JP5979107B2 - 車両用パーキングロック装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用パーキングロック装置、特にパーキングギヤにパーキングポールを噛み込ませて車両を駐車状態に固定する車両用パーキングロック装置に関する。
車両用の動力伝達装置の回転要素にパーキングギヤを装着し、その動力伝達装置のケース側に揺動可能に支持されるパーキングポールをパーキングギヤに噛み込ませることで、車両を駐車状態に固定できるようにした車両用パーキングロック装置が知られている。
例えば、パーキングレンジ(以下、Pレンジという)の選択時に、テーパ面を有するカム部材をパーキングポールの回動端側に接触させつつ移動させることにより、そのテーパ面でパーキングポールをパーキングギヤ側に回動させて、パーキングポールをパーキングギヤに噛み込ませるものがある(例えば、特許文献1参照)。この従来の車両用パーキングロック装置では、シフトレバー操作に応じて、カム部材がパーキングポールの回動する面に対し垂直な方向に移動するようになっている。
特開2007−205578号公報
しかしながら、上述のような従来の車両用パーキングロック装置では、カム部材がパーキングポールの回動端側に係合しつつその回動方向と直交する方向に移動することで、パーキングポールがロック側に回動したりロック解除側に復帰したりするため、パーキングポールがカム部材からの押圧方向に傾きながらパーキングギヤに接触する。そのため、パーキングポールがパーキングギヤへの噛合いを開始するとき、パーキングポールの噛合い部がその歯幅(歯車の軸方向に測った歯の長さ)方向の一端側でパーキングギヤに角当たり接触し、その歯幅方向一端側の接触部位における接触面圧が大きくなることで、パーキングポールやパーキングギヤの歯部に欠けが生じることが懸念される。
また、車両用パーキング機構では、車両走行中に誤操作でPレンジが選択された場合に車両急停止を防止するため、車両が極低車速となるまでパーキングポールをパーキングギヤで弾き続ける機能(ラチェット機構の回転許容時にラチェットホイールの各歯がポールを弾いてその歯を乗り越えさせるような機能、以下、ラチェット機能という)が要求される場合が多い。その場合、パーキングギヤの歯数を低減させてパーキングポールをパーキングギヤに深く噛み込ませないようにして、パーキングポールとパーキングギヤの接触面圧を抑える必要がある。
しかし、パーキングギヤの歯数を低減させると、坂道での車両の最大移動量(ロールアウェイ)が増大してしまうため、ロールアウェイを抑えることが要求される場合には、歯数を十分に低減させることができず、パーキングポールがパーキングギヤに深く噛み込み易くなってしまう。そのため、ロールアウェイを小さく抑えることが要求される場合に、パーキングポールとパーキングギヤの歯幅方向一端側の接触部位における接触面圧が大きくなって、その接触部位に欠けが発生することが懸念される。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、パーキングギヤの歯部に対するパーキングポールの噛込み歯部の噛込み開始時等に先に接触する歯幅方向一端側の接触部位における接触面圧を低減させ、歯部の欠けを防止することができる車両用パーキングロック装置を提供することを目的とする。
本発明に係る車両用パーキングロック装置は、上記目的を達成するために、複数の歯部を有し、車両用の動力伝達装置に設けられる回転要素に装着されるパーキングギヤと、前記パーキングギヤの前記複数の歯部の間に噛込み可能な噛込み歯部を有し、前記動力伝達装置のケース側の部材に前記回転要素の軸線と直交する揺動方向に揺動可能に支持されるパーキングポールと、前記パーキングポールに係合するよう前記動力伝達装置のケース側の部材に前記回転要素の軸線方向に移動可能に支持され、該移動により前記パーキングポールを前記揺動方向に揺動させるカム部材と、を備える車両用パーキングロック装置であって、前記パーキングポールの前記噛込み歯部と前記パーキングギヤの前記複数の歯部とのうち少なくとも一方の歯部は、前記パーキングポールの前記噛合い歯部が前記パーキングギヤの前記複数の歯部の間に噛み込むときに先に接触する歯幅方向一端側の接触部位に、噛合接触領域の刃先面と歯幅方向一端面とに対して傾斜する逃げ面部を有するものである。
この構成により、パーキングギヤの歯部にパーキングポールの噛込み歯部が噛込みを開始するときに先に接触する歯幅方向一端側の接触部位が、パーキングポールの噛込み歯部とパーキングギヤの歯部とのうち少なくとも一方に設けられた逃げ面部によって、接触開始時における接触面圧を低減させることになる。したがって、パーキングギヤの歯部に対するパーキングポールの噛込み歯部の噛込み開始時やラチェット機能発揮時に、それらの歯幅方向一端側の接触部位における接触面圧を低減させ、歯部の欠けを防止することができる車両用パーキングロック装置となる。
なお、前記逃げ面部は、パーキングポールがカム部材からの押圧方向に傾きつつパーキングギヤに接触することで前記歯幅方向一端側の接触部位が特定される場合には、パーキングポールの噛込み歯部のうち、カム部材と当接する端面とは反対側となる歯幅方向一端側に設けられる。これにより、カム部材に押圧されてパーキングポールが傾いた状態でパーキングギヤに噛み合う際にも、接触面圧を低減させることができる。
また、パーキングギヤを転造等で成形するためにパーキングギヤの複数の歯部の刃先面が軸線(回転中心軸線)に対して傾斜し、それによって、パーキングポールの噛合い歯部がパーキングギヤの歯部の間に噛み込むときに先に接触する歯幅方向一端側の接触部位が特定される場合には、その接触部位が生じる歯幅方向一端側に逃げ面部が形成される。
前記逃げ面部は、板金製のパーキングポールをプレスにより打ち抜き加工する場合には、そのパーキングポールの抜き表側に生じる変形、いわゆる「ダレ」を利用して形成することもできる。
また、パーキングギヤの複数の歯部に逃げ面部を設ける場合、複数の歯部の刃先面を前記歯幅方向一端側で小径に、前記歯幅方向の中央側で大径になるようにその刃先面を湾曲させることができる。
本発明によれば、パーキングギヤの歯部に対するパーキングポールの噛込み歯部の噛込み開始時等に、先に接触する歯幅方向一端側の接触部位における接触面圧を低減させ、歯部の欠けを防止することができる車両用パーキングロック装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る車両用パーキングロック装置における要部を拡大して示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用パーキングロック装置における要部付近の一部破砕側面図である。 図2のIII−III矢視断面図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用パーキングロック装置におけるパーキングキヤとパーキングポールの歯部におけるラチェット機能の説明図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用パーキングロック装置におけるパーキングポールの噛込み歯部とパーキングキヤの複数の歯部との接触部位を示す部分拡大面図である。 本発明の第2ないし第4実施形態に係る車両用パーキングロック装置におけるそれぞれのパーキングポールの噛込み歯部とパーキングキヤの複数の歯部との接触部位を示す部分拡大面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
図1ないし図5に、本発明の第1実施形態に係る車両用パーキングロック装置の構成を示している。本実施形態のパーキングロック装置は、複数の変速モードに切換えられる車両用の動力伝達装置内に設けられており、図2および図3にそのパーキングロック装置の近傍部分のみを示している。
図2および図3に一部のみ示す動力伝達装置1は、詳細に図示しないが、そのケース2内に、遊星歯車機構を含む変速機構と、左右駆動軸の差動出力が可能なディファレンシャル機構とを収納し、さらに遊星歯車機構の入力要素を駆動するモータ型駆動手段を装着したハイブリッド型のトランスアクスルとして構成されている。
この動力伝達装置1には、さらに運転者によってシフト操作されるシフトレバーと、そのシフト操作位置である選択レンジを検出するレンジ検出センサと、そのレンジ検出センサの検出情報に基づいて動力伝達装置1の作動を電子制御するECU(電子制御ユニット)とが装備されており、複数の走行レンジ(複数の前進レンジ(例えば、D、L、2)、後進レンジ(例えば、R))、ニュートラルレンジ(例えば、N)およびパーキングレンジ(例えば、P)のうち任意のレンジを、シフトレバーの操作によって選択できるようになっている。
前記遊星歯車機構は、複数のギヤを一体化した出力側のカウンタードライブギヤGと図2に示すようなパーキングロックギヤ3とを一体に有している。なお、このような動力伝達装置の全体の概略構成については、公知のものと同様に構成し得る。
図2および図3に示すように、動力伝達装置1には、シフトレバーの操作によってパーキングレンジ(P)が選択されたときに、パーキングロックギヤ3をパーキングポール4により機械的にロックして車両を駐車状態に固定するパーキングロック機構5が付設されている。このパーキングロック機構5は、シフトレバーの操作によってパーキングレンジ(P)以外のレンジが選択されたときには、パーキングポール4によるパーキングロックギヤ3のロックを解除するようになっている。
パーキングロック機構5は、パーキングポール4に加え、シフトバイワイヤモータ(以下、SBWモータという)11、ディテントプレート12、連結ロッド13、ガイド部材14、カム部材15、プレート復帰ばね16、圧縮コイルばね17、ポール復帰ばね18、ストッパプレート19等を含んで構成されている。
図1、図2および図4に示すように、パーキングポール4は、長手方向の中間部付近にパーキングロックギヤ3に係合および離脱可能な噛込み歯部4aを有している。また、パーキングポール4は、ケース2(ケース側の部材)に回動可能に連結された基端部4bと、噛込み歯部4aをパーキングロックギヤ3に対して接近および離隔させる方向に回動操作可能な操作端部4cとを有している。
すなわち、パーキングポール4は、基端部4bにおいて、動力伝達装置1のカウンタードライブギヤG等の回転要素の回転中心軸線である軸線C1と直交する揺動方向に揺動可能に支持されている。そして、パーキングポール4の噛込み歯部4aは、パーキングギヤ3の複数の歯部3tの間に噛込み可能な噛込み歯部を構成している。
図2に示すように、SBWモータ11は、その出力軸11aを所定角度範囲内で回動させる公知のモータであり、取付ブラケットを介してケース2に支持されている。
ディテントプレート12は、SBWモータ11の出力軸11aに回転方向一体に結合されるシャフト部12aを有しており、SBWモータ11によってその回動位置を可変操作される。このディテントプレート12は、そのシャフト部12aをケース2に回動可能に支持されており、予め設定された回転角度範囲内での回動位置を変化させることができる可動部材となっている。
連結ロッド13は、基端側でディテントプレート12に回動可能(全体としては揺動可能に)に支持されるともに、先端側でカム部材15を軸方向に変位可能に支持している。また、図3に示すように、連結ロッド13は、圧縮コイルばね17の一端に係合するばね受け部13bを有している。
ガイド部材14は、カム部材15が軸方向一方側(後退側)の可動領域内にあるとき、カム部材15をその軸方向に変位可能に案内する一方、カム部材15が軸方向他方側(前進側)の可動領域内にあるとき、カム部材15をその軸方向に対し傾斜する方向に変位可能に案内するガイド面14aを有している。このガイド面14aは、図3中の右側の端部近傍で図3中の右斜め上方に傾斜し、その前後で同図中の左右方向に延びる段付形状をなしている。なお、ガイド部材14は、図3中では2つのガイド部品14b、14cから構成されているが、これらを一体に形成できることはいうまでもない。
カム部材15は、全体として連結ロッド13が挿通可能な筒状をなしており、その軸方向中央部に円錐台状のカム部15aを有している。また、図1に示すように、カム部15aの両側には大径円筒部15bと小径円筒部15cとが形成されており、カム面を形成するカム部材15の外周面が段付き形状をなしている。
このカム部材15は、連結ロッド13に摺動可能に支持されることで、パーキングポール4に係合するよう動力伝達装置1のケース2に対して概ねカウンタードライブギヤG等の回転要素の軸線方向(図3の左右方向)に移動可能に支持され、その移動によってパーキングポール4を図2中の時計方向および反時計方向に揺動させるようになっている。
プレート復帰ばね16は、ケース2とディテントプレート12の間に介装された捩りばねであり、SBWモータ11からの操作トルクが低下したときにディテントプレート12を初期位置側に復帰させることができるようになっている。
圧縮コイルばね17は、カム部材15のカム部15aをパーキングポール4の操作端部4cに係合させるように、カム部材15を常時ストッパプレート19側に付勢している。
ポール復帰ばね18は、ケース2とパーキングポール4の間に介在する捩りコイルばねであり、噛込み歯部4aの近傍でパーキングポール4をパーキングロックギヤ3から離脱する方向に常時付勢している。そして、このポール復帰ばね18からの復帰方向のばね力を受けるパーキングポール4は、操作端部4cがカム部材15に当接する可動領域内の任意の位置に停止し、あるいは、操作端部4cがガイド部材14の上部ストッパ面14sに突き当たる復帰位置に停止する。
ストッパプレート19は、ケース2にボルト締結されており、ガイド部材14と共に、復帰ばね18からの復帰方向の付勢力を受けるパーキングポール4を所定の復帰位置に停止させるストッパを構成している。すなわち、パーキングポール4の操作端部4cが復帰ばね18からの付勢力によってガイド部材14に接近したとき、パーキングポール4の操作端部4cの復帰方向(図2中で時計方向)およびケース2側からの離脱方向(図3中の右方向)への移動を規制できるようになっている。また、ストッパプレート19は、ポール復帰ばね18のコイル部分を一定姿勢に保持する機能を併有している。
より具体的には、カム部材15は、ディテントプレート12が図3中の反時計方向に回動するとき、連結ロッド13を介して図3中の右方側に駆動される。そして、カム部材15がガイド面14aに沿って図3中の右斜め上側(軸方向一方側および径方向)に前進するとき、パーキングロックギヤ3がその他端側でパーキングロックギヤ3に接近するように駆動されるようになっている。また、カム部材15がガイド面14aに沿って図3中の左斜め下側(軸方向他方側および径方向)に後退するとき、パーキングポール4の噛込み歯部4aがパーキングロックギヤ3の複数の歯部3tから離脱し、さらに離隔するようになっている。
また、ディテントプレート12には、パーキングレンジ(P)に対応する凹部12bと、それに隣り合うレンジ、例えばニュートラルレンジ(N)に対応する凹部12cとを含む複数の凹部が形成されている。そして、ディテントプレート12は、回動変位方向の特定位置、少なくともパーキングレンジ(P)に対応する回動位置と、それに隣り合うニュートラルレンジ(N)に対応する回動位置とで、それぞれその特定位置からの回動変位を、ディテントスプリング21によって抑制されるようになっている。
さらに、パーキングロック機構5においては、カウンタードライブギヤG等の回転要素の回転が停止しない状態(車両の駐車前の状態)でパーキングレンジ(P)を選択する誤操作がなされる等したとき、パーキングロックギヤ3の複数の歯部3tによってパーキングポール4の噛込み歯部4aが弾き返され、カム部材15を介して圧縮コイルばね17を縮ませるようになっている。これにより、パーキングロック機構5は、車両が極低車速となるまでパーキングポール4をパーキングギヤ3で弾き続け、前述のラチェット機能を発揮できるようになっている。
一方、本実施形態におけるパーキングポール4の噛込み歯部4aとパーキングロックギヤ3の複数の歯部3tとのうち少なくとも一方の歯部、例えばパーキングポール4の噛込み歯部4aは、図1に示すように、その歯幅方向一端側の接触部位Eに面取り状の逃げ面部31を有している。
ここにいう歯幅方向一端側とは、パーキングポール4の噛込み歯部4aがパーキングロックギヤ3の複数の歯部3tの間に噛み込むときに、これらの形状や支持構造上、先に接触することになる歯幅方向一端側を意味している。本実施形態では、パーキングポール4がカム部材15からの押圧方向に傾きながらパーキングギヤ3に接触することで、前記歯幅方向一端側の接触部位が特定される。よって、本実施形態における歯幅方向一端側は、パーキングポール4の噛込み歯部4aのうち、パーキングポール4がカム部材15と当接する端面(歯幅方向他端面)側とは反対側となる。
パーキングポール4の噛込み歯部4aは、歯幅方向一端側であっても、逃げ面部31以外の部分では、歯幅方向における噛合接触領域(噛合い時に歯面同士がトルク伝達可能に接触する歯幅方向の一定領域)の側方で噛込み歯部4aの刃先面4a1と歯幅方向一端面4a2とが略直交するように交差していてもよい。しかし、歯幅方向一端側の特定の接触部位Eでは、逃げ面部31が、噛込み歯部4aの歯幅方向における噛合接触領域の刃先面4a1と歯幅方向一端面4a2のそれぞれに対して傾斜する面取り状の逃げ面形状を有している。
図5に示すように、逃げ面部31は、例えばパーキングポール4の噛込み歯部4aの歯形曲線に対応して湾曲しつつ歯幅方向一端面4a2に対して略一定の傾斜角度θ1をなすように面取り加工されたものであるが、連続面である必要はなく、複数の平坦な逃げ面31aを有していてもよい。
また、逃げ面部31は、少なくとも、パーキングポール4の噛込み歯部4aとパーキングロックギヤ3の複数の歯部3tのうちいずれか1つの歯部3tとが噛合いを開始するときの接触点の近傍であって、パーキングロックギヤ3の複数の歯部3tとの接触頻度や接触圧力が高くなる歯幅方向一端側の特定の接触部位Eに形成されている。
ここで、接触圧力が高いとは、パーキングポール4の噛込み歯部4aがパーキングロックギヤ3の複数の歯部3tの間に噛み込むように噛合いを開始してからその噛込みが完了するまでの間に接触圧が所定圧(例えば、耐久性を考慮した許容圧力に近い圧力)より高くなることをいう。
また、接触頻度が高いとは、カウンタードライブギヤGの回転速度が十分に低下しない状態でパーキングポジション(P)を選択する誤操作がされた場合に、噛込み歯部4aが図4に示すような接触開始半径付近でパーキングロックギヤ3の複数の歯部3tに弾き返されるラチェット機能が発揮され、特定の接触部位Eにおける接触頻度が所定頻度より高くなることを意味する。
噛合接触領域の刃先面4a1に対する逃げ面部31の傾斜角度は、カム部材15の前進動作によってパーキングポール4がパーキングロックギヤ3の複数の歯部3tに接近するときに、パーキングポール4の刃先面4a1がケース2側の支持軸2aの中心軸線C2に対して傾斜する角度(基端部4bの軸線の傾斜角度θ2程度)を考慮して設定される。
また、パーキングロックギヤ3の複数の歯部3tの刃先面3t1が前記歯幅方向一端側で軸線C1に対して傾斜する場合には、その傾斜方向および傾斜角度を考慮して、逃げ面部31の傾斜角度が調整される。
すなわち、軸線C1に対する複数の歯部3tの刃先面3t1の傾斜方向が支持軸2aの中心軸線C2に対するパーキングポール4の刃先面4a1の傾斜方向と同じ方向であれば、それらの傾斜角度の差分に応じて、逃げ面部31の傾斜角度は小さくするのがよい。
反対に、軸線C1に対する複数の歯部3tの刃先面3t1の傾斜方向が支持軸2aの中心軸線C2に対するパーキングポール4の刃先面4a1の傾斜方向とは逆の方向であれば、それらの傾斜角度の差分に応じて、逃げ面部31の傾斜角度を大きくするのがよい。
次に、作用について説明する。
上述のように、本実施形態においては、パーキングポール4の噛込み歯部4aのうち、少なくともパーキングポール4の噛込み歯部4aとパーキングロックギヤ3の複数の歯部3tとが噛合いを開始するときに先に接触する歯幅方向一端側の接触部位であって、パーキングロックギヤ3の複数の歯部3tとの接触頻度や接触圧力が高い歯幅方向一端側の接触部位に、逃げ面部31が設けられる。
したがって、カム部材15に押圧されてパーキングポール4が傾いた状態でパーキングギヤ3に噛み合う際等に、歯部3tと噛込み歯部4aの間の接触面圧を低減させることができる。
すなわち、パーキングポール4の噛込み歯部4aとパーキングロックギヤ3の複数の歯部3tとの接触開始時やラチェット機能発揮時に、接触面圧や接触頻度が高くなる歯幅方向一端側の特定の接触部位Eにおいて、逃げ面部31の存在により、接触面圧を低減させることができ、歯部3tや噛込み歯部4aにおける欠けの発生を抑制できる。
このように、本実施形態では、パーキングギヤ3の複数の歯部3tにパーキングポール4の噛込み歯部4aが噛込みを開始するときに先に接触する歯幅方向一端側の接触部位Eが、パーキングポール4の噛込み歯部4aとパーキングギヤ3の歯部3tとのうち少なくとも一方に設けられた面取り状の逃げ面部31によって、接触開始時における接触面圧を低減させることになる。したがって、パーキングギヤ3の複数の歯部3tに対するパーキングポール4の噛込み歯部4aの噛込み開始時やラチェット機能発揮時に、それらの歯幅方向一端側の接触部位Eにおける接触面圧を低減させ、歯部3tや噛込み歯部4aの欠けを防止することができる。
(第2ないし第4実施形態)
図6(a)ないし図6(c)は、第2ないし第4実施形態に係る車両用パーキングロック装置を示している。
上述の第1実施形態では、パーキングギヤ3の複数の歯部3tは、その刃先面3t1が軸線C1に対して傾斜しないかその傾斜角度が非常に小さいものとして、パーキングポール4がカム部材15により軸方向に押圧されながらパーキングギヤ3に接近するときに生じるパーキングポール4の傾斜角度によって、先に接触する歯幅方向一端側が特定されるものとした。
しかし、図6(a)に示す第2実施形態のように、パーキングロックギヤ3の複数の歯部3tの刃先面3t1が歯幅方向一端側で軸線C1に対して大きく傾斜する場合、すなわち、前述の傾斜角度θ1、θ2より十分に大きい角度だけ傾斜する場合には、その傾斜方向によって先に接触する歯幅方向一端側が特定され得る。
例えば、パーキングギヤ3を転造等で成形するためにパーキングギヤ3の複数の歯部3tの刃先面3t1が回転中心側の軸線C1に対して傾斜し、それによって、パーキングポール4の噛合い歯部4aがパーキングギヤ3の複数の歯部3tの間に噛み込むときに先に接触する歯幅方向一端側の接触部位Eが特定される場合には、その接触部位が生じる歯幅方向一端側に逃げ面部31が形成される。
図6(a)に示すように、この場合、複数の歯部3tの刃先面3t1の傾斜方向および傾斜角度θ3と、パーキングポール4の刃先面4a1の傾斜方向および傾斜角度を考慮して、逃げ面部31の形成位置やその傾斜角度が調整される。すなわち、軸線C1に対する複数の歯部3tの刃先面3t1の傾斜方向がパーキングポール4の刃先面4a1の傾斜方向と同じ方向であれば、それらの傾斜角度の差分に応じて、逃げ面部31の傾斜角度が小さく設定される。反対に、軸線C1に対する複数の歯部3tの刃先面3t1の傾斜方向がパーキングポール4の刃先面4a1の傾斜方向とは逆の方向であれば、それらの傾斜角度の差分に応じて、逃げ面部31の傾斜角度を大きく設定することになる。
また、上述の第1実施形態では、逃げ面部31は、面取り加工されたものとしたが、図5に示すように断面上の輪郭線が直線でなく、曲線であってもよい。
したがって、例えばパーキングポール4を板金製とし、プレスによる打ち抜き加工で作製する場合には、図6(b)に示す第3実施形態のように、パーキングポール4の打抜き時にパーキングポール4の片面(いわゆる抜き表側の面)に生じるダレを、逃げ面部31として利用することができる。
勿論、有効な逃げ面部31となるようそのダレの程度を通常より大きくしつつ、刃先面4a1中に十分な剪(せん)断面領域幅を確保するように、打抜き加工用の金型クリアランスを大きくしたり、板金素材を選択したりすることができる。
さらに、図6(c)に示す第4実施形態のように、パーキングギヤ3の複数の歯部3tの刃先面3t1の断面を歯幅方向一端側よりも歯幅方向の中央側で大径になるように太鼓形に湾曲させることで、パーキングギヤ3の複数の歯部3tの歯幅方向一端側に、第1実施形態の逃げ面部31に代わる逃げ面部41を設けて、パーキングポール4側の逃げ面部31を無くしてもよい。すなわち、複数の歯部3tの刃先面3t1を、少なくとも歯幅方向一端側で小径に、その歯幅方向の中央側で大径になるように湾曲させる。これにより、パーキングギヤ3の複数の歯部3tに逃げ面部41を設けることができる。なお、歯部3tの歯幅方向の他端側は、歯幅方向の中央側と同等の径でも歯幅方向一端側程度に小径にすることもできる。
勿論、パーキングポールの噛合い歯部とパーキングギヤの複数の歯部とにそれぞれ逃げ面部を設けることもでき、上述の各実施形態の特徴を組み合わせて逃げ面部31や逃げ面部41等の傾斜角度を抑えつつ有効な逃げを形成することもできる。
パーキングギヤ3やパーキングポール4の実装形態や形状が前述の各実施形態のようなものに限定されないことはいうまでもない。
以上説明したように、本発明は、パーキングギヤに対するパーキングポールの噛込み開始時や両歯部におけるラチェット機能発揮時に、それらの歯幅方向一端側の接触部位における接触面圧を低減させ、歯部の欠けを防止することができる。このような本発明は、パーキングギヤにパーキングポールを噛み込ませて車両を駐車状態に固定する車両用パーキングロック装置全般に有用である。
1…動力伝達装置、2…ケース、2a…支持軸、3…パーキングギヤ、3t…複数の歯部、3t1…刃先面、4…パーキングポール、4a…噛込み歯部(一方の歯部)、4a1…刃先面(噛合接触領域の刃先面)、4a2…歯幅方向一端面、4b…基端部、4c…操作端部、5…パーキングロック機構、11…SBWモータ(シフトバイワイヤモータ)、11a…出力軸、12…ディテントプレート、13…連結ロッド、14…ガイド部材、15…カム部材、19…ストッパプレート、21…ディテントスプリング、31…逃げ面部、41…逃げ面部、C1…軸線(回転要素の回転中心軸線)、C2…中心軸線(支持軸の中心軸線)、E…接触部位(歯幅方向一端側の接触部位)、θ1…傾斜角度(逃げ面部の傾斜角度)、θ2…傾斜角度(基端部の軸線の傾斜角度)、θ3…傾斜角度(パーキングギヤの刃先面の傾斜角度)

Claims (1)

  1. 複数の歯部を有し、車両用の動力伝達装置に設けられる回転要素に装着されるパーキングギヤと、
    前記パーキングギヤの前記複数の歯部の間に噛込み可能な噛込み歯部を有し、前記動力伝達装置のケース側の部材に前記回転要素の軸線と直交する揺動方向に揺動可能に支持されるパーキングポールと、
    前記パーキングポールに係合するよう前記動力伝達装置のケース側の部材に前記回転要素の軸線方向に移動可能に支持され、該移動により前記パーキングポールを前記揺動方向に揺動させるカム部材と、を備える車両用パーキングロック装置であって、
    前記パーキングポールの前記噛込み歯部は、前記パーキングギヤの前記複数の歯部の間に噛み込むときに先に接触する歯幅方向一端側の接触部位に、噛合接触領域の刃先面と歯幅方向一端面とに対して傾斜する逃げ面部を有することを特徴とする車両用パーキングロック装置。
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