JP6303547B2 - 距離測定装置 - Google Patents

距離測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6303547B2
JP6303547B2 JP2014016298A JP2014016298A JP6303547B2 JP 6303547 B2 JP6303547 B2 JP 6303547B2 JP 2014016298 A JP2014016298 A JP 2014016298A JP 2014016298 A JP2014016298 A JP 2014016298A JP 6303547 B2 JP6303547 B2 JP 6303547B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reference model
distance
beat signal
frequency
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014016298A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015143619A (ja
Inventor
勇登 河地
勇登 河地
隼人 北
隼人 北
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Wave Inc
Original Assignee
Denso Wave Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Wave Inc filed Critical Denso Wave Inc
Priority to JP2014016298A priority Critical patent/JP6303547B2/ja
Publication of JP2015143619A publication Critical patent/JP2015143619A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6303547B2 publication Critical patent/JP6303547B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Radar Systems Or Details Thereof (AREA)

Description

本発明は、電波を用いて対象物との距離を測定する距離測定装置に関する。
電波によって対象物との距離を測定する技術として、FMCWレーダが知られている(例えば、特許文献1)。FMCWレーダは、周波数変調された連続波を使用して測距を行う。
FMCWレーダの基本的な構成では、送信波を三角波信号で直線的に周波数変調し、その送信波と対象物で反射した受信波をミキシングしたビート信号をFFT(高速フーリエ変換)することで、電波の往復距離に相当する周波数差であるビート周波数を求め、対象物との距離を測定する。
特開平4−278487号公報
電波の往復距離に相当する周波数差であるビート周波数は、対象物までの距離が変化していなければ、送信波の周波数が直線的に増加あるいは減少している間は一定値になる。
しかし、送信波の周波数をずっと増加または減少させ続けることはできないので、送信波の周波数が直線的に増加、減少する範囲には上限、下限がある。送信波の周波数が上限に達し、周波数が増加から減少に転じる部分、および、送信波の周波数が下限に達し、周波数が減少から増加に転じる部分では、対象物までの距離が変化していなくても、ビート周波数は一定値ではなくなる。
つまり、ビート周波数が一定値となる連続期間は、最大でも周波数が直線的に増加する期間や、周波数が直線的に減少する期間よりも短い。そして、FFTの周波数分解能は、窓幅により定まる。そのため、従来のFMCWレーダでは、周波数が直線的に変化する期間により、周波数分解能が制限されてしまう。ビート周波数は、電波の往復距離に相当しているので、周波数分解能が制限されることは、距離分解能が制限されることを意味する。
単位時間あたりの周波数変化速度を遅くして、ゆっくりと周波数変調をすれば、周波数が直線的に変化する期間が長くなるので、窓幅は大きくできる。しかし、周波数変化速度を遅くすると、電波が往復する間の周波数変化、すなわち、ビート周波数が小さくなってしまうため、結局、距離分解能は向上しない。
よって、距離分解能を向上させるには、窓幅を広くしつつ、ビート周波数を大きくする必要がある。周波数変調の帯域を広くすることができれば、窓幅を広くしつつ、周波数の変化量を大きくすることができる。しかし、一般的に使用できる周波数帯域には制限がある。したがって、従来、狭い周波数帯域幅で、高い距離分解能の距離測定を行うことは困難であった。
本発明は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、狭い周波数帯域幅でも、高い距離分解能で距離測定が行える距離測定装置を提供することにある。
上記目的は独立請求項に記載の特徴の組み合わせにより達成され、また、下位請求項は、発明の更なる有利な具体例を規定する。また、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するための本発明は、周波数の時間変化が正弦波となる送信波を送信する送信部(11)と、送信波が対象物で反射した反射波を受信する受信部(12)と、送信部が送信した送信波と、受信部が受信した受信波の差の信号であるビート信号を生成するビート信号生成部(13)と、ビート信号を表現した式であって、対象物との間の距離に関するパラメータである距離関連パラメータを含んでいる式である参照モデルを、距離関連パラメータを変化させつつ、ビート信号生成部が生成したビート信号とを比較して、ビート信号と最も一致する参照モデルを決定する参照モデル決定部(22)と、参照モデル決定部が決定した参照モデルにおける距離関連パラメータに基づいて、対象物までの距離を決定する距離決定部(23)と、を含む距離測定装置であって、fcを送信波の中心周波数、fsを送信波の変調周波数、Δfを送信波の周波数変調幅、A、Bを係数、vcを光速、Lwを対象物までの距離、tを時間、wを参照モデルとして、参照モデルを下記式1で表し、参照モデル決定部は、ビート信号生成部が生成したビート信号と参照モデルとの差である残差エネルギーが最小となる参照モデルを、ビート信号と最も一致する参照モデルに決定するようになっており、ビート信号生成部が生成したビート信号から参照モデルを引くことによるビート信号の減少量を示し、ビート信号と参照モデルとが一致するほど大きくなる残差減少量を算出し、その残差減少量が最大となる参照モデルを、残差エネルギーが最小となる参照モデルとすることを特徴とする
Figure 0006303547
本発明によれば、周波数の時間変化が正弦波となる送信波を送信する。そのため、送信波と受信波の差の信号であるビート信号も、周波数変化が正弦波となる。ビート信号の周波数変化が正弦波となることから、従来とは異なり、ビート信号は周波数変化が不連続になる期間が生じない。したがって、測定時間長に制限がなくなる。
しかし、周波数変化が正弦波となるので、窓内の信号の周波数ピークを求める解析手法であるFFTでは、本発明のビート信号を解析することができない。そこで、本発明では、ビート信号を表現した式である参照モデルを用意し、その参照モデルと、送信波、受信波から生成したビート信号とを比較する。参照モデルは、送信波と受信波の差であるビート信号を表現した式であるので、対象物との間の距離に関するパラメータである距離関連パラメータを含んでいる。
したがって、この距離関連パラメータを変化させつつ、参照モデルと、生成したビート信号とを比較すると、距離関連パラメータの値が、対象物までの距離に対応する値に最も近い参照モデルが、生成したビート信号に最も一致するはずである。そこで、参照モデル決定部は、距離関連パラメータを変化させつつ、生成したビート信号と最も一致する参照モデルを決定する。そして、距離決定部は、参照モデル決定部が決定した参照モデルにおける距離関連パラメータに基づいて、対象物までの距離を決定する。
このようにして対象物までの距離を決定する本発明では、距離分解能は、距離関連パラメータを変化させる量をどれだけ細かくするかにより定まり、周波数変調の帯域の広さによる制限は受けない。よって、狭い周波数帯域でも、高い距離分解能で対象物までの距離を決定することができる。
また、残差エネルギーは、ビート信号と参照モデルとを、測定時間分の波形全体で比較していることになるので、ビート信号と参照モデルが一致するかどうかを精度よく判定することができる。よって、ビート信号と最も一致する参照モデルを精度よく決定することができ、その結果、距離決定精度が高くなる。
また、式1のように参照モデルを定義して、かつ、残差減少量が最大となる参照モデルを、残差エネルギーが最小となる参照モデルとしているので、詳しくは後述するが、式の展開が簡単になる。そのため、ビート信号と最も一致する参照モデルを決定するための演算が容易になる。
また、請求項記載の発明では、係数A、Bが、zの三角関数を観測時間で定積分する定積分項を含む振幅計算式から計算できるようになっており、
距離関連パラメータを周波数分解能により定まる探索ピッチごとの探索値にして、定積分項を計算した計算値を持つテーブルを記憶したテーブル記憶部を備え、
参照モデル決定部は、テーブル記憶部から探索値に対応する計算値を抽出し、抽出した計算値を用いて探索値に対応する残差減少量を算出する。
このように、定積分項を予め計算しておくことにより、ビート信号を生成してからの演算量を少なくすることができる。
距離測定装置1の構成図である。 送信波の周波数f、受信波の周波数f、ビート信号の周波数fbeatの時間変化を例示する図である。
<装置構成>
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態の距離測定装置1の構成を示すブロック図である。距離測定装置1は、通信部10と、信号処理部20とを備える。
通信部10は、送信部11を備える。この送信部11は、変調信号発生器111、VCO112、送信アンテナ113を備える。通信部10は、送信部11の他に、受信部に相当する受信アンテナ12、ビート信号生成部に相当するミキサ13、AD変換器14を備える。
変調信号発生器111は、正弦波信号を発生させる。この正弦波信号がVCO112に入力されることで、VCO112は、正弦波信号で周波数変調された信号を出力する。正弦波信号で周波数変調されることから、VCO112が出力する信号は、周波数の時間変化が正弦波となる。VCO112が出力する信号は、送信アンテナ113から電波(以下、送信波)として送信される。
送信アンテナ113から送信された送信波は、対象物sで反射して、受信アンテナ12により受信される。受信アンテナ12が受信する電波を、以下、受信波という。受信波はミキサ13に入力される。
ミキサ13には、VCO112が生成した信号も入力される。ミキサ13では、VCO112が生成した信号と、受信波の周波数差の信号が生成される。この周波数差の信号を、以下、ビート信号xという。
ミキサ13で生成されたビート信号xは、AD変換器14でデジタル信号に変換された後に、信号処理部20に入力される。
信号処理部20は、いずれも不図示のCPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータである。信号処理部20は、ROMに記憶されたプログラムをCPUが実行することで、信号取得部21、参照モデル決定部22、距離決定部23として機能する。
信号取得部21は、通信部10のAD変換器14からビート信号xを取得して、RAMあるいはRAMとは別に備えられたメモリなどの所定の記憶部に格納する。
参照モデル決定部22は、信号取得部21が格納したビート信号xと最も一致する参照モデルwを決定する。参照モデルwを示す式は、後述する式12である。式12は、本実施形態における距離関連パラメータである距離Lを含んでいる。参照モデル決定部22は、この距離Lを、要求される距離分解能により定まる探索ピッチで変化させていき、ビート信号xと最も一致する参照モデルwを決定する。
距離決定部23は、参照モデル決定部22で決定した、ビート信号xと最も一致する参照モデルwにおける距離Lを、対象物sまでの距離に決定する。参照モデルwや、その参照モデルwを用いたマッチング方法を説明する前に、ビート周波数fbeat、ビート信号xについて説明する。
<ビート周波数fbeat、ビート信号xの説明>
図2は、送信波の周波数f、受信波の周波数f、ビート周波数fbeatの時間変化を示す図である。送信波の周波数fに対して、受信波の周波数fはτだけ遅れて、正弦波で変化する。受信波の周波数fから送信波の周波数fを引いた周波数であるビート周波数fbeatの時間変化も、同図に示すように、正弦波となり、時間に応じた一定値ではない。
このビート周波数fbeatの時間変化を表す式の導出を次に説明する。送信波の中心周波数、周波数変調幅、変調周波数をそれぞれf、Δf、fとすると、送信波の周波数fは、式2で表すことができる。なお、式2において、tは時刻であり、t=0で中心周波数fになるように変調を開始したとする。
Figure 0006303547
対象物sまでの距離がLとすると、受信波の周波数fは式3で表すことができる。なお、式3において、vは光速である。
Figure 0006303547
ビート周波数fbeatは、送信波の周波数fと受信波の周波数fとの周波数差である。よって、ビート周波数fbeatは、式4のように表すことができる。
Figure 0006303547
式4において、加法定理を用いて第2行の{}内第1項を書き換えた後に、まとめ直すと第3行になる。第4行は、第3行の[]内を1以下にするための式変形であり、式5に示すDを[]外に係数として乗じることで、[]内は、第1項のcos(θ)−1、第2項のsin(θ)をなくしている。また、式6、式7の右辺は、式5のDで、式4第3行[]内の第1項「cos(θ)−1」、第2項「sin(θ)」を割った式である。式8のようにγを定義すると、式6、7が成立する。式6、式7を用いて式4第3行の式を書き換えた後に、加法定理を用いると、式4第4行が得られる。
Figure 0006303547
Figure 0006303547
Figure 0006303547
Figure 0006303547
式4第4行に示されているD、γには、式5、式8から分かるように、θが含まれている。このθは、式3に示したように、距離Lと変調周波数fで表すことができる。よって、時刻tにおけるビート周波数fbeatは、周波数変調のパラメータΔf、fと、距離Lだけにより決まる。
ビート周波数fbeatの時間変化の式である式4を、ビート角周波数ωbeatの式に変換すると、式9になる。
Figure 0006303547
式9を積分すると位相になる。初期位相をΨとすると、ビート信号xの位相θは式10で表すことができる。
Figure 0006303547
ビート信号xは正弦波であるので、この位相θを用い、振幅をαとすると、ビート信号xは式11で表すことができる。
Figure 0006303547
<参照モデルwの定義>
次に、上記ビート信号xとの波形マッチングを行う参照モデルwを説明する。参照モデルwは、よく知られた単一周波数の波形の表現である式12により表す。式12の形で参照モデルwを定義したのは、後の式展開を容易にするためである。
Figure 0006303547
式12において、zは、初期位相Ψがない点以外は、上記式10と同じである。D、γは、それぞれ、式5、式8に示したものと同じである。なお、添字wは、参照モデルwの変数であることを示す意味である。
これら、D、γは、距離Lと、変調周波数fをパラメータとして持つ。これら以外に、zには、パラメータとして周波数変調幅Δfが含まれている。これらのパラメータのうち、周波数変調のパラメータΔf、fは送信波として設計できる既知パラメータである。よって、上記参照モデルwは、距離Lを定めることにより値を求めることができる。
ビート信号xと最も形状が一致する参照モデルwを決定するために、Lを変化させつつ、各Lにおいて、残差エネルギー(最小自乗和)Eを考える。残差エネルギーEが最も小さくなるLが、対象物sまでの実際の距離を表していると考えられる。
<残差エネルギーEの説明>
残差エネルギーEは、式13で表すことができる。なお、式13においてlは測定信号の時間長、すなわち、測定時間長である。
Figure 0006303547
残差エネルギーEが最小となるとき、次の式14に示す残差減少量eは最大となる。よって、残差減少量eが最大となる距離Lを探索すれば、対象物sまでの距離Lを決定することができる。
Figure 0006303547
式14の右辺第1項を積分計算して文字による置き換えを行うと、式15に示すように表現できる。
Figure 0006303547
また、式14の右辺第2項を積分計算して文字よる置き換えを行うと、式16に示すように表現できる。
Figure 0006303547
式15、式16から、残差減少量eは、式17で表現できる。
Figure 0006303547
<係数A、Bの算出方法>
ビート信号xは、参照モデルwの係数A、Bに左右されない。また、zも式12から分かるように係数A、Bに左右されない変数である。また、式17から分かるように、eは係数A、Bに関して、それぞれ上に凸な二次関数である。そのため、eが最大となる係数A、Bは、下記式18に示す偏微分の式を解くことで一意に求めることができる。
Figure 0006303547
式18から式19の連立一次方程式が得られる。
Figure 0006303547
式19を解くことで、係数A、Bを式20に示すように表すことができる。なお、この式20が請求項の振幅計算式である。
Figure 0006303547
式20において、Iss、Icc、Iscは、いずれもzのみを変数として持ち、X、Xは、変数として、x、zを持つ。xはビート信号であることから、観測により数値が得られる。zは、式12で説明したように、距離Lを定めることにより値を求めることができる。以上より、係数A、Bは、式20を用いて、ビート信号xと距離Lから、求めることができる。
<参照モデル決定部22、距離決定部23の処理>
式17に示した残差減少量eの計算式において、Xs、Xcは、式15に示したように、x、zの関数である。また、すでに説明したように、x、zが定まれば、係数A、B、Iss、Icc、Iscも計算することができる。
したがって、参照モデル決定部22は、信号取得部21が取得したビート信号xに対して、Lを変化させ、各Lで、式17から残差減少量eを計算する。そして、残差減少量eが最大となった参照モデルwを、ビート信号xと最も一致する参照モデルwとする。
距離決定部23は、残差減少量eが最大となった参照モデルwに対応するLを、対象物sまでの距離Lに決定する。
<実施形態の効果>
以上、説明した本実施形態によれば、送信部11から、周波数の時間変化が正弦波となる送信波を送信するので、ビート信号xも、周波数変化が正弦波となる。周波数変化が正弦波となるので、このビート信号xは、図2に示すように、周波数変化が不連続になる期間が生じない。したがって、測定時間長lに制限がなくなる。
しかし、窓内の信号の周波数ピークを求める解析手法であるFFTでは、周波数の時間変化が正弦波となるビート信号xを解析することができない。そこで、本実施形態では、ビート信号xを表現した式12に示す参照モデルwを、信号取得部21が取得したビート信号xと比較する。
具体的には、参照モデル決定部22は、参照モデルwのパラメータである距離Lを、距離分解能により定まる探索ピッチで変化させつつ、ビート信号xに最も一致する参照モデルwを決定する。そして、距離決定部23は、参照モデル決定部22が決定した参照モデルwにおける距離Lを、対象物sまでの距離に決定する。
このようにして対象物sまでの距離を決定するので、距離分解能は、距離Lの探索ピッチにより定まり、周波数変調幅Δfによる制限は受けない。よって、本実施形態の距離測定装置1は、狭い周波数帯域でも、高い距離分解能で対象物sまでの距離を決定することができる。
加えて、測定時間長lに制限がないことから、測定時間長lを長くとることができる。測定時間長lを長くとることで、参照モデルwのマッチングに用いるビート信号xのサンプル数が多くなるので、ビート信号xに一時的にノイズが混入したとしても、そのノイズの影響を少なくすることができる。
また、本実施形態では、ビート信号xと最も一致する参照モデルwを決定するために、残差エネルギーEを用いる。残差エネルギーEは、式13に示したように、測定時間分の波形を全体で比較していることになるので、ビート信号xと参照モデルwが一致するかどうかを精度よく判定することができる。よって、ビート信号xと最も一致する参照モデルwを精度よく決定することができる。その結果、距離決定精度が高くなる。
また、上記残差エネルギーEが最小となる参照モデルwを決定するために、残差減少量eが最大となる参照モデルwを探索している。参照モデルwを式12で定義しているので、残差減少量eは式17で表すことができ、式17の最大値は、式19の連立一次方程式を解くことにより求めることができる。したがって、残差減少量eが最大となる参照モデルw、すなわち、残差エネルギーEが最小となる参照モデルwを決定するための演算も容易である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の変形例も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
<変形例1>
式20において、Iss、Icc、Iscはいずれもzのみを変数として持ち、ビート信号xとは無関係な定積分項である。そして、zは、すでに説明したように、Lを定めることにより値を求めることができる。
そこで、周波数分解能により定まる探索ピッチごとの探索値をLに代入して、定積分項であるIss、Icc、Iscを予め計算し、計算値をテーブルとして図示しないテーブル記憶部に予め記憶しておいてもよい。そして、このテーブル記憶部から探索値に対応する計算値を抽出して残差減少量eを算出する。このように予め定積分項Iss、Icc、Iscを計算しておくことで、ビート信号xを生成してからの演算量を少なくすることができる。
<変形例2>
前述の実施形態では、参照モデルwにおいて、値を変化させているパラメータは距離Lであった。すなわち、前述の実施形態では、距離関連パラメータは距離Lであった。しかし、式3にも示されているように、距離Lと時間τは一対一の関係にある。したがって、参照モデルwにおいて、値を変化させているパラメータを時間τとしてもよい。なお、この場合、時間τが請求項の距離関連パラメータである。
<変形例3、4>
また、前述の実施形態では、ビート信号xと最も一致する参照モデルwを決定するために、残差エネルギーEを用いていた。すなわち、ビート信号xと参照モデルwとの一致の程度を面積差で判断していた。しかし、ビート信号xと参照モデルwとの一致の程度を、面積差以外の変量で判断してもよい。たとえば、所定時刻ごとのビート信号xと参照モデルwの差の絶対値の合計値で一致の程度を判断してもよい(変形例3)。また、所定時刻ごとに、ビート信号xと参照モデルwの積を計算し、正の値となった時刻の数と、負の値となった時刻の数の差で一致の程度を判断してもよい(変形例4)。ビート信号xと参照モデルwが一致しているほど、正の値となった時刻が多くなるので、ビート信号xと参照モデルwが一致しているほど、正の値となった時刻の数と、負の値となった時刻の数の差は大きくなる。
1:距離測定装置、 10:通信部、 11:送信部、 12:受信アンテナ(受信部)、 13:ミキサ(ビート信号生成部)、 14:AD変換器、 20:信号処理部、 21:信号取得部、 22:参照モデル決定部、 23:距離決定部、 111:変調信号発生器、 112:VCO、 113:送信アンテナ

Claims (2)

  1. 周波数の時間変化が正弦波となる送信波を送信する送信部(11)と、
    前記送信波が対象物で反射した反射波を受信する受信部(12)と、
    前記送信部が送信した送信波と、前記受信部が受信した受信波の差の信号であるビート信号を生成するビート信号生成部(13)と、
    前記ビート信号を表現した式であって、前記対象物との間の距離に関するパラメータである距離関連パラメータを含んでいる式である参照モデルを、前記距離関連パラメータを変化させつつ、前記ビート信号生成部が生成したビート信号とを比較して、前記ビート信号と最も一致する参照モデルを決定する参照モデル決定部(22)と、
    前記参照モデル決定部が決定した参照モデルにおける前記距離関連パラメータに基づいて、対象物までの距離を決定する距離決定部(23)と、を含む距離測定装置であって、
    fcを前記送信波の中心周波数、fsを前記送信波の変調周波数、Δfを前記送信波の周波数変調幅、A、Bを係数、vcを光速、Lwを対象物までの距離、tを時間、wを前記参照モデルとして、前記参照モデルを下記式1で表し、
    前記参照モデル決定部は、前記ビート信号生成部が生成したビート信号と前記参照モデルとの差である残差エネルギーが最小となる参照モデルを、前記ビート信号と最も一致する参照モデルに決定するようになっており、前記ビート信号生成部が生成したビート信号から前記参照モデルを引くことによる前記ビート信号の減少量を示し、前記ビート信号と前記参照モデルとが一致するほど大きくなる残差減少量を算出し、その残差減少量が最大となる参照モデルを、前記残差エネルギーが最小となる参照モデルとすることを特徴とする距離測定装置。
    Figure 0006303547
  2. 請求項において、
    前記係数A、Bが、前記zの三角関数を観測時間で定積分する定積分項を含む振幅計算式から計算できるようになっており、
    前記距離関連パラメータを周波数分解能により定まる探索ピッチごとの探索値にして、前記定積分項を計算した計算値を持つテーブルを記憶したテーブル記憶部を備え、
    前記参照モデル決定部は、前記テーブル記憶部から前記探索値に対応する前記計算値を抽出し、抽出した計算値を用いて前記探索値に対応する前記残差減少量を算出することを特徴とする距離測定装置。
JP2014016298A 2014-01-31 2014-01-31 距離測定装置 Active JP6303547B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014016298A JP6303547B2 (ja) 2014-01-31 2014-01-31 距離測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014016298A JP6303547B2 (ja) 2014-01-31 2014-01-31 距離測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015143619A JP2015143619A (ja) 2015-08-06
JP6303547B2 true JP6303547B2 (ja) 2018-04-04

Family

ID=53888766

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014016298A Active JP6303547B2 (ja) 2014-01-31 2014-01-31 距離測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6303547B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7074013B2 (ja) * 2018-04-11 2022-05-24 日本製鉄株式会社 変位測定方法及び変位測定装置
WO2021014531A1 (ja) * 2019-07-22 2021-01-28 三菱電機株式会社 障害物検出装置
CN116369936B (zh) * 2023-05-31 2023-10-03 深圳市奋达智能技术有限公司 一种心电信号处理方法、系统、装置及存储介质

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3109172A (en) * 1960-08-10 1963-10-29 Kermit E Hardinger Low altitude f. m. altimeter
FR2623912B1 (fr) * 1987-11-27 1990-03-23 Lacroix E Tous Artifices Detecteur radioaltimetrique et fusee de proximite equipee d'un tel detecteur
JP4704968B2 (ja) * 2006-05-11 2011-06-22 郁男 荒井 相関型探知装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015143619A (ja) 2015-08-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100779811B1 (ko) 거리 측정 장치, 거리 측정 방법 및 거리 측정 프로그램이 기록된 기록 매체
US11029187B2 (en) Fill level reflectometer having a variable measurement sequence
JP5468304B2 (ja) レーダ装置
JP5851752B2 (ja) 信号処理装置、レーダ装置、および、信号処理方法
JP6303547B2 (ja) 距離測定装置
JP2006220624A (ja) Fmcwレーダ装置
KR20130051694A (ko) Fmcw 레이더의 거리 정밀 측정방법 및 그 장치
JP6164918B2 (ja) レーダ装置
US20230236152A1 (en) Acoustic resonance fluid flow measurement device and method
CN110488272B (zh) 一种基于调频连续波雷达的测速测距方法及装置
JP2015148577A (ja) 電波センサおよび検知方法
US11422248B2 (en) Signal processing device, signal processing method, and signal processing program
JPH11271428A (ja) Fm−cwレーダ装置
JP6303813B2 (ja) 周波数変動信号解析装置
CN107390210A (zh) 一种物位测量中差拍信号的数字处理方法
US10145719B2 (en) Echo curve determination at a resolution that differs on area-by-area basis
JP2000266863A (ja) 短波海洋レーダによる波浪方向スペクトル抽出法
JPWO2012056791A1 (ja) 距離測定装置
JP6696639B2 (ja) 周波数測定器、周波数測定方法及び周波数測定プログラム
CN108195443B (zh) 水位测量方法、系统及设备
JP7324859B2 (ja) 処理装置
JP2012112874A (ja) レーダ装置
Klimov et al. Spectral method for processing signals of a high-accuracy laser radar
RU2567866C2 (ru) Способ измерения расстояния от излучателя до контролируемого объекта на основе чм локатора
JP7164424B2 (ja) 水深計測装置及び水深計測プログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160804

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170731

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170829

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170919

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180219

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6303547

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250