JP2020105307A - 活性エネルギー線硬化型オーバーコートニス、印刷物、及び積層体 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型オーバーコートニス、印刷物、及び積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、高光沢で高い塗膜耐性(耐摩擦性、スリップ性、柔軟性)を有し、ホットスタンプ性、及び、保存安定性に優れた活性エネルギー線硬化型オーバーコートニス、並びに、これを用いた印刷物、及び積層体を提供することである。【解決手段】重合性化合物、光重合開始剤、及び、耐摩擦剤を含む活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスであって、前記耐摩擦剤が、25℃での粘度が100〜3,000mPa・sの液状ポリエチレンワックスを含む、活性エネルギー線硬化型オーバーコートニス。【選択図】なし

Description

本発明は、高光沢で高い塗膜耐性(耐摩擦性、スリップ性、柔軟性)を有し、ホットス
タンプ性、及び、保存安定性に優れた活性エネルギー線硬化型オーバーコートニス、並び
に、これを用いた印刷物、及び積層体に関するものである。
近年、紙、プラスチックフィルム、シート、板等の各種基材の表面、又はその基材に印
刷等により施された絵柄や模様、文字等の装飾の上にオーバーコートニスを塗工すること
により、その基材自体の表面、或いは装飾加工面を保護することや、光沢処理することが
広く行われている。このように、活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスを使用する
場合、オーバーコートニスを塗工してから紫外線を照射すると瞬時に硬化して高い光沢の
皮膜が形成できるので、従来のビニール張り加工や、乾燥が必要な溶剤型オーバーコート
ニス等に比べて高い生産性が得られるという特徴がある。そして、活性エネルギー線硬化
型オーバーコートニスは、有機溶剤等のVOCを大気中に放出しないので、環境保護の観
点からも好ましい材料であり、雑誌の表紙、絵本、ポスター、カレンダー等の印刷物、美
粧ケース等の紙器容器等に広く使用されている。このため、活性エネルギー線硬化型オー
バーコートニスには、基材や印刷層を保護するための高い塗膜耐性や、美粧性を持たすた
めの光沢、加工性などが要求される。
さらに、活性エネルギー線硬化型オーバーコートニス層の上に、印刷を施すことや、フ
ィルムに金属の蒸着層、接着層と順番に積層されたものを貼り合せて熱転写する(一般的
に、ホットスタンプや箔押しと称される)加飾印刷などが行われている。そのため、活性
エネルギー線硬化型オーバーコートニスには、印刷層の保護のための塗膜耐性と、活性エ
ネルギー線硬化型オーバーコートニス上への印刷受容性(以下、リコート性と称する)や
熱転写受容性(以下、ホットスタンプ性と称する)とを両立することが求められていた。
高い塗膜耐性を得る方法として、例えば、特許文献1には、エポキシアクリレートと、
2〜4官能の(メタ)アクリレートモノマー、開始剤、ポリオキシアルキレン基を有する
ジメチルシリコン化合物を含有する活性エネルギー線硬化型コーティングワニスが開示さ
れている。
そして、リコート性に優れた塗膜を得る方法として、例えば、特許文献2には、ウレタ
ン(メタ)アクリレート、重合性不飽和単量体、石油ワックス及び脂肪酸とビスフェノー
ル型エポキシ化合物とを用いて得られるエステル化合物を含有するラジカル硬化性樹脂組
成物が開示さている。
また、例えば、特許文献3には、紫外線硬化型ウレタンアクリレート、水性熱可塑性ウ
レタン樹脂を含むオーバーコート剤が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1のように、ジメチルシリコン化合物を使用することで、
高い耐摩擦性やスリップ性は得られるが、リコート性やホットスタンプ性は得られなかっ
た。また、上記特許文献2のように、石油ワックスと脂肪酸とビスフェノール型エポキシ
化合物とを用いて得られるエステル化合物を使用することで、ある程度のリコート性やホ
ットスタンプ性は得られるが満足できるレベルではなく、また、塗膜の耐摩擦性やスリッ
プ性も十分でなかった。さらに、石油ワックスは、重合性不飽和単量体中での安定性が低
く、凝集しやすいため、ラジカル硬化性樹脂組成物の保存安定性に課題があった。また、
上記特許文献3のオーバーコート剤は、リコート性やホットスタンプ性は得られるが、塗
膜の耐摩擦性やスリップ性は得られなかった。さらに、水を含むため、水を除去する乾燥
工程が必要であり、生産性にも課題があった。
特開2015−196765号公報 特開2014−51633号公報 特開2004−27122号公報
本発明の課題は、高光沢で高い塗膜耐性(耐摩擦性、スリップ性、柔軟性)を有し、ホ
ットスタンプ性、及び、保存安定性に優れた活性エネルギー線硬化型オーバーコートニス
、並びに、これを用いた印刷物、及び積層体を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す活性エネルギー
線硬化型オーバーコートニス、並びにこれを用いた印刷物、及び積層体により、上記課題
を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、重合性化合物、光重合開始剤、及び、耐摩擦剤を含む活性エネル
ギー線硬化型オーバーコートニスであって、
前記耐摩擦剤が、25℃での粘度が100〜3,000mPa・sの液状ポリエチレン
ワックスを含む、活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスに関する。
また、本発明は、前記耐摩擦剤が、さらに、25℃で固体である植物由来のワックスを
含む、上記活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスに関する。
また、本発明は、前記植物由来のワックスの融点が、60〜120℃である、上記活性
エネルギー線硬化型オーバーコートニスに関する。
また、本発明は、前記液状ポリエチレンワックスの含有量が、活性エネルギー線硬化型
オーバーコートニスの全質量に対して0.1〜3質量%であり、
前記植物由来のワックスの含有量が、活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスの全
質量に対して0.02〜0.5質量%である、上記活性エネルギー線硬化型オーバーコー
トニスに関する。
また、本発明は、前記重合性化合物が、2官能(メタ)アクリレートモノマー及び/又
は3官能(メタ)アクリレートモノマーを含み、
前記2官能(メタ)アクリレートモノマー及び3官能(メタ)アクリレートモノマーの
含有量の合計が、活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスの全質量に対して40〜8
0質量%である、上記活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスに関する。
また、本発明は、第1の基材に印刷されたインキ層上に、上記活性エネルギー線硬化型
オーバーコートニスを印刷し、活性エネルギー線で硬化させた印刷物に関する。
また、本発明は、前記印刷物における活性エネルギー線硬化型オーバーコートニス層に
、接着層を有する第2の基材を接着してなる積層体に関する。
本発明によって、高光沢で高い塗膜耐性(耐摩擦性、スリップ性、柔軟性)を有し、ホ
ットスタンプ性、及び、保存安定性に優れた活性エネルギー線硬化型オーバーコートニス
、並びに、これを用いた印刷物、及び積層体を提供することができた。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるもので
はなく、その趣旨の範囲内で種々変形して実施することができる。また、特にことわりの
ない限り、「部」とは「質量部」、「%」とは「質量%」を表す。
<活性エネルギー線硬化型オーバーコートニス>
本発明の活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスは、重合性化合物、光重合開始剤
、及び、耐摩擦剤を含む、活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスであって、前記耐
摩擦剤が、25℃での粘度が100〜3,000mPa・sの液状ポリエチレンワックス
を含むことを特徴とする。
以下、本実施形態の活性エネルギー線硬化型オーバーコートニス(以下、単に「オーバ
ーコートニス」とも称する)に含まれるか、又は含まれ得る成分を説明する。
[重合性化合物]
本明細書において、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)
アクリレート」、及び「(メタ)アクリロイルオキシ」といった記載は、特に説明がない
限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル酸及び/又は
メタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、及び「アクリロイルオキ
シ及び/又はメタクリロイルオキシ」を意味する。また、「PO」は「プロピレンオキサ
イド」を、「EO」は「エチレンオキサイド」を表す。
本発明の活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスは、重合性化合物を含む。本発明
に用いることができる重合性化合物としては、重合性基として分子内にエチレン性不飽和
結合を1つ以上有する化合物であれば、特に限定されず、モノマー、オリゴマー、ポリマ
ーのいずれの形態も包含する。
本発明において、重合性化合物は、1種単独でもよいし、2種以上を組み合わせてもよ
い。
本発明において、重合性化合物の含有量は、オーバーコートニスの全質量に対して、4
5〜95質量%であることが好ましく、60〜90質量%であることがより好ましい。
(モノマー)
本発明は、重合性化合物として、モノマーを含むことが好ましい。本発明において、「
モノマー」とは、オリゴマーやポリマーを構成するための最小構成単位の化合物を意味す
る。モノマーは、分子内に(メタ)アクリロイル基、アリル基、ビニル基、ビニルエーテ
ル基から選ばれる重合性基を有する化合物が好ましい。中でも、重合性基として、(メタ
)アクリロイル基を有する化合物であるアクリレートモノマーがより好ましい。
具体的には、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ
)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、β−カルボキシルエチ
ル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキノール(メタ)アクリレート
、テトラヒドロフルフリルアクリレート、アルコキシ化テトラヒドロフルフリルアクリレ
ート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリ
ル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メ
タ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサノール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル
(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ
)アクリレート、ジシクロペンテニル(オキシエチル)(メタ)アクリレート、1,4−
シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンフォル
マル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、EO変性(2)ノニルフェ
ノールアクリレート、2−メチル−2−エチル−1、3−ジオキソラン−4−イル)メチ
ルアクリレート、アクリロイルモルフォリンなどの分子内に(メタ)アクリロイル基を1
つ有する単官能(メタ)アクリレートモノマーや、
N−ビニルカルバゾール、1−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−ピロリドン、N
−ビニルカプロラクタム、N−ビニルホルムアミドなどの分子内にビニル基を1つ有する
単官能ビニルモノマー、
1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メ
タ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1
,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)ア
クリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ドデカンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコール(200)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(300
)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジ(メタ)アクリレート
、ポリエチレングリコール(600)ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネ
オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アク
リレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性(2)1,6−
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、PO変性(2)ネオペンチルグリコールジ(
メタ)アクリレート、(ネオペンチルグリコール変性)トリメチロールプロパンジ(メタ
)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、EO変性(4
)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性(4)ビスフェノールAジ(メタ
)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール-
トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート
などの分子内に(メタ)アクリロイル基を2つ有する2官能(メタ)アクリレートモノマ
ー、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性(3)トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性(3)トリメチロールプロパントリ(メタ)
アクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌ
レート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシ
エチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ
)アクリレートなどの分子内に(メタ)アクリロイル基を3つ有する3官能(メタ)アク
リレートモノマー、
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ
(メタ)アクリレートなどの分子内にアクリロイル基を4つ有する4官能(メタ)アクリ
レートモノマー、
ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどの分子内に(メタ)アクリロ
イル基を5つ有する5官能(メタ)アクリレートモノマー、
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの分子内に(メタ)アクリロ
イル基を6つ有する6官能(メタ)アクリレートモノマー、などが挙げられる。
これらの中でも、重合性化合物として、耐摩擦性、スリップ性、柔軟性の観点から、2
官能(メタ)アクリレートモノマー、及び/又は3官能(メタ)アクリレートモノマーを
含むことが好ましく、2官能(メタ)アクリレートモノマー、及び3官能(メタ)アクリ
レートモノマーを含むことがより好ましい。
2官能(メタ)アクリレートモノマー、及び3官能(メタ)アクリレートモノマーの含
有量の合計は、前記活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスの全質量に対して、40
〜80質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることがより好ましい。
単官能(メタ)アクリレートモノマーを含む場合は、耐摩擦性の観点から、活性エネル
ギー線硬化型オーバーコートニスの全質量に対して、10質量%以下であることが好まし
く、5質量%以下であることがより好ましい。
また、4官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを含む場合は、柔軟性の観点から、
活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスの全質量に対して、20質量%以下であるこ
とが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることが特
に好ましい。
(オリゴマー)
本発明は、重合性化合物として、オリゴマーを含むことが好ましい。本発明において、
「オリゴマー」とは、2個〜100個のモノマーに基づく構成単位を有する重合体である
オリゴマーは、分子内に重合性基として、(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好
ましく、その場合の(メタ)アクリロイル基の数は、柔軟性の観点から、1分子あたり1
〜6であることが好ましく、2〜4であることがより好ましい。
オリゴマーの重量平均分子量は、400〜10,000が好ましく、500〜5,00
0がより好ましい。ここで、「重量平均分子量」は、一般的なゲルパーミッションクロマ
トグラフィー(以下、GPC)によりスチレン換算分子量として求めることができる。
GPCの測定方法は、以下の通りである。東ソー(株)製HLC−8020を用い、検量
線は標準ポリスチレンサンプルにより作成した。溶離液はテトラヒドロフランを、カラム
にはTSKgel SuperHM−M(東ソー(株)製)3本を用いた。測定は、流速0
.6ml/分、注入量10μl、カラム温度40℃で行った。
オリゴマーとしては、例えば、脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、芳香族ウレタ
ンアクリレートオリゴマーなどのウレタンアクリレートオリゴマー、アクリルエステルオ
リゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマーなど
が挙げられる。耐摩擦性の観点から、エポキシアクリレートオリゴマーが好ましく、ビス
フェノールA骨格を有するエポキシアクリレートオリゴマーがより好ましい。
また、オリゴマーは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
耐摩擦性と柔軟性の観点から、オリゴマーの含有量は、活性エネルギー線硬化型オーバ
ーコートニスの全質量に対して、5〜40質量%であることが好ましく、10〜35質量
%であることがより好ましい。
[光重合開始剤]
本発明の活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスは、光重合開始剤を含む。本発明
に用いることができる光重合開始剤としては、特に制限はなく、公知の光重合開始剤を用
いることができる。具体例としては、ベンゾフェノン系化合物、ジアルコキシアセトフェ
ノン系化合物、α−ヒドロキシアルキルフェノン系化合物、α−アミノアルキルフェノン
系化合物、アシルフォスフィンオキサイド化合物、チオキサントン化合物などが挙げられ
る。
また、光重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
上記ベンゾフェノン系化合物としては、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、
4−フェニルベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,
4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル
]−フェニルメタノンなどが挙げられる。
上記ジアルコキシアセトフェノン系化合物としては、2,2−ジメトキシ−2−フェニ
ルアセトフェノン、ジメトキシアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノンなどが挙げら
れる。
上記α−ヒドロキシアルキルフェノン系化合物としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキ
シルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン
、1−[4−(2−ヒドロキシメトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−
1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メ
チル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オンなどが
挙げられる。
上記α−アミノアルキルフェノン系化合物としては、2−メチル−1−[4−(メトキ
シチオ)−フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメ
チルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ
)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル
−1−ブタノンなどが挙げられる。
上記のアシルフォスフィンオキサイド系化合物としては、ジフェニルアシルフェニルフ
ォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオ
キサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイ
ドなどが挙げられる。
上記チオキサントン系化合物としては、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジ
メチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントンなどが挙げられる。
前記光重合開始剤の含有量は、活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスの全質量に
対して、1〜20質量%であることが好ましく、5〜15質量%であることがより好まし
い。
[耐摩擦剤]
(液状ポリエチレンワックス)
本発明の活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスは、耐摩擦剤として、25℃での
粘度が100〜3,000mPa・sの液状ポリエチレンワックスを含む。
また、前記液状ポリエチレンワックスは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み
合わせてもよい。
前記液状ポリエチレンワックスの25℃での粘度は、光沢とスリップ性の観点から、1
00〜1,000mPa・sであることがより好ましい。
前記液状ポリエチレンワックスの含有量は、耐摩擦性、スリップ性、光沢、ポットスタ
ンプ性のバランスの観点から、活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスの全質量に対
して、0.1〜3質量%であることが好ましく、0.2〜2質量%がより好ましく、0.
3〜1質量%が特に好ましい。
前記液状ポリエチレンワックスは、公知のものを用いることができる。具体的には、S
HAMROCK社製のVersaflow LV、Versaflow BASE、Ve
rsaflow EV、Versaflow HVなどが挙げられる。
(植物由来のワックス)
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスは、耐摩擦性とオーバー
コートニスの安定性の観点から、耐摩擦剤として、25℃で固体である植物由来のワック
スを含むことが好ましい。
また、前記25℃で固体である植物由来のワックスは、1種単独で用いてもよいし、2
種以上を組み合わせてもよい。
前記植物由来のワックスは、耐摩擦性の観点から、融点が60〜120℃であることが
好ましく、75〜90℃であることがより好ましい。
融点の測定方法は、以下の通りである。セイコーインスツルメンツ(株)製のDSC−
200を用いて、昇温温度10℃/min、温度範囲25〜150℃、サンプル容器はカ
シメ密閉にて測定した。
前記植物由来のワックスは、耐摩擦性と光沢の観点から、平均粒子径が1〜20μmで
あることが好ましく、1〜10μmであることがより好ましく、1〜6μmであることが
特に好ましい。
平均粒子径の測定方法は、以下の通りである。島津製作所(株)製のレーザー回折粒度
分布測定装置SALD−2200を用いて、粒度分布曲線において積算値が50%にあた
る粒径を測定した。
前記植物由来のワックスの含有量は、耐摩擦性と光沢の観点から、活性エネルギー線硬
化型オーバーコートニスの全質量に対して、0.02〜0.5質量%であることが好まし
く、0.04〜0.3質量%であることがより好ましい。
前記植物由来のワックスは、公知の植物由来のワックスを用いることができる。具体的
には、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、木蝋などが挙げられ
る。中でも、入手が容易なカルナバワックスが好ましい。
[その他成分]
本発明の活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスには、必要に応じて上記成分以外
に、不活性樹脂、増感剤、表面張力調整剤、重合禁止剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤などを含有することができる。
(不活性樹脂)
本発明の活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスは、不活性樹脂を含んでもよい。
不活性樹脂を含むことで、硬化時に生じる塗膜の硬化収縮を緩和し、基材のカールを抑制
し、さらに、基材への密着性が向上する。本発明において、「不活性樹脂」とは、反応性
基を有しない、重量平均分子量が10,000以上である化合物を意味する。
前記不活性樹脂の重量平均分子量は、10,000〜100,000であることが好ま
しい。より好ましくは、10,000〜70,000である。
前記不活性樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、不活性樹脂の含有量は、オーバーコートニスの全質量に対して、1〜5質量%であ
ることが好ましい。
前記不活性樹脂としては、具体的に、ポリ塩化ビニル、(メタ)アクリル樹脂、スチレ
ン(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロ
ース誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース)、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタ
レート樹脂、アルキッド樹脂、ロジン変性アルキッド樹脂、石油樹脂、尿素樹脂、ブタジ
エン−アクリルニトリル共重合体のような合成ゴムなどが挙げられる。中でも、密着性の
観点から、スチレン(メタ)アクリル樹脂が好ましく、アミノ基を有するスチレン(メタ
)アクリル樹脂がより好ましい。
前記アミノ基を有するスチレン(メタ)アクリル樹脂は、公知のものを用いることがで
きる。具体的には、荒川化学工業社製のビームセット(登録商標)271(重量平均分子
量10,000、アミン価80mgKOH/g)、ビームセット267F(重量平均分子
量10,000、アミン価21mgKOH/g)、ビームセット255(重量平均分子量
10,000、アミン価30mgKOH/g)などが挙げられる。
前記アミノ基を有するスチレン(メタ)アクリル樹脂のアミン価は、密着性と黄変の観
点から、10〜130mgKOH/gであることが好ましく、30〜100mgKOH/
gがより好ましい。
なお、アミン価は、ASTM D2074の方法に準拠し、測定した全アミン価(mg
KOH/g)である。
(増感剤)
本発明の活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスは、増感剤を含んでもよい。増感
剤を含むことで、硬化性を一層向上することができる。増感剤としては、具体的に、トリ
エタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、脂肪族ア
ミン、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジ
メチルアミノ安息香酸イソアミル、ジブチルエタノールアミンなどが挙げられる。
(表面張力調整剤)
本発明の活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスは、ホットスタンプ性を損なわな
い範囲で、表面張力調整剤を含んでもよい。表面張力調整剤としては、アクリル系表面張
力調整剤、アセチレングリコール系表面張力調整剤、高級アルコール系表面張力調整剤な
どが挙げられる。中でも、ホットスタンプ性の観点から、炭素数が12以上のアルキル鎖
を有するモノアルコール系表面張力調整剤が好ましい。
前記高級アルコール系表面張力調整剤は、公知のものを用いることができる。具体的に
は、日産化学社製のファインオキソコール180、ファインオキソコール180N、ファ
インオキソコール180T、ファインオキソコール1600K、ファインオキソコール2
000などが挙げられる。
高級アルコール系表面張力調整剤の含有量は、活性エネルギー線硬化型オーバーコート
ニスの全質量に対して、0.05〜5質量%であることが好ましく、0.05〜2質量%
であることがより好ましい。
(重合禁止剤)
本発明の活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスは、重合禁止剤を含んでもよい。
重合禁止剤としては、具体的には、4−メトキシフェノール、ハイドロキノン、メチルハ
イドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノ
ール、フェノチアジン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンのアルミニウム塩など
が挙げられる。
重合禁止剤の含有量は、硬化性を維持しつつ、オーバーコートニスの安定性を高める観
点から、活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスの全質量に対して、0.01〜2質
量%であることが好ましい。
なお、本発明において、オーバーコートニスは、有機溶剤、及び水を実質的に含有しな
いことが好ましい。実質的に含有しないとは、オーバーコートニスの全質量に対して、3
質量%以下である。
<印刷物、及び積層体>
本発明の積層体は、第1の基材に印刷されたインキ層上に、本発明の活性エネルギー線
硬化型オーバーコートニスを印刷し、活性エネルギー線で硬化させた印刷物に、接着層を
有する第2の基材を接着することによって得られる。このとき、印刷物の活性エネルギー
線硬化型オーバーコートニス層と、第2の基材が接着層によって接着されるものである。
本発明の第1の基材は、特に制限がなく、公知のものを用いることができる。具体的に
は、アート紙、コート紙、キャスト紙などの塗工紙や上質紙、中質紙、新聞用紙などの非
塗工紙、ユポ紙などの合成紙、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロ
ピレン)、OPP(2軸延伸ポリプロピレン)のようなプラスチックフィルムなどが挙げ
られる。
本発明のインキ層は、特に制限がなく、公知のものを用いることができる。具体的には
、オフセットインキ、スクリーンインキ、グラビアインキ、フレキソインキ、インクジェ
ットインキ、トナーなどが挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化型オーバーコートニス層は、インキ層の一部に形成して
も、インキ層の表面全体に形成してもよい。また、前記オーバーコートニス層は、インキ
層が印刷されていない部分に形成してもよい。
本発明の積層体におけるオーバーコートニス層の厚みは、1〜10μmであることが好
ましく、3〜7μmであることがより好ましい。
本発明において、活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスを塗工する方法は、特に
制限がなく、公知の方法を用いることができる。具体的には、ロールコーター、ロッドコ
ーター、ブレード、ワイヤーバー、ドクターナイフ、スピンコーター、スクリーンコータ
ー、グラビアコーター、オフセットグラビアコーター、フレキソコーターなどが挙げられ
る。
また、塗工時に必要に応じて、加熱をおこなってもよい。
本発明において、活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスを硬化する方法は、特に
制限はなく、公知の方法を用いることができる。例えば、α線、γ線、電子線、X線、紫
外線、可視光又は赤外光などを照射することで硬化することができる。中でも、紫外線、
電子線が好ましく、より好ましくは紫外線である。紫外線のピーク波長は、200〜60
0nmであることが好ましく、より好ましくは350〜420nmである。
活性エネルギー線源としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができる。具
体的には、水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハイドライドランプ、紫外線発光ダイオ
ード(UV−LED)、紫外線レーザーダイオード(UV−LD)等のLED(発光ダイ
オード)やガス・固体レーザーなどが挙げられる。
本発明の接着層を有する第2の基材は、特に制限はなく、公知のものを用いることがで
きる。市販品として、中井工業(株)製の熱転写箔AM−106などが挙げられる。前記
接着層を有する第2の基材を、本発明の活性エネルギー線硬化型オーバーコートニス層上
に貼り合わせた後、熱融着させ、絵柄を本発明の活性エネルギー線硬化型オーバーコート
ニス層上に熱転写することで本発明の積層体が得られる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は、以
下の実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例および比較例中、「部」及
び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。
<オーバーコートニスの作成方法>
[ワックス分散体の調製方法]
ワックスとして、精製ライスワックスを20部、分散媒としてジプロピレングリコール
モノメチルエーテルを80部加えて、ディスパーで30分予備撹拌して均一混合物とした
。その後、横型ビーズミルで冷却しながら分散を行い、平均粒子径が1〜20μmの範囲
に収まるよう調整したライスワックス分散体(有効成分20質量%)を作成した。
表1に記載した原料を変更した以外は、同様の方法にて、キャンデリラワックス分散体
、パラフィンワックス分散体、固体ポリエチレンワックス分散体を作成した。
表1中、表記の説明は以下の通りである。
・精製ライスワックス:東亜化成油脂社製、融点79℃
・精製キャンデリラワックスMk−2:横関油脂社製、融点71℃
・TOPCO BW−3250:東洋アドレ社製、パラフィンワックス、融点74℃
・S394−N1:SHAMROCK社製、ポリエチレンワックス、融点113℃
表2記載の材料を混合し、50℃で30分攪拌後、80メッシュの金属メッシュにて濾
過を行い、実施例1〜33、及び、比較例1〜5の各オーバーコートワニスをそれぞれ得
た。なお、表1中の各オリゴマー、各ワックス、不活性樹脂の量は、有効成分量を表し、
その他の成分は、各成分の欄に割り振っている。また、数値は特に断りがない限り「質量
部」を表し、空欄は配合していないことを表す。
表2中、表記の説明は以下の通りである。
[重合性化合物]
(オリゴマー)
・MIRAMER(登録商標) PE2160:美源社製 2官能のビスフェノールA型
エポキシアクリレートオリゴマー、Mw520、有効成分40質量%(残りは、EO(3
)変性トリメチロールプロパントリアクリレート:50質量%、トリプロピレングリコー
ルジアクリレート:10質量%)
・EBECRYL(登録商標) 3500:ダイセル・オルネクス株式会社製、2官能の
脂肪族エポキシアクリレート、Mw750、有効成分100質量%
・EBECRYL(登録商標) 4858:ダイセル・オルネクス株式会社製、2官能の
脂肪族ウレタンアクリレート、Mw450、有効成分100質量%
(モノマー)
・MIRAMER(登録商標) M142:美源社製 EO(2)変性フェノールアクリ
レート
・TPGDA:ダイセル・オルクネス社製 トリプロピレングリコールジアクリレート
・Laromer(登録商標) LR8863:BASF社製 EO(3)変性トリメチ
ロールプロパントリアクリレート
・MIRAMER(登録商標) M410:美源社製 ジトリメチロールプロパンテトラ
アクリレート
・MIRAMER(登録商標) M600:美源社製 ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレート
[重合開始剤]
・SB−PI712:双邦実業社製 4−メチルベンゾフェノン
・ダイドーUVキュア174:大同化成工業社製 1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニ
ルケトン
[耐摩擦剤]
(液状ポリエチレンワックス)
・Versaflow LV:SHAMROCK社製 液状ポリエチレンワックス 粘度
100mPa・s(25℃)、有効成分100質量%
・Versaflow BASE:SHAMROCK社製 液状ポリエチレンワックス
粘度900mPa・s(25℃)、有効成分100質量%
・Versaflow EV:SHAMROCK社製 液状ポリエチレンワックス 粘度
1000mPa・s(25℃)、有効成分100質量%
・Versaflow HV:SHAMROCK社製 液状ポリエチレンワックス 粘度
3000mPa・s(25℃)、有効成分100質量%
(植物由来のワックス)
・CERACOL79:BYK Additives&Instruments社製 カ
ルナバワックス分散体、融点85℃、平均粒径2μm、有効成分20質量%(残りは、ジ
プロピレングリコールモノメチルエーテル:80質量%)
・CERACOL80:BYK Additives&Instruments社製 カ
ルナバワックス分散体、融点85℃、平均粒径15μm、有効成分17.5質量%(残り
は、メチルエチルケトン:82.5質量%)
(シリコン系化合物)
・KP101:信越化学社製 ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン、有効成分10
0質量%
[その他成分]
(不活性樹脂)
・ビームセット(登録商標)271:荒川化学工業社製 アミン基含有スチレンアクリル
樹脂、Mw10,000、アミン価80mgKOH/g、有効成分50質量%(残りは、
トリプロピレングリコールジアクリレート:50質量%)
(増感剤)
・アミノアルコールMDA:日本乳化剤社製 N−メチルジエタノールアミン
(表面張力調整剤)
・ファインオキソコール 180T:日産化学社製 イソオクタデカノール
(重合禁止剤)
・メトキノン:パラ−メトキシフェノール
得られたオーバーコートニスを、以下の方法により性能評価を行った。結果を表3に示
す。
<試験片の作成方法>
北越マリコート(北越コーポレーション(株)製のコートボール紙)にFDカルトンX
(東洋インキ(株)製の活性エネルギー線硬化型インキ)の墨インキを印刷、硬化させた
インキ層上に、表2に示す活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスをバーコーター♯
2にて塗工し、塗工物を得た。
塗工物を、塗工物とランプ間の距離が5cm、160W/cmの強度(出力)を有する
高圧水銀灯(オゾンタイプ)1灯の条件にて、30m/分のコンベアーにのせ紫外線を照
射し、活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスを硬化させることで試験片を作成した
[ホットスタンプ性]
上記方法で作成した試験片のオーバーコートニス面に、中井工業(株)製の熱転写箔A
M−106の接着面を重ね合せ、テスター産業(株)製のヒートシールテスターTP−7
01Sにて120℃で熱転写し、転写した面積の評価を行った。3以上で実用上問題ない
レベルであると評価する。
5:転写面積が100%である
4:転写面積が90%以上である
3:転写面積が80%以上90%未満である
2:転写面積が50%以上80%未満である
1:転写面積が50%未満である
[耐摩擦性]
上記方法で作成した試験片を用い、テスター産業(株)製の学振型摩擦堅牢度試験機(
荷重500g200回、対紙:上質紙)にて耐摩擦性試験を行い、オーバーコートニスを
展色した面に生じた傷について評価した。3以上で実用上問題ないレベルであると評価す
る。
5:全く傷付きがない
4:傷の面積が10%未満である
3:傷の面積が10%以上30%未満である
2:傷の面積が30%以上50%未満である
1:傷の面積が50%以上である
[スリップ性]
上記方法で作成した試験片を用い、オーバーコートニス面とオーバーコートニス面とで
の滑り角(JIS P8147に準拠)を測定しスリップ性を評価した。3以上で実用上
問題ないレベルであると評価する。
5:滑り角が30°未満である
4:滑り角が30°以上40°未満である
3:滑り角が40°以上50°未満である
2:滑り角が50°以上60°未満である
1:滑り角が60°以上である
[柔軟性]
上記方法で作成した試験片を用い、試験片に折り目をつけ、オーバーコートニス面を1
80°山折りにし、元に戻した時の塗工面のひび割れを評価した。3以上で実用上問題な
いレベルであると評価する。
5:折り曲げ線部に塗膜の割れなし、塗膜の白化無し
4:折り曲げ線部に塗膜の割れが10%未満、僅かに塗膜が白化している
3:折り曲げ線部に塗膜の割れが10%以上20%未満、僅かに塗膜が白化している
2:折り曲げ線部に塗膜の割れが20%以上60%未満、塗膜が白化している
1:折り曲げ線部に塗膜の割れが100%割れて、欠片が落ちる
[光沢]
上記方法で作成した試験片を用いて、村上色彩研究所製の光沢計GM62Dにて、オー
バーコートニスを展色した面の60°反射角での光沢値(JIS Z 8741に準拠)
を測定。3以上で実用上問題ないレベルであると評価する。
5:光沢値が80°以上である
4:光沢値が60°以上80°未満である
3:光沢値が40°以上60°未満である
2:光沢値が20°以上40°未満である
1:光沢値が20°未満である
[活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスの安定性]
表1の活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスを40℃で1週間静置。撹拌後、8
0メッシュの金属メッシュにて濾過し、メッシュ上の凝集物の量を目視評価した。3で実
用上問題ないレベルであると評価する。
5:凝集物が全くない
4:僅かに小さな凝集物が存在する
3:小さな凝集物が存在する
2:小さな凝集物と、僅かに大きな凝集物が存在する
1:大きな凝集物が多数存在する
以上より、本願発明の活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスが、高光沢で高い塗
膜耐性(耐摩擦性、スリップ性、柔軟性)を有し、ホットスタンプ性、及び、保存安定性
に優れていることがわかった。
すなわち、本発明は、重合性化合物、光重合開始剤、及び、耐摩擦剤を含む活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスであって、
前記耐摩擦剤が、25℃での粘度が100〜3,000mPa・sの液状ポリエチレンワックス、及び、25℃で固体である植物由来のワックスを含み、
前記液状ポリエチレンワックスの含有量が、活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスの全質量に対して0.1〜3質量%であり、
前記植物由来のワックスの含有量が、活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスの全質量に対して0.02〜0.5質量%である、活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスに関する。
また、本発明は、第1の基材に印刷されたインキ層上に、活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスを印刷し、活性エネルギー線で硬化させた印刷物に、接着層を有する第2の基材を接着してなる積層体であって、
前記活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスが、重合性化合物、光重合開始剤、及び、耐摩擦剤を含み、
前記耐摩擦剤が、25℃での粘度が100〜3,000mPa・sの液状ポリエチレンワックスを含み、
印刷物の活性エネルギー線硬化型オーバーコートニス層と、第2の基材が接着層によって接着されてなる積層体に関する。

Claims (7)

  1. 重合性化合物、光重合開始剤、及び、耐摩擦剤を含む活性エネルギー線硬化型オーバー
    コートニスであって、
    前記耐摩擦剤が、25℃での粘度が100〜3,000mPa・sの液状ポリエチレン
    ワックスを含む、活性エネルギー線硬化型オーバーコートニス。
  2. 前記耐摩擦剤が、さらに、25℃で固体である植物由来のワックスを含む、請求項1に
    記載の活性エネルギー線硬化型オーバーコートニス。
  3. 前記植物由来のワックスの融点が、60〜120℃である、請求項2に記載の活性エネ
    ルギー線硬化型オーバーコートニス。
  4. 前記液状ポリエチレンワックスの含有量が、活性エネルギー線硬化型オーバーコートニ
    スの全質量に対して0.1〜3質量%であり、
    前記植物由来のワックスの含有量が、活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスの全
    質量に対して0.02〜0.5質量%である、請求項2又は3に記載の活性エネルギー線
    硬化型オーバーコートニス。
  5. 前記重合性化合物が、2官能(メタ)アクリレートモノマー及び/又は3官能(メタ)
    アクリレートモノマーを含み、
    前記2官能(メタ)アクリレートモノマー及び3官能(メタ)アクリレートモノマーの
    含有量の合計が、活性エネルギー線硬化型オーバーコートニスの全質量に対して40〜8
    0質量%である、請求項1〜4いずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型オーバーコ
    ートニス。
  6. 第1の基材に印刷されたインキ層上に、請求項1〜5いずれか1項に記載の活性エネル
    ギー線硬化型オーバーコートニスを印刷し、活性エネルギー線で硬化させた印刷物。
  7. 請求項6記載の印刷物における活性エネルギー線硬化型オーバーコートニス層に、接着
    層を有する第2の基材を接着してなる積層体。
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