JP5980447B1 - 吸収性物品用シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
そのため、近年では、肌と接触する面に、複数列の畝状の凸部と、隣接する凸部の間の空間に設けられた溝状の凹部とが設けられたシートが用いられることが多くなっているが、このようなシートは、比較的柔軟な凸部が肌に接触し、またその凸部が肌にフィットし易いため、柔軟性を感じ易い。
ここで、連続シートを一対の賦形ロールの間に通した場合、連続シートはこれらの一対の賦形ロールの凹凸部によって多方向に延伸されながら賦形されることから、連続シートのシート面に皺が寄ったりあるいは弛みが生じたりすることが多い。そのため、賦形により形成された吸収性物品用のシートは、シート面に皺が寄ったり弛みが生じたりした状態のまま搬送されて、さらなる加工に供されたりあるいはそのまま吸収性物品の製造に用いられる可能性があった。
しかしながら、吸収性物品用のシートのシート面に生じた皺や弛みは、凸部や凹部を変形させてシートの柔軟性を阻害する要因となるため、シート本来の柔軟な肌触りが損なわれる上、肌にフィットしづらくなるという問題を生じさせる。
そのため、吸収性物品用のシートを製造するに際しては、一対の賦形ロールによる連続シートの賦形時に形成される皺や弛みを可及的に除去し、シートの凸部や凹部の形状を安定的に維持させることが肝要である。
(1)搬送方向に連続する連続シートを、外周面に凹凸部を有し且つ相互に噛み合う一対の賦形ロールの間を通過させることにより、第1面と前記第1面とは反対側の第2面との少なくとも第1面に凸部及び凹部とが形成された吸収性物品用シートを製造する方法であって、前記一対の賦形ロールの下流に、前記凹凸部における前記一対の賦形ロールのロール幅方向の長さよりも大きなロール幅を有する、前記吸収性物品用シートを搬送する搬送ロールを設け、前記搬送ロールの周速を前記一対の賦形ロールの周速よりも大きくすることにより、前記吸収性物品用シートを、前記搬送ロールによって前記一対の賦形ロールの間から引き出す、吸収性物品用シートの製造方法。
(3)前記搬送ロールは、前記吸収性物品用シートの搬送方向を、前記搬送ロールの周方向に沿うように転向させながら前記吸収性物品用シートを搬送する、前記(2)に記載の吸収性物品用シートの製造方法。
(6)前記一対の賦形ロールの上流において、前記連続シートの両面に予熱を加えると共に、前記一対の賦形ロールによって、前記予熱よりも高い温度で前記連続シートを加熱する、前記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の吸収性物品用シートの製造方法。
(8)前記搬送ロールにおける前記吸収性物品用シートとの最初の接触位置と、前記一対の賦形ロールにおける前記連続シートの賦形位置との間の距離は、前記吸収性物品用シートの幅方向長さ以上であって、且つ前記連続シートを一対の賦形ロールによって賦形した後の前記吸収性物品用シートが、前記予熱及び前記一対の賦形ロールにより加熱した熱が完全に失われない範囲の大きさとする、前記(6)に記載の吸収性物品用シートの製造方法。
図1、図5〜図8は本発明の吸収性物品用シートの製造方法の一実施形態を実施するための製造装置の一例を示すものである。
この製造装置1は、搬送方向に連続し且つ予め定めた幅を有する連続シート2がロール状に巻かれ、その連続シート2を搬送方向MDに向けて巻き出す巻出装置3と、巻出装置3によって巻き出された連続シート2に予熱を与える予熱装置4とを備えている。また、予熱を与えた連続シート2を延伸して、第1面5a及びこの第1面5aとは反対側の第2面5bに凸部及び凹部を形成して吸収性物品用シート5とする賦形装置6とを有している。さらに、賦形装置6における搬送方向MDの下流に、この賦形装置6により賦形された吸収性物品用シート5を下流に向けて搬送する搬送ロール7を備えている。
なお、この実施形態の製造装置1においては、賦形装置6において、吸収性物品用シート5の凸部が下方側に形成されるため、図1、図7、図8においては、連続シート2の下面が第1面2a、上面が第2面2bとなっており、また、吸収性物品用シート5の下面が第1面5a、上面が第2面5bとなっている。
この実施形態においては、巻出装置3により巻き出される連続シート2として、熱可塑性樹脂繊維を含んだ不織布を採用している。
また、連続シートの坪量は、形成される吸収性物品用シートの用途等によって異なるが、通常は10〜100g/m2である。さらに、連続シートの厚みについても、形成される吸収性物品用シートの用途等によって異なるが、通常は0.1〜5mmである。
この吸収性物品用シート5は、使い捨ておむつや生理用ナプキン、尿取りパット、パンティーライナー等の吸収性物品のトップシートや防漏壁、即ち、吸収性物品の使用者の肌と接する側に配設されるシートとして好適に用いられる。あるいは、使い捨ておむつ等のバックシートの外方側の面に貼り付けられるシートとしても用いられる。
具体的に、図2〜4に示すように、吸収性物品用シート5は、第1面5a側に凸となるように突出した、搬送方向MDに連続的に相互に平行に延びる複数の凸部11と、これらの複数の凸部11の間に設けられた、第2面5b側に凸となるように第2面5b側に窪んだ複数の凹部12とを備えている。さらに、凹部12内に設けられ、この凹部12の底部12aよりもさらに第2面5b側に窪み、且つ第2面5b側に突出するように形成された複数の窪み部13を有している。
そして、搬送されてきた連続シート2を、回転している下方の加熱ロール22に巻き付けて、その連続シート2の第2面2bを当接させ、その第2面2b側を加熱した後、回転している上方の加熱ロール21に受け渡すようになっている。さらに、その上方の加熱ロール21には、受け渡された連続シート2の第1面2aを当接させて、その第1面2aを加熱することができるようになっている。
これにより、予熱装置4は、連続シート2の第1面2a及び第2面2bの両面に対して予熱を加えることが可能となっている。
ここで、上方に位置する第1賦形ロール25は、下方に位置する第2賦形ロール26の直上に位置していて、第1賦形ロール25の軸線は第2賦形ロール26の軸線の鉛直上方に位置し、且つこれらの賦形ロール25,26の軸線は相互に平行となっている。したがって、連続シート2は、第1賦形ロール25における最も下方に位置する部分と第2賦形ロール26において最も上方に位置する部分との間を賦形位置として賦形が行われ、凸部11及び凹部12、窪み部13の最終的な形状が確定することとなる。
なお、この第1賦形ロール25の突稜27の高さや幅、隣接する他の突稜27との間隔(即ち凹溝28の溝幅)については、賦形により形成する吸収性物品用シート5における凸部11の高さや幅、凹部12の深さや幅、さらには第2賦形ロール26の後述するピン29の大きさや高さ、間隔、賦形する連続シート2の材質や厚さ、坪量等の関係によって決定される。
図5〜図7に示すように、複数のピン29は、ロール幅方向に対しては、第1賦形ロール25の突稜27と接触しないように一定の間隔で配設されていると共に、ロールの周方向に対しては、第2賦形ロール26の外周面に沿って一定の間隔でほぼ直線的に配設されている。なお、隣接するピン29,29の間の空間部分が凹部30となっている。
なお、各ピン29は、平面視において略中央に位置する頂部31aが平面視略矩形状に形成され、この頂部31aにおける第2賦形ロール26の周方向側に位置する平面視略三角形状の傾斜部31b,31bが、第2賦形ロール26の外周面(ピン29の基部側の面)側に向けて傾斜するように形成された平面視略六角形状の先端面31を有した構成となっている。また、ピン29の高さや太さについては、賦形により形成する吸収性物品用シート5における凹部12の深さや幅、窪み部13の平面視の大きさや深さ、第1賦形ロール25の突稜27の高さや幅、隣接する他の突稜27との間隔、さらに賦形する連続シート2の材質や厚さ、坪量等の関係によって決定される。
この実施形態の搬送ロール7は、図8に示すように、連続シート2の幅方向長さよりも大きいロール幅を有していて、賦形装置6による賦形によって形成された吸収性物品用シート5の幅方向長さに比べて、十分大きなロール幅が確保できるようになっている。
また、この実施形態においては、搬送ロール7の最も上方に位置する部分は、一対の賦形ロール25,26の間から吸収性物品用シート5が出てくる位置の高さとほぼ同じ高さとなっている。これにより、一対の賦形ロール25,26の間から出た吸収性物品用シート5は、搬送ロール7に向けて略水平に搬送されるようになっている。したがって、搬送ロール7は、最も上方に位置する部分(搬送ロール7の軸線の鉛直上方に位置する部分)が吸収性物品用シート5に最初に接触することとなる。
したがって、吸収性物品用シート5は、第1面5aが搬送ロール7の外周面に当接した状態でその搬送ロール7の外周面に沿ってガイドされ、下方に転向しながら搬送されることとなる。
この実施形態における吸収性物品用シートの製造方法を実施するに際しては、巻出装置3から巻き出された連続シート2に対して予熱を加える予熱工程と、予熱工程を経た連続シート2を延伸して賦形加工する賦形工程と、賦形工程により形成された吸収性物品用シート5を賦形装置6から引き出して搬送する引出工程とを順次行う。
予熱温度は、連続シートを構成する熱可塑性樹脂繊維の種類にもよるが、例えばポリエチレンテレフタラート(PET)と高密度ポリエチレン(HDPE)との芯鞘型の複合繊維の場合、加熱ロールの外周面の温度が50〜80℃程度とすることが好ましく、より好ましくは60〜70℃程度とすることである。
このとき、第1賦形ロール25は、突稜27が連続シート2の第2面2bに接触し、その接触している連続シート2の部分を第2賦形ロール26の凹部30内に押し込み、これにより吸収性物品用シート5の凸部11が賦形される。
その際、連続シート2のうち、ピン29と非接触状態で第1賦形ロール25の凹溝28内に引っ張られた部分、即ち、連続シート2において、ピン29が接触した部分と、そのピン29と第2賦形ロールの周方向において隣接する他のピン29が接触した部分とによって引っ張られて、第1賦形ロール25の凹溝28内に押し込まれることにより賦形された部分は、吸収性物品用シート5の凹部12となる。
このとき、連続シート2において、第2賦形ロール26のピン29の先端面31の幅方向(ロール幅方向)の両端部に接触していた部分は、第1賦形ロール25の突稜27が連続シート2を第2賦形ロール26の方向に押し込む際に発生する張力も手伝って、ピン29が窪み部13の第1周面15aを形成する熱可塑性樹脂繊維を掻き分けたり、あるいは、熱可塑性樹脂繊維を破断して、破断端部17aを有する破断繊維17を形成したりする。
この結果、窪み部13には、図4に示すような、一部の熱可塑性樹脂繊維が、孔部16の内部空間16aに架け渡された状態で残り、また、一部の破断繊維17の破断端部17aは内部空間16a内に延出した態様の孔部16が形成されることとなる。したがって、孔部16は、内部空間16a内の熱可塑性樹脂繊維や破断繊維17の存在によって、触れた者が孔部16に起因する違和感を感じることが抑止される。
このとき、賦形ロールでの連続シートの加熱温度については、予熱工程において連続シートに加えた予熱よりも高いことが好ましく、例えばポリエチレンテレフタラート(PET)と高密度ポリエチレン(HDPE)との芯鞘型の複合繊維の場合、加熱工程において60〜70℃程度の温度(加熱ロールの外周面の温度)を予熱として加えた場合、90〜100℃程度の温度(第1賦形ロール25の外周面の温度)で加熱することができる。
連続シート2における一対の賦形ロール25,26を通過させる前の搬送速度は、賦形する吸収性物品用シート5の凸部11の高さや凹部12の深さにもよるが、後で詳述する引出工程での搬送ロール7の周速、即ち一対の賦形ロール25,26の下流における吸収性物品用シート5の搬送速度とほぼ同じか1%程度高速又は低速であることが好ましい。
この引出工程は、搬送ロール7の周速を、賦形装置6における一対の賦形ロール25,26の周速よりも大きくすることにより、吸収性物品用シート5を搬送ロール7によって一対の賦形ロール25,26の間から引き出す。
その際、搬送ロール7については、その周速が一対の賦形ロール25,26の周速よりも大きいため、一対の賦形ロール25,26の間を通過した吸収性物品用シート5に、搬送方向MD向きの張力を作用させる。
即ち、連続シートが賦形工程において一対の賦形ロールの間を通過して賦形される際には、連続シートは一対の賦形ロールの凹凸部によって主に厚さ方向に延伸されるが、延伸の際には連続シートの搬送方向や幅方向等色々な方向に多様な力が作用する。そのとき、一対の賦形ロールの凹凸部の噛み合わせ状況に応じて、連続シートの第1面や第2面には皺が寄ったり、弛みが生じたりするため、このような皺や弛みが存在する状態で吸収性物品用シートとしての賦形、形成が完了し、一対の賦形ロールの間から出てくることが多い。
このような皺や弛みは、吸収性物品用シートの凸部や凹部の変形を妨げて、この吸収性物品用シートの柔軟性を阻害する可能性があるため、皺や弛みを有する吸収性物品用シートをそのまま吸収性物品のトップシート等に使用した場合には、吸収性物品用シート本来の柔軟性が損なわれると共に、肌にフィットしづらくなり使用感が低下する。
そして、図8に示すように、吸収性物品用シートは、一対の賦形ロールによる賦形によって幅方向の内側(中心軸線側の方向)に縮んだ状態であっても、吸収性物品用シートの全幅にわたって作用している搬送方向MD向きの張力F1に伴って、その吸収性物品用シートの幅方向の外側に向けて次第に広がる方向の力F2を発生させることができる。
これにより、吸収性物品用シートは、その吸収性物品用シートの幅方向の外側に向けて次第に広がる方向の力F2によって、搬送ロールに近づくにつれて(搬送が進むにつれて)幅方向の外側に向けて次第に広がっていく。この結果、一対の賦形ロールの賦形によって幅方向の内側に縮んだことに伴って形成された皺や弛みが伸び、最終的にはほとんど消滅させることが可能となる。また、皺や弛みを消滅させることにより、凸部や凹部、さらにこの実施形態の場合は窪み部の形状を、安定的に所望の形状に形成することができる。
搬送ロールの周速が一対の賦形ロールの周速の1%未満の大きさであると、吸収性物品用シートに生じている皺や弛みの除去自体は可能であるものの、吸収性物品用シートに対する搬送方向への張力が抑えられて、皺や弛みの除去をより安定的に行うことができない可能性がある。逆に、搬送ロールの周速が一対の賦形ロールの周速の15%を超えると、吸収性物品用シートに対する搬送方向への張力が大きすぎ、場合によっては吸収性物品用シートが破壊する可能性がある。
これにより、一対の賦形ロールによる連続シートに対する賦形をより安定的に行うことができ、且つ、賦形後の吸収性物品用シートについても、皺や弛みを除去して凸部や凹部、さらには窪み部の形状を所望の形状を維持しながら一対の賦形ロールの間から安定的に取り出して搬送することができ、安定的な賦形と賦形した形状の安定的な維持とを両立することが可能となる。
このように、搬送ロール7を、吸収性物品用シート5の第1面5aのみに接触させることにより、吸収性物品用シート5の凸部11や凹部12、さらには窪み部13による凹凸形状を潰すことなく搬送することができる。
その上、吸収性物品用シート5の搬送方向を、搬送ロール7の周方向に沿うように転向させることにより、凸部11や凹部12、窪み部13の形状をはっきりさせて、安定化させることができる。特に、この実施形態の場合は、吸収性物品用シート5の下方への転向時に第1面5aが搬送ロール7の外周面に押し付けられるため、搬送ロール7に接触せず且つ搬送ロール7の外方側に位置する凹部12及び窪み部13が、搬送ロール7の外方に押し出される状態となる。したがって、これらの凹部12及び窪み部13の形状が一層はっきりとなり、形状がより安定化するため、結果として、凸部11を含めた吸収性物品用シート5全体としての形状が安定化することとなる。
このように、搬送ロールと一対の賦形ロールとの間の距離を一定以上の大きさとしたのは、一対の賦形ロールと搬送ロールとの間において、賦形後の吸収性物品用シートに生じている皺や弛みを確実に除去するためである。
しかしながら、図8に示すように、本発明の製造方法においては、一対の賦形ロールの賦形位置と、搬送ロールにおける最初に吸収性物品用シートと接触する位置(この実施形態の場合は、搬送ロールの最も上方に位置する部分)との間では、張力の作用により、搬送ロールに近づくにつれて、吸収性物品用シートは徐々に皺や弛みが伸ばされてこの吸収性物品用シート本来の幅に近づいていく傾向にある。
そのため、この実施形態においては、搬送ロール2における吸収性物品用シート5との最初の接触位置と、一対の賦形ロール25,26における連続シート2の賦形位置との間の距離を、吸収性物品用シート5の幅方向長さ以上の大きさとしている。これにより、吸収性物品用シート5が本来の幅にまでより安定的に広げることができる距離を十分に確保できるようにしている。
なお、この実施形態においては、搬送ロールにおける吸収性物品用シートとの最初の接触位置と、一対の賦形ロールにおける連続シートの賦形位置との間の距離が、吸収性物品用シートの幅方向長さに満たない場合には、吸収性物品用シートの皺や弛みの大きさや深さ、長さ、あるいは発生する張力の大きさ等によっては、これらの皺や弛みを伸ばしきることができずに完全に除去できない可能性が考えられる。
この実施形態における前記距離は、連続シート2を一対の賦形ロール25,26によって賦形した後の吸収性物品用シート5について、予熱工程における予熱及び賦形工程における一対の賦形ロールによる加熱によって連続シート2に加えられた熱が完全に失われない範囲の大きさを上限としている。
このように、吸収性物品用シート5が、加熱によって加えられた熱を完全には失っていない段階で皺や弛みを伸ばすことができるようにすることにより、吸収性物品用シート5を構成する繊維(特に、熱可塑性樹脂繊維)が、常温に比べて変形しやすい可能性があるため皺や弛みをより伸ばし易く、これらの皺や弛みを除去し易くなる。
これにより、搬送ロール7によって吸収性物品用シート5の全幅にわたって、吸収性物品用シート5に搬送方向MD向きの張力を作用させて、吸収性物品用シート5を幅方向に広げる方向の力を発生させることができる。
この結果、一対の賦形ロール25,26による賦形時に吸収性物品用シート5に発生した不要な皺や弛みを除去することができる上、賦形された凸部11や凹部12、さらには窪み部13を所望の形状に安定的に形成することができ、且つそれらの形状を安定的に維持することが可能となる。
あるいは、吸収性物品用シートの凸部や凹部の形状を損なわない、あるいは形状を回復させることが可能であれば、搬送ロールは、例えば、吸収性物品用シートの第1面及び第2面に接触する一対のニップロールのようなものであってもよい。
あるいは、搬送ロールは、吸収性物品用シートを必ずしも転向させる必要はなく、一対の賦形ロールの間から出てきた吸収性物品用シートを直線的に搬送してもよい。
しかしながら、連続シートについては、一対の賦形ロールによる賦形を確実に行うことができれば、必ずしも予熱を加える必要はなく、また、一対の賦形ロールにおいても必ずしも加熱する必要はない。あるいは、連続シートに対しては、予熱のみを加えて一対の賦形ロールでの加熱を行わないようにしてもよく、逆に予熱を加えず、一対の賦形ロールでの加熱のみを行うようにしてもよい。
また、連続シートについて、予熱を加え、且つ一対の賦形ロールでの加熱も行う場合には、必ずしも一対の賦形ロールでの加熱温度を予熱温度よりも高くする必要はなく、予熱温度と、一対の賦形ロールでの加熱温度はそれぞれ任意に決定することができる。
しかしながら、吸一対の賦形ロールによる賦形によって形成される収性物品用シートとしては、第1面と前記第1面とは反対側の第2面との少なくとも第1面に凸部及び凹部が形成されていれば任意の構成とすることができ、前記実施の形態のような窪み部を備えている必要はない。また、吸収性物品用シートとしては、前記吸収性物品用シートの第1面にのみ凸部及び凹部が形成され、第2面については凸部及び凹部が存在せず平坦な面となっている構成であってもよい。
4 予熱装置
5 吸収性物品用シート
5a 吸収性物品用シートの第1面
5b 吸収性物品用シート5の第2面
6 賦形装置
7 搬送ロール
11 凸部
12 凹部
13 窪み部
21,22 加熱ロール
25 第1賦形ロール
26 第2賦形ロール
27 突稜
28 凹溝
29 ピン
30 凹部(第2賦形ロール)
Claims (7)
- 搬送方向に連続する不織布である連続シートを、外周面に凹凸部を有し且つ相互に噛み合う一対の賦形ロールの間を通過させることにより、第1面と前記第1面とは反対側の第2面との少なくとも第1面に凸部及び凹部が形成された吸収性物品用シートを製造する方法であって、
前記一対の賦形ロールの下流に、前記凹凸部における前記一対の賦形ロールのロール幅方向の長さよりも大きなロール幅を有する、前記吸収性物品用シートを搬送する搬送ロールを設け、前記搬送ロールの周速を前記一対の賦形ロールの周速よりも大きくすることにより、前記吸収性物品用シートを、前記搬送ロールによって、前記吸収性物品用シートが前記搬送ロールに近づくにつれて幅方向に広がるように前記一対の賦形ロールの間から引き出し、
前記一対の賦形ロールの上流において、前記連続シートの両面に予熱を加えると共に、前記一対の賦形ロールによって、前記予熱よりも高い温度で前記連続シートを加熱する、吸収性物品用シートの製造方法。 - 前記搬送ロールは、前記吸収性物品用シートの前記第1面又は前記第2面のいずれか一方の面のみに接触しながら前記吸収性物品用シートを搬送する、請求項1に記載の吸収性物品用シートの製造方法。
- 前記搬送ロールは、前記吸収性物品用シートの搬送方向を、前記搬送ロールの周方向に沿うように転向させながら前記吸収性物品用シートを搬送する、請求項2に記載の吸収性物品用シートの製造方法。
- 前記搬送ロールの周速を、前記一対の賦形ロールの周速よりも1〜15%大きくする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品用シートの製造方法。
- 前記一対の賦形ロールの上流における前記連続シートの搬送速度は、前記一対の賦形ロールの周速よりも大きく、前記一対の賦形ロールの下流における前記吸収性物品用シートの搬送速度は、前記一対の賦形ロールの上流における前記連続シートの搬送速度の0.99〜1.01倍とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収性物品用シートの製造方法。
- 前記搬送ロールにおける前記吸収性物品用シートとの最初の接触位置と、前記一対の賦形ロールにおける前記連続シートの賦形位置との間の距離は、前記吸収性物品用シートの幅方向長さ以上の大きさとする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品用シートの製造方法。
- 前記搬送ロールにおける前記吸収性物品用シートとの最初の接触位置と、前記一対の賦形ロールにおける前記連続シートの賦形位置との間の距離は、前記吸収性物品用シートの幅方向長さ以上であって、且つ前記連続シートを一対の賦形ロールによって賦形した後の前記吸収性物品用シートが、前記予熱及び前記一対の賦形ロールにより加熱した熱が完全に失われない範囲の大きさとする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品用シートの製造方法。
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