値に対応する速度算出手法を選択し、その速度算出手法にしたがってエアロゾルの速度(風速)を算出する処理を実施する。なお、速度算出部16は速度算出手段を構成している。
図3はこの発明の実施の形態1によるレーザーレーダ装置の信号解析部6の処理内容(測定対象物の速度算出方法)を示すフローチャートである。
図4は信号解析部6内の速度算出部16を示す構成図である。
図4において、SNR判定部21はユーザから速度の算出精度より速度の算出レートを優先する指示を受けている場合、ピークSNR検出部15により検出されたSNRのピーク値(以下、「ピークSNR」と称する)が基準ピーク値PREFより高ければ(ピークSNR>PREF)、速度算出手法として「ピーク検出法」を選択し、そのピークSNRが基準ピーク値PREFより低ければ(ピークSNR≦PREF)、速度算出手法として「最尤推定法」を選択する処理を実施する。
また、SNR判定部21はユーザから速度の算出レートより速度の算出精度を優先する指示を受けている場合、そのピークSNRが基準ピーク値PREFより高ければ(ピークSNR>PREF)、速度算出手法として「重心演算法」を選択し、そのピークSNRが基準ピーク値PREFより低ければ(ピークSNR≦PREF)、速度算出手法として「最尤推定法」を選択する処理を実施する。
ピーク検出処理部22はSNR判定部21により速度算出手法として「ピーク検出法」が選択された場合、ピークSNR検出部15により検出されたピークSNRに対応する周波数からエアロゾルの速度(風速)を算出する処理を実施する。
重心演算処理部23はSNR判定部21により速度算出手法として「重心演算法」が選択された場合、ピークSNR検出部15により検出された1以上のピークSNRの重心を算出し、その重心に対応する周波数からエアロゾルの速度(風速)を算出する処理を実施する。
最尤推定処理部24は予め用意されている受信スペクトルの波形モデルのパラメータを可変して、スペクトル算出部12により算出された受信信号のスペクトルとの相関が最も高いパラメータを探索し、そのパラメータを用いてエアロゾルの速度(風速)を算出する処理を実施する。
図5は速度の算出精度より速度の算出レートを優先する場合の速度算出部16の処理内容を示すフローチャートである。
図6は速度の算出レートより速度の算出精度を優先する場合の速度算出部16の処理内容を示すフローチャートである。
次に動作について説明する。
まず、光送受信部1の光発振装置2がレーザ光を発振すると、そのレーザ光は、光学系3を通じて大気中に放射される。
大気中に放射されたレーザ光は、大気中に存在しているエアロゾルに反射され、反射された一部のレーザ光は、光送受信部1の光学系3によって集光される。
光送受信部1のレーザ光検出器4は、光学系3により集光されたレーザ光を受光して、そのレーザ光の波形を電気信号に変換し、その電気信号を受信信号として信号処理部5に出力する。
信号処理部5の信号解析部6は、光送受信部1から受信信号を受けると、その受信信号を解析して、エアロゾルの速度(風速)を算出し、その算出結果である風速を表示・保存部7に表示する。
以下、信号解析部6の処理内容を具体的に説明する。
信号解析部6のコヒーレント積算処理部11は、光送受信部1から受信信号を受けると、図14に示すように、各々のレンジビンi(i=1,2,・・・,M)毎に、その受信信号をコヒーレント積算し、コヒーレント積算後の受信信号をスペクトル算出部12に出力する(図3のステップST1)。
例えば、レーザーレーダ装置からエアロゾルまでの距離が1Kmであって、1つのレンジビンの距離幅が100mであるとすれば、レンジビン数Mは10になる。
ただし、レンジビン数Mはユーザが決定するようにしてもよく、例えば、レーザーレーダ装置からエアロゾルまでの距離が1Kmであるとき、ユーザがレンジビン数Mを20に決定すると、1つのレンジビンの距離幅が50mになる。
スペクトル算出部12は、コヒーレント積算処理部11からコヒーレント積算後の受信信号を受けると、各々のレンジビンi毎に、コヒーレント積算後の受信信号をフーリエ変換する。
そして、スペクトル算出部12は、各々のレンジビンi毎に、事前に設定されている積分回数Nだけ、フーリエ変換後の受信信号をインコヒーレント積算することで(図15を参照)、その受信信号のスペクトルSPCを算出する(ステップST2)。
SNR算出部14は、スペクトル算出部12が受信信号のスペクトルSPCを算出すると、各々のレンジビンi毎に、その受信信号のスペクトルSPCを雑音信号保存装置13により記憶されている雑音信号のスペクトルで除算することで、信号対雑音比であるSNRを算出する(ステップST3)。
ピークSNR検出部15は、SNR算出部14がSNRを算出すると、各々のレンジビンi毎に、SNRのピーク値であるピークSNRを検出する(ステップST4)。
速度算出部16は、ピークSNR検出部15がピークSNRを検出すると、エアロゾルの速度(風速)を算出する複数の速度算出手法(例えば、ピーク検出法、重心演算法、最尤推定法)の中から、各々のレンジビンi毎に、そのピークSNRに対応する速度算出手法を選択し(ステップST5)、その速度算出手法にしたがってエアロゾルの速度(風速)を算出する(ステップST6)。
以下、速度算出部16の処理内容を具体的に説明する。
速度算出部16は、ユーザから速度の算出精度より速度の算出レートを優先する指示を受けている場合、図5に示す処理を実施することで、エアロゾルの速度(風速)を算出する。
一方、ユーザから速度の算出レートより速度の算出精度を優先する指示を受けている場合、図6に示す処理を実施することで、エアロゾルの速度(風速)を算出する。
最初に、ユーザから速度の算出精度より速度の算出レートを優先する指示を受けている場合の処理内容を説明する。
速度算出部16のSNR判定部21は、ユーザから速度の算出精度より速度の算出レートを優先する指示を受けている場合、各々のレンジビンi毎に、ピークSNR検出部15により検出されたピークSNRと基準ピーク値PREFを比較する(図5のステップST11)。
SNR判定部21は、そのピークSNRが基準ピーク値PREFより高ければ(ピークSNR>PREF)、受信信号のSNRは十分に高く、速度算出手法として「最尤推定法」を選択しなくても、高精度にエアロゾルの速度(風速)を算出することができるため、速度算出手法として、最尤推定法より計算時間が短い「ピーク検出法」を選択する(ステップST12)。
一方、そのピークSNRが基準ピーク値PREFより低ければ(ピークSNR≦PREF)、速度算出手法として「最尤推定法」を選択する(ステップST13)。即ち、速度の算出レートを優先する場合でも、ピークSNRが低い状況下では、速度算出手法として「ピーク検出法」を選択すると、高精度に風速を算出することができなくなることがあるため、速度算出手法として「最尤推定法」を選択する。
ピーク検出処理部22は、SNR判定部21が当該レンジビンiの速度算出手法として「ピーク検出法」を選択すると、ピークSNR検出部15により検出されたピークSNRに対応する周波数fから、エアロゾルの速度である風速vを算出する(ステップST14)。
Figure 0005984944
式(1)において、λは波長である。
最尤推定処理部24は、SNR判定部21が当該レンジビンiの速度算出手法として「最尤推定法」を選択すると、予め用意されている受信スペクトルの波形モデルのパラメータを可変して、スペクトル算出部12により算出された受信信号のスペクトルとの相関が最も高いパラメータを探索する。
例えば、レーザ光の送信波形が正規分布をとっており、レーザ光の受信波形も正規分布をとっているものとすれば、振幅がA、平均ドップラ速度がμ、風速幅がσであれば、受信信号のスペクトルのモデルは、下記の式(2)で表される。
Figure 0005984944
式(2)において、モデルのパラメータである振幅A、平均ドップラ速度μ、風速幅σを可変として、下記の式(3)に示す最小二乗誤差L(尤度に相当)を算出する。
Figure 0005984944
式(3)において、最小二乗誤差Lが最小になるときのパラメータ(振幅A、平均ドップラ速度μ、風速幅σ)が、最も受信信号を模擬できているパラメータとなる。
ここで、風速幅σ及び平均ドップラ速度μの値域は、以下の通りである。
1/ω≦σ≦K×(1/ω)
ωは送信パルス幅、Kはレンジビン内に含まれると想定される風量の個数を表している。
0<μ≦f
は想定される風速によって決定されるドップラ周波数であり、その設置・計測環境に応じてユーザにより決定される。
最尤推定処理部24は、最も受信信号を模擬できているパラメータ(振幅A、平均ドップラ速度μ、風速幅σ)を特定すると、その平均ドップラ速度μに対応する周波数を周波数fとして、上記の式(1)に代入することで、エアロゾルの速度である風速vを算出する(ステップST15)。
ここでは、振幅Aも可変する例を示しているが、クラッタが存在していないと思われる場合(例えば、快晴時など)、例えば、受信信号の最大スペクトルで受信信号のスペクトルSPCを正規化し、正規化後のスペクトルSPCに対して最尤推定を行うことで、計算機コストを低減するようにしてもよい。
次に、ユーザから速度の算出レートより速度の算出精度を優先する指示を受けている場合の処理内容を説明する。
速度算出部16のSNR判定部21は、ユーザから速度の算出レートより速度の算出精度を優先する指示を受けている場合、各々のレンジビンi毎に、ピークSNR検出部15により検出されたピークSNRと基準ピーク値PREFを比較する(図6のステップST21)。
SNR判定部21は、そのピークSNRが基準ピーク値PREFより高ければ(ピークSNR>PREF)、受信信号のSNRは十分に高く、速度算出手法として「最尤推定法」を選択しなくても、高精度にエアロゾルの速度(風速)を算出することができるため、速度算出手法として、最尤推定法より計算時間が短い「重心演算法」を選択する(ステップST22)。
一方、そのピークSNRが基準ピーク値PREFより低ければ(ピークSNR≦PREF)、速度算出手法として「最尤推定法」を選択する(ステップST23)。即ち、速度の算出レートを優先する場合でも、ピークSNRが低い状況下では、速度算出手法として「最尤推定法」を選択すると、高精度に風速を算出することができなくなることがあるため、速度算出手法として「最尤推定法」を選択する。
重心演算処理部23は、SNR判定部21が当該レンジビンiの速度算出手法として「重心演算法」を選択すると、ピークSNR検出部15により検出された1以上のピークSNRの重心を算出する(図17(b)の例では、ピークSNR検出部15により風成分のピークSNRと、クラッタ成分のピークSNRとが算出されるので、2つのピークSNRの重心を算出する)。
重心演算処理部23は、1以上のピークSNRの重心を算出すると、その重心に対応する周波数を周波数fとして、上記の式(1)に代入することで、エアロゾルの速度である風速vを算出する(ステップST24)。
なお、重心に対応する周波数fは、下記の式(4)のように表される。
Figure 0005984944
式(4)において、S(f)は受信信号のスペクトルSPC、fは当該スペクトルSPCに対応する周波数であり、スペクトルSPCに対して周波数fで重みをかけている。
最尤推定処理部24は、SNR判定部21が当該レンジビンiの速度算出手法として「最尤推定法」を選択すると、速度の算出レートを優先する場合と同様に、エアロゾルの速度である風速vを算出する(ステップST25)。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、速度算出部16が、エアロゾルの速度(風速)を算出する複数の速度算出手法の中から、ピークSNR検出部15により検出されたピークSNRと、速度の算出精度または速度の算出レートのどちらを優先させるかを示す情報とからエアロゾルの速度(風速)を算出する速度算出手法を選択し、その速度算出手法にしたがってエアロゾルの速度(風速)を算出するように構成したので、エアロゾルの速度(風速)を短時間で高精度に算出することができる効果を奏する。
即ち、ピークSNR検出部15により検出されたピークSNRが高く、速度算出手法として「最尤推定法」を選択しなくても、高精度にエアロゾルの速度(風速)を算出することができる状況下では、処理時間が短い「ピーク検出法」又は「重心演算法」が速度算出手法として選択されるので、エアロゾルの速度(風速)を短時間で高精度に算出することができる。
一方、ピークSNR検出部15により検出されたピークSNRが低く、速度算出手法として「最尤推定法」を選択しなければ、高精度にエアロゾルの速度(風速)を算出することができない状況下では、速度算出手法として「最尤推定法」が選択されるので、ピークSNRが低くても、高精度にエアロゾルの速度(風速)を算出することができる。
なお、この実施の形態1では、ユーザから速度の算出精度より速度の算出レートを優先する指示を受ける場合と、ユーザから速度の算出レートより速度の算出精度を優先する指示を受ける場合について示したが、ユーザから他の指示(例えば、距離分解能を優先するなどの指示)を受けて、速度算出手法を選択するようにしてもよい。
実施の形態2.
図7はこの発明の実施の形態2によるレーザーレーダ装置の信号解析部6を示す構成図であり、図において、図2と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
速度算出部17はスペクトル算出部12により算出された受信信号のスペクトルSPCからエアロゾルの速度幅である風速幅Sを算出し、エアロゾルの速度(風速)を算出する複数の速度算出手法(例えば、ピーク検出法、重心演算法、最尤推定法)の中から、ピークSNR検出部15により検出されたピークSNR及び風速幅Sに対応する速度算出手法を選択し、その速度算出手法にしたがってエアロゾルの速度(風速)を算出する処理を実施する。なお、速度算出部17は速度算出手段を構成している。
図8は信号解析部6内の速度算出部17を示す構成図であり、図において、図4と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
SNR判定部31は予め基準ピーク値として、閾値TSNR1が設定されている他に、閾値TSNR2が設定されており(TSNR1>TSNR2)、ユーザから速度の算出精度より速度の算出レートを優先する指示を受けている場合、ピークSNR検出部15により検出されたピークSNRが閾値TSNR2より高く、閾値TSNR1より低ければ(TSNR2<ピークSNR≦TSNR1)、速度算出手法として「重心演算法」を選択し、そのピークSNRが閾値TSNR2より低ければ(ピークSNR≦TSNR2)、速度算出手法として「最尤推定法」を選択する処理を実施する。
また、SNR判定部31はユーザから速度の算出レートより速度の算出精度を優先する指示を受けている場合、そのピークSNRが閾値TSNR1より低ければ(ピークSNR≦TSNR1)、速度算出手法として「最尤推定法」を選択する処理を実施する。
速度幅判定部32はスペクトル算出部12により算出された受信信号のスペクトルSPCから風速幅Sを算出する処理を実施する。
また、速度幅判定部32は予め基準速度幅として、閾値Twmaxが設定されている他に、閾値Twminが設定されており(Twmax>Twmin)、ユーザから速度の算出精度より速度の算出レートを優先する指示を受けている場合、ピークSNR検出部15により検出されたピークSNRが閾値TSNR1より高いとき、その風速幅Sが閾値Twmaxより広ければ(S>Twmax)、速度算出手法として「ピーク検出法」を選択し、その風速幅Sが閾値Twmaxより狭ければ(Twmin≦S≦Twmax)、速度算出手法として「重心演算法」を選択する処理を実施する。
また、速度幅判定部32はユーザから速度の算出レートより速度の算出精度を優先する指示を受けている場合、ピークSNR検出部15により検出されたピークSNRが閾値TSNR1より高いとき、その風速幅Sが閾値Twmaxより広ければ(S>Twmax)、速度算出手法として「最尤推定法」を選択し、その風速幅Sが閾値Twmaxより狭ければ(Twmin≦S≦Twmax)、速度算出手法として「重心演算法」を選択する処理を実施する。
なお、SNR判定部31における閾値TSNR1,TSNR2や、速度幅判定部32における閾値Twmax,Twminについては、例えば、ユーザが事前に決定するようにしてもよいし、上記の非特許文献2に開示されているモデル計算に基づく値を用いるようにしてもよい。
図9は速度の算出精度より速度の算出レートを優先する場合の速度算出部17の処理内容の一部を示すフローチャートである。
図10は速度の算出レートより速度の算出精度を優先する場合の速度算出部17の処理内容の一部を示すフローチャートである。
次に動作について説明する。
まず、光送受信部1の光発振装置2がレーザ光を発振すると、そのレーザ光は、光学系3を通じて大気中に放射される。
大気中に放射されたレーザ光は、大気中に存在しているエアロゾルに反射され、反射された一部のレーザ光は、光送受信部1の光学系3によって集光される。
光送受信部1のレーザ光検出器4は、光学系3により集光されたレーザ光を受光して、そのレーザ光の波形を電気信号に変換し、その電気信号を受信信号として信号処理部5に出力する。
信号処理部5の信号解析部6は、光送受信部1から受信信号を受けると、その受信信号を解析して、エアロゾルの速度(風速)を算出し、その算出結果である風速を表示・保存部7に表示する。
以下、信号解析部6の処理内容を具体的に説明する。
信号解析部6のコヒーレント積算処理部11は、光送受信部1から受信信号を受けると、上記実施の形態1と同様に、各々のレンジビンi(i=1,2,・・・,M)毎に、その受信信号をコヒーレント積算し、コヒーレント積算後の受信信号をスペクトル算出部12に出力する(図14を参照)。
スペクトル算出部12は、コヒーレント積算処理部11からコヒーレント積算後の受信信号を受けると、上記実施の形態1と同様に、各々のレンジビンi毎に、コヒーレント積算後の受信信号をフーリエ変換する。
そして、スペクトル算出部12は、各々のレンジビンi毎に、事前に設定されている積分回数Nだけ、フーリエ変換後の受信信号をインコヒーレント積算することで(図15を参照)、その受信信号のスペクトルSPCを算出する。
SNR算出部14は、スペクトル算出部12が受信信号のスペクトルSPCを算出すると、上記実施の形態1と同様に、各々のレンジビンi毎に、その受信信号のスペクトルSPCを雑音信号保存装置13により記憶されている雑音信号のスペクトルで除算することで、信号対雑音比であるSNRを算出する。
ピークSNR検出部15は、SNR算出部14がSNRを算出すると、上記実施の形態1と同様に、各々のレンジビンi毎に、SNRのピーク値であるピークSNRを検出する。
速度算出部17は、スペクトル算出部12が受信信号のスペクトルSPCを算出し、ピークSNR検出部15がピークSNRを検出すると、各々のレンジビンi毎に、その受信信号のスペクトルSPCからエアロゾルの速度幅である風速幅Sを算出する。
速度算出部17は、風速幅Sを算出すると、エアロゾルの速度(風速)を算出する複数の速度算出手法(例えば、ピーク検出法、重心演算法、最尤推定法)の中から、各々のレンジビンi毎に、ピークSNR及び風速幅Sに対応する速度算出手法を選択し、その速度算出手法にしたがってエアロゾルの速度(風速)を算出する。
以下、速度算出部17の処理内容を具体的に説明する。
速度算出部17は、ユーザから速度の算出精度より速度の算出レートを優先する指示を受けている場合、図9に示す処理を実施することで、エアロゾルの速度(風速)を算出する。
一方、ユーザから速度の算出レートより速度の算出精度を優先する指示を受けている場合、図10に示す処理を実施することで、エアロゾルの速度(風速)を算出する。
最初に、ユーザから速度の算出精度より速度の算出レートを優先する指示を受けている場合の処理内容を説明する。
速度算出部17のSNR判定部31は、ユーザから速度の算出精度より速度の算出レートを優先する指示を受けている場合、各々のレンジビンi毎に、ピークSNR検出部15により検出されたピークSNRと閾値TSNR1を比較する(図9のステップST31)。
ここで、図11はSNR判定部31におけるSNR判定を示す説明図である。
SNR判定部31は、そのピークSNRが閾値TSNR1より高い場合(ピークSNR>TSNR1)、図11に示すように、受信信号のSNRは十分に高く、速度算出手法として「最尤推定法」を選択しなくても、高精度にエアロゾルの速度(風速)を算出することができるため、最尤推定法より計算時間が短い「ピーク検出法」又は「重心演算法」の選択を速度幅判定部32に指示する。
SNR判定部31は、そのピークSNRが閾値TSNR1より低い場合(ピークSNR≦TSNR1)、そのピークSNRと閾値TSNR2を比較する(ステップST32)。
SNR判定部31は、そのピークSNRが閾値TSNR2より高い場合(TSNR2<ピークSNR≦TSNR1)、図11に示すように、受信信号のSNRは中程度であり、速度算出手法として「最尤推定法」を選択しなくても、高精度にエアロゾルの速度(風速)を算出することができるが、速度算出手法として「ピーク検出法」を選択すると、高精度にエアロゾルの速度(風速)を算出することができない可能性があるため、速度算出手法として「重心演算法」を選択する(ステップST33)。
一方、そのピークSNRが閾値TSNR2より低い場合(ピークSNR≦TSNR2)、図11に示すように、受信信号のSNRは低く、速度算出手法として、計算精度が高い「最尤推定法」を選択しなければ、高精度にエアロゾルの速度(風速)を算出することができない可能性があるため、速度算出手法として「最尤推定法」を選択する(ステップST34)。
速度幅判定部32は、SNR判定部31から「ピーク検出法」又は「重心演算法」の選択指示を受けると、下記の式(5)に示すように、各々のレンジビンi毎に、スペクトル算出部12により算出された受信信号のスペクトルSPCから風速幅Sを算出する(ステップST35)。式(5)は、例えば、非特許文献1に開示されている。
Figure 0005984944
式(5)において、S(f)は受信信号のスペクトルSPCであり、fが当該スペクトルSPCに対応する周波数である。
なお、高SNRの場合には、ピーク値に対する半値落ちした点の幅を用いて風速幅Sを導出するようにしてもよい。この場合には、少ない計算量で導出することが可能になる。
速度幅判定部32は、風速幅Sを算出すると、その風速幅Sと閾値Twmaxを比較する(ステップST36)。
速度幅判定部32は、その風速幅Sが閾値Twmaxより広ければ(S>Twmax)、速度算出手法として「ピーク検出法」を選択する(ステップST37)。
速度幅判定部32は、その風速幅Sが閾値Twmaxより狭ければ(S≦Twmax)、その風速幅Sと閾値Twminを比較する(ステップST38)。
速度幅判定部32は、その風速幅Sが閾値Twmaxより狭いが、閾値Twminより広ければ(Twmin≦S≦Twmax)、速度算出手法として「重心演算法」を選択する(ステップST39)。
その風速幅Sが閾値Twminより狭ければ(S<Twmin)、どの速度算出手法を選択しても、高精度にエアロゾルの速度(風速)を算出することができる可能性が低いため、速度算出手法を選択せずに、エアロゾルの速度(風速)を算出する処理を終了する(ステップST40)。
ここで、速度幅判定部32における閾値Twmax,Twminについては、上述したように、ユーザが事前に決定するようにしてもよいが、送信パルス幅がωであれば、理想的な受信信号のスペクトルSPCは1/ωになるため、閾値Twmax,Twminは、1/ωを基準にして設定するようにしてもよい。
例えば、2種類以上の風が混入している場合、Twmax=2/ω以上の風速幅Sとなる一方、風速幅Sが2/ω以下であれば、エアロゾルからの反射光ではなく、クラッタであると判断することができる。
このように閾値Twmax,Twminが設定された場合、クラッタが存在している状況下では、速度算出手法として、クラッタの存在が算出精度に大きく影響しない「ピーク検出法」が選択され、クラッタが存在していない状況下では、ピーク検出法より算出精度が高い「重心演算法」が選択されるようになる。
ピーク検出処理部22は、速度幅判定部32が当該レンジビンiの速度算出手法として「ピーク検出法」を選択すると、上記実施の形態1と同様に、エアロゾルの速度である風速vを算出する。
重心演算処理部23は、SNR判定部31又は速度幅判定部32が当該レンジビンiの速度算出手法として「重心演算法」を選択すると、上記実施の形態1と同様に、エアロゾルの速度である風速vを算出する。
最尤推定処理部24は、SNR判定部31が当該レンジビンiの速度算出手法として「最尤推定法」を選択すると、上記実施の形態1と同様に、エアロゾルの速度である風速vを算出する。
次に、ユーザから速度の算出レートより速度の算出精度を優先する指示を受けている場合の処理内容を説明する。
速度算出部17のSNR判定部31は、ユーザから速度の算出レートより速度の算出精度を優先する指示を受けている場合、各々のレンジビンi毎に、ピークSNR検出部15により検出されたピークSNRと閾値TSNR1を比較する(図10のステップST51)。
SNR判定部31は、そのピークSNRが閾値TSNR1より低い場合(ピークSNR≦TSNR1)、計算精度が高い「最尤推定法」を選択しなければ、高精度にエアロゾルの速度(風速)を算出することができない可能性があるため、速度算出手法として「最尤推定法」を選択する(ステップST52)。
一方、そのピークSNRが閾値TSNR1より高い場合(ピークSNR>TSNR1)、「重心演算法」又は「最尤推定法」の選択を速度幅判定部32に指示する。
速度幅判定部32は、SNR判定部31から「重心演算法」又は「最尤推定法」の選択指示を受けると、速度の算出レートを優先する場合と同様に、各々のレンジビンi毎に、スペクトル算出部12により算出された受信信号のスペクトルSPCから風速幅Sを算出する(ステップST53)。
速度幅判定部32は、風速幅Sを算出すると、その風速幅Sと閾値Twmaxを比較する(ステップST54)。
速度幅判定部32は、その風速幅Sが閾値Twmaxより広ければ(S>Twmax)、計算精度が高い「最尤推定法」を選択しなければ、高精度にエアロゾルの速度(風速)を算出することができない可能性があるため、速度算出手法として「最尤推定法」を選択する(ステップST55)。
速度幅判定部32は、その風速幅Sが閾値Twmaxより狭ければ(S≦Twmax)、その風速幅Sと閾値Twminを比較する(ステップST56)。
速度幅判定部32は、その風速幅Sが閾値Twmaxより狭いが、閾値Twminより広ければ(Twmin≦S≦Twmax)、速度算出手法として「最尤推定法」を選択しなくても、高精度にエアロゾルの速度(風速)を算出することができるため、最尤推定法より計算時間が短い「重心演算法」を選択する(ステップST57)。
その風速幅Sが閾値Twminより狭ければ(S<Twmin)、どの速度算出手法を選択しても、高精度にエアロゾルの速度(風速)を算出することができる可能性が低いため、速度算出手法を選択せずに、エアロゾルの速度(風速)を算出する処理を終了する(ステップST58)。
重心演算処理部23は、速度幅判定部32が当該レンジビンiの速度算出手法として「重心演算法」を選択すると、上記実施の形態1と同様に、エアロゾルの速度である風速vを算出する。
最尤推定処理部24は、SNR判定部31又は速度幅判定部32が当該レンジビンiの速度算出手法として「最尤推定法」を選択すると、上記実施の形態1と同様に、エアロゾルの速度である風速vを算出する。
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、速度算出部17が、受信信号のスペクトルSPCからエアロゾルの速度幅である風速幅Sを算出し、エアロゾルの速度(風速)を算出する複数の速度算出手法(例えば、ピーク検出法、重心演算法、最尤推定法)の中から、各々のレンジビンi毎に、ピークSNR及び風速幅Sに対応する速度算出手法を選択し、その速度算出手法にしたがってエアロゾルの速度(風速)を算出するように構成したので、上記実施の形態1よりも更に厳密に最適な速度算出手法を選択することができる効果を奏する。
実施の形態3.
上記実施の形態1,2では、ピークSNRが低い場合、速度算出手法として「最尤推定法」を選択する例を示したが、速度算出手法として「最尤推定法」を選択しても、SNRが所望のSNRに満たない場合、高精度にエアロゾルの速度(風速)を算出することができない。
そこで、この実施の形態3では、SNRが所望のSNRに満たない場合でも、高精度にエアロゾルの速度(風速)を算出することができるようにしている。
即ち、この実施の形態3では、SNRが所望のSNRに満たない場合、スペクトル算出部12におけるインコヒーレント積算の積算回数を増やして、風速算出精度を高めるようにしている。
図12はこの発明の実施の形態3によるレーザーレーダ装置の信号解析部6を示す構成図であり、図において、図7と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
積算回数設定部18はSNR算出部14により算出されたSNRに応じて、スペクトル算出部12におけるインコヒーレント積算の積算回数Nを設定する処理を実施する。なお、積算回数設定部18は積算回数設定手段を構成している。
図13はこの発明の実施の形態3によるレーザーレーダ装置の信号解析部6の処理内容(測定対象物の速度算出方法)を示すフローチャートである。
上記実施の形態1,2では、スペクトル算出部12が、各々のレンジビンi毎に、事前に設定されている積分回数Nだけ、フーリエ変換後の受信信号をインコヒーレント積算することで、その受信信号のスペクトルSPCを算出するようにしているが、この実施の形態3では、スペクトル算出部12が、積算回数設定部18により設定された積分回数Nだけ、フーリエ変換後の受信信号をインコヒーレント積算することで、その受信信号のスペクトルSPCを算出するようにしている点で相違している。
以下、積算回数設定部18及びスペクトル算出部12の処理内容を具体的に説明する。
ただし、積算回数設定部18及びスペクトル算出部12以外は、上記実施の形態1,2と同様であるため、詳細な説明は省略する。
スペクトル算出部12は、コヒーレント積算処理部11からコヒーレント積算後の受信信号を受けると、上記実施の形態1,2と同様に、各々のレンジビンi毎に、コヒーレント積算後の受信信号をフーリエ変換する。
スペクトル算出部12が初めて受信信号のスペクトルSPCを算出する段階では、SNR算出部14によりSNRが算出されておらず、積算回数設定部18が積分回数Nを設定することができないので、スペクトル算出部12は、各々のレンジビンi毎に、事前に設定されている積分回数Nだけ、フーリエ変換後の受信信号をインコヒーレント積算することで(図15を参照)、その受信信号のスペクトルSPCを算出する(図13のステップST2)。
SNR算出部14は、スペクトル算出部12が受信信号のスペクトルSPCを算出すると、上記実施の形態1,2と同様に、各々のレンジビンi毎に、その受信信号のスペクトルSPCを雑音信号保存装置13により記憶されている雑音信号のスペクトルで除算することで、信号対雑音比であるSNRを算出する(ステップST3)。
積算回数設定部18は、SNR算出部14がSNRを算出すると、そのSNRが所望の算出精度を満たすために必要な閾値TSNR3(例えば、TSNR3<TSNR2<TSNR1)より低い場合(ステップST61)、スペクトル算出部12に事前に設定されている積分回数Nを更新する(ステップST62)。
即ち、積算回数設定部18は、SNR算出部14により算出されたSNRが閾値TSNR3より低い場合(SNR<TSNR3)、そのSNRに応じて、スペクトル算出部12におけるインコヒーレント積算の積算回数Nを設定する。
具体的には、積算回数設定部18が、SNRに対応する積算回数Nが記述されているテーブルを事前に用意しておき、そのテーブルを参照して、SNR算出部14により算出されたSNRに対応する積算回数Nを読み出し、スペクトル算出部12におけるインコヒーレント積算の積算回数を当該積算回数Nに更新する。
あるいは、積算回数設定部18が、例えば、下記の式(6)に示す演算を実施することで、積算回数Nを更新するようにしてもよい。ただし、式(6)の演算は一例であり、他の演算を実施するようにしてもよい。
N=N+(TSNR1/SNR) (6)
また、速度の算出精度を優先する場合には、ユーザによって定義される所望の風速算出レート以下の処理時間+積算回数で決定されるデータ取得時間の中で、最も高い風速算出精度が期待される積算回数Nに更新するようにしてもよい。
スペクトル算出部12は、積算回数設定部18がインコヒーレント積算の積算回数Nを更新すると、各々のレンジビンi毎に、更新後の積分回数Nだけ、フーリエ変換後の受信信号をインコヒーレント積算することで、再度、その受信信号のスペクトルSPCを算出する(ステップST2)。
SNR算出部14は、スペクトル算出部12が、再度、受信信号のスペクトルSPCを算出すると、上記実施の形態1,2と同様に、各々のレンジビンi毎に、その受信信号のスペクトルSPCを雑音信号保存装置13により記憶されている雑音信号のスペクトルで除算することで、信号対雑音比であるSNRを算出する(ステップST3)。
ピークSNR検出部15は、SNR算出部14により算出されたSNRが閾値TSNR3より高くなると(SNR≧TSNR3)、上記実施の形態1,2と同様に、各々のレンジビンi毎に、SNRのピーク値であるピークSNRを検出する(ステップST4)。
速度算出部17は、スペクトル算出部12が受信信号のスペクトルSPCを算出し、ピークSNR検出部15がピークSNRを検出すると、上記実施の形態2と同様に、各々のレンジビンi毎に、その受信信号のスペクトルSPCからエアロゾルの速度幅である風速幅Sを算出する。
速度算出部17は、風速幅Sを算出すると、エアロゾルの速度(風速)を算出する複数の速度算出手法(例えば、ピーク検出法、重心演算法、最尤推定法)の中から、各々のレンジビンi毎に、ピークSNR及び風速幅Sに対応する速度算出手法を選択し(ステップST5)、その速度算出手法にしたがってエアロゾルの速度(風速)を算出する(ステップST5)。
以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、積算回数設定部18が、SNR算出部14により算出されたSNRに応じて、スペクトル算出部12におけるインコヒーレント積算の積算回数Nを設定するように構成したので、SNRが所望のSNRに満たない場合でも、高精度にエアロゾルの速度(風速)を算出することができる効果を奏する。
これにより、風速の測定が安定して行われるようになるが、全てのレンジビンにおける風速の算出精度を均一化させて、データのばらつきを一定化させることも可能になる。
したがって、例えば、突風や乱気流の検知を、統計量を用いたマッチングによって行う場合、常に一定のSNRであれば、マッチング処理に費やす処理時間を削減することができるとともに、当該統計量の不足や不安定性によって発生する誤検知を低減することができる。
なお、この実施の形態3では、積算回数設定部18が、SNR算出部14により算出されたSNRに応じて、スペクトル算出部12におけるインコヒーレント積算の積算回数Nを設定するものを示したが、コヒーレント積算処理部11におけるコヒーレント積算の積算回数を設定し、コヒーレント積算処理部11が、積算回数設定部18により設定された積算回数だけ、受信信号をコヒーレント積算するようにしてもよい。
また、この実施の形態3では、SNR算出部14がSNRを算出した段階で、積算回数設定部18が、そのSNRが閾値TSNR3より低くければ、そのSNRに応じて、スペクトル算出部12におけるインコヒーレント積算の積算回数Nを設定するものを示したが、積算回数設定部18が積算回数Nを設定するタイミングは、SNR算出部14がSNRを算出した段階に限るものではない。例えば、速度算出部17が速度算出手法を選択した段階や、エアロゾルの速度(風速)を算出した段階で、積算回数設定部18が積算回数Nを設定するようにしてもよい。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
この発明に係るレーザーレーダ装置は、速度算出手段が、測定対象物の速度を算出する複数の速度算出手法の中から、ピーク値検出手段により検出された信号対雑音比のピーク値に対応する速度算出手法を選択し、その速度算出手法にしたがって測定対象物の速度を算出するように構成し、測定対象物の速度を短時間で高精度に算出することができるので、気象レーダ装置や風向風速レーダ装置として用いるのに適している。
1 光送受信部(レーザ光送受信手段)、2 光発振装置、3 光学系、4 レーザ光検出器、5 信号処理部、6 信号解析部、7 表示・保存部、11 コヒーレント積算処理部(コヒーレント積算手段)、12 スペクトル算出部(スペクトル算出手段)、13 雑音信号保存装置(信号対雑音比算出手段)、14 SNR算出部(信号対雑音比算出手段)、15 ピークSNR検出部(ピーク値検出手段)、16,17 速度算出部(速度算出手段)、18 積算回数設定部(積算回数設定手段)、21 SNR判定部、22 ピーク検出処理部、23 重心演算処理部、24 最尤推定処理部、31 SNR判定部、32 速度幅判定部。

Claims (6)

  1. レーザ光を大気中に放射して、大気中に存在している測定対象物に反射して戻ってくるレーザ光を受信し、上記レーザ光の受信信号を出力するレーザ光送受信手段と、
    上記レーザ光送受信手段から出力された受信信号をコヒーレント積算するコヒーレント積算手段と、
    上記コヒーレント積算手段によりコヒーレント積算された受信信号をフーリエ変換し、フーリエ変換後の受信信号をインコヒーレント積算して、上記受信信号のスペクトルを算出するスペクトル算出手段と、
    上記スペクトル算出手段により算出された受信信号のスペクトルと雑音信号のスペクトルから信号対雑音比を算出する信号対雑音比算出手段と、
    上記信号対雑音比算出手段により算出された信号対雑音比のピーク値を検出するピーク値検出手段と、
    速度の算出精度と速度の算出レートのうち、どちらを優先して上記測定対象物の速度を算出するかを示す情報と、上記ピーク値検出手段により検出された信号対雑音比のピーク値とを用いて、複数の速度算出手法の中から、上記測定対象物の速度を算出する速度算出手法を選択し、その選択した速度算出手法にしたがって上記測定対象物の速度を算出する速度算出手段と
    を備えたレーザーレーダ装置。
  2. 上記速度算出手段は、速度の算出精度より速度の算出レートを優先する場合、上記ピーク値検出手段により検出された信号対雑音比のピーク値が基準ピーク値より高ければ、上記速度算出手法として、上記信号対雑音比のピーク値に対応する周波数から上記測定対象物の速度を算出するピーク検出法を選択し、上記ピーク値が上記基準ピーク値より低ければ、上記速度算出手法として、予め用意されている受信スペクトルの波形モデルのパラメータを可変して、上記受信信号のスペクトルとの相関が最も高いパラメータを探索し、上記パラメータを用いて上記測定対象物の速度を算出する最尤推定法を選択し、
    速度の算出レートより速度の算出精度を優先する場合、上記ピーク値が上記基準ピーク値より高ければ、上記速度算出手法として、上記信号対雑音比における1以上のピーク値の重心を算出し、上記重心に対応する周波数から上記測定対象物の速度を算出する重心演算法を選択し、上記ピーク値が上記基準ピーク値より低ければ、上記速度算出手法として、上記最尤推定法を選択する
    ことを特徴とする請求項1記載のレーザーレーダ装置。
  3. 上記速度算出手段は、上記スペクトル算出手段により算出された受信信号のスペクトルから上記測定対象物の速度幅を算出し、
    上記測定対象物の速度を算出する複数の速度算出手法の中から、上記ピーク値検出手段により検出された信号対雑音比のピーク値と上記情報と上記速度幅とに対応する速度算出手法を選択し、上記速度算出手法にしたがって上記測定対象物の速度を算出する
    ことを特徴とする請求項1記載のレーザーレーダ装置。
  4. 上記速度算出手段は、速度の算出精度より速度の算出レートを優先する場合、上記ピーク値検出手段により検出された信号対雑音比のピーク値が基準ピーク値より高く、上記測定対象物の速度幅が基準速度幅より広ければ、上記速度算出手法として、上記信号対雑音比のピーク値に対応する周波数から上記測定対象物の速度を算出するピーク検出法を選択し、上記ピーク値が上記基準ピーク値より高く、上記測定対象物の速度幅が上記基準速度幅より狭ければ、上記速度算出手法として、上記信号対雑音比における1以上のピーク値の重心を算出し、上記重心に対応する周波数から上記測定対象物の速度を算出する重心演算法を選択し、上記ピーク値が上記基準ピーク値より低ければ、上記速度算出手法として、予め用意されている受信スペクトルの波形モデルのパラメータを可変して、上記受信信号のスペクトルとの相関が最も高いパラメータを探索し、上記パラメータを用いて上記測定対象物の速度を算出する最尤推定法を選択し、
    速度の算出レートより速度の算出精度より優先する場合、上記ピーク値が上記基準ピーク値より高く、上記測定対象物の速度幅が上記基準速度幅より狭ければ、上記速度算出手法として、上記重心演算法を選択し、上記ピーク値が上記基準ピーク値より高く、上記測定対象物の速度幅が上記基準速度幅より広い場合、あるいは、上記ピーク値が上記基準ピーク値より低い場合、上記速度算出手法として、上記最尤推定法を選択する
    ことを特徴とする請求項3記載のレーザーレーダ装置。
  5. 上記信号対雑音比算出手段により算出された信号対雑音比に応じて上記インコヒーレント積算の積算回数を設定する積算回数設定手段を設け、
    上記スペクトル算出手段は、上記積算回数設定手段により設定された積算回数だけ、上記フーリエ変換後の受信信号をインコヒーレント積算して、上記受信信号のスペクトルを算出する
    ことを特徴とする請求項1記載のレーザーレーダ装置。
  6. レーザ光送受信手段が、レーザ光を大気中に放射して、大気中に存在している測定対象物に反射して戻ってくるレーザ光を受信し、上記レーザ光の受信信号を出力するレーザ光送受信処理ステップと、
    コヒーレント積算手段が、上記レーザ光送受信処理ステップで出力された受信信号をコヒーレント積算するコヒーレント積算処理ステップと、
    スペクトル算出手段が、上記コヒーレント積算処理ステップでコヒーレント積算された受信信号をフーリエ変換し、フーリエ変換後の受信信号をインコヒーレント積算して、上記受信信号のスペクトルを算出するスペクトル算出処理ステップと、
    信号対雑音比算出手段が、上記スペクトル算出処理ステップで算出された受信信号のスペクトルと雑音信号のスペクトルから信号対雑音比を算出する信号対雑音比算出処理ステップと、
    ピーク値検出手段が、上記信号対雑音比算出処理ステップで算出された信号対雑音比のピーク値を検出するピーク値検出処理ステップと、
    速度算出手段が、速度の算出精度と速度の算出レートのうち、どちらを優先して上記測定対象物の速度を算出するかを示す情報と、上記ピーク値検出処理ステップで検出された信号対雑音比のピーク値とを用いて、複数の速度算出手法の中から、上記測定対象物の速度を算出する速度算出手法を選択し、その選択した速度算出手法にしたがって上記測定対象物の速度を算出する速度算出処理ステップと
    を備えた測定対象物の速度算出方法。
JP2014535397A 2012-09-14 2013-05-16 レーザーレーダ装置及び測定対象物の速度算出方法 Active JP5984944B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012202888 2012-09-14
JP2012202888 2012-09-14
PCT/JP2013/063692 WO2014041852A1 (ja) 2012-09-14 2013-05-16 レーザーレーダ装置及び測定対象物の速度算出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2014041852A1 JPWO2014041852A1 (ja) 2016-08-18
JP5984944B2 true JP5984944B2 (ja) 2016-09-06

Family

ID=50277987

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014535397A Active JP5984944B2 (ja) 2012-09-14 2013-05-16 レーザーレーダ装置及び測定対象物の速度算出方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US9851444B2 (ja)
EP (1) EP2896972B1 (ja)
JP (1) JP5984944B2 (ja)
CN (1) CN104603636B (ja)
WO (1) WO2014041852A1 (ja)

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI518329B (zh) * 2014-12-02 2016-01-21 財團法人工業技術研究院 光學式測風系統
WO2016181493A1 (ja) * 2015-05-12 2016-11-17 三菱電機株式会社 レーザレーダ装置及び風速観測方法
US11112502B2 (en) * 2016-04-05 2021-09-07 Mitsubishi Electric Corporation Laser radar system
CN106646422B (zh) * 2016-09-28 2020-06-09 成都凯天电子股份有限公司 增强相干测风雷达多普勒频移信号信噪比的预处理系统
CN110234979B (zh) * 2017-01-24 2022-01-11 三菱电机株式会社 激光雷达装置
EP3604799A4 (en) * 2017-04-26 2020-04-15 Mitsubishi Electric Corporation AI DEVICE, LASER RADAR DEVICE, AND WIND FARM CONTROL SYSTEM
EP3637134B1 (en) * 2017-07-04 2021-04-28 Mitsubishi Electric Corporation Laser radar device
US10690773B2 (en) 2017-12-07 2020-06-23 Velodyne Lidar, Inc. Systems and methods for efficient multi-return light detectors
EP3683600B1 (en) * 2017-12-27 2022-08-24 Mitsubishi Electric Corporation Laser radar device
WO2019207720A1 (ja) * 2018-04-26 2019-10-31 三菱電機株式会社 レーザレーダ装置、風力発電装置および風計測方法
US11333765B2 (en) * 2018-05-17 2022-05-17 Samsung Electronics Co., Ltd. Distance measuring device and method
CN108594265A (zh) * 2018-08-02 2018-09-28 成都英鑫光电科技有限公司 测风雷达系统及三维风场检测方法
CN109782019B (zh) * 2019-03-15 2020-04-24 中国科学技术大学 大气污染物二维运动速度测量方法及装置
JP7164613B2 (ja) * 2019-04-08 2022-11-01 三菱電機株式会社 風計測ライダ装置
CN115951328B (zh) * 2023-03-10 2023-05-16 中国人民解放军国防科技大学 基于概率密度约束的测风激光雷达风速估计方法和装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03252581A (ja) 1990-03-02 1991-11-11 Mitsubishi Electric Corp レーダ装置
JPH08184666A (ja) * 1994-12-27 1996-07-16 Omron Corp レーダ距離計測装置
GB0411097D0 (en) 2004-05-19 2004-06-23 Qinetiq Ltd Laser radar device and method
JP4806949B2 (ja) * 2005-03-31 2011-11-02 三菱電機株式会社 レーザレーダ装置
JP2008051541A (ja) * 2006-08-22 2008-03-06 Mitsubishi Electric Corp 台風中心検出装置
CN101320086B (zh) * 2008-06-27 2011-03-30 北京航空航天大学 一种多普勒测速激光雷达的回波信号处理装置和方法
JP5328477B2 (ja) 2009-05-19 2013-10-30 三菱電機株式会社 風計測装置
CN102608615B (zh) * 2012-03-08 2013-10-09 东华大学 一种基于啁啾调幅和相干探测的激光雷达测速测距方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2014041852A1 (ja) 2016-08-18
EP2896972B1 (en) 2019-10-30
US20150185328A1 (en) 2015-07-02
US9851444B2 (en) 2017-12-26
CN104603636B (zh) 2016-10-26
CN104603636A (zh) 2015-05-06
EP2896972A4 (en) 2016-04-13
WO2014041852A1 (ja) 2014-03-20
EP2896972A1 (en) 2015-07-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5984944B2 (ja) レーザーレーダ装置及び測定対象物の速度算出方法
JP6257845B2 (ja) レーザレーダ装置及び風速観測方法
JP5502262B2 (ja) 測地距離データを得る方法及び装置
JP5554688B2 (ja) レーダ装置
WO2014024508A1 (ja) レーダ装置
JP5468304B2 (ja) レーダ装置
JP2018059813A (ja) レーダ装置および物標検出方法
CN106405511A (zh) 用于自动车辆的雷达信号处理
EP2041667B1 (en) Method and apparatus for target discrimination within return signals
JP6366880B2 (ja) レーザレーダ装置
JP2015148577A (ja) 電波センサおよび検知方法
JP2015075388A (ja) 電波センサおよび検知方法
JP6303813B2 (ja) 周波数変動信号解析装置
JP5379312B2 (ja) 距離測定装置
JP6177008B2 (ja) レーダ装置
KR102172085B1 (ko) 레이더 장치 및 이를 이용한 타겟 거리 측정 방법
JP2014070935A (ja) 角度測定装置、角度測定方法及びプログラム
RU186880U1 (ru) Радиолокатор
RU2312370C2 (ru) Способ распознавания радиолокационных объектов и устройство для его реализации
Wang et al. High-resolution spectral estimation of HF radar data for current measurement applications
JP7286033B2 (ja) 目標距離推定装置、電波探知装置、及び目標距離推定方法
WO2020054031A1 (ja) レーダ装置および目標距離計測方法
RU2552537C2 (ru) Способ лазерной локации и селекции подвижной цели
CN113176001A (zh) 一种基于毫米波感知的无源温度监控方法
JP2003185737A (ja) 信号分析装置、および方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160705

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160802

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5984944

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250