JP2010520426A - 同軸ギア装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、入力素子7、素子3及び出力素子を有する出力の大きな産業用の駆動機構のための管状ギア装置としての同軸ギア装置であって、入力素子7と前記出力素子の間のギア比の設定並びにトルクの伝達は径方向に可動な歯部5を介して行なわれ、歯部5の外郭6のフランク11.1、11.2及び/又は内歯車1の内歯15の歯13のフランク12.1、12.2は、駆動軸Mに関して、噛合域において面接触を可能とするように、対数螺旋により得られる外郭を備えることを特徴としている。

Description

本発明は、径方向に可動な多数の歯部を介して入力素子と出力素子間のギア比の設定並びに駆動トルクの伝達が行われる駆動素子、出力素子などを有する高い出力の産業用の駆動機構用の管状ギア装置などの同軸ギア装置に関する。
様々な形状及び形式のギア装置が知られており入手できる。実際には、同軸ギア装置では、ギア比が設定されてトルクが伝達されるように、外郭を備えた入力素子により歯部が内歯車の内歯内へと動かされる。
このような同軸ギア装置では、歯部のフランクが内歯車の内歯に線状に接触するように、歯部のフランクと内歯車の歯とが対称となるように設定していた。
この場合、線状の接触のみで力及びトルクの伝達が行なわれることに問題がある。
歯部のフランクと内歯車の内歯の外郭の間の転がりによる線状の接触では、特に大きな力が加わると高負荷(押圧)が生じ磨耗が大きくなる。
本発明の目的は、上記問題点を解決し、内歯車の内歯に対して歯部を径方向に動かすことにより大きなトルクを伝達し、磨耗を減らすことができる同軸ギア装置を生出することにある。
上記課題を解決するために、同軸ギア装置の軸を起点とした対数螺旋に基づいて歯部の外部フランク及び/又は内歯車の内歯のフランクを形成し、面接触を可能とする。本発明では、歯部の外郭、特にそのフランクの形状を対数螺旋とすることが有利であることが判明した。対数螺旋は、原点からの半直線により同一の角度αで切断される下記の式で定められる曲線である。
r=exp(aα)
ここで a=1/tanα
正にこの曲線が歯の外郭、特に内歯車の内歯の外郭の曲線として選ばれる。
この場合、歯部のフランクと内歯車の歯との噛合域において、歯部のフランクと内歯車の歯のフランクが完全に面接触する。
完全な面接触をする対数螺旋の形状により、歯部が内歯車の内歯内へと径方向に動くと最適な負荷分布(圧力分布)が得られるので、極めて僅かな一様の磨耗で最適な大きなトルクの伝達が可能となる。
これによって、同軸ギア装置の耐用年数が増すと同時に、極めて大きなトルクの伝達ができるようになる。半径r及びギア装置の大きさには依存しない面接触が保証されるようになる。
この場合、対数螺旋の角度αとして、5°〜85°好ましくは15°〜45°が選択されると、内歯並びに歯部のフランクの形状が決まる。
半径rには依存しない、所定の対数螺旋の選択することにより、同一の歯部が使用できる同軸ギア装置が生成される。異なった大きさの同軸ギア装置に同一の歯部が使用できることは、大きな利点である。
内歯車の内歯の底部の曲率を歯部の頂部の曲率に適合させることにより、歯部が抵抗無く押戻され、内歯車の内歯の底部の磨耗が低減される。これにより、歯部の前後の動きを円滑に切換えることができる。
管状ギア装置の模式断面図 歯部のフランクの外郭又は内歯車の内歯の外郭を示す模式平面図 内歯車の内歯並びに歯部の外郭部間の部分拡大摸式図
以下、本発明の利点、特徴及び詳細について、図面を用いて説明する。
図1に示すように、本発明による同軸ギア装置Rは、内歯2を内面に有する内歯車1が備えている。内歯車1の内部には、歯部5が挿入された多数の案内部4を備えた出力素子として形成された素子3が円環状に挿入されている。歯部5は、案内部4内に径方向に可動に装着され、その一端に歯部外郭6又はフランクを備えている。
歯部5を伴った素子3内部には、軸又は管状軸として形成された外周に、例えば多数の丘部、多角形又はカムとして形成された外郭9を有する押圧部8を備えた入力素子7が配置されている。
入力素子7の押圧部8の外郭9と出力素子などの素子3又は歯部5の一端との間に(図1には示さていない)軸受を備えてもよい。軸受としては、入力素子7の押圧部8の外郭9を取り巻く、ローラ軸受、平軸受などでよい。
上記の同軸ギア装置の作用については、独国特許出願102006042786号明細書に記載されている。
本発明は、上記の独国出願を発展させたものである。
図2には、同軸ギア装置Rの駆動軸Mを起点とする対数螺旋Lnが模式的に示されている。対数螺旋Lnの傾斜角αは任意に選択できる。
本発明では、歯部5の外部フランク11.1、11.2並びに内歯15の内部フランク12.1、12.2(図3参照)が所定の傾斜角αの対数螺旋Lnの線の沿っていることが特徴である。2つのフランク11.1、11.2並びに12.1、12.2は中心軸Aに対して対称である。
同軸ギア装置Rの駆動軸Mから半径rの大きさと関係なく、駆動軸Mからの半直線はフランク11.1、11.2又は12.1、12.2を同一角度αで切断している。角度αは自由に選択でき、これによって対数螺旋Lnの関数が定義される。
フランク11.1又は11.2を有する歯部5が内歯15のフランク12.1又は12.2に対して対数螺旋Lnに沿って変化する場合には、フランク部は常に同一の傾斜角αに対応している。そのため、歯部は常に最適に接触する。フランク部における僅かな曲率の変化により、歯部5のフランクが内歯15に対して僅かの力により柔軟に調整される。従って、歯部が完全に噛合う領域では面接触であると言われる。
歯部5と内歯車1の内歯15の間は直線状の転がりではなく、面状の変位により、磨耗が少なく極めて大きなトルクの伝達が可能となる。
更に、2つの隣接する歯13の間の管状軸式ギア装置の内歯15の底部14域に、歯13又は内歯15のフランク12.1、12.2に適合する面取り部16が形成されていることが本発明の特徴である。
該面取り部の曲率は歯部5の頂部の17の曲率よりも小さい。歯部5の頂部17の曲率も歯部外郭6のフランク11.1、11.2に適合している。これにより歯部5の前後の動きが円滑に伝達される。
しかし、本発明においては、特に内歯車1の歯13にできるだけ大きな力及びトルクを伝達するために、内歯15のフランク12.1、12.2と歯部5のフランク11.1、11.2とが内歯の面取り部16の近傍まで常に接触するようにすることが重要である。
更に、歯部5は前後に円滑に可動なので、フランク11.1、11.2又は12.1、12.2のこのような形状により、歯部5は強制的に戻されることはなく、自然に押し戻される。
1 内歯車
2 歯
3 素子
4 案内部
5 歯部
6 歯の外郭
7 入力素子
8 押圧部材
9 外郭
11 (歯部5の)フランク
12 (歯13の)フランク
13 歯
14 (内歯15の)底部
15 内歯
16 (内歯15の)面取り部
17 (歯部5の)頂部
A 中心軸
Ln 対数螺旋
Ln′ Aに対するLnの鏡像
M 駆動軸
R 同軸ギア装置
r 半径
α 角度
ψ ねじれ角

Claims (11)

  1. 入力素子(7)、素子(3)及び出力素子を有する出力の大きな産業用の駆動機構のための管状ギア装置としての同軸ギア装置であって、
    入力素子(7)と前記出力素子の間のギア比の設定並びにトルクの伝達は径方向に可動な歯部(5)を介して行なわれ、
    歯部(5)の外郭(6)のフランク(11.1、11.2)及び/又は内歯車(1)の内歯(15)の歯(13)のフランク(12.1、12.2)は、駆動軸(M)に関して、噛合域において面接触を可能とするように、対数螺旋により得られる外郭を備えることを特徴とする同軸ギア装置。
  2. 歯部(5)の外郭のフランク(11.1、11.2)及び内歯車(1)の内歯(15)の歯(13)は、駆動軸(M)からの距離(r)には依存せず、選択した傾斜角(α)により定められる対数螺旋(Ln)に相当することを特徴とする請求項1に記載の同軸ギア装置。
  3. 互いに接触する歯部(5)の外郭(6)及び内歯(15)の歯(13)は常に同一の傾斜角(α)を有する対数螺旋(Ln)に沿って変位するので、歯部(5)が前後に動く場合に、外郭(6)は歯(13)から離間せず均一の負荷分布となることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の同軸ギア装置。
  4. 傾斜角(α)は5°〜85°、特に15°〜45°の範囲で選択できることを特徴とする請求項1に記載の同軸ギア装置。
  5. 歯部(5)又は内歯車(1)の内歯(15)のフランク(11.1又は12.1)は、隣接するフランク(11.2又は12.2)と中心軸(A)に対して対称に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の同軸ギア装置。
  6. 歯部(5)は頂部(17)を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の同軸ギア装置。
  7. 歯部(5)の頂部(17)は、外郭(6)に接してそのフランク(11.1、11.2)へ移行していることを特徴とする請求項6に記載の同軸ギア装置。
  8. 内歯車(1)の内歯(15)の両側のフランク(12.1、12.2)の間の底部(14)に、歯部(5)の頂部(17)の曲率よりも小さな曲率の面取り部(16)が備えられていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の同軸ギア装置。
  9. 歯部(5)の頂部(17)と接する内歯(15)の面取り部(16)により、歯部(5)が前後に抵抗無く動き且つ内歯(15)内から自動的に押戻されることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の同軸ギア装置。
  10. 歯部(5)の外郭(6)が内歯車(1)の内歯(15)の底部(14)又はフランク(12.1、12.2)と噛合う際には、歯部(5)のフランク(11.1、11.2)は、選択した対数螺旋(Ln)に応じて内歯(15)のフランク(12.1、12.2)に適合されて歯部(5)のフランク(11.1、11.2)と内歯車(1)の歯(13)のフランク(12.1、12.2)が面接触することを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の同軸ギア装置。
  11. 歯部(5)のフランク(11)及び/又は歯部(5)の傾斜に対応している内歯(15)のフランクは、負荷が掛かると訂正され、対数螺旋から簡単にずれること特徴とする請求項2ないし請求項10のいずれか1項に記載の同軸ギア装置。
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