JP2003185737A - 信号分析装置、および方法 - Google Patents

信号分析装置、および方法

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JP2003185737A
JP2003185737A JP2001380087A JP2001380087A JP2003185737A JP 2003185737 A JP2003185737 A JP 2003185737A JP 2001380087 A JP2001380087 A JP 2001380087A JP 2001380087 A JP2001380087 A JP 2001380087A JP 2003185737 A JP2003185737 A JP 2003185737A
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Toshio Endo
利生 遠藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複数の周波数の波が混合された信号から各波の
周波数、振幅、位相を高分解能、高精度で抽出する。 【解決手段】信号分析装置であり、1以上の波動を含む
信号を読み込む手段と、上記信号の周波数スペクトルを
算出する手段と、上記周波数スペクトルにおいて周波数
を走査し、隣接する周波数に対してスペクトル値の符号
が変化する、そのような1対の隣接周波数を探索する手
段と、上記探索された隣接周波数に基づいて、上記信号
に含まれる波動の周波数、振幅および位相を算出する手
段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の周波数の波
が混合された信号から各波の周波数、振幅、位相を抽出
する方式に関し、特に、FM −CWレーダのビート信
号の分析に適する。
【0002】
【従来の技術】信号処理に関連する様々な分野で、複数
の周波数の波が混合された信号から各波の周波数を抽出
する処理が行なわれている。一例として、音響信号の解
析を行ない音の分離を行なう処理や、FM −CW (Fr
equencyModulation-ContinuousWave; 周波数変調連続
波)レーダのビート信号の分析を行ない複数物体の距
離、速度を検出する処理が挙げられる。
【0003】このような周波数分析処理において最もよ
く用いられている方法が、FFT(Fast Fourier Trans
-form) によって求められた周波数パワースペクトルの
ピークを算出する方法である。この方法は、小メモリで
高速処理が可能であるが、以下の問題がある。 (1)得られる周波数の算出値が低精度である。 (2)近接する周波数を分離する分解能が高くない。 (3)波の振幅が精度よく求められない。
【0004】他の周波数分析法として、最大エントロピ
ー法がある。この方法は比較的高精度に周波数を求める
ことができ、高い分解能を持つ利点があるが、波の振幅
が精度よく求められないという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来の技術の問題点に鑑みてなされたものである。すなわ
ち、本発明の目的は、複数の周波数の波が混合された信
号から各波の周波数、振幅、位相を高分解能、高精度で
抽出することを可能とすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために、以下の手段を採用した。すなわち、本発明
は、信号分析装置であり、1以上の波動を含む信号を読
み込む手段と、上記信号の周波数スペクトルを算出する
手段と、上記周波数スペクトルにおいて周波数を走査
し、隣接する周波数に対してスペクトル値の符号が変化
する、そのような1対の隣接周波数を探索する手段と、
上記探索された隣接周波数に基づいて、上記信号に含ま
れる波動の周波数、振幅および位相を算出する手段とを
備えるものである。
【0007】ここで、周波数スペクトルを算出する手段
は、例えば、FFTを実行するプログラムや装置であ
る。また、上記隣接周波数は、上記信号の周波数スペク
トルの実部または虚部において、スペクトル値の符号が
反転するような2つの周波数をいう。
【0008】このように、本信号分析装置は、信号が含
む波動の周波数の近傍で、周波数スペクトルの実部、ま
たは虚部の符号が反転する性質を利用する。したがっ
て、信号に含まれる周波数を容易に識別できる。
【0009】好ましくは、上記信号分析装置は、算出さ
れた周波数、振幅および位相から構成される信号と上記
読み込んだ信号との誤差が減少する方向に算出された周
波数、振幅または位相を修正する手段をさらに備えても
よい。これにより、算出された周波数、振幅または位相
の精度を向上できる。
【0010】また、本発明は、信号分析装置であり、1
以上の波動を含む信号を読み込む手段と、前記信号に含
まれる周波数、振幅または位相を概算する手段と、概算
された周波数、振幅または位相を有する信号と前記読み
込んだ信号との誤差が減少する方向に概算された周波
数、振幅および位相を修正する手段とを備えるものでも
よい。
【0011】本信号分析装置によれば、周波数、振幅ま
たは位相の概算値から、信号に含まれる波動の周波数、
振幅または位相を高い精度で求めることができる。
【0012】好ましくは、上記信号分析装置は、第1の
信号から特定される複数の波動と、第2の信号から特定
される複数の波動との対応関係を決定する手段をさらに
備えるものでもよい。このように、本信号分析装置によ
れば、複数の波動を含む2つの信号の間で、各波動の対
応関係を特定できる。各波動の対応関係は、例えば、各
波動の周波数、振幅または位相から特定すればよい。
【0013】本発明の上記いずれかの構成要素をコンピ
ュータのプログラムとして実現してもよい。すなわち、
本発明は、コンピュータに上記いずれかの処理を実行さ
せる方法であってもよい。また、本発明は、コンピュー
タに、以上のいずれかの機能を実現させるプログラムで
あってもよい。また、本発明は、そのようなプログラム
をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録したもの
でもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
から図11の図面に基づいて説明する。
【0015】図1は、2つの波の周波数が比較的離れて
いる周波数スペクトルのパワーの例であり、図2は、2
つの波の周波数が近接している周波数スペクトルのパワ
ーの例であり、図3は、周波数の僅かな違いによるパワ
ーの変動を示す図であり、図4は、周波数スペクトルの
実部と虚部の分布を示す図であり、図5は、複数の時系
列信号に含まれる波が対応している場合を示す図であ
り、図6は、周波数変調された変調波のパラメータを説
明する図であり、図7は、実施例1に係る周波数分析装
置の装置構成図であり、図8は、実施例1に係る周波数
分析装置の処理を示す流れ図であり、図9は、実施例2
に係る周波数分析装置の装置構成図であり、図10は、
実施例2に係る周波数分析装置の処理を示す流れ図であ
り、図11は、実施例3に係る解析析装置の装置構成図
であり、図12は、実施例3に係る解析装置の処理を示
す流れ図である。
【0016】《周波数分析の原理》 <従来の方法>複数の周波数の波が混合された離散的な
時系列信号に対してFFTを用いて周波数分析を行なう
場合について検討する。周波数分析を行なう代表的な従
来法として、周波数スペクトルのパワー(実部と虚部の
2 乗和)のピークを求める方法が知られている。しか
し、この方法には以下の問題がある.すなわち、周波数
スペクトルのパワーのピークでは、近接する2つの周波
数の間の谷があまり深くならないので、周波数が近づく
につれピーク間の谷が消失する。したがって、このよう
な場合、パワーのピークを求める従来法では2つの周波
数の分離ができない。
【0017】図1および図2により、そのような周波数
スペクトルのパワーの例(横軸が周波数、縦軸が各周波
数におけるパワー)を示す。図1は2つの波の周波数が
比較的離れている場合、図2は2つの波の周波数が近接
している場合における周波数スペクトルのパワーの例で
ある。
【0018】図2のように、2つの波の周波数が近接す
ると、パワーのピークの間の谷が消失し、周波数スペク
トルは、1つのピークに重なり合い、周波数を識別する
ことが困難になる。この現象は、2つの波の振幅が大き
く違う場合や、雑音が比較的大きい場合にはより一層顕
著になる。
【0019】また、FFTのような離散フーリエ変換で
は、同レベルの振幅を持つ波を変換した場合であって
も、周波数の僅かな違いによって、得られるパワーのピ
ーク値は、大きく変動する。
【0020】図3に、周波数の僅かな違いによるパワー
スペクトルの変動の例を示す。図3には、3種類の周波
数スペクトルのパワーが表示されている。スペクトル1
00は、信号の測定時間内に16個の波数を含む信号
(測定時間が1秒のとき、16Hzの信号に相当)に対
するFFTの結果である。また、スペクトル101は、
信号の測定時間内に16.3個の波数を含む信号に対す
るFFTの結果である。また、スペクトル102は、信
号の測定時間内に16.5個の波数を含む信号に対する
FFTの結果である。
【0021】図3のスペクトル100のように、FFT
のような離散フーリエ変換では、信号の測定時間内に整
数個の波数が含まれる信号は、鋭いピークの周波数スペ
クトルとなる。しかし、スペクトル101あるいは10
2のように、波数が整数からずれるにつれ、スペクトル
のピークが大きく減少する。
【0022】このように、パワーのピーク値は、信号の
周波数の変動により大きく変動するので、パワーのピー
ク値から波の振幅を精度よく求めることができない場合
が多い。さらに、離散フーリエ変換では、周波数は離散
的であり、必ずしもスペクトルのピークを取る周波数が
得られるとは限らないので、算出される周波数の精度が
低いという問題もある。
【0023】<本システム原理>これらの問題を解決す
るため,周波数スペクトルのパワーではなく、実部、虚
部それぞれの値の分布に注目する。以下で示すように,
単一周波数の波に対して、周波数スペクトルの実部、虚
部は、それぞれ近似的には1次分数関数cr/(f -f1),ci
/(f - f1) の形で表すことができる。ただし,f はスペ
クトルの周波数(横軸の変数)、f1 は波の周波数、cr,
ci は実数である。以下にこの近似式の導出手順を示
す。
【0024】今、単一周波数f1の波をxt = λcos(2π
f1t/n + φ)(t = 0,...,n-1)で表す。ここで、nは、こ
の波を測定したデータ点数である。また、周波数の単位
は測定時間の逆数に取っている。
【0025】この場合、測定時間がちょうど1周期に対
応する、そのような波の周波数を1とする。また、測定
時間内にN個の波数が存在する、そのような波の周波数
はNとなる。
【0026】また、λは波の振幅、φは波の位相であ
る。FFT は、各周波数f(f = 0,...,n-1) に対して下
記の数1で定義されるyf を計算する。ただし、i は虚
数単位である。
【0027】
【数1】 この式に、上記xtの定義式を代入すると、yf が求めら
れる.yf の実部Re(yf )と虚部Im(yf ) はそれぞれ下記
の数2で表される。
【0028】
【数2】 fがf1 に近い場合には、1/sin(π(f1 - f)/n) の絶対値
が最も大きくなり,他の項は無視できるので以下の近似
式(数3)が成立する。ただし、δf1はf1の小数部分を
表す。
【0029】
【数3】 したがって,周波数スペクトルの実部Re(yf)、虚部Im(y
f) は、それぞれ近似的には1次分数関数cr/(f - f1),c
i/(f - f1)の形で表すことができる。cr, ci は波の振
幅λ、位相δと以下の関係にある.
【0030】
【数4】 cr = -λ・n・sin(πδf1) cos(πδf1 + φ)/2π ci = -λ・n・sin(πδf1) sin(πδf1 + φ)/2π 明らかに,f = f1 の近傍で周波数スペクトルの実部、
虚部の値は大きく変化して符号反転する。したがって、
周波数fを走査し、周波数スペクトルの実部の値、また
は虚部の値が大きく変化して符号反転する2つの隣接す
る周波数を求めることで、波の周波数を特定できる。こ
の場合、ピークではなく、2点間でスペクトルの符号が
反転するような2つの周波数を選択すればよい。したが
って、そのような点がピークに一致しなければ精度が低
くなるという問題は解消される。
【0031】さらに、2以上の近接した周波数の波が混
合された信号であっても、スペクトルの値が大きく変化
し、符号が反転するという性質から、2つの周波数の識
別が容易になる。すなわち、信号に含まれる近接した2
つの周波数を分離し、各周波数の信号を求めることがで
きる。
【0032】図4に、図2と同一の信号の周波数スペク
トルの実部と虚部の分布を示す。図4において、実線
は、実部のスペクトルであり、点線が虚部に対するスペ
クトルである。また、このスペクトルは、ピーク110
からピーク111への符号の反転を含む変化部分と、ピ
ーク112からピーク113への符号の反転を含む変化
部分を有している。
【0033】このピーク110からピーク111への変
化部分により第1の周波数の波を特定できる。また、ピ
ーク112からピーク113への変化部分により第2の
周波数の波を特定できる。したがって、実部と虚部を分
離したスペクトルでは、近接する周波数の波が混合され
た信号についても、明確に2つの周波数の波に分離でき
ることが分かる。
【0034】さらに、値が大きく変化する箇所に対し
て、その変化の前後の値を用いることで波の周波数f1、
振幅λ、位相φを以下のように求めることができる。す
なわち、f = a、 f = a +1 において実部の値がra、 r
a+1 であり、その間で値が大きく変化して符号反転する
データが得られたと仮定する。
【0035】このとき、raとra+1とは、ピーク値である
必要はなく、aとa+1とが符号の反転箇所の前後の位
置に存在すればよい。したがって、aおよびa+1とし
ては、整数の周波数を考慮すればよい。その場合でも、
以下のように、周波数f1を小数点以下の値まで求めるこ
とができる。
【0036】このとき、他の波の影響を無視すれば以下
の関係式が成り立つ。
【0037】
【数5】 ra = cr/(a - f1) ra+1 = cr/(a + 1 - f1) これはf1、 cr についての方程式である。この方程式の
解は以下のように表される。
【0038】
【数6】 f1 = (ara - (a + 1)ra+1)/(ra - ra+1) cr = rara+1/(ra - ra+1) 虚数部も同様に計算でき、ci を求めることができる。f
1、 cr、 ci と振幅λ、位相φは上述の数4の関係があ
るので、これを利用して振幅λ、位相φを求めることが
できる。なお、隣接する波の影響を考慮した方程式を用
いれば、より高精度な算出が可能になる。
【0039】以上の手順の処理の流れをまとめると以下
のようになる。 (1)初期化 各波の周波数、振幅、位相を記憶する領域を用意する。 (2)スペクトル算出 FFT 等により時系列データの周波数スペクトルを算
出する。 (3)周波数の選択 例えば、測定時間の逆数を単位として、整数値の周波数
を1つ選択する。選択方法としては、例えば周波数の大
きさの順あるいは隣接するレベルとの差が大きい順が考
えられる。 (4)周波数の走査と周波数の判定 周波数スペクトルの実部あるいは虚部に対して、上記
(3)で選択した周波数と隣接する周波数におけるスペ
クトル値の差が所定値より大きく、かつ、スペクトル値
の符号が反転しているかどうかを判定する。所定値とは
例えば固定した閾値である。
【0040】符号反転は、雑音レベル程度の幅を持たせ
て判定する。差が十分大きく、符号が反転している場合
には、パラメータ算出を行なう。そうでない場合には、
次の隣接する周波数値を選択する。隣接する周波数が残
されていない場合には、処理を終了する。 (5)パラメータ算出 隣接する周波数におけるスペクトルの値を用いて、周波
数、振幅、位相を算出する。結果を格納して、次の周波
数を選択し、上記(4)の処理を繰り返す。次の周波数
が残されていない場合には処理を終了する。
【0041】<周波数、振幅、位相の改良>ここでは、
1次分数関数による近似式にしたがい得られた(推定さ
れた)各波の周波数f1、振幅λ、位相φを改良する方法
について述べる。得られた波の数をmとし、k番目(k=
1,...,m) の波の周波数をfk, 振幅をλk, 位相をφkで
表す。観測された時系列信号をx(t)(t = 0,...,n-1) 、
周波数スペクトルをyj (j = 0,...,n-1) とする。ま
た、実部をy(r)j、虚部をy(i)j とする。すなわち、yj
= y(r )j + i・y(i)j である。ここで、i は虚数単位で
ある。
【0042】観測された時系列信号と上記手順で得られ
た波から予測される時系列信号の誤差を小さくするよう
に、各波の周波数、振幅、位相を修正することで、これ
らの推定精度が向上することが期待される。観測された
時系列信号との誤差は、例えば下記の数7で定義する。
【0043】
【数7】 時系列信号との誤差を直接最小化する代わりに、周波数
スペクトルでの誤差を最小化する方法も考えられる。こ
の場合、単一周波数に対する周波数スペクトルを1次分
数関数で近似すれば、以下に示す数8の最小化に帰着す
る。
【0044】
【数8】 ただし,ck は複素数である。ck の実部と虚部から、振
幅および位相が求められる。これら、数7または数8の
評価関数最小化処理は、例えば以下の方法で行なう。 (1)初期化 各波の周波数、振幅、位相を保持する領域を用意し、上
述の<本システム原理>によって得られた値を設定す
る。 (2)微小変化 各波の周波数、振幅、位相をランダムに微小変化させ、
対応する評価関数の値を算出する。 (3)評価関数の値が減少した場合には、微小変化後の
値に変更して、再度、微小変化を行なう。評価関数の値
が増加した場合には、微小変化前の値に戻して、再度微
小変化を行なう。評価関数の値が変化しない場合には、
終了する。
【0045】評価関数の最小化処理として、その他にも
様々な方法がありうるが、本発明の実施がこのような評
価関数の最小化処理そのものには限定されない。なお、
本項(<周波数、振幅、位相の改良>)で述べた周波
数、振幅、位相の改良方式は、他の周波数分析法と併用
してもよい。
【0046】例えば、周波数だけが大まかに求められ、
振幅や位相が求められなような方式と組み合わせる場合
には、得られた周波数aとその周波数に隣接する周波数
a+1、および周波数スペクトル上の値raとra+1から
数6のcr(および虚部に対するci)から数4の関係式を
用いて振幅や位相の初期値を算出する。そして、上記
(1)から(3)の手順により、その振幅や位相を修正
すればよい。また、振幅や位相として任意に選択した初
期値を用い、上記(1)から(3)の手順により修正を
繰り返してもよい。周波数以外の振幅や位相だけが求め
られた場合も同様である。
【0047】<複数の時系列データの対応付け>複数の
周波数の波が混合された離散的な時系列信号から、各波
の周波数、振幅、位相を高精度高分解能で求める方法は
前節で述べた通りである。各波の振幅や位相が直接必要
とされる利用分野においては、算出された値がそのまま
利用される。なお、例えば、各波の周波数のみ必要とさ
れ、各波の振幅や位相が直接必要とされない利用分野で
あっても、本方法を複数の時系列データの対応付けに使
用してもよい。
【0048】複数の周波数の波が混合された離散的な時
系列信号が複数組与えられ、各時系列信号間には所定の
対応関係がある状況を考える。具体的には、時系列信号
に含まれる波が全時系列信号で対応していると仮定でき
る場合である。図5に、N点からなる時系列信号が複数
個得られ、各時系列信号に含まれる波が全時系列信号に
ついて対応している場合を図示する。
【0049】図5では、例えば、時系列信号1はN点の
離散データからなり、その信号は、波1、波2等を含ん
でいることを示している。また、時系列信号2もN点の
離散データからなり、その信号は、時系列信号1に含ま
れる波に対応する波1、波2等を含んでいることを示し
ている。
【0050】そして、以下では、対応する波が全時系列
信号において同一の振幅を持つと考えられる場合を例と
して、波の対応付けを行なう方法を述べる。基本的に
は、対応する波の振幅差が最も小さくなるような対応を
探索する処理である。例えば,以下のように手順により
そのような探索を実行できる。 (1)初期化 すべての時系列信号(図5の時系列信号1、時系列信号
2等)の各々に対して周波数分析を行ない、周波数、振
幅、位相を算出する。各時系列信号において各波に初期
ラベル(番号)を与える。初期ラベルは、例えば振幅の
小さい順に1、2,...と付与する。 (2)対応誤差計算 同一のラベルを持つ波の振幅のばらつきを求める。ばら
つきの尺度としては,例えば分散を使用する。 (3)ラベル更新 時系列信号を1つランダムに選択する。それに含まれる
2つの波をランダムに選択し、両者のラベルを入れ換え
る。 (4)判定 再度、同一のラベルを持つ波の振幅のばらつきを求め
る。ラベル更新によってばらつきが増加した場合には、
入れ換える前の状態に戻して、再度、ラベル更新を行な
う。ばらつきが減少した場合には、入れ換えた後の状態
に対して、再度、ラベル更新を行なう。ばらつきの変化
が所定値以下の場合には処理を終了する。
【0051】なお、本発明の実施は、このような波の対
応付け処理の手順そのものに限定されるものではない。
【0052】《FM −CWレーダへの適用》本発明が
特に適する利用分野は、FM −CWレーダのビート信
号の分析である。以下、FM −CWレーダに関して簡
単に解説する。
【0053】このレーダは、三角波で周波数変調された
電波を目標物へ送出し、その目標物で反射された電波を
受信し、送信波と受信波のビート信号を生成し、そのビ
ート信号の周波数を分析することによって目標物までの
相対距離と相対速度を同時に測定するものである。
【0054】目標物が複数存在する場合には、個々の物
体に対応した反射波が発生するので、周波数分析によっ
て、各物体の相対距離と相対速度を同時に検出可能であ
る。このような特性を持つため、近年では車載レーダと
して使用されている。
【0055】目標物までの相対距離と相対速度検出の原
理は以下の通りである。最初に目標物との相対速度がな
い場合を考察する。変調波が受信されるまでには、相対
距離に応じた伝搬時間を必要とする。
【0056】したがって、変調波の周波数が上昇区間に
ある場合、送信波の周波数と比較して受信波の周波数は
伝搬時間分だけ低くなる。この差をfupとする。変調波
の周波数が下降区間にある場合には、逆に受信波の周波
数は高くなる。この差をfdown とすると、上昇区間の三
角波の傾きと下降区間の三角波の傾きとが等しい場合、
fup = fdown が成り立つ。
【0057】目標物との相対速度がある場合には、反射
波にはドップラシフトによる周波数変動が重畳される。
目標物が接近している場合には周波数は高く、遠ざかっ
ている場合には低くなる。周波数fup、fdown と物体の
相対距離rと相対速度vの関係は以下の通りに表される。
【0058】
【数9】 ただし、相対速度は遠ざかる方を正とした。また、f0は
変調波の中心周波数、fmは変調周波数、δf は変調幅、
c は光速度である。図6に、これらのパラメータの関係
を示す。図6は、三角波で周波数変調された変調波の周
波数と時間の関係を図示したものである。変調波は、1/
fmの周期で、中心周波数f0を中心にδfの範囲で周波数
変調を受けている。
【0059】数9より、各目標物に対応するfup, fdown
が求められれば、目標物の相対距離rと相対速度vを求
めることができる。ただし、目標物が複数存在する場合
には、周波数上昇区間におけるどの周波数が周波数下降
区間におけるどの周波数と対応するかを定める必要があ
る。
【0060】この対応付けを行なう従来手法の1つが、
特許第2765767号で開示されている。これは、周波数ス
ペクトルのレベルがほぼ同一の周波数が同一の目標物に
よるものと判定する方式である。すでに説明したよう
に、離散フーリエ変換においては、周波数スペクトルの
(パワーあるいは実部、虚部)レベルは信号源の周波数
の僅かな変動により大きく変動するため(図3を参
照)、この値の同一性で対応付けを行なうことは適切と
はいえない。
【0061】一方、目標物の反射波の強さは短時間では
それほど変化しないことが期待される。そして、上述の
方法(<本システムの原理><周波数、振幅、位相の改
良>)によって各波の振幅λが求められるので、周波数
上昇区間と周波数下降区間で振幅λがほぼ等しい波が同
一の目標物に対応すると判定することができる。
【0062】なお、FFT により得られる周波数スペ
クトルのパワーピークを求める方式よりも高い分解能を
持つ方式として、ビート信号に最大エントロピー法を適
用して周波数スペクトルを求めてそのピークを検出する
方式がある(特開平5-297121)。しかし、最大エントロ
ピー法で得られる周波数スペクトルのピークレベルは、
目標物の配置に強い影響を受けるため、対応付けに使用
することは困難である。
【0063】そこで、最大エントロピー法で得られる周
波数を初期値として用い、振幅として適当な初期値を設
定し、上記<周波数、振幅、位相の改良>で述べた方式
によって各波の振幅を修正し、正確な値を求めれば、対
応付けを行なうことが可能となる。このように、従来の
技術と、本実施の形態で説明した方法とを組み合わせて
もよい。
【0064】《実施例1》以下、図7および図8によ
り、本発明の実施例1に係る周波数分析装置を説明す
る。図7は、本周波数分析装置の装置構成図であり、図
8は,本周波数分析装置における周波数分析の処理を示
す流れ図である。この周波数分析装置は、FM−CWレ
ーダ等のビート信号の分析を行ない、各波の周波数、振
幅、位相を求める。
【0065】図7のように、この周波数分析装置は、ビ
ート信号を読み込む入力部1と、読み込まれたビート信
号を周波数スペクトルに変換するスペクトル算出部2
と、算出された周波数スペクトルの実部または虚部から
ビート信号に含まれる波の周波数、振幅および位相等の
パラメータを算出するパラメータ算出部3と、算出され
た波のパラメータを出力する出力部4とからなる。
【0066】これらの各構成要素は、CPU上のプログ
ラムにより実現できる。ただし、図7の構成要素を単一
のCPU上で実現する必要はない。例えば、入力部1と
スペクトル算出部2を他のプロセッサ、例えばDSP
(Digital Signal Processor)上のプログラムにより実
現し、パラメータ算出部3と出力部4を汎用のマイクロ
プロセッサ上のプログラムとして実現してもよい。
【0067】ここで、汎用のマイクロプロセッサとして
は、例えば、パーソナルコンピュータを利用してもよ
い。また、すべての構成要素を単一のCPU、例えば、
パーソナルコンピュータ上のプログラムとして構成して
もよい。
【0068】また、入力部1とスペクトル算出部2を専
用の演算回路、例えば、積和演算を含むFFTを実行す
る専用LSIで構成してもよい。いずれにしても、この
ような構成要素そのものは現在広く知られているのでそ
の説明を省略する。
【0069】図7において、周波数分析装置の入力部1
に入力されるビート信号は、FM−CWレーダの検出信
号(対象物からの反射波と信号源の信号とのビート信
号)として得ることができる。また、出力部5から出力
される周波数、振幅、および位相は、FM −CWレー
ダの解析を実行する処理装置に出力され、対象物との距
離測定、対象物の速度測定等に利用される。
【0070】図8に、この周波数分析装置の処理手順を
示す。この周波数分析装置は、FM−CWレーダのビー
ト信号の分析を行ない、各波の周波数f1、振幅λ、位
相φを求める。以下、その処理の流れを説明する。
【0071】まず、入力部1がビート信号を読み込む
(S1)。次に、スペクトル算出部2がFFT により
ビート信号の周波数スペクトルyfを算出する(S
2)。
【0072】次に、パラメータ算出部3が各波の周波数
f1、振幅λ、位相φを算出する(S3)。この処理
は、《周波数分析の原理》の<本システム原理>で説明
した手順(1)〜(5)をCPU上のプログラムとして
実現したものである。すなわち、周波数スペクトルyf
の実部または虚部の値の変化量が所定値以上であって、
符号が反転する、そのような隣接する2点の周波数を数
5および数6の関係に適用し、数6の周波数f1、cr
(および虚数部のci)を算出する。そして、求めたf
1、cr、およびciを数4に適用し、振幅λ、位相φ
を算出する。最後に、出力部4が算出された周波数f
1、振幅λ、位相φを出力する(S5)。
【0073】以上述べたように、本実施例の周波数分析
装置によれば、周波数スペクトルの実部または虚部の値
の変化量が所定値以上であって、符号が反転する、その
ような隣接する2点の周波数スペクトルから周波数分析
がされ、波のパラメータ(f1、λ、φ)が決定され
る。この場合、パワーの周波数スペクトルのピークから
周波数を特定する方法のように、周波数がパワーのピー
ク値に一致しなければならないような制限は生じない。
すなわち、離散的な周波数の集合から精度よく分析対象
の信号周波数を特定できる。
【0074】したがって、パワーの周波数スペクトルに
よる方法と比較して精度の高い分析結果を得ることがで
きる。また、最大エントロピー法と比較して、波の振幅
を精度よく算出できる。
【0075】《実施例2》以下、図9および図10によ
り、本発明の実施例2に係る周波数分析装置を説明す
る。図9は、本周波数分析装置の装置構成図であり、図
10は、本周波数分析装置における周波数分析の処理を
示す流れ図である。
【0076】上記実施例1では、ビート信号を入力し、
ビート信号に含まれる波の周波数、振幅および位相を出
力する周波数分析装置について説明した。本実施例で
は、そのような周波数分析装置に、さらに、算出された
パラメータの精度を向上させるパラメータ改良部5を含
む例を説明する。他の構成および作用は実施例1と同様
である。そこで、同一の構成要素については同一の符号
を付してその説明を省略する。
【0077】図9のように、この周波数分析装置は、実
施例1の構成に加えて、さらに、パラメータ改良部5を
有している。このパラメータ改良部5は、《周波数分析
の原理》の<周波数、振幅、位相の改良>で述べた処理
を実行するCPU上のプログラムとして実現できる。
【0078】このパラメータ改良部5は、パラメータ算
出部3が実装されるプロセッサと同一のプロセッサ上に
実現してもよいし、そのプロセッサとは異なるプロセッ
サ上に実現してもよい。
【0079】図10は、この周波数分析装置の処理の流
れ図である。この流れ図のS1〜S3の処理は実施例1
(図8)と同様である。本周波数分析装置では、周波
数、振幅および位相を算出後(S3)、パラメータ改良
部5が各波の周波数、振幅、位相を改良する(S4)。
この手順は、<周波数、振幅、位相の改良>で述べた
(1)〜(3)をコンピュータ上のプログラムとして実
現したものである。すなわち、周波数分析装置は、算出
した各波(k=0,...,n−1)の周波数fk、振
幅λk、位相φkをランダムに微小変化させ、対応する
評価関数の値(数7)を算出する。そして、評価関数の
値が減少した場合には、微小変化後の値に変更して、再
度、微小変化を行なう。また、評価関数の値が増加した
場合には、微小変化前の値に戻して、再度微小変化を行
なう。このような処理を繰り返した後、評価関数の値の
変化が所定値以内(または未満)の場合には、周波数分
析装置は、S4の処理を終了する。最後に、出力部4が
改良された周波数fk、振幅λk、および位相φkを出
力する(S5)。
【0080】以上述べたように、本実施例の周波数分析
装置では、算出した各波の周波数、振幅、位相をランダ
ムに微小変化させ、対応する評価関数の値を算出し、そ
の評価結果である誤差が低減する方向に周波数、振幅、
および位相を修正する。これによって、実施例1の場合
に比較してさらに精度よく波の周波数、振幅、および位
相を求めることができる。
【0081】なお、上記では、各波の周波数fk、振幅
λk、位相φkを数7に基づいて評価した。しかし、こ
れに替えて、数8に示した周波数スペクトルに対する評
価式を用い、各波の周波数fkと複素係数ckを修正し
てもよい。
【0082】《実施例3》以下、図11および図12に
より、本発明の実施例3に係るFM −CWレーダの解
析装置を説明する。図11は、本解析装置の装置構成図
であり、図12は、本周波数分析装置における周波数分
析の処理を示す流れ図である。
【0083】上記実施例1では、FM −CWレーダの
ビート信号を入力し、ビート信号に含まれる波の周波
数、振幅および位相を出力する周波数分析装置について
説明した。本実施例では、そのような周波数分析装置
に、さらに、算出されたパラメータからFM −CWレ
ーダの測定対象の距離および速度を算出する解析装置の
例を説明する。すなわち、この解析装置は、FM −C
Wレーダのビート信号の分析を行ない、周波数上昇区間
と周波数下降区間との対応付けを行ない、各物体の相対
距離と相対速度を出力する。他の構成および作用は実施
例1と同様である。そこで、同一の構成要素については
同一の符号を付してその説明を省略する。
【0084】図11のように、この解析装置は、実施例
1の構成に加えて、さらに、対応決定部6および距離速
度算出部7を有している。この対応決定部6は、《周波
数分析の原理》の<複数の時系列データの対応付け>で
述べた(1)〜(4)の手順を実行するCPU上のプロ
グラムとして実現できる。また、距離速度算出部7は、
《FM −CWレーダへの適用》で数9を算出するCP
U上のプログラムとして実現できる。
【0085】この対応決定部6、および距離速度算出部
7は、パラメータ算出部3が実装されるプロセッサと同
一のプロセッサ上に実現してもよいし、そのプロセッサ
とは異なるプロセッサ上に実現してもよい。また、対応
決定部6、および距離速度算出部7を同一のプロセッサ
上に実現してもよいし、異なるプロセッサ上に実現して
もよい。
【0086】図12は、この周波数分析装置の処理の流
れ図である。まず、入力部1が周波数上昇区間と周波数
下降区間のビート信号を読み込む(S1)。次に、スペ
クトル算出部2がFFT 等によりビート信号の周波数
スペクトルを算出する(S2)。次に、パラメータ算出
部3が各波の周波数、振幅、位相を算出する(S3)。
この場合、周波数上昇区間において得られる周波数、振
幅、および位相をfupk、λupk、およびφupkとす
る。一方、周波数下降区間において得られる周波数、振
幅、および位相をfdownk、λdownk、およびφdown
とする。
【0087】次に、対応決定部6が振幅(λupkとλ
downk)ができるだけ一致するように周波数上昇区間と
周波数下降区間の各波の対応付けを行なう(S6)。そ
して、距離速度算出部7が対応付けられた周波数(fup
kとfdownk)から、数9にしたがい、各物体の相対距
離と相対速度を算出する(S7)。最後に、出力部4が
算出された各物体の相対距離rと相対速度vを出力する
(S8)。
【0088】以上述べたように、本実施例の分析装置に
よれば,複数の周波数の波が混合された信号から各波の
周波数、振幅、位相を高分解能、高精度で抽出すること
を可能となる。また、周波数上昇区間において検出され
た複数の波(複数の対象物から反射されたもの、上記f
upk、λupk、およびφupkで特定)と、波数下降区間
において検出された複数の波(同様に、複数の対象物か
ら反射されたもの、上記fdownk、λdownk、およびφ
downkで特定)の振幅等が一致するように、波の対応付
けを行なうことが可能となる。したがって、本解析装置
によれば、FM−CWレーダの測定精度を向上できる。
【0089】《コンピュータ読み取り可能な記録媒体》
コンピュータに上記いずれかの機能を実現させるプログ
ラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録する
ことができる。そして、コンピュータに、この記録媒体
のプログラムを読み込ませて実行させることにより、そ
の機能を提供させることができる。
【0090】ここで、コンピュータ読み取り可能な記録
媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気
的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積
し、コンピュータから読み取ることができる記録媒体を
いう。このような記録媒体の内コンピュータから取り外
し可能なものとしては、例えばフロッピー(登録商標)
ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R/W、DVD、DA
T、8mmテープ、メモリカード等がある。
【0091】また、コンピュータに固定された記録媒体
としてハードディスクやROM(リードオンリーメモ
リ)等がある。 《搬送波に具現化されたデータ通信信号》また、上記プ
ログラムは、コンピュータのハードディスクやメモリに
格納し、通信媒体を通じて他のコンピュータに配布する
ことができる。この場合、プログラムは、搬送波によっ
て具現化されたデータ通信信号として、通信媒体を伝送
される。そして、その配布を受けたコンピュータに上記
機能を提供させることができる。
【0092】ここで通信媒体としては、有線通信媒体、
例えば、同軸ケーブルおよびツイストペアケーブルを含
む金属ケーブル類、光通信ケーブル等、または、無線通
信媒体例えば、衛星通信、地上波無線通信等のいずれで
もよい。
【0093】また、搬送波は、データ通信信号を変調す
るための電磁波または光である。ただし、搬送波は、直
流信号でもよい。この場合、データ通信信号は、搬送波
がないベースバンド波形になる。したがって、搬送波に
具現化されたデータ通信信号は、変調されたブロードバ
ンド信号と変調されていないベースバンド信号(電圧0
の直流信号を搬送波とした場合に相当)のいずれでもよ
い。
【0094】《その他》さらに、本実施の形態は以下の
発明を開示する。 (付記1) 1以上の波動を含む信号を読み込む手段
と、前記信号の周波数スペクトルを算出する手段と、前
記周波数スペクトルにおいて周波数を走査し、隣接する
周波数に対してスペクトル値の符号が変化する、そのよ
うな1対の隣接周波数を探索する手段と、前記探索され
た隣接周波数に基づいて、前記信号に含まれる波動の周
波数、振幅および位相を算出する手段とを備える信号分
析装置。(1) (付記2) 算出された周波数、振幅および位相から構
成される信号と前記読み込んだ信号との誤差が減少する
方向に算出された周波数、振幅または位相を修正する手
段をさらに備える付記1に記載の信号分析装置。(2) (付記3) 1以上の波動を含む信号を読み込む手段
と、前記信号に含まれる周波数、振幅または位相を概算
する手段と、概算された周波数、振幅または位相を有す
る信号と前記読み込んだ信号との誤差が減少する方向に
概算された周波数、振幅または位相を修正する手段とを
備える信号分析装置。(3) (付記4) 第1の信号から特定される複数の波動と、
第2の信号から特定される複数の波動との対応関係を決
定する手段をさらに備える付記1乃至3のいずれか1項
に記載の信号分析装置。(4) (付記5) 信号分析装置が、1以上の波動を含む信号
を読み込むステップと、前記信号の周波数スペクトルを
算出するステップと、前記周波数スペクトルにおいて周
波数を走査し、隣接する周波数に対してスペクトル値の
符号が変化する、そのような1対の隣接周波数を探索す
るステップと、前記探索された隣接周波数に基づいて、
前記信号に含まれる波動の周波数、振幅および位相を算
出するステップとを実行する信号分析方法。(5) (付記6) 算出された周波数、振幅および位相から構
成される信号と前記読み込んだ信号との誤差が減少する
方向に算出された周波数、振幅または位相を修正するス
テップをさらに実行する付記5に記載の信号分析方法。 (付記7) 信号分析装置が、分析対象となる信号を読
み込むステップと、信号に含まれる周波数、振幅または
位相を概算するステップと、概算された周波数、振幅ま
たは位相を有する信号と前記読み込んだ信号との誤差が
減少する方向に概算された周波数、振幅または位相を修
正するステップとを実行する信号分析方法。 (付記8) 信号分析装置が、第1の信号および第2の
信号について、分析対象となるその信号を読み込むステ
ップと、前記信号の周波数スペクトルを算出するステッ
プと、前記周波数スペクトルにおいて周波数を走査し、
隣接する周波数においてスペクトル値の符号が変化す
る、そのような1対の隣接周波数を探索するステップ
と、前記探索された隣接周波数に基づいて、前記信号に
含まれる波動の周波数、振幅および位相を算出するステ
ップとを実行し、さらに、第1の信号から特定される複
数の波動と第2の信号から特定される複数の波動との対
応関係を決定するステップを実行する信号分析方法。 (付記9) 前記第1の信号および第2の信号につい
て、算出された周波数、振幅および位相から構成される
信号と前記読み込んだ信号との誤差が減少する方向に算
出された周波数、振幅または位相を修正するステップを
さらに実行する付記8に記載の信号分析方法。 (付記10) 信号分析装置が、第1の信号および第2
の信号について、分析対象となる信号を読み込むステッ
プと、信号に含まれる周波数、振幅または位相を概算す
るステップと、概算された周波数、振幅または位相を有
する信号と前記読み込んだ信号との誤差が減少する方向
に概算された周波数、振幅または位相を修正するステッ
プとを実行し、さらに、第1の信号から特定される複数
の波動と第2の信号から特定される複数の波動との対応
を決定するステップを実行する信号分析方法。 (付記11) コンピュータに、1以上の波動を含む信
号を読み込むステップと、前記信号の周波数スペクトル
を算出するステップと、前記周波数スペクトルにおいて
周波数を走査し、隣接する周波数に対してスペクトル値
の符号が変化する、そのような1対の隣接周波数を探索
するステップと、前記探索された隣接周波数に基づい
て、前記信号に含まれる波動の周波数、振幅および位相
を算出するステップとを実行させるプログラム。 (付記12) 算出された周波数、振幅および位相から
構成される信号と前記読み込んだ信号との誤差が減少す
る方向に算出された周波数、振幅または位相を修正する
ステップをさらに実行させる付記11に記載のプログラ
ム。 (付記13) コンピュータに、分析対象となる信号を
読み込むステップと、信号に含まれる周波数、振幅また
は位相を概算するステップと、概算された周波数、振幅
または位相を有する信号と前記読み込んだ信号との誤差
が減少する方向に概算された周波数、振幅または位相を
修正するステップとを実行させるプログラム。 (付記14) コンピュータに、第1の信号および第2
の信号について、分析対象となるその信号を読み込むス
テップと、前記信号の周波数スペクトルを算出するステ
ップと、前記周波数スペクトルにおいて周波数を走査
し、隣接する周波数においてスペクトル値の符号が変化
する、そのような1対の隣接周波数を探索するステップ
と、前記探索された隣接周波数に基づいて、前記信号に
含まれる波動の周波数、振幅および位相を算出するステ
ップとを実行させ、さらに、第1の信号から特定される
複数の波動と第2の信号から特定される複数の波動との
対応関係を決定するステップを実行させるプログラム。 (付記15) 前記第1の信号および第2の信号につい
て、算出された周波数、振幅および位相から構成される
信号と前記読み込んだ信号との誤差が減少する方向に算
出された周波数、振幅または位相を修正するステップを
さらに実行させる付記14に記載のプログラム。 (付記16) コンピュータに、第1の信号および第2
の信号について、分析対象となる信号を読み込むステッ
プと、信号に含まれる周波数、振幅または位相を概算す
るステップと、概算された周波数、振幅または位相を有
する信号と前記読み込んだ信号との誤差が減少する方向
に概算された周波数、振幅または位相を修正するステッ
プとを実行させ、さらに、第1の信号から特定される複
数の波動と第2の信号から特定される複数の波動との対
応を決定するステップを実行させるプログラム。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複数の周波数の波が混合された信号から各波の周波数、
振幅、位相を高分解能、高精度で抽出することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 2つの波の周波数が比較的離れている周波数
スペクトルのパワーの例
【図2】 2つの波の周波数が近接している周波数スペ
クトルのパワーの例
【図3】 周波数の僅かな違いによるパワーの変動を示
す図
【図4】 周波数スペクトルの実部と虚部の分布を示す
【図5】 複数の時系列信号に含まれる波が対応してい
る場合を示す図
【図6】 周波数変調された変調波のパラメータを説明
する図
【図7】 実施例1に係る周波数分析装置の装置構成図
【図8】 実施例1に係る周波数分析装置の処理を示す
流れ図
【図9】 実施例2に係る周波数分析装置の装置構成図
【図10】 実施例2に係る周波数分析装置の処理を示
す流れ図
【図11】実施例3に係る解析析装置の装置構成図
【図12】実施例3に係る解析装置の処理を示す流れ図
【符号の説明】
1 入力部 2 スペクトル算出部 3 パラメータ算出部 4 出力部 5 パラメータ改良部 6 対応決定部 7 距離速度算出部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1以上の波動を含む信号を読み込む手段
    と、 前記信号の周波数スペクトルを算出する手段と、 前記周波数スペクトルにおいて周波数を走査し、隣接す
    る周波数に対してスペクトル値の符号が変化する、その
    ような1対の隣接周波数を探索する手段と、 前記探索された隣接周波数に基づいて、前記信号に含ま
    れる波動の周波数、振幅および位相を算出する手段とを
    備える信号分析装置。
  2. 【請求項2】 算出された周波数、振幅および位相から
    構成される信号と前記読み込んだ信号との誤差が減少す
    る方向に算出された周波数、振幅または位相を修正する
    手段をさらに備える請求項1に記載の信号分析装置。
  3. 【請求項3】 1以上の波動を含む信号を読み込む手段
    と、 前記信号に含まれる周波数、振幅または位相を概算する
    手段と、 概算された周波数、振幅または位相を有する信号と前記
    読み込んだ信号との誤差が減少する方向に概算された周
    波数、振幅または位相を修正する手段とを備える信号分
    析装置。
  4. 【請求項4】 第1の信号から特定される複数の波動
    と、第2の信号から特定される複数の波動との対応関係
    を決定する手段をさらに備える請求項1乃至3のいずれ
    か1項に記載の信号分析装置。
  5. 【請求項5】 信号分析装置が、 1以上の波動を含む信号を読み込むステップと、 前記信号の周波数スペクトルを算出するステップと、 前記周波数スペクトルにおいて周波数を走査し、隣接す
    る周波数に対してスペクトル値の符号が変化する、その
    ような1対の隣接周波数を探索するステップと、 前記探索された隣接周波数に基づいて、前記信号に含ま
    れる波動の周波数、振幅および位相を算出するステップ
    とを実行する信号分析方法。
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