JP2016187874A - 積層体の製造方法、およびそれに適した活性エネルギー線硬化性ワニス組成物 - Google Patents

積層体の製造方法、およびそれに適した活性エネルギー線硬化性ワニス組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】ワニスの貯蔵安定性を維持しつつ、支持基材への密着性、塗膜の光沢感、美粧性、耐黄変性に優れる活性エネルギー線硬化型ワニス組成物の提供。
【解決手段】紙基材上に、活性エネルギー線硬化性ワニス組成物を塗布し、該塗布面にポリオレフィンフィルムを貼り合わせ、該ポリオレフィンフィルムを透して活性エネルギー線を照射して前記塗布面のワニス組成物を硬化させ、その後に該ポリオレフィンフィルムを剥離させてなる印刷物に用いる活性エネルギー線硬化性ワニス組成物。
1)活性エネルギー線硬化性ワニス組成物がスチレン−アクリル樹脂(A)、分子内に(メタ)アクリロイル基を少なくとも1個有する重合性単量体(B)、光重合開始剤(C)、ワックス(D)、アルカノールアミン系増感剤(E)を含む。
2)スチレン−アクリル樹脂(A)が、スチレン系単量体(a1)と(メタ)アクリル酸エステル単量体(a2)を共重合させてなる。
【選択図】なし

Description

本発明は、紙基材の表面を高光沢化する表面加工された積層体の製造方法、およびそれに適した活性エネルギー線硬化性ワニス組成物に関する。
雑誌、コミックス、教科書などの表紙、紙袋、カレンダー、紙器製品は、油性またはUVオフセットインキなどで印刷した後、印刷面に耐擦過性や耐ブロッキング性の向上、スリップ性や光沢の付与を目的としてオーバープリントワニスが塗工されている。
このようなオーバープリントワニスとしては、養生期間を必要とする熱硬化型溶剤系または水系等の種々のものが主に利用されてきた。
ところが近年では塗工物が短時間で得られるといった生産性の向上が要求され、塗工後ですぐに乾燥・硬化する活性エネルギー線硬化性ワニス組成物組成物が開発され使用されるようになっている。
活性エネルギー線硬化性ワニス組成物組成物は、支持基材に塗工し、繰返し使用できる美粧性転写フィルムを塗工面に重ね合わせた後、活性エネルギー線にて塗膜を硬化させ、美粧性転写フィルムを剥離させることで、転写フィルムと同柄のオーバープリント層を得ることができる(特許文献1乃至5)。
しかしながら、支持基材である印刷物のインキが十分に乾燥していない場合、特許文献3,4,5の表面加工に用いるワニスでは、オーバープリントワニスは支持基材への密着性が得られず、塗工時に重ね合せたフィルムを剥離する際に塗膜表面が取られたり、後の工程で塗膜表面が擦り取られたりする等して光沢感や美粧性が劣化・消失する傾向にあった。また、オーバープリントワニスとして活性エネルギー線硬化性ワニス組成物を用いた場合、組成によっては貯蔵安定性が悪くワニスが黄変し、結果として塗工時に機械が汚染される、硬化塗膜の黄変により美粧性が損なわれる、などの問題があった。これらのことから、支持基材のインキ乾燥時間を考慮すると、短時間で印刷インキからオーバープリント層までの積層体を得る、と言う点で最適な手法であるとは言い難いものであった。
特開平8−036352号公報 特開平5−232853号公報 特開2007−90162号公報 特許3246671号公報 特許4287420号公報
そこで、これらの問題を解決する手段として、支持基材にワニスを塗工し、繰返し使用できる美粧性転写フィルムを塗工面に重ね合わせた後、活性エネルギー線にて塗膜を硬化させ、美粧性転写フィルムを剥離させる表面加工された積層体の製造方法、およびそれに適した、紙基材への密着性、塗膜の光沢感、美粧性、耐黄変性に優れた活性エネルギー線硬化性ワニス組成物を提供する。
本発明者らは、上記の目的を達成する為に鋭意検討した結果、紙基材面または印刷インキで印刷した該印刷面にワニスを塗工し、繰返し使用できる美粧性転写フィルムを塗工面に重ね合わせた後、活性エネルギー線にて塗膜を硬化させ、美粧性転写フィルムを剥離させる表面加工方法を行う際に、特定の組成からなる活性エネルギー線硬化性オーバープリントワニスを使用することにより、上記課題を全て解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、紙基材上に、活性エネルギー線硬化性ワニス組成物を塗布し、該塗布面にポリオレフィンフィルムを貼り合わせ、該ポリオレフィンフィルムを透して活性エネルギー線を照射して前記塗布面のワニス組成物を硬化させ、その後に該ポリオレフィンフィルムを剥離させることを特徴とする積層体の製造方法であって、
前記活性エネルギー線硬化性ワニス組成物が、下記の1)〜5)であることを特徴とする積層体の製造方法に関する。
1)活性エネルギー線硬化性ワニス組成物が、スチレン−アクリル樹脂(A)15〜35重量%、重合性単量体(B)50〜80重量%、光重合開始剤(C)0〜20重量%、ワックス(D)0.1〜10重量%および増感剤(E)0.1〜5重量%を含む。
2)スチレン−アクリル樹脂(A)が、スチレン系単量体(a1)65〜95重量%と(メタ)アクリル酸エステル単量体(a2)5〜35重量%とを共重合させてなり、かつ重量平均分子量6000〜14000である。
3)重合性単量体(B)が、分子内に(メタ)アクリロイル基を少なくとも1個有する単量体である。
4)ワックス(D)が、シリコーン系および高分子系ワックスから選ばれる1種類以上である。
5)増感剤(E)が、N−ターシャリーブチル−N,N−ジエタノールアミン(E1)、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン(E2)、N−メチル−N−エタノールアミン(E3)、N−エチル−N−エタノールアミン(E4)、N−エチル−N,N−ジエタノールアミン(E5)、N−ブチル−N,N−ジエタノールアミン(E6)、およびN,N−ジイソプロピル−N−エタノールアミン(E7)から選ばれる1種以上である。
また、本発明は、(メタ)アクリル酸エステル単量体(a2)が、炭素数1〜18の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルであることを特徴とする上記積層体の製造方法に関する。
また、本発明は、紙基材が、印刷インキによる絵柄層を有する上記積層体の製造方法に関する。
また、本発明は、上記製造方法で製造されてなる積層体に関する。
また、本発明は、上記積層体に用いられる活性エネルギー線硬化性ワニス組成物であって、
前記活性エネルギー線硬化性ワニス組成物が、下記の1)〜5)であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性ワニス組成物に関する。
1)活性エネルギー線硬化性ワニス組成物が、スチレン−アクリル樹脂(A)15〜35重量%、重合性単量体(B)50〜80重量%、光重合開始剤(C)0〜20重量%、ワックス(D)0.1〜10重量%および増感剤(E)0.1〜5重量%を含む。
2)スチレン−アクリル樹脂(A)が、スチレン系単量体(a1)65〜95重量%と(メタ)アクリル酸エステル単量体(a2)5〜35重量%とを共重合させてなり、かつ重量平均分子量6000〜14000である。
3)重合性単量体(B)が、分子内に(メタ)アクリロイル基を少なくとも1個有する単量体である。
4)ワックス(D)が、シリコーン系および高分子系ワックスから選ばれる1種類以上である。
5)増感剤(E)が、N−ターシャリーブチル−N,N−ジエタノールアミン(E1)、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン(E2)、N−メチル−N−エタノールアミン(E3)、N−エチル−N−エタノールアミン(E4)、N−エチル−N,N−ジエタノールアミン(E5)、N−ブチル−N,N−ジエタノールアミン(E6)、およびN,N−ジイソプロピル−N−エタノールアミン(E7)から選ばれる1種以上である。
本発明により、紙基材面または印刷インキで印刷した該印刷面に活性エネルギー線硬化性ワニスを塗工し、繰返し使用できる美粧性を有するポリオレフィンフィルムを塗工面に重ね合わせた後、活性エネルギー線にて塗膜を硬化させ、該転写フィルムを剥離させる表面加工され、優れた基材・印刷インキ密着性、硬化性、美粧性および貯蔵安定性を有する積層体、および、それに適した活性エネルギー線硬化型ワニス組成物を提供できる。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の積層体の製造方法は、紙基材面または印刷インキで印刷した該印刷面に活性エネルギー線硬化型ワニスを塗工し、繰返し使用できる美粧性を有するポリオレフィンフィルムを塗工面に重ね合わせた後、活性エネルギー線にて塗膜を硬化させ、該ポリオレフィンフィルムを剥離させる順序を経る。この順序を経ることにより、表面加工された積層体を得ることができる。
<<活性エネルギー線硬化性ワニス組成物>>
本発明に用いられる活性エネルギー線硬化性ワニス組成物は、スチレン−アクリル樹脂(A)15〜35重量%、重合性単量体(B)50〜80重量%、光重合開始剤(C)0〜20重量%、ワックス(D)0.1〜10重量%および増感剤(E)0.1〜5重量%を含んでなる。
<スチレン−アクリル樹脂(A)>
本発明におけるスチレン−アクリル樹脂(A)は、スチレン系単量体(a1)65〜95重量%と(メタ)アクリル酸エステル単量体(a2)5〜35重量%とを共重合させて合成される。
スチレン系単量体(a1)としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルスチレン系などのスチレン類などが挙げられ、これらを1種または2種以上使用できる。光沢感、塗膜物性およびコストを考慮するとスチレンが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル単量体(a2)としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、2−ヘプチル、2−エチルヘキシル、2−エチルブチル、ノニル、ドデシル、ラウリル、ステアリル等の直鎖または分岐のアルキル鎖を有するアルキル(メタ)アクリレート類、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレートや3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリレートなどのアミノ基を有する(メタ)アクリレート類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートやヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート類が挙げられ、その他エポキシ基を有する(メタ)アクリレート類やアミド基を有する(メタ)アクリレート類が例示でき、これらを1種または2種以上使用できる。
本発明においては(メタ)アクリル酸エステル単量体(a2)は炭素数1〜18の炭化水素基を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とをエステル反応させてなる(メタ)アクリル酸エステル、アミノ基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。炭素数1〜18の炭化水素基は、前記直鎖または分岐のアルキル鎖が好ましく、ジアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、エポキシ基などの置換基を有していてもよい。
油性オフセットインキの印刷層に対する密着性からステアリル(メタ)アクリレートまたは2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレートが好ましい。ワニスの貯蔵安定性の観点からはラウリル(メタ)アクリレートやステアリル(メタ)アクリレートなど、長鎖炭化水素の(メタ)アクリル酸エステルが好適である。
スチレン−アクリル樹脂(A)においてスチレン系単量体(a1)は、樹脂(A)中65〜95重量%であることが必要である。65重量%より少ないと積層体にした際の光沢感が不足してしまい、95重量%より多いと、紙基材への密着性が不足してしまう。
また、スチレン−アクリル樹脂(A)は、重量平均分子量が6000〜14000のものが好適である。6000より小さいと積層体にした際の十分な塗膜物性が得られないことがあり、14000より大きいとワニス粘度を下げることが困難になり、塗工適性のないものになってしまうことがある。
スチレン−アクリル樹脂(A)の配合量としてはワニス組成物中に15〜35重量%であることが好ましい。配合量が15重量%より少ないと光沢感が不足し、35重量%より多いとワニス粘度が高くなりすぎてしまい、塗工適性のないものとなる。スチレン‐アクリル樹脂の合成方法は特に限定されず、溶液重合、懸濁重合、乳化重合など公知の方法で製造することができる。分子量は公知の方法、例えば重合開始剤、連鎖移動剤の種類や使用量、分離・精製により調節が可能である。
<単量体(B)>
本発明における重合性単量体(B)は、(メタ)アクリロイル基を少なくとも1個有する単量体である。本発明において、単量体とは、モノマーおよびオリゴマー両方を含むこととする。
分子内に(メタ)アクリロイル基を少なくとも1個有するモノマーとしては、例えば、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート;ベンジルメタクリレート、ベンジルアクリレートなどのアラルキル(メタ)アクリレート;ブトキシエチルメタクリレート、ブトキシエチルアクリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルの(メタ)アクリル酸エステル;ヘキサエチレングリコールモノフェニルエーテルなどのポリアルキレングリコールモノアリールエーテルの(メタ)アクリル酸エステル;その他イソボニル(メタ)アクリレート;グリセロール(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどがある。エチレンオキサイド(EO)又はプロピレンオキサイド(PO)で変性されたものとしては、2−エチルヘキシル(EO)変性アクリレートなどが例示できる。
分子内に(メタ)アクリロイル基を2個有するモノマーとしては、例えば、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどがある。エチレンオキサイド(EO)又はプロピレンオキサイド(PO)で変性されたものとしては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレートなどが例示できる。
分子内に(メタ)アクリロイル基を3個以上有するモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどがある。これらのエチレンオキサイド(EO)又はプロピレンオキサイド(PO)で変性されたものなども使用でき、トリメチロールプロパン(EO)変性トリ(メタ)アクリレートなどが例示できる。
本発明における重合性単量体(B)が、(メタ)アクリロイル基を少なくとも1個有する含窒素環状化合物としては、モルフォリンアクリレートやイソシアヌレート型アクリレート、イミドアクリレート、テトラメチルピペリジルメタクリレート、ペンタメチルピペリジルメタクリレート、ビニルカルバゾール、ビニルピロリドン、ジビニルエチレンウレア、1−ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクトンなどが挙げられる。ワニス粘度や塗工適性を考慮すると、好ましくはモルフォリンアクリレートを用いる。
分子内に(メタ)アクリロイル基を少なくとも1個有するオリゴマーとしては、上記単量体の1種または2種以上を適宜重合させて得られたものを用いることができる。
上記重合性単量体(B)は、1種又は2種以上を用いることができる。1〜4官能の重合性単量体のうち少なくとも1種を用いることが好ましいが、1官能の重合性単量体のみでは塗膜の耐擦過性や硬化性が不十分になりやすい。5官能以上の重合性単量体のみではスチレン−アクリル樹脂の溶解性が低く、またワニスの粘度を下げることが困難になってしまう。
重合性単量体(B)の配合量としてはワニス組成物中に50〜80重量%である。配合量が50%より少ないとワニス粘度を下げることが困難になり、塗工適性のないものになってしまう。80%より多いとスチレン−アクリル樹脂の配合量が減ってしまうことで、光沢感が不足してしまう。
<重合開始剤(C)>
重合開始剤(C)としては、活性エネルギー線照射によって、容易に開裂して2個のラジカルができる光開裂型または水素引き抜き型、あるいはこれらを混合して使用することができる。これらの化合物としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインジメチルケタール、チオキサントン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6,−トリメチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタノン、ジフェニル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
上記重合開始剤(C)は、1種又は2種以上を用いることができる。光重合開(C)始剤はワニス組成中に0〜20重量%用いる。重合開始剤(C)は電子線で硬化させる際には不要であり、またLED光源の紫外線により硬化させる場合には10〜20重量%必要とする。20重量%より多いと塗膜中の開始剤の量が多すぎてしまい、耐擦性などの塗膜強度が不足してしまう。一般光源の紫外線により硬化させる場合には1〜10重量%必要とする。
<ワックス(D)>
ワックス(D)としては、シリコーン系および/または高分子系ワックス添加剤が挙げられ、慣用公知の添加剤を用いることが出来る。シリコーン系添加剤であれば、例えばポリシロキサン、変性シリコーンオイル、トリメチルシロキシケイ酸を含有するポリシロキサン、シリコーン系アクリル樹脂等である。高分子系ワックス添加剤であれば、例えばポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンやアマイド、カルナバなどが用いられる。これらの中でいずれも単独あるいは複数のものを組み合わせて使用することができる。
ワックス(D)は、ワニス組成物中0.1〜10重量%用いる。0.1重量%より少ないと、塗膜の耐擦過性やスリップ性が不足してしまい、反対に10重量%より多いと塗工直後に泳ぎが発生する場合や、塗膜に曇が見られる場合がある。
<増感剤(E)>
本発明における増感剤(E)としては、アルカノールアミン類の含窒素単量体である、N−ターシャリーブチル−N,N−ジエタノールアミン(E1)、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン(E2)、N−メチル−N−エタノールアミン(E3)、N−エチル−N−エタノールアミン(E4)、N−エチル−N,N−ジエタノールアミン(E5)、N−ブチル−N,N−ジエタノールアミン(E6)、およびN,N−ジイソプロピル−N−エタノールアミン(E7)から選ばれる1種以上である。
好ましくはN−ターシャリーブチル−N,N−ジエタノールアミン(E1)、N−メチル−N−エタノールアミン(E3)、N−エチル−N−エタノールアミン(E4)、N−エチル−N,N−ジエタノールアミン(E5)、N−ブチル−N,N−ジエタノールアミン(E6)、N,N−ジイソプロピル−N−エタノールアミン(E7)であり、更に好ましくは、N−ターシャリーブチル−N,N−ジエタノールアミン(E1)、N−メチル−N−エタノールアミン(E3)、N−エチル−N−エタノールアミン(E4)である。
増感剤(E)は、ワニス組成物中0.1〜5重量%用いる。0.1重量%より少ないと基材への密着性が不足してしまい、反対に5重量%より多いとワニスが変色やゲル化するなど、貯蔵安定性が低下してしまう場合がある。
<そのほかの添加剤>
本発明の活性エネルギー線硬化型ワニス組成物には、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、防菌防かび剤等を配合することができる。紫外線吸収剤としては、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等の有機系紫外線吸収剤、或いは酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウムの微粒子からなる無機系紫外線吸収剤が挙げられる。
光安定剤としては、HALS(ヒンダードアミン系光安定剤)が挙げられる。ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、1−(メチル)−8−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−[[3,5−ビス1,1−ジメチルエチル]−4−ヒドロキシフェニル]メチル−ブチルマロネート、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物等が挙げられる。
これらの紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤(HALS)は、組成物中に任意の量で添加されても良いが、コスト面からワニス組成物の全量を基準として0.5〜5重量%の範囲で添加されることが好ましい。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。
防菌防かび剤としては、銀系無機化合物、バイナジン、プリベントール、チエベンダドール、ベンズイミダゾール、チアゾリルスルファミド化合物等が挙げられる。
帯電防止剤としては、アルキルアミンサルフェート型、第4級アンモニウム塩型、ピリジニウム塩型等の陽性イオン型、アルキルベタイン型、アルキルイミダゾリン型等の両性イオン型がある。特に第4級アンモニウム塩型が好ましく、その例として低分子の界面活性剤、第4級アンモニウム塩基含有のアクリレート共重合体がある。
その他、着色剤、滑剤、充填剤、潜在性硬化剤、難燃剤、可塑剤等を配合することもできる。
<<紙基材>>
本発明で用いられる紙基材は無地でも印刷インキによる絵柄層を有していても良い。紙基材に対し、本発明の活性エネルギー線硬化型ワニス組成物は膜厚3μm〜10μm程度にて塗布することが好ましい。塗布量が少なすぎると十分な性能が得られず、また多すぎると塗膜が硬化不良を起こす、紙基材への追随性が失われるなどして十分な塗膜性能が得られない。また、積算光量は50mJ/cm2以上にて塗膜を硬化することが好適である。積算光量が不足すると塗膜の硬化不良により十分な塗膜性能が得られない。
本発明に用いられる紙基材の種類としては、特に限定されず、コートボール紙、アート紙、ポリエチレンコート紙、マットコート紙等が用いられる。印刷インキとしては、従来から使用されているオフセット印刷用インキなどが例示できる。
本発明において、活性エネルギー線硬化型ワニス組成物は、紙基材上に塗布される。
本発明の活性エネルギー線硬化型ワニス組成物の塗布方法としては、グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピンコート、ロールコート、リバースロールコート、キスコート、ディップコート、シルクスクリーンコート、ワイヤーバーコート、フローコート、コンマコート、かけ流しコート、スプレーコート等の公知の手段が適用できる。好ましくは、溶剤希釈を必要としない手段である。溶剤希釈して使用する場合はポリオレフィンフィルムを重ね合わせる前に塗布面の溶剤を十分乾燥、揮発させる必要がある。
<<ポリオレフィンフィルム>>
紙基材上に、活性エネルギー線硬化性ワニス組成物を塗布後、該塗布面にポリオレフィンフィルムを貼り合わせられる。
本発明に用いられるポリオレフィンフィルムは、後の工程で剥離され繰り返し使用できる。当該オレフィンフィルムは、美粧性を有する事が好ましく、このようなポリオレフィンフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレンなどが使用できる。ポリオレフィンフィルムの表面形状としては、平面柄やホログラム柄、エンボス柄などが用いられる。
ポリオレフィンフィルムは、公知のラミネーターを用いて貼り合わせすることができる。
<<活性エネルギー線照射>>
本発明で言う活性エネルギー線とは、電子線、紫外線あるいはγ線の如き、電離性放射線や電磁波などを総称するものである。
ポリオレフィンフィルムを貼り合わせた積層体(紙基材/ワニス組成物/ポリオレフィンフィルム)は、ポリオレフィンフィルム側より、ポリオレフィンフィルムを透して活性エネルギー線を照射され、ワニス組成物が活性エネルギー線硬化される。
ワニス組成物硬化後、ポリオレフィンフィルムが剥離され、高光沢化する表面加工された積層体が得られる。
以下に実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施に限定されるものではない。
本発明に用いたスチレン‐アクリル樹脂(A)は、下記の合成により得た。
(合成例1)
1000ml四つ口フラスコに、スターラー、窒素導入管、コンデンサー、滴下ロートをセットし、酢酸エチル300重量部をフラスコに加え、窒素ガスをバブリングしながら加熱還流した。滴下ロートに、スチレン65重量部、メチルメタクリレート20重量部、ステアリルメタクリレート15重量部及び重合開始剤として、2,2´‐アゾビス(2‐メチルプロピオニトリル)4重量部を混合溶解したものを入れ、約2時間かけ80℃加熱還流させた状態で、滴下した。滴下後、さらに4時間加熱還流し、重量平均分子量10,000のスチレン−アクリル樹脂(A1)を得た。
(合成例2〜11)
スチレン系単量体(a1)、(メタ)アクリル酸エステル単量体(a2)の種類と配合比を表1のように調整し、目的の重量平均分子量になるように、重合開始剤の使用量を適宜調整して、分子量の異なるスチレン‐アクリル樹脂(A2)〜(A11)を合成した。組成、重量平均分子量を表1に示す。
スチレン‐アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、昭和電工社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「ShodexGPC System−21」を用いた。GPCは溶媒に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーであり、溶媒としてはテトロヒドロフラン、分子量の決定はポリスチレン換算で行った。
(実施例1)
スチレン−アクリル樹脂(A1)に対し、下記のように重合性単量体(B)、重合開始剤(C)、ワックス(D)、増感剤(E)を配合し系内が均一になるように撹拌して活性エネルギー線硬化型ワニス組成物(ワニス1)を得た。
[重合性単量体(B)]
B1:トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、48重量%
B2:トリメチロールプロパン(EO)変性トリアクリレート(TMP(EO)3TA)、31重量%
[重合開始剤(C)]
C1:α‐ヒドロキシシクロヘキシルアセトフェノン、4重量%、
[ワックス(D)]
D1:BYK‐333(ビックケミー・ジャパン社製、シリコーン系添加剤)、1重量%
[増感剤(E)]
E1:N‐tブチル‐N,N‐ジエタノールアミン、1重量%
次に、紙基材に上記ワニス1を3g/cm2の塗布量となるように塗布し、該塗工面にポリオレフィンフィルムを貼り合わせた。紫外線(高圧水銀ランプ、120W/cm、コンベアースピード20m/min、積算光量80mJ/cm2に設定、UVと略す)を、該ポリオレフィンフィルムを透して塗布面のワニスに照射して硬化させた。その後に該ポリオレフィンフィルムを剥離させ、活性エネルギー線硬化性ワニス組成物が塗布された積層体を得た。
尚、支持基材である紙基材としては、アート紙(王子製紙社製)を用いた。印刷インキとしてはTK NEX NV−T(東洋インキ社製 油性オフセットインキ)を用いた。ワニスの塗布は紙基材、および紙基材に前記印刷インキを印刷した印刷物の印刷面に行なった。貼り合わせたポリオレフィンフィルムは平滑なもの、ホログラム柄を有するものそれぞれを用いた。
(実施例2〜28、比較例1〜19)
実施例2〜28、比較例1〜19においては表2,3,4の配合により、実施例1と同じ方法でワニス2〜47を得た。ワニス2〜47を用い、実施例1と同一条件で平滑、およびホログラム柄を有するポリオレフィンフィルムを用いてそれぞれの積層体を得た。なお、実施例18の硬化方法は、電子線照射装置で125kV、3Mrad、酸素濃度100ppm以下の条件で電子線(EBと略す)を照射し硬化させた。また、実施例19の硬化方法は、実施例1と同じく紫外線硬化であるが、紫外線の光源がLED(松下電工株式会社製LED方式SPOT型紫外線照射装置AICURE、ランプヘッドANUJ61524)のものを用いた。
(実施例29)
実施例29においては、紙基材にコートボール紙(北越紀州製紙社製)を用いた以外は、実施例1と同様な方法でワニス4を使用し、更に積層体を作成した。
実施例、比較例に用いた重合性単量体(B)、重合開始剤(C)、ワックス(D)、増感剤(E)を下記に記す。
[重合性単量体(B)]
B1:トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)
B2:EO3変性トリメチロールプロパントリアクリレート(TMP(EO)3TA)
B3:1,6‐ヘキサンジオールジアクリレート(1,6−HDDA)
B4:アクリロイルモルホリン(ACMO)
[重合開始剤(C)]
C1:α‐ヒドロキシシクロヘキシルアセトフェノン
C2:ジフェニル‐2,4,6‐トリメチルベンゾイルフォスフィンオキサイド
[ワックス(D)]
D1:BYK−333
D2:BYK−307
D3:BYK−323
(いずれもビックケミー・ジャパン社製、シリコーン系添加剤)
[増感剤(E)]
E1:N‐ターシャリーブチル‐N,N‐ジエタノールアミン
E2:N‐メチル‐N,N‐ジエタノールアミン
E3:N‐メチル‐N‐エタノールアミン
E4:N‐エチル‐N‐エタノールアミン
E5:N‐エチル‐N,N‐ジエタノールアミン
E6:N‐ブチル‐N,N‐ジエタノールアミン
E7:N,N‐ジイソプロピル‐N‐エタノールアミン
E8:N,N‐ジメチル‐N‐エタノールアミン
E9:N,N‐ジエチル‐N‐エタノールアミン
E10:N,N‐ブエチル‐N‐エタノールアミン
E11:N‐(β‐アミノエチル)‐N‐エタノールアミン
E12:N,N‐ジエチル‐N‐イソプロパノールアミン
E13:N‐ターシャリーブチル‐N‐エタノールアミン
E14:N,N‐ジメチル‐N‐プロパノールアミン
E15:ジメチル‐2‐(2’‐ヒドロキシエトキシ)‐エチルアミン
E16:2‐(ジメチルアミノ)‐2‐メチル‐1‐プロパノール
得られた積層体について基材密着性、初期密着性、硬化性、光沢、美粧性、耐擦過性、およびワニス貯蔵安定性の評価を行った。
評価方法および測定方法を下記に示す。評価結果を表2,3,4に示す。
<基材密着性>
平滑なポリオレフィンフィルムを用いて積層体を作成。作成1日後、塗工面に刃物で支持紙基材に達するまでの深さまで傷を付け、その上にセロハンテープを貼り合わせ、基材の垂直方向に勢いよく剥がした。塗工面の剥離面積とセロハンテープ接着面積から、剥離した割合を判定基準とした。実用レベルは4以上である。
(判定基準)
5:剥離無し
4:剥離が約5%未満
3:剥離が約5%以上約50%未満
2:剥離が約50%以上約80%未満
1:剥離が約80%以上
<初期密着性>
C型乾燥試験機にて、評価用油性オフセット印刷物の紙上でのインキ乾燥時間を測定した。ここで計測された、乾燥に要する時間の1時間前の未乾燥なオフセット印刷物に対し、ワニス1〜49をそれぞれ塗工し、平滑なポリオレフィンフィルムを用いて積層体を作成。作成直後にセロハンテープを貼り合わせ、印刷物の垂直方向に勢いよく剥がした。塗工面の剥がれ具合を評価した。実用レベルは4以上である。
(判定基準)
5:剥離無し
4:ワニス〜オフセットインキ層のいずれかの界面にて約5%未満の剥離
3:ワニス〜オフセットインキ層のいずれかの界面にて約5%以上約50%未満の剥離
2:ワニス〜オフセットインキ層のいずれかの界面にて約50%以上約80%未満の剥離
1:ワニス〜オフセットインキ層のいずれかの界面にて約80%以上の剥離
<硬化性>
平滑なポリオレフィンフィルムを用いて積層体を作成。作成1日後にMEKを浸み込ませた綿棒で積層体の塗工面を50回擦り、塗膜の侵食具合を目視で評価した。実用レベルは4以上である。
(判定基準)
5:侵食無し
4:侵食が約5%未満
3:侵食が約5%以上約50%未満
2:侵食が約50%以上約80%未満
1:侵食が約80%以上
<光沢>
平滑なポリオレフィンフィルムを用いて積層体を作成。光沢計(ビッグ・ケミー社製micro-TRI-gloss)にて塗工直後と1日後の光沢値を60°反射角で測定した。実用レベルは85以上である。
<美粧性>
ホログラム柄を有するポリオレフィンフィルムを用い、ホログラム柄を転写させた積層体を作成。塗工面のギラつき具合を目視にて評価した。実用レベルは4以上である。
(判定基準性)
5:かなりギラつく
4:ギラつく
3:ややギラつく
2:若干ギラつく
1:ギラつかない
<耐擦過性>
平滑なポリオレフィンフィルムを用いて積層体を作成。塗工1日後に、積層体の塗工面/塗工面を重ね合わせ、学振型摩擦試験機を用い500g荷重にて300回の摩擦を行い、塗工面の傷や取られ具合を評価した。実用レベルは4以上である。
(判定基準)
5:傷、取られ無し
4:傷、取られが約5%未満
3:傷、取られが約5%以上約50%未満
2:傷、取られが約50%以上約80%未満
1:傷、取られが約80%以上
<ワニス貯蔵安定性>
調製したワニス1〜49を各100gずつ、遮光瓶に入れて密閉し70℃の恒温層にて1週間保管。調製直後からの各ワニスの状態変化を、(1)粘度変化、(2)相分離、(3)変色の点で評価した。実用レベルは4以上である。
(判定基準)
5:調製直後と同等、(1)〜(3)のいずれも変化が無い。
4:(1)ザーンカップ#5で3秒以内。(2)軽い振とうで均一系に戻る程度。(3)ワニスの状態で僅かな淡黄変が確認できるが、ワニス塗工物の変色は無い。
3:(1)ザーンカップ#5で4〜5秒。(2)強い振とうで均一系に戻る程度。(3)ワニスの状態で黄変が確認できるが、ワニス塗工物の変色は無い。
2:(1)ザーンカップ#5で6〜15秒。(2)撹拌機の使用で均一系に戻る程度。(3)ワニスの黄褐色化がすぐに確認できるが、ワニス塗工物の変色は無い。
1:(1)ザーンカップ#5で16秒以上。(2)撹拌機しても分離がほとんど戻らない。(3)ワニスの褐色化がすぐに確認できる。もしくはワニス塗工物が淡黄色〜褐色になる。
すなわち、本発明は、紙基材上に、活性エネルギー線硬化性ワニス組成物を塗布し、該塗布面にポリオレフィンフィルムを貼り合わせ、該ポリオレフィンフィルムを透して活性エネルギー線を照射して前記塗布面のワニス組成物を硬化させ、その後に該ポリオレフィンフィルムを剥離させることを特徴とする積層体の製造方法であって、
前記活性エネルギー線硬化性ワニス組成物が、下記の1)〜5)であることを特徴とする積層体の製造方法に関する。
1)活性エネルギー線硬化性ワニス組成物が、スチレン−アクリル樹脂(A)15〜35重量%、重合性単量体(B)50〜80重量%、光重合開始剤(C)0〜20重量%、ワックス(D)0.1〜10重量%および増感剤(E)0.1〜5重量%を含む。
2)スチレン−アクリル樹脂(A)が、スチレン系単量体(a1)65〜95重量%と(メタ)アクリル酸エステル単量体(a2)5〜35重量%とを共重合させてなり、かつ重量平均分子量6000〜14000である。
3)重合性単量体(B)が、分子内に(メタ)アクリロイル基を少なくとも1個有する単
量体である。
4)ワックス(D)が、シリコーン系および高分子系ワックスから選ばれる1種類以上である。
5)増感剤(E)が、N−ターシャリーブチル−N,N−ジエタノールアミン(E1)N−メチル−N−エタノールアミン(E3)、N−エチル−N−エタノールアミン(E4)、N−エチル−N,N−ジエタノールアミン(E5)、N−ブチル−N,N−ジエタノールアミン(E6)、およびN,N−ジイソプロピル−N−エタノールアミン(E7)から選ばれる1種以上である。
<増感剤(E)>
本発明における増感剤(E)としては、アルカノールアミン類の含窒素単量体である、N−ターシャリーブチル−N,N−ジエタノールアミン(E1)N−メチル−N−エタノールアミン(E3)、N−エチル−N−エタノールアミン(E4)、N−エチル−N,N−ジエタノールアミン(E5)、 N−ブチル−N,N−ジエタノールアミン(E6)、およびN,N−ジイソプロピル−N−エタノールアミン(E7)から選ばれる1種以上である。
好ましくはN−ターシャリーブチル−N,N−ジエタノールアミン(E1)、N−メチル−N−エタノールアミン(E3)、N−エチル−N−エタノールアミン(E4)である。
[重合性単量体(B)]
B1:トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)
B2:EO3変性トリメチロールプロパントリアクリレート(TMP(EO)3TA)
B3:1,6‐ヘキサンジオールジアクリレート(1,6−HDDA)
B4:アクリロイルモルホリン(ACMO)
[重合開始剤(C)]
C1:α‐ヒドロキシシクロヘキシルアセトフェノン
C2:ジフェニル‐2,4,6‐トリメチルベンゾイルフォスフィンオキサイド
[ワックス(D)]
D1:BYK−333
D2:BYK−307
D3:BYK−323
(いずれもビックケミー・ジャパン社製、シリコーン系添加剤)
[増感剤(E)]
E1:N‐ターシャリーブチル‐N,N‐ジエタノールアミン
3:N‐メチル‐N‐エタノールアミン
E4:N‐エチル‐N‐エタノールアミン
E5:N‐エチル‐N,N‐ジエタノールアミン
E6:N‐ブチル‐N,N‐ジエタノールアミン
E7:N,N‐ジイソプロピル‐N‐エタノールアミン
E8:N,N‐ジメチル‐N‐エタノールアミン
E9:N,N‐ジエチル‐N‐エタノールアミン
E10:N,N‐ブエチル‐N‐エタノールアミン
E11:N‐(β‐アミノエチル)‐N‐エタノールアミン
E12:N,N‐ジエチル‐N‐イソプロパノールアミン
E13:N‐ターシャリーブチル‐N‐エタノールアミン
E14:N,N‐ジメチル‐N‐プロパノールアミン
E15:ジメチル‐2‐(2’‐ヒドロキシエトキシ)‐エチルアミン
E16:2‐(ジメチルアミノ)‐2‐メチル‐1‐プロパノール

Claims (5)

  1. 紙基材上に、活性エネルギー線硬化性ワニス組成物を塗布し、該塗布面にポリオレフィンフィルムを貼り合わせ、該ポリオレフィンフィルムを透して活性エネルギー線を照射して前記塗布面のワニス組成物を硬化させ、その後に該ポリオレフィンフィルムを剥離させることを特徴とする積層体の製造方法であって、
    前記活性エネルギー線硬化性ワニス組成物が、下記の1)〜5)であることを特徴とする積層体の製造方法。
    1)活性エネルギー線硬化性ワニス組成物が、スチレン−アクリル樹脂(A)15〜35重量%、重合性単量体(B)50〜80重量%、光重合開始剤(C)0〜20重量%、ワックス(D)0.1〜10重量%および増感剤(E)0.1〜5重量%を含む。
    2)スチレン−アクリル樹脂(A)が、スチレン系単量体(a1)65〜95重量%と(メタ)アクリル酸エステル単量体(a2)5〜35重量%とを共重合させてなり、かつ重量平均分子量6000〜14000である。
    3)重合性単量体(B)が、分子内に(メタ)アクリロイル基を少なくとも1個有する単量体である。
    4)ワックス(D)が、シリコーン系および高分子系ワックスから選ばれる1種類以上である。
    5)増感剤(E)が、N−ターシャリーブチル−N,N−ジエタノールアミン(E1)、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン(E2)、N−メチル−N−エタノールアミン(E3)、N−エチル−N−エタノールアミン(E4)、N−エチル−N,N−ジエタノールアミン(E5)、N−ブチル−N,N−ジエタノールアミン(E6)、およびN,N−ジイソプロピル−N−エタノールアミン(E7)から選ばれる1種以上である。
  2. (メタ)アクリル酸エステル単量体(a2)が、炭素数1〜18の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルであることを特徴とする請求項1記載の積層体の製造方法。
  3. 紙基材が、印刷インキによる絵柄層を有する請求項1または2記載の積層体の製造方法。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載の製造方法で製造されてなる積層体。
  5. 請求項4記載の積層体に用いられる活性エネルギー線硬化性ワニス組成物であって、
    前記活性エネルギー線硬化性ワニス組成物が、下記の1)〜5)であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性ワニス組成物。
    1)活性エネルギー線硬化性ワニス組成物が、スチレン−アクリル樹脂(A)15〜35重量%、重合性単量体(B)50〜80重量%、光重合開始剤(C)0〜20重量%、ワックス(D)0.1〜10重量%および増感剤(E)0.1〜5重量%を含む。
    2)スチレン−アクリル樹脂(A)が、スチレン系単量体(a1)65〜95重量%と(メタ)アクリル酸エステル単量体(a2)5〜35重量%とを共重合させてなり、かつ重量平均分子量6000〜14000である。
    3)重合性単量体(B)が、分子内に(メタ)アクリロイル基を少なくとも1個有する単量体である。
    4)ワックス(D)が、シリコーン系および高分子系ワックスから選ばれる1種類以上である。
    5)増感剤(E)が、N−ターシャリーブチル−N,N−ジエタノールアミン(E1)、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン(E2)、N−メチル−N−エタノールアミン(E3)、N−エチル−N−エタノールアミン(E4)、N−エチル−N,N−ジエタノールアミン(E5)、N−ブチル−N,N−ジエタノールアミン(E6)、およびN,N−ジイソプロピル−N−エタノールアミン(E7)から選ばれる1種以上である。
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