JP2023045494A - 活性エネルギー線硬化性組成物および印刷物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性組成物および印刷物 Download PDF

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克行 植木
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Abstract

【課題】本発明は、光沢値、転落角、耐擦傷性、金属薄膜転写適性および印刷物外観に優れ、更に環境負荷の少ない活性エネルギー線硬化性組成物および印刷物を提供することを課題とする。【解決手段】重合性基を有する化合物(A)、重合性基を有さない樹脂(B)、表面調整剤(C)および、媒体(D)を含む活性エネルギー線硬化性組成物であって、前記組成物の表面張力が、25mN/m以上であり、かつ、前記組成物の硬化塗膜の表面自由エネルギーが、27mJ/m2以上である活性エネルギー線硬化性組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化性組成物に関する。特に、紙基材の表面を保護、かつ意匠性を付与できる特徴を有し、さらに後加工適性に優れた活性エネルギー線硬化性組成物およびそれを用いた印刷物に関する。
本の表紙や紙袋、紙器製品は、印刷インキで装飾した後、印刷面の保護や意匠性の付与を目的として、オーバープリントワニスが塗工されている。特に近年では生産性向上の観点から、養生期間を要する熱硬化型に代わり、塗工後すぐに硬化できる活性エネルギー線硬化型も用いられるようになってきている(特許文献1及び2)。
また、オーバープリントワニス硬化後、さらに意匠性を高めたり、加工を行ったりするような後加工適性も求められている。
後加工適性のひとつである金属薄膜転写は、文字や図案を彫刻した金属版(押し型)を加熱して、金箔、銀箔、色箔等の箔フィルムを、印刷物の表面に該金属版で圧着し、箔による文字や図案を印刷物に付加する金属薄膜転写は印刷物に高級感を与える方法として広く用いられている(特許文献3)。
しかしながら、オーバープリントワニスとしては、有機溶剤を用いたものが広く用いられている。こういった有機溶剤は、作業環境や安全衛生面などの環境負荷において課題であった。その点、有機溶剤の代わりにアルコールや水といった水系媒体を用いる水性化も考えられるが、水系媒体では水溶性、相溶性の問題からワニス化の調製が難しく、使用できる材料が限定されてしまう。その結果、活性エネルギー線硬化性組成物に求められる、表面の滑り性、耐擦傷性といった表面保護性能や高光沢のような意匠性、さらに金属薄膜転写適性のすべてを満足させるのは困難であった。
特開2002-308935号公報 特開2012-136618号公報 特開2008-19307号公報
本発明は、光沢値、転落角、耐擦傷性、金属薄膜転写適性および印刷物外観に優れ、更に環境負荷の少ない活性エネルギー線硬化性組成物および印刷物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の目的を達成する為に鋭意検討した結果、下記活性エネルギー線硬化性組成物を使用することにより、上記課題を全て解決することを見出し、本発明を成すに至った。
すなわち、本発明は、重合性基を有する化合物(A)、重合性基を有さない樹脂(B)、表面調整剤(C)および、媒体(D)を含む活性エネルギー線硬化性組成物であって、
前記組成物の表面張力が、25mN/m以上であり、かつ、前記組成物の硬化塗膜の表面自由エネルギーが、27mJ/m以上である活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
また、本発明は、媒体(D)が、水および/またはアルコールを含む、上記活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
また、本発明は、重合性基を有する化合物(A)が、ポリオキシアルキレン構造を有する単量体(a)を含む、上記活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
また、本発明は、重合性基を有さない樹脂(B)が、水性アクリル樹脂、および水性スチレンアクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、上記活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
また、本発明は、重合性基を有さない樹脂(B)の重量平均分子量が、1500~50000であり、酸価が、100~300mgKOH/gである、上記活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
また、本発明は、表面調整剤(C)が、シリコーン系化合物である、上記活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
また、本発明は、表面調整剤(C)の含有量が、重合性基を有する化合物(A)および重合性基を有さない樹脂(B)の合計に対して0.1~3質量%である、上記活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
また、本発明は、媒体(D)が、炭素数6以下のアルコールおよび/または水を含む、上記活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
また、本発明は、基材上に、上記活性エネルギー線硬化性組成物から形成された表面被覆層を有する印刷物に関する。
本発明により、光沢値、転落角、耐擦傷性、金属薄膜転写適性および印刷物外観に優れ、更に環境負荷の少ない活性エネルギー線硬化性組成物および印刷物を提供することを可能とした。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
活性エネルギー線硬化性組成物を単に「組成物」と記載する場合があるが同義である。
本発明は、重合性基を有する化合物(A)、重合性基を有さない樹脂(B)、表面調整剤(C)および、媒体(D)を含む活性エネルギー線硬化性組成物であって、
組成物の表面張力は25mN/m以上であり、かつ、硬化塗膜の表面自由エネルギーが27mJ/m2以上であることが必要である。この条件にすることで、光沢値、転落角、耐擦傷性、金属薄膜転写適性をすべて満足することができる。
組成物の表面張力を25mN/m以上とするため、及び、または硬化塗膜の表面自由エネルギーを27mJ/m2以上とするためには、例えば、表面調整剤(C)の種類及び添加量を調整するなどの方法がある。
(重合性基を有する化合物(A))
本発明における重合性基を有する化合物(A)としては、化合物(A)の分子内に(メタ)アクリロイル基その他の重合性基を1個または複数有する単量体が挙げられる。当該単量体は、モノマーあるいはオリゴマーなどでもよい。本発明において、単量体とは、モノマーおよびオリゴマー両方を含むものとする。
分子内に(メタ)アクリロイル基を少なくとも1個有するモノマーとしては、例えば、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート;ベンジルメタクリレート、ベンジルアクリレートなどのアラルキル(メタ)アクリレート;ブトキシエチルメタクリレート、ブトキシエチルアクリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルの(メタ)アクリル酸エステル;ヘキサエチレングリコールモノフェニルエーテルなどのポリアルキレングリコールモノアリールエーテルの(メタ)アクリル酸エステル;その他イソボニル(メタ)アクリレート;グリセロール(メタ)アクリレート;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどがある。
分子内に(メタ)アクリロイル基を2個有するモノマーとしては、例えば、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどがある。後述するポリオキシアルキレン構造を有する単量体(a)として、上述したアクリレートをエチレンオキサイド(EO)又はプロピレンオキサイド(PO)で変性されたものなども使用でき、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレートなどが例示できる。
分子内に(メタ)アクリロイル基を3個以上有するモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどがある。後述するポリオキシアルキレン構造を有する単量体(a)として、上述したアクリレートをエチレンオキサイド(EO)又はプロピレンオキサイド(PO)で変性されたものなども使用でき、トリメチロールプロパン(EO)変性トリ(メタ)アクリレートなどが例示できる。
分子内に(メタ)アクリロイル基を少なくとも1個有するオリゴマーとしては、上記モノマーの1種または2種以上を適宜重合させて得られたものを用いることができる。
上記、重合性基を有する化合物(A)は、上述のモノマー及びオリゴマーを単独で使用しても複数のものを組み合わせて使用してもよい。
(ポリオキシアルキレン構造を有する単量体(a))
本発明で用いる重合性基を有する化合物(A)は、ポリオキシアルキレン構造を有する単量体(a)を含むことが好ましい。
ポリオキシアルキレン構造を有する単量体(a)として、上述した単量体をエチレンオキサイド(EO)又はプロピレンオキサイド(PO)で変性された、2-エチルヘキシル(EO)変性アクリレートなどが例示できる。中でも好ましくはエチレンオキサイド(EO)変性のものである。
(重合性基を有さない樹脂(B))
本発明における重合性基を有さない樹脂(B)としては、ウレタン樹脂、アクリル(ポリオール)樹脂、エステル樹脂、アミド樹脂、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、スチレン(共重合)樹脂(例えば、スチレンマレイン酸樹脂、スチレンアクリル樹脂)等が挙げられ、これらに限定されない。また、これらの樹脂は、単独で使用しても複数のものを組み合わせて使用してもよい。
ただし、上記重合性基を有する化合物(A)に該当する場合を除く。
中でも好ましくは、水性アクリル樹脂、水性スチレンアクリル樹脂である。(前記水性アクリル樹脂は、水性スチレンアクリル樹脂である場合を含まない。)
上記水性アクリル樹脂としては星光PMC社製のVS-1202、RS-1190、三菱ケミカル社製のダイヤナールBR-605、などが挙げられ、水性スチレンアクリル樹脂としては、BASF社製のJoncryl678、Joncryl67、星光PMC社製のVS-1047、US-1071、などが挙げられる。
本発明における重合性基を有さない樹脂(B)の、重量平均分子量は1500~50000であると印刷インキとの密着性や印刷時の塗工適性において好ましく、5000~30000であるとなお好ましい。また酸価は100~300mgKOH/gのものがワニス化の際の溶解性や塗工膜の耐水性の点で好ましく、150~250mgKOH/gであるとなお好ましい。
上記重合性基を有する化合物(A)と、重合性基を有さない樹脂(B)との質量比は65:35~85:15であることが好ましく、70:30~80:20であることがなお好ましい。また、組成物総質量中に、重合性基を有する化合物(A)と重合性基を有さない樹脂(B)は合計で40~70質量%含まれることが好ましく、45~65質量%含まれることがなお好ましい。
(表面調整剤(C))
本発明における表面調整剤(C)としては、シリコーン系化合物、アクリル系化合物、その他公知の添加剤を用いることが出来る。シリコーン系化合物であれば、例えばポリエーテル変性シロキサン、ポリエステル変性シロキサン等が挙げられる。アクリル系であれば、例えばアクリル共重合物が挙げられる。これらは、単独で使用しても複数のものを組み合わせて使用してもよい。
表面調整剤(C)は、重合性基を有する化合物(A)および重合性基を有さない樹脂(B)の合計に対して0.1~3質量%用いると、表面保護性能と印刷物表面の意匠性のバランスが取れて好ましい。
上記シリコーン系化合物としてはBYK社製のBYK-322、BYK-326、Evonik Industries社製のTEGO Glide100、TEGO Glide440、などが挙げられ、アクリル系化合物としては、BYK社製のBYK-350、BYK-356、BYK-381、BYK-3440、などが挙げられる。
(媒体(D))
本発明における媒体(D)としては、水および/またはアルコールなどの有機溶剤が好ましい。有機溶剤は、水と混ざり合うものが好ましい。当該有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のグリコールモノエーテル類あるいはそのエステル類、及びグリコールジエーテル類等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。媒体(D)は、炭素数6以下のアルコールおよび/または水を含むことが好ましく、環境面及び安全衛生面から好適である。
(活性エネルギー線硬化)
基材上で、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を、公知の方法で活性エネルギー線硬化させることで表面被覆層形成することができる。
本発明で言う活性エネルギー線とは、電子線、紫外線あるいはγ線等の電離性放射線や電磁波などを総称するものである。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物には、必要に応じて、光重合開始剤、スリップ剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、抗菌剤、防かび剤等を配合することができる。
上記光重合開始剤は、1種又は2種以上を用いることができる。光重合開始剤は組成物全体に対し0~20質量%用いる。光重合開始剤は電子線で硬化させる際には不要であり、またLED光源の紫外線により硬化させる場合には組成物全体に対し10~20質量%必要とする。一般光源の紫外線により硬化させる場合には0.1~10質量%が好ましい。
光重合開始剤としては、活性エネルギー線照射によって、容易に開裂して2個のラジカルができる光開裂型または水素引き抜き型、あるいはこれらを混合して使用することができる。これらの化合物としては、例えば、アセトフェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、p-ジメチルアミノアセトフェノン、ベンゾフェノン、2-クロロベンゾフェノン、p,p’-ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインn-プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインn-ブチルエーテル、ベンゾインジメチルケタール、チオキサントン、p-イソプロピル-α-ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2,4,6,-トリメチルベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタノン、ジフェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
スリップ剤としては、シリコーン系、高分子ワックス系のものが挙げられ、例えばポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンやアマイド、カルナバなどが用いられる。これらは、単独で使用しても複数のものを組み合わせて使用してもよい。
紫外線吸収剤としては、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等の有機系紫外線吸収剤、或いは酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウムの微粒子からなる無機系紫外線吸収剤が挙げられる。
光安定剤としては、HALS(ヒンダードアミン系光安定剤)が挙げられる。ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)セバケート、1-(メチル)-8-(1,2,2,66-ペンタメチル-4-ピペリジニル)セバケート、デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)エステル、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)-[[3,5-ビス1,1-ジメチルエチル]-4-ヒドロキシフェニル]メチル-ブチルマロネート、コハク酸ジメチル-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン重縮合物等が挙げられる。
これらの紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤(HALS)は、組成物中に任意の量で添加されても良いが、コスト面から組成物の全量を基準として0.5~5質量%の範囲で添加されることが好ましい。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。
抗菌剤、防かび剤としては、銀系無機化合物、バイナジン、プリベントール、チエベンダドール、ベンズイミダゾール、チアゾリルスルファミド化合物等が挙げられる。帯電防止剤としては、アルキルアミンサルフェート型、第4級アンモニウム塩型、ピリジニウム塩型等の陽性イオン型、アルキルベタイン型、アルキルイミダゾリン型等の両性イオン型がある。特に第4級アンモニウム塩型が好ましく、その例として低分子の界面活性剤、第4級アンモニウム塩基含有のアクリレート共重合体がある。
その他、着色剤、滑剤、充填剤、潜在性硬化剤、難燃剤、可塑剤等を配合することもできる。
(印刷物)
本発明の印刷物は、基材上に活性エネルギー線硬化性組成物を印刷(塗工)し、活性エネルギー線にて塗膜を硬化させることで得られる。
基材の種類としては、紙が好ましく、紙であれば特に限定されず、コートボール紙、アート紙、ポリエチレンコート紙、マットコート紙等が用いられる。
基材は、印刷インキによるインキ層を形成したものでもよい。
前記印刷インキとしては、従来から使用されているグラビア印刷用インキ、オフセット印刷用インキなどを用いることができる。
(印刷)
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の印刷(塗工)方法としては、グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピンコート、ロールコート、リバースロールコート、キスコート、ディップコート、シルクスクリーンコート、ワイヤーバーコート、フローコート、コンマコート、かけ流しコート、スプレーコート等の公知の手段が適用できる。適宜、組成物を媒体で希釈、塗工後には熱乾燥を行う。
以下に実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。特に断らない限り、質量単位である。
<表面張力>
協和界面科学製の装置を用い、Wilhelmy法にて、活性エネルギー線硬化性組成物の表面張力を測定した。
<表面自由エネルギー>
協和界面科学製の装置を用い、液体試料3種(水、n-ヘキサデカン、ジヨードメタン)にて、活性エネルギー線硬化性組成物の印刷物表面の接触角を測定し、表面自由エネルギーを下記計算式(1)に従い算出した。
計算式(1)
Figure 2023045494000001
Figure 2023045494000002
(実施例1)
媒体(D)としてイソプロピルアルコール(IPA)を用いて、下記重合性基を有さない樹脂(B)を溶解し、下記の配合になるよう混合溶解を行うことにより、活性エネルギー線硬化性組成物(組成物1)を得た。
[重合性基を有する化合物(A)]
A1:トリメチロールプロパントリエチレンオキサイドトリアクリレート 30部
A4:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA) 8部
[重合性基を有さない樹脂(B)]
B1:水性アクリル樹脂(重量平均分子量9000/酸価210) 20部
[表面調整剤(C)]
C1:BYK-322(ビックケミー・ジャパン社製、シリコーン系化合物) 1部
[媒体(D)]
D1:イソプロピルアルコール 33部
[その他添加剤]
ポリエチレンワックス 1部
[開始剤]
α-ヒドロキシシクロヘキシルアセトフェノン 7部
次に、紙基材に印刷インキで印刷した該印刷面に上記組成物1を3g/cmの塗布量となるように塗布し、オーブンにて熱乾燥後、紫外線(高圧水銀ランプ、120W/cm、コンベアースピード20m/min、露光量60mJ/cmに設定)を塗膜に照射して硬化させることにより、当該印刷物を得た。
(実施例2~24、比較例1~3)
実施例2~24、比較例1~3で用いた活性エネルギー線硬化性組成物の配合を表1に示す。重合性基を有する化合物(A1~A5)、重合性基を有さない樹脂(B1~B9)、表面調整剤(C1~C5)、媒体(D1~D3)及び開始剤、その他添加剤を用いて組成物2~27を得た。
[重合性基を有する化合物(A)]
A2:トリプロピレングリコールジアクリレート
A3:トリメチロールプロパンヘキサエチレンオキサイドトリアクリレート(トリメチロールプロパン6(EO)トリアクリレート)
A4:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)
A5:ペンタエリスリトールトリアクリレート(PET3A)
[重合性基を有さない樹脂(B)]
B2:水性アクリル樹脂(重量平均分子量13000/酸価200)
B3:水性アクリル樹脂(重量平均分子量19000/酸価40)
B4:水性スチレンアクリル樹脂(重量平均分子量10000/酸価240)
B5:水性スチレンアクリル樹脂(重量平均分子量10000/酸価75)
B6:水性スチレンアクリル樹脂(重量平均分子量50000/酸価228)
B7:水性スチレンアクリル樹脂(重量平均分子量1700/酸価240)
B8:水性スチレンアクリル樹脂(重量平均分子量75000/酸価164)
B9:水性ポリエステル樹脂(重量平均分子量15000/酸価3)
[表面調整剤(C)]
C2:BYK-325N(ビックケミー・ジャパン社製、シリコーン系化合物)
C3:BYK-333(ビックケミー・ジャパン社製、シリコーン系化合物)
C4:BYK-377(ビックケミー・ジャパン社製、シリコーン系化合物)
C5:BYK-356(ビックケミー・ジャパン社製、アクリル系化合物)
[媒体(D)]
D2:イソプロピルアルコール/水= 70/30(質量比)混合体
D3:酢酸エチル
組成物2~27を用い、実施例1と同一条件にて印刷物を得た。尚、実施例19の硬化方法は、電子線照射装置で125kV、3Mrad、酸素濃度100ppm以下の条件で電子線を照射した。また、実施例20の硬化方法は、実施例1と同じく紫外線硬化であるが、紫外線の光源がLED(松下電工株式会社製LED方式SPOT型紫外線照射装置AICURE、ランプヘッドANUJ61524)のものを用いた。
上述の方法にて得られた組成物については表面張力の測定を行い、得られた印刷物については光沢、転落角、耐擦傷性、金属薄膜転写適性、印刷物外観の評価、及び表面自由エネルギーの測定を行った。
評価方法、及び測定方法を下記に示す。評価結果を表1に示す。
<光沢(グロス)>
光沢計(ビック・ケミー社製micro-TRI-gloss)にて印刷物表面の光沢値を60°反射角で測定した。尚、実用範囲は光沢値70以上である。
<転落角>
塗工1日後、印刷物の塗工面/塗工面を重ね合わせ、摩擦測定機(株式会社東洋精機製作所製AN)にて荷重1000gで徐々に傾斜をつけていき、滑り始める角度を測定した。 尚、実用範囲は傾斜角20~45°である。
<耐擦傷性>
塗工1日後、印刷物の塗工面/塗工面を重ね合わせ、学振型摩擦試験機を用い荷重500gにて300回の摩擦を行い、塗工面の傷や取られ具合を評価した。尚、実用レベルは2以上である。
(判定基準)
3:傷、取られ無し
2:傷、取られ、ともにほとんど無し
1:傷、取られ有り
<金属薄膜転写適性>
塗工1日後、ホットスタンプ(ナビタスマシナリー株式会社製MP-10B)を用い、金属箔押し用テープ(シャインホイル)を印刷物の塗工面に100℃~120℃で熱圧着させた後、圧着した箔にセロハンテープを張り付けてからはがすことで、金属箔の密着度合いを評価した。尚、実用レベルは2以上である。
(判定基準)
3:箔の取られ無し
2:箔の取られほぼ無し
1:箔の取られ有り
<印刷物外観>
印刷物の表面に見られる表面調整剤や添加剤の浮きやはじきの状態について、目視にて評価した。尚、実用レベルは2以上である。
(判定基準)
3:浮きやはじき無し
2:浮きやはじきほぼ無し
1:添加物の浮きやはじき有り
比較例1~3はいずれも表面調整剤であるシリコーン系化合物を含む。しかし、比較例1では、重合性基を有さない樹脂(B)を含まず、対応する組成物の表面張力は25mN/m以上、表面自由エネルギーは27mJ/m以上となり、印刷物の光沢、転落角および耐擦傷性については問題がないが、金属薄膜転写適性が得られなかった。比較例2では、当該シリコーン系化合物の添加量では、組成物の表面張力が25mN/m未満であり、比較例1と同様に金属薄膜転写適性が得られなかった。比較例3においては、当該シリコーン系化合物の添加量では、組成物の表面張力が25mN/m未満、印刷物の表面自由エネルギーが27mJ/m未満であり、転落角が実用範囲から外れ、金属薄膜転写適性が得られなかった。
以上のように、表面調整剤の種類または添加量を、本発明で規定する表面張力および表面自由エネルギーとなるよう調整することにより、すべての課題を解決することが確認された。
Figure 2023045494000003
Figure 2023045494000004

Claims (9)

  1. 重合性基を有する化合物(A)、重合性基を有さない樹脂(B)、表面調整剤(C)および、媒体(D)を含む活性エネルギー線硬化性組成物であって、
    前記組成物の表面張力が、25mN/m以上であり、かつ、前記組成物の硬化塗膜の表面自由エネルギーが、27mJ/m以上である活性エネルギー線硬化性組成物。
  2. 媒体(D)が、水および/またはアルコールを含む、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  3. 重合性基を有する化合物(A)が、ポリオキシアルキレン構造を有する単量体(a)を含む、請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  4. 重合性基を有さない樹脂(B)が、水性アクリル樹脂、および水性スチレンアクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1~3の何れかに記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  5. 重合性基を有さない樹脂(B)の重量平均分子量が、1500~50000であり、酸価が、100~300mgKOH/gである、請求項1~4の何れかに記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  6. 表面調整剤(C)が、シリコーン系化合物である、請求項1~5の何れかに記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  7. 表面調整剤(C)の含有量が、重合性基を有する化合物(A)および重合性基を有さない樹脂(B)の合計に対して0.1~3質量%である、請求項1~6の何れかに記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  8. 媒体(D)が、炭素数6以下のアルコールおよび/または水を含む、請求項1~7の何れかに記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  9. 基材上に、請求項1~8の何れかに記載の活性エネルギー線硬化性組成物から形成された表面被覆層を有する印刷物。
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