JP5978919B2 - 液晶装置、及び電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶装置、及び電子機器に関する。
上記液晶装置の一つとして、例えば、画素電極をスイッチング制御する素子としてトランジスターを画素ごとに備えたアクティブ駆動方式の液晶装置が知られている。液晶装置は、例えば、直視型ディスプレイやプロジェクターのライトバルブなどにおいて用いられている。
このような液晶装置において、液晶注入時に混入したり、液晶層を取り囲んでいるシール材や封止材から溶出したりしたイオン性不純物が、液晶装置の駆動や熱拡散により、表示領域に拡散及び凝集することにより、液晶装置の表示特性が劣化する恐れがあることが知られている。
そこで、例えば、特許文献1に記載のように、表示領域の周囲に周辺電極を設け、隣接する周辺電極間の電位を変化させることにより、液晶分子が揺らぎ、不純物を表示領域の外側に掃き寄せる技術が開示されている。
特開2008−58497号公報
しかしながら、特許文献1に記載の駆動方法では、表示領域にある不純物を表示領域の外側に掃き出すことができるものの、掃き寄せた不純物が循環して再度、表示領域に戻ってしまう恐れがあるという課題がある。
本発明の態様は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る液晶装置は、第1基板と、前記第1基板に対向配置された第2基板と、前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせるシール材と、前記第1基板と前記第2基板とにより挟持された液晶層と、を含み、前記第1基板は、表示領域に設けられた画素電極と、平面視で前記表示領域と前記シール材との間に設けられた第1周辺電極と、平面視で前記第1周辺電極と前記シール材との間に設けられた第2周辺電極と、を含み、前記第2基板は、前記画素電極、前記第1周辺電極、及び前記第2周辺電極と対向するように設けられた対向電極を含み、前記対向電極に定電位を印加し、前記第1周辺電極に交流電位を印加し、前記第2周辺電極に前記対向電極と異なる定電位を印加することを特徴とする。
本適用例によれば、表示領域からシール材に向かって、交流電位が印加される第1周辺電極と、定電位が印加される第2周辺電極とが順に設けられている。よって、第1周辺電極に交流電位を印加することにより、表示領域の不純物(イオン性不純物)を所望の方向に移動させることが可能となり、移動した不純物を、定電位が印加された第2周辺電極で捕獲(トラップ)することができる。これにより、表示領域から周辺領域に不純物を掃き寄せるので、表示領域において焼き付きの少ない表示を得ることができる。
[適用例2]本適用例に係る液晶装置は、第1基板と、前記第1基板に対向配置された第2基板と、前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせるシール材と、前記第1基板と前記第2基板とにより挟持された液晶層と、を含み、前記第1基板は、表示領域に設けられた画素電極と、平面視で前記表示領域と前記シール材との間に設けられた第1周辺電極と、平面視で前記第1周辺電極と前記シール材との間に設けられた第2周辺電極と、を含み、前記第2基板は、前記画素電極、前記第1周辺電極、及び前記第2周辺電極と対向するように設けられた対向電極を含み、前記第1周辺電極は、前記対向電極との電位差が所定の周期で変わり、前記第2周辺電極には、前記対向電極に印加される電位と異なる電位で、前記対向電極との電位差が略同一の電位が印加されることを特徴とする。
本適用例によれば、表示領域からシール材に向かって、交流電位が印加される第1周辺電極と、定電位が印加される第2周辺電極とが順に設けられている。対向電極との電位差が所定の周期で変わる電位を第1周辺電極に印加することにより、表示領域の不純物(イオン性不純物)を所望の方向に移動させることが可能となり、移動した不純物を、対向電極の電位と異なり電位差が略同一の電位が印加される第2周辺電極で捕獲(トラップ)することができる。これにより、表示領域から周辺領域に不純物を掃き寄せるので、表示領域において焼き付きの少ない表示を得ることができる。加えて、コモン振り駆動に適用することができる。
[適用例3]上記適用例に係る液晶装置において、前記第2周辺電極は、前記対向電極に対して高電位が印加される第2高電位周辺電極と、前記対向電極に対して低電位が印加される第2低電位周辺電極と、を有することが好ましい。
本適用例によれば、第2高電位周辺電極及び第2低電位周辺電極が設けられているので、表示領域から第2周辺電極の近傍に移動してきた正極性に帯電した不純物を第2低電位周辺電極で捕獲し、負極性に帯電した不純物を第2高電位周辺電極で捕獲することができるため、正極性に帯電した不純物と負極性に帯電した不純物の両方を第2周辺電極で収集することができる。
[適用例4]上記適用例に係る液晶装置において、前記第1周辺電極は、前記第2高電位周辺電極と前記第2低電位周辺電極との間、及び、前記第2高電位周辺電極及び前記第2低電位周辺電極のいずれか一方と前記表示領域との間、に配置されていることが好ましい。
本適用例によれば、2つの第2周辺電極の隣りに第1周辺電極がそれぞれ設けられているので、第1周辺電極によって移動した不純物の移動速度が、第2周辺電極を通過する際に低下したとしても、その隣りの第1周辺電極によって再度、不純物を移動させることが可能となる。よって、正極性に帯電した不純物を第2低電位周辺電極で捕獲することができる。また、負極性に帯電した不純物を第2高電位周辺電極で捕獲することができる。
[適用例5]上記適用例に係る液晶装置において、前記第2周辺電極と前記対向電極との電位差の絶対値は、前記第1周辺電極と前記対向電極との電位差の絶対値より小さいことが好ましい。
本適用例によれば、一方向に電界を液晶に与え続けると、同程度の絶対値の交流電界を液晶に与えるよりも、液晶に対して加わるストレスが大きいが、第2周辺電極と対向電極との電位差は第1周辺電極と対向電極との電位差の絶対値より小さいため、液晶にかかるストレスを小さくすることができ、液晶の寿命を長くすることができる。
[適用例6]本適用例に係る電子機器は、上記に記載の液晶装置を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、上記した液晶装置を備えているので、表示特性を向上させることが可能な電子機器を提供することができる。
第1実施形態の液晶装置の構成を示す模式平面図。 図1に示す液晶装置のH−H’線に沿う模式断面図。 液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図。 液晶装置の構造を示す模式断面図。 液晶装置のうち主に周辺電極の構成を示す模式図であり、(a)は模式平面図、(b)は(a)に示す液晶装置のA−A’線に沿う模式断面図。 液晶装置全体の電気的な構成を示す回路図。 液晶装置を備えた投射型表示装置の構成を示す概略図。 第2実施形態の液晶装置の構造を示す模式図であり、(a)は液晶装置のうち主に周辺電極の構成を示す模式平面図、(b)は(a)に示す液晶装置のA−A’線に沿う模式断面図。 液晶装置全体の電気的な構成を示す回路図。 第3実施形態の液晶装置の構造を示す模式図であり、(a)は液晶装置のうち主に周辺電極の構成を示す模式平面図、(b)は(a)に示す液晶装置のA−A’線に沿う模式断面図。 液晶装置全体の電気的な構成を示す回路図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
なお、以下の形態において、例えば「基板上に」と記載された場合、基板の上に接するように配置される場合、または基板の上に他の構成物を介して配置される場合、または基板の上に一部が接するように配置され、一部が他の構成物を介して配置される場合を表すものとする。
本実施形態では、液晶装置として、薄膜トランジスター(TFT:Thin Film Transistor)を画素のスイッチング素子として備えたアクティブマトリックス型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、例えば、投射型表示装置(液晶プロジェクター)の光変調素子(液晶ライトバルブ)として好適に用いることができるものである。
(第1実施形態)
<液晶装置の構成>
図1は、液晶装置の構成を示す模式平面図である。図2は、図1に示す液晶装置のH−H’線に沿う模式断面図である。図3は、液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図である。以下、液晶装置の構成を、図1〜図3を参照しながら説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態の液晶装置100は、対向配置された素子基板10(第1基板)および対向基板20(第2基板)と、これら一対の基板によって挟持された液晶層15とを有する。素子基板10を構成する第1基材10a、および対向基板20を構成する第2基材20aは、例えば、ガラス基板、石英基板などの透明基板が用いられている。
素子基板10は対向基板20よりも大きく、両基板は、対向基板20の外周に沿って配置されたシール材14を介して接合されている。平面視で環状に設けられたシール材14の内側で、素子基板10は対向基板20の間に正または負の誘電異方性を有する液晶が封入されて液晶層15を構成している。シール材14は、例えば熱硬化性又は紫外線硬化性のエポキシ樹脂などの接着剤が採用されている。シール材14には、一対の基板の間隔を一定に保持するためのスペーサー(図示省略)が混入されている。
シール材14の内縁より内側には、複数の画素Pが配列した表示領域Eが設けられている。表示領域Eは、表示に寄与する複数の画素Pに加えて、複数の画素Pを囲むように配置されたダミー画素を含むとしてもよい。また、図1及び図2では図示を省略したが、表示領域Eにおいて複数の画素Pをそれぞれ平面的に区分する遮光膜(ブラックマトリックス;BM)が対向基板20に設けられている。
素子基板10の1辺部に沿ったシール材14と該1辺部との間に、データ線駆動回路22が設けられている。また、該1辺部に対向する他の1辺部に沿ったシール材14と表示領域Eとの間に、検査回路25が設けられている。さらに、該1辺部と直交し互いに対向する他の2辺部に沿ったシール材14と表示領域Eとの間に走査線駆動回路24が設けられている。該1辺部と対向する他の1辺部に沿ったシール材14と検査回路25との間には、2つの走査線駆動回路24を繋ぐ複数の配線29が設けられている。
対向基板20における環状に配置されたシール材14と表示領域Eとの間には、遮光膜18(見切り部)が設けられている。遮光膜18は、例えば、遮光性の金属あるいは金属酸化物などからなり、遮光膜18の内側が複数の画素Pを有する表示領域Eとなっている。なお、図1では図示を省略したが、表示領域Eにおいても複数の画素Pを平面的に区分する遮光膜が設けられている。
これらデータ線駆動回路22、走査線駆動回路24に繋がる配線は、該1辺部に沿って配列した複数の外部接続用端子61に接続されている。以降、該1辺部に沿った方向をX方向とし、該1辺部と直交し互いに対向する他の2辺部に沿った方向をY方向として説明する。
図2に示すように、第1基材10aの液晶層15側の表面には、画素Pごとに設けられた透光性の画素電極27およびスイッチング素子である薄膜トランジスター(TFT:Thin Film Transistor、以降、「TFT30」と呼称する)と、信号配線と、これらを覆う配向膜28とが形成されている。
また、TFT30における半導体層に光が入射してスイッチング動作が不安定になることを防ぐ遮光構造が採用されている。本発明における素子基板10は、少なくとも画素電極27、TFT30、信号配線、配向膜28を含むものである。
対向基板20の液晶層15側の表面には、遮光膜18と、これを覆うように成膜された平坦化層33と、平坦化層33を覆うように設けられた対向電極31と、対向電極31を覆う配向膜32とが設けられている。本発明における対向基板20は、少なくとも遮光膜18、対向電極31、配向膜32を含むものである。
遮光膜18は、図1に示すように、表示領域Eを取り囲むと共に、平面的に走査線駆動回路24、検査回路25と重なる位置に設けられている(図示簡略)。これにより対向基板20側からこれらの駆動回路を含む周辺回路に入射する光を遮蔽して、周辺回路が光によって誤動作することを防止する役目を果たしている。また、不必要な迷光が表示領域Eに入射しないように遮蔽して、表示領域Eの表示における高いコントラストを確保している。
平坦化層33は、例えば酸化シリコンなどの無機材料からなり、光透過性を有して遮光膜18を覆うように設けられている。このような平坦化層33の形成方法としては、例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて成膜する方法が挙げられる。
対向電極31は、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電膜からなり、平坦化層33を覆うと共に、図1に示すように対向基板20の四隅に設けられた上下導通部26により素子基板10側の配線に電気的に接続している。
画素電極27を覆う配向膜28および対向電極31を覆う配向膜32は、液晶装置100の光学設計に基づいて選定される。例えば、気相成長法を用いてSiOx(酸化シリコン)などの無機材料を成膜して、負の誘電異方性を有する液晶分子に対して略垂直配向させた無機配向膜が挙げられる。
このような液晶装置100は、例えば透過型であって、画素Pが非駆動時に明表示となるノーマリーホワイトモードや、非駆動時に暗表示となるノーマリーブラックモードの光学設計が採用される。光の入射側と射出側とにそれぞれ偏光素子が光学設計に応じて配置されて用いられる。本実施形態ではノーマリーブラックモードが採用されている。
図3に示すように、液晶装置100は、少なくとも表示領域Eにおいて互いに絶縁されて直交する複数の走査線3aおよび複数のデータ線6aと、容量線3bとを有する。走査線3aが延在する方向がX方向であり、データ線6aが延在する方向がY方向である。
走査線3aとデータ線6aならびに容量線3bと、これらの信号線類により区分された領域に、画素電極27と、TFT30と、容量素子16とが設けられ、これらが画素Pの画素回路を構成している。
走査線3aはTFT30のゲートに電気的に接続され、データ線6aはTFT30のデータ線側ソースドレイン領域(ソース領域)に電気的に接続されている。画素電極27は、TFT30の画素電極側ソースドレイン領域(ドレイン領域)に電気的に接続されている。
データ線6aは、データ線駆動回路22(図1参照)に接続されており、データ線駆動回路22から供給される画像信号D1,D2,…,Dnを画素Pに供給する。走査線3aは、走査線駆動回路24(図1参照)に接続されており、走査線駆動回路24から供給される走査信号SC1,SC2,…,SCmを各画素Pに供給する。
データ線駆動回路22からデータ線6aに供給される画像信号D1〜Dnは、この順に線順次で供給してもよく、互いに隣り合う複数のデータ線6a同士に対してグループごとに供給してもよい。走査線駆動回路24は、走査線3aに対して、走査信号SC1〜SCmを所定のタイミングで供給する。
液晶装置100は、スイッチング素子であるTFT30が走査信号SC1〜SCmの入力により一定期間だけオン状態とされることで、データ線6aから供給される画像信号D1〜Dnが所定のタイミングで画素電極27に書き込まれる構成となっている。そして、画素電極27を介して液晶層15に書き込まれた所定レベルの画像信号D1〜Dnは、画素電極27と液晶層15を介して対向配置された対向電極31との間で一定期間保持される。
保持された画像信号D1〜Dnがリークするのを防止するため、画素電極27と対向電極31との間に形成される液晶容量と並列に容量素子16が接続されている。容量素子16は、TFT30の画素電極側ソースドレイン領域と容量線3bとの間に設けられている。容量素子16は、2つの容量電極の間に誘電体層を有するものである。
図4は、液晶装置の構造を示す模式断面図である。以下、液晶装置の構造を、図4を参照しながら説明する。なお、図4は、各構成要素の断面的な位置関係を示すものであり、明示可能な尺度で表されている。
図4に示すように、液晶装置100は、一対の基板のうち一方の基板である素子基板10と、これに対向配置される他方の基板である対向基板20とを備えている。素子基板10を構成する第1基材10a、及び対向基板20を構成する第2基材20aは、上記したように、例えば、石英基板等によって構成されている。
第1基材10a上には、チタン(Ti)やクロム(Cr)等からなる下側遮光膜3cが形成されている。下側遮光膜3cは、平面的に格子状にパターニングされており、各画素の開口領域を規定している。なお、下側遮光膜3cは、走査線3aの一部として機能するようにしてもよい。第1基材10a及び下側遮光膜3c上には、シリコン酸化膜等からなる下地絶縁層11aが形成されている。
下地絶縁層11a上には、TFT30及び走査線3a等が形成されている。TFT30は、例えば、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、ポリシリコン等からなる半導体層30aと、半導体層30a上に形成されたゲート絶縁膜11gと、ゲート絶縁膜11g上に形成されたポリシリコン膜等からなるゲート電極30gとを有する。上記したように、走査線3aは、ゲート電極30gとしても機能する。
半導体層30aは、例えば、リン(P)イオン等のN型の不純物イオンが注入されることにより、N型のTFT30として形成されている。具体的には、半導体層30aは、チャネル領域30cと、データ線側LDD領域30s1と、データ線側ソースドレイン領域30sと、画素電極側LDD領域30d1と、画素電極側ソースドレイン領域30dとを備えている。
チャネル領域30cには、ボロン(B)イオン等のP型の不純物イオンがドープされている。その他の領域(30s1,30s,30d1,30d)には、リン(P)イオン等のN型の不純物イオンがドープされている。このように、TFT30は、N型のTFTとして形成されている。
ゲート電極30g、下地絶縁層11a、及び走査線3a上には、シリコン酸化膜等からなる第1層間絶縁層11bが形成されている。第1層間絶縁層11b上には、容量素子16が設けられている。具体的には、TFT30の画素電極側ソースドレイン領域30d及び画素電極27に電気的に接続された画素電位側容量電極としての第1容量電極16aと、固定電位側容量電極としての容量線3b(第2容量電極16b)の一部とが、誘電体膜16cを介して対向配置されることにより、容量素子16が形成されている。
容量線3b(第2容量電極16b)は、例えば、Ti(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)等の高融点金属のうち少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等からなる。或いは、Al(アルミニウム)膜から形成することも可能である。
第1容量電極16aは、例えば、導電性のポリシリコン膜からなり容量素子16の画素電位側容量電極として機能する。ただし、第1容量電極16aは、容量線3bと同様に、金属又は合金を含む単一層膜又は多層膜から構成してもよい。第1容量電極16aは、画素電位側容量電極としての機能のほか、コンタクトホールCNT52、中継層55、コンタクトホールCNT53、CNT51を介して、画素電極27とTFT30の画素電極側ソースドレイン領域30d(ドレイン領域)とを中継接続する機能を有する。
容量素子16上には、第2層間絶縁層11cを介してデータ線6aが形成されている。データ線6aは、第1層間絶縁層11b及び第2層間絶縁層11cに開孔されたコンタクトホールCNT54を介して、半導体層30aのデータ線側ソースドレイン領域30s(ソース領域)に電気的に接続されている。
データ線6a上には、第3層間絶縁層11dを介して画素電極27が形成されている。画素電極27は、第2層間絶縁層11c及び第3層間絶縁層11dに開孔されたコンタクトホールCNT52、CNT53、中継層55を介して第1容量電極16aに接続されることにより、半導体層30aの画素電極側ソースドレイン領域30d(ドレイン領域)に電気的に接続されている。なお、画素電極27は、例えば、ITO膜等の透明導電性膜から形成されている。
画素電極27及び第3層間絶縁層11d上には、酸化シリコン(SiO2)などの無機材料を斜方蒸着した配向膜28が設けられている。配向膜28上には、シール材14(図1及び図2参照)により囲まれた空間に液晶等が封入された液晶層15が設けられている。
一方、第2基材20a上には、その全面に渡って対向電極31が設けられている。対向電極31上(図4では下側)には、酸化シリコン(SiO2)などの無機材料を斜方蒸着した配向膜32が設けられている。対向電極31は、上述の画素電極27と同様に、例えばITO膜等の透明導電性膜からなる。
液晶層15は、画素電極27からの電界が印加されていない状態で配向膜28,32によって所定の配向状態をとる。シール材14は、素子基板10及び対向基板20をそれらの周辺で貼り合わせるための、例えば光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー或いはガラスビーズ等のスペーサーが混入されている。
<周辺電極の構成>
図5(a)は、液晶装置のうち主に周辺電極の構成を示す模式平面図である。図5(b)は、図5(a)に示す液晶装置のA−A’線に沿う模式断面図である。図6は、液晶装置全体の電気的な構成を示す回路図である。以下、主に周辺電極の構成について、図5及び図6を参照しながら説明する。なお、第1基材10aから第3層間絶縁層11dまでを第1基材10aと称して説明する。
図5に示すように、液晶装置100を構成する第1基材10a上には、表示領域Eに画素電極27が設けられている。また、表示領域Eの周囲である周辺領域E1には、交流電圧が印加される第1周辺電極40と、定電位が印加される第2周辺電極50とが、表示領域Eを囲むように枠状に設けられている。
第2基材20a上(液晶層15側)には、対向電極31が設けられている。なお、第1周辺電極40及び第2周辺電極50は、例えば、画素電極27と同層に設けられており、ITO膜で構成されている。
具体的には、第1周辺電極40には、交流電圧が印加されている。電圧は、例えば、±5Vである。第2周辺電極50には、対向電極31に対して高電位の定電圧が印加されている。電圧は、例えば、5Vである。言い換えれば、帯電した不純物(イオン性不純物)を効果的に引き寄せつつ、表示に影響を与えない程度の電圧である。一方、対向電極31は0Vとなっている。
なお、第2周辺電極50と対向電極31との電位差は、第1周辺電極40と対向電極31との電位差の絶対値より小さいことが望ましい。これは、一方向に電界を液晶に与え続けると、同程度の絶対値の交流電界を液晶に与えるよりも、液晶に対して加わるストレスが大きいためである。よって、液晶にかかるストレスを小さくすることができ、液晶の寿命を長くすることができる。
また、交流電圧の周波数は、液晶が追従できる範囲で、なるべく高いことが望ましい。具体的には、周波数の周期が液晶の応答速度の2倍であり、例えば、4〜6msecである。なお、液晶の応答速度とは、液晶の角度が10%から90%に動く時間のことである。
第1周辺電極40によって、液晶層15に印加する電圧は交流であり、例えば、1フレーム期間毎に極性が逆転する。その交流波形に呼応して、液晶分子15aも微小にその極角方向の配向が揺らぐ。すると、液晶層15中には、微小な流動が生じる。この流れにより、イオン性不純物70が動かされる。従って、イオン性不純物70は、液晶分子15aの配向方向と平行な方向に動いていく。言い換えれば、第1周辺電極40によって液晶分子15aを攪拌させている。
また、第2周辺電極50と対向電極31との間には、正極性の電界が生じている。これにより、移動した負極性に帯電したイオン性不純物71を、第2周辺電極50で捕獲することができる。また、第2周辺電極50に近いほど、イオン性不純物70(負極性に帯電したイオン性不純物71)の密度が高い。
なお、第2周辺電極50には、上記したように、対向電極31に対して高電位の定電位が印加されており、正極性に帯電したイオン性不純物72を捕獲することができない。よって、移動したイオン性不純物72が、再び液晶層15中の表示領域Eに戻ってしまう恐れがある。よって、表示に影響するイオン性不純物70の極性が正極性のイオン性不純物72か負極性のイオン性不純物71かを確認しておくことが必要となる。
第1周辺電極40は、図6に示すように、第1周辺電極接続配線40aを介して、複数の外部接続用端子61のうち「AC」端子部に接続されている。第2周辺電極50は、第2周辺電極接続配線50aを介して、複数の外部接続用端子61のうち「DC」端子部に接続されている。なお、第1周辺電極接続配線40a及び第2周辺電極接続配線50aを配置するポイントを以下に説明する。
第1周辺電極接続配線40a及び第2周辺電極接続配線50aは、周辺領域E1を迂回させる必要があるので、複数の外部接続用端子61の左右に分かれるように配置することが好ましい。また、第2周辺電極接続配線50aは、周辺回路や信号線と極力交差しないように、液晶装置100の上部に引き回してから、「DC」端子部に接続させる。更に、「AC」端子部の隣りには、電源端子(VDDX、VDDY、VSSX、VSSY)を配置する。また、「VID」端子部と「AC」端子部とは隣接させないようにすることが望ましい。
なお、第2周辺電極50には、対向電極31に対して高電位の定電位が印加されることに限定されず、対向電極31に対して低電位の定電位が印加されるようにしてもよい。これによれば、正極性に帯電したイオン性不純物72を、第2周辺電極50によって捕獲することができる。
このように、表示領域Eの周囲に、交流電圧が印加されている第1周辺電極40と、定電位が印加されている第2周辺電極50とを配置することにより、第1周辺電極40によって液晶分子15aに揺らぎを与えてイオン性不純物70(71,72)を移動させることが可能となり、移動したイオン性不純物70を、第2周辺電極50で捕獲することができる。その結果、表示領域Eから周辺領域E1にイオン性不純物70を掃き寄せることが可能となり、表示領域Eにおいて焼き付きの少ない表示を得ることができる。
<電子機器の構成>
次に、本実施形態の電子機器としての投射型表示装置について、図7を参照して説明する。図7は、上記した液晶装置を備えた投射型表示装置の構成を示す概略図である。
図7に示すように、本実施形態の投射型表示装置1000は、システム光軸Lに沿って配置された偏光照明装置1100と、光分離素子としての2つのダイクロイックミラー1104,1105と、3つの反射ミラー1106,1107,1108と、5つのリレーレンズ1201,1202,1203,1204,1205と、3つの光変調手段としての透過型の液晶ライトバルブ1210,1220,1230と、光合成素子としてのクロスダイクロイックプリズム1206と、投射レンズ1207とを備えている。
偏光照明装置1100は、超高圧水銀灯やハロゲンランプなどの白色光源からなる光源としてのランプユニット1101と、インテグレーターレンズ1102と、偏光変換素子1103とから概略構成されている。
ダイクロイックミラー1104は、偏光照明装置1100から射出された偏光光束のうち、赤色光(R)を反射させ、緑色光(G)と青色光(B)とを透過させる。もう1つのダイクロイックミラー1105は、ダイクロイックミラー1104を透過した緑色光(G)を反射させ、青色光(B)を透過させる。
ダイクロイックミラー1104で反射した赤色光(R)は、反射ミラー1106で反射した後にリレーレンズ1205を経由して液晶ライトバルブ1210に入射する。ダイクロイックミラー1105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ1204を経由して液晶ライトバルブ1220に入射する。ダイクロイックミラー1105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ1201,1202,1203と2つの反射ミラー1107,1108とからなる導光系を経由して液晶ライトバルブ1230に入射する。
液晶ライトバルブ1210,1220,1230は、クロスダイクロイックプリズム1206の色光ごとの入射面に対してそれぞれ対向配置されている。液晶ライトバルブ1210,1220,1230に入射した色光は、映像情報(映像信号)に基づいて変調されクロスダイクロイックプリズム1206に向けて射出される。
このプリズムは、4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が合成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ1207によってスクリーン1300上に投射され、画像が拡大されて表示される。
液晶ライトバルブ1210は、上述した液晶装置100が適用されたものである。液晶装置100は、色光の入射側と射出側とにおいてクロスニコルに配置された一対の偏光素子の間に隙間を置いて配置されている。他の液晶ライトバルブ1220,1230も同様である。
このような投射型表示装置1000によれば、液晶ライトバルブ1210,1220,1230として、焼き付き等が抑えられた液晶装置100を用いているので、高い表示品質を実現することができる。
なお、液晶装置100が搭載される電子機器としては、投射型表示装置1000の他、ヘッドアップディスプレイ、スマートフォン、EVF(Electrical View Finder)、モバイルミニプロジェクター、携帯電話、モバイルコンピューター、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ディスプレイ、車載機器、オーディオ機器、露光装置や照明機器など各種電子機器に用いることができる。
以上詳述したように、第1実施形態の液晶装置100、及び電子機器によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)第1実施形態の液晶装置100によれば、表示領域Eからシール材14側に向かって、交流電圧が印加される第1周辺電極40と、定電位が印加される第2周辺電極50とが順に設けられている。よって、第1周辺電極40に交流電圧を印加することにより、表示領域Eの不純物(イオン性不純物70)を所望の方向に移動させることが可能となり、移動したイオン性不純物70を、定電位が印加された第2周辺電極50で捕獲(トラップ)することができる。これにより、表示領域Eから周辺領域E1にイオン性不純物70を掃き寄せるので、表示領域Eにおいて焼き付きの少ない表示を得ることができる。
(2)第1実施形態の電子機器によれば、上記に記載の液晶装置100を備えるので、表示特性を向上させることが可能な電子機器を提供することができる。
(第2実施形態)
<液晶装置の構成>
図8は、第2実施形態の液晶装置の構造を示す模式図である。(a)は、液晶装置のうち主に周辺電極の構成を示す模式平面図である。(b)は、(a)に示す液晶装置のA−A’線に沿う模式断面図である。図9は、液晶装置全体の電気的な構成を示す回路図である。以下、液晶装置の構造について、図8及び図9を参照しながら説明する。
第2実施形態の液晶装置200は、上述の第1実施形態と比べて、定電位が印加される第2周辺電極の構成が異なり、その他の構成については概ね同様である。このため第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略する。
図8に示すように、第2実施形態の液晶装置200は、第1実施形態と同様に、液晶装置200を構成する第1基材10a上に、交流電圧が印加される第1周辺電極40と、定電位が印加される第2周辺電極50と、画素電極27とが設けられている。また、第2基材20a上(液晶層15側)には、対向電極31が設けられている。
第2実施形態の液晶装置200の特徴として、第2周辺電極50は、対向電極31に対して高電位が印加される第2高電位周辺電極51と、対向電極31に対して低電位が印加される第2低電位周辺電極52とを有している。
図8(a)に示すように、2つの第2周辺電極50(51,52)は、第1基材10a上における表示領域Eの周囲(周辺領域E1)に、シール材14側から順に、第2高電位周辺電極51と、第2低電位周辺電極52とが、表示領域Eの周囲を囲むように枠状に設けられている。なお、2つの第2周辺電極50(51,52)の表示領域E側には、第1周辺電極40が設けられている。
具体的には、第2高電位周辺電極51には、例えば、5Vが印加されている。対向電極31は0Vである。よって、第2高電位周辺電極51と対向電極31との間には、正極性の電界が生じている。また、第2低電位周辺電極52には、例えば、−5Vが印加されている。よって、第2低電位周辺電極52と対向電極31との間には、負極性の電界が生じている。
第1周辺電極40によって、液晶分子15aが揺らぐと微小な流動が生じ、イオン性不純物70(71,72)が動かされる。これにより、周辺領域E1に移動した負極性に帯電したイオン性不純物71は、第2高電位周辺電極51で捕獲される。また、周辺領域E1に移動した正極性に帯電したイオン性不純物72は、第2低電位周辺電極52で捕獲される。
第1周辺電極40は、図9に示すように、第1周辺電極接続配線40aを介して、複数の外部接続用端子61のうち「AC」端子部に接続されている。第2高電位周辺電極51は、第2高電位周辺電極接続配線51aを介して、複数の外部接続用端子61のうち「DC(+)」端子部に接続されている。第2低電位周辺電極52は、第2低電位周辺電極接続配線52aを介して、複数の外部接続用端子61のうち「DC(−)」端子部に接続されている。なお、これらの配線を配置するポイントを以下に説明する。
第2高電位周辺電極接続配線51aと、第2低電位周辺電極接続配線52aは、周辺領域E1を迂回させる必要があるので、複数の外部接続用端子61の左右に分かれるように配置することが好ましい。また、第2周辺電極接続配線51a,52aは、周辺回路や信号線と極力交差しないように、液晶装置200の上部に引き回してから、「DC(+)」端子部及び「DC(−)」端子部に接続させる。更に、「AC」端子部の隣りには、電源端子(VDDX、VDDY、VSSX、VSSY)を配置する。また、「VID」端子部と「AC」端子部とは隣接させないようにすることが望ましい。
このように、表示領域Eの周囲に、第2高電位周辺電極51及び第2低電位周辺電極52を、交流電圧が印加される第1周辺電極40の外側に配置することにより、周辺領域E1に移動した負極性に帯電したイオン性不純物71や正極性に帯電したイオン性不純物72を、2つの第2周辺電極50(51,52)で捕獲することができる。よって、第1実施形態と比較して、負極性に帯電したイオン性不純物71であるか、正極性に帯電したイオン性不純物72であるかを、事前に確認することなく捕獲することができる。
なお、イオン性不純物70が、負極性に帯電するか正極性に帯電するかは、液晶の組成やシール材14の影響などによって変わるため、判断が難しい。しかしながら、本実施形態のように、両方の極性に帯電したイオン性不純物70を吸着できる第2周辺電極50(51,52)を配置することにより、より効率よくイオン性不純物70を捕獲することができる。
以上詳述したように、第2実施形態の液晶装置200によれば、以下に示す効果が得られる。
(3)第2実施形態の液晶装置200によれば、第2高電位周辺電極51及び第2低電位周辺電極52が設けられているので、表示領域Eから第2周辺電極50(51,52)の近傍に移動した正極性に帯電したイオン性不純物72を第2低電位周辺電極52で捕獲し、負極性に帯電したイオン性不純物71を第2高電位周辺電極51で捕獲することができるため、正極性に帯電したイオン性不純物72と負極性に帯電したイオン性不純物71の両方を第2周辺電極50(51,52)で収集することができる。加えて、第1実施形態の液晶装置100では、第2高電位周辺電極51を用いるのか第2低電位周辺電極52を用いるかを試さなければいけないが、第2実施形態の液晶装置200では、試すことなくイオン性不純物70(71,72)を捕獲することができる。
(第3実施形態)
<液晶装置の構成>
図10は、第3実施形態の液晶装置の構造を示す模式図である。(a)は、液晶装置のうち主に周辺電極の構成を示す模式平面図である。(b)は、(a)に示す液晶装置のA−A’線に沿う模式断面図である。図11は、液晶装置全体の電気的な構成を示す回路図である。以下、液晶装置の構造について、図10及び図11を参照しながら説明する。
第3実施形態の液晶装置300は、上述の第1実施形態と比べて、交流電圧が印加される第1周辺電極40、及び定電位が印加される第2周辺電極50の構成が異なり、その他の構成については概ね同様である。このため第3実施形態では、第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略する。
図10に示すように、第3実施形態の液晶装置300は、第1実施形態と同様に、液晶装置300を構成する第1基材10a上に、交流電圧が印加される第1周辺電極40(41,42)と、定電位が印加される第2周辺電極50(51,52)と、画素電極27とが設けられている。また、第2基材20a上(液晶層15側)には、対向電極31が設けられている。
第3実施形態の液晶装置300の特徴として、第2周辺電極50は、シール材14から表示領域Eに向かって順に、対向電極31に対して高電位が印加される第2高電位周辺電極51と、対向電極31に対して低電位が印加される第2低電位周辺電極52とを有している。
また、第1周辺電極40は、第2高電位周辺電極51と第2低電位周辺電極52との間と、第2低電位周辺電極52と表示領域Eとの間とに配置されている。
2つの第1周辺電極41,42と、第2高電位周辺電極51及び第2低電位周辺電極52とは、上記実施形態と同様に、表示領域Eの周囲を囲むように枠状に設けられている。
具体的には、第2実施形態と同様に、第2高電位周辺電極51には、例えば、5Vが印加されている。対向電極31は0Vである。よって、第2高電位周辺電極51と対向電極31との間には、正極性の電界が生じている。また、第2低電位周辺電極52には、例えば、−5Vが印加されている。よって、第2低電位周辺電極52と対向電極31との間には、負極性の電界が生じている。また、2つの第1周辺電極41,42には、±5Vが印加されている。
第1周辺電極40(41,42)は、図11に示すように、第1周辺電極接続配線40aを介して、複数の外部接続用端子61のうち「AC」端子部に接続されている。第2高電位周辺電極51は、第2高電位周辺電極接続配線51aを介して、複数の外部接続用端子61のうち「DC(+)」端子部に接続されている。第2低電位周辺電極52は、第2低電位周辺電極接続配線52aを介して、複数の外部接続用端子61のうち「DC(−)」端子部に接続されている。なお、これらの配線を配置するポイントを以下に説明する。
第2高電位周辺電極接続配線51aと、第2低電位周辺電極接続配線52aは、周辺領域E1を迂回させる必要があるので、複数の外部接続用端子61の左右に分かれるように配置することが好ましい。また、第2周辺電極接続配線51a,52aは、周辺回路や信号線と極力交差しないように、液晶装置300の上部に引き回してから、「DC(+)」端子部及び「DC(−)」端子部に接続させる。更に、「AC」端子部の隣りには、電源端子(VDDX、VDDY、VSSX、VSSY)を配置する。また、「VID」端子部と「AC」端子部とは隣接させないようにすることが望ましい。
2つの第1周辺電極41,42によって、液晶分子15aが揺らぐと微小な流動が生じ、イオン性不純物70(71,72)が動かされる。これにより、周辺領域E1に移動した負極性に帯電したイオン性不純物71は、第2高電位周辺電極51で捕獲(トラップ)することができる。また、周辺領域E1に移動した正極性に帯電したイオン性不純物72は、第2低電位周辺電極52で捕獲することができる。
加えて、第3実施形態の特徴として、2つの第2周辺電極51,52の隣りに第1周辺電極41,42が配置されているので、第1周辺電極41,42によって移動したイオン性不純物70(71,72)が、第2周辺電極51,52を通過する際に勢いが弱まった(移動速度が低下した)としても、その隣りに配置された第1周辺電極41,42によって再度、イオン性不純物70を移動させる(勢いをつける)ことが可能となる。よって、負極性に帯電したイオン性不純物71や正極性に帯電したイオン性不純物72を、所望の第2周辺電極51,52まで移動させることができ、第2周辺電極51,52で捕獲(トラップ)することができる。
以上詳述したように、第3実施形態の液晶装置300によれば、以下に示す効果が得られる。
(4)第3実施形態の液晶装置300によれば、2つの第2周辺電極51,52の隣りに第1周辺電極41,42がそれぞれ設けられているので、第1周辺電極41,42によって移動したイオン性不純物70の移動速度が、第2周辺電極51,52を通過する際に低下したとしても、その隣りの第1周辺電極41,42によって再度、イオン性不純物70(71,72)を移動させることが可能となる。よって、正極性に帯電したイオン性不純物72を第2低電位周辺電極52で捕獲することができる。また、負極性に帯電したイオン性不純物71を第2高電位周辺電極51で捕獲することができる。
なお、本発明の態様は、上記した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、本発明の態様の技術範囲に含まれるものである。また、以下のような形態で実施することもできる。
(変形例1)
上記した第2実施形態のように、第2高電位周辺電極51及び第2低電位周辺電極52は、表示領域Eの周囲を囲むように枠状に設けられていることに限定されず、例えば、一方の端を短絡するような櫛歯形状の周辺電極が隣接するように設けられていてもよい。
(変形例2)
上記したように、第1周辺電極40及び第2周辺電極50が、画素電極27と同層に設けられていることに限定されず、例えば、反射型の液晶装置において、第1周辺電極40が、画素電極27と絶縁膜を介して1層下のレイヤーに設けられていてもよい。
(変形例3)
上記した第2実施形態は、第2高電位周辺電極51と第2低電位周辺電極52とが、入れ替わって配置されるようにしてもよい。つまり、どちらがシール材14側に配置されていてもよい。
(変形例4)
上記したように、交流電圧(AC)及び直流電圧(DC)を外部から外部接続用端子61を介して供給することに限定されず、例えば、液晶装置100の内部に専用回路を設けて供給するようにしてもよい。
(変形例5)
上記したように、第1周辺電極40に交流電圧を印加し、第2周辺電極50に定電位を印加することに限定されず、例えば、対向電極31の電位を所定の周期で変動させることにより、第1周辺電極40に対向電極31の電位に対して所定の周期で変わる電位を印加し、第2周辺電極50に対向電極31に印加される電位と異なる電位であり対向電極31との電位差が略同一の電位を印加するようにしてもよい。これにより、第1実施形態と同様の効果を得ることができると共に、いわゆるコモン振り駆動に適用することができる。
3a…走査線、3b…容量線、3c…下側遮光膜、6a…データ線、10…素子基板、10a…第1基材、11a…下地絶縁層、11b…第1層間絶縁層、11c…第2層間絶縁層、11d…第3層間絶縁層、11g…ゲート絶縁膜、14…シール材、15…液晶層、15a…液晶分子、16…容量素子、16a…第1容量電極、16b…第2容量電極、16c…誘電体膜、18…遮光膜、20…対向基板、20a…第2基材、22…データ線駆動回路、24…走査線駆動回路、25…検査回路、26…上下導通部、27…画素電極、28,32…配向膜、29…配線、30…TFT、30a…半導体層、30c…チャネル領域、30d…画素電極側ソースドレイン領域、30d1…画素電極側LDD領域、30g…ゲート電極、30s…データ線側ソースドレイン領域、30s1…データ線側LDD領域、31…対向電極、33…平坦化層、40,41,42…第1周辺電極、40a…第1周辺電極接続配線、50…第2周辺電極、50a…第2周辺電極接続配線、51…第2高電位周辺電極、51a…第2高電位周辺電極接続配線、52…第2低電位周辺電極、52a…第2低電位周辺電極接続配線、CNT51,52,53,54…コンタクトホール、55…中継層、61…外部接続用端子、70…イオン性不純物、71…負極性に帯電したイオン性不純物、72…正極性に帯電したイオン性不純物、100,200,300…液晶装置、1000…投射型表示装置、1100…偏光照明装置、1101…ランプユニット、1102…インテグレーターレンズ、1103…偏光変換素子、1104,1105…ダイクロイックミラー、1106,1107,1108…反射ミラー、1201,1202,1203,1204,1205…リレーレンズ、1206…クロスダイクロイックプリズム、1207…投射レンズ、1210,1220,1230…液晶ライトバルブ、1300…スクリーン。

Claims (6)

  1. 第1基板と、
    前記第1基板に対向配置された第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせるシール材と、
    前記第1基板と前記第2基板とにより挟持された液晶層と、
    を含み、
    前記第1基板は、
    表示領域に設けられた画素電極と、
    平面視で前記表示領域と前記シール材との間に設けられた第1周辺電極と、
    平面視で前記第1周辺電極と前記シール材との間に設けられた第2周辺電極と、
    を含み、
    前記第2基板は、
    前記画素電極、前記第1周辺電極、及び前記第2周辺電極と対向するように設けられた対向電極を含み、
    前記対向電極に定電位を印加し、
    前記第1周辺電極に交流電位を印加し、
    前記第2周辺電極に前記対向電極と異なる定電位を印加することを特徴とする液晶装置。
  2. 第1基板と、
    前記第1基板に対向配置された第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせるシール材と、
    前記第1基板と前記第2基板とにより挟持された液晶層と、
    を含み、
    前記第1基板は、
    表示領域に設けられた画素電極と、
    平面視で前記表示領域と前記シール材との間に設けられた第1周辺電極と、
    平面視で前記第1周辺電極と前記シール材との間に設けられた第2周辺電極と、
    を含み、
    前記第2基板は、
    前記画素電極、前記第1周辺電極、及び前記第2周辺電極と対向するように設けられた対向電極を含み、
    前記対向電極に交流電位を印加し、
    前記第1周辺電極に定電位を印加し、
    前記第2周辺電極に、前記対向電極に印加される電位と異なる電位で、前記対向電極との電位差が略同一の交流電位印加することを特徴とする液晶装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の液晶装置であって、
    前記第2周辺電極は、前記対向電極に対して高電位が印加される第2高電位周辺電極と、前記対向電極に対して低電位が印加される第2低電位周辺電極と、を有することを特徴とする液晶装置。
  4. 請求項3に記載の液晶装置であって、
    前記第2高電位周辺電極と前記第2低電位周辺電極との間に、前記第1周辺電極と電気的に接続された第3周辺電極を含むことを特徴とする液晶装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の液晶装置であって、
    前記第2周辺電極と前記対向電極との電位差の絶対値は、前記第1周辺電極と前記対向電極との電位差の絶対値より小さいことを特徴とする液晶装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の液晶装置を備えることを特徴とする電子機器。
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