JP2006192634A - インク受容層形成用活性エネルギー線硬化型組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】9.0〜16.0[cal/cm3]1/2の溶解度パラメーター(SP値)を持つアクリル単量体(a)、
第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基及び第4級アンモニオ基からなる群より選ばれる少なくとも1種を有するエチレン性不飽和単量体単位を必須構成単位として含有する高分子(b)、
無機微粒子(c)、
並びに9.0〜16.0[cal/cm3]1/2のSP値を持つエチレン性不飽和単量体(dd)からなる単位を必須構成単位として含有する架橋有機微粒子(d)
からなることを特徴とするインク受容層形成用活性エネルギー線硬化型組成物を用いる。
【選択図】なし
Description
即ち本発明のインク受容層形成用活性エネルギー線硬化型組成物の特徴は、9.0〜16.0[cal/cm3]1/2の溶解度パラメーター(SP値)を持つアクリル単量体(a)、
第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基及び第4級アンモニオ基からなる群より選ばれる少なくとも1種を有するエチレン性不飽和単量体単位を必須構成単位として含有する高分子(b)、
無機微粒子(c)、
並びに9.0〜16.0[cal/cm3]1/2のSP値を持つエチレン性不飽和単量体(dd)からなる単位を必須構成単位として含有する架橋有機微粒子(d)
からなることを要旨とする。
なお、本発明において、(メタ)アクリ・・・は、アクリ・・・及び/又はメタクリ・・・を意味する。また、SP値は、PolymerEngineer Science,vol.14,p.152に記載のFedorsの方法によって計算される値である。
アクリル単量体(a)としては、特開平10−330693号公報に記載されたSP値が11以上の不飽和単量体のうち(メタ)アクリロイル基を有するもの、及び特開平10−053608号公報に記載された極性基含有ビニルモノマー等が使用できる。
これらのアクリル単量体のうち、乾燥性の観点等から、一般式(1)で表されるN置換(メタ)アクリルアミドが好ましい。
アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、2−エチルヘキシル及びドデシル等が挙げられる。
含窒素飽和ヘテロ環としては、アジリジン環、ピロリジン環、ピペリジン環及びイミダゾリジン環等が挙げられる。
酸素及び窒素を含む飽和へテロ環としては、オキサゾリジン環及びモルホリン環等が挙げられる。
これらのヘテロ環を与えるR2とR3とが互いに結合して構成される二価の有機基としては、エチレン、ブチレン、ペンチレン、プロピレンアミノ、N−メチレンーN−エチレンアミン、エチレンオキシメチレン及びビス(エチレン)オキシ等が挙げられる。
2種以上の混合物の場合、一般式(1)で表されるN置換(メタ)アクリルアミドを含むことが好ましく、さらに好ましくはこのアミドを(a)の重量に基づいて1〜95重量%含有すること、さらに好ましくは10〜90重量%含有すること、特に好ましくは50〜85重量%含有することである。一般式(1)で表されるN置換(メタ)アクリルアミドを含むと、乾燥性がさらに良好となる。
これらの高分子のうち、乾燥性及び粘着性の観点等から、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、ビニルピロリドン/N−ビニルイミダゾール共重合体、ビニルピロリドン/ビニルカプロラクタム共重合体、ポリ(ビニルカプロラクタム)、ポリ(N−ビニルイミダゾール)、ビニルカプロラクタム/ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド/ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸共重合体、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド/ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸共重合体及びビニルピロリドン/N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリル酸共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、さらに好ましくはビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、ビニルピロリドン/N−ビニルイミダゾール共重合体及びビニルピロリドン/ビニルカプロラクタム共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィにより、分子量既知のポリエチレングリコールを標準物質として測定される。
シリカ微粒子としては、気相法シリカ微粒子及び湿式法シリカ微粒子のいずれでもよいが、乾燥性及び光沢性の観点等から、気相法シリカ微粒子が好ましく、さらに好ましくは50nm以下(好ましくは3〜40、さらに好ましくは4〜20、特に好ましくは5〜10)の平均1次粒子径を有する気相法シリカ微粒子である。
なお、平均1次粒子径は、測定試料を適当な分散媒(例えば、水、メタノール及びこれらの混合物)に分散させ、JIS Z8825−1−2001「粒子径解析−レーザー回折法−第1部」:測定原理に記載された測定原理を有するレーザー回折式粒度分布測定装置(例えば(株)島津製作所製SALD−1100、(株)堀場製作所製LA−920、日機装(株)製マイクロトラック粒度分布測定装置UPA−ST150等)等により測定される。
N−ビニルアミド(dd1)としては、ビニルピロリドン(SP値:12.4)及びビニルカプロラクタム(SP値:11.4)等が挙げられる。
ビニルエーテル(dd2)としては、エチレングリコールビニルエーテル(SP値:11.8)及びトリメチロールプロパンビニルエーテル(SP値:13.8)等が挙げられる。
N−ビニルアミン(dd3)としては、2−又は4−ビニルピリジン(SP値:9.3)及び2−メチル−5−ビニルピリジン(SP値:9.1)等が挙げられる。
ビニルエステル(dd4)としては、酢酸ビニル(SP値:9.0)等が挙げられる。
これらのエチレン性不飽和単量体のうち、アクリル単量体(a)及びN−ビニルアミド(dd1)が好ましく、さらに好ましくは(dd1)、特に好ましくはN−ビニルピロリドンである。
他の共重合単量体(e)としては、特開2004−082729号公報に記載された不飽和二重結合を有する単量体等が使用でき、2種類以上の単量体を併用することが出来る。なかでも芳香族ビニル類、及び(メタ)アクリル酸エステル類が好ましい。
1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和炭化水素基を有する単量体(f1)としては、特開2003−082191号公報に記載された架橋性ビニル単量体の他、二官能ビニルモノマー(メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ヘキサメチレンビス及び(メタ)アクリルアミド等)、三官能ビニルモノマー(1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−S−トリアジン、N,N−ジアリルアクリルアミド、及びトリアリルイソシアヌレート等)及び四官能ビニルモノマー(N,N,N′,N′−テトラアリル−1,4−ジアミノブタン、及びN,N,N’,N’−テトラアリルテレフタルアミド等)等が挙げられる。
架橋性官能基としては、アミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ基、カルボキシル基及びアルコキシ基等が挙げられる。これらの架橋性官能基を用いた架橋反応としては、イソシアナト基又はエポキシ基と、アミノ基、カルボキシル基又はヒドロキシル基との付加反応を伴う架橋反応、及びアルコキシ基同士の縮合(脱水)反応による架橋反応等が挙げられる。架橋性官能基と架橋反応可能な単量体(f2)としては、特開2003−313305号公報に記載された架橋性モノマー等が挙げられる。
構成単位として架橋剤(f)を含む場合、架橋剤(f)単位の含有量(重量%)は、エチレン性不飽和単量体(dd)単位の重量に基づいて、0.01〜20が好ましく、さらに好ましくは0.05〜10、特に好ましくは0.1〜7、最も好ましくは0.5〜5である。この範囲であると、乾燥性及び粘着性がさらに良好となる。
icross VI−M(架橋ビニルピロリドン/ビニルイミダゾール共重合体粒子)等
}、International Specialty Productsの商品{Polyplasdone(架橋ポリビニルピロリドン粒子)、Polyclar(架橋ポリビニルピロリドン粒子)、及びDivergan(架橋ポリビニルピロリドン粒子)等}等が好ましく挙げられる。
高分子(b)の含有量(重量%)は、(a)〜(d)の合計重量に基づいて、0.1〜50が好ましく、さらに好ましくは2.5〜45、特に好ましくは5〜40、最も好ましくは7〜35である。
無機微粒子(c)の含有量(重量%)は、(a)〜(d)の合計重量に基づいて、0.3〜30が好ましく、さらに好ましくは0.5〜27.5、特に好ましくは1.5〜20、最も好ましくは2.5〜10である。
架橋有機微粒子(d)の含有量(重量%)は、(a)〜(d)の合計重量に基づいて、0.3〜30が好ましく、さらに好ましくは0.5〜27.5、特に好ましくは1.5〜20、最も好ましくは2.5〜10である。
これらの範囲であると、光沢性と乾燥性がさらに良好となる。
単量体(f1)を含む場合、この含有量(重量%)は、(a)の合計重量に基づいて、0.1〜40が好ましく、さらに好ましくは0.3〜20、特に好ましくは0.5〜10である。この範囲であると、粘着性がさらに良好となる。
ラジカル開始剤(g1)及びカチオン開始剤(g2)としては、特開2004−352781号公報に記載されたラジカル開始剤及びカチオン開始剤等が使用できる。
これらの光重合開始剤(g)のうち、乾燥性及び粘着性の観点等から、ラジカル開始剤(g1)が好ましく、さらに好ましくはベンゾイル基含有ラジカル開始剤、モルフォニル基含有ラジカル開始剤及びリン原子含有ラジカル開始剤、特に好ましくはモルフォニル基含有ラジカル開始剤及びリン原子含有ラジカル開始剤である。
光増感剤(h)としては、特開2004−352781号公報に記載された光増感剤の他、トリn−ブチルホスフィン等のりん化合物等が使用できる。
これらの光増感剤(h)のうち、トリアルキリアミン及びジアルキルアミノフェニル光増感剤が好ましく、さらに好ましくはジアルキルアミノフェニル増感剤、特に好ましくは4,4’−ジアルキルアミノベンゾフェノンである。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良く、これらの熱重合開始剤(i)のうち、過酸化物(i1)が好ましい。
なお、熱重合開始剤(i)は、単独で含有してもよく、光重合開始剤(g)と共に含有してもよい。
アルコール(j1)としては、炭素数1〜10のアルコール等が使用でき、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル及びプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
エステル(j3)としては、炭素数4〜10のエステル等が使用でき、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
エーテル(j4)としては、炭素数4〜10のエーテル等が使用でき、エチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル及び1,4−ジオキサン等が挙げられる。
脂環式炭化水素(j6)としては、炭素数5〜10の脂環式炭化水素等が使用でき、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロペプタン、シクロオクタン、シクロノナン及びシクロデカン等が挙げられる。
脂肪族炭化水素(j7)としては、炭素数5〜10の脂肪族炭化水素等が使用でき、ペンタン、ヘキサン、ペプタン、オクタン、ノナン及びデカン等が挙げられる。
なお、溶剤(j)を含有する場合、この含有量(重量%)は、(a)〜(d)の合計重量に基づいて、1〜400が好ましく、さらに好ましくは10〜300、特に好ましくは20〜200である。
レベリング剤としては、塗料用として一般に使用されるレベリング剤が使用でき、そのようなレベリング剤としては、ポリオキシアルキレン化合物、シリコーンオイル等が挙げられる。
消泡剤としては塗料用として一般に使用される消泡剤が使用でし、そのような消泡剤としては、ソルビタンあるいはその脂肪酸エステルなどのノニオン活性剤、オクタノール,シクロヘキサノール,アセチレングリコールなどの高級アルコールやグリコール、シリカシリコーン,シリコーンコンパウンドなどのシリコーン消泡剤等が挙げられる。
保存安定化剤としては、ハイドロキノン、モノ−tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、p−tert−ブチルカテコール、ベンゾキノン、2,5−ジ−tert−ブチルベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、N‐ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、N‐ニトロソフェニルヒドロキシルアミンの金属塩、(ジ,トリス)ノニルフェニルフォスファイト等の重合禁止剤が挙げられる。
着色剤としては、酸化チタン、群青、紺青、亜鉛華、ベンガラ、黄鉛、鉛白、カーボンブラック、透明酸化鉄、アルミニウム粉などの無機顔料、アゾ顔料、トリフェニルメタン顔料、キノリン顔料、アントラキノン顔料、フタロシアニン顔料などの有機顔料などの顔料等が挙げられる。
抗菌剤としては、トリクロサン、クロルヘキシジン、ジンクピリチオン、クロルキシレノール等の有機抗菌剤や、銀ゼオライト、抗菌ガラス,リン酸ジルコニウム銀、銀錯体等の無機抗菌剤及び、キトサン、カテキン、ヒノキチオール、孟宗竹等の天延抗菌剤が挙げられる。
これらの種々のコーティング方法で得られるインク受容層付き基材のうち、乾燥性の観点等から、スクリーン印刷によって得られるインク受容層付き基材が好ましい。
インク受容層の厚みは、5〜100μmが好ましく、さらに好ましくは10〜80μm、特に好ましくは20〜50μmである。
表1に記載した材料を同表に記載した使用量で次のように均一混合して実施例1〜15及び比較例1〜4の活性エネルギー線硬化型組成物を得た。すなわち、c01〜c04及び/又はd01〜d04を除く各材料を空気雰囲気下40℃に温調し、この温度で混合攪拌(4時間)したのち、c01〜c04及び/又はd01〜d04を仕込み、空気雰囲気下40℃以下に保ちながら、高速ホモミキサー(日本精機製作所製エクセルオートホモジナイザー)を用いて回転数600rpmで2時間攪拌混合して、活性エネルギー線硬化型組成物1〜19を得た。なお、表1中のa01〜j01は以下の材料を意味し、使用量(数値)は重量部を意味する。
a02:4−ヒドロキシブチルアクリレート
a03:N−アクリロイルモルホリン
a04:2−ヒドロキシエチルアクリルアミド
a05:N−イソプロピルアクリルアミド
a06:N,N−ジメチルアクリルアミド
b01:BASF Corporation製Luvitec K−90(ポリビニルピロリドン)
b02:International Specialty Products製Viviprint300(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド/ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体の30重量%水溶液)
b03:BASF Corporation製LuvitecVPI55K72W(ビニルピロリドン/ビニルイミダゾール共重合体の20重量%水溶液)
b04:BASF Corporation製LuvitecVPC55K65W(ビニルピロリドン/ビニルカプロラクタム共重合体の30重量%水溶液)
c01:(株)トクヤマ製ファインシールX−37B(湿式法シリカ微粒子)
c02:CABOT Corporation製SpectrAl(アルミナ微粒子)
c03:日本アエロジル(株)製Aerosil50(気相法シリカ微粒子、一次平均粒子径:50nm)
c04:日本アエロジル(株)製Aerosil300(気相法シリカ微粒子、一次平均粒子径:7nm)
d01:BASF Corporation製Luvicross(架橋ポリビニルピロリドン粒子、体積平均粒子径:250μm)
d02:BASF Corporation製LuvicrossVI(架橋ビニルピロ
リドン/ビニルイミダゾール共重合体粒子、体積平均粒子径:250μm)
d03:BASF Corporation製LuvicrossM(架橋ポリビニルピロリドン粒子、体積平均粒子径:15μm)
d04:BASF Corporation製LuvicrossVI−M(架橋ビニル
ピロリドン/ビニルイミダゾール共重合体粒子、体積平均粒子径:15μm)
f11:共栄社化学(株)製ライトアクリレート4EG−A(PEG200#ジアクリレート)
f12:BASF Corporation製Laromer8812(アミン変性3官能アクリレート単量体)
g01:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
j01:エタノール
j02:イオン交換水
k01:ハイドロキノンモノメチルエーテル
コクヨ(株)製インクジェットプリンタ用OHPフィルム(品番VF−1100N)に、JIS K5400(1990)「3.3試験片の作成(7.5)バーコーター塗り」に記載されたバーコーターNo.18と同等のバーコーター(コーティングテスター工業製バーコーター18番)を用いて、インク受容層形成用活性エネルギー線硬化型組成物を塗工し、塗工面に紫外線(メタルハライドランプ)を照射することによって硬化した後(硬化条件は以下の通りである)、50℃の循風乾燥機で15分間乾燥することによって(実施例7で得た活性エネルギー線硬化型組成物については乾燥することなく、紫外線照射による硬化のみにより)、インク受容層を調製した。
紫外線硬化条件:コンベア式露光機{ウシオ電機(株)製ユニキュアUVC−02516S1AGM01}と超高圧水銀ランプ(ウシオ電機(株)製UVL−4001−N)とを用い、コンベア速度3m/分で500mJ/cm2の紫外線を照射した。
インク受容層の上にコクヨ製インクジェットプリンタ用OHPフィルム(品番VF−1100N)の裏面を重ね、円筒状の重り(重量:2kg、大きさ:直径15cmφ×高さ20cm)を乗せて気温40±2℃、湿度65±3%RHの調整された部屋に24時間放置した後、重りを外し、OHPフィルムの剥離度合いを以下の基準で評価し、これを粘着性とした。
○:インク受容層への粘着が全く無い。
△:インク受容層に弱く粘着はしているが、すぐに剥離する。
×:インク受容層に強く粘着しており、剥離する際に音をたてて剥離する。
インク受容層の60度鏡面光沢度を、JIS Z8741−1997に準拠して{日本電色工業(株)製、光沢計VGA−300A型}、入射角60度のときの光沢度を求めた。
レックスマーク社製のZ11カラープリンタ及び同プリンター用の純正インクを使用し、ブラックインクのベタ画像をインク受容層に印画し、印画部にPPC用紙を重ねて指で軽く圧着し、印刷されてからPPC用紙にインクが転写されなくなるまでの時間を計測した。なお、印字モードはOHPモードで、23℃、55%RHの環境の部屋で行った。
レックスマーク社製のZ11カラープリンタ及び同プリンター用の純正インクを使用し、イエローインク、マゼンタインク及びシアンインクを用いてそれぞれの色のベタ画像を隣接してインク受容層に印字し、隣接する各2色のベタ画像境界線の混色の度合い(にじみ)を目視観察し、以下の基準により評価し、これをにじみとした。なお、印字モードはOHPモードで、23℃、55%RHの環境の部屋で行った。
◎:すべての色について、2色が隣接しているベタ画像境界線が明瞭に判別でき、その境界線部分ににじみによる混色が全く見られない。
○:2色が隣接しているベタ画像境界線は明瞭に判別できるが、一部の色について、部分的に小さなにじみによる混色が見られる。
△:2色が隣接しているベタ画像境界線の判別できるが、すべての色について、にじみによって境界線がぼやけている。
×:すべての色について、にじみによる混色がひどく、2色が隣接しているベタ画像境界線が判別できない。
レックスマーク社製のZ11カラープリンタ及び同プリンター用の純正インクを使用し、ブラックインク、イエローインク、マゼンタインク及びシアンインクにより単色のベタ画像をインク受容層に印刷し印刷体を調製し、印刷5分後に印画部にスポイトで蒸留水を一滴垂らし、一滴垂らしてから10秒後までの間にインクが水滴へ溶出したかどうかを観察した。ひきつづき、印刷体を23±2℃、40±5%RHに調整された部屋に静置して蒸留水を完全に乾燥させた後、蒸留水を垂らした部分の変色の度合いを目視で観察した。そして、以下の基準により評価し、これを耐水性とした。なお、印字モードはOHPモードで、23℃、55%RHの環境の部屋で行った。
◎:すべての色について、蒸留水を垂らした後の水滴へのインクの溶出が無く、乾燥後も蒸留水を垂らした部分に変色が無い
○:すべての色について、蒸留水を垂らした後の水滴へのインクの溶出が無いが、一部の色について、乾燥後に蒸留水を垂らした部分に変色がある
△:すべての色について、蒸留水を垂らした後の水滴へのインクの溶出が無いが、すべての色について、乾燥後に蒸留水を垂らした部分に変色がある
×:すべての色について、蒸留水を垂らした直後に水滴へのインクの溶出が有り、かつ乾燥後に蒸留水を垂らした部分に変色がある
また、実施例1〜4及び8〜13(一般式(1)で表されるアクリルアミドを9.0〜16.0[cal/cm3]1/2の溶解度パラメーター(SP値)を持つアクリル単量体(a)の重量に基づいて50〜85重量%含有する)の場合、印刷画像の耐水性が特に良好であった。中でも、実施例1〜3、及び11〜12(平均1次粒子径が5〜10nmである気相法シリカをアクリル単量体(a)、高分子(b)、無機微粒子(c)及び架橋有機微粒子(d)の合計重量に基づいて、2.5〜10重量%含有する)では、光沢性と乾燥性にバランスに極めて優れ、印刷画像ににじみも良好であった。
Claims (7)
- 9.0〜16.0[cal/cm3]1/2の溶解度パラメーター(SP値)を持つアクリル単量体(a)、
第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基及び第4級アンモニオ基からなる群より選ばれる少なくとも1種を有するエチレン性不飽和単量体単位を必須構成単位として含有する高分子(b)、
無機微粒子(c)、
並びに9.0〜16.0[cal/cm3]1/2のSP値を持つエチレン性不飽和単量体(dd)からなる単位を必須構成単位として含有する架橋有機微粒子(d)
からなることを特徴とするインク受容層形成用活性エネルギー線硬化型組成物。 - アクリル単量体(a)、高分子(b)、無機微粒子(c)及び架橋有機微粒子(d)の合計重量に基づいて、(a)の含有量が40〜95重量%、(b)の含有量が0.1〜50重量%、(c)の含有量が0.3〜30重量%、(d)の含有量が0.3〜30重量%である請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
- 架橋有機微粒子(d)の体積平均粒子径が5〜100μmである請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
- 高分子(b)がビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、ビニルピロリドン/N−ビニルイミダゾール共重合体、ビニルピロリドン/ビニルカプロラクタム共重合体、ポリ(ビニルカプロラクタム)、ポリ(N−ビニルイミダゾール)、ビニルカプロラクタム/ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド/ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸共重合体、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド/ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸共重合体及びビニルピロリドン/N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリル酸共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
- アクリル単量体(a)が一般式(1)で表される(メタ)アクリルアミドを含んでなる請求項1〜4のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物を用いて形成されたインク受容層付き基材。
- 請求項6に記載のインク受容層付き基材に極性溶媒を含むインクで印字してなる印刷体。
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