JP6303813B2 - 周波数変動信号解析装置 - Google Patents
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Description
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態は、本発明の周波数変動信号解析装置としての機能を備える電波到来方向推定システムである。この電波到来方向推定システムは、図1に構成図を示す無線タグリーダ1と、無線タグ100(図2)参照)とを含んで構成される。本実施形態では、無線タグリーダ1が請求項の周波数変動信号解析装置として機能する。
図2は、回転盤12に固定されたアンテナ11が回転しているときのアンテナ11の速度ベクトルVを示している。アンテナ11が同図aの位置では、アンテナ11は無線タグ100に対して直線的に接近しており、cの位置では、アンテナ11は無線タグ100に対して直線的に遠ざかっている。また、b,dの位置ではアンテナ11の速度ベクトルVb、Vdは、無線タグ100の方向の成分がゼロである。つまり、アンテナ11の速度ベクトルVの無線タグ100の方向成分は、回転盤12の回転により大小を周期的に繰り返す。
xは観測信号であり振幅A,Bに左右されない。また、zも式9から分かるように振幅A,Bに左右されない変数である。また、eは振幅A,Bに関して、それぞれ上に凸な二次関数である。そのため、eが最大となる振幅A,Bは、下記式15に示す偏微分の式を解くことで一意に求めることができる。
よって、本実施形態の観測信号決定部22は、ベースバンド信号位相φのみを数値探索する。そして、残差減少量eが最大となるベースバンド信号位相φを決定することで、観測信号x(t)を表す式を決定する。
以上、説明した本実施形態によれば、信号取得部21が周波数変動信号である観測信号を取得し、観測信号決定部22では、観測信号とFM信号モデル(式9)とが最も一致する未知パラメータを決定している。未知パラメータを数値探索するピッチは観測時間Lの制約を受けないことから、未知パラメータを数値探索するピッチを狭くして周波数変動具合の解析の分解能を高くすることができる。よって、本実施形態では、周波数変動信号である観測信号を高い分解能で解析することができる。
次に、第2実施形態を説明する。前述の第1実施形態では残差エネルギーEを、式10に示したように、観測時間Lにおける観測信号x(t)とFM信号モデルwの差分の時間積分としていた。これに対して、第2実施形態では、残差エネルギーEを、離散信号の差の二乗和と定義する。その他の点は第1実施形態と同じである。
たとえば、前述の実施形態では、無線タグリーダ1が周波数変動信号解析装置として機能していたが、無線タグリーダ1に接続され無線タグリーダ1を制御するコントローラに、周波数変動信号解析装置としての機能が備えられていてもよい。
前述の実施形態では、無線タグ100が一定周波数の電波を送信し、その電波を回転盤12の上に設置されたアンテナ11で受信する構成とすることで、搬送波周波数f0、ベースバンド信号周波数f1、最大周波数変位Δfの3つのパラメータを予め求めることができた。しかし、必ずしもこれら3つのパラメータの値を予め求めることが出来る必要はない。これら3つのパラメータおよびベースバンド信号位相φの4つのパラメータが全て未知パラメータであってもよい。また、これら4つのパラメータのうちの3つ、あるいは、2つが未知パラメータであってもよい。また、ベースバンド信号位相以外の他のパラメータが一つのみ未知パラメータであってもよい。
第1実施形態におけるISS、ICC、ISCは、いずれもzのみを変数として持つ定積分項である。よって、zに含まれる未知パラメータに探索値を入れることでこれら定積分項は予め計算しておくことができる。
前述の実施形態では、アンテナ11が受信した高周波信号を中間周波数に変換した後の信号をFM信号モデル(式10、式18)により解析していたが、中間周波数に変換せずに高周波信号を直接、FM信号モデルにより解析してもよい。
Claims (8)
- 時間により周波数が変化する周波数変動信号を解析する周波数変動信号解析装置であって、
前記周波数変動信号である観測信号を取得する信号取得部(21)と、
前記周波数変動信号を表現した式であって、一つ以上の未知パラメータを含んでいる周波数変動信号モデルを記憶しており、前記未知パラメータを数値探索して、前記観測信号と前記周波数変動信号モデルとが最も一致する前記未知パラメータを決定し、決定した未知パラメータを前記周波数変動信号モデルに代入した式を、観測信号を表す式に決定する観測信号決定部(22)とを含み、
前記周波数変動信号モデルは、搬送波周波数、最大周波数変位、ベースバンド信号周波数、ベースバンド信号位相の4つのパラメータを含み、これら4つのパラメータのうちの少なくともいずれか一つが未知パラメータであり、
回転盤(12)と、その回転盤の上に固定されたアンテナ(11)と、その回転盤を予め設定した一定周期で回転させる駆動部(13)とを備えた受信部(10)を備え、
前記アンテナは、無線タグ(100)が送信する予め設定された一定周波数の電波が、前記回転盤が回転することにより生じるドップラーシフトにより周期的に周波数変化した電波を受信し、
前記信号取得部は、前記アンテナが受信した前記電波あるいはその電波を中間周波数に変換した信号を前記観測信号として取得し、
前記周波数変動信号モデルは、前記搬送波周波数に、前記観測信号の搬送波周波数が代入され、前記最大周波数変位に、前記アンテナの回転速度に基づいて定まるドップラーシフト変位量が代入され、前記ベースバンド信号周波数に、前記回転盤の回転周期に基づいて定まる周波数が代入されることにより、前記未知パラメータがベースバンド信号位相1つのみとなっており、
前記観測信号決定部は、前記ベースバンド信号位相を数値探索して、前記観測信号と前記周波数変動信号モデルとが最も一致するベースバンド信号位相を決定することを特徴とする周波数変動信号解析装置。 - 時間により周波数が変化する周波数変動信号を解析する周波数変動信号解析装置であって、
前記周波数変動信号である観測信号を取得する信号取得部(21)と、
前記周波数変動信号を表現した式であって、一つ以上の未知パラメータを含んでいる周波数変動信号モデルを記憶しており、前記未知パラメータを数値探索して、前記観測信号と前記周波数変動信号モデルとが最も一致する前記未知パラメータを決定し、決定した未知パラメータを前記周波数変動信号モデルに代入した式を、観測信号を表す式に決定する観測信号決定部(22)とを含み、
前記周波数変動信号モデルは、搬送波周波数、最大周波数変位、ベースバンド信号周波数、ベースバンド信号位相の4つのパラメータを含み、これら4つのパラメータのうちの少なくともいずれか一つが未知パラメータであり、
A,Bを振幅、f 0 を前記搬送波周波数、f 1 を前記ベースバンド信号周波数、Δfを前記最大周波数変位、φを前記ベースバンド信号位相、tを時間とすると、前記周波数変動信号モデルが下記式1または式2で表すことができることを特徴とする周波数変動信号解析装置。
- 請求項2において、
前記観測信号決定部は、
前記観測信号から前記周波数変動信号モデルを引くことによる前記観測信号の減少量を示し、前記観測信号と前記周波数変動信号モデルとが一致するほど大きくなる残差減少量を算出し、その残差減少量が最大となる未知パラメータを、前記観測信号と前記周波数変動信号モデルとが最も一致する未知パラメータに決定することを特徴とする周波数変動信号解析装置。 - 請求項3において、
前記振幅A、Bが、前記zの三角関数を観測時間で定積分する定積分項を含む振幅計算式から計算できるようになっており、
前記未知パラメータを探索値ごとに変化させて前記定積分項を前記探索値ごとに計算した計算値を持つテーブルを記憶したテーブル記憶部を備え、
前記観測信号決定部は、前記テーブル記憶部から前記探索値に対応する前記計算値を抽出し、抽出した計算値を用いて前記探索値に対応する前記残差減少量を算出することを特徴とする周波数変動信号解析装置。 - 時間により周波数が変化する周波数変動信号を解析する周波数変動信号解析装置であって、
前記周波数変動信号である観測信号を取得する信号取得部(21)と、
前記周波数変動信号を表現した式であって、一つ以上の未知パラメータを含んでいる周波数変動信号モデルを記憶しており、前記未知パラメータを数値探索して、前記観測信号と前記周波数変動信号モデルとが最も一致する前記未知パラメータを決定し、決定した未知パラメータを前記周波数変動信号モデルに代入した式を、観測信号を表す式に決定する観測信号決定部(22)とを含み、
前記周波数変動信号モデルは、搬送波周波数、最大周波数変位、ベースバンド信号周波数、ベースバンド信号位相の4つのパラメータを含み、これら4つのパラメータのうちの少なくともいずれか一つが未知パラメータであり、
A,Bを振幅、f0を前記搬送波周波数、f1を前記ベースバンド信号周波数、Δfを前記最大周波数変位、φを前記ベースバンド信号位相、Tをサンプリング周期、kを基準時刻からのサンプリング数とすると、前記周波数変動信号モデルが下記式3または式4で表すことができることを特徴とする周波数変動信号解析装置。
- 請求項5において、
前記観測信号決定部は、
前記観測信号から前記周波数変動信号モデルを引くことによる前記観測信号の減少量を示し、前記観測信号と前記周波数変動信号モデルとが一致するほど大きくなる残差減少量を算出し、その残差減少量が最大となる未知パラメータを、前記観測信号と前記周波数変動信号モデルとが最も一致する未知パラメータに決定することを特徴とする周波数変動信号解析装置。 - 請求項6において、
前記振幅A、Bが、前記zの三角関数の観測区間の総和項を含む振幅計算式から計算できるようになっており、
前記未知パラメータを探索値ごとに変化させて前記総和項を前記探索値ごとに計算した計算値を持つテーブルを記憶したテーブル記憶部を備え、
前記観測信号決定部は、前記テーブル記憶部から前記探索値に対応する前記計算値を抽出し、抽出した計算値を用いて前記探索値に対応する前記残差減少量を算出することを特徴とする周波数変動信号解析装置。 - 請求項2〜7のいずれか1項において、
回転盤(12)と、その回転盤の上に固定されたアンテナ(11)と、その回転盤を予め設定した一定周期で回転させる駆動部(13)とを備えた受信部(10)を備え、
前記アンテナは、無線タグ(100)が送信する予め設定された一定周波数の電波が、前記回転盤が回転することにより生じるドップラーシフトにより周期的に周波数変化した電波を受信し、
前記信号取得部は、前記アンテナが受信した前記電波あるいはその電波を中間周波数に変換した信号を前記観測信号として取得し、
前記周波数変動信号モデルは、前記搬送波周波数に、前記観測信号の搬送波周波数が代入され、前記最大周波数変位に、前記アンテナの回転速度に基づいて定まるドップラーシフト変位量が代入され、前記ベースバンド信号周波数に、前記回転盤の回転周期に基づいて定まる周波数が代入されることにより、前記未知パラメータがベースバンド信号位相1つのみとなっており、
前記観測信号決定部は、前記ベースバンド信号位相を数値探索して、前記観測信号と前記周波数変動信号モデルとが最も一致するベースバンド信号位相を決定することを特徴とする周波数変動信号解析装置。
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