JPH10110119A - 光拡散層形成塗料 - Google Patents

光拡散層形成塗料

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JPH10110119A
JPH10110119A JP26830896A JP26830896A JPH10110119A JP H10110119 A JPH10110119 A JP H10110119A JP 26830896 A JP26830896 A JP 26830896A JP 26830896 A JP26830896 A JP 26830896A JP H10110119 A JPH10110119 A JP H10110119A
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light
liquid crystal
light diffusion
particles
crystal display
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JP26830896A
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Yasuo Matsumura
泰男 松村
Shigeru Mashima
茂 眞嶋
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Somar Corp
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Somar Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材上に塗布することで、平滑で輝度が高
く、かつ耐熱性及び耐溶剤性に優れる光拡散層を形成す
ることができ、液晶表示装置などに好適に用いられる光
拡散層形成塗料を提供する。 【解決手段】 (A)常温硬化型水ガラスと(B)耐熱
性球状樹脂粒子とを含有させて、光拡散層形成塗料とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な光拡散層形成
塗料、さらに詳しくは、基材上に塗布することで、平滑
で輝度が高く、かつ耐熱性及び耐溶剤性に優れる光拡散
層を形成することができ、液晶表示装置の光拡散層の形
成に好適に用いられる光拡散層形成塗料に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、宣伝看板、レントゲン写真表示装
置、液晶表示装置などにおいては、表示物を鮮明に見せ
るために、表示物に光を当てることが行われている。こ
の場合、表示物に光を供給する光源が1つの場合には、
表示物の表示面に光のムラ、すなわち、表示面に明暗を
生じ、見にくいものとなるため、通常は、複数の光源を
設け、均一な光を供給する必要があった。
【0003】しかしながら、光源を複数設けた場合に
は、消費電力が大きくなり、最近の省エネルギー化傾向
に反する上、装置が大型化し、廊下や通路などに設置す
る場合、通路のじゃまになるなどの欠点がある。したが
って、このような欠点をなくすために、1つの光源から
の光を均一に拡散する光拡散板を利用して、表示物の全
面に光を供給することが広く行われている。例えば、照
明器具、エレクトロルミネッセンスなどでは、光源を白
色化したカバーや光拡散板で覆ったり、あるいは、駅構
内やビルの壁に設置される宣伝用看板、レントゲン写真
用表示装置、液晶表示装置などでは、画像の裏側に光源
及び光拡散板が設けられている。
【0004】このような光拡散板としては、例えば照明
器具にみられるように、光源の前面にガラス板又はプラ
スチック板などを白色化したものや、基材上に光拡散性
を有する塗膜を設けたものなどが用いられている。
【0005】そして、この塗膜を設けた光拡散板として
は、これまで樹脂バインダーと有機系又は無機系粒子と
から成る光拡散層を有するものが用いられており、例え
ば透明又は半透明のプラスチックフィルムの少なくとも
片面に高光拡散性の微粒子を含む高光拡散塗料をコーテ
ィングしたもの(特開平6−59108号公報)、透明
樹脂、合成樹脂粒子及び透明樹脂よりも屈折率の高い粒
子を含む光拡散層を有するもの(特開平6−59107
号公報)、透明支持体の一方の面に、有機高分子バイン
ダーと有機高分子粒子を含む層を有する光拡散板(特開
平6−67003号公報)、光拡散層が不均一構造を有
する樹脂から成るもの(実開平5−73602号公報)
などが提案されている。これらの光拡散板は、光源から
の光を均一に拡散し、かつ輝度を向上させる効果を有す
ることから、供給される電力に限りのある携帯用又は小
型液晶表示装置、例えばテレビジョン、パーソナルコン
ピュータ、ワープロ及び携帯情報端末のディスプレイな
どにおいて、多く用いられている。
【0006】ところで、前記液晶表示装置では液晶表示
装置内に光源を有するものと、液晶表示装置内に光源を
もたないものとがあり、どちらも近時、液晶表示部の薄
型化、大型化及び省エネルギー化が求められている。こ
こで、液晶表示部の大型化とは、いわゆる画面のワイド
化のことであるが、液晶表示装置全体としては、むし
ろ、薄型化する傾向にある。また、省エネルギー化と
は、液晶表示装置を含む製品の消費電力をできるだけ抑
え、より少ない電力で動作させることであるが、この省
エネルギー化によりバッテリー容量を小さくでき、その
結果、軽量化及び小型化を達成することができる。
【0007】しかしながら、実際に液晶表示部を大型化
した場合には、液晶を制御する電力や光源の発光量を大
きくしなければならず、その結果消費電力が大きくなる
ため、バッテリー容量を大きくすることが必要となり、
装置全体の重量の増加や、携帯性の低下をもたらす。こ
れを防ぐために、バッテリー容量を大きくしないと、全
体的な供給電力量が少なくなって、長時間使用すること
ができなくなる。
【0008】他方、電力消費を少なくするには、輝度の
高い光拡散板を用いる方法と、液晶表示装置の構造をバ
ックライト方式ではなく、反射光を利用する方式にする
方法が考えられる。
【0009】光拡散板を利用する場合、これまでの光拡
散板は、表面を凹凸上に形成することにより、輝度を向
上させているが、これらの光拡散板を設置する場合、液
晶表示部と光源ユニット(光拡散板、光源を含むバック
ライト部)とが別々に構成されるため、薄型化が困難に
なる上、液晶表示装置の製造を効率的に行うことができ
ないし、バックライトを必要とするので、バッテリーを
ある程度大きくしなければならず、携帯性が低下するな
どの欠点を生じる。
【0010】このようなバックライトを必要とする液晶
表示装置の欠点を解決するために、用途に応じ、反射光
を利用する反射型液晶表示装置が提案されている。図1
はバックライト型液晶表示装置の1例の断面図、図2は
反射型液晶表示装置の1例の断面図であって、図2に示
すように、反射型液晶表示装置は、図1に示すバックラ
イト型液晶表示装置から、バックライト、すなわち光源
5及び光拡散板4を除き、その代わりに反射板6を設け
たものである。しかしながら、この構造のものでは、入
射光は偏光子3、ガラス基板2、液晶層1、ガラス基板
2′及び偏光子3′を通過して反射板6に到達し、次い
でこの到達した光は反射板6から、前記計5枚を通って
表示画面に到達するので、この間の光の減衰が大きくな
り、輝度が低下し、画面が暗くなる。しかも、液晶層1
と反射板6の間にガラス基板2′があるため、液晶によ
る表示画像と反射板上にできる表示パターンの影との間
に視差が発生し、高解像化した場合に、視認性が損なわ
れる。
【0011】このような反射型液晶表示装置がもつ欠点
を改良したものとして、偏光子を有する偏光制御型の代
わりに、偏光子が必要ない透過−散乱型の反射型液晶表
示装置、例えば、動的散乱型、ネマティック−コレステ
リック相転移型、スメクティックA相液晶の熱書き込み
及び動的散乱型、ポリマー分散型及びカイラスメクティ
ックC相の遷移状態を利用した散乱型表示装置が提案さ
れている。
【0012】図3、図4及び図5は、それぞれこれらを
利用した反射型液晶表示装置の異なった例を示す断面図
であって、図3は偏光子として、偏光子3を1枚使用
し、反射板6をガラス基板2′と液晶層1との間に設け
たものであり、また、図4は、偏光子を設けず、反射板
6をガラス基板2′と液晶層1との間に設けたものであ
る。一方、図5は、鏡面反射板7をガラス基板2′と液
晶層1との間に設けたものである。このように、偏光子
を用いないか又は少なくした反射型液晶表示装置におい
ては、反射板をガラス基板と液晶層との間に設けること
により、液晶による表示画像と反射板上にできる表示パ
ターンの影との間で視差が発生せず、高解像化した場合
に、視認性が損なわれることはないが、液晶表示装置と
しては、依然として明るさが不足するという欠点があっ
た。
【0013】したがって、画面の明るさを得るために、
光拡散板を、反射板の前に設けることが行われている。
この場合、バックライト型液晶表示装置に使用されてい
る従来の光拡散板では、その光拡散層の表面が凹凸形状
であることから、その上に液晶層を形成することができ
ないため、図3ないし図5における反射板の前に光拡散
板を設けることが不可能である。したがって、反射板と
光拡散板をガラス基板の後に設けなければならず、これ
では液晶による表示画像と反射板上にできる表示パター
ンの影との間に視差を生じ、高解像化した場合に視認性
が損なわれるのを免れない。
【0014】このような欠点を改善するために、図6に
示すような反射型液晶表示装置が提案されている(特開
平8−152621号公報)。この液晶表示装置は、ガ
ラス基板2′上に反射層6a及び架橋された樹脂と架橋
されない樹脂から成る平滑な光拡散層4aを有する光拡
散板4′が、その光拡散層4aが液晶層1に接するよう
に設けられているものであるが、このように、光拡散板
をガラス基板及び液晶層とを一体に設ける場合、液晶表
示装置を製造する過程において、ガラス基板やガラス基
板上に形成された反射層及び光拡散層などに電極パター
ニングを形成する必要があり、これには一般にホトレジ
ストを用いるリソグラフィー技術が採用される。すなわ
ち、まず、ホトレジスト層に画像形成露光を施し、不要
部分を洗浄により除去したのち、得られたレジストパタ
ーンをマスクとしてエッチング処理し、次いでレジスト
膜を洗い流すことにより電極パターンを形成する。この
工程では、洗浄に溶剤が用いられることから、パターン
が形成される基板は耐溶剤性が必要となるし、製造工程
において、高い温度下で作業される場合があるため、反
射層はもちろんのこと、光拡散層も耐熱性が要求され
る。
【0015】しかしながら、これまでのもの(特開平8
−152621号公報)は、このパターニングの際に用
いる溶剤及び製造工程中の高温により塗膜の安定性が失
われてしまい、例えば光拡散板の場合は、所望の光拡散
性が得られないという欠点があった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、基材上に塗布した場合、平滑で輝度が高
く、かつ耐熱性及び耐溶剤性に優れる光拡散層を形成す
ることができ、前記した従来の液晶表示装置がもつ種々
の欠点を克服できる光拡散層形成塗料を提供することを
目的としてなされたものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の液
晶表示装置などに光拡散層を形成させるための塗料につ
いて鋭意研究を重ねた結果、無機系バインダーと合成樹
脂粒子とを含有させることにより、平滑で輝度の高い、
しかも耐熱性や耐溶剤性に優れた光拡散層を形成しうる
塗料が得られることを見出し、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
【0018】すなわち、本発明は、(A)常温硬化型水
ガラスと(B)耐熱性球状樹脂粒子とを含有することを
特徴とする光拡散層形成塗料を提供するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明塗料において、(A)成分
として用いられる常温硬化型水ガラスは、触媒の存在下
に低温加熱又は常温乾燥処理により、加水分解及び脱水
縮合反応が起こり、非晶質のセラミックス膜を形成する
ものである。このようなものとしては、例えば有機金属
化合物、無機金属化合物、酸化物微粒子などが挙げられ
るが、これらの中で、有機金属化合物が好ましい。この
有機金属化合物としては、例えば金属アルコキシド、金
属アセチルアセトネート及び金属カルボキシレートが好
ましく、特に金属アルコキシドを主成分とするものが、
反応性に富み、加水分解と重合反応により、金属−酸素
の結合から成る重合体を生成しやすいので好適である。
この(A)成分は通常、固形分濃度23.9%の水溶液
として用いられる。
【0020】この(A)成分は単独で用いてもよいし、
2種以上を組み合わせて用いてもよく、また水溶性及び
非水溶性のいずれも使用することができる。一方、触媒
としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、フッ酸など
の酸及びアンモニアなどのアルカリが用いられるが、特
にホウ素イオンとハロゲンイオンを共存するものが、膜
形成性に優れるので好ましい。
【0021】本発明塗料において、(B)成分として用
いられる耐熱性球状樹脂粒子としては、形状が球状であ
って、熱分解開始温度が200℃以上、好ましくは23
0℃以上であり、かつ前記(A)成分の硬化物との屈折
率の差が0.05以上のものが好適である。このような
ものの例としては、架橋ポリメタクリル酸メチル、ベン
ゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物硬化樹脂、ベン
ゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合物硬化
樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物硬化樹脂など
の球状粒子が挙げられる。
【0022】この(B)成分の粒子は単独で用いてもよ
いし、2種以上組み合わせて用いてもよいが、2種以上
を組み合わせて用いる場合には、屈折率が1.0〜1.
5の範囲にある粒子と屈折率が1.55〜2.0の範囲
にある粒子とを組み合わせて用いるのが、輝度の向上の
点から好ましい。この組合せの例としては、架橋ポリメ
タクリル酸メチルとベンゾグアナミン・ホルムアルデヒ
ド縮合物硬化樹脂との組合せ、架橋ポリメタクリル酸メ
チルとベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド
縮合物硬化樹脂との組合せなどが挙げられる。
【0023】この(B)成分の球状樹脂粒子の粒径は、
平均粒径で1〜50μmの範囲が好ましい。この平均粒
径が1μm未満では光拡散性が不十分であるし、50μ
mを超えると十分な表面の平滑性が得られにくい。光拡
散性及び表面の平滑性などの面から、この(B)成分の
平均粒径は、特に1〜30μmの範囲が好適である。
【0024】本発明塗料においては、塗膜の光拡散性及
び透明性などの面から、(A)成分と(B)成分との割
合は、(A)成分の固形分重量に基づき重量比で9:1
ないし1:9の範囲が好ましく、特に9:1ないし4:
6の範囲が好適である。
【0025】本発明の光拡散層形成塗料においては、所
望により、増粘剤を配合することができる。この増粘剤
を配合することにより、球状樹脂粒子の分散性を良好に
保持しうるとともに、表面粗さを低下することができ、
均質な塗膜の形成が可能となるので好ましい。この増粘
剤としては、シリカやベントナイトなどのシリカ系のも
のが好適である。このシリカ系増粘剤は、平均粒径が1
〜40nm程度の超微粒子状のものが、球状樹脂粒子の
分散性及び均質な塗膜の形成性などの面から、特に好ま
しい。この増粘剤の配合割合は、前記(A)成分中の固
形分重量と(B)成分の重量の合計量に対し、0.2〜
10重量%の範囲が好ましい。この量が0.2重量%未
満では増粘剤としての効果が十分に発揮されないおそれ
があるし、10重量%を超えるとチキソ性が高くなり、
塗工後塗膜のレベリング性を悪化させ、平滑な塗膜が得
られにくい上、作業性が低下する傾向がみられる。増粘
剤としての効果、塗膜の平滑性及び作業性などの面か
ら、この増粘剤のより好ましい配合割合は、(A)成分
と(B)成分との合計重量に基づき、1〜5重量%の範
囲である。
【0026】本発明の光拡散層形成塗料を調製するに
は、例えば前記(A)成分、(B)成分及び所望により
用いられる増粘剤を、それぞれ所定の割合で水性媒体中
に溶解又は分散させ、固形分濃度10〜70重量%程度
に調整するが、(A)成分と所望により用いられる増粘
剤を、それぞれ所定の割合で水性媒体中に溶解又は分散
させ、固形分濃度10〜50重量%程度の(a)液と、
(B)成分の1種又は2種以上を水性媒体中に分散さ
せ、固形分濃度10〜50重量%程度の(d)液を調製
したのち、この(a)液と(b)液とを混合することに
より調製する。この場合、光拡散層を平滑にするため
に、通常オーバーコート液として、前記(a)液を使用
することから、(a)液と(b)液をそれぞれ調製後、
それらを混合する方法が有利である。また、本発明塗料
を調製する際、この塗料には、従来塗料に慣用されてい
る各種添加剤、例えば界面活性剤、潤滑剤、安定剤など
を添加することができる。
【0027】このようにして得られた本発明の光拡散層
形成塗料を用いて、基材上に光拡散層を形成することに
より、光拡散板を作製することができる。光拡散層を形
成する場合、通常は透明又は半透明の基材上に所望によ
りアンカー層を設け、その上に本発明の光拡散層形成塗
料を塗布、乾燥する方法が用いられる。このアンカー層
の形成には、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂など、従
来使用されているものの外、シラン系カップリング剤を
用いることができる。
【0028】また、本発明の光拡散層形成塗料を反射型
液晶表示装置に適用する場合には、従来例にあるよう
に、光拡散層を平滑にする必要がある。本発明の光拡散
層形成塗料を用いて平滑な光拡散層を形成する場合に
は、まず、本発明塗料をガラス基板などの基材上に塗
布、乾燥させたのち、この塗膜の上に、前記(a)液か
ら成るオーバーコート液を表面が平滑になる厚さに塗布
する。これにより得られる光拡散層は表面が平滑である
ので、液晶層側に設けることができる。
【0029】また、本発明の光拡散層形成塗料を、基材
上に所望により設けられるアンカー層の上に塗布する方
法としては、例えばスピンコーティング、ディップコー
ティング、バーコーティング、ダイコーティングなどの
コーティング方法などが挙げられる。
【0030】
【発明の効果】本発明の光拡散層形成塗料は、基材上に
塗布、乾燥することにより、平滑で輝度が高く、かつ耐
熱性及び耐溶剤性に優れる光拡散層を形成することがで
きる。このような優れた性能を有する本発明塗料を液晶
表示装置に適用する場合、ガラス基板に直接光拡散層を
形成することができ、しかもその光拡散層に液晶層や電
極などを設けることができるので、従来、光拡散板の設
置工程と液晶表示部の製造工程を別々に行っていたもの
を同時に行うことが可能となり、生産性が向上する。特
に、反射光を利用する反射型液晶表示装置においては、
ガラス基板上に光拡散層が設けられることから、液晶に
よる表示画面と反射板上にできる表示パターンの影との
間で視差が発生し、高解像度化した場合に視認性を損な
うということがない上、輝度が高いためバッテリーを小
型化することができ、その結果携帯情報端末などの常時
携帯するタイプのものを軽量化、小型化することが可能
となる。
【0031】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
するが、本発明は、これらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、塗料の評価は、光拡散層の物性
を次に示す方法により測定することによって行った。
【0032】(1)表面粗さ JIS B0601に準拠し、中心線平均粗さを測定し
た。 (2)輝度 (株)TOPCOM社製輝度計BM−8を用いて測定し
た。 (3)耐溶剤性 ラビングテスト メチルエチルケトンを脱脂綿に含ませ、光拡散層上でラ
ビングテスト(200回)を行った。このときの光拡散
層表面の状態を目視にて観察し、変化がないものを○、
変化したものを×とした。 沸騰テスト 沸騰したアセトン溶液に拡散板を浸せきし、10分間後
の光拡散層の状態を目視で観察するとともに、光学濃度
計(Macbeth社製、TD−904)を用いて光学
濃度を測定し、光拡散層に変化がないものを○、光拡散
層が剥離したものを×とした。
【0033】実施例1 常温硬化型水ガラス(ファイングラステクノロジー社
製、GM−10、固形分濃度23.9重量%)200重
量部とポリビニルブチラール(積水化学工業社製、エス
レックBL−1)9.6重量部を混合し塗工液(a)を
調製した。次に平均粒径2μmの架橋ポリメタクリル酸
メチルの球状微粒子(日本触媒社製、エポスター100
2)18.0重量部、平均粒径2μmのベンゾグアナミ
ン・ホルムアルデヒド縮合物硬化樹脂球状微粒子(日本
触媒社製、エポスターMS)4.5重量部、イソプロピ
ルアルコール27.8重量部、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテート4.7重量部、水9.3重
量部、ノニオン性界面活性剤(旭電化工業社製、NP−
720,HLB 14.1)0.2重量部を混合し、パ
ワーホモジナイザーを用い10000rpm/minで
20分間高速回転分散し塗工液(b)を調製した。前記
塗工液(a)109.2重量部と塗工液(b)11.2
重量部とを混合、ろ過して光拡散層形成塗工液を得た。
この塗工液をガラスシート上にバーコーターを用いて塗
布し、130℃で10分間乾燥して厚さ14μmの光拡
散層を形成した。このようにして得られた光拡散板にお
ける光拡散層の物性を表1に示す。
【0034】実施例2 実施例1において、基材としてガラスシートの代わりに
厚さ100μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィ
ルムを用いた以外は、実施例1と同様にして実施し、光
拡散板を製造した。この光拡散板における光拡散層の物
性を表1に示す。
【0035】実施例3 実施例1において、光拡散層の表面に、塗工液(a)を
用いて14μmの厚さの層を設けた以外は、実施例1と
同様に実施して光拡散板を製造した。この光拡散板にお
ける光拡散層の物性を表1に示す。
【0036】比較例 実施例1において、塗工液(a)の代わりに、セルロー
スプロピオネートアセテート(イーストマンケミカル社
製、CAP482−0.5)10.0重量部、ブチル化
尿素樹脂(大日本インキ化学工業社製、ベッカミンG−
1800、固形分濃度80重量%)19.0重量部、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート2
3.4重量部を混合したものを用いた以外は、実施例1
と同様にして実施し、光拡散板を製造した。この光拡散
板における光拡散層の物性を表1に示す。
【0037】参考例 メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチル
エーテル及びプロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテートから成る混合溶媒54.2重量部に、平均粒
径10.41μmの球状アクリル樹脂粒子(日本触媒社
製、エポスター−MA1010)26.3重量部及び溶
剤系のアクリル樹脂バインダー溶液(三菱レーヨン社
製、ダイヤナールLR−1065、固形分濃度45重量
%)19.5重量部を添加して分散させ、塗布液を調製
した。
【0038】厚さ75μmのポリエチレンテレフタレー
トフィルムの両面に、不飽和ポリエステル樹脂から成る
下引き層を設けたのち、その一方の面の下引き層の上
に、前記塗布液を塗布し、130℃で3分間乾燥して、
厚さ15μmの光拡散層を形成し、光拡散板を製造し
た。この光拡散板における光拡散層の物性を表1に示
す。
【0039】
【表1】
【0040】表1から分かるように、実施例1〜3の光
拡散板は、その光拡散層の表面が平滑で、輝度が高く、
かつ耐溶剤性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 バックライト型液晶表示装置の1例の断面
図。
【図2】 反射型液晶表示装置の1例の断面図。
【図3】 反射型液晶表示装置の別の例の断面図。
【図4】 反射型液晶表示装置のさらに別の例の断面
図。
【図5】 反射型液晶表示装置の上記とは異なる例の断
面図。
【図6】 ガラス基板上に反射層とさらにその上に設け
られた平滑な光拡散層とを有する光拡散板を用いた反射
型液晶表示装置の1例の断面図。
【符号の説明】
1 液晶層 2,2′ ガラス基板 3,3′ 偏光子 4,4′ 光拡散板 4a 光拡散層 5 光源 6 反射板 6a 反射層 7 鏡面反射板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)常温硬化型水ガラスと(B)耐熱
    性球状樹脂粒子とを含有することを特徴とする光拡散層
    形成塗料。
  2. 【請求項2】 (B)成分が、屈折率1.0〜1.5の
    粒子と屈折率1.55〜2.0の粒子とから成る少なく
    とも2種の耐熱性球状樹脂粒子の混合物である請求項1
    記載の光拡散層形成塗料。
  3. 【請求項3】 (B)成分の耐熱性球状樹脂粒子が平均
    粒径1〜50μmのものである請求項1又は2記載の光
    拡散層形成塗料。
  4. 【請求項4】 (A)成分と(B)成分の含有割合が、
    (A)成分の固形分重量に基づき重量比9:1ないし
    1:9の範囲である請求項1、2又は3記載の光拡散層
    形成塗料。
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