JP5978497B1 - 積層体の製造方法、およびそれに適した活性エネルギー線硬化性ワニス組成物 - Google Patents
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ところが近年では塗工物が短時間で得られるといった生産性の向上が要求され、塗工後ですぐに乾燥・硬化する活性エネルギー線硬化性ワニス組成物組成物が開発され使用されるようになっている。
活性エネルギー線硬化性ワニス組成物組成物は、支持基材に塗工し、繰返し使用できる美粧性転写フィルムを塗工面に重ね合わせた後、活性エネルギー線にて塗膜を硬化させ、美粧性転写フィルムを剥離させることで、転写フィルムと同柄のオーバープリント層を得ることができる(特許文献1乃至5)。
前記活性エネルギー線硬化性ワニス組成物が、下記の1)〜5)であることを特徴とする積層体の製造方法に関する。
1)活性エネルギー線硬化性ワニス組成物が、スチレン−アクリル樹脂(A)15〜35重量%、重合性単量体(B)50〜80重量%、光重合開始剤(C)0〜20重量%、ワックス(D)0.1〜10重量%および増感剤(E)0.1〜5重量%を含む。
2)スチレン−アクリル樹脂(A)が、スチレン系単量体(a1)65〜95重量%と(メタ)アクリル酸エステル単量体(a2)5〜35重量%とを共重合させてなり、かつ重量平均分子量6000〜14000である。
3)重合性単量体(B)が、分子内に(メタ)アクリロイル基を少なくとも1個有する単
量体である。
4)ワックス(D)が、シリコーン系および高分子系ワックスから選ばれる1種類以上である。
5)増感剤(E)が、N−ターシャリーブチル−N,N−ジエタノールアミン(E1)、N−メチル−N−エタノールアミン(E3)、N−エチル−N−エタノールアミン(E4)、N−エチル−N,N−ジエタノールアミン(E5)、N−ブチル−N,N−ジエタノールアミン(E6)、およびN,N−ジイソプロピル−N−エタノールアミン(E7)から選ばれる1種以上である。
本発明の積層体の製造方法は、紙基材面または印刷インキで印刷した該印刷面に活性エネルギー線硬化型ワニスを塗工し、繰返し使用できる美粧性を有するポリオレフィンフィルムを塗工面に重ね合わせた後、活性エネルギー線にて塗膜を硬化させ、該ポリオレフィンフィルムを剥離させる順序を経る。この順序を経ることにより、表面加工された積層体を得ることができる。
本発明に用いられる活性エネルギー線硬化性ワニス組成物は、スチレン−アクリル樹脂(A)15〜35重量%、重合性単量体(B)50〜80重量%、光重合開始剤(C)0〜20重量%、ワックス(D)0.1〜10重量%および増感剤(E)0.1〜5重量%を含んでなる。
本発明におけるスチレン−アクリル樹脂(A)は、スチレン系単量体(a1)65〜95重量%と(メタ)アクリル酸エステル単量体(a2)5〜35重量%とを共重合させて合成される。
油性オフセットインキの印刷層に対する密着性からステアリル(メタ)アクリレートまたは2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレートが好ましい。ワニスの貯蔵安定性の観点からはラウリル(メタ)アクリレートやステアリル(メタ)アクリレートなど、長鎖炭化水素の(メタ)アクリル酸エステルが好適である。
また、スチレン−アクリル樹脂(A)は、重量平均分子量が6000〜14000のものが好適である。6000より小さいと積層体にした際の十分な塗膜物性が得られないことがあり、14000より大きいとワニス粘度を下げることが困難になり、塗工適性のないものになってしまうことがある。
本発明における重合性単量体(B)は、(メタ)アクリロイル基を少なくとも1個有する単量体である。本発明において、単量体とは、モノマーおよびオリゴマー両方を含むこととする。
重合開始剤(C)としては、活性エネルギー線照射によって、容易に開裂して2個のラジカルができる光開裂型または水素引き抜き型、あるいはこれらを混合して使用することができる。これらの化合物としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインジメチルケタール、チオキサントン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6,−トリメチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタノン、ジフェニル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
ワックス(D)としては、シリコーン系および/または高分子系ワックス添加剤が挙げられ、慣用公知の添加剤を用いることが出来る。シリコーン系添加剤であれば、例えばポリシロキサン、変性シリコーンオイル、トリメチルシロキシケイ酸を含有するポリシロキサン、シリコーン系アクリル樹脂等である。高分子系ワックス添加剤であれば、例えばポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンやアマイド、カルナバなどが用いられる。これらの中でいずれも単独あるいは複数のものを組み合わせて使用することができる。
本発明における増感剤(E)としては、アルカノールアミン類の含窒素単量体である、N−ターシャリーブチル−N,N−ジエタノールアミン(E1)、N−メチル−N−エタノールアミン(E3)、N−エチル−N−エタノールアミン(E4)、N−エチル−N,N−ジエタノールアミン(E5)、 N−ブチル−N,N−ジエタノールアミン(E6)、およびN,N−ジイソプロピル−N−エタノールアミン(E7)から選ばれる1種以上である。
好ましくは、N−ターシャリーブチル−N,N−ジエタノールアミン(E1)、N−メチル−N−エタノールアミン(E3)、N−エチル−N−エタノールアミン(E4)である。
本発明の活性エネルギー線硬化型ワニス組成物には、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、防菌防かび剤等を配合することができる。紫外線吸収剤としては、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等の有機系紫外線吸収剤、或いは酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウムの微粒子からなる無機系紫外線吸収剤が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。
本発明で用いられる紙基材は無地でも印刷インキによる絵柄層を有していても良い。紙基材に対し、本発明の活性エネルギー線硬化型ワニス組成物は膜厚3μm〜10μm程度にて塗布することが好ましい。塗布量が少なすぎると十分な性能が得られず、また多すぎると塗膜が硬化不良を起こす、紙基材への追随性が失われるなどして十分な塗膜性能が得られない。また、積算光量は50mJ/cm2以上にて塗膜を硬化することが好適である。積算光量が不足すると塗膜の硬化不良により十分な塗膜性能が得られない。
本発明に用いられる紙基材の種類としては、特に限定されず、コートボール紙、アート紙、ポリエチレンコート紙、マットコート紙等が用いられる。印刷インキとしては、従来から使用されているオフセット印刷用インキなどが例示できる。
本発明の活性エネルギー線硬化型ワニス組成物の塗布方法としては、グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピンコート、ロールコート、リバースロールコート、キスコート、ディップコート、シルクスクリーンコート、ワイヤーバーコート、フローコート、コンマコート、かけ流しコート、スプレーコート等の公知の手段が適用できる。好ましくは、溶剤希釈を必要としない手段である。溶剤希釈して使用する場合はポリオレフィンフィルムを重ね合わせる前に塗布面の溶剤を十分乾燥、揮発させる必要がある。
紙基材上に、活性エネルギー線硬化性ワニス組成物を塗布後、該塗布面にポリオレフィンフィルムを貼り合わせられる。
本発明に用いられるポリオレフィンフィルムは、後の工程で剥離され繰り返し使用できる。当該オレフィンフィルムは、美粧性を有する事が好ましく、このようなポリオレフィンフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレンなどが使用できる。ポリオレフィンフィルムの表面形状としては、平面柄やホログラム柄、エンボス柄などが用いられる。
ポリオレフィンフィルムは、公知のラミネーターを用いて貼り合わせすることができる。
本発明で言う活性エネルギー線とは、電子線、紫外線あるいはγ線の如き、電離性放射線や電磁波などを総称するものである。
ポリオレフィンフィルムを貼り合わせた積層体(紙基材/ワニス組成物/ポリオレフィンフィルム)は、ポリオレフィンフィルム側より、ポリオレフィンフィルムを透して活性エネルギー線を照射され、ワニス組成物が活性エネルギー線硬化される。
ワニス組成物硬化後、ポリオレフィンフィルムが剥離され、高光沢化する表面加工された積層体が得られる。
(合成例1)
1000ml四つ口フラスコに、スターラー、窒素導入管、コンデンサー、滴下ロートをセットし、酢酸エチル300重量部をフラスコに加え、窒素ガスをバブリングしながら加熱還流した。滴下ロートに、スチレン65重量部、メチルメタクリレート20重量部、ステアリルメタクリレート15重量部及び重合開始剤として、2,2´‐アゾビス(2‐メチルプロピオニトリル)4重量部を混合溶解したものを入れ、約2時間かけ80℃加熱還流させた状態で、滴下した。滴下後、さらに4時間加熱還流し、重量平均分子量10,000のスチレン−アクリル樹脂(A1)を得た。
スチレン系単量体(a1)、(メタ)アクリル酸エステル単量体(a2)の種類と配合比を表1のように調整し、目的の重量平均分子量になるように、重合開始剤の使用量を適宜調整して、分子量の異なるスチレン‐アクリル樹脂(A2)〜(A11)を合成した。組成、重量平均分子量を表1に示す。
スチレン−アクリル樹脂(A1)に対し、下記のように重合性単量体(B)、重合開始剤(C)、ワックス(D)、増感剤(E)を配合し系内が均一になるように撹拌して活性エネルギー線硬化型ワニス組成物(ワニス1)を得た。
[重合性単量体(B)]
B1:トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、48重量%
B2:トリメチロールプロパン(EO)変性トリアクリレート(TMP(EO)3TA)、31重量%
[重合開始剤(C)]
C1:α‐ヒドロキシシクロヘキシルアセトフェノン、4重量%、
[ワックス(D)]
D1:BYK‐333(ビックケミー・ジャパン社製、シリコーン系添加剤)、1重量%
[増感剤(E)]
E1:N‐tブチル‐N,N‐ジエタノールアミン、1重量%
尚、支持基材である紙基材としては、アート紙(王子製紙社製)を用いた。印刷インキとしてはTK NEX NV−T(東洋インキ社製 油性オフセットインキ)を用いた。ワニスの塗布は紙基材、および紙基材に前記印刷インキを印刷した印刷物の印刷面に行なった。貼り合わせたポリオレフィンフィルムは平滑なもの、ホログラム柄を有するものそれぞれを用いた。
実施例2〜28、比較例1〜19においては表2,3,4の配合により、実施例1と同じ方法でワニス2〜47を得た。ワニス2〜47を用い、実施例1と同一条件で平滑、およびホログラム柄を有するポリオレフィンフィルムを用いてそれぞれの積層体を得た。なお、実施例18の硬化方法は、電子線照射装置で125kV、3Mrad、酸素濃度100ppm以下の条件で電子線(EBと略す)を照射し硬化させた。また、実施例19の硬化方法は、実施例1と同じく紫外線硬化であるが、紫外線の光源がLED(松下電工株式会社製LED方式SPOT型紫外線照射装置AICURE、ランプヘッドANUJ61524)のものを用いた。
(実施例29)
実施例29においては、紙基材にコートボール紙(北越紀州製紙社製)を用いた以外は、実施例1と同様な方法でワニス4を使用し、更に積層体を作成した。
実施例、比較例に用いた重合性単量体(B)、重合開始剤(C)、ワックス(D)、増感剤(E)を下記に記す。
B1:トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)
B2:EO3変性トリメチロールプロパントリアクリレート(TMP(EO)3TA)
B3:1,6‐ヘキサンジオールジアクリレート(1,6−HDDA)
B4:アクリロイルモルホリン(ACMO)
[重合開始剤(C)]
C1:α‐ヒドロキシシクロヘキシルアセトフェノン
C2:ジフェニル‐2,4,6‐トリメチルベンゾイルフォスフィンオキサイド
[ワックス(D)]
D1:BYK−333
D2:BYK−307
D3:BYK−323
(いずれもビックケミー・ジャパン社製、シリコーン系添加剤)
[増感剤(E)]
E1:N‐ターシャリーブチル‐N,N‐ジエタノールアミン
E3:N‐メチル‐N‐エタノールアミン
E4:N‐エチル‐N‐エタノールアミン
E5:N‐エチル‐N,N‐ジエタノールアミン
E6:N‐ブチル‐N,N‐ジエタノールアミン
E7:N,N‐ジイソプロピル‐N‐エタノールアミン
E8:N,N‐ジメチル‐N‐エタノールアミン
E9:N,N‐ジエチル‐N‐エタノールアミン
E10:N,N‐ブエチル‐N‐エタノールアミン
E11:N‐(β‐アミノエチル)‐N‐エタノールアミン
E12:N,N‐ジエチル‐N‐イソプロパノールアミン
E13:N‐ターシャリーブチル‐N‐エタノールアミン
E14:N,N‐ジメチル‐N‐プロパノールアミン
E15:ジメチル‐2‐(2’‐ヒドロキシエトキシ)‐エチルアミン
E16:2‐(ジメチルアミノ)‐2‐メチル‐1‐プロパノール
平滑なポリオレフィンフィルムを用いて積層体を作成。作成1日後、塗工面に刃物で支持紙基材に達するまでの深さまで傷を付け、その上にセロハンテープを貼り合わせ、基材の垂直方向に勢いよく剥がした。塗工面の剥離面積とセロハンテープ接着面積から、剥離した割合を判定基準とした。実用レベルは4以上である。
(判定基準)
5:剥離無し
4:剥離が約5%未満
3:剥離が約5%以上約50%未満
2:剥離が約50%以上約80%未満
1:剥離が約80%以上
C型乾燥試験機にて、評価用油性オフセット印刷物の紙上でのインキ乾燥時間を測定した。ここで計測された、乾燥に要する時間の1時間前の未乾燥なオフセット印刷物に対し、ワニス1〜49をそれぞれ塗工し、平滑なポリオレフィンフィルムを用いて積層体を作成。作成直後にセロハンテープを貼り合わせ、印刷物の垂直方向に勢いよく剥がした。塗工面の剥がれ具合を評価した。実用レベルは4以上である。
(判定基準)
5:剥離無し
4:ワニス〜オフセットインキ層のいずれかの界面にて約5%未満の剥離
3:ワニス〜オフセットインキ層のいずれかの界面にて約5%以上約50%未満の剥離
2:ワニス〜オフセットインキ層のいずれかの界面にて約50%以上約80%未満の剥離
1:ワニス〜オフセットインキ層のいずれかの界面にて約80%以上の剥離
平滑なポリオレフィンフィルムを用いて積層体を作成。作成1日後にMEKを浸み込ませた綿棒で積層体の塗工面を50回擦り、塗膜の侵食具合を目視で評価した。実用レベルは4以上である。
(判定基準)
5:侵食無し
4:侵食が約5%未満
3:侵食が約5%以上約50%未満
2:侵食が約50%以上約80%未満
1:侵食が約80%以上
平滑なポリオレフィンフィルムを用いて積層体を作成。光沢計(ビッグ・ケミー社製micro-TRI-gloss)にて塗工直後と1日後の光沢値を60°反射角で測定した。実用レベルは85以上である。
ホログラム柄を有するポリオレフィンフィルムを用い、ホログラム柄を転写させた積層体を作成。塗工面のギラつき具合を目視にて評価した。実用レベルは4以上である。
(判定基準性)
5:かなりギラつく
4:ギラつく
3:ややギラつく
2:若干ギラつく
1:ギラつかない
平滑なポリオレフィンフィルムを用いて積層体を作成。塗工1日後に、積層体の塗工面/塗工面を重ね合わせ、学振型摩擦試験機を用い500g荷重にて300回の摩擦を行い、塗工面の傷や取られ具合を評価した。実用レベルは4以上である。
(判定基準)
5:傷、取られ無し
4:傷、取られが約5%未満
3:傷、取られが約5%以上約50%未満
2:傷、取られが約50%以上約80%未満
1:傷、取られが約80%以上
調製したワニス1〜49を各100gずつ、遮光瓶に入れて密閉し70℃の恒温層にて1週間保管。調製直後からの各ワニスの状態変化を、(1)粘度変化、(2)相分離、(3)変色の点で評価した。実用レベルは4以上である。
(判定基準)
5:調製直後と同等、(1)〜(3)のいずれも変化が無い。
4:(1)ザーンカップ#5で3秒以内。(2)軽い振とうで均一系に戻る程度。(3)ワニスの状態で僅かな淡黄変が確認できるが、ワニス塗工物の変色は無い。
3:(1)ザーンカップ#5で4〜5秒。(2)強い振とうで均一系に戻る程度。(3)ワニスの状態で黄変が確認できるが、ワニス塗工物の変色は無い。
2:(1)ザーンカップ#5で6〜15秒。(2)撹拌機の使用で均一系に戻る程度。(3)ワニスの黄褐色化がすぐに確認できるが、ワニス塗工物の変色は無い。
1:(1)ザーンカップ#5で16秒以上。(2)撹拌機しても分離がほとんど戻らない。(3)ワニスの褐色化がすぐに確認できる。もしくはワニス塗工物が淡黄色〜褐色になる。
Claims (3)
- 紙基材上に、活性エネルギー線硬化性ワニス組成物を塗布し、該塗布面にポリオレフィンフィルムを貼り合わせ、該ポリオレフィンフィルムを透して活性エネルギー線を照射して前記塗布面のワニス組成物を硬化させ、その後に該ポリオレフィンフィルムを剥離させることを特徴とする積層体の製造方法であって、
前記活性エネルギー線硬化性ワニス組成物が、下記の1)〜5)であることを特徴とする積層体の製造方法。
1)活性エネルギー線硬化性ワニス組成物が、スチレン−アクリル樹脂(A)15〜35重量%、重合性単量体(B)50〜80重量%、光重合開始剤(C)0〜20重量%、ワックス(D)0.1〜10重量%および増感剤(E)0.1〜5重量%を含む。
2)スチレン−アクリル樹脂(A)が、スチレン系単量体(a1)65〜95重量%と(メタ)アクリル酸エステル単量体(a2)5〜35重量%とを共重合させてなり、かつ重量平均分子量6000〜14000である。
3)重合性単量体(B)が、分子内に(メタ)アクリロイル基を少なくとも1個有する単量体である。
4)ワックス(D)が、シリコーン系および高分子系ワックスから選ばれる1種類以上である。
5)増感剤(E)が、N−ターシャリーブチル−N,N−ジエタノールアミン(E1)、N−メチル−N−エタノールアミン(E3)、N−エチル−N−エタノールアミン(E4)、N−エチル−N,N−ジエタノールアミン(E5)、N−ブチル−N,N−ジエタノールアミン(E6)、およびN,N−ジイソプロピル−N−エタノールアミン(E7)から選ばれる1種以上である。 - (メタ)アクリル酸エステル単量体(a2)が、炭素数1〜18の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルであることを特徴とする請求項1記載の積層体の製造方法。
- 紙基材が、印刷インキによる絵柄層を有する請求項1または2記載の積層体の製造方法。
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