JP5978534B2 - ガスコンロ装置 - Google Patents

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本発明は、ガスバーナの点消火及び火力調節を1個の操作つまみによって行うものであって、特に点消火を手動で行い、火力調節をモータなどの電動アクチュエータで行うガスコンロ装置に関する。
上述のようなガスコンロ装置として、各ガスバーナ毎に1個の操作つまみを備え、その操作つまみを消火位置からガスコンロ装置の内側に設定した点火位置に向かって押し込むとガスバーナに点火され、操作つまみに対する押し込み力を解除すると操作つまみが火力調節位置まで戻って突出するものが知られている。
このようなガスコンロ装置の一例として、火力調節装置内に電動アクチュエータとしてモータを組み込んでおき、操作つまみが消火位置から点火位置まで押し込まれると、制御部がそれを検知してモータを作動させ、火力調節装置内に組み込まれている電磁安全弁の弁体を電磁安全弁内の電磁石に当接するまで強制的に開弁させ、点火が完了すると、さらにモータを作動させて火力調節を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このものでは、操作つまみが火力調節位置まで突出している状態で操作つまみを回動すると、その回動量をセンサが検知して、その回動量に応じてモータを作動させてガスバーナに供給されるガスの流量を増減している。
従って、このものではガスバーナの点火時に電磁安全弁を強制的に開弁させる動作と、その後の火力調節動作を共にモータによって行っている。
特開2006−308228号公報(図4)
上記従来のガスコンロ装置では電磁安全弁の開弁をモータで行っているが、この動作は電磁安全弁の弁体をバネによる付勢力に抗して開弁させなければならないため、その後に行う火力調節動作に対して、モータでの消費電力が大きい。
特にガスコンロ装置全体の作動電力を乾電池で行う場合には、モータによって電磁安全弁を開弁させるように構成すると電池の寿命が短くなる。このような場合には、電磁安全弁の開弁を手動で行い、火力調節動作のみをモータで行う構成が考えられる。ただし、このような構成では、操作つまみの押し込み力で電磁安全弁を開弁させ、弁体を電磁石に押接させる必要があるので、操作つまみが確実に点火位置まで押し込まれているかを検知するセンサが必要になる。
また、点火時にはガスバーナへのガスの供給量が少なすぎると確実に点火できず点火不良が生じ、逆にガスの供給量が多すぎると、点火時に大きな音が生じる爆着や、点火後の炎が鍋などから外側に溢れる炎あふれが生じる。そのため、点火時にはガスの流量が点火に最適な流量にする必要がある。
点火操作及び火力調節操作の双方を手動で行うようなガスコンロ装置では、点消火ボタンを点火位置まで押し込むと直ちに点火器が作動し、操作している者は点消火ボタンが点火位置まで確実に押し込まれていることを、点火器の作動によって知ることができた。
ところが、上記のように点火操作を手動で行い火力調節動作をモータで行うものでは、操作つまみが点火位置まで押し込まれても、火力調節装置の開度が点火に適した開度になっていなければ、モータを作動して開度を調節しなければならず、このモータによる開度の調節が完了するまでは点火器を作動させることができない。
すると、操作つまみを点火位置まで押し込んでも点火器が作動しない場合が生じ、その場合には、操作している者は、いつ操作つまみから指を離して良いか分からず、モータが開度を調節し終えて点火器が動作するまで操作つまみの押し込みを維持してしまい、操作が煩わしくなるおそれがある。
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、操作つまみを点火位置まで押し込んでいることを点火器の作動以外の手段によって報知するガスコンロ装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明によるガスコンロ装置は、ガスバーナの点消火及び火力調節を行う操作つまみを備え、消火位置にある操作つまみを器具の内側に設定した点火位置まで押し込むと、ガスバーナへのガスの供給量を調節する火力調節装置内の電磁安全弁を、操作つまみに対する押し込み力によって強制的に開弁させ、弁体を電磁安全弁内の電磁石に当接させて吸着保持すると共に、ガスバーナ近傍に設置した点火器を作動させ、電磁安全弁の弁体が電磁石に吸着保持された後、操作つまみに対する押し込み力を解除すると、操作つまみが火力調節位置まで後退するように構成し、火力調節位置で操作つまみを回動すると、その回動量をセンサで検知して、上記火力調節装置内に組み込んだ電動アクチュエータを作動させて、操作つまみの回動量に応じて火力を調節するガスコンロ装置において、上記操作つまみを点火位置まで押し込んだことを検知する位置センサを設け、操作つまみが点火位置まで押し込まれたことを上記位置センサが検知した状態で、かつ火力調節装置の開度が点火に適した開度である場合に上記点火器を作動させると共に、操作つまみが点火位置まで押し込まれたことを上記位置センサが検知した場合に、火力調節装置の開度に関係なく作動する報知手段を設けたことを特徴とする。
上記構成によれば、火力調節装置の開度が点火に適した開度になるまでに報知手段が作動するので、点火操作をした者は操作つまみが点火位置まで押し込まれ、電磁安全弁の弁体が電磁石に吸着保持されたことを知ることができ、操作つまみへの押し込みを解くことができる。したがって、火力調節装置の開度が点火に適した開度になって点火器が作動するまで、操作つまみを点火位置に押し込んだままの状態を維持する必要がなくなる。
なお、操作つまみの押し込みが不十分であって点火位置まで押し込まれていない場合にも点火器は作動しないが、その場合には、上記操作つまみが消火位置から点火位置に移動する途中位置を検知する第2の位置センサを設け、操作つまみがこの第2の位置センサが検知する途中位置を通過して点火位置に到達するまでの間、上記報知手段の作動態様とは異なる態様で作動する第2の報知手段を設ければ、上記報知手段ではなくこの第2の報知手段が作動することによって、押し込みが不十分であることを知ることができる。
以上の説明から明らかなように、本発明は、操作つまみを点火位置まで押し込んでも点火器が作動しない場合に、操作つまみは点火位置まで押し込まれていることを報知手段によって知ることができる。
本発明によるガスコンロを正面から見た斜視図 ガスコンロ内の配管状態を示す図 火力調節装置の斜視図 位置センサであるマイクロスイッチの作動状態を示す図 点火操作時における制御の内容を示すフロー図
図1を参照して、1は本発明によるガスコンロ装置の一例である。このガスコンロ装置1の上面にはガラス製の天板11が設けられており、その天板11には3個のガスバーナ11a、11b、11cが設けられている。一方、このガスコンロ1の前面パネル12には各ガスバーナ11a、11b、11cの点消火操作及び火力調節操作を行うための火力調節装置13a、13b、13cが設けられている。また、前面パネル12の略中央にはグリル庫14が設けられており、グリル庫14内には上火バーナ14aと下火バーナ14bとが設置されている。そして、上火バーナ14aと下火バーナ14bの点消火及び火力調節は火力調節装置15によって行われる。
上記天板11はガラス製であるので、天板11の下方に後述する報知手段であるLED10a、10b、10cを配置した。これらLED10a、10b、10cは各々火力調節装置13a、13b、13cに対応して設けたものであり、消灯状態では天板11の上方から視認できないが、点灯や点滅をすると天板11の上方から視認することができる。なお、報知手段のLED10a、10b、10cは、前面に設けた火力調節装置13a、13b、13cの上方に設けても良い。
図2を参照して、本実施の形態では、ガスの供給管路は4本に並列に分岐され、その分岐された供給管路の各々に火力調節装置13a、13b、13c,15が設けられている。そのうちの火力調節装置13aを例に説明すると、火力調節装置13a内には点消火を行うための開閉弁部2と火力調節を行うための流量調節部3とを備えている。
開閉弁部2内には手動操作により開弁される元弁21aと電磁安全弁の弁体22aとが直列に設けられている。一方、流量調節部3には電動アクチュエータとしてモータ31が連結されており、モータ31を駆動させることにより流量を増減するように構成されている。なお、火力調節装置13b、13cは共に火力調節装置13aと同じ構造であるが、火力調節装置15は開閉弁部2は同じ構造であるものの流量調節部3の構造が他のものと相違する。
火力調節装置15の流量調節部3は並列な2系統に分岐され、その各々に電磁力によって開閉する開閉弁15a、15bが設けられ、かつ、両開閉弁15a、15bをバイパスするオリフィス16が設けられている。従って、例えば開閉弁15aが開弁すれば上火バーナ14aの火力は強火になり、開閉弁15aが閉弁すればオリフィス16を通るガスによって弱火になる。
図3および図4を参照して、引き続き火力調節装置13aを例に、火力調節装置13aの構造を説明する。
4は操作つまみであり、点消火時に押し込まれ、また火力調節時には外周面をつままれて回動されるものである。操作つまみ4は常に手前側に向かって付勢されている。操作つまみ4が消火位置から付勢力に抗して押し込まれると、角筒状のガイド部材5内に収納されている部材に設けられたドッグ6が、この部材と共に押されて奥側に移動する。そして、ドッグ6が設けられている部材は奥に向かって移動することにより、開閉弁部2内に収納されている電磁安全弁の弁体を強制的に開弁させて、同じく電磁安全弁内に収納されている電磁石にその弁体を押接させる。
図示しない制御部からその電磁石に直流電力が供給されると電磁石は励磁して弁体を開弁状態に吸着保持する。その状態で操作つまみ4に対する押し込み力を解除すると、操作つまみ4は上記付勢力によって手前側の火力調節位置まで突出する。消火する際には、操作つまみ4を消火位置を越えるまで一旦押し込んで押し込み力を解除すると、操作つまみ4は消火位置まで戻って、その位置で保持される。
操作つまみ4が火力調節位置まで突出している状態で操作つまみ4を回動すると、ギヤトレインを介して回転センサであるロータリーエンコーダ41の回転軸が回転して、操作つまみ4の回動量に比例したパルス信号を上記制御部に出力する。制御部はこのパルス信号を受信すると、火力調節部3のモータ31を駆動して、流量を調節するように構成されている。
ガイド部材5の正面から見て左側面にはドッグ6の前後位置によってオンオフする2つの接点を内蔵したマイクロスイッチ51が取り付けられている。このマイクロスイッチ51には2個の接点SW1,SW2が設けられている。接点SW1は第2の位置センサで有り、接点SW2が点火位置まで押し込まれていることを検知する位置センサである。
図4に示すように、ドッグ6が手前から奥に向かって移動すると、最初に第2の位置センサである接点SW1がONになる。さらに操作つまみ4を押し込んで操作つまみ4が点火位置に到達すると、位置センサである接点SW2がオンする。なお、点火位置で操作つまみ4に対する押し込み力を解除すると、上述のように操作つまみ4は火力調節位置まで手前側に後退して突出するが、ドッグ6が形成されている部材は図示しないストッパ機構によって、接点SW1がオン状態となる位置まで戻った状態で保持される。
図に示すように、マイクロスイッチ51はガイド部材5の側面に形成された3本の爪5aで抱き込まれるようにして固定されている。なお、2本の突起5bがマイクロスイッチ51に形成されている取り付け穴に挿通されることによりマイクロスイッチ51の位置決めを行っている。従って、マイクロスイッチ51をガイド部材5に取り付ける際にネジを使用していない。
操作つまみ4が消火位置にある状態ではドッグ6はプランジャ部51aを押し下げていないので、マイクロスイッチ51に内蔵されている接点SW1,SW2は共にオフの状態になっている(図4(a))。この状態から、操作つまみ4が押し込まれると、ドッグ6は後方、すなわち図4では左側に移動するので、ドッグ6は(b)に示すように、プランジャ部51aを押し下げ、接点SW1をオンにする。この時点では、接点SW2はオフのままである。
さらに操作つまみ4を点火位置まで押し込むと、(c)に示すように、ドッグ6はプランジャ部51aをさらに押し込み、接点SW2をオンにする。
上記接点SW1がONになると、図外の制御部に通電が開始される。本実施の形態のガスコンロ1は作動用の電源として乾電池を内蔵している。すべての操作つまみ4が消火位置にある状態では、制御部を作動させる必要がないので、制御部への通電は停止している。そして、いずれかの操作つまみ4が点火すべく押し込まれると、点火位置に到達する前に、図4(b)に示すように、接点SW1がオンとなって制御部に通電が開始され、続いて接点SW2がONになることによって、その操作つまみ4が点火位置まで押し込まれたことを制御部が検知することになる。なお、既にいずれかの操作つまみ4が火力調節位置に有り、制御部に通電されている状態で他の操作つまみ4が押し込まれ、新たに接点SW1がオンになった場合、制御部には既に通電されているので、制御部は新たに接点SW1がオンになったことを検知する。
このような点火動作の詳細を図5を参照して説明する。なお、図5に示したフローは既に制御部に通電されている状態で、消火状態のガスバーナについて新たに点火操作がされた場合のフローを示している。
通電状態の制御部は接点SW1が新たにオンにされることを常に監視している(S1)。火力調節装置13aが操作された場合を例として説明すると、操作つまみ4が消火位置から押し込まれて接点SW1がONになると、直ちに電磁安全弁(SV)に内蔵されている電磁石の励磁コイルに通電を開始する(S2)と共に、LED10aを点滅させる(S3)(請求項2の第2の報知手段に相当する)。その状態で、電磁安全弁の弁体が電磁石に吸着されて、その弁体は開弁状態で保持される状態になる。
上記図4に示したように、接点SW1がONになると、続いて接点SW2がONになるはずであるが、所定時間が経過しても接点SW2がONにならない場合には(S4,S6)、警告音やランプ等によってエラー報知を行って(S5)、それ以上の点火動作を中止する。なお、所定時間が経過してS5でエラー報知されるまではLED10aは点滅したままの状態を継続する。
一方、所定時間内に接点SW2がONになると、操作つまみ4が点火位置まで押し込まれたものと判断して、LED10aを点滅状態から点灯状態に切り替える(S7)(請求項1の報知手段に相当する)。実際には点滅状態から点灯状態に切り替わるまでの時間は短いので、点火操作している者は点滅したことを認識せず、最初から点灯したものと認識する。操作つまみ4が点火位置まで押し込まれたので、点火器であるイグナイタを作動させることになるが、上記S1で接点SW1がオンになったことが検知されると、並行してモータ31の開度が予め設定された点火に適した開度になっているか否かのチェックが行われ(S8)、万一開度が点火に適した開度になっていない場合には、モータ31を一旦一方向に連続して駆動させストッパに当接させた状態で脱調させ、そのストッパから所定角度戻すことによって開度を点火に適した開度にする動作を行う(S9)。
いずれにせよ開度が点火に適した開度になっていない場合には、接点SW2がオンになってもイグナイタは作動させず、点火に適した開度であることが確認できた状態でイグナイタを作動させることとした(S10)。なお、S9でモータ31による開度を調節する場合には数秒程度の時間を要し、その間イグナイタは作動しないが、LED10aが点灯し続けるので、操作つまみ4が確実に点火位置まで押し込まれていることを知ることができ操作つまみ4から指を離すことができる。そして、イグナイタが作動すると制御部によって点火が確認される(S11)。
LED10aが点灯して操作つまみ4に作用させていた押し込み力を解除すると、操作つまみ4は前方に戻って突出し、ドッグ6も前方に戻り、接点SW2がオフになる。なお、一旦SW2がオンになれば、その後イグナイタが作動する前にSW2がオフになっても、モータ31による開度調節が終わり次第、イグナイタは所定時間作動する。ただし、上述の通り、ドッグ6は上記図4(b)に示す状態で保持されるので、接点SW1はオンのままの状態が継続する。なお、このときLED10aを点滅状態に戻すのではなく、点灯状態のまま保持するか、省エネのため消灯させる。
ところで、上記実施の形態では、接点SW1がオンするとLED10aを点滅させ、接点SW2がONになると点灯状態に切り替えたが、2色のLEDを用いて、接点SW1がONになると一方の色のLEDを点灯させ、接点SW2がONになると、この一方の色のLEDを消灯させると共に他方の色のLEDを点灯させるようにしてもよい。
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
1 ガスコンロ
2 開閉弁部
3 流量調節部
4 操作つまみ
5 ガイド部材
13a 火力調節装置
13b 火力調節装置
15 火力調節装置
31 モータ
41 ロータリーエンコーダ
51 マイクロスイッチ
6 ドッグ
SW1 接点
SW2 接点

Claims (2)

  1. ガスバーナの点消火及び火力調節を行う操作つまみを備え、消火位置にある操作つまみを器具の内側に設定した点火位置まで押し込むと、ガスバーナへのガスの供給量を調節する火力調節装置内の電磁安全弁を、操作つまみに対する押し込み力によって強制的に開弁させ、弁体を電磁安全弁内の電磁石に当接させて吸着保持すると共に、ガスバーナ近傍に設置した点火器を作動させ、電磁安全弁の弁体が電磁石に吸着保持された後、操作つまみに対する押し込み力を解除すると、操作つまみが火力調節位置まで後退するように構成し、火力調節位置で操作つまみを回動すると、その回動量をセンサで検知して、上記火力調節装置内に組み込んだ電動アクチュエータを作動させて、操作つまみの回動量に応じて火力を調節するガスコンロ装置において、上記操作つまみを点火位置まで押し込んだことを検知する位置センサを設け、操作つまみが点火位置まで押し込まれたことを上記位置センサが検知した状態で、かつ火力調節装置の開度が点火に適した開度である場合に上記点火器を作動させると共に、操作つまみが点火位置まで押し込まれたことを上記位置センサが検知した場合に、火力調節装置の開度に関係なく作動する報知手段を設けたことを特徴とするガスコンロ装置。
  2. 上記操作つまみが消火位置から点火位置に移動する途中位置を検知する第2の位置センサを設け、操作つまみがこの第2の位置センサが検知する途中位置を通過して点火位置に到達するまでの間、上記報知手段の作動態様とは異なる態様で作動する第2の報知手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載のガスコンロ装置。
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