以下、図面に基づき、本発明を代表する実施の形態を説明する。
本実施の形態に係る遊技システム1は、図1に示すように、遊技者の保有する遊技価値に基づいて遊技可能な複数の遊技機10,10…と、遊技機10毎に1対1に設けられ、遊技者を特定する情報を入力する端末ユニットとしての複数のカードユニット20,20…と、各カードユニット20ないし各遊技機10と通信可能であり、遊技者の保有する遊技価値を管理する管理制御装置としてのホールコンピュータ80等を備える。
遊技システム1は、さらに、カード管理装置30、カード発行機40、カード精算機50、景品交換装置60、持球管理装置70等を備える。これらは、互いに通信可能に接続されている。以下、順に説明するが、本実施の形態では遊技機10をパチンコ機に適用した場合を例に説明する。なお、遊技機10とカードユニット20とは別体として設けられているが、カードユニット20の全部または一部を遊技機10に内蔵して、遊技機10とカードユニット20の少なくとも一部とが一体となるように構成しても良い。
先ず、遊技機10について説明する。
図2に示す遊技機10は、いわゆる封入式遊技機と称され、遊技媒体である遊技球を機内に所定数(例えば20個)だけ予め封入した状態で、カードユニット20より入力された有価価値情報(貸球度数)に応じた持球数(遊技価値)を基に、封入してある遊技球を発射して遊技を行うパチンコ機である。
このような遊技機10では、所定の発射位置に導かれた遊技球を後述する遊技領域101に発射して遊技を行うことが可能であり、遊技領域101を経た遊技球を回収して前記発射位置に再び導くことにより、遊技球を循環させて使用する。発射された遊技球は、遊技領域101を落下する過程で、各種入賞口に入賞すればセーフ球として回収され、何れの入賞口にも入賞しなければアウト球として回収される。
詳述すれば遊技機10は、遊技機島に対して固定される本体枠11と、本体枠11に対して開閉可能に取り付けられた前面枠12とを備える。前面枠12には、図3に示す遊技盤100の他、遊技盤100の前方を覆うガラス枠13が開閉可能に取り付けられている。ガラス枠13の周囲には、LEDを発光源とする装飾ランプ14、同じくLEDを発光源とする一対のムービングライト15,15、左右一対のスピーカ16,16等が設けられている。
また、前記本体枠11の正面下部には、前方へ斜めに迫り出す台座状の部位が設けられており、この部位に表示パネル200が配設されている。表示パネル200は、遊技機10毎に対応して設けられ、各種情報を表示可能な表示手段を構成するものであり、詳細は後述するが、遊技者の保有する持球数や貸球度数等を表示したり、球貸しや予約、精算等の操作を行うものでもある。表示パネル200の傍らには、遊技者が操作する押ボタン式の演出操作スイッチ17が設けられている。さらに、表示パネル200の向かって右側には、遊技者が遊技球の発射操作を行うハンドル18が設けられている。なお、表示パネル200の下側にも、スピーカ16aが設けられている。
図3に示すように、遊技盤100の前面には、略円形の遊技領域101を区画するガイドレール102が設けられており、発射された遊技球はガイドレール102に沿って遊技領域101の上方へ導かれる。遊技領域101には、遊技球の落下経路に変化を与える数多の遊技釘(図示省略)の他、一般入賞口103〜106、第1始動入賞口107、第2始動入賞口108、センターケース109に収められた表示装置110、変動入賞装置111、普図始動ゲート112、それにアウト球流入口113等が設けられている。なお、第2始動入賞口108は、普通電動役物(普電)とも称され、普通変動入賞装置に相当する。
遊技領域101は、発射された遊技球が上方から落下しつつセーフまたはアウトの判定(入賞したか否かの判定)を行う領域であり、各種入賞口に遊技球が入賞してセーフ球となる場合は、入賞口の種類に応じて予め設定されている所定数の遊技球のデータが賞球として遊技者の持球数に加算される。また、遊技盤100の遊技領域101外側には、一括表示装置114が設けられている。以下、遊技領域101上にある主な構成要素について順次詳しく説明する。
各始動入賞口107,108は、後述する特図(特別図柄)の始動入賞口として機能する入賞口であり、本実施の形態では、図3に示すように上下に並んで配設されている。上側の第1始動入賞口107は常に開口しているが、下側の第2始動入賞口108は開閉可能に構成されている。すなわち、第2始動入賞口108は、左右一対の開閉部材108a,108aを備え、各開閉部材108aが両側に開くと入賞可能になり、図3に示すように閉じた状態だと入賞不可能となる。各始動入賞口107,108は、センターケース109の中央部下方に配置されている。
表示装置110は、例えばLCD(液晶表示器)から構成され、前記センターケース109により囲まれた表示画面を備えている。表示装置110(の表示画面)は、変動表示ゲームに関連した数字や文字等の識別情報(特図という)を含む各種画像を変動表示するものである。なお、表示装置110は、LCD(液晶表示器)以外でも、各種画像を表示可能なものであれば良く、他に例えば、CRT(陰極線管)表示器、有機ELディスプレイ表示器等を採用して構成してもかまわない。
前記変動表示ゲームは、各始動入賞口107,108に遊技球が入賞することに基づき開始され、基本的には表示装置110の表示画面に、左側、右側、中央と横3列に識別情報である特図が表示され、各列毎に特図がスクロール変動し、所定時間が経過すると各列毎に1つずつ任意の特図が停止確定する。変動表示ゲームの実行中には、特図の変動表示に合わせて、キャラクタ画像や背景画像等も表示装置110に適宜表示される。なお、変動表示する特図は横3列に限られるものではなく、他に例えば、縦横に複数ずつ並べてマトリクス状に変動表示させても良い。
前記変動表示ゲームに関して、その開始から表示結果が確定するまでの演出表示態様には、変動時間や表示内容がそれぞれ異なる複数種類の変動パターンが予め用意されている。各変動パターン毎に、変動表示ゲームの表示結果として、大当たりに相当する特別結果態様が確定することに対する信頼度が異なるように設定されている。各変動パターンは、後述する遊技制御装置140から送信される制御コマンドに基づき演出制御装置150により表示制御されるように設定されている。
前記演出表示態様の何れの変動パターンに関しても、前記変動表示ゲームの表示結果として停止確定した特図が、予め定めた特定の組み合わせ(例えば「333」等と全て同一種類に揃った状態)となった場合が「特別結果態様(アタリ)」と定められている。また、特別結果態様が確定する前に、特別結果態様となる特図の組み合わせのうち、1つの特図を除く他の特図が特別結果態様となる組み合わせとなり、前記1つの特図が未確定である状態が「リーチ表示態様」に相当する。
前記変動表示ゲームの表示結果が最終的に特別結果態様に確定すると、後述する大入賞口111aが所定回数を限度に繰り返し開閉する特別遊技状態が発生するように設定されている。一方、変動表示ゲームの表示結果が、最終的に前記特別結果態様に確定しなかった場合は、「外れ表示結果(ハズレ)」に該当し、特別遊技状態は発生しない。なお、変動表示ゲームに用いる特図は、数字や記号等の単純な図柄に限定されるものではなく、例えば特定のキャラクタを模したものを用いても良い。
また、前記変動表示ゲームの表示結果が、特図のうち確変図柄(例えば奇数図柄「1」、「3」、「5」、「7」、「9」)の何れかで全て同一種類に揃う特別結果態様(確率変動大当たり)に確定した場合には、高確率状態を伴う特別遊技状態が発生することになる。すなわち、確変図柄で揃った特別結果態様(確率変動大当たり)が確定すると、これに基づき発生した特別遊技状態が終了した後、次回の特別遊技状態が発生するまで、変動表示ゲームの表示結果が特別結果態様に確定する大当たり確率が高確率に変化する。
このように、通常の遊技状態(低確率状態)に比べて、特別結果態様に確定する大当たり確率が高まった遊技状態が、高確率状態(または「確変状態」、「確変モード」ともいう)である。また、高確率状態中には、表示装置110における変動表示ゲームの変動時間が短縮される時間短縮状態(または「時短状態」、「時短モード」ともいう)も併せて発生するように設定されている。さらに、本実施の形態における時間短縮状態では、後述する普図変動表示の変動時間も短縮されるように設定しても良い。
一方、前記変動表示ゲームの表示結果が、特図のうち非確変図柄(例えば偶数図柄「0」、「2」、「4」、「6」、「8」)の何れかで全て同一種類に揃う特別結果態様(非確率変動大当たり)に確定した場合には、高確率状態を伴わない特別遊技状態が発生することになる。ここで非確変図柄で揃った特別結果態様(非確率変動大当たり)が確定すると、これに基づき発生した特別遊技状態が終了した後も、所定回数(例えば100回)を限度に、次回以降の変動表示ゲームおよび普図変動表示の変動時間が短縮されるように設定しても良い。
前記変動表示ゲームの実行中あるいは前記特別遊技状態の発生中に、各始動入賞口107,108に遊技球が入賞した場合には、変動表示ゲームを実行する権利が保留として獲得され、現在進行中の変動表示ゲーム等が終了した後、保留されていた権利が順次消化される。変動表示ゲームの保留数は、例えば最大で4個と設定されており、実際の保留数は遊技者が目視で確認できるように、後述する一括表示装置114によって表示される。
また、前記表示装置110には、特図とは別に普図(普通図柄)に関する画像も表示するように構成されており、表示装置110は普図表示装置にも相当する。詳しくは、前記普図始動ゲート112を遊技球が通過すると、表示装置110の表示画面の一部で普図の変動表示である普図変動表示が行われ、この普図変動表示の表示結果が所定の当たり態様に該当すれば、普図当たりと称される特典が付与される。すなわち、普図当たりになると、第2始動入賞口108の一対の開閉部材108aが、通常の閉じた状態から前述した開いた状態に所定時間の経過または所定個数の遊技球が入賞するまで作動する。よって、遊技球が始動入賞しやすくなり、その分、特図の変動表示ゲームの実施回数も増加する。
前記普通図柄表示の実行中に、普図始動ゲート112をさらに遊技球が通過した場合には、普通図柄表示の権利を獲得するが保留とされ、現在進行中の普通図柄表示が終了した後、保留されていた権利が順次消化される。普通図柄表示の保留数は、例えば最大で4個と設定されており、実際の保留数は遊技者が目視で確認できるように、後述する一括表示装置114によって表示される。なお、前記普通図柄表示は、表示装置110とは別に設けた普図表示装置によって表示するように構成しても良い。
一括表示装置114は、前記表示装置110に表示する特図の変動表示ゲームや普図変動表示の元になる特図や普図の表示の他、これらの保留数の表示や遊技状態の表示を行うものである。一括表示装置114は、例えばLEDを発光源とする複数の表示器(例えば1個の小さなランプよりなる表示器、あるいは特図として数字等を表示可能な7セグメントLED等)によって構成される。この一括表示装置114に表示されるものが、本特図や本普図(正式な特図や普図)と称されるのに対して、前記表示装置110における特図や普図の表示は、遊技者向けの演出用のダミー表示といえる。
また、一括表示装置114における保留数の表示は、一般には始動記憶毎に前記表示器の点灯によって表示する。すなわち、保留数が3個であれば、3個の表示器を点灯させることにより行うが、遊技者に認識しやすい保留数の表示として、例えば前述した表示装置110の表示画面の一部に表示したり、あるいは遊技盤100に設けた複数のランプ(発光部)によって表示しても良い。なお、一括表示装置114は、後述の遊技制御装置140が直接制御するものであり、遊技盤100の検査等で使用される。
変動入賞装置111は、一般にはアタッカーと称され、大入賞口111aを備えており、大入賞口111aは、下端を揺動中心として前方に傾倒する扉によって開閉するように構成されている。変動入賞装置111は、前記変動表示ゲームの表示結果が特別結果態様となった場合に、特別遊技状態を発生させるように開閉制御される。ここで特別遊技状態は、大入賞口111aの扉が開いて遊技球が入賞しやすい開状態となり、所定時間(例えば30秒)の経過または遊技球の所定個数(例えば10個)の入賞により扉が閉鎖されて入賞し難い閉状態となる動作を、所定のラウンド数(例えば15ラウンド)を上限に繰り返す状態である。
図4に示すように、表示パネル200は、タッチパネル式の液晶表示ユニットからなり、その表示画面には、大部分を占めるように区画されて各種操作情報等を表示するメイン表示部210が配置されている。また、表示画面中におけるメイン表示部210の下方には、球貸し可能な貸球度数を表示する貸球度数表示部201、持球数を表示する持球数表示部202が設けられている。これら各表示部201,202は、それぞれ表示画面上にて一部の表示領域として区画されたものである。なお、タッチパネル式の液晶表示ユニット自体の構成は一般的であるので詳細な説明は省略する。
また、表示パネル200の表示画面中におけるメイン表示部210の右側方には、球貸スイッチ203、精算スイッチ204、予約スイッチ205が設けられている他、後述する球貸し操作等に応じて別のスイッチも適宜表示される。これら各スイッチ203,204,205等は、遊技者がスイッチの表面部分をタッチすると、オンとなるように設定されている。球貸スイッチ203は、遊技者が所定度数の球貸しを望む時にタッチするものであり、精算スイッチ204は、遊技者が遊技結果の精算を望む時にタッチするものである。また、予約スイッチ205は、遊技者が他の遊技機10に対する予約を行う時にタッチするものである。なお、各種スイッチの操作についての詳細は後述する。
このように表示パネル200は、前述した各種情報の他、後述する予約先遊技機における自動遊技の実行に関する情報を表示可能であり、さらに、遊技者が予約を希望する他の遊技機10を予約先遊技機として特定するための予約操作を行う「予約操作手段」を兼ねている。これにより、各種操作における操作性も向上し、省スペース化の要請に応じることができる。なお、表示パネル200における表示制御は、後述する遊技制御装置140によって実行される。また、本実施の形態では、表示パネル200が予約操作手段を兼ねるように構成したが、後述するカードユニット20側に予約操作手段を別に設けるようにしても良い。
図5に示すように、遊技機10における裏機構の主な構成要素としては、外部情報端子板117、カードユニット接続端子板130、遊技制御装置140、演出制御装置150、循環装置160、研磨装置170、発射制御装置180、電源装置190等がある。なお、従来(封入式でないタイプ)の遊技機に装備されていた貯留タンク等に相当する構成要素はない。
外部情報端子板117は、後述するホールコンピュータ80に情報を出力するためのケーブルが接続されるホールコンピュータ端子118と、後述する持球管理装置70に情報を出力するためのケーブルが接続される持球管理装置端子119とを有している。
カードユニット接続端子板130は、遊技機10側とカードユニット20側との配線接続のための基板である。
演出制御装置150は、次述する遊技制御装置140から出力される制御コマンドに基づき、表示装置110やスピーカ16,16a等を駆動制御するもので、所定のケース内に、この制御機能を実現する回路基板が収納されて構成されている。
遊技制御装置140は、遊技盤100に配設されている各種スイッチ、ソレノイド、ランプ等の電気部品(電気式役物)を電気的に制御すると共に、他の制御装置に制御情報を送って、遊技の進行を統括的に管理制御するもので、これら制御を行うマイコンを含む回路が形成された回路基板が、所定のケース内に収納されて構成されている。このケースは、容易な開封を阻止するセキュリティ構造になっている。なお、遊技制御装置140の裏側には、当局が当該遊技機10の検査を行うためのケーブルが接続される検査装置接続端子145、所定の異常時に点灯(あるいは点滅)するエラー表示LED146、エラーを解除するためのエラー解除スイッチ147が配置されている。
循環装置160は、詳しくは次述するが、遊技機10の内部に封入された遊技球を循環させるためのものであり、その循環経路の途中に研磨装置170が配置されている。
発射制御装置180は、遊技球の発射に必要な制御を行うもので、所定のケース内に、この制御機能を実現する回路基板が収納されて構成されている。
電源装置190は、前記各制御装置や遊技機10の各電子部品に必要な電源を供給するものである。
図6は、循環装置160の内部構成を示している。この循環装置160は、所定の厚さを有する箱状ユニットに形成され、内部に封入球(封入された遊技球)が循環するための流路が形成されている。循環装置160は、アウト球(セーフ球含む)およびファール球を回収する遊技球入口161と、この遊技球入口161から球送り装置167まで遊技球を導く循環流路として、研磨送り流路162、センサ流路163、それに球送り流路164を有している。
研磨装置170は、研磨送り流路162とセンサ流路163との間に配設されており、下部入口171から流入した球を研磨装置モータ172の動力で揚送しつつ、内部に配置された研磨布により球を磨き、上部出口173から排出するように構成されている。なお、研磨装置170は、循環流路の途中に設けられ、遊技球を研磨できるものであれば、どのような構成であってもかまわない。
研磨装置170から排出された遊技球は、センサ流路163の途中に設けられた第1封入球検出スイッチ165(封入球検出1SW)および第2封入球検出スイッチ166(封入球検出2SW)を通過し、球送り流路164を経て球送り装置167へ送られる。第1封入球検出スイッチ165は、センサ流路163の比較的下流側で第2封入球検出スイッチ166よりも低い位置にある球を検出する。第2封入球検出スイッチ166は、センサ流路163の比較的上流側(第1封入球検出スイッチ165よりも上流側)で第1封入球検出スイッチ165よりも高い位置にある球を検出する。
第1封入球検出スイッチ165は、遊技球として封入されている球数の下限を検出するセンサであり、第2封入球検出スイッチ166は、遊技球として封入されている球数の上限を検出するセンサである。これは、封入球が当該遊技機10に過不足なく封入されている必要性から、現状の封入球数が最少以上であることと最大以下であることを、それぞれチェックして、適正な範囲に封入球数があることを確認するために設けられている。
球送り装置167は、図6および図7に示す球送りソレノイド168を駆動源として、球送り流路164を流下してきた球を1個ずつ発射装置(図示省略)の発射位置まで送る装置である。なお、発射位置に送られた球は、後述する発射装置の発射ソレノイド182の動力によって遊技領域101に向けて発射できる構成となっている。球送り装置167には、発射球検出スイッチ169が設けられている。発射球検出スイッチ169は、発射される球を1個ずつ検出するセンサである。
次に、前記遊技機10に併設されたカードユニット20について説明する。
カードユニット20は、記憶媒体としての遊技カードが挿入されることにより、遊技カードに記憶されている情報(例えばカードID等)を読み取り可能な装置であり、球貸機としての機能も備えている。図1、図2に示すように、カードユニット20は、それぞれ遊技機10毎に対応して設けられており、後述するが両者は互いに接続され情報を送受信可能に構成されている。カードユニット20は、遊技者が所持する記録媒体としての遊技カードを介して遊技者を特定する情報を入力可能な端末ユニットを構成する。
図2に示すように、カードユニット20の正面部には、カード投入口21と、現金投入口22と、暗証番号入力装置23と、エラー報知LED24が設けられている。カード投入口21は、遊技カードを出し入れ可能なものであり、遊技カードを挿入した状態で、詳細は後述するが表示パネル200の球貸スイッチ203(図4参照)を遊技者が操作することで、遊技カードに記録された有価価値情報(例えば貸球度数)の範囲内で、所定度数の球貸し(持球数の増加)を行えるようになっている。
遊技カードには、ハウスカードと称される遊技店独自の会員カードと、会員以外の一般遊技者も使用できるプリペイドカード(以下、ビジターカードという)があり、何れのカードからも遊技者を特定する情報としてのカードIDを読み取り可能となっている。会員カードの場合は、予め登録された遊技者の情報とカードIDとが対応付けられて記憶されていることで遊技者を特定可能である。一方、ビジターカードの場合は、当該ビジターカードのカードIDを会員でない遊技者のものとして特定するものであり、例えば、カードユニット20にビジターカードを挿入して遊技者が遊技中の場合に、当該遊技者とビジターカードのカードIDが対応付けられて遊技者を特定可能となる。
現金投入口22は、現金を投入可能なものであり、所定の紙幣(例えば1000円、5000円、1万円)を投入することにより、投入紙幣の金額に対応した貸球度数の範囲内で遊技球の貸出(すなわち球貸し;持球数の増加)が行われる。
暗証番号入力装置23には、LCDタッチパネル方式のものが採用され、遊技者は指でタッチパネルに触れて、暗証番号を入力可能な構成である。カード投入口21に会員カードを挿入した場合には、暗証番号入力装置23で当該会員の暗証番号を入力することを条件に、貯球が使用できる構成にすると良い。
エラー報知LED24は、カードユニット20に生じたエラーを報知するものである。
次に、前記遊技機10および前記カードユニット20以外で、遊技システム1を構成するものについて説明する。図1に戻って、カード管理装置30は、カード会社(図示省略)と電話回線(例えばISDN等のデジタル回線)で結ばれており、カード会社は、必要に応じてカード管理装置30の各種情報を受信したりする。遊技店は、カードの発行情報や必要な情報をカード会社から得たり、問い合わせたりするために、電話回線を介してカード会社と接続されている。カード管理装置30は、各カードユニット20の他、カード発行機40、カード精算機50、景品交換装置60、持球管理装置70に、それぞれ情報伝送路2を介して接続されている。
カード管理装置30は、各カードユニット20、カード発行機40、カード精算機50、景品交換装置60、持球管理装置70を、それぞれ端末装置として扱い、これらの各端末装置の情報を管理する制御を行うと共に、各端末装置に挿入/排出される遊技カード(会員カードまたはビジターカード)のカードID(識別情報)や、各遊技カードに記憶された貸球度数や貯球数の情報(有価価値情報)を記憶管理する制御処理を行う。例えば、カードID毎に貸球度数の残高等を更新記憶する処理等を、各カードユニット20やカード発行機40等から必要な情報を得ることによって行う。
カード発行機40は、カード会社から購入したカード(記憶媒体)を遊技カードとして遊技者に発行するものであり、例えば1000円、2000円、3000円、5000円の貸球度数(有価価値)を付加して前記カードを発行する。カード発行機40は、カード管理装置30との間で情報伝送路2を介して情報(例えば前記カードのカードIDや貸球度数、売上情報等)の転送を行うと共に、前記カードの発行に必要な制御を行うものである。
遊技カードとしては、前述した会員カードとビジターカードがある。会員カードは、会員登録して発行するものであり、貸球度数(球貸金額に相当)、持球数、および貯球数が登録可能である。ビジターカードは、会員でない遊技者用のカードであり、カードユニット20内にストックされ、後述するがカードユニット20に現金が投入された場合にカードユニット20内で発行される。このビジターカードは、貸球度数および持球数が登録可能であるが、貯球数は登録できない。また、持球数は、当日限り有効なものであり、貯球数は、後日でも持球数に交換して使用可能なものである。
カード精算機50は、遊技カード(会員カードまたはビジターカード)の貸球度数残高に基づいて、遊技カードを精算するためのものであり、例えば、貸球度数残高に応じた金額を現金で返却する。また、カード精算機50は、カード管理装置30との間で情報伝送路2を介して情報(例えば、貸球度数の情報等)の転送を行う機能も有する。
景品交換装置60は、遊技カードの持球数に基づいて、遊技者が望む景品と交換するための処理を行うものであり、例えば、遊技店の店員が景品交換装置60を操作して、遊技者に景品を渡す。景品交換装置60では、会員カードの場合、持球数を貯球数に交換して記録する貯球化の処理も可能となっている。
景品交換する際、または貯球化する際に、景品交換装置60は、持球管理装置70に遊技カードのカードIDと遊技カードに記憶されている持球数を送信する(例えばカード管理装置30を介して景品交換装置60から持球管理装置70に送信する)。持球管理装置70は、受信したカードIDや持球数と、後述する持球管理装置70のカード毎持球数ファイルに記憶されているカードIDおよび持球数と照合する。持球管理装置70が、照合した結果を正否の情報として景品交換装置60に送信すれば、受信した景品交換装置60は、遊技カードに記憶されていた持球数の正否を知ることができる。
なお、景品交換装置60が、持球管理装置70に遊技カードのカードIDのみを送信するようにして、後述する持球管理装置70のカード毎持球数ファイルに記憶されている持球数を送信するように要求しても良い。このようにすれば、景品交換装置60は受信した持球数と遊技カードに記憶されている持球数を照合することで、遊技カードに記憶されていた持球数の正否を知ることができる。
持球管理装置70は、各遊技機10、カード管理装置30、ホールコンピュータ80と接続され、これらの各装置からの情報に基づいて、記憶装置にある後述のカード毎持球数ファイルという記憶領域に、遊技者を特定する情報(カードID)に対応させて遊技者が所有している持球数の情報(遊技価値情報)を記憶する等の制御処理を行う(後述する図75参照)。持球管理装置70は、カード管理装置30を介して景品交換装置60等やカードユニット20と通信可能であり、景品交換装置60等からの持球数データの照合等に応じた処理を行う機能も有する。
持球管理装置70にある記憶装置は、遊技者を特定する情報に対応付けて遊技者の所有の遊技価値を記憶する「価値情報記憶手段」の少なくとも一部を構成している。この価値情報記憶手段は、遊技者の所有する持球数(遊技価値)のうち後述する予約操作により選択された一部を、遊技中の遊技機10(予約元遊技機)で使用する遊技分とは別に、予約先遊技機での使用を遊技店側に委託する担保分として分けて記憶可能に構成されている。ここでの担保分は、予約可能球数(予約用遊技価値)として管理される。持球管理装置70で管理される「持球管理ファイル」について詳細は後述する。なお、前記価値情報記憶手段については、カード管理装置30やホールコンピュータ80等にも分散させて設置しても良い。
ホールコンピュータ80は、遊技店の管理室に設置されると共に、各遊技機10および持球管理装置70に対して情報伝送路2を介して接続され、各遊技機10および持球管理装置70からの各種データを収集して、遊技店の営業管理を行うものである。具体的には、各遊技機10および持球管理装置70から必要なデータを収集して各種遊技状態に対応するデータを整理し、整理したデータをディスプレイに表示させ、営業上必要なデータの演算処理を行う。なお、ホールコンピュータ80は、電話回線やインターネットを含む電気通信回線を介して外部機関と接続することで、その機能の一部を外部機関により管理するようにしても良い。
次に、前記遊技機10の制御系について、図7を参照して説明する。
図ないし以下の説明において、「SW」はスイッチを意味し、「SOL」はソレノイドを意味する。また、図面では部材の名称が長い場合に図示しにくいため、適宜短めにして表記(図示)することがある。
遊技機10は、制御系の主な構成要素として、遊技制御装置140、演出制御装置150、発射制御装置180、電源装置190を備えている。これらの各装置および図7に示す各電子部品には、電源装置190から必要な電源が供給される。
本実施の形態では、封入球制御(封入球数の監視や持球数の加算・減算処理等の制御)を行う装置(封入球制御装置)を、遊技の進行を統括的に制御する装置(従来の遊技制御装置)と一体化した装置として、遊技制御装置140を構成しているが、このような封入球制御装置と遊技制御装置を分離させて設けた構成でも良い。本実施の形態では、封入球制御装置と遊技制御装置とを一体化して遊技制御装置140とした構成であるので、遊技制御装置から封入球制御装置へ送出していた信号やコマンドが不要となる。
先ず、遊技制御装置140の構成と、これに接続される機器について説明する。
遊技制御装置140は、遊技を統括的に制御すると共に、封入球制御も行う主制御装置(主基板)であり、CPU141、ROM142、RAM143、RTC144、検査装置のための検査装置接続端子145および試射試験端子148を備えている。ここで遊技制御装置140は、封入球制御も行うとしているが、詳しくは封入球遊技に必要な制御として、主に封入球の発射から回収までの処理を行う他、後述するが球貸し制御(球貸加算処理)等も行う構成となっている。この遊技制御装置140は、前述したホールコンピュータ80と共に、各遊技機10および遊技者の所有する遊技価値を管理する「制御手段」を構成している。
CPU141は、封入球遊技を管理する遊技プログラムを実行して遊技制御に必要な演算処理を行う。ROM142は、遊技プログラムを格納しており、RAM143は遊技プログラムに基づく処理を実行する際にワークエリア(作業領域)として用いられる。RTC(リアルタイムクロック)144は、正味時刻(現実時刻)を計測するものであり、カレンダ機能を備え、年月日を含めて時刻データを出力する。なお、RAM143に対しては、停電時にも電源を供給するバックアップ電源手段(図示省略)が設けられており、停電があっても、このバックアップ電源手段が必要な電力を供給し続けられる時間内に停電から復旧すれば、RAM143のデータは保持される構成となっている。
ここでCPU141、ROM142、RAM143は、遊技用演算処理装置としての遊技用マイクロコンピュータに相当し、例えば、アミューズメントチップ用のICとして製造されている。なお、RTC144を含めて遊技用演算処理装置に相当するアミューズメントチップ用のICを製造しても良い。また、前記アミューズメントチップ用のICは、このICチップを個別に識別可能な個体識別情報としてのチップコードに加え、メーカコードや製品コードを記憶しており、これらコードを台IDとして出力可能である。
試射試験端子148は、CPU141から得られる各種の遊技情報を検査装置に伝送するためのケーブルが接続される端子である。なお、この試射試験端子148および関連部品は、試験機関で使用されるもので、出荷時に取り外されるものであり、遊技店で使用される遊技制御装置140には未実装となる。
検査装置接続端子145は、遊技機10が遊技店に設置された後に、当局が当該遊技機10の検査を行うためのケーブルが接続される端子である。
遊技制御装置140には、第1始動入賞口スイッチ121(図7では始動口1SW)、第2始動入賞口スイッチ122(図7では始動口2SW)、ゲートスイッチ123、第1入賞口スイッチ124(図7では入賞口1SW)、第2入賞口スイッチ125(図7では入賞口2SW)、カウントスイッチ126、第1枠開放スイッチ127(図7では枠開放1SW)、第2枠開放スイッチ128(図7では枠開放2SW)からの検出信号が入力される。
第1始動入賞口スイッチ121は、前記第1始動入賞口107に入賞した遊技球を1個ずつ検出する入賞球検出用のセンサである。第2始動入賞口スイッチ122は、前記第2始動入賞口108に入賞した遊技球を1個ずつ検出する入賞球検出用のセンサである。ゲートスイッチ123は、前記普図始動ゲート112を通過する遊技球を1個ずつ検出するセンサである。
第1入賞口スイッチ124、第2入賞口スイッチ125は、それぞれ前記一般入賞口103〜106に対して設けられた同様のセンサであり、複数の一般入賞口103〜106に対して、全体で2個のセンサとして分けるように設けられている。なお、一般入賞口103〜106毎に対応させて、一般入賞口がn個ある時には、それぞれに1個ずつ対応させて全体としてn個設けても良い。カウントスイッチ126は、前記変動入賞装置111の大入賞口111aに入賞した遊技球を1個ずつ検出するセンサである。
これら遊技球を検出する前記各センサ121〜126は、本実施の形態では近接スイッチであり、ハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の検出信号を出力するように回路構成されている。また、第1枠開放スイッチ127は、前記ガラス枠13(図2参照)が開放されていることを検出するセンサであり、第2枠開放スイッチ128は、前記前面枠12(図2参照)が開放されていることを検出するセンサである。
また、遊技制御装置140は、遊技の進行や演出に関して必要な機器として、演出制御装置150の他、前記一括表示装置114(図7では普図・特図表示器)、普電ソレノイド115、大入賞口ソレノイド116、それに外部情報端子板117と接続されている。ここで普電ソレノイド115は、前記第2始動入賞口108の開閉部材108a(図3参照)を開閉させるソレノイドである。大入賞口ソレノイド116は、前記変動入賞装置111の扉(図3参照)を開閉させるソレノイドである。
遊技制御装置140は、これら普電ソレノイド115、大入賞口ソレノイド116、一括表示装置114に対して、それぞれ必要な制御信号を出力するように設定されている。また、遊技制御装置140からは、演出制御装置150に対して、パラレル通信でデータ(例えば演出コマンド)が送信されるように設定されている。さらに、遊技制御装置140からは、外部情報端子板117を介してホールコンピュータ80に遊技情報が出力される。
遊技情報としては、遊技制御装置140に入力された信号を外部へ知らせる信号や、遊技進行の過程で発生する特別遊技状態を知らせる大当たり信号、特図を変動させるための条件となる各始動入賞口107,108への入賞を知らせる始動入賞口信号、特図の変動開始ないし変動停止をトリガに図柄変動を知らせる図柄確定回数信号、遊技状態が遊技者に有利な状態であること(いわゆる確変状態、時短状態)を示す特典状態信号等がある。
また、遊技制御装置140からは、外部情報端子板117を介して持球管理装置70に持球数の情報(遊技価値情報)等が出力される。また、遊技制御装置140は、封入球の発射から回収までの処理および球貸し等に関し必要な機器として、前述の表示パネル200(図7ではタッチパネル)の他、研磨装置モータ172、カードユニット接続端子板130、発射制御装置180と接続されている。
さらに、遊技制御装置140には、封入球制御等に必要な各種スイッチ類からの信号として、前記エラー解除スイッチ147、前記発射球検出スイッチ169、ファール球検出スイッチ174(図7ではファール球検出SW)、アウト球検出スイッチ175(図7ではアウト球検出SW)、前記第1封入球検出スイッチ165(図7では封入球検出1SW)、および前記第2封入球検出スイッチ166(図7では封入球検出2SW)からの検出信号が入力されている。
発射球検出スイッチ169は、前記ハンドル18の操作によって遊技領域101に発射される球を1個ずつ検出するセンサである。ファール球検出スイッチ174は、発射されたものの遊技領域101に達せずにファールとなった球を1個ずつ検出するセンサである。アウト球検出スイッチ175は、遊技領域101から回収した球(アウト球およびセーフ球の両方を含む)を1個ずつ検出するセンサである。第1封入球検出スイッチ165および第2封入球検出スイッチ166は、前述したように、循環装置160のセンサ流路163に配置され(図6参照)、封入球数をチェックするためのものである。
遊技制御装置140では、前記各スイッチ165、166、169、174、175からの検出信号を受けて、封入球の発射から回収までの球の挙動監視、ファール球の有無、封入球の最大と最小の封入球数のチェック等の処理を行うと共に、カードユニット20から送られてくる球貸し情報(後述する図54の貸球数/貯球使用数コマンド)に基づいて、後述する球貸加算処理を行う等の制御を行う。また、遊技制御装置140からは、エラー表示LED146に対して所定の異常の場合に信号が出力され、エラーに応じてエラー表示LED146が点灯(または点滅)する。
次に、演出制御装置150は、主制御用マイコン、該主制御用マイコンの制御下で映像制御を行う映像制御用マイコン、前記表示装置110への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP、各種のメロディや効果音等の出力を制御する音源LSI等を有しているが、細かい構成は省略する。
演出制御装置150は、前記遊技制御装置140のCPU141からの制御コマンド(8ビットのデータ信号)を解析し、演出内容を決定して表示装置110の出力映像の内容を制御したり、音源LSIへの再生音の指示をして各スピーカ16,16aを駆動して効果音等を出したり、前述した装飾ランプ14やムービングライト15(図7では装飾表示LED151に相当)の駆動制御等の処理を実行すると共に、前記演出操作スイッチ17(図3参照)からの信号に応じて演出内容を決定して演出の制御を行う。
また、発射制御装置180は、前記遊技制御装置140から発射許可信号、停電検出信号を受けるように設定されている。発射制御装置180は、発射許可信号のオンデータを受信していることを必要条件として、発射ボリューム181の操作(すなわち、ハンドル18の回転操作)に従って、発射位置にある遊技球を発射する発射ソレノイド182を制御する。また、発射制御装置180には、タッチセンサ183や発射停止スイッチ184からの信号が入力される。
タッチセンサ183は、遊技者が発射ボリューム181を操作するハンドル18にタッチしているか否かを検出するものであり、発射停止スイッチ184は、遊技球の発射を一時的に停止するもので、遊技者によって操作されるものである。なお、遊技球を発射位置まで送る前記球送りソレノイド168は、遊技制御装置140によって直接制御される。その制御処理のため、タッチセンサ183からの信号は、発射制御装置180のみならず、遊技制御装置140にも入力されている。
また、前記発射ソレノイド182を含み、発射位置(図示省略)にある遊技球を遊技領域101に発射する発射装置は、発射制御装置180を介して遊技制御装置140によって制御される。これら制御装置の制御処理によって、発射装置は、遊技球の発射が許可されている状態(発射許可信号のオンデータが設定されている状態)でのみ遊技球を発射することができる。遊技球の発射が禁止されている状態(発射許可信号のオフデータが設定されている状態)では、たとえ発射位置に遊技球があり遊技者がハンドル18を操作しても遊技球は発射されない。なお、発射装置は、発射するために遊技球を打つ杵という部材を有しており、この杵の先(杵先)に発射位置がある。
次に、図8〜図10に示す通信構成について説明する。
遊技機10の遊技制御装置140は、カードユニット20、持球管理装置70、およびホールコンピュータ80との間で通信が可能であり、カードユニット20および持球管理装置70との間では、通信線の異なる複数の通信方式(後述する通信方式1〜5)による通信が可能となっている。以下、この通信方式の詳細について説明する。
図8に示すように、遊技制御装置140のCPU141は、制御に必要な演算処理を行うCPUコア300を有すると共に、このCPUコア300に接続された通信制御部として、第1通信制御部301(通信制御部1)、第2通信制御部302(通信制御部2)、第3通信制御部303(通信制御部3)、第4通信制御部304(通信制御部4)、および第5通信制御部305(通信制御部5)を備えている。また、遊技制御装置140は、入出力インターフェース(入出力I/F)311,312,313を有する。
図9に示すように、第1通信制御部301は、通信回路321を有する。第2通信制御部302は、通信回路322と、第1種暗号化回路331(暗号化回路1)と、第1種復号化回路341(復号化回路1)とを有する。第3通信制御部303は、通信回路323と、第2種暗号化回路332(暗号化回路2)と、第2種復号化回路342(復号化回路2)とを有する。また、図10に示すように、第4通信制御部304は、通信回路324と、第1種暗号化回路331とを有する。第5通信制御部305は、通信回路325と、第2種暗号化回路332とを有する。
遊技制御装置140のCPU141にある各通信制御部301〜305に対応させて、カードユニット20のCPU25には、通信制御部351,352,353が設けられ(図9参照)、持球管理装置70のCPU71には、通信制御部371,372が設けられている(図10参照)。図9に示すように、通信制御部351,352,353は、カードユニット20のCPU25にあるCPUコア350に接続された通信制御部である。ここで通信制御部351は、通信回路361を有し、通信制御部352は、通信回路362と、第1種暗号化回路331と、第1種復号化回路341とを有し、通信制御部353は、通信回路363を有する。
また、図10に示すように、通信制御部371,372は、持球管理装置70のCPU71にあるCPUコア360に接続された通信制御部である。ここで通信制御部371は、通信回路381と、第1種復号化回路341とを有し、通信制御部372は、通信回路382と、第2種復号化回路342とを有する。
遊技制御装置140の第1通信制御部301は、入出力I/F311およびカードユニット接続端子板130を介して、カードユニット20の通信制御部351と接続されている。遊技制御装置140のCPUコア300は、第1通信制御部301により、カードユニット20のCPUコア350との間で、第1通信方式(通信方式1)によって精算・休憩制御関連の通信を行う。第1通信方式は、暗号化していないデータ(いわゆる平文)を送受信する通信方式(少なくともハード的な暗号化と復号化を行わない方式)である。
また、遊技制御装置140の第2通信制御部302は、入出力I/F311およびカードユニット接続端子板130を介して、カードユニット20の通信制御部352と接続されている。遊技制御装置140のCPUコア300は、この第2通信制御部302により、カードユニット20のCPUコア350との間で、第2通信方式(通信方式2)によってID関連の通信を行う。第2通信方式は、ハード的に暗号化したデータを送受信する通信方式であり、遊技制御装置140側で、第1種暗号化回路331により暗号化して送信したデータを、カードユニット20側で、第1種復号化回路341により復号化でき、かつ、カードユニット20側で、第1種暗号化回路331により暗号化して送信したデータを、遊技制御装置140で第1種復号化回路341により復号化できる通信方式である。
また、遊技制御装置140の第3通信制御部303は、入出力I/F311およびカードユニット接続端子板130を介して、カードユニット20の通信制御部353と接続されている。遊技制御装置140のCPUコア300は、この第3通信制御部303により、カードユニット20のCPUコア350との間で、第3通信方式(通信方式3)によって持球数関連の通信を行う。第3通信方式は、遊技制御装置140側でのみ送信するデータを第2種暗号化回路332により暗号化でき、遊技制御装置140側でのみ受信したデータを第2種復号化回路342によって復号化できる通信方式であり、カードユニット20側では、暗号化回路も復号化回路もないために、暗号化も復号化もできない通信方式である。
すなわち、第2種暗号化回路332に対応する第2種復号化回路342は、カードユニット20側には設けられていないため、遊技制御装置140の第2種暗号化回路332で暗号化されて送信されたデータは、カードユニット20では復号化できない。ここで第2種暗号化回路332は、カードユニット20が対応する復号化回路(すなわち、第2種復号化回路342)を有していない遊技機側固有暗号化回路に相当する。なお、この第2種暗号化回路332に対応する復号化回路(第2種復号化回路342)は、持球数管理装置70のCPU71には、前述したように設けられている。
また、遊技制御装置140の第4通信制御部304は、入出力I/F312および外部情報端子板117を介して、持球管理装置70の通信制御部371と接続されている。遊技制御装置140のCPUコア300は、この第4通信制御部304により、持球管理装置70のCPUコア360との間で、第4通信方式(通信方式4)によってID関連の通信を行う。第4通信方式は、第2通信方式と同様に、遊技制御装置140側で第1種暗号化回路331により暗号化して送信したデータを持球管理装置70側で第1種復号化回路341により復号化できる通信方式であるが、遊技制御装置140側から持球管理装置70側への単方向通信である。
また、遊技制御装置140の第5通信制御部305は、入出力I/F312および外部情報端子板117を介して、持球管理装置70の通信制御部372と接続されている。遊技制御装置140のCPUコア300は、この第5通信制御部305により、持球管理装置70のCPUコア360との間で、第5通信方式(通信方式5)によって持球数関連の通信を行う。第5通信方式は、遊技制御装置140側で第2種暗号化回路332により暗号化して送信したデータを持球管理装置70側で第2種復号化回路342により復号化できる通信方式であり、遊技制御装置140側から持球管理装置70側への単方向通信である。
また、遊技制御装置140のCPUコア300は、入出力I/F313および外部情報端子板117を介して、ホールコンピュータ80と接続されている。遊技制御装置140のCPUコア300は、この接続を介してホールコンピュータ80との間で通信(通信方式は特に限定されない)を行う。なお、遊技制御装置140のCPU141には、このホールコンピュータ80との間の通信のための通信制御部を設けても良い。また、外部情報端子板117は、持球管理装置70との中継を行う部分と、ホールコンピュータ80との中継を行う部分とに分離されていても良い。
なお、遊技店における他の装置(カード管理装置30、カード発行機40、カード精算機50、景品交換装置60)も、それぞれ別の装置と通信が可能であるが、これらは次のような暗号通信に関する機能を有する。すなわち、カード管理装置30、カード発行機40、およびカード精算機50は、何れも第1種暗号化回路331と、第1種復号化回路341を備え、第1種暗号化回路331によりカードIDを暗号化して送信する機能と、暗号化されたカードIDを受信して第1種復号化回路341により復号化する機能とを有する。
また、景品交換装置60は、持球管理装置70と同様に、第1種復号化回路341と、第2種復号化回路342を有し、暗号化されたカードIDを受信して第1種復号化回路341により復号化する機能と、暗号化された持球数のデータを受信して第2種復号化回路342により復号化する機能とを有する。さらに、遊技カードには、第1種暗号化回路331により暗号化された状態でカードIDが記録され、第2種暗号化回路332により暗号化された状態で持球数のデータ(例えば精算持球数のデータ)が記録される構成となっている。
次に、本実施の形態の遊技機10で行われる遊技の概要や遊技の流れについて説明する。遊技機10は、遊技開始前において客待ち状態(デモ中)となっており、客待ち画面の表示を指令するコマンドが遊技制御装置140から演出制御装置150に送信される。これにより、表示装置110の表示画面には、所定の客待ち画面(動画または静止画)が表示されている。
遊技者がカードユニット20に遊技カードを挿入し、後述する所定単位度数の球貸し操作を行うと、所定数の持球数(例えば125個)が加算されて、表示パネル200の持球数表示部202に表示される。この時、遊技カードの貸球度数(有価価値情報)は、前記所定数分(例えば500円分に相当する5度数)だけ減額される。なお、持球数は前述したように遊技者の利益である遊技価値に相当し、この持球数のデータは、遊技制御装置140ではRAM143に記憶され、持球管理装置70では遊技者を特定する情報(カードID)に対応付けて記憶される。
そして、前記持球数がある状態で遊技者がハンドル18を操作すると、発射位置にある遊技球がガイドレール102を介して遊技領域101に1個ずつ打ち込まれる。遊技領域101を落下する遊技球は、アウトあるいはセーフとなって、遊技領域101を経た後に前記循環装置160の遊技球入口161に流入し、この循環装置160で回収されて循環し、再び発射位置に導かれる。このようにして、封入された遊技球が循環使用されてパチンコ遊技が行われる。
なお、詳細は後述するが遊技機10は、制御手段である遊技制御装置140の機能の一つに自動遊技実行手段があり、この自動遊技実行手段により、遊技店側が自動で遊技を強制的に行う自動遊技を実行可能となっている。ここでの自動遊技は、遊技機10において遊技球を自動的に発射位置に導くと共に遊技領域101に発射すること(以下「自動発射」とする。)に設定されている。
遊技領域101を落下する遊技球がセーフと判定された場合、すなわち、遊技球が各種入賞口(一般入賞口103〜106および各始動入賞口107,108等を含む)に入賞した場合には、入賞口の種類に応じて設定されている所定数の遊技球のデータが賞球として遊技者の持球数に加算される。ここで遊技者の持球数を増加させる態様には、セーフの判定に基づいて賞球が持球数に加算される他に、後述の大当たり(特別遊技状態)が発生して変動入賞装置111の大入賞口111aが開放され、大入賞口111aに遊技球が入賞することによって大量の賞球が持球数に加算される場合もある。
また、持球数は、前述したように遊技結果に応じて加算される一方で、遊技球の発射球数分だけ減算される。すなわち、遊技価値として遊技球の個数に対応した持球数が用いられている場合には、遊技球の発射毎に持球数が「1」だけ減算される。なお、遊技領域101を落下する遊技球が、アウトと判定された場合、すなわち、何れの入賞口にも入賞しなかった場合には、アウト球流入口113にアウト球として流入して、セーフ球と同様に回収される。
前述したように持球数が増減して変更が生じた場合には、前記制御手段の機能の一つである「記憶更新手段」によって新たな情報が記憶更新される。ただし、前記自動発射中においては、遊技球が各種入賞口103等や変動入賞装置111に入賞したとしても、その遊技結果に関する遊技データを無効として、持球数や後述の予約可能球数に加算する処理は行わないように構成されている。例えば、自動発射中に各種入賞口103等や変動入賞装置111に入賞したとしても、全てアウト球として扱うようにする。
遊技領域101を落下する遊技球が、各種入賞口のうち各始動入賞口107,108の何れかに入賞すると、特図の変動表示を指令するコマンドが遊技制御装置140から演出制御装置150に送信される。これに基づき、表示装置110の表示画面では、特図が変動(例えばスクロール)する表示(変動表示)が行われて、特図の変動表示ゲームが開始される。変動表示ゲームは、基本的には表示装置110の表示画面にて、左側、右側、中央の横3列に識別情報である特図が表示され、各列毎に特図がスクロールして、所定時間が経過すると各列毎に1つずつ任意の特図が停止確定する。
そして、前記変動表示ゲームの表示結果が特別結果態様に確定すれば、大当たりと呼ばれる特別遊技状態が発生する。なお、制御上は、例えば各始動入賞口107,108に遊技球が入賞したことを条件として、大当たり乱数等の値が抽出記憶されて、この抽出記憶された乱数値と予め設定された判定値とが判定時に比較判定され、この比較判定結果に基づいて、予め大当たりとするか否かが決定され、この決定に応じて前記変動表示ゲームが開始される。
また、変動表示ゲームの表示結果が、特別結果態様のうちの前述した確変図柄で揃った特定の態様(例えば「777」のゾロ目)であれば、特別遊技状態が発生すると共に、次回の特別遊技状態が発生するまで、変動表示ゲームの表示結果が特別結果態様に確定する大当たり確率が高確率に変化する。また、場合によっては、前述した時間短縮状態とする制御も行われる。
特別遊技状態では、前記変動入賞装置111の大入賞口111aの扉が開いて、遊技球が入賞しやすい開状態となり、所定時間(例えば30秒)の経過または遊技球の所定個数(例えば10個)の入賞により、大入賞口111aの扉が閉鎖されて入賞し難い閉状態となる動作が、所定のラウンド数(例えば15ラウンド)を上限に繰り返される。この特別遊技状態では、かかる状態を演出したり、ラウンド数等を遊技者に報知したりするための大当たり画面の表示を指令するコマンドが遊技制御装置140から演出制御装置150に送信され、表示装置110の表示画面では、このような大当たり中の表示が実行される。
なお、前記変動表示ゲームの具体的な表示内容として、第1始動入賞口107に入賞した場合と第2始動入賞口108に入賞した場合として、互いに異なる2種類の変動表示ゲーム(第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲーム)を実行するようにしても良い。この場合は、何れかの変動表示ゲーム中あるいは特別遊技状態の発生中において、遊技球が第1始動入賞口107に入賞すると、第1変動表示ゲームに対応した権利を第1始動記憶として1個記憶し、遊技球が第2始動入賞口108に入賞すると、第2変動表示ゲームに対応した権利を第2始動記憶として1個記憶するように構成する。
ここで第1始動記憶と第2始動記憶の両方がある時には、予め設定されたルールに従って第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームのうちの何れかが先に実行される。例えば、第2始動入賞口108に対応する第2変動表示ゲームが優先的に行われる態様(すなわち、第2始動記憶が優先的に消化される態様)、あるいは2種類の変動表示ゲームが交互に行われる態様等が有り得る。また、前記特別遊技状態のラウンド数としては、例えば、通常は15ラウンドが主の大当たりであるが、プレミアとして16以上のラウンド数を設定したり、あるいは14以下のラウンド数があっても良い。
次に、以上のような構成の遊技機10において、遊技者が遊技中の遊技機10(予約元遊技機)から他の遊技機10(予約先遊技機)を予約するための機能について説明する。予約に関する機能は、本遊技システム1において制御手段を構成する前記遊技制御装置140やホールコンピュータ80によって実現されるものであり、主として稼働状態判定手段と予約処理実行手段とを備えている。
稼働状態判定手段は、詳細は後述するが、予約操作手段である表示パネル200での操作により特定された予約先遊技機の稼働状態を判定するものである。また、予約処理実行手段は、前記稼働状態判定手段により予約先遊技機が非稼働状態であると判定されたことを条件に、該予約先遊技機を一時的に遊技が不能な予約確定状態とするものである。
前記予約処理実行手段は、予約先遊技機を予約した遊技者の所有する持球数(遊技価値)のうち、前記価値情報記憶手段に記憶された「予約可能球数」の範囲内で、この予約可能球数に基づいて前記予約確定状態を継続する。ここで予約処理実行手段は、遊技機10において遊技者の操作に基づく遊技球の発射を不許可とすることで前記予約確定状態とするが、予約確定状態に関わらず、予約した遊技者の予約可能球数に基づいて前記自動発射(自動遊技)を実行し、該自動発射中に亘り予約確定状態を継続する。これらの詳細についても後述する。
次に、具体的な予約の操作について、図11〜図21に基づき、予約元遊技機の表示パネル200(予約操作手段)における表示内容の遷移を中心に説明する。なお、表示パネル200は遊技制御装置140と接続されており(図7参照)、表示パネル200の表示内容は遊技制御装置140によって制御され、表示パネル200の表示画面上の各スイッチの操作信号は遊技制御装置140に送信される。
遊技者が予約操作を行っていない通常の状態では、表示パネル200のメイン表示部210には各スイッチ203〜205に関する操作説明等がスクロール表示され、客待ち画面となっている(図11(1)参照)。ここで予約スイッチ205をタッチすると(図11(2)参照)、遊技機10の遊技台情報を閲覧したり遊技機10の予約を行うことができる。なお、各図中に示す指先形のアイコンは、単に遊技者の操作をイメージしたものであるが、このようなアイコンを遊技者の操作の便宜を図るために実際に表示しても良い。
前記予約スイッチ205をタッチすると、前記メイン表示部210には、機種指定スイッチ211および島指定スイッチ212が一時的に表示される(図11(3)参照)。機種指定スイッチ211は、指定した機種の台情報の閲覧を望む時にタッチするものであり、島指定スイッチ212は、指定した島(全台)の情報の閲覧を望む時にタッチするものである。
ここで島指定スイッチ212をタッチすると(図11(4)参照)、メイン表示部210には、遊技店内における遊技機島の配置を模式的に示すホールレイアウトが表示される。すなわち、複数の遊技機島が枠表示として出現し、それぞれ枠表示の中の遊技機10はマス目として表示される。ここで遊技者が遊技中の遊技機10の位置は、例えば赤色に点灯することで識別可能に表示される(図12(5)参照)。なお、機種指定スイッチ211による「機種指定」や島指定スイッチ212による「島指定」以外にも、例えば遊技場全体のレイアウト図を表示し、遊技者が所望する遊技機10を1台または複数台の単位で選択できるようにしても良い。
前記島指定スイッチ212をタッチすることで、メイン表示部210の右脇に表示されていた前記予約スイッチ205が表示画面から消えて、代わりにトップスイッチ206が出現して表示される。トップスイッチ206は、前記客待ち画面(図11(1)参照)に戻りたい時にタッチする。また、メイン表示部210において遊技機島を示す枠表示の上方には、予約に使用可能な予約可能球数を表示する予約可能球数表示部207が出現して表示される。さらに、メイン表示部210において遊技機島を示す枠表示の下方には、例えば遊技カードの挿入を促すような各種案内のメッセージがスクロール表示される。
遊技者が遊技機10に併設されたカードユニット20のカード投入口21に遊技カードを挿入すると、その旨を知らせるメッセージ等がメイン表示部210の下方に表示される他、遊技カードに記憶されていた貸球度数が読み取られて貸球度数表示部201に表示される(図12(6)参照)。遊技者は、貸球度数表示部201に表示された貸球度数の範囲内で、遊技に使用する持球数を得ることができる。すなわち、遊技カードを挿入した状態で球貸スイッチ203をタッチすると、貸球度数表示部201に表示されている貸球度数の範囲内で球貸加算処理が行われ、その結果、増加した持球数が持球数表示部202に表示され(図12(7)参照)、遊技が開始可能となる。
例えば、球貸スイッチ203を1回タッチすると、5度数(500円相当)の球貸しが行われ、貸球度数表示部201に表示されている貸球度数が5個減算されると共に、持球数が例えば125個増加し、この増加分が持球数表示部202に表示される持球数に加算される。なお、カードユニット20に遊技カードを挿入する代わりに、現金投入口22から紙幣を投入することにより、その金額に対応した貸球度数の範囲内で球貸しを行うこともできる。図12(6)に示す例では、遊技カードに記憶されていた貸球度数は100度であり、これは現金の場合だと1万円(紙幣)に相当する。
遊技中に遊技球が入賞した場合に、前記遊技制御装置140は、遊技者の持球数を電子的に増加させる。すなわち、前述した制御手段の機能の一つである「記憶更新手段」によって、RAM143に記憶されている持球数を増加させ、持球数表示部202に表示させる等の制御を行う。ここでRAM143に記憶された持球数は、増加する等の変更が生じた場合には随時更新され、これに伴い後述するホールコンピュータ80や持球管理装置70の記憶装置にある「価値情報記憶手段」に記憶されている遊技者の持球数も随時更新される。
持球数表示部202に表示される持球数が2500個になると、遊技球で満杯になった玉箱を模した画像がメイン表示部210に表示される(図12(8)参照)。この玉箱を模した画像は、持球数が2500個単位で増加する度に1箱ずつ追加されるように設定すると良く、持球数が単なるデジタル表示だけではなく、持球数の数量を視覚的に容易に把握することができる。また、メイン表示部210には、前述した島(全台)の情報の閲覧に関連して、遊技者に対して閲覧したい遊技機島を示す枠表示の選択を促すメッセージが表示される(図12(8)参照)。
遊技者は所望する遊技機島を示す枠表示をタッチすると(図13(9)参照)、この選択した遊技機島(全台)の情報の閲覧することができる(図13(10)参照)。すなわち、メイン表示部210には、遊技者が選択した遊技機島に設置された遊技機10の「機種名」の表示の他、個々の遊技機10毎における予約の有無ないし稼働中であるか否かが分かるように、例えば個々の遊技機10毎に対応したマス目が色分け表示される。ここでの遊技機10毎における予約の有無ないし稼働中の区別は、もちろん色分け表示に限られることなく、他に例えば文字やアイコン等によって区別できるように表示しても良い。なお、メイン表示部210の右脇には、キャンセルスイッチ208が新たに表示され、このキャンセルスイッチ208をタッチすると、一つ前の画面(図12(8)参照)に戻ることができる。
ここで遊技者が予約なし(非稼働)の遊技機10を予約する場合には、予約なし(非稼働)であることを示す遊技機10に相当するマス目をタッチすると(図14(11)参照)、選択された遊技機10に関する台情報がメイン表示部210に表示される(図14(12)参照)。すなわち、「機種名」や「台番号」の他、「大当たり回数」や「スタート回数」等が表示される。大当たり回数は、特別遊技状態が発生した回数であり、スタート回数は、各始動入賞口107,108に遊技球が入賞し、特図の変動表示ゲームが行われた回数である。また、メイン表示部210の右脇には、再び予約スイッチ205が出現する。なお、表示パネル200の表示画面の右下に表示されている番号は、当該遊技機10を特定するための台番号(詳細は後述する)である。
遊技者は、予約を希望する遊技機10の台情報が表示されている状態で、前記予約スイッチ205をタッチすると、持球数表示部202に表示されていた持球数のうち、予め定められた初期投資分として1000個分が持球数から減算されて、代わりに1000個分の予約可能球数として予約可能球数表示部207に表示される(図14(13)参照)。予約スイッチ205を続けてもう1回タッチすると、追加投資分として200個分が持球数から減算されて予約可能球数に加算され、さらに、予約スイッチ205を続けてもう1回タッチすると、加えて200個分が持球数から減算されて予約可能球数に加算されるようにしても良い。なお、予約可能球数の加算は、前記記憶更新手段によってその都度記憶更新される。
前記予約スイッチ205による持球数から予約可能球数への移動に続いて、メイン表示部210には、予約を確定するかどうかについて遊技者に確認するためのメッセージが表示される(図14(14)参照)。このような予約確認画面においては、予約元遊技機の位置は例えば赤色に点灯し、また、予約先遊技機の位置は例えば緑色に点灯することで、それぞれの遊技機10の位置を容易に確認することができる。なお、前記予約操作による持球数から予約可能球数への移動に伴う持球数の減少も、前記記憶更新手段によって随時記憶更新される。
以上のような予約操作により、遊技者の持球数から選択された予約可能球数は、前述した持球管理装置70にある価値情報記憶手段にて、遊技者が遊技中の予約元遊技機で使用する遊技分とは別に、予約先遊技機での使用を遊技店側に委託する担保分として分けて記憶されることになる。
遊技者が予約確定のために前記予約スイッチ205を再度タッチすると(図15(15)参照)、予約登録が確定した旨のメッセージが表示されると共に、自動発射を行うので前記予約可能球数に対応した所定時間(例えば予約可能球数が1000個の場合は10分。以下「予約可能時間」とする。)以内に予約先遊技機への移動を促すメッセージが表示される(図15(16)参照)。また、メイン表示部210の右脇には、移動スイッチ217が出現して表示される。移動スイッチ217は、詳細は後述するが遊技者が予約先遊技機に移動する時にタッチするものである。
その後、予約先遊技機において球の自動発射が行われ、この自動発射に伴い予約可能球数表示部207に表示された予約可能球数が順次減算される(図15(17)参照)。ここでの予約可能球数の減算も、前記記憶更新手段によってその都度記憶更新される。以下、理由を問わず予約可能球数の加算ないし減算が生じた場合には、前記記憶更新手段によってその都度記憶更新される。
このようにして、前記自動遊技実行手段は、前記予約処理実行手段からの指令に基づいて、予約先遊技機における自動発射を実行することになる。なお、遊技者が予約可能時間(例えば10分)以内に予約先の遊技機10へ移動しなかった場合には、予約はキャンセルとなり自動発射も停止される。すなわち、前記制御手段は、自動発射中(自動遊技実行中)の予約先遊技機において、予約した遊技者の予約可能球数がなくなり前記所定時間が経過した時点で、予約先遊技機における自動発射を停止すると共に予約確定状態を解除する。
次に、遊技者が予約あり(稼働中)の遊技機10を予約する場合について説明する。
表示パネル200のメイン表示部210において、予約あり(稼働中)であることを示す遊技機10に相当するマス目をタッチすると(図16(18)参照)、指定された遊技機10に関する台情報がメイン表示部210に表示される(図16(19−1)参照)。すなわち、前述したように「機種名」や「台番号」の他、「大当たり回数」や「スタート回数」等が表示される。
遊技者は、予約を希望する遊技機10の台情報が表示されている状態で、前記予約スイッチ205をタッチすると、持球数表示部202に表示されていた持球数のうち、予め定められた初期投資として1000個分が持球数から減算されて、代わりに1000個分の予約可能球数として予約可能球数表示部207に表示される(図16(19−2)参照)。前述したように、予約スイッチ205を続けてもう1回タッチすると、追加投資として200個分が持球数から減算されて予約可能球数に加算され、さらに、予約スイッチ205を続けてもう1回タッチすると、加えて200個分が持球数から減算されて予約可能球数に加算される。
ここで予約先遊技機が、既に予約ありや稼働中である場合には、実際に予約先遊技機へ移動可能な状態になってから、持球数を予約可能球数へ移動できるように構成しても良い。前述した予約確定のための確認メッセージの表示後(図14(14)参照)、遊技者が予約確定のために前記予約スイッチ205を再度タッチすると、予約登録が確定した旨のメッセージが表示されると共に、予約先遊技機が空いたら報知する旨や、この報知まで遊技を継続するように促すメッセージが表示される(図16(20)参照)。
次に、予約先遊技機が空いた場合の対応について説明する。
ここで予約登録している遊技者の中から予約順に報知するようにしても良いが、本実施の形態では、予約登録している遊技者に対して一斉に報知して、本当に予約通りに遊技を行いたい遊技者の中から、何れの遊技者に割り振るかを決定するようにしている。
予約先遊技機が空いた場合には、予約登録している遊技者が遊技中の遊技機10の表示パネル200において、予約先遊技機が空いたことの知らせと、現在他に何名の予約者がいるかと、抽選に参加するかどうかについて遊技者に確認するためのメッセージがメイン表示部210に表示される(図17(21)参照)。
ここで遊技者が抽選に参加する場合には、メイン表示部210の右脇に出現した確定スイッチ209をタッチすると、抽選中であることを示す画像がメイン表示部210に表示される(図17(22)参照)。そして、抽選結果が当たりの場合には、当該当たりの知らせの他、自動発射を行うので予約可能時間(例えば10分)以内に予約先の遊技機10への移動を促すメッセージが表示される(図17(23)参照)。
このように本実施の形態では、予約者が複数いる場合、同じ遊技機10を予約している遊技者に一斉に通知し、抽選に当選した遊技者が予約先遊技機で遊技を行う権利を獲得するように設定している。その他の方法として、予約が早い遊技者から順に1人ずつ予約先遊技機が空いたことを通知しても良い。また、全ての予約者に一斉に報知する場合は予約順を考慮しても不公平感があるので、予約時間の早い順に複数人ずつグループ化して管理し、予約時間の早いグループの順番でグループ毎に予約者に一斉に報知するようにしても良い。
その後、予約先の遊技機10において自動発射が行われ、この自動発射に伴い予約可能球数表示部207に表示された予約可能球数が順次減算される(図17(24)参照)。また、メイン表示部210の右脇に出現している情報スイッチ213をタッチすると(図17(23)参照)、予約先遊技機に関する台情報をメイン表示部210に表示させることができる(図17(24)参照)。なお、前記抽選結果が当たりになった時点で、遊技者の持球数を予約可能球数へ移動するように構成しても良い。
また、予約先遊技機が空いても遊技者が抽選に参加しない場合には、前述した参加を確認するメッセージが表示された時に(図18(25)参照)、前記確定スイッチ209ではなくキャンセルスイッチ208をタッチする(図18(26)参照)。すると、メイン表示部210には、予約先遊技機を変更するか、あるいは予約を終了するか、それぞれ確認するためのメッセージが表示される(図18(27)参照)。
ここで遊技者が予約先遊技機を変更したい場合には、メイン表示部210の右脇に出現した変更スイッチ214をタッチする(図18(28)参照)。すると、予約可能球数表示部207に表示されている予約可能球数はそのままの状態で、メイン表示部210の表示が前述した遊技機島を示す枠表示が並ぶ予約初期画面に戻る(図18(29))。
一方、遊技者が予約を終了したい場合には、メイン表示部210の右脇に表示されているキャンセルスイッチ208をタッチする(図18(30)参照)。これにより予約は終了し、予約可能球数表示部207に表示されていた予約可能球数は、全て持球数表示部202に表示されている持球数に返却され、メイン表示部210の表示が前述した遊技機島を示す枠表示が並ぶ画面に戻る(図18(31)参照)。
なお、予約のキャンセルが所定回数(所定人数)発生した場合には、当該遊技機10を開放する、すなわち、一定期間なり当日なり当該遊技機10に対する予約を行えないように設定しても良い。また、予約先遊技機を変更する場合は、予約可能球数表示部207に表示されている予約可能球数はそのままの状態とするが、予約を終了する場合と同様に、予約可能球数表示部207の予約可能球数をいったん持球数表示部202の持球数に全て戻すようにしても良い。
また、前述したように、遊技者が抽選に参加したにも関わらず(図19(32),(33)参照)、抽選結果が外れの場合には、該外れの知らせの他、このまま予約を継続するか、あるいは予約を終了または変更するかを、それぞれ確認するためのメッセージがメイン表示部210に表示される(図19(34)参照)。
ここで遊技者が予約を継続したい場合には、メイン表示部210の右脇に出現した継続スイッチ215をタッチする(図19(35)参照)。すると、予約可能球数表示部207に表示されている予約可能球数はそのままの状態で、メイン表示部210には前述した遊技機島を示す枠表示の他、予約先遊技機が空いたら報知する旨や、この報知まで遊技を継続するように促すメッセージが表示される(図19(36)参照)。
一方、遊技者が予約を終了または変更したい場合には、メイン表示部210の右脇に表示されているトップスイッチ206をタッチする(図19(37)参照)。すると、予約可能球数表示部207に表示されていた予約可能球数が、全て持球数表示部202に表示されている持球数に返却され、メイン表示部210の表示が前述した遊技機島を示す枠表示が並ぶ予約初期画面に戻る(図19(38)参照)。
また、遊技者は予約登録をした後でも、前述した所定時間の経過前であれば、予約をキャンセルすることができる。予約をキャンセルするには、予約先遊技機において自動発射中である旨や台情報がメイン表示部210に表示されている状態で(図20(39)参照)、メイン表示部210の右脇に表示されているキャンセルスイッチ208をタッチする(図20(40)参照)。これにより予約は終了し、予約可能球数表示部207に表示されていた予約可能球数が、全て持球数表示部202に表示されている持球数に返却され(図20(41)参照)、メイン表示部210の表示が前述した遊技機島を示す枠表示が並ぶ予約初期画面に戻る(図20(42)参照)。
前述したように予約先遊技機において自動発射が行われると、この自動発射に伴い予約可能球数表示部207に表示された予約可能球数が順次減算されるが、この予約可能球数が所定数(例えば50個)になると、メイン表示部210には追加投資を促すメッセージが表示される(図21(43)参照)。ここで遊技者が追加投資を希望する場合は、メイン表示部210の右脇に表示されている追加スイッチ216をタッチすれば(図21(44)参照)、追加投資分として200個分が持球数から減算されて予約可能球数に加算される(図21(45)参照)。
このように予約操作手段である表示パネル200では、自動発射中の予約先遊技機において、予約確定状態の所要時間を延長するために、遊技者の持球数の範囲内でその一部を予約可能球数に移動させる予約延長操作が可能となっている。なお、遊技中に遊技球が入賞すれば、その都度、持球数表示部202に表示された持球数も増加するが、遊技者は持球数表示部202に表示された持球数の範囲内で、前述した追加投資を適宜行い持球数を予約可能球数に移動させることができる(図21(46)参照)。
一方、遊技者が追加投資を希望しない場合は、メイン表示部210の右脇に表示されているキャンセルスイッチ208をタッチすれば良い(図21(47)参照)。キャンセルスイッチ208をタッチすると、続けて、予約自体をキャンセルするか否かを確認するためのメッセージがメイン表示部210に表示される。ここで再度キャンセルスイッチ208をタッチすると(図21(48)参照)、予約は終了する。そして、予約可能球数表示部207に表示されていた予約可能球数に残りがあれば、全て持球数表示部202に表示されている持球数に返却され、メイン表示部210の表示が前述した遊技機島を示す枠表示が並ぶ予約初期画面に戻る(図21(49)参照)。
このように予約操作手段である表示パネル200においては、前記予約操作を後から取り消すための予約取消操作も可能となる。すなわち、前記制御手段は、自動発射中の予約先遊技機において、予約した遊技者による前記予約取消操作が確認された場合に、予約先遊技機における自動発射を停止すると共に予約確定状態を解除し、当該時点における予約用遊技価値の残りを通常の遊技が可能な持球数に復帰させることになる。
なお、前述したように、予約先遊技機における自動発射に伴い予約可能球数表示部207に表示された予約可能球数が順次減算されるが、この予約可能球数が0個になって所定時間が経過すれば、特にキャンセルスイッチ208をタッチすることなく自動的に予約がキャンセルされる。また、予約可能球数が0個になった時点でも、直ぐに予約をキャンセルすることなく、所定時間以内であれば前記追加スイッチ216をタッチすることにより、追加投資分を行えるように設定しても良い。
また、予約登録(予約確定)をした後に、遊技者(予約者)が予約先遊技機に移動する場合には、遊技者が移動スイッチ217(図15(16)、図17(24)、図20(39)、図21(43)(46)参照)をタッチすると、カードユニット20のカード投入口21から遊技カードが排出され、遊技者は遊技カードを持って予約先遊技機へ移動する。なお、予約元遊技機では、遊技カードが排出されると表示パネル200のメイン表示部210は客待ち画面となり(図11(1)参照)、遊技可能状態となる。
次に、前述した予約操作に関連して、図22〜図24に基づき予約先遊技機の表示パネル200の表示画面における表示内容の遷移について説明する。予約先遊技機においても、前述した予約元遊技機と同様に表示パネル200のメイン表示部210には、遊技者が台情報を閲覧したい遊技機島を選ぶために、遊技機島を示す枠表示が並ぶ予約初期画面が表示される(図22(1)参照)。この予約先遊技機において、他の遊技者が遊技を終了する場合は、メイン表示部210の右脇に表示されている精算スイッチ204をタッチする(図22(2)参照)。なお、遊技機島を示す枠表示において、予約先遊技機の位置は、これに相当するマス目が例えば赤色に点灯することで識別可能に表示されている。
前記精算スイッチ204がタッチされると、前記カードユニット20のカード投入口21から遊技カードが返却され、その旨のメッセージが表示パネル200のメイン表示部210に表示される(図22(3)参照)。なお、返却された遊技カードは、さらに別の予約先遊技機でそのまま用いられたり、前記カード精算機50で扱われて、貸球度数残高に応じた金額が現金で返却されたり、前記景品交換装置60で扱われて、持球数に応じた所望の景品と交換されたり、あるいは貯球数に交換して記録される。
こうして遊技が終了した予約先遊技機では、メイン表示部210の右脇に表示されていた球貸スイッチ203と精算スイッチ204が操作不能な状態となる。また、メイン表示部210には、前述した予約元遊技機からの予約情報があることの他、これから自動発射を行うこと、予約者以外は遊技ができないことを知らせるメッセージが表示される(図22(4)参照)。また、メイン表示部210には、予約済みであることを示す文字が表示され、予約可能球数表示部207には、予約元遊技機からの予約可能球数も表示される。
予約先遊技機において自動発射が行われると、この自動発射に伴い予約可能球数表示部207に表示された予約可能球数が順次減算される。また、メイン表示部210には、自動発射中であることや、予約者以外は遊技ができないことを知らせるメッセージが表示される(図23(5)〜(7)参照)。このような自動発射中に、予約元遊技機において前述した追加投資が行われると、予約先遊技機では追加投資分が予約可能球数表示部207に表示された予約可能球数に加算される。
また、前述したように、予約元遊技機の操作で予約がキャンセルされたり、予約可能時間が経過した場合等に、メイン表示部210には、遊技が可能となったことを知らせるメッセージが表示され、前述した遊技機島を示す枠表示が並ぶ予約初期画面に戻る(図23(8)参照)。この時、メイン表示部210の右脇に表示されている球貸スイッチ203と精算スイッチ204は、それぞれ操作可能な状態に戻る。
予約元遊技機にいた遊技者が予約先遊技機に移動して、併設のカードユニット20のカード投入口21に遊技カードを挿入すると、その旨を知らせたり予約情報の照会を行う等のメッセージがメイン表示部210に表示される(図24(9)参照)。そして、遊技カードが承認されると、遊技開始処理中である旨を示すメッセージがメイン表示部210に表示される(図24(10)参照)。その後、予約可能球数表示部207に表示された予約可能球数が未だ残っていた場合には、その残り全部の球数が持球数に加算されて持球数表示部202に表示される(図24(11)参照)。
このようにして前記制御手段は、自動発射中の予約先遊技機において、予約した遊技者の移動が該遊技者を特定する情報の認識に基づき確認された場合に、予約先遊技機における自動発射を停止すると共に予約確定状態を解除し、当該時点における予約可能球数の残りを通常の遊技が可能な持球数に復帰させる。
なお、詳細は後述するが、予約可能球数の残りが持球数に加算される際は、予約可能球数に予約元遊技機の貸単価を乗じた値を加算することになる。また、前述した予約延長操作が行われた場合には、該予約延長操作以前に選択された予約可能球数を、予約先遊技機において通常の遊技が可能な持球数に復帰不能としても良い。
次に、前記ホールコンピュータ80で管理される「カード毎予約情報ファイル」について説明する。図25に示すカード毎予約情報ファイルは、遊技者の遊技カードに対応付けられた予約情報を管理するファイルであり、ホールコンピュータ80にある記憶装置に記憶される。
カード毎予約情報ファイルには、記憶領域として、それぞれの遊技カードの一意な識別情報である「カードID」と、このカードID毎に対応付けられた「予約元情報」および「予約先情報」が含まれる。カード毎予約情報ファイルは、予約元情報や予約先情報が更新される度に新たな内容に書き換えられる。なお、カード毎予約情報ファイルはホールコンピュータ80で管理することなく、持球管理装置70や図示しない台ID管理装置等の他の装置で管理しても良い。
「カードID」には、遊技者を特定する情報でもある遊技カードのカードIDが記憶される。「予約元情報」には、予約元遊技機を一意に特定する位置情報として、遊技店に設置された各遊技機10をそれぞれ識別し特定するための台番号(台ID)の他、‘予約’と‘投資’と‘種類’に関する情報が記憶される。
ここで‘予約’には、初期値として“0”が記憶され、予約確定の場合は“1”が、予約のキャンセルの場合は“2”が記憶される。‘投資’には、初期値として“0”が記憶され、初期投資の場合は“1”が、追加投資1回(追加投資1)の場合は“2”が、追加投資2回(追加投資2)の場合は“3”が記憶される。‘種類’には、初期値として“0”が記憶され、機種指定で台情報の閲覧が希望された場合は“1”が、島(全台)情報の閲覧が希望された場合は“2”が記憶される。
また、「予約先情報」には、予約先遊技機を特定する位置情報である台番号(台ID)の他、‘予約状況’と‘稼働状況’に関する情報、それに予約可能球数が記憶される。ここで‘予約状況’には、予約がない場合は初期値として“0”が記憶され、予約がある場合は“1”が記憶される。‘稼働状況’には、非稼働の場合は初期値として“0”が記憶され、稼働中である場合は“1”が記憶され、非稼働で自動発射中の場合は“2”が記憶される。予約可能球残数は、前述した予約可能球数表示部207に表示される予約可能球数の残数を示す数値である。なお、前述したように予約可能球残数が所定数(例えば50個)になると、メイン表示部210には追加投資を促すメッセージが表示される(図21(43)参照)。
次に、前記持球管理装置70で管理される「持球管理ファイル」について説明する。図25に示す持球管理ファイルは、遊技者の遊技カードに対応付けられた遊技者の持球数を管理するファイルであり、持球管理装置70にある記憶装置に記憶される。持球管理ファイルには、記憶領域として、それぞれの遊技カードの一意な識別情報である「カードID」と、このカードID毎に対応付けられた「持球数」が含まれる。ここで「持球数」は、複数の貸出レート(貸単価)毎にそれぞれ区別されて登録される。持球管理ファイルは、前述した精算時および予約先遊技機に移動した遊技者の本人認証が確認された場合に、遊技カードに記憶された台IDに対応する貸単価に応じて持球数が更新される。
また、予約先遊技機で本人認証が確認された場合は、持球管理装置70において貸出レート(貸単価)別に記憶されている持球数に、予約可能球数の残数に予約元遊技機の貸単価を乗じた値を加算するように設定されている。さらに、持球管理装置70では、カードIDに対応して貸出レート(貸単価)別に持球数を管理する他、台IDや日時も併せて、当日分または複数日分のデータを管理するようにしても良い。この場合、持球管理装置70に記憶させるようにしても良いし、遊技カード、ホールコンピュータ80に記憶させるようにしても良い。
次に、前述した遊技機10の予約に関する処理(予約制御処理)に関して、各装置間のデータの送受信を中心に、図26〜図28に基づき説明する。図26は予約開始選択処理を示している。図26に示すように、予約開始有効フラグがオンであれば、予約元遊技機の表示パネル200には、客待ち画面が表示されている(図11(1)参照)。ステップS11で、予約スイッチ205をタッチすると(図11(2)参照)、その操作信号は遊技制御装置140に送信され、ステップS12で、予約元情報(図25参照)が遊技制御装置140から前述した外部情報端子板117を介してホールコンピュータ80に送信される。ステップS13で、前述したホールコンピュータ80で管理されているカード毎予約情報ファイルの内容が更新され、その応答がホールコンピュータ80から遊技制御装置140に送信される。
そして、ステップS14で、遊技制御装置140から予約元遊技機の表示パネル200に、予約種類画像表示許可信号が送信され、ステップS15で、予約開始有効フラグがオフになると共に、予約種類選択有効フラグがオンとなり、それぞれ予約元遊技機の表示パネル200に送信される。次いでステップS16で、予約元遊技機の表示パネル200には、予約種類選択画像として前述した機種指定スイッチ211と島指定スイッチ212が表示される(図11(3)参照)。なお、予約種類選択有効フラグがオンになると、予約種類の選択に係る表示パネル200のメイン表示部210上のタッチ操作が有効化されて操作可能となる(図11(3)〜図13(9)参照)。
続く図27は、予約種類選択処理を示している。図27に示すように、予約種類選択有効フラグがオンであれば、ステップS17で、予約元遊技機の表示パネル200により予約の種類を選択する。すなわち、予約を希望する遊技機10の機種を指定すべく、機種指定スイッチ211をタッチした後に機種表示(図示せず)をタッチするか、あるいは島(全台)を指定すべく島指定スイッチ212をタッチした後に(図11(4)参照)、希望する遊技機島の枠表示をタッチする(図13(9)参照)。
表示パネル200における予約種類選択の操作信号は、遊技制御装置140へ送信され、ステップS18で、予約元情報(図25参照)が、遊技制御装置140からホールコンピュータ80に送信される。ここで予約元情報のうち、‘予約’と‘投資’は、それぞれ初期値“0”のままだが、‘種類’に関しては、機種指定の場合は“1”、島(全台)指定の場合は“2”となる。これらの情報は、ステップS19で、ホールコンピュータ80で管理されているカード毎予約情報ファイル(図25参照)の内容として記憶更新される。
ホールコンピュータ80では、ステップS20で、前述の予約種類に応じた予約候補台の稼働・予約状態が収集/記憶され、ステップS21で、これらの予約先情報がホールコンピュータ80から遊技制御装置140に送信される。ここで予約先情報には、予約先遊技機の設置位置や予約の有無、稼働状況が含まれる。これにより、前述した稼働状態判定手段の機能が実現される。そして、ステップS22で、遊技制御装置140から予約元遊技機の表示パネル200に、予約先情報表示許可信号が送信され、続くステップS23で、予約種類選択有効フラグがオフになると共に、予約確定選択有効フラグもオンとなる。
次いでステップS24で、予約元遊技機の表示パネル200には、予約先情報として遊技機島に設置された遊技機10それぞれの状況が前述したように色分け表示される(図13(10)参照)。なお、予約確定選択有効フラグがオンになると、予約確定の選択に係る表示パネル200のメイン表示部210上のタッチ操作が有効となり操作可能となる(図13(10)〜図15(17)参照、または図13(10),図16(18)〜図17(24)参照)。
続く図28は予約台確定処理を示している。図28に示すように、予約確定選択有効フラグがオンであれば、ステップS25で、予約元遊技機の表示パネル200により台情報を表示したい遊技機10に相当するマス目をタッチする。ここで例えば、予約なし(非稼働)の遊技機10を予約する場合には、当該表示のマス目をタッチし(図14(11)参照)、予約あり(稼働中)の遊技機10を予約する場合には、当該表示のマス目をタッチする(図16(18)参照)。
表示パネル200における台番号選択の操作信号は、遊技制御装置140へ送信され、ステップS26で、予約元情報と予約先情報(図25参照)が遊技制御装置140からホールコンピュータ80に送信される。ここで予約元情報のうち、‘予約’と‘投資’はそれぞれ初期値“0”のままだが、‘種類’に関しては、機種指定の場合は“1”、島(全台)指定の場合は“2”となる。また、予約先情報である‘予約先位置情報’は、前述したように遊技者が選択した予約先遊技機の番号(台番号)である。これらの情報は、ステップS27で、ホールコンピュータ80で管理されているカード毎予約情報ファイル(図25参照)の内容として記憶更新される。
続いてステップS28で、前記カード毎予約情報ファイルの予約先情報に基づき、前記予約先位置情報に対応する予約先遊技機の台情報が、ホールコンピュータ80から遊技制御装置140に送信される。すると、ステップS29で、遊技制御装置140から予約元遊技機の表示パネル200に、予約先遊技機の台情報が送信され、ステップS30で、予約先遊技機に関する台情報がメイン表示部210に表示される(図14(12)参照)。ステップS31で、予約スイッチ205をタッチすると(図14(13)参照)、その操作信号は遊技制御装置140に送信される。
そして、ステップS32で、遊技者の持球数と初期投資球数(例えば1000個)とが比較され、持球数の方が多い場合には、ステップS33で初期投資が行われ、予約情報が遊技制御装置140からホールコンピュータ80に送信される。ここで予約情報には、カードIDの他、予約元情報として、‘予約’に関しては初期値“0”、‘投資’に関しては初期投資を示す“1”、‘種類’に関しては、機種指定の場合は“1”、島(全台)指定の場合は“2”、それに予約先情報の‘予約先位置情報’が含まれる。なお、ステップS32で、遊技者の持球数が初期投資球数(例えば1000個)に満たない場合には、球貸し操作によって持球数を増やすことで初期投資が可能となる。
続いてステップS34で、初期投資があった旨の通知が、ホールコンピュータ80から遊技制御装置140に送信され、ステップS35で、遊技制御装置140から予約元遊技機の表示パネル200にも通知される。するとステップS36で、表示パネル200には、前記初期投資後の予約可能球数が予約可能球数表示部207に表示されると共に、予約確定画面がメイン表示部210に表示される。ステップS37で、遊技者が予約確定のために前記予約スイッチ205を再度タッチすると(図15(15)参照)、ステップS38で、予約情報が遊技制御装置140からホールコンピュータ80に送信される。
ここで予約情報には、カードIDの他、予約元情報として、‘予約’に関しては予約確定を示す“1”、‘投資’に関しては初期投資を示す“1”、‘種類’に関しては、機種指定の場合は“1”、島(全台)指定の場合は“2”、それに予約先情報の‘予約先位置情報’が含まれる。これらの情報は、ステップS39で、ホールコンピュータ80で管理されているカード毎予約情報ファイル(図25参照)の内容として記憶更新される。次にステップS40で、ホールコンピュータ80は、前記発射可能球数に関する情報と自動発射開始の指示(後述する発射補助信号)を、予約先遊技機の遊技制御装置140(さらに発射制御装置180)に送信する。
次いで予約先遊技機は、ステップS41で、自動発射中のフラグをオンにセットした後、ステップS42で、自動発射を開始すると共に、それに伴い減少する予約可能球数(の残数)をホールコンピュータ80に送信する。これにより、前述した予約処理実行手段の機能が実現される。ホールコンピュータ80は、ステップS43で、予約先遊技機の遊技制御装置140から受信した予約可能球数(の残数)を、予約元遊技機の遊技制御装置140に送信する。予約元遊技機の遊技制御装置140は、ステップS44で、予約可能球数(の残数)を表示パネル200に送信する。
そして、表示パネル200では、ステップS45で、予約が確定した旨と、予約先遊技機にて自動発射中である旨が表示され(図15(17)、図20(39)参照)、この自動発射に伴い予約可能球数表示部207にて予約可能球数が減算表示される。遊技者が予約登録(予約確定)した後でも予約をキャンセルする場合には、ステップS46で、遊技者はキャンセルスイッチ208をタッチすると(図20(40)参照)、ステップS47で、発射停止指示が遊技制御装置140に送信される。続くステップS48で、発射停止指示が遊技制御装置140からホールコンピュータ80に送信される。このように、自動発射を途中でキャンセルすると、残りの予約可能球数は持球数に移動(返却)される。
ホールコンピュータ80は、発射停止指示に基づき、ステップS49で、予約先遊技機の遊技制御装置140に対して自動発射の停止を指示し、自動発射中フラグをオフにする。この自動発射停止に対する応答は、ステップS50で、予約先遊技機の遊技制御装置140からホールコンピュータ80に送信され、ステップS51で、さらにホールコンピュータ80から予約元遊技機の遊技制御装置140に送信される。すると、ステップS52で、予約元遊技機では、予約確定選択有効フラグがオフになると共に、予約開始有効フラグがオンにセットされる。この結果は、表示パネル200に送信されて、ステップS53で、メイン表示部210の表示が前述した予約初期画面に戻る(図12(5)参照)。
次に、遊技制御装置140、カードユニット20、および持球管理装置70の制御内容を説明する。最初に遊技制御装置140について、図29〜図67に基づき説明する。
図29は、遊技制御装置140のメイン処理を示している。このメイン処理は、CPU141に強制的にリセットがかけられたことに基づいて開始する。すなわち、遊技制御装置140に電源を供給している電源装置190の電源スイッチ(図示省略)がオン操作されると、所定のタイミングに(電源投入時の所定のリセット期間に)電源装置190からリセット信号が遊技制御装置140に入力され、CPU141のリセット端子がオンとなり、その後このリセット信号が解除されるとCPU141が起動する。
なお、停電からの電源復旧時にも、同様にリセット信号がオンした後に解除されてCPU141が起動する。また、遊技店の作業者が遊技制御装置140のRAM143等の初期化を行う場合には、電源装置190の初期化スイッチ(図示省略)をオン操作しながら、前記電源スイッチをオン操作する必要がある。
そして、CPU141が起動すると、先ず割込みを禁止し、CPU141に内蔵されたCPU周辺回路(シリアルポートを含む)の初期設定を行うと共に、RAM143へのアクセスを許可する。その後、全出力ポートにオフ信号(2値信号の「0」に相当する信号)を出力する(ステップS101〜S104)。なお、リセット信号によって、各出力ポートはオフ設定(リセット)されているので、ソフト的に各出力ポートにオフ信号を出力する必要は必ずしもないが、ここでは念のためにステップS104が設けられている。
ステップS104を経ると、ステップS105に進んで、この時点での待機中(ウェイト中)に停電が発生したか否かを判別する。停電が発生していれば、ステップS129にジャンプしてRAM143へのアクセスを禁止した後、待機する。一方、停電が発生していなければ、次のステップS106で、演出制御基板(演出制御装置150)の起動待ちのウェイト時間が経過したか否かを判断する。ここで起動待ちのウェイト時間が経過していなければ、ステップS105に戻ってルーチンを繰り返し、同ウェイト時間が経過すると、ステップS107に進み、電源装置190の初期化スイッチを押しながらの電源投入であるかを判断する。
初期化スイッチを押しながらの電源投入であれば、ステップS113にジャンプする。一方、初期化スイッチを押さないで電源投入したのであれば、ステップS108に進んでRAM143の停電検査領域1,2の全ての値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否か判断する。ここで正常であれば、停電復帰時(停電復旧時)であるとしてステップS109に進み、異常であれば(正常に記憶されていなければ)、通常の電源投入時であるとしてステップS113に進む。なお、停電検査領域チェックデータは、後述するステップS127で設定されるものである。このステップS108では、複数のチェックデータによって停電復帰時であるか否か判定するので、停電復帰時であるか否かの判断の信頼性が高くなる。
次にステップS109では、RAM143のデータのチェックサムを算出し、ステップS110で電源遮断時のチェックサムと比較し、その値が正常(一致)か否かを判定する。このチェックサムが正常でない場合(すなわちRAM143のデータが壊れている時)には、ステップS113に進み、前記チェックサムが正常である場合には、ステップS111に進む。
ステップS111では、停電復旧のための処理(初期値設定)を実行する。すなわち、全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアし、エラーおよび不正監視に係る領域をリセットする。次いで、ステップS112で停電復旧時のコマンド(停電復旧コマンド)を演出制御装置150に送信する。このステップS112を経ると、ステップS116に進む。
なお、停電復旧時のコマンド(停電復旧コマンド)には、停電時の状態(遊技状態、休憩の状態、精算の状態)を知らせる情報が含まれる。例えば、休憩中に停電があった場合には、休憩中であったことを示す情報(例えば後述するステップS424の休憩開始コマンドと同じものでも良い)がこの停電復旧コマンドに含まれ、このコマンドを停電復旧時に受信した演出制御装置150は、例えば停電時に実行していた休憩中を報知する表示装置110での表示を、そのまま停電復旧後に再開する。
また、精算中に停電があった場合には、精算中であったことを示す情報(例えば後述するステップS364の精算開始コマンドと同じものでも良い)がこの停電復旧コマンドに含まれ、このコマンドを停電復旧時に受信した演出制御装置150は、例えば停電時に実行していた精算中を報知する表示装置110での表示を、そのまま停電復旧後に再開する。これにより、停電時の状態がRAM143に記憶保持されて停電復旧時にその状態が再開されていることが遊技者に明確に認識され、遊技者が停電復旧時に不安を覚えることがない。
次に、初期化スイッチを押しながらの電源投入でステップS113にジャンプした場合や、ステップS108、S110からステップS113にジャンプした場合には、このステップS113を含めてステップS113〜115の処理を行う。ステップS113以降の処理に進むと、遊技制御装置140のRAM143内のデータ(アクセス禁止領域を除く)を初期化する等の処理を行う。すなわち、ステップS113では使用する全てのRAM143の領域をクリアする。具体的には、RAM143において、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアする。
次いで、ステップS114で初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブし、ステップS115で電源投入時のコマンド(電源投入コマンド)を演出制御装置150に送信する処理を行う。電源投入コマンドが送信されると、他の制御装置は、この電源投入コマンドを受けて、例えば演出制御装置150であれば、前記センターケース109に設けられている演出装置等のモータの動作位置を初期位置にする等の初期化を行う。
ステップS115を経ると、ステップS116でホールコンピュータ80に起動報知信号オンデータを送信し、続くステップS117で、持球管理装置70に起動報知コマンドを送信する。起動報知信号オンデータと起動報知コマンドは、遊技制御装置140が起動したことを他の装置に報知する起動情報である。他の装置は、この起動情報を受信することによって、遊技制御装置140が起動したことに加えて、遊技制御装置140との間の通信ラインが正常であることを確認できる。
ここで起動報知信号オンデータは、遊技制御装置140が起動している限り、外部装置であるホールコンピュータ80に継続的に出力される。なお、このような起動を報知する情報としては、従来では例えばセキュリティ信号が起動後一定時間(1パルス)のみ出力されていたが、本実施の形態では、電源遮断や停電により遊技制御装置140が機能停止またはシャットダウンするまで継続的に出力する構成となっている。
ステップS117を経ると、ステップS119に進んで、例えばCPU141の内部に設けられたCTC(Counter/Timer Circuit)を起動する。CTCは、タイマ割込みのための回路である。次にステップS119では、CPU141に内蔵されるCPU周辺回路に設けられた乱数生成回路の起動設定を行う。この乱数生成回路によって、ハード的に特図や普図の各乱数のうちの一部が生成される。ただし、これら乱数のうち一部の乱数の初期値は、後述するステップS121の処理によってソフト的に設定される。
なお、特図に関連する乱数としては、大当たり乱数(大当たりとするか否かを決定するための乱数)、大当たり図柄乱数1,2(大当たり停止図柄決定用の乱数)、変動パターン乱数(リーチの有無等を含む変動パターンを決定する乱数)、停止図柄乱数(外れの停止図柄決定用の乱数)等がある。また、普図に関連する乱数としては、例えば普図当たり乱数(普図当たりとするか否かを決定するための乱数)等がある。このうちステップS119,121で対象とする乱数は、例えば大当たり乱数、普図当たり乱数、大当たり図柄乱数1,2である。なお、前記特図に関する乱数は、特図が2種類ある場合、特図1と特図2で共通でも良いし、別個に設けられていても良い。
続くステップS120では、割込みを許可し、次のステップS121では、初期値乱数更新処理を行う。初期値乱数更新処理は、遊技球を発射するタイミングを計って故意に当たり等をねらうことが困難になるように、乱数の初期値を更新する処理である。次いでステップS122に進み、停電監視信号のチェック回数(例えば2回)を設定し、次のステップS123で停電監視信号がオンしているか否か判定し、オンしていれば停電の最終判断のためのステップS124に進み、オンしていなければステップS121に戻る。通常運転中は、ステップS121〜S123を繰り返す。
そして、ステップS124に進むと、前記チェック回数分だけ停電監視信号のオン状態が継続しているか否か判定する。この判定結果が肯定的であると、停電発生と最終判断してステップS125に進み、否定的であれば、停電発生と判断できないとしてステップS123に戻る。なお、停電監視信号がオンになると、この停電監視信号をNMI割込信号として、実行中の処理を中断してステップS125以降の停電処理を強制的に実行する態様でも良い。ただし、本実施の形態の構成であると、停電監視信号のオン状態をステップS124で複数回チェックするので、実際には停電が発生していないのにノイズ等によって停電監視信号が一時的かつ瞬間的にオンした場合に、停電発生と誤判断してしまうことがないという利点がある。
そして、ステップS125に進むと、割込みを禁止した後、次のステップS126で全ての出力をオフし(全ての出力ポートにオフデータを出力し)、次いでステップS127で停電情報設定処理を実行する。停電情報設定処理では、前述の停電検査領域チェックデータ1を停電検査領域1にセーブし、停電検査領域チェックデータ2を停電検査領域2にセーブする。ステップS127を経ると、次のステップS128で、RAM143のデータのチェックサムを算出して所定のチェックサム領域にセーブし、次いでステップS129でRAM143へのアクセスを禁止した後、待機する。なお、以上のステップS125〜S129の停電処理は、停電(通常の電源遮断含む)によって電源電圧がCPU141の動作電圧未満に低下する前に行われる。
次に、遊技制御装置140のタイマ割込み処理を図30に沿って説明する。このタイマ割込み処理は、前述した図29に示すメイン処理におけるステップS118,S120の処理によって開始され、所定のタイマ割込み周期で繰り返し実行される。このタイマ割込み処理では、先ずステップS131で、必要に応じてレジスタの退避や割込みの禁止を実行した後、ステップS132の入力処理を実行する。
この入力処理では、前述の各センサ類(始動入賞口スイッチ121,122、ゲートスイッチ123、入賞口スイッチ124,125、カウントスイッチ126等)の検出信号の読み取りを実行する。具体的には、各センサの出力値をタイマ割込み周期毎に判定し、同じレベルの出力値が規程回数(例えば2回)以上継続した場合に、この出力値のレベルを各センサの検出信号の確定的な値として読み取る。なお、何れかのセンサがオンしていることが読み取られると、それを示すフラグ(入力フラグ)が立てられる。
次に、ステップS133で、後述するステップS140,S143,S149,S150,S151,S152,S153で設定された出力データを、それぞれ対応する出力ポートに設定して出力する出力処理を実行する。その後、ステップS134で、カードユニット接続確認処理を行う。カードユニット接続確認処理は、詳細は後述するが、カードユニット20に電源が入っているか、カードユニット20と遊技機10との間の通信が正常にできるか等を確認するものである。
次いで、ステップS135,S136で、乱数更新処理1,2をそれぞれ実行する。ここでは、特図に関連するソフト乱数および普図に関連するソフト乱数の更新が行われる。特図に関連するソフト乱数としては、例えば、大当たり図柄乱数1,2(大当たり停止図柄決定用の乱数)、変動パターン乱数(リーチアクションの有無等を含む変動パターンを決定する乱数)、停止図柄乱数(外れの停止図柄決定用の乱数)等がある。なお、乱数の更新は、乱数を例えば「1」ずつ増やすことにより実行される。従って、このタイマ割込み処理のルーチンが繰り返される毎に、乱数が変わり、このソフト乱数の抽出値がアトランダム性を保つようになる。
次いで、ステップS137でタイマ更新処理を行う。これにより、遊技プログラム内の処理で扱われる各種タイマの更新が統括的に行われる。例えば、初期値の設定、値の判定、判定結果に基づく処理は別のルーチンで行うが、初期値がセットされていれば、更新は当該タイマ更新処理で行うようにすれば良い。また、後述するステップS264、S301、S362、S382、S422等の判定に使用されるタイマは、特に該当するルーチンで更新しないような場合は、ステップS137のタイマ更新処理で更新を行うものとする。なお、ステップS263等のように、該当するルーチンで更新を行っても良い。
次いで、ステップS138でスイッチ監視処理を行う。この処理は、前述したように設定される入力フラグ(発射球検出スイッチ169、ファール球検出スイッチ174、アウト球検出スイッチ175等の入力フラグ)を監視して、発射に伴う持球数の減算や盤面球数の増減等の封入球制御のための処理を行うものである。なお、スイッチ監視処理について詳細は後述する。
次いで、ステップS139でエラー監視処理を実行する。この処理は、前述の各センサ類の未検出エラーや、ガラス枠13の開放状態等を監視するための処理である。このエラー監視処理で監視するエラーの種類は、例えば、前枠開放(ガラス枠13開放)、遊技枠開放(前面枠12開放)、スイッチ異常(コネクタ抜け、スイッチ故障等)、磁石不正、振動不正、電波不正、ブドウエラー(図39により後述する)、封入球数エラー(図38により後述する。)等がある。ここで封入球数エラーには、封入球数不足エラー、封入球数過剰エラー、封入経路異常エラーがある。
なお、ブドウエラーとは、遊技機10の盤面(遊技領域101を含む遊技盤100の前面)における球詰まりであり、球が一箇所で塊となる様子がブドウの房に似ていることから一般にブドウエラーと呼ばれる。また、大入賞口111aや第2始動入賞口108の開放中以外での不正入賞については、後述するステップS148の処理で監視される。また、エラーには他にも、カードユニット未接続エラーがあるが、これは前述のステップS134のカードユニット接続確認処理で監視されるが、これについて詳細は後述する。
次いで、ステップS140で発射許可信号編集処理を行う。この処理は、発射可能な状態になったら発射許可信号オンデータを設定し、カードユニット20が接続されていない場合(例えば後述するカードユニット接続確認フラグ(ステップS161)がセットされていない場合)に、発射許可信号オフデータ(発射できない)を設定するものである。ここには、例えば停電時に発射杵先(発射杵は発射ソレノイド182で作動する)に残った球を、電源投入時に空打ち発射する強制発射の処理も含まれる(詳細は後述する)。
次いで、ステップS141で発射補助信号編集処理を行う。この処理は、予約先遊技機において球を自動発射できる状態(発射補助状態)にするための処理である。予約先遊技機において、発射許可信号オフであったり、適正な発射操作がなされていなくても(タッチセンサ183がオフ)、発射補助信号がオンであれば、球の発射が許可されることになる。なお、発射補助信号編集処理について詳細は後述する。
次いで、ステップS142で、前述のステップS134における全てのカードユニット通信ライン確認がOKか否かを判別する。これは、遊技機10側(遊技制御装置140側)とカードユニット20側との配線接続のための基板(カードユニット接続端子板130)が接続されて、通信ラインの確認結果がOKであるか否かにより処理を分岐する。カードユニット通信ライン確認がOKであれば、ステップS143〜S146を順次実行してステップS147に進み、OKでなければ、ステップS143〜S150を実行しないでステップS151にジャンプする。
なお、ステップS143〜S150は、後述するように、遊技を実質的に開始させ進行させるための処理であるため、ステップS142の判定が否定的な場合には、遊技が開始されず進行されないことを意味する。つまり本実施の形態では、遊技制御装置140とカードユニット20の間の通信ラインが正常に接続されていないと、遊技が実質的に進行されない。これにより、この通信ラインを使った不正な遊技制御装置140への入力等により不正に持球数を獲得する等の行為が困難になり、セキュリティを高めることができる等の効果が得られる。
ステップS142で、全てのカードユニット通信ライン確認がOKの場合には、ステップS143で球送り制御処理を行う。これは、詳細は後述するが、球を発射位置まで送る条件が整った場合に、球送りソレノイド168のオンデータを設定して、球を発射位置まで送る処理を行う他、停電時に発射杵先に残った球を電源投入時に空打ち発射して対処するために球送りソレノイド168をオフにしておく処理も含まれる。
次いで、ステップS144で、操作パネル監視制御処理を行う。これは、詳細は後述するが、表示パネル200上のタッチパネル式の各スイッチ(例えば精算スイッチ204や予約スイッチ205等)の挙動を監視して、精算や予約に関する処理を行うものである。次いで、ステップS145で、カードユニット受信解析処理を行う。これも、詳細は後述するが、遊技制御装置140がカードユニット20から受信した信号の解析等を行うものである。次いで、ステップS146で、ホールコンピュータ受信解析処理を行う。これは、遊技制御装置140がホールコンピュータ80から受信した信号の解析等を行うものであり、前記カードユニット受信解析処理とほぼ同様の処理であるため、重複した説明は省略する。
前記ステップS146を経ると、ステップS147に進む。ステップS147では、精算中あるいは休憩中であるかを、後述の精算制御処理番号や休憩制御処理番号により判定する。例えば、精算制御処理番号が2〜4の何れかであれば精算中と判定し、休憩制御処理番号が2〜3の何れかであれば休憩中と判定する。また、精算制御処理番号が1であれば精算中でないと判定し、休憩制御処理番号が1であれば休憩中でないと判定する。
そして、精算中あるいは休憩中であれば、ステップS148〜S150をジャンプしてステップS151に進む。これは、精算中あるいは休憩中であれば、封入球遊技を行えないようにするため、遊技の進行に関わるステップS148〜S150を実行しないで、ステップS151にジャンプするものである。
精算中あるいは休憩中でなければ、ステップS148に進み、入賞口スイッチ監視処理を実行する。入賞口スイッチ監視処理は、前述したように設定される入力フラグ(の始動入賞口スイッチ121,122、入賞口スイッチ124,125、およびカウントスイッチ126)を監視し、例えばカウントスイッチ126の入力フラグが設定されていると、15個の賞球の持球数加算(賞付与)を行う等の処理を実行するものである(詳細は後述する)。
次に、ステップS149では、特図ゲーム処理を行う。この特図ゲーム処理では、特図の変動表示ゲーム全体の統括的制御が行われる。すなわち、変動開始条件(変動表示ゲームの開始条件)の成立時において、大当たり乱数の判定や、特図の停止図柄の組み合わせ(結果態様)を設定する処理や、特図の変動態様を設定する処理が行われる。
ここで変動開始条件の成立時とは、客待ち状態で各始動入賞口107,108に球が入賞して変動表示ゲームが開始される時、変動表示ゲームがハズレで終了し始動記憶があって再度変動表示ゲームが実行される時、大当たりが終了して始動記憶があって再度変動表示ゲームが実行される時の3種類がある。また、この特図ゲーム処理では、特図の変動表示ゲームに関する各種出力データを設定する処理も行われる。すなわち、特図の変動表示ゲームの遊技状態に合わせて、例えば演出制御装置150等へ送信するコマンドの内容(コマンドデータ)を設定する。
次いで、ステップS150では、普図の変動表示ゲームのための処理を行う。すなわち、普図の変動表示遊技の状態に合わせて演出制御装置150等へ送信するコマンドの内容を設定する処理等を行う。ステップS150を経るとステップS151に進む。ステップS151に進むのは、ステップS150を経て進む場合の他、前述したようにステップS142の判別結果がNOの時、およびステップS147の判定結果がYESの時がある。ステップS151では、外部情報編集処理を実行する。これは、詳細は後述するが、遊技制御装置140からホールコンピュータ80やカードユニット20等の外部装置へ出力しようとするデータの編集を行うものである。
次いで、ステップS152で、LED編集処理を行う。これは詳細は後述するが、各種LED(例えばエラー表示LED146、持球数表示部202、一括表示装置114等の各LED)の表示に関する処理を行うものである。このLED編集処理には、ステップS149の特図ゲーム処理において決定された特図の図柄や、ステップS150の普図ゲーム処理において決定された普図の図柄、その他の情報を、一括表示装置114において表示するための処理も含まれる。
次いで、ステップS153で、タッチパネル用画像編集処理を行う。これも詳細は後述するが、表示パネル200の表示画面上に表示される各種操作用のスイッチ等に関する表示制御の処理を行うものである。このステップS153を経ると、その後、メインルーチンを再開すべく、ステップS154でタイマ割込み要求をクリアし、ステップS155で退避させたレジスタを復帰させ、ステップS156で割込みを許可し、そして、割込み時に中断した処理に復帰(リターン)する。
次に、前記タイマ割込み処理(図30参照)におけるカードユニット接続確認処理S134を、図31に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS161でVL入力処理を行う。このVL入力処理では、カードユニット接続端子板130を介して、カードユニット20の電源ラインに接続された入力(VL入力)の電圧がオンになっているか(すなわち、規定値よりも高い電圧になっているか)否か判定する。そして、この判定結果として、前記VL入力の電圧がオンになっていれば、例えばカードユニット20が電源投入されて、遊技制御装置140と接続されていることを示すカードユニット接続確認フラグをセットする。
続いてステップS162で、遊技機10の電源投入時であるか否かを判定し、電源投入時であれば、ステップS163〜S165を順次実行した後にリターンする。ここでステップS163ではカードユニット接続確認処理1を実行し、ステップS164ではカードユニット接続確認処理2を実行し、ステップS165ではカードユニット接続確認処理3を実行する。なお、電源投入時の期間は、例えばステップS163〜S165で正常であると判定できるまでを電源投入時としても良いし、それ以外の期間を設定しても良い。
カードユニット接続確認処理1は、図9に示した通信方式1の通信ライン(すなわち、通信回路321,361を経由する通信ライン)において、接続が適正であるか否かを確認する処理である。また、カードユニット接続確認処理2は、図9に示した通信方式2の通信ライン(すなわち、通信回路322,362を経由する通信ライン)において、接続が適正であるか否かを確認する処理である。さらに、カードユニット接続確認処理3は、図9に示した通信方式3の通信ライン(すなわち、通信回路323,363を経由する通信ライン)において、接続が適正であるか否かを確認する処理である。
なお、ステップS163〜S165の各確認処理は、例えば確認のための情報を実際に送受信することによって、接続が適正に可能か否か判定する。また、ステップS163〜S165の各確認処理は、処理内容は全て同一で共通化することができる。3種類の通信方式1〜3は、端子は異なるが、暗号化および復号化をソフトで行わずハードによって行うので、通信方式の違いによって接続確認処理の方式を変える必要はなく、共通化することができる。
次に、前記タイマ割込み処理(図30参照)におけるスイッチ監視処理S138を、図32に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS171で、発射球検出スイッチ監視処理を行い、次いでステップS172で、ファール球検出スイッチ監視処理を実行し、次にステップS173で、アウト球検出スイッチ監視処理を実行し、その後リターンする。各ステップS171〜173について詳しくは次述する。
前記スイッチ監視処理(図32参照)における発射球検出スイッチ監視処理S171を、図33に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS181で、発射球検出スイッチ169に入力があったか(すなわち、発射される遊技球が検出されたか)否か判定し、入力がなければリターンする。入力があれば、ステップS182で、発射許可信号のオンデータが設定されているか(すなわち、遊技球の発射が許可されているか)否か判定し、オンデータが設定されていれば、ステップS183に進んで持球数の値を「−1」だけ更新(デクリメント)し、次のステップS184で盤面球数の値を「+1」だけ更新(インクリメント)し、リターンする。
一方、発射許可信号のオンデータが設定されていなければ、ステップS185に進んで予約可能球数の値を「−1」だけ更新(デクリメント)し、次いで、ステップS184で盤面球数の値を「+1」だけ更新(インクリメント)し、リターンする。
このルーチンによれば、遊技球が遊技者の操作で1個発射される度に、盤面球数が1個加算され、持球数が1個減算され、遊技球が自動発射で1個発射される度に、盤面球数が1個加算され、予約可能球数が1個減算される。なお、盤面球数は、発射されて回収されていない遊技球、すなわち主に遊技領域101内を落下しつつある遊技球の数である。
次に、前記スイッチ監視処理(図32参照)におけるファール球検出スイッチ監視処理S172を、図34に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS191で、ファール球検出スイッチ174に入力があったか(すなわち、ファール球が検出されたか)否か判定し、入力がなければリターンする。入力があれば、ステップS192に進んで持球数の値を「+1」だけ更新(インクリメント)し、次のステップS193で盤面球数の値を「−1」だけ更新(デクリメント)し、リターンする。
このルーチンによれば、ファール球(発射されたが遊技領域101に到達しなかった遊技球)が1個回収される度に、盤面球数が1個減算され、持球数が1個加算される。ここで持球数を加算するのは、ファールなので遊技者の損失とならないように、発射がなかったことにするためである。
次に、前記スイッチ監視処理(図32参照)におけるアウト球検出スイッチ監視処理S173を、図35に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS201で、アウト球検出スイッチ175に入力があったか(すなわち、アウト球が検出されたか)否か判定し、入力がなければリターンする。入力があれば、ステップS202に進んでアウト数の値を「+1」だけ更新(インクリメント)し、次のステップS203でアウト数が10以上か判定する。
アウト数が10以上でなければ(10未満ならば)、ステップS204〜S205を実行しないでステップS206にジャンプし、盤面球数の値を「−1」だけ更新(デクリメント)し、リターンする。一方、アウト数が10以上ならば、ステップS204で、アウト数信号の出力回数の値を「+1」だけ更新(インクリメント)する。次いでステップS205で、アウト数の値を0にする(0クリアする)処理を行った後、ステップS206で、盤面球数の値を「−1」だけ更新(デクリメント)し、リターンする。
このルーチンによれば、アウト球が1個回収される度に、盤面球数が1個減算される。なお、ステップS201で検出されるアウト球は、発射されてセーフになった(入賞した)遊技球と、アウトになった(入賞しなかった)遊技球の両方を含む。すなわち、アウト数は、遊技領域101から排出され回収される全ての遊技球の数を意味する。
また、アウト数信号とは、ホールコンピュータ80に出力される外部情報の一つである。このアウト数信号としては、アウト球10個分で1パルスの信号を出力している。そのため、前記ステップS202〜S205では、アウト球の数をアウト数としてカウントし、このアウト数が10になる度に、アウト数信号出力回数を1増加させてこのアウト数を0クリアしている。これにより、アウト数信号(アウト球10個分の信号)を出力する回数(前記パルスの数)がアウト数信号出力回数として計数される。
次に、前記タイマ割込み処理(図30参照)におけるエラー監視処理S139を、図36に沿って説明する。このルーチンが開始されると、ステップS211のエラー解除スイッチ監視処理、ステップ212の封入球数監視処理、ステップS213のブドウエラー監視処理、ステップS214の枠開放エラー監視処理、ステップS215のスイッチ異常監視処理、ステップS216の電波不正監視処理、ステップS217の磁石不正監視処理、ステップS218の振動不正監視処理、を順次実行した後にリターンする。
エラー解除スイッチ監視処理、封入球数監視処理、およびブドウエラー監視処理については、詳細は後述する。枠開放エラー監視処理は、前記ステップS139(図30)で説明したように、前面枠12やガラス枠13の開放を監視する処理である。スイッチ異常監視処理は、前記ステップS139(図30)で説明したように、コネクタ抜けやスイッチ故障等の異常を監視する処理である。電波不正監視処理、磁石不正監視処理、および振動不正監視処理は、それぞれ前記ステップS139(図30)で説明した電波不正、磁石不正、振動不正をそれぞれ監視する処理である。
次に、前記エラー監視処理(図36参照)におけるエラー解除スイッチ監視処理S211を、図37に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS221で、エラー解除スイッチ147がオン操作されたか否か判定し、オン操作されたならばステップS222に進み、オン操作されていなければリターンする。ステップS222に進むと、ガラス枠13(前枠)が閉状態を経て開状態から閉状態に変化する動作(前枠の開閉動作)が、第1枠開放スイッチ127の出力に基づいてエラー解除スイッチ147がオン操作される前に検出されていたか否か判定する。
そして、この動作(前枠の開閉動作)が検出されていた場合には、ステップS223に進み、検出されていない場合にはリターンする。ステップS223に進むと、前記ガラス枠13の開閉動作が検出されていたという情報をクリアし(すなわち、そのような情報がない状態に戻し)、次にステップS224で、盤面球数をクリアし(すなわち、盤面球数のデータを0の状態に戻し)、その後リターンする。ここでステップS224の処理により盤面球数がクリアされて0になると、後述する図38のステップS231の判定結果が否定的になり、ステップS233で封入球数過剰エラーフラグがクリアされる。
次に、前記エラー監視処理(図36参照)における封入球数監視処理S212を、図38に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS231で盤面球数が0未満か否か判定し、0未満ならばステップS232に進み、0未満でなければステップS233に進む。ステップS233では、盤面球数が0未満でないために封入球数過剰エラーフラグをクリアし、送信してステップS234に進む。一方、ステップS232では、盤面球数が0未満であって不正に球が盤面に投入された等の異常状態であるので、封入球数過剰エラーフラグをセットし、ステップS234に進む。
ステップS234に進むと、封入球数の確認要求があるか否か(すなわち、封入球数確認要求フラグがセットされているか否か)判定し、あればステップS235に進み、なければステップS235以降の処理をジャンプして(すなわち、実行しないで)リターンする。なお、封入球数確認要求フラグは、電源投入時と、エラー解除スイッチ147で解除する必要のあるエラーが発生していない場合にガラス枠13を開閉した時と、エラー解除スイッチ147で解除する必要のあるエラーが発生している場合にガラス枠13を開閉してエラー解除スイッチ147をオンした時に、セットされるフラグである。
ステップS235に進むと、封入球数確認要求フラグをクリアし、次いでステップS236で最小封入球数検出スイッチ(すなわち、第1封入球検出スイッチ165)がオンしているか否か判定し、オンしていればステップS237に進み、オンしていなければステップS240に進む。そして、ステップS237に進むと、最大封入球数検出スイッチ(すなわち、第2封入球検出スイッチ166)がオンしているか否か判定し、オンしていればステップS238に進み、オンしていなければステップS239に進む。
ステップS238に進んだ場合は、前記各スイッチ165,166が両方ともオンしており封入球数過剰エラーであるので、封入球数過剰エラーフラグをセットし、その後リターンする。ステップS239に進んだ場合は、封入球数が正常範囲(すなわち、最小以上で最大以下)であるので、封入球数は正常であるとして封入球数過剰エラーフラグ以外のエラーフラグ(すなわち、後述する封入球数不足エラーフラグおよび封入経路異常エラーフラグ)をクリアし、その後リターンする。なお、フラグをセット(オン)するとはフラグを立てることを意味し、フラグをクリア(オフ)するとはフラグが立っていない状態(セットされていない状態)にすることを意味する。
また、封入球数過剰エラーフラグがセットされている状態(封入球数過剰エラーのエラー検出状態)を解除するには、図37で説明したように、ガラス枠13を開けてエラーの原因を解消し(例えば余分な球を取り出し)、その後ガラス枠13を閉め、エラー解除スイッチ147を押す必要がある。他の封入球数エラー(封入球数不足エラーおよび封入経路異常エラー)も同様である。
なお、単にガラス枠13を開閉してエラー解除スイッチ147を押すだけでも、図37のステップS224および本ルーチン(図38)のステップS231、S233によって封入球数過剰エラーフラグはクリアされるが、エラーの原因が解消されていない場合(封入球数が過剰な場合)には、その後に本ルーチン(図38)のステップS235以降の処理が実行され、そのうちのステップS238により再度封入球数過剰エラーフラグがセットされることになる。
一方、ステップS240に進むと、最大封入球数検出スイッチ(すなわち、第2封入球検出スイッチ166)がオンしているか否か判定し、オンしていればステップS241に進み、オンしていなければステップS242に進む。ステップS241に進んだ場合は、第1封入球検出スイッチ165がオンしていないのに第2封入球検出スイッチ166がオンしており、例えば前述のセンサ流路163で球詰まりが生じている等の異常と考えられるので、封入経路異常エラーフラグをセットし、その後リターンする。ステップS242に進んだ場合は、封入球数が不足(すなわち、最小よりも少ない)であるので、封入球数不足エラーフラグをセットし、その後リターンする。
次に、前記エラー監視処理(図36参照)におけるブドウエラー監視処理S213を、図39に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS251で、盤面球数が規定数である10個以上か否か判定し、10個以上であればステップS252に進み、10個以上でなければリターンする。ここで規定数を10個としたのは、一般に盤面球数が10個以上もあると遊技上問題がある程度に遊技球の流れが滞っていると考えられるためである。なお、この規定数は10に限らず、遊技機によって最適値が異なる。
そして、ステップS252に進むと、ブドウエラーフラグをセットし、ステップS253に進む。ステップS253では、遊技制御装置140にブドウエラーコマンドを送信し、その後リターンする。なお、ブドウエラーコマンドを受信した遊技制御装置140は、例えば「ブドウエラーが発生しました」というエラー表示を表示パネル200で実行し、ブドウエラー解除コマンドを受信した遊技制御装置140は、このエラー表示を消す構成となっている。
このルーチンによれば、遊技領域101等での球詰まり等によって盤面球数が異常に多くなると、ステップS251の判定結果が肯定的になり、ステップS252でブドウエラーフラグがセットされてブドウエラーとなる。なお、後述のセキュリティ信号編集処理(図64)により、ブドウエラーになると、セキュリティ信号がホールコンピュータ80等に出力されるが、ブドウエラーになっても、それだけでは遊技球の発射は不能とされない(次述の図40参照)。
次に、前記タイマ割込み処理(図30参照)における発射許可信号編集処理S140を、図40に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS261で、自動発射中フラグがオンであるか判定し、オンでなければステップS262に進み、オンであればリターンする。この判定の説明は、前述した予約台確定処理(図28)におけるステップS45でセットされる自動発射中フラグの確認結果に基づいて行われる。すなわち、遊技者による予約操作に基づいて自動発射中フラグがセットされていれば、このステップS261では自動発射中フラグがオンと判定される。
そして、ステップS262に進むと、カードユニット接続OKか判定し、OKであればステップS263に進み、OKでなければステップS275に進む。この判定は、前述のカードユニット接続確認処理(図31)におけるステップS161の確認結果に基づいて行われる。すなわち、ステップS161において前記VL入力の電圧がオンしていると判定され、例えばカードユニット接続確認フラグがセットされていれば、このステップS262ではカードユニット接続確認OKと判定される。
ステップS263に進むと、電源投入時強制発射タイマを更新する処理(すなわち、電源投入時強制発射タイマの値をタイマ割込み周期の1サイクル分だけ減少させる処理)を実行し、ステップS264に進む。なお、電源投入時強制発射タイマは、停電時に発射装置の杵先に残った球を電源投入時に強制発射(遊技者の操作によらない自動的な発射)をするための強制発射時間を計時するためのタイマであり、このタイマのセット(初期値の設定)は、例えば前記メイン処理(図29)のステップS114において実行される。なお、前記強制発射は、遊技結果に影響しない空打ち発射である。
ステップS264では、電源投入時強制発射タイマの値が0でなければ、ステップS265〜ステップS273をジャンプしてステップS274に進み、0ならば、ステップS265〜S273の判定処理に進む。ステップS265〜S273の判定処理では、各判定で判定結果が肯定的であると、それ以降の判定処理を実行しないで、ステップS275に進み、ステップS265〜S272の各判定で判定結果が否定的であると、次の判定処理を順次実行し、最後のステップS273の判定結果が否定的である場合には、ステップS274に進む。
そして、ステップS265では持球数が0であるか、ステップS266では精算中か、ステップS267では休憩中か、ステップS268では封入球数不足エラー発生中か、ステップS269では封入球数過剰エラー発生中か、ステップS270では封入経路異常エラー発生中か、ステップS271では前枠開放中(ガラス枠13開放中)か、ステップS272では遊技枠開放中(前面枠12開放中)か、ステップS273では不正行為発生中か、をそれぞれ判定する。
ここで精算中かの判定は、例えば前述のステップS147(図30)と同様に精算制御処理番号によって行う。また、休憩中かの判定は、例えば前述のステップS147と同様に休憩制御処理番号により行う。また、封入球数不足エラー発生中かの判定は、前述のステップS242(図38)でセットされる封入球数不足エラーフラグ、封入球数過剰エラー発生中かの判定は、前述のステップS232およびS238でセットされる封入球数過剰エラーフラグ、封入経路異常エラー発生中かの判定は、前述のステップS241でセットされる封入経路異常エラーフラグ、にそれぞれ基づいて判定する。これらの判定は、フラグがセットされていれば発生中であり、クリアされていれば発生中でないと判定される。
また、不正行為発生中かの判定は、例えば前述のエラー監視処理(図36)におけるステップS216〜S218の処理で不正ありとされた時に、不正行為発生中と判定される。また、後述する入賞口スイッチ監視処理(図57)のうちステップS493、S494の処理により、大入賞口111a不正や普電不正等が検出されている場合も、不正行為発生中と判定される。
そして、ステップS275では、発射許可信号オフデータを設定した後、リターンする。発射許可信号オフデータが設定されると、発射制御装置180による発射ソレノイド182の作動が禁止され、球が発射できない状態(発射不許可状態)とされる。この発射不許可状態では、適正な発射操作(タッチセンサ183がオンし、発射ボリューム181が操作されること)があっても、発射ソレノイド182は作動せず、球は発射されない。一方、ステップS274では、発射許可信号オンデータを設定した後、リターンする。発射許可信号オンデータが設定されると、発射制御装置180による発射ソレノイド182の作動が許可され、球が発射できる状態(発射許可状態)とされる。
以上説明した発射許可信号編集処理によれば、自動発射中フラグがセットされている場合や、カードユニット20が接続されていない(あるいはカードユニット20の電源が投入されていない)等によって、カードユニット接続確認OKでない場合には、無条件に発射不許可状態になる。また、遊技機10が電源投入されて前記強制発射時間を経過した後は、ステップS265〜S273の各条件(持球数が0、精算中、休憩中、封入球数エラーの何れかのエラー発生中、前枠開放中、遊技枠開放中、不正行為発生中)の何れか一つでも成立すると、球が発射できない発射不許可状態になる。
次に、前記タイマ割込み処理(図30参照)における発射補助信号編集処理S141を、図41に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS281で、自動発射中フラグがセットされているか判定し、セットされていればステップS282に進み、セットされていなければリターンする。この判定の説明は、前述した発射許可信号編集処理(図40)におけるステップS261と同様である。そして、ステップS282に進むと、カードユニット接続OKか判定し、OKであればステップS283に進み、OKでなければステップS295に進む。この判定は、前述のステップS262で説明したように、カードユニット接続確認処理(図31)におけるステップS161の確認結果に基づいて行われる。
ステップS283に進むと、前述のステップS263と同様に電源投入時強制発射タイマを更新する処理を実行し、ステップS284に進む。ステップS284では、電源投入時強制発射タイマの値が0でなければ、ステップS285〜ステップS293をジャンプしてステップS294に進み、0ならば、ステップS285〜S293の判定処理に進む。
ステップS285〜S293の判定処理では、各判定で判定結果が肯定的であると、それ以降の判定処理を実行しないで、ステップS295に進み、ステップS285〜S292の各判定で判定結果が否定的であると、次の判定処理を順次実行し、最後のステップS293の判定結果が否定的である場合には、ステップS294に進む。ここで前述した発射許可信号編集処理(図40参照)との相違は、持球数が0かどうかの判定の代わりに、予約可能球数が0かどうかの判定する点である。これは、自動発射に関しては、持球数ではなく予約可能球数に基づいて球の発射操作が行われることによる。なお、ステップS286〜S293の各判定の内容は、前述のステップS266〜S273と同様である。
そして、ステップS295では、発射補助信号オフデータを設定した後、リターンする。発射補助信号オフデータが設定されると、発射制御装置180による発射ソレノイド182の作動が禁止され、球が発射できない状態(発射不許可状態)とされる。この発射不許可状態では、前述したように適正な発射操作(タッチセンサ183がオンし、発射ボリューム181が操作されること)があっても、発射ソレノイド182は作動せず、球は発射されない。一方、ステップS294では、発射補助信号オンデータを設定した後、リターンする。発射補助信号オンデータが設定されると、発射制御装置180による発射ソレノイド182の作動が許可され、球を自動発射できる状態(発射補助状態)とされる。
以上に説明した発射補助信号編集処理によれば、自動発射中フラグがセットされている場合には、カードユニット接続確認OKで、かつ、前記強制発射時間を経過した後に、ステップS285〜S293の各条件(精算中、休憩中、封入球数エラーの何れかのエラー発生中、前枠開放中、遊技枠開放中、不正行為発生中)の何れも成立していなければ、球が自動発射される発射補助状態になる。
次に、前記タイマ割込み処理(図30参照)における球送り制御処理S143を、図42に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS301で電源投入時強制発射タイマの値が0でないか否か判定し、0でないならば(すなわち、前記強制発射時間を経過していないならば)ステップS307に進み、0ならばステップS302に進む。ステップS302では、球送り制御タイマの値が0か判定し、0ならばステップS303に進み、0でなければステップS305に進む。
ステップS303に進むと、遊技球を発射中であるか否か判定し、発射中ならばステップS304に進み、発射中でなければステップS307に進む。ここで発射中か否かの判定は、発射許可中(すなわち、前述の発射許可信号オンデータが設定されている発射許可状態)で、かつ、タッチセンサ183がオンしている状態であれば、発射中であると判定することによって行う。
すなわち、発射許可中でもタッチセンサ183がオンしていなければ(遊技者がハンドル18にタッチしていなければ)発射中とは判定されないし、また、タッチセンサ183がオンしていても発射許可中でなければ発射中とは判定されない。これにより、遊技球を実際に発射している最中であることが的確に判定される。さらに、発射中か否かの判定では、前述した遊技者の操作による場合の他、自動発射中である場合も含まれる。なお、前述の発射補助信号オンデータが設定されていれば、自動発射中(発射補助状態)と判定される。
ステップS304では、球送り制御タイマの値に規定の初期値(発射間隔時間に相当する値)をセットし、ステップS305に進む。ステップS305に進むと、球送り制御タイマの値をタイマ割込み周期の1サイクル分だけ減少させる更新処理を実行し、ステップS306に進む。ステップS306では、球送り制御タイマの値が球送りオンタイミングとして設定された設定値に一致しているか否か判定する。
ここで一致していれば球送りオンタイミングであるとして、ステップS308で球送りソレノイド168のオンデータを設定して、球送りソレノイド168を作動させる。一方、一致していなければ球送りオンタイミングでないとして、ステップS307に進んで球送りソレノイド168のオフデータを設定して、球送りソレノイド168を停止させる。なお、ステップS304で設定される球送り制御タイマの初期値は、球の発射頻度(時間あたりの発射数)が所定値以下になるように設定される。
以上の球送り制御処理によれば、電源投入から前記強制発射時間が経過するまでの期間は、球送りソレノイド168が停止状態に維持される。停電時に杵先に残った球を前述の強制発射により処理するために、その強制発射の期間は球を杵先(発射位置)に新たに送らないようにするためである。
そして、この強制発射の期間が終わり発射中になると、発射中が続く限り、球送り制御タイマの値が0になる毎にステップS304でこの球送り制御タイマの値が初期値に設定される動作が繰り返され、この球送り制御タイマの値が前記設定値になる毎に(すなわち、球送りオンタイミングになる毎に)ステップS308の処理により、球送りソレノイド168が作動して毎回1個の球が杵先(発射位置)に送られる。
次に、前記タイマ割込み処理(図30参照)における操作パネル監視制御処理S144を、図43に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS311で精算制御処理(詳細は後述する)を行い、次いでステップS312で休憩制御処理(詳細は後述する)を実行する。次いで、ステップS313で予約制御処理を実行し、その後リターンする。ここで予約制御処理は、図26〜図28に基づき前述した内容の処理である。
次に、前記操作パネル監視制御処理(図43参照)における精算制御処理S311を、図44に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS321で精算制御処理番号による分岐を行う。この場合、精算制御処理番号が1ならば、ステップS322の精算開始監視処理(詳細は後述する)を、精算制御処理番号が2ならば、ステップS323で精算開始ACK監視処理(詳細は後述する)を、精算制御処理番号が3ならば、ステップS324で精算書込完了ACK監視処理(詳細は後述する)を、精算制御処理番号が4ならば、ステップS325で精算終了監視処理(詳細は後述する)を、それぞれ実行し、その後リターンする。
なお、精算制御処理番号の初期値は、例えばメイン処理(図29参照)のステップS114において、1に設定される。また、精算制御処理番号は1、2、3、・・・としても良いが、0、1、2、・・・としても良く、そのようにしておくと、RAM143の領域がクリアされた場合に初期値として1を設定する処理を省略することができる。
次に、前記操作パネル監視制御処理(図43参照)における休憩制御処理S312を、図45に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS331で休憩制御処理番号による分岐を行う。この場合、休憩制御処理番号が1ならば、ステップ332の休憩開始監視処理(詳細は後述する)を、休憩制御処理番号が2ならば、ステップS333で休憩開始ACK監視処理(詳細は後述する)を、休憩制御処理番号が3ならば、ステップS334で休憩終了監視処理(詳細は後述する)を、それぞれ実行し、その後リターンする。
なお、休憩制御処理番号の初期値は、前記精算制御処理番号と同様に、例えばメイン処理(図29参照)のステップS114において、1に設定される。また、休憩制御処理番号は1、2、3、・・・としても良いが、0、1、2、・・・としても良く、そのようにしておくと、RAM143の領域がクリアされた場合に初期値として1を設定する処理を省略することができる。
次に、前記精算制御処理(図44参照)における精算開始監視処理S322を、図46に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS341〜S345で、精算ができる条件(精算許可条件)が成立しているか判定する処理を行い、一つでも精算許可条件が成立していない場合には、ステップS347で、精算スイッチ有効フラグをクリアした後にステップS348に進む。一方、精算許可条件が全て成立している場合にはステップS346で、精算スイッチ有効フラグをセットした後、ステップS348に進む。
つまり、精算が許可される状態であると、精算スイッチ有効フラグがセットされる。なお、精算スイッチ有効フラグがセットされると、図示省略した処理によって、前記表示パネル200に表示されている精算スイッチ204が例えば点灯するような制御が実行され、遊技者に精算が可能であることが報知される。また逆に、精算スイッチ有効フラグがクリアされると、精算スイッチ204は例えば消灯され、精算不能であることが遊技者に報知される。
ここで精算許可条件には次の5個の条件がある。すなわち、休憩処理中でないこと(ステップS341で判定)、エラー発生中でないこと(ステップS342で判定)、盤面球数が0で盤面に球がないこと(ステップS343で判定)、タッチセンサ183がオンしていないこと(ステップ344で判定)、および客待ちデモ中であること(ステップS345で判定)がある。ここで休憩処理中であるか否かの判定は、例えば前述のステップS267(図40参照)と同様に行えば良い。また、エラー発生中か否かの判定は、例えば前述のステップS262およびステップS268〜S273(図40参照)と同様に行えば良い。
次にステップS348に進むと、強制精算要求フラグがオンか否か(すなわち、セットされているか否か)判定し、オンならばステップS350に進み、オンでないならばステップS349に進む。強制精算要求フラグは、カードユニット20から送信される休憩強制解除コマンドを遊技制御装置140が受信すると、遊技制御装置140の処理(後述するステップS438)によってセットされるフラグである。
ここで休憩強制解除コマンドは、一定時間が経過すると自動的に通信方式1で送信される構成となっている。すなわち、休憩状態が一定時間が経過することを条件として、休憩強制解除コマンドが遊技機10に送信され、これに対する遊技機10からの休憩強制解除ACKを受信することを条件として、精算スイッチ204の操作を必要としない強制的な精算が行われ、休憩が強制的に解除される。なお、休憩強制解除コマンドは、他に例えば、遊技店の店員がスタッフカードをカードユニット20に挿入することにより送信されるように構成しても良い。
ステップS349では、精算スイッチ204がオン操作(タッチ)されたか判定し、オン操作されたならばステップS350に進み、オン操作されていない場合はリターンする。ステップS350では、精算スイッチ有効フラグをクリアし、次いでステップS351で精算を開始すべくカードユニット20に精算要求コマンドを送信し、次にステップS352で精算制御処理番号に2(精算開始ACK監視処理の番号)をセットし、その後リターンする。ここで精算要求コマンドは、平文による通信である前述した第1通信方式(通信方式1)で送信される。
以上説明した精算開始監視処理によれば、全ての精算許可条件が成立していると、精算スイッチ有効フラグがセットされ、この状態で精算スイッチ204がオン操作されると精算が開始する。精算許可条件が一つでも成立していないと、精算スイッチ有効フラグはクリアされ、この状態で精算スイッチ204をオン操作しても精算は開始されないで、表示パネル200に精算不能であること等が表示される。ただし、スタッフカードがカードユニット20に挿入された場合は、精算許可条件が成立していなくても、また精算スイッチ204がオン操作されなくても、精算が開始される。
次に、前記精算制御処理(図44参照)における精算開始ACK監視処理S323を、図47に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS361で、前述のステップS342(図46参照)と同様にエラー発生中か判定し、エラー発生中であればステップS372に進み、エラー発生中でなければステップS362に進む。ステップS362では、カードユニット20からの精算開始ACK受信タイムアウトか否か判定し、タイムアウトならばステップS372に進み、タイムアウトしていない場合にはステップS363に進む。
なお、例えば前述のステップS351において、精算要求コマンドを送信した時点からの経過時間が、図示省略した処理によって計測されており、カードユニット20からの精算開始ACK(精算要求コマンドに対する応答信号)が受信されないまま、この経過時間が所定時間を超えると、ステップS362では、精算開始ACK受信タイムアウトと判定される。
ステップS363に進むと、カードユニット20から精算開始ACKを受信済みか判定し、受信済みであれば、ステップS364〜S371を順次実行した後にリターンし、受信済みでなければ、ステップS364以降を実行しないでリターンする。ステップS364では、表示パネル200に精算開始に関する情報(例えば「精算中です」といった表示、等)を表示させ、ステップS365では、カードユニット20に精算持球数を送信し、ステップS366では、カードユニット20に台IDを送信する。
なお、この際、遊技制御装置140は、精算開始ACKを受信すると、精算スイッチ204の操作ボタン部分が発光するような制御を実行し、この精算スイッチ204の発光によっても精算中であることを報知するようにしても良い。
また、精算持球数とは、精算時の持球数であり、例えば精算開始ACK受信時点での持球数である。この精算持球数のカードユニット20への送信は、遊技制御装置140で暗号化し、カードユニット20側で復号化できない前述の第3通信方式(通信方式3)で行われる。台IDとは、遊技店に設置された各遊技機10(台)をそれぞれ識別し特定するための固有情報であり、遊技制御装置140のCPU141を構成するICチップに記憶されたチップコード(あるいはさらに、メーカコード、製品コード)を含む情報である。この台IDのカードユニット20への送信は、遊技制御装置140で暗号化し、カードユニット20側で復号化できる前述の第2通信方式(通信方式2)で行われる。
また、ステップS367では、カードユニット20に予約先位置情報を送信し、ステップS368では、持球管理装置転送バッファのカードIDを読み込み(ロードし)、ステップS369では、持球管理装置70にステップS368で読み込んだカードIDを送信する。次いで、ステップS370では、持球管理装置70に精算持球数を送信し、ステップS371では、精算制御処理番号に3(精算書込完了ACK監視処理の番号)をセットする。
ここで予約先位置情報は、予約先遊技機に関する前述した台IDであり、この予約先位置情報のカードユニット20への送信も、遊技制御装置140で暗号化し、カードユニット20側で復号化できる前述の第2通信方式(通信方式2)で行われる。また、カードIDは、遊技カード(会員カード、ビジターカード)およびスタッフカードを個々に特定する情報であり、カードユニット20で読み取られて遊技制御装置140に送信されるようになっている(後述するステップS633等)。持球管理装置転送バッファは、カードユニット20から受信したカードIDの情報を格納しておくバッファである(後述するステップS476参照)。
また、ステップS369によるカードIDの持球管理装置70への送信は、遊技制御装置140で暗号化し、持球管理装置70側で復号化できる前述の第4通信方式(通信方式4)で行われる。また、ステップS370による精算持球数の持球管理装置70への送信は、遊技制御装置140で暗号化し、持球管理装置70側で復号化できる前述の第5通信方式(通信方式5)で行われる。
一方、ステップS372に進むと、表示パネル200に精算操作取消に関する情報を表示させ、次いでステップ373でカードユニット20に精算操作取消コマンドを送信し、次のステップS374で精算制御処理番号に1(精算開始監視処理の番号)をセットし、その後リターンする。ここでカードユニット20への精算操作取消コマンドは、平文による通信である前述した第1通信方式(通信方式1)で送信される。また、精算操作取消コマンドを受信した演出制御装置150やカードユニット20は、精算のための処理を取り止める構成となっている。
次に、前記精算制御処理(図44参照)における精算書込完了ACK監視処理S324を、図48に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS381で前述のステップS342(図46参照)と同様にエラー発生中か判定し、エラー発生中であればステップS387に進み、エラー発生中でなければステップS382に進む。ステップS382では、カードユニット20からの精算書込完了ACK受信タイムアウトか否か判定し、タイムアウトならばステップS387に進み、タイムアウトしていない場合にはステップS383に進む。
なお、例えば前述のステップS365等で精算持球数等を送信した時点からの経過時間が、図示省略した処理によって計測されており、カードユニット20からの精算書込完了ACK(精算持球数等の送信に対して、この精算持球数等のカードへの書き込みが終了したことを示す応答信号)が受信されないまま、この経過時間が所定時間を超えると、ステップS382で精算書込完了ACK受信タイムアウトと判定される。
ステップS383に進むと、カードユニット20から精算書込完了ACKを受信済みか判定し、受信済みであればステップS384〜S386を順次実行した後にリターンし、受信済みでなければステップS384以降を実行しないでリターンする。
ステップS384では、持球数をクリアし(すなわち、精算が終了したので遊技制御装置140のRAM143に記憶している持球数のデータを0にし)、ステップS385では、表示パネル200にカード抜取に関する情報を表示(例えば「カードが返却されます」といった表示、等)させ(図22(3)参照)、ステップS386では、精算制御処理番号に4(精算終了監視処理の番号)をセットする。
一方、ステップS387に進むと、カードユニット20に精算操作取消コマンドを送信し、次いでステップS388で表示パネル200に精算操作取消に関する情報を表示させる。続くステップS389では、精算制御処理番号に1(精算開始監視処理の番号)をセットし、その後リターンする。ここでカードユニット20への精算操作取消コマンドは、平文による通信である前述した第1通信方式(通信方式1)で送信される。
次に、前記精算制御処理(図44参照)における精算終了監視処理S325を、図49に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS391で、カードユニット20から精算カード抜取コマンドを受信済みか判定する。ここで受信済みであれば、ステップS392〜S395を実行した後にリターンし、受信済みでなければ、ステップS392以降を実行しないでリターンする。精算カード抜取コマンドは、遊技カードが抜き取られるとカードユニット20から送信されるコマンドである(後述するステップS672参照)。この精算カード抜取コマンドは、平文による通信である前述した第1通信方式(通信方式1)で送信される。
また、ステップS392では、表示パネル200の持球数表示部202に表示している持球数を0にし、ステップS393では、持球数表示タイマに初期値を設定する。次いで、ステップS394では、表示パネル200に精算終了に関する情報を表示(例えば「精算が終了しました」といった表示、等)させ、ステップS395では、精算制御処理番号に1(精算開始監視処理の番号)をセットする。ここで持球数表示タイマは、タイムアップした時点で持球数表示部202での持球数の後述する点滅表示が終了する構成となっている(後述する図67のステップS604参照)。
次に、前記休憩制御処理(図45参照)における休憩開始監視処理S332を、図50に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS401〜S406で、休憩ができる条件(休憩許可条件)が成立しているか判定する処理を行い、一つでも休憩許可条件が成立していない場合には、ステップS408で、休憩スイッチ有効フラグをクリアした後にステップS409に進む。休憩許可条件が全て成立している場合には、ステップS407で休憩スイッチ有効フラグをセットした後に、ステップS409に進む。
つまり、休憩が許可される状態であると、休憩スイッチ有効フラグがセットされる。なお、休憩スイッチ有効フラグがセットされると、図示省略した処理によって、前記表示パネル200に休憩スイッチ(図示省略)が表示される制御が実行され、遊技者に休憩が可能であることが報知される。また逆に、休憩スイッチ有効フラグがクリアされると、この休憩スイッチは消えて、休憩不能であることが遊技者に報知される。
ここで休憩許可条件には次の6つの条件がある。すなわち、精算処理中でないこと(ステップS401で判定)、エラー発生中でないこと(ステップS402で判定)、盤面球数が0で盤面に球がないこと(ステップS403で判定)、タッチセンサ183がオンしていないこと(ステップS404で判定)、持球数がある(1個以上ある)こと(ステップS405で判定)、および客待ちデモ中であること(ステップS406で判定)がある。ここで精算処理中であるか否かの判定は、例えば前述のステップS266と同様に行えば良い。また、エラー発生中か否かの判定は、例えば前述のステップS262およびステップS268〜S273と同様に行えば良い。
ステップS409では、休憩スイッチ(図示省略)がオン操作されたか判定し、オン操作されたならば、ステップS410に進み、オン操作されていない場合はリターンする。ステップS410に進むと、休憩スイッチ有効フラグをクリアし、次いでステップS411で休憩を開始すべくカードユニット20に休憩要求コマンドを送信し、次にステップS412で休憩制御処理番号に2(休憩開始ACK監視処理の番号)をセットし、その後リターンする。ここで休憩要求コマンドは、平文による通信である前述した第1通信方式(通信方式1)で送信される。
以上説明した休憩開始監視処理によれば、全ての休憩許可条件が成立していると、休憩スイッチ有効フラグがセットされ、この状態で休憩スイッチがオン操作されると休憩開始のための処理(ステップS411、S412)が実行される。休憩許可条件が一つでも成立していないと、休憩スイッチ有効フラグはクリアされ、この状態で休憩スイッチをオン操作しても休憩開始のための処理は実行されないで、表示パネル200に休憩不能であること等が表示される。
なお、前述のように休憩許可条件が設定されていることによって、不用意な休憩開始の操作によって制御処理が適正に機能しなくなる等の不具合を防止することができる。特にステップS405の条件によれば、持球数がないと休憩が開始できないため、持球数がないのに遊技機10を他人が使用できないように確保する等の休憩機能の悪用ができなくなるという利点がある。
次に、前記休憩制御処理(図45参照)における休憩開始ACK監視処理S333を、図51に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS421で前述のステップS342やS402と同様にエラー発生中か判定し、エラー発生中であればステップS426に進み、エラー発生中でなければステップS422に進む。ステップS422では、カードユニット20からの休憩開始ACK受信タイムアウトか否か判定し、タイムアウトならばステップS426に進み、タイムアウトしていない場合にはステップS423に進む。
なお、例えば前述のステップS411で休憩要求コマンドを送信した時点からの経過時間が、図示省略した処理によって計測されており、カードユニット20からの休憩開始ACK(休憩要求コマンドに対する応答信号)が受信されないまま、この経過時間が所定時間を超えると、ステップS422で休憩開始ACK受信タイムアウトと判定される。
ステップS423に進むと、カードユニット20から休憩開始ACKを受信済みか判定し、受信済みであればステップS424およびS425を順次実行した後にリターンし、受信済みでなければ、ステップS424以降を実行しないでリターンする。ステップS424では、表示パネル200に休憩開始に関する情報を表示させる(例えば「休憩中です」といった表示、等)。続くステップS425では、休憩制御処理番号に3(休憩終了監視処理の番号)をセットする。
なお、遊技制御装置140は、休憩開始ACKを受信すると、前記表示パネル200に休憩スイッチ(図示省略)を表示する制御を実行し、この休憩スイッチの出現によっても休憩中であることを報知するようにしても良い。
一方、ステップS426に進むと、表示パネル200に休憩操作取消に関する情報を表示させ、次いでステップS427で、カードユニット20に休憩操作取消コマンドを送信し、次のステップS428で、休憩制御処理番号に1(休憩開始監視処理の番号)をセットし、その後リターンする。ここでカードユニット20への休憩操作取消コマンドは、平文による通信である前述した第1通信方式(通信方式1)で送信される。また、遊技制御装置140やカードユニット20は、休憩のための処理を中止する構成となっている。
次に、前記休憩制御処理(図45参照)における休憩終了監視処理S334を、図52に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS431で、カードユニット20からの休憩強制解除コマンドを受信済みか否か判定し、受信済みならばステップS437に進み、受信済みでないならばステップS432に進む。なお、休憩強制解除コマンドは、前述したように、スタッフカードがカードユニット20に挿入されると通信方式1で送信される(後述するステップS681)。
ステップS432に進むと、カードユニット20から休憩解除コマンドを受信済みか判定し、受信済みであれば、ステップS433〜S436を順次実行した後にリターンし、受信済みでなければ、ステップS433以降を実行しないでリターンする。なお、この休憩解除コマンドは、休憩開始前に使用されていた遊技カードがカードユニット20に挿入されると、平文による通信である前述した第1通信方式(通信方式1)で、カードユニット20から遊技制御装置140へ送信されるコマンドである(後述する図74のステップS693)。
ステップS433では、カードユニット20に休憩解除ACK(休憩解除コマンドに対する応答信号)を通信方式1で送信し、ステップS434では、ホールコンピュータ80に休憩解除コマンドを送信し、ステップS435では、表示パネル200に休憩解除に関する情報を表示させ、ステップS436では、休憩制御処理番号に1(休憩開始監視処理の番号)をセットし、その後リターンする。なお、遊技制御装置140やホールコンピュータ80は、休憩のための処理を終了させる構成となっている。
一方、ステップS437に進むと、カードユニット20に休憩強制解除ACK(休憩強制解除コマンドに対する応答信号)を通信方式1で送信し、次いでステップS438で強制精算要求フラグをセットし、次にステップS436を実行した後にリターンする。なお、強制精算要求フラグは、前述のステップS348(図46)で使用される。
次に、前記タイマ割込み処理(図30参照)におけるカードユニット受信解析処理S145を、図53に沿って説明する。このルーチンが開始されると、カードユニット受信解析処理1(ステップS441)、カードユニット受信解析処理2(ステップS442)、およびカードユニット受信解析処理3(ステップS443)が順次実行され、その後リターンする。
カードユニット受信解析処理1(ステップS441)は、通信方式1でカードユニット20から送信される情報の解析処理である。カードユニット受信解析処理2(ステップS442)は、通信方式2でカードユニット20から送信される情報の解析処理である。カードユニット受信解析処理3(ステップS443)は、通信方式3でカードユニット20から送信される情報の解析処理である。
なお、前記タイマ割込み処理(図30参照)におけるホールコンピュータ受信解析処理S146も、前記カードユニット受信解析処理S145と同様の処理であり、カードユニット20の代わりにホールコンピュータ80から送信される情報の解析処理である点だけが異なる。よって、以下に前記カードユニット受信解析処理における各ステップの詳細のみを代表して説明する
先ず、前記カードユニット受信解析処理1(ステップS441)を、図54に沿って説明する。このルーチンが開始されると、ステップS451で、シリアル受信バッファ(カードユニット20との間でシリアル通信を行うための受信バッファ)にデータがあるか判定し、あればステップS452に進み、なければリターンする。
ステップS452に進むと、前記シリアル受信バッファのデータを受信データとして読み込み、次いでステップS453では、この受信データが貸球数/貯球使用数コマンドであるか判定する。ここで貸球数/貯球使用数コマンドであればステップS457に進み、貸球数/貯球使用数コマンドでなければステップS454に進む。
貸球数/貯球使用数コマンドは、カードユニット20の図示省略した制御処理により、表示パネル200の表示画面上の球貸スイッチ203が押されることによってカードユニット20から送信されるコマンドである。カードユニット20では、送信した貸球数/貯球使用数コマンド(球貸し情報)に対応する値だけ、遊技カードに記録されている貸球度数または貯球数を減算更新する処理を行う構成となっている。
そしてステップS457では、貸球数/貯球使用数コマンドに対応する数を持球数に加算する加算処理を実行し、その後リターンする。このステップS457の加算処理は、遊技カードに記録された貸球度数または貯球数(有価価値情報)のデータがカードユニット20において減算更新されることに対応して、遊技機10(遊技制御装置140)における持球数(遊技価値)のデータ(RAM143に記憶している持球数のデータ)を増加させる球貸加算処理を構成する。この球貸加算処理は、封入式でないパチンコ機の場合であれば、貸球としての遊技球を上皿に排出する貸球払出処理に対応するものである。
ステップS454に進むと、前記受信データが精算開始ACKであるか判定し、精算開始ACKであれば、ステップS458に進み、精算開始ACKでなければ、ステップS455に進む。ステップS458では、精算開始ACK受信済みフラグをセットし、その後リターンする。精算開始ACK受信済みフラグは、前述のステップS363の判定で使用される。
ステップS455に進むと、前記受信データが精算書込完了ACKであるか判定し、精算書込完了ACKであれば、ステップS459に進み、精算書込完了ACKでなければ、ステップS456に進む。ステップS459では、精算書込完了ACK受信済みフラグをセットし、その後リターンする。精算書込完了ACK受信済みフラグは、前述のステップS383の判定で使用される。
ステップS456に進むと、前記受信データが精算カード抜取コマンドであるか判定し、精算カード抜取コマンドであればステップS460に進み、精算カード抜取コマンドでなければリターンする。ステップS460では、精算カード抜取コマンド受信済みフラグをセットし、その後リターンする。精算カード抜取コマンド受信済みフラグは、前述のステップS391の判定で使用される。
次に、前記カードユニット受信解析処理2(ステップS442)を、図55に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS471で、シリアル受信バッファ(カードユニット20との間でシリアル通信を行うための受信バッファ)にデータがあるか判定し、あればステップS472に進み、なければリターンする。
ステップS472に進むと、前記シリアル受信バッファのデータを受信データとして読み込み、次いでステップS473では、この受信データが会員カードIDであるか判定する。ここで会員カードIDであれば、ステップS476に進み、会員カードIDでなければ、ステップS474に進む。ステップS474に進むと、前記受信データがビジターカードIDであるか判定する。ここでビジターカードIDであれば、ステップS476に進み、ビジターカードIDでなければ、ステップS475に進む。
ステップS476に進むと、前記受信データ、すなわち受信したカードID(会員カードID、ビジターカードID、またはスタッフカードID)の情報を持球管理装置転送バッファに格納し、次のステップS477で、カードユニット20にカードIDACKを送信し、その後リターンする。このカードIDACKのカードユニット20への送信は、遊技制御装置140で暗号化し、カードユニット20側で復号化できる前述の第2通信方式(通信方式2)で行われる。
ステップS475に進むと、前記受信データが台IDACK(台IDの送信に対するカードユニット20からの応答信号)であるか判定する。ここで台IDACKであればステップS478に進み、台IDACKでなければリターンする。ステップS478では、台IDACK受信済みフラグをセットして、その後リターンする。なお、図示省略しているが、台IDACKは、例えば後述するステップS665の直後に送信される。
次に、前記カードユニット受信解析処理3(ステップS443)を、図56に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS481で、シリアル受信バッファ(カードユニット20との間でシリアル通信を行うための受信バッファ)にデータがあるか判定し、あればステップS482に進み、なければリターンする。
ステップS482に進むと、前記シリアル受信バッファのデータを受信データとして読み込み、次いでステップS483では、この受信データが精算持球数コマンドであるか判定し、精算持球数コマンドであればステップS484に進み、精算持球数コマンドでなければリターンする。ステップS484では、この精算持球数コマンドに対応する数だけ持球数のデータを増加させ、その後リターンする。
なお、精算持球数コマンドは、挿入された遊技カードに持球数(例えば他の遊技機10で精算時に登録されたもの)が既に記録されている場合に、後述する図70のステップS643や図71のステップS653でカードユニット20から送信されるコマンドで、挿入された遊技カードに記録された持球数のデータを含むコマンドである。
すなわち、台移動等で精算時持球数が記録された遊技カードが、カードユニット20に挿入されると、後述するステップS643またはS653の処理によってカードユニット20からそのカードに記録されていた持球数のデータ(すなわち、精算持球数のデータ)が送信されるが、このデータを含むコマンドが精算持球数コマンドである。従って、この精算持球数コマンドの送受信およびステップS484の加算処理の機能により、遊技者は、ある遊技機10で獲得して精算処理してカードに記録した持球数を、台移動して別の遊技機10で使えることになる。
次に、前記タイマ割込み処理(図30参照)における入賞口スイッチ監視処理S148を、図57に沿って説明する。このルーチンが開始されると、始動入賞口スイッチ入賞監視処理(ステップS491)、他穴スイッチ入賞監視処理(ステップS492)、大入賞口スイッチ不正&入賞監視処理(ステップS493)、および普電入賞口スイッチ不正&入賞監視処理(ステップS494)が順次実行され、その後リターンする。
ここで始動入賞口スイッチ入賞監視処理では、第1始動入賞口スイッチ121の入力フラグを監視し、この入力フラグが設定されていると、第1始動入賞口107への入賞に対して設定されている所定の賞球数分だけ持球数を増加させる賞付与処理を実行する。なお、始動入賞口スイッチ入賞監視処理について詳細は後述する。
他穴スイッチ入賞監視処理では、各入賞口スイッチ124,125の入力フラグを監視し、この入力フラグが設定されていると、一般入賞口103〜106への入賞に対して設定されている所定の賞球数分だけ持球数を増加させる賞付与処理を実行する。
大入賞口スイッチ不正&入賞監視処理では、カウントスイッチ126の入力フラグを監視し、この入力フラグが設定されていると、大入賞口111aへの入賞に対して設定されている所定の賞球数分だけ持球数を増加させる賞付与処理を実行する。また、この大入賞口スイッチ不正&入賞監視処理では、詳細は省略するが、大入賞口111aに対する不正を検出する処理(例えば大入賞口111aが開放中でない状態でカウントスイッチ126に入力があると大入賞口に不正発生とする処理)も実行する。
また、普電入賞口スイッチ不正&入賞監視処理では、第2始動入賞口スイッチ122の入力フラグを監視し、この入力フラグが設定されていると、第2始動入賞口108への入賞に対して設定されている所定の賞球数分だけ持球数を増加させる賞付与処理を実行する。また、この普電入賞口スイッチ不正&入賞監視処理では、詳細は省略するが、第2始動入賞口108(普電入賞口)に対する不正を検出する処理(例えば第2始動入賞口108が開放中でない状態で第2始動入賞口スイッチ122に入力があると普電不正発生とする処理)も実行する。
なお従来では、遊技者の利益としての賞球を付与するための制御装置(例えば払出制御装置等と呼ばれる)は、遊技制御装置とは分離されて別個に設けられており、遊技制御装置では入賞の種類毎に入賞回数をカウントし、その種類とカウントに対応する払出コマンドを分離された払出制御装置に送信することで処理していた。払出制御装置では、この払出コマンドを受信して払出コマンドで指示された賞球を払い出す処理(実際に球を払い出すか、あるいは、封入式の場合には持球数に加算する処理)を実行していた。
しかしながら、本実施の形態の遊技機10は、この場合本ルーチン(入賞口スイッチ監視処理)によって、一つの制御装置(すなわち、遊技制御装置140)で入賞のカウントと賞球付与(すなわち、持球数への賞球分の加算)の処理を行うので、従来のような払出コマンドの送信は不要になり、処理が格段に簡素化される。また、遊技制御装置140と払出制御装置の間に不正な基板をぶら下げて、不正に賞球を払い出させるような行為が不可能となる。
次に、前記入賞口スイッチ監視処理(図57参照)における始動入賞口スイッチ入賞監視処理S491を、図58に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS501で第1始動入賞口スイッチ121の入賞監視テーブルを準備する。ここでの入賞監視テーブルは、第1始動入賞口107への入賞を監視するためのテーブルである。次いで、ステップS502で入賞監視共通処理(詳細は後述する)を実行し、その後リターンする。
なお、本ルーチンは、始動入賞口スイッチ入賞監視処理(第1始動入賞口107についての入賞監視処理)を説明しているが、入賞口スイッチ監視処理(図57)における他の処理(他穴スイッチ入賞監視処理、大入賞口スイッチ不正&入賞監視処理、普電入賞口スイッチ不正&入賞監視処理)についても、入賞監視処理については、本ルーチン(図58)と同様の構成である。すなわち、これら他の処理についても、ステップS502は共通であり、ステップS501に相当するステップにおいて、対象の入賞口スイッチの入賞監視テーブルを準備する点が異なるのみである。
次に、前記入賞監視共通処理(図58参照)を、図59に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS511で、前述のステップS501で設定された入賞監視テーブルに基づいて、監視する入賞口スイッチの個数を取得する。例えば、対象の入賞口スイッチが第1始動入賞口スイッチ121のみである場合には、1個である。なお、例えば前述した他穴スイッチ入賞監視処理(図57のステップS492)の場合には、一般入賞口103〜106の各入賞口スイッチ124,125が対象であるため、この場合には4個となる。
なお、本実施の形態の場合、この入賞監視共通処理で対象となり得る入賞口スイッチ(入賞口)としては、第1始動入賞口スイッチ121(第1始動入賞口107)、第2始動入賞口スイッチ122(第2始動入賞口108)、入賞口スイッチ124,125(一般入賞口103〜106)、およびカウントスイッチ126(大入賞口111a)がある。
次いでステップS512で、対象の入賞口スイッチ(例えば第1始動入賞口スイッチ121)に入力があるか(すなわち、入力フラグがセットされているか)判定し、次のステップS513でこの判定結果に応じて分岐する。すなわち、入力があればステップS514に進み、入力がなければステップS516に進む。
ステップS514に進むと、前述のステップS501で設定された入賞監視テーブルに基づいて、対象の入賞口スイッチに対応する賞球数を取得し、この賞球数に基づいて次のステップS515で持球数加算処理を実行し、その後ステップS516に進む。
ステップS516では、ステップS511で取得された個数の全入賞口スイッチについてステップS512〜S515が終了したか判定し、終了していればリターンし、終了していなければ、対象となっているその他の入賞口スイッチについて、ステップS512〜S515を実行する。
次に、前記入賞監視共通処理(図59参照)における持球数加算処理S515を、図60に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS521で、前述のステップS514で取得された賞球数を現在の持球数に加算し、この加算結果を新たな持球数として更新登録する。このステップS521の処理は、遊技領域101に発射された遊技球による遊技結果に応じて持球数(遊技価値)を増加させる賞付与処理を構成する。
次いでステップS522では、ステップS521で更新された持球数が持球数上限値(例えば25万個)以上となっているか判定し、持球数上限値以上であれば、ステップS523で持球数上限値を新たな持球数として更新登録してステップS524に進み、持球数上限値以上でなければ、ステップS523を実行しないでステップS524に進む。
ステップS524に進むと、現在の持球数を表示用持球数として設定し、ステップS525に進む。ステップS525では、前述のステップS514で取得された賞球数を現在の未出力賞球数に加算し、この加算結果を新たな未出力賞球数として更新登録し、ステップS526に進む。未出力賞球数とは、ホールコンピュータ80に賞球信号として出力していない賞球数を意味する。ステップS526では、ステップS525で更新された未出力賞球数が、1回の賞球信号に対応する所定個数(例えば10個)以上になっているか判定し、所定個数以上ならばステップS527に進み、所定個数以上でないならばリターンする。
ステップS527に進むと、現在の未出力賞球数から10個分を減算した結果を新たな未出力賞球数として更新登録し、ステップS528に進む。ステップS528では、賞球信号出力回数が上限値(例えば255回)未満であるか判定し、上限値未満ならばステップS529に進み、上限値未満でないならばステップS526に戻る。そしてステップS529では、賞球信号出力回数を1回分増加させてステップS526に戻る。
この持球数加算処理によれば、ステップS521〜S524の処理により、持球数が持球数上限値以上とならない限り、賞球数分だけ持球数および表示用持球数が増加する。また、ステップS525〜S529の処理によれば、賞球信号出力回数が上限値に到達するまで、所定個数(例えば10個)の賞球数が取得される毎に賞球信号出力回数が1回分増える。
次に、前記タイマ割込み処理(図30参照)における外部情報編集処理S151を、図61に沿って説明する。このルーチンが開始されると、台ID信号編集処理(ステップS531)、セキュリティ信号編集処理(ステップS532)、枠開放信号編集処理(ステップS533)、休憩信号編集処理(ステップS534)、アウト数信号編集処理(ステップS535)、賞球数信号編集処理(ステップS536)、をそれぞれ順次実行する。
次いで、大当たり信号編集処理(ステップS537)、始動入賞口信号編集処理(ステップS538)、図柄確定回数信号編集処理(ステップS539)、を順次実行し、その後リターンする。ここでステップS531は、カードユニット20(あるいは、さらにホールコンピュータ80)へ台ID信号を出力するための処理である。また、ステップS532〜S539は、ホールコンピュータ80または試射試験端子148へ、その他の各種信号を出力するための処理である。
次に、前記外部情報編集処理(図61参照)における台ID信号編集処理S531を、図62に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS541で、カードユニット20(あるいは、さらにホールコンピュータ80)に対するシリアル通信中か判定し、シリアル通信中であればステップS546に進み、シリアル通信中でなければステップS542に進む。これは、遊技制御装置140と台IDの送信先との間で、シリアル通信が実行中かどうかをチェックするものである。シリアル通信中であれば、今回は台IDを出力することはできないので、ステップS542〜S545を実行しないで、ステップS546に進む。
一方、シリアル通信中でなければ、ステップS542に進んで、台ID信号の出力要求フラグがセットされているかチェックする。ここで台ID信号の出力要求フラグは、次のような遊技機10の状態を示す信号(遊技制御装置140からカードユニット20やホールコンピュータ80等の外部装置に出力される信号)の発生時に対応して独立にセットされる。
すなわち、「電源投入時のセキュリティ信号」(電源投入時に1パルス出力される信号)、「枠開放信号」(ガラス枠や前面枠の開放時に出力される信号)、それに「大当たり1信号」(特図1が大当たりになった時に出力される信号)に対応して独立にセットされる。なお、複数同時に成立している場合には、優先順位を設けて1つずつ対応する。この場合に、一度に全部の要求フラグをクリアすることはない。
ステップS542で、台ID信号の出力要求フラグがセットされているかのチェックを行うと、そのチェック結果をステップS543で判別し、出力要求フラグがあればステップS544に進んで台ID信号の出力要求フラグをクリアする。これは、既に台ID信号の出力要求フラグがセットされて、台IDを出力するための処理を行う(ステップS545にて)ことができるから、前記出力要求フラグをクリアするものである。なお、台ID信号の出力要求フラグは、台IDを外部装置に出力すべきタイミング(台IDの出力契機)において、後述するステップS548で設定される。
次いで、ステップS545で、台ID取得処理(後述する)を行って、ステップS546に進む。これにより、台IDの取得が行われて、シリアル送信バッファに書き込まれることになる。一方、ステップS543で出力要求フラグがなければ、ステップS544、S545をジャンプして、ステップS546に進む。従って、この場合は台IDの取得は行われない。なお、シリアル送信バッファは、CPU141を構成するICチップに設けられたシリアル通信回路(例えば、図9の通信回路322)内の送信バッファである。
ステップS546では、台IDの出力契機であるか判定され、出力契機であれば、ステップS547に進み、出力契機でなければ、ステップS550で台ID信号の出力要求済みフラグをクリアしてリターンする。ステップS547に進むと、台ID信号の出力要求済みフラグに基づいて、台ID出力要求済みか判定する。
ここで台ID信号の出力要求済みフラグがセットされていて出力要求済みならば、リターンする。一方、台ID信号の出力要求済みフラグがクリアされていて出力要求済みでないならば、ステップS548に進む。ステップS548に進むと、台ID信号の出力要求フラグをセットし、次いでステップS549で、台ID信号の出力要求済みフラグをセットし、その後リターンする。
なお、台IDは、前述したステップS366(図47)により精算時に出力する他、前述したように、電源投入時、枠開放時、大当たり時、それに予約確定を選択した時に出力される。そのため、前記ステップS546は、このような出力契機であるか否かを判定している。
また、台IDの内容としては、電源投入時は全てのコード(チップコード、メーカコード、および製品コード)を含んだものを送信するが、枠開放時、大当たり時、および予約確定選択時はチップコードのみを送信する。そのために、前記台ID信号の出力要求フラグと出力要求済みフラグには、このような出力契機の違いが識別できるように種類が設けてある。なお、電源投入時以外はチップコードのみを送信するが、全てのコードを送信するようにしても良い。また、台IDの出力先は基本的にカードユニット20であるが、ホールコンピュータ80でも良い。ただし、精算時は遊技カードに台IDを書き込むためなので、必ずカードユニット20に出力する。
次に、前記台ID信号編集処理における台ID取得処理(図62参照)を、図63に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS551で、スタートコードをシリアル送信バッファに書き込む。スタートコードは、シリアル通信の開始であることを受け側であるカードユニット20等に特定させるためのコードである。次いで、ステップS552で、取得はチップコードのみかどうかを判別する。
ここで取得がチップコードのみであれば、ステップS557にジャンプして、チップコード識別コードをシリアル送信バッファに書き込む。次いで、ステップS558で、CPU141を構成するICチップの個体識別情報(固有ID)としてのチップコードを読み出し、シリアル送信バッファに書き込み、リターンする。これにより、固有IDが取得されてカードユニット20等に出力されることになる。
一方、ステップS552で、取得がチップコードのみでなければ、ステップS553に進んで、メーカコード識別コードをシリアル送信バッファに書き込むと共に、ステップ554で、メーカコードを読み出してシリアル送信バッファに書き込む。次いで、ステップ555で、製品コード識別コードをシリアル送信バッファに書き込むと共に、ステップS556で、製品コードを読み出してシリアル送信バッファに書き込み、その後、ステップS557に進む。これにより、メーカコードおよび製品コードが取得されてカードユニット20等に出力されることになる。
なお、少なくともカードユニット20に台IDが送信される場合には、前述したように第2通信方式(通信方式2)で送信されるため、台IDを構成する各コードデータは、この通信方式2に対応した暗号化がなされた上でシリアル送信バッファに書き込まれる。また、本実施の形態では、枠開放信号や大当たり1信号の発生時には、台IDとしてチップコード(主基板固有ID)のみを出力する態様であるため、この場合にはステップS552の判定が肯定的になって、ステップS557とS558のみを実行してリターンする構成となっている。
また、電源投入時のセキュリティ信号発生時には、台IDとしてチップコード(主基板固有ID)に加えて、メーカコードや製品コードも出力する態様であるため、この場合にはステップS552の判定が否定的になって、ステップS553〜S558の全てを実行してリターンする構成となっている。また、この電源投入時の場合、例えば、メーカコード、製品コード、チップコードの順番でシリアル送信される。また、各識別コードには、各コードのデータの種類とデータ長が分かる情報が含まれている。
次に、前記外部情報編集処理(図61参照)におけるセキュリティ信号編集処理S532を、図64に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS561で電源投入時(停電からの復旧も含む)か判定する。ここで電源投入時であればステップS562で、セキュリティ信号を1パルス出力する設定を行ってリターンし、電源投入時でなければステップS563に進む。ステップS562により、電源投入時に1パルスのセキュリティ信号がホールコンピュータ80に出力される。
ステップS563に進むと、ステップS563〜S571のエラー判定処理を順次行い、何れかのエラー判定処理でエラー発生中と判定されるとステップS573に進み、全てのエラー判定処理でエラー発生中でないと判定されるとステップS572に進む。ステップS572では、セキュリティ信号オフの出力データを設定し、リターンする。
また、ステップS573では、セキュリティ信号オンの出力データを設定し、リターンする。なお、セキュリティ信号オンの出力データが設定されていると、セキュリティ信号はオン(出力状態)となり、セキュリティ信号オフの出力データが設定されていると、セキュリティ信号はオフ(非出力状態)になる。
ここでステップS563は、カードユニット未接続エラーが発生中であるかの判定であり、前述したステップS262と同様に、例えばカードユニット接続確認フラグに基づいて行われる。
ステップS564は、封入球数エラー(封入球数不足エラー、封入球数過剰エラー、または封入経路異常エラー)が発生中であるかの判定であり、前述したステップS268、S269、S270と同様に、封入球数不足エラーフラグ、封入球数過剰エラーフラグ、および封入経路異常エラーフラグに基づいて行われる。
ステップS565は、ブドウエラーが発生中であるかの判定であり、前述した図39のステップS253でセットされるブドウエラーフラグに基づいて行われる。すなわち、ブドウエラーフラグがセットされていれば、ブドウエラー発生中と判定される。
ステップS566は、スイッチ異常が発生中であるかの判定であり、前述した図36のステップS215(スイッチ異常監視処理)の監視結果に基づいて行われる。
ステップS567は、電波不正が発生中であるかの判定であり、前述したステップ図36のS216(電波不正監視処理)の監視結果に基づいて行われる。
ステップS568は、磁石不正が発生中であるかの判定であり、前述したステップ図36のS217(磁石不正監視処理)の監視結果に基づいて行われる。
ステップS569は、振動不正が発生中であるかの判定であり、前述したステップ図36のS218(振動不正監視処理)の監視結果に基づいて行われる。
ステップS570は、大入賞口111a不正が発生中であるかの判定であり、前述した図57のステップS493(大入賞口スイッチ不正&入賞監視処理)の監視結果に基づいて行われる。
ステップS571は、普電不正が発生中であるかの判定であり、前述した図57のステップS494(普電入賞口スイッチ不正&入賞監視処理)の監視結果に基づいて行われる。
次に、前記タイマ割込み処理(図30参照)におけるLED編集処理S152を、図65に沿って説明する。このルーチンが開始されると、エラー表示LED編集処理(ステップS581)、および特図・普図・遊技状態表示LED編集処理(ステップS582)が順次実行され、その後リターンする。
ここでエラー表示LED編集処理(ステップS581)では、遊技制御装置140の裏側に配置されたエラー表示LED146(図5参照)を所定のエラー発生時に点灯または点滅させるための表示データの設定が実行される。また、特図・普図・遊技状態表示LED編集処理(ステップS582)では、前記一括表示装置114(図7では普図・特図表示器)で各種表示を行うための表示データの設定が実行される。
次に、前記タイマ割込み処理(図30参照)におけるタッチパネル用画像編集処理S153を、図66に沿って説明する。このルーチンが開始されると、持球数編集処理(ステップS591)、予約用アイコン編集処理(ステップS592)、精算用アイコン編集処理(ステップS593)、および休憩用アイコン編集処理(ステップS594)が順次実行され、その後リターンする。
持球数編集処理(ステップS591)では、前記表示パネル200の表示画面上にて持球数表示部202に関する表示を行うための表示データの設定が実行される(詳細は後述する)。予約用アイコン編集処理(ステップS592)では、前記表示パネル200の表示画面上にて前述した予約操作に関する表示を行うための表示データの設定が実行される。
精算用アイコン編集処理(ステップS593)では、前記表示パネル200の表示画面上にて精算スイッチ204に関する表示を行うための表示データの設定が実行される。休憩用アイコン編集処理(ステップS594)では、前記表示パネル200の表示画面上にて休憩スイッチ(図示省略)に関する表示を行うための表示データの設定が実行される。
なお、予約用アイコン編集処理では、前述の図11〜図21に基づき説明した予約操作に関する表示動作が実現される。また、精算用アイコン編集処理および休憩用アイコン編集処理では、例えば、次のような表示動作が実現される。すなわち、前述の精算開始監視処理(図46)や休憩開始監視処理(図50)で説明した精算許可条件および休憩許可条件が成立していると、表示パネル200の表示画面上に精算スイッチ204の他、休憩スイッチ(図示省略)も出現して両方が点灯し、精算および休憩が可能であることが報知される。また、精算中は精算スイッチ204のみが点滅し、休憩中は休憩スイッチ(図示省略)のみが点滅して、精算スイッチ204と休憩スイッチの押し間違いが分かるように点灯する。
次に、前記タッチパネル用画像編集処理(図66参照)における持球数編集処理S591を、図67に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS601でカードユニット未接続エラーが発生中であるか判定し、発生中ならばステップS608に進み、発生中でなければステップS602に進む。このカードユニット未接続エラーの判定は、前述したステップS262やS563と同様に、例えばカードユニット接続確認フラグに基づいて行われる。
ステップS602に進むと、封入系スイッチ異常エラーが発生中か判定し、発生中ならばステップS608に進み、発生中でなければステップS603に進む。封入系スイッチ異常エラーは、封入系スイッチ(発射球検出スイッチ169、ファール球検出スイッチ174、アウト球検出スイッチ175、封入球数検出スイッチ165,166)についてのスイッチ異常であり、前述のステップS566と同様にステップS215の監視結果に基づいて行う。
ステップS608では、持球数表示部202によって封入系スイッチ異常エラーあるいはカードユニット未接続エラーを報知する表示を行うための表示データを設定し、リターンする。ステップS603に進むと、精算中であるか判定し、精算中ならばステップS609に進み、精算中でなければステップS604に進む。精算中であるか否かの判定は、例えば前述のステップS401やS266と同様に行えば良い。
ステップS604に進むと、持球数表示タイマの値が0でないか判定し、0でない場合(タイムアップしていない場合)にはステップS609に進み、0である場合(タイムアップしている場合)にはステップS605に進む。持球数表示タイマは、前述のステップS393(図49)で精算終了時に設定されるタイマである。
ステップS609では、持球数表示部202によって持球数を点滅表示させるための表示データ(持球数表示点滅データ)を設定して、リターンする。前記ステップS603、S604、S609の処理により、精算スイッチ204が押されて精算処理が開始されてから遊技カードが抜き取られて持球数表示タイマがカウントアップするまでの間、持球数表示部202において持球数が点滅表示される。
ステップS605に進むと、休憩中か判定し、休憩中ならばステップS610に進み、休憩中でなければステップS606に進む。休憩中か否かの判定は、例えば前述のステップS267やS341と同様に行えば良い。ステップS610では、表示パネル200の画面上で休憩中であることを報知する表示を行うための休憩表示データを設定し、リターンする。
ステップS606に進むと、遊技中(遊技者が着席中)か判定し、遊技中ならばステップS611に進み、遊技中でなければステップS607に進む。遊技中か否かの判定は、カードユニット20に遊技カードが挿入してあれば遊技中と判定し、挿入してなければ遊技中でないと判定することにより行う。ステップS611では、持球数表示部202で持球数を点灯表示するための持球数表示データを設定し、リターンする。また、ステップS607では、持球数表示部202でデモ表示を行うためのデモ表示データを設定し、リターンする。
本ルーチンによれば、遊技中は基本的に持球数表示部202において持球数の表示がなされるが、カードユニット未接続エラーまたは封入系スイッチ異常エラーが生じると、それを示すエラー表示が、精算中は精算中であることを示す表示が、休憩中は休憩中であることを示す表示が、それぞれ、表示パネル200の画面上において表示される。そして、これら何れの状態でもない場合には、表示パネル200ではデモ表示が実行される。
次に、カードユニット20の制御装置(図9に示すCPU25よりなる制御装置)が、例えば所定の割込み周期で実行する現金使用時処理を、図68に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS621で、現金投入口22に現金(紙幣)が投入されたか判定し、投入されたならばステップS622に進み、投入されていなければリターンする。ステップS622に進むと、投入された紙幣について識別可能か否か、真贋や種類等の判別をする。識別可能かつ本物であれば、ステップS623に進み、識別不可能または偽物であれば、ステップS630で現金を返却する(現金投入口22に排出する)制御を行ってリターンする。
ステップS623では、カード投入口21から挿入されている挿入済みの遊技カード(会員カードまたはビジターカード)があるか判定し、あれば、ステップS628にジャンプし、なければ、ステップS624に進む。ステップS624に進むと、カードユニット20内部にストックされているビジターカードのうち先頭のもの(次に使用するもの)のカードIDを読み取り、この読み取ったビジターカードIDを、次のステップS625で遊技機10の遊技制御装置140に前述の第2通信方式(通信方式2)で送信する。
この際、第2通信方式であるので、図9で説明したように、カードユニット20のCPU25内の第1種暗号化回路331で読み取ったビジターカードIDを暗号化して送信する。なお、こうして送信されたビジターカードIDは、前述したステップS474(図55)等で使用される。また、ステップS624でビジターカードのストックがない場合は、ステップS630のように現金を返却しても良いし、エラー報知LED24にて、店員にビジターカードを補給するように促すようにしても良い。
ステップS626では、遊技機10(遊技制御装置140)からのカードIDACK受信タイムアウトか否か判定し、タイムアウトならば、ステップS630に進んで現金を返却してリターンし、タイムアウトしていない場合には、ステップS627に進む。なお、例えば前述のステップS625でビジターカードIDを送信した時点からの経過時間が、図示省略した処理によって計測されており、遊技機10からのカードIDACK(カードIDに対する応答信号であり、前述のステップS477で送信される)が受信されないまま、この経過時間が所定時間を超えると、ステップS626でカードIDACK受信タイムアウトと判定される。
ステップS627に進むと、遊技機10からカードIDACKを受信済みか判定し、受信済みであれば、ステップS628〜S629を順次実行した後にリターンし、受信済みでなければ、ステップS626に戻って処理を繰り返す。
ステップS628では、ステップS622で判定された現金の投入金額に相当する貸球度数を、挿入されている遊技カード(あるいはステップS624でカードIDが読み取られたビジターカード;すなわち、カードユニット内部で発行されたビジターカード)の貸球度数として加算する。
なお、挿入されている遊技カードの貸球度数が0の場合と、内部で発行された直後のビジターカードの場合には、当初貸球度数が0であるので、このステップS628では、投入金額に相当する値が貸球度数として記憶される。次にステップS629では、ステップS628で投入金額分が加算された後の貸球度数を、前記表示パネル200の貸球度数表示部201において表示する制御を実行する。なお、この貸球度数は、カードユニット20の暗証番号入力装置23(LCDタッチパネル)においても表示するようにしても良い。
本ルーチンによれば、カードユニット20の現金投入口22に現金(紙幣)を投入すると、その投入金額分だけ貸球度数が増加し、この貸球度数の範囲内で球貸加算処理(有価価値と引き換えでの持球数の増加)が可能となる。なお、現金が投入された時に遊技カードが挿入されていないと、カードユニット20内部にストックされているビジターカードが内部で発行されてその処理が行われる(ステップS623〜S627)。本実施の形態では、このようなビジターカードも精算後には排出される。なお、ビジターカードは、精算時に持球数も貸球度数も0の場合には、精算後の排出(遊技者への返却)は行わずに、カードユニット内で回収するようにしても良い。
次に、カードユニット20の前記制御装置が、例えば所定の割込み周期で実行するカード使用時処理を、図69に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS631でカード投入口21に所定のカード(会員カード、ビジターカード、スタッフカードの何れか)が挿入されたか判定し、挿入されたならばステップS632に進み、挿入がなければリターンする。
ステップS632に進むと、挿入されたカードのカードIDを読み取って記憶し、次いでステップS633で、読み取ったカードIDを第2通信方式(通信方式2)で遊技機10(遊技制御装置140)に暗号化して送信し、ステップS634に進む。なお、このステップS633で送信されたカードIDは、遊技制御装置140において、前述のカードユニット受信解析処理2(図55)で処理される。
ステップS634に進むと、挿入されたカードが会員カードか判定し、会員カードならばステップS635の会員カード挿入時処理(後述する)を実行してリターンし、会員カードでなければステップS636に進む。ステップS636に進むと、挿入されたカードがビジターカードか判定し、ビジターカードならば、ステップS637のビジターカード挿入時処理(後述する)を実行してリターンし、ビジターカードでなければ、そのままターンする。
本ルーチンによれば、遊技カード(会員カードまたはビジターカード)が挿入された場合に、カードの種類に応じた処理(会員カード挿入時処理またはビジターカード挿入時処理)が実行され、遊技カードではない異常なカードが挿入されると返却される。また、遊技カード(会員カードまたはビジターカード)であれば、前述したように、そのカードIDが遊技機10(遊技制御装置140)に送信される。
次に、前記カード使用時処理(図69参照)における会員カード挿入時処理S635を、図70に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS641で、遊技機10(遊技制御装置140)からのカードIDACK受信タイムアウトか否か判定する。ここでタイムアウトならば、ステップS650に進んでカードを返却してリターンし、タイムアウトしていなければ、ステップS642に進む。
なお、例えば前述のステップS633で、カードIDを送信した時点からの経過時間が、図示省略した処理によって計測されており、遊技機10からのカードIDACK(カードIDに対する応答信号であり、前述のステップS477で送信される)が受信されないまま、この経過時間が所定時間を超えると、ステップS641でカードIDACK受信タイムアウトと判定される。
ステップS642に進むと、遊技機10からカードIDACKを受信済みか判定し、受信済みであれば、ステップS643に進み、受信済みでなければ、ステップS641に戻って処理を繰り返す。なお、遊技機10のカードIDACKを受信済みであれば、ホールコンピュータ80に対して前述の予約情報の照会を要求する。その際、ホールコンピュータ80には、予約元遊技機を特定する位置情報の他、会員カードに記憶されたカードIDや予約先遊技機を特定する位置情報等が送信される。挿入された会員カードが予約者のカードであることが承認された時は、次のステップS643を実行する。
ここでホールコンピュータ80での予約情報の照会に際して、前述のカード毎予約情報ファイル(図25)からは、挿入された会員カードのカードIDに対応したデータ(レコード)が読み出される。ここで次述する条件を全て満たした場合に、カードユニット20に挿入された会員カードが予約者のカードであることが承認された旨が送信されるように構成されている。
前記条件とは、会員カードのカードIDに対応したデータ(レコード)を読み出した際に、a.会員カードに記録された予約元遊技機の台IDと、カード毎予約情報ファイルの予約元遊技機の台IDが一致していること、b.会員カードに記録された予約先遊技機の台IDと、カード毎予約情報ファイルの予約先遊技機の台IDが一致していること、c.会員カードやカード毎予約情報ファイルの予約先遊技機の台IDと、会員カードを挿入したカードユニット20に対応した実際の予約先遊技機における台IDが一致していること、等を少なくとも全て満たすことである。なお、予約者の会員カードであることが承認されなかった場合は、前記表示パネル200の表示画面上に、例えば「予約された方以外は遊技できません」のメッセージを表示して会員カードを返却する。
ステップS643では、前記持球数のデータ(暗号化されたままのデータ)を、前述した精算持球数コマンド(図56のステップS483)として、第3通信方式(通信方式3)で遊技機10(遊技制御装置140)に送信して、ステップS644に進む。ステップS644に進むと、挿入されている会員カードに記録されている貸球度数(現金投入金額の残度数)を読み取り、ステップS645に進む。ステップS645では、ステップS644で読み取った貸球度数が0か判定し、0であればステップS647に進み、0でなければステップS646で、この貸球度数を例えば貸球度数表示部201で表示する制御を実行し、その後ステップS647に進む。
ステップS647に進むと、挿入されている会員カードに記録されている有効貯球数を読み取り、ステップS648に進む。ステップS648では、ステップS647で読み取った貯球数が0か判定し、0であればリターンし、0でなければステップS649で、この有効貯球数を、例えば暗証番号入力装置23、あるいはさらに表示パネル200の何れかで表示する制御を実行し、その後リターンする。なお、持球数表示部202を、場合により貯球数の表示部として使用しても良い。このように本実施の形態では、表示パネル200に貯球数を表示する専用の表示部を設けていないが、貯球数を表示する専用の表示部を別途設けるようにしても良い。
有効貯球数とは、景品交換装置60で持球数が貯球化されて会員カードに記録された有効な貯球数を意味する。また貯球は、遊技者が会員カードに記録したまま遊技店から退場した後も(当日以外でも)保有できる遊技価値であり、遊技店に後日再来場した時に持球数に変換(持球化)して遊技に使用できる。例えば、遊技者が暗証番号入力装置23に暗証番号を入力する等の所定の操作を行うと、図示省略した処理により、この有効貯球数分だけ持球数が増加する球貸加算処理(貯球数はその分減算される)が実行される。
本ルーチンによれば、遊技機10からのカードIDACKを受信することを条件として、挿入された会員カードに記録された有効な持球数、貸球度数、貯球数等が読み取られて、持球数のデータは遊技機10に送信され、貸球度数および貯球数は表示制御が実行される。なお、挿入された会員カードに記録された持球数、貸球度数、貯球数が全て0の場合でも、カードは返却せず、現金投入待ちになる。この状態で、遊技者がカード返却したい場合には、精算スイッチ204をオン操作すれば良い。そうすれば、後述のステップS650によってカードが返却(排出)される。
次に、前記カード使用時処理(図69参照)におけるビジターカード挿入時処理S637を、図71に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS651で、遊技機10(遊技制御装置140)からのカードIDACK受信タイムアウトか否か判定する。ここでタイムアウトならば、ステップS657に進んでカードを返却してリターンし、タイムアウトしていない場合は、ステップS652に進む。
なお、例えば前述のステップS633(図69参照)で、カードIDを送信した時点からの経過時間が、図示省略した処理によって計測されており、遊技機10からのカードIDACKが受信されないまま、この経過時間が所定時間を超えると、ステップS651でカードIDACK受信タイムアウトと判定される。また、前記会員カード挿入時処理(図70参照)で説明したホールコンピュータ80に対する予約情報照会の要求や、ホールコンピュータ80での予約情報照会の処理に関しては、本ルーチンでも共通する。
ステップS652に進むと、遊技機10からカードIDACKを受信済みか判定し、受信済みであればステップS653に進み、受信済みでなければステップS651に戻って処理を繰り返す。ステップS653では、前記持球数のデータ(暗号化されたままのデータ)を前述した精算持球数コマンド(図56のステップS483)として、第3通信方式(通信方式3)で遊技機10(遊技制御装置140)に送信して、ステップS654に進む。
ステップS654に進むと、挿入されているビジターカードに記録されている貸球度数(現金投入金額の残度数)を読み取り、ステップS655に進む。ステップS655では、ステップS654で読み取った貸球度数が0か判定し、0であればリターンし、0でなければステップS656で、この貸球度数を貸球度数表示部201に表示する制御を実行し、その後リターンする。
本ルーチンによれば、遊技機10からのカードIDACKを受信することを条件として、挿入されたビジターカードに記録された有効な持球数、貸球度数が読み取られて、持球数のデータは遊技機10に送信され、貸球度数の表示制御が実行される。なお、挿入されたビジターカードに記録された持球数、貸球度数が全て0の場合でも、カードは返却せず、現金投入待ちになる。この状態で、遊技者がカード返却したい場合には、精算スイッチ204をオン操作すれば、後述のステップS670によってカードが返却(排出)される。
次に、カードユニット20の前記制御装置が、遊技カードが挿入されている状態で、例えば所定の割込み周期で実行する精算持球数受信処理を、図72に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS661で、精算要求コマンド(前述のステップS351で送信されるもの)を受信したか判定し、受信していない場合はリターンし、受信した場合には、ステップS662〜S670を順次実行した後、ステップS671に進む。
ステップS662では、精算開始ACKを遊技機10(遊技制御装置140)に送信する。次のステップS663では、遊技制御装置140の前述したステップS365の処理で送信される精算持球数(精算時の持球数)を受信する。このステップS663では、精算持球数の受信について、タイムアウト監視の処理も行う。
すなわち、ステップS662での精算開始ACKの送信時点から精算持球数を受信しないまま所定時間が経過すると、フローチャートでは図示しないがタイムアウトとして、ステップS664以降の処理を実行しないでリターンする。この場合、ステップS669の精算書込完了ACKが送信されないので、遊技制御装置140では、前述した図48の精算書込完了ACK監視処理でステップS382の判定がタイムアウトとなり、ステップS387以降が実行されて精算操作は取消となる。
次いで、ステップS664では、ステップS663で受信した精算持球数を遊技カード(会員カードまたはビジターカード)に記録する。なお、精算持球数は、前述したように第3通信方式(カードユニット20では復号化できない方式)で送信され、このステップS664では暗号化されたまま遊技カードに記録される。
ステップS665では、遊技制御装置140の前述したステップS366の処理で送信される台IDを受信する。このステップS665では、台IDの受信について、タイムアウト監視の処理も行う。すなわち、フローチャートでは図示しないが、ステップS662での精算開始ACKの送信時点から台IDを受信しないまま所定時間が経過すると、タイムアウトとして、ステップS666以降の処理を実行しないでリターンする。この場合も、ステップS669の精算書込完了ACKが送信されないので、遊技制御装置140では、前述した図48の精算書込完了ACK監視処理でステップS382の判定がタイムアウトとなり、ステップS387以降が実行されて精算操作は取消となる。
次いで、ステップS666では、ステップS665で受信した台IDを遊技カード(会員カードまたはビジターカード)に記録する。なお、台IDは、前述したように第2通信方式(カードユニット20で復号化できる方式)で送信され、このステップS666ではCPU25内で復号化されたデータが遊技カードに記録される。また、台IDは、既に記録されている台IDがあった場合、この台IDを消去して記録する上書きを行っても良いが、既に記録されている台IDに追加して記録するようにしても良い。また、台IDに対応させてその時点の日付等(年月日、時刻)も記録するようにしても良い。
このようにすると、遊技カードに記録された台ID等を利用して、当該遊技カードがどの台(あるいはどの機種)で使用されたのかという遊技履歴が把握でき、さらにこの遊技履歴から、不正を発見する処理(例えば台IDが一つも記録されていないのに持球数だけが記録されている場合に不正と判定する処理)が可能となったり、遊技者に新たなサービス(例えば、遊技者の過去の遊技履歴を表示するサービス)を提供したりすることが可能となる。
ステップS667では、遊技制御装置140の前述したステップS367(図47)の処理で送信される予約先位置情報を受信する。このステップS667では、予約先位置情報の受信について、タイムアウト監視の処理も行う。すなわち、フローチャートでは図示しないが、ステップS662での精算開始ACKの送信時点から予約先位置情報を受信しないまま所定時間が経過すると、タイムアウトとして、ステップS668以降の処理を実行しないでリターンする。この場合も、ステップS669の精算書込完了ACKが送信されないので、遊技制御装置140では、前述した図48の精算書込完了ACK監視処理でステップS382の判定がタイムアウトとなり、ステップS387以降が実行されて精算操作は取消となる。
次いで、ステップS668では、ステップS667で受信した予約先位置情報を遊技カード(会員カードまたはビジターカード)に記録する。なお、予約先位置情報も、前述したように第2通信方式(カードユニット20で復号化できる方式)で送信され、このステップS668ではCPU25内で復号化されたデータが遊技カードに記録される。また、予約先位置情報も、既に記録されている予約先位置情報があった場合、この予約先位置情報を消去して記録する上書きを行っても良いが、既に記録されている予約先位置情報に追加して記録するようにしても良い。
続くステップS669では、精算書込完了ACKを遊技制御装置140に第1通信方式(通信方式1)で送信する。次に、ステップS670では、挿入されている遊技カードをカード投入口21に排出する制御を実行する。そして、ステップS671に進むと、カード投入口21に排出された遊技カードが抜き取られたか判定する。例えば、カード投入口21に設けられたカード検出用センサによって判定すれば良い。
ここでカード投入口21から遊技カードが抜き取られていれば、ステップS672に進み、抜き取られていなければ当該ステップS671を繰り返す。次いで、ステップS672では、精算カード抜取コマンドを遊技制御装置140に第1通信方式(通信方式1)で送信し、その後リターンする。この精算カード抜取コマンドは、遊技制御装置140の前述したステップS391(図49)で使用される。
本ルーチンによれば、精算スイッチ204のオン操作によって、遊技制御装置140の前述したステップS351で送信される精算要求コマンドを受信することを必要条件として、遊技カードに精算持球数、台IDおよび予約先位置情報が記録され、遊技カードが排出される。そして、遊技カードが抜き取られると、精算カード抜取コマンドが遊技制御装置140に送信される。
なお、ステップS670では、挿入されている遊技カードがビジターカードであり、精算持球数およびカードの貸球度数が0の場合、ビジターカードを排出しないでカードユニット20の内部で回収する構成としても良い。この場合、カードユニット20に現金を投入して遊技を開始し(この場合、ビジターカードは内部で発行)、その後、貸球度数および持球数が0になると、ビジターカードは一度も排出されないままカードユニット20内に回収されることになる。
次に、カードユニット20の前記制御装置が、遊技カードが挿入されている状態で、例えば所定の割込み周期で実行する休憩開始処理を、図73に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS681で休憩要求コマンド(前述のステップS411で出力されるコマンド)を受信したか判定し、受信していない場合はリターンし、受信している場合にはステップS682に進む。
ステップS682に進むと、休憩情報(休憩中であることを示す情報)を挿入されている遊技カードに書き込み、次のステップS683でこの遊技カードを返却(排出)する。次いで、ステップS684で、休憩開始ACKを第1通信方式(通信方式1)で遊技制御装置140に送信し、その後リターンする。なお、送信された休憩開始ACKは、遊技制御装置140における前述したステップS423で使用される。
ここで休憩情報が遊技カードに記録されることによって、次のような効果が得られる。すなわち、遊技者が携帯している遊技カードの記録を読み取ることによって、例えば遊技店のスタッフは、当該遊技者が休憩中であることを知ることができる。なお、ステップS682では、休憩情報に加えて(あるいは、休憩情報に含めて)、当該遊技機10の台IDや休憩を開始した日付情報や時刻情報も記録しておいても良い。これにより、遊技カードの記録を読み取ることによって、当該遊技者が休憩中であることに加えて、どこの遊技機10で遊技していたか(どこの遊技機10が当該遊技者により休憩中となっているのか)、あるいはさらに休憩を開始した日付や時刻を知ることができる。
次に、カードユニット20の前記制御装置が、遊技カードが挿入されている状態で、例えば所定の割込み周期で実行する休憩解除処理を、図74に沿って説明する。このルーチンが開始されると、先ずステップS691で、挿入された遊技カードに記録されているカードIDと、前述のステップS632(あるいはステップS624)で記憶したカードIDを照合し、ステップS692に進む。ステップS692では、前記照合結果が一致であれば、ステップS693に進み、一致でなければ、ステップS696で遊技カードを返却してリターンする。
ステップS693に進むと、休憩解除コマンドを第1通信方式(通信方式1)で遊技制御装置140に送信し、次にステップS694で休憩解除ACK(前述のステップS433で出力されるACK)を受信する処理を実行する。続くステップS695で、挿入された遊技カードの休憩情報を削除し、その後リターンする。なお、ステップS693で送信された休憩解除コマンドは、遊技制御装置140における前述したステップS432(図52)で使用される。
また、ステップS694では、休憩解除ACKの受信について、タイムアウト監視の処理も行う。すなわち、フローチャートでは図示しないが、ステップS693での休憩解除コマンドの送信時点から休憩解除ACKを受信しないまま所定時間が経過すると、タイムアウトとして、ステップS695を実行しないで、遊技カードを返却してリターンする。
本ルーチンによれば、休憩中に遊技カードが挿入され、この遊技カードが休憩前に使用されていたカードであれば、当該遊技カードの休憩情報が削除され、遊技制御装置140でも休憩解除の処理(前述の図52のステップS433〜S436)が実行される。なお、ステップS695では、必ずしも休憩情報の削除を行わないようにして、休憩情報(あるいはそれに付随する台IDの情報)等を例えば所定期間残しておき、遊技カードの記録から過去の休憩回数や休憩履歴が分かるようにしても良い。
次に、持球管理装置70の制御装置(図10に示すCPU71よりなる制御装置)によって実行される持球受信処理を、図75に沿って説明する。このルーチンは、遊技制御装置140の前述のステップS369、S370(図47)で送信されるカードIDおよび精算持球数を受信することによって開始される。
このルーチンが開始されると、先ずステップS701で、受信したカードIDのデータをCPU71内の第1種復号化回路341(図10)によって復号化する。次いでステップS702で、受信した精算持球数のデータをCPU71内の第2種復号化回路342(図10)によって復号化し、ステップS703に進む。
ステップS703では、ステップS702で複号化した精算持球数に対応した貸球単価が4円か判定する。ここで貸球単価が4円であれば、続くステップS704で、持球管理装置70の記憶手段(例えば、ハードディスク装置、あるいはフラッシュメモリ等)の所定領域に形成されたカード毎持球数ファイル(図25参照)のうち「貸球単価:4円」の領域に、精算持球数(復号化されたデータ)をカードID(復号化されたデータ)と対応付けて記録し、リターンする。
一方、貸球単価が4円ではなく1円の場合には、続くステップS705で、前記カード毎持球数ファイル(図25参照)のうち「貸球単価:1円」の領域に、精算持球数(復号化されたデータ)をカードID(復号化されたデータ)と対応付けて記録し、リターンする。このように、貸球単価別に持球数を管理できるようにすることで、貸球単価が異なる遊技機10への台移動が可能になる。
本実施の形態によれば、以下のような効果がある。
以上のように本実施の形態の遊技システム1によれば、遊技機10の予約を行う遊技者は、所有する持球数(遊技価値)の少なくとも一部を、予約の代償となる予約可能球数(予約用遊技価値)として遊技店側に扱いを委ねることになる。よって、遊技店側としては、予約に起因して無条件(無制限)に予約状態(台確保状態)となるような事態を回避して、遊技機10の稼働率の低下ないし売上の損失を防ぐために予約可能球数を使用することができる。
ここで予約可能球数は、前述したように表示パネル200による予約操作によって選択されるが、予約操作時に初めて通常の持球数から分けて記憶するとは限らない。例えば、遊技者が遊技カードを購入する際に、購入金額に対応する予約可能球数を遊技者に予め付与し、この予約可能球数によって予約操作を行うように構成しても良い。
具体的には、1000円分の遊技カードを購入する(球貸しを行う)際、100個の予約可能球数を付与するように設定すること等が考えられる。その他、遊技カードには遊技履歴を記録するが、この遊技履歴のうちに負け金額や予約可能球数の管理用データも記録し、当該記録した負け金額に応じた予約可能球数をサービスとして付与し、これらを元に前記予約操作を行えるように構成しても良い。
前述した予約操作が行われると、稼働状態判定手段は、予約先遊技機の稼働状態を判定する。ここで予約先遊技機が非稼働状態であると判定されると、予約処理実行手段は、予約先遊技機を一時的に遊技が不能な予約確定状態とする。よって、遊技者は予約先遊技機を他の遊技者に使用されることなく確保することができる。もし、予約先遊技機が稼働状態であれば、予約が確定することはなく、当該遊技機10において既に遊技中の遊技者に対して何ら支障を来すこともない。
予約確定状態となった予約先遊技機においては、予約処理実行手段の制御により、予約した遊技者の所有する持球数のうち、価値情報記憶手段に記憶された担保分の範囲内で、該担保分である予約可能球数に基づいて予約確定状態を継続する。ここで「予約可能球数に基づいて」とは、予約可能球数の少なくとも一部が予約先遊技機で使用されたとして、最終的には遊技店側に没収されることを意味する。
予約可能球数の使用ないし没収のタイミングは、前述したように予約確定状態の継続に伴いリアルタイムで使用しつつ没収する他、例えば初期投資分の範囲で遊技者が予約先遊技機に移動できなかった場合、当該時点でまとめて没収するようにしても良い。また、詳しくは後述するが、初期投資分の範囲で遊技者が予約先遊技機に移動した場合には、初期投資分を一切没収しないで返却するような扱いも可能である。
何れにせよ予約可能球数を最終的に没収するか否かの扱いは、全て遊技店側に委ね任されることになり、遊技店側としては、予約確定状態が長らく継続したような場合に、その代償として遊技者の持球数を強制的に使用し没収することができる。なお、前記記憶更新手段は、持球数の減算ないし加算を記憶更新するだけでなく、予約可能球数(予約用遊技価値)の減算ないし加算についても記憶更新するが、後述する変形例の場合のように、自動遊技の実行に対応させた予約可能球数(予約用遊技価値)を、結果として減算しない場合もある。
以上のような遊技システム1に対して、例えば前述した特開2002−177593号公報に記載のシステムでは、遊技者が一の遊技機にて遊技を行っており、該一の遊技機よりも有利な遊技を行える可能性がある遊技機を予約する際、予約後に設定、計測される予約有効期間内に現在の遊技機での遊技を終了できない場合には、移動指示報知が行われていた。
ところが、現在の遊技機での遊技状態等により、この移動指示報知によって予約先遊技機へ直ぐに移動ができなかった場合には、予約が解除され、他の遊技者、すなわち誰でもその遊技機で遊技ができる状態となってしまう。従って、せっかく所望の遊技機が空いたにも関わらず、当該所望の遊技機で遊技を行えなくなってしまっていた。
特に、予約先遊技機が空くまでに現在の遊技機にて遊技を行っており、たまたま特別遊技状態や確率変動状態等の有利な遊技状態が発生した場合には、予約先遊技機が空いたからといって、自身で獲得した有利な遊技状態を放置して予約先遊技機に行くことは、遊技者に不利なものであることに他ならない。
その一方、無制限に予約状態(台確保状態)としておくと、結果的に当該予約状態の遊技機では遊技が行われず、強制的な非稼働状態が継続することとなり、遊技者は予約元遊技機での遊技が確実に終了してから予約先遊技機に移動することとなり不利益は被らない。しかしながら、遊技店側にとっては、稼働率の低下、売上の低下につながることとなり、さらなる問題点となることが大いに考えられていた。
本遊技システム1は、以上のような従来の技術の有する問題点に着目してなされたものであり、遊技者は予約した遊技機を確実に確保することが可能となり、遊技者は所望の遊技機で遊技を行うことができ、また、遊技店は予約に基づく遊技機の稼働率の低下による売上の損失を補填することができる。よって、遊技者と遊技店の利益バランスを保つことができる。
また、本遊技システム1では、遊技機10において遊技店側が自動で遊技を強制的に行う自動遊技を実行可能な自動遊技実行手段を備え、前記予約処理実行手段は、予約先遊技機において前記予約確定状態に関わらず、予約した遊技者の前記予約可能球数に基づいて前記自動遊技実行手段による自動遊技を実行して、該自動遊技実行中に亘り前記予約確定状態を継続する。
このように、予約先遊技機において、予約可能球数に基づいて予約確定状態を継続する一つの形態として、予約可能球数を使用しながら遊技を強制的に行う自動遊技を実行するものとする。これにより、遊技者に対して持球数が無闇に回収されるような印象を与えることを回避することができる。
また、遊技機10を封入式遊技機とすることにより、遊技球が遊技機10外部に払い出されることはなく、現金との交換等により遊技者に付与された持球数を全てデータとして加算ないし減算する管理が可能となる。このような封入式遊技機を採用したことにより、前記予約処理実行手段により、遊技者の操作に基づく遊技球の発射を不許可とするような制御が容易に可能となり、予約確定状態を確実に継続することができる。
しかも、前記自動遊技実行手段により、遊技球を自動的に発射位置に導くと共に遊技領域101に発射する自動発射に関する制御も容易に可能となり、前記自動遊技としての自動発射を確実に実行することができる。このような自動発射によれば、遊技球の発射に伴う予約可能球数の減算度合いやなくなるまでの時間を、遊技者が容易に予想することも可能となる。
また、遊技機10における自動発射中においては、遊技球が各種入賞口103等や変動入賞装置111に全く入賞しないような状況とすることは通常困難である。そこで、前述したように遊技球がたとえ入賞したとしても、その遊技データを無効として、持球数や予約可能球数に加算する処理は行わないものとする。これにより、前記自動発射に起因して、遊技店が不利益を被ることを回避することができる。
また、本遊技システム1では、カードユニット20により、遊技カードに記録された遊技者を特定する遊技カードのIDを識別することが可能となり、この遊技者を特定する情報に対応付けて、遊技者が所有する持球数(予約可能球数も含む)を貯球化して記憶管理することも可能となる。ここでカードユニット20は、本実施の形態のように現金の投入により遊技球を付与する球貸し機能を備えていてもかまわない。
前記カードユニット20は、前記予約操作手段の予約操作による予約要求を受け付けると共に、該予約要求を受けた予約先遊技機に対する予約要求信号を前記制御手段へ送信する。一方、予約先遊技機に対応するカードユニット20では、前記制御手段から予約要求信号を受信する。また、カードユニット20は、遊技カードを介して入力された遊技者を特定する情報を前記制御手段へ送信する。なお、ここでの送信ないし受信は、通信先に直接的に送受信する態様、あるいは別の装置や機器等を介して間接的に送受信する態様でも良い。
前記カードユニット20が前記制御手段から予約要求信号を受信したことに起因して、前記稼働状態判定手段、前記予約処理実行手段、前記自動遊技実行手段は、それぞれの処理を所定の順に実行する。すなわち、先ず稼働状態判定手段は、予約先遊技機の稼働状態を判定する。この判定により、予約先遊技機が非稼働状態であると判定されると、予約処理実行手段は、該予約先遊技機を一時的に遊技が不能な予約確定状態とする。続いて自動遊技実行手段は、予約者の予約可能球数を使用することで予約先遊技機での自動遊技を実行することになる。
また、前記制御手段は、前記自動発射中の予約先遊技機において、予約した遊技者の前記予約可能球数がなくなった時点で、予約先遊技機における自動遊技の実行を停止すると共に予約確定状態を解除する。このように、予約先遊技機で自動遊技を実行する期間を無制限とすることなく、予約可能球数がなくなるまで消費する時間に限定する。
従って、予約者の負担を自ら選択した予約可能球数の範囲内にとどめることができ、また、予約先遊技機に関して、他の遊技者に対して遊技の妨げとなる期間も限定することができる。なお、遊技店側で予約可能時間帯を設定可能とし、混雑しているような時間帯には予約できないようにすることで、遊技待ちの遊技者を発生させないようにしても良い。
また、前記制御手段は、前記自動発射中の予約先遊技機において、予約した遊技者の移動が該遊技者を特定する情報の認識に基づき確認された場合に、予約先遊技機における自動発射を停止すると共に予約確定状態を解除し、当該時点における予約可能球数の残りを通常の遊技が可能な持球数に復帰させる。このように、予約者が予約先遊技機に移動したことが確認された場合には、予約先遊技機における自動発射を停止すると共に予約確定状態を解除し、予約者が遊技できる状態とした上で、予約可能球数の残りを通常の遊技が可能な持球数に復帰させる。
これにより、予約者は予約先遊技機に早く移動するほど、自動発射に伴う持球数の浪費を抑えることが可能となり、その結果、予約先遊技機への移動を促すことができる。なお、予約先遊技機へ移動した遊技者は、当該遊技機10に対応した遊技球の貸出レート(遊技球1個あたりの貸単価)が予約元遊技機と異なる場合には、予約先遊技機の貸出レートに応じて調整された持球数に基づき遊技を行うことができる。
また、前記制御手段は、前記自動発射中の予約先遊技機において、予約した遊技者による予約取消操作が確認された場合に、予約先遊技機における自動発射を停止すると共に予約確定状態を解除し、当該時点における予約可能球数の残りを通常の遊技が可能な持球数に復帰させる。
これにより、遊技者が予約操作後に何らかの事情により予約をキャンセルしたいような場合には予約取消操作も可能となる。そして、予約先遊技機において予約取消操作が確認された場合には、自動発射が停止すると共に予約確定状態も解除される。また、予約可能球数の残りは、予約元遊技機において遊技者が通常の遊技が可能な持球数に復帰するため、遊技者に過大な損失を強いることもない。
また、前記表示パネル200の操作により、自動発射中の予約先遊技機において、前記予約確定状態の所要時間を延長するために、遊技者の所有する持球数の範囲内で、その一部を前記担保分の予約可能球数に移動させる予約延長操作が可能である。これにより、予約元遊技機における遊技状態等の状況により、予約先遊技機へ直ぐに移動することが遊技者にとって得策ではない事情が生じた場合には、遊技者は予約延長操作も可能となる。かかる予約延長操作では、遊技者が持球数の一部を予約可能球数に移動させることが条件となるため、その結果として、予約先遊技機における自動発射が延長される。よって、遊技店にとっても予約延長に起因して不利益を被ることはない。
このような予約延長操作が行われた場合には、該予約延長操作以前に選択された担保分の予約可能球数を、予約先遊技機において通常の遊技が可能な持球数に復帰不能としても良い。前述したように、遊技者が予約先遊技機へ移動したり、予約取消操作を行った場合には、予約可能球数の残りを通常の遊技が可能な持球数に復帰させるが、予約延長操作が行われた場合に限り、それ以前に選択された予約可能球数は復帰不能にすれば、予約延長が安易に取り消されるような事態を防ぐことができる。
さらに、前記表示パネル200では、単に予約操作を行うだけでなく、前述した図17(24)等に示したように予約先遊技機における自動発射(自動遊技実行)に関する情報も表示される。これにより、遊技者は予約先遊技機まで移動する前でも、予約元遊技機に居ながらにして、予約先遊技機における自動発射に関する情報を容易に確認することが可能となる。ここで、自動発射に関する情報とは、前述したように例えば自動発射に応じた予約可能球数の減少等が含まれる。
次に、前記実施の形態の変形例を説明する。前述した例では、担保分である予約用遊技価値を使用しながら予約確定状態を継続(自動遊技を実行)し、初期投資分が無くなる前に予約先遊技機に遊技者が移動した場合に、当該時点における予約可能球数の残りの分だけを持球数に返却する。これに対して、変形例では、初期投資分に相当する予約可能時間以内に遊技者が予約先遊技機に移動した場合には、初期投資分を全てそのまま遊技者の持球数に返却するものである。このように、初期投資分の範囲で移動できたら初期投資分を全て返却することにより、予約する遊技者の利益をよりいっそう保護することができる。
一方、遊技者が予約可能時間以内に予約先遊技機へ移動しなかった場合には、予約先遊技機の予約確定状態が解除されると共に、遊技者が所有する遊技価値から予約可能時間に応じて予め定められた予約用遊技価値を減算する。これにより、遊技者が予約先遊技機に移動しなかった場合でも、遊技店側が不利益を被ることがない。
また、この変形例においては、予約元遊技機で予約可能時間分の遊技が可能な遊技価値の2倍以上の遊技価値を所有している場合にのみ、予約操作が可能なようにすると良い。また、予約先遊技機で自動遊技を行う場合には、予約した遊技者の移動が該遊技者を特定する情報の認識に基づき予約先遊技機で確認された時に、予約先遊技機の予約確定状態を解除すると共に、自動遊技の実行を停止することになる。
さらに、別の変形例として、制御手段は、予約先遊技機において、予約した遊技者の移動が該遊技者を特定する情報の認識に基づき確認された場合に、予約先遊技機の予約確定状態を解除し、予約開始から予約解除までに遊技球を発射していたと仮定した遊技球分の遊技価値を遊技者が所有する遊技価値から減算するように構成しても良い。このような変形例において自動遊技を行う場合は、自動発射で使用された遊技球分の遊技価値を遊技者が所有する遊技価値から後からまとめて減算することになる。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば前述した実施の形態では、遊技機を封入式遊技機10として説明したが、遊技球を実際に払い出す通常のパチンコ機であっても良い。この場合には、封入式遊技機のように自動発射(自動遊技)を実行する制御は難しいため、予約可能球数(予約用遊技価値)を使用する形態としては、例えば予約先遊技機での予約確定状態の継続時間に応じて、そのまま回収すること等が考えられる。
また、封入式遊技機10あるいは通常のパチンコ機であるかを問わず、予約確定した場合に、予約先遊技機を一時的に遊技が不能な予約確定状態にするとと共に、予約用遊技価値が減算されていく様子を、前述した持球数表示部202や予約可能球数表示部207等に表示するように構成しても良い。この場合には、自動発射は行わない。ここで封入式遊技機10の場合は、1分間に予め定められた数(例えば100個)の遊技球が発射されるのと同じタイミングで、予約用遊技価値としての遊技球が減っていく様子を表示する。
また、遊技媒体も遊技球に限られることはなく、メダルの投入によって遊技を開始し遊技が終了した時点での入賞に応じてメダルを払い出すスロットマシンにも適用することが可能である。ここでスロットマシンの種類としては、1枚のメダルに1枚分の遊技価値を付与するものとして、メダルを貸出したり払い出す通常のスロットマシンの他、遊技毎・入賞発生毎に遊技者の所有する遊技価値データを加減・減算して、遊技の過程で入賞してもメダルを払い出さないタイプのカード式のスロットマシンでも良い。
さらに、別のタイプのスロットマシンとして、1枚のメダルに複数枚分の遊技価値を付与するものとして、メダルの貸出操作に応じたメダル枚数データを1枚のメダルに記録して貸出し、そのメダルをスロットマシンに投入すると、記録されているメダル枚数データ分がクレジットされて遊技可能となるタイプのスロットマシンでもかまわない。このタイプのスロットマシンには、メダルの払出しの態様に応じて次の3種類がある。
すなわち、遊技で入賞する度にメダル(1枚のメダルに1枚分の遊技価値)を払い出すタイプと、遊技終了操作までに遊技者が獲得したメダル分の価値を記録したメダル(1枚のメダルに複数枚分の価値)を、精算時に払い出すタイプと、遊技終了操作までに遊技者が獲得したメダル分の価値を記録したメダル(1枚のメダルに複数枚分の価値)を、精算時にスロットマシンに並設されたメダル貸出ユニットから払い出すタイプがある。
このような3種類のタイプのスロットマシンでは、何れもメダル内部に記録媒体(ICチップ等)を備え、貸メダル数情報、払出メダル数情報、遊技機(機種)情報、メダル貸出ユニットまたは台番号情報、遊技店情報が記録される。かかるタイプのスロットマシンを採用すれば、前記封入式遊技機の場合と同様に、前記予約処理実行手段により、遊技者の操作に基づくメダルの使用を不許可とするような制御が容易に可能となり、予約確定状態を確実に継続させることができる。しかも、前記自動遊技実行手段により、メダルを自動的に使用するような自動遊技に関する制御も容易に可能となる。
以上のスロットマシンの場合は、一定のタイミングでスタートレバーが操作されると仮定して設定された時間毎に、予約に使用可能な予約用遊技価値としてのメダルが減っていく様子を表示するように構成すると良い。ここで、予約に使用可能なメダル数を減算させるタイミングとしては、予約した遊技者がスタートレバーを操作する間隔に関する時間データを取得し、この時間データに基づき算出した平均時間を使用しても良い。
また、前述の平均時間は、予約した遊技者の遊技開始から所定時間の間に取得した時間データに基づき算出しても良いし、遊技終了まで継続して時間データを取得し、一定時間毎に平均時間を算出し直すようにしても良い。
なお、スロットマシンに関しては、遊技媒体としてメダルの代わりに遊技球を使用するスロットマシン(いわゆるパロット)の封入式タイプに関しても、前述した封入式遊技機10と同様に本願発明を適用することができる。
また、前述した封入式遊技機10における自動発射の場合では、図28中のステップS38以降等において、予約が確定するとホールコンピュータ80を介して予約先遊技機に予約可能球情報と自動発射開始指示が送信され、予約先遊技機は、受信した情報に基づき自動発射を行なうようになっているが、自動発射開始指示に代えて、予約用遊技価値(遊技球、メダル)が前述のように減っていく様子を表示するため、予約可能遊技価値情報(パチンコ機は予約可能球情報、スロットマシンは予約可能メダル情報)と共に予約用遊技価値減算指示を送信するように構成しても良い。
また、前述した実施の形態では、予約操作手段を遊技機10に設けた表示パネル200として表示手段も兼ねるように構成したが、表示パネル200とは別体として設けても良い。例えば遊技機10の別の場所に設けたり、カードユニット20にある暗証番号入力装置23を利用しても良い。ここで予約操作手段は、遊技中の遊技者が操作を行うことができるようにするために、遊技者の手の届く範囲に構成することが好ましい。また、具体的な操作方法の種別は問わず、例えばタッチパネル式でもテンキー等のボタン操作でもかまわない。
また、カードユニット20(端末ユニット)は遊技機10とは別体として設けられているが、カードユニット20の全部または一部を遊技機10に内蔵して、遊技機10とカードユニット20の少なくとも一部とが一体となるように構成しても良い。ここでカードユニット20は、遊技カード等を介して遊技者を特定する情報を入力するものとして、該情報を例えば遊技制御装置140(制御手段)に送信可能となっていれば良く、その具体的な形態は問わない。
さらに、前記実施の形態では、遊技者が所持する「記録媒体」を遊技カードの例で説明したが、遊技カードの代わりに、遊技者が所持する携帯電話機(いわゆるスマートフォンも含む)や携帯型電子情報端末機を利用するように構成してもかまわない。この場合、「端末ユニット」は、前述のカードユニット20に、携帯電話機等から遊技者を特定する情報を入力可能な読み取り部を付加しても良く、あるいは携帯電話機等に対応した新たな端末ユニットを構成するようにしても良い。
また、前述した実施の形態では、稼働状態判定手段や予約処理実行手段等の各種手段含む制御手段を、前記遊技機10の遊技制御装置140や前記ホールコンピュータ80に分散するように構成したが、何れか一方にまとめて設定しても良く、あるいは他の装置にも設けるようにしても良い。
なお、前記表示パネル200にある持球数表示部202は、場合により貯球数の表示部として使用されても良い。このように前記実施の形態では、表示パネル200に貯球数を表示する専用の表示部を設けていないが、貯球数を表示する専用の表示部を別途設けるようにしても良い。