JP5976539B2 - 統合パッケージの製作方法 - Google Patents

Description

本発明は、製品物質を収納および分注するための統合パッケージと、一般的に関係するものである。具体的には、当該統合パッケージは、印刷済みベースカードと、当該ベースカードの一部に恒久的に結合された流体用容器とを備えている。上記流体用容器は、熱可塑性二軸配向ポリマーの少なくとも１つの層を含む第１の積層遮断層と、平面状の第２の積層遮断層とを備えている。なお、上記熱可塑性二軸配向ポリマーの層の一部は、改良ドーム形状に形成されている。本発明は、このような統合パッケージを製作する方法に関係するものでもある。

化粧品、美用品、および家庭用品の各種組成物を包装および分注する際には、圧縮可能な容器が使用される。金属製チューブは、こうした容器の一例である。当該金属製チューブは気密性を有するため、長期間にわたって当該チューブに収納された製品物質を保護できる。しかし、金属、例えばアルミニウム箔は製作が困難であり、金属製チューブの製造にはコストがかかることが多い。

圧縮可能な容器はプラスチックでも製作されている。当該プラスチック製容器は比較的低コストで製造できるが、プラスチックが浸透性を有するために、金属製チューブと同レベルで製品物質を保護できない。これにより、当該プラスチック製容器に収納された製品物質の保存期間の方が短いことが多い。

可撓性を有するパッケージやパウチ（例えば、調味料を収納するために使用する可撓性を有するパッケージやパウチ）は、圧縮可能なプラスチック製容器の異なる一例である。最近、視覚的な存在感やグラフィカルなメッセージを強調するために、平坦で製品物質により充填されないヘッダ部を備えた小容量のパウチが製作されている。しかし、このような可撓性を有するパウチには、いくつかの短所がある。例えば、可撓性を有するパウチの上記ヘッダ部には十分な剛性がなく、熱によるゆがみが発生する。また、製品物質は略二次元の領域に拡がって分布していることが一般的であるため、パウチの開口部に向かって製品物質を好ましく流動させることが困難である。粘性が高い流体の分注は特に問題である。可撓性を有するパウチはいかなる三次元形状も規定されていないために、ある任意の体積の製品物質を保存するためにより大きな表面積を必要とする。これには、表面を介してより大量の蒸気が透過することが多い。また、相分離（phase separation）を起こす傾向がより高く（特に、製品物質が乳濁液である場合）、熱可塑性パッケージによる収着（scalping）に起因する製品物質のロスが発生する潜在性もより高くなることが多い。

さらに、小容量の圧縮可能な容器は、視覚的な魅力の欠如、および小売店における配置の難しさという短所を有することが多い。特に、上記圧縮可能な容器には、販売の促進や使用方法の説明を目的とした文字または図絵によるメッセージを掲載する十分な表面積がない。これにより、小容量の圧縮可能な容器は、二次的な容器、例えば必要な文字または図絵を用いたメッセージを掲載した印刷済み小箱または透明包装を用いて包装しなければならない。しかし、上記圧縮可能な容器は、使用前に上記二次的な容器から分離しなければならないので、当該二次的な容器上に印刷された、販売を促進する、または使用方法を説明するメッセージが、使用時の前に見落とされる、または紛失されることが多い。

したがって、十分な蒸気遮断特性および保存期間を提供し、使用時まで十分な剛性を有する所定の形状を維持することができ、製品物質を制御された態様で分注することができ、さらに使用時に販売を促進する、または使用方法を説明するメッセージの存在を保証できる改善された圧縮可能パッケージが必要とされている。また、当該圧縮可能パッケージを製造するための、経済的で効率的なプロセスも必要とされている。

本発明は、ベースカード（base card）と当該ベースカードの一部に恒久的に結合された流体用容器（fluid vessel）とを備えた統合パッケージ（unitized package）を提供する。

一実施の形態では、上記統合パッケージは、印刷済みベースカードおよび流体用容器を備えている。上記流体用容器は、熱可塑性二軸配向ポリマーの少なくとも１つの層を含む第１の積層遮断層と、製品物質と、第２の積層遮断層とを備えている。上記第１の積層遮断層の一部は所定の容量を有する改良ドーム形状になるように形成される。上記所定の容量は上記製品物質によって略充填されている。上記第１の積層遮断層と第２の積層遮断層とはそれぞれの周縁部で一体的に封止され、製品物質を収納するための流体密封の収納部を形成する。上記流体用容器の第２の積層遮断層は、印刷済みベースカードの一部に恒久的に結合される。

上記第１の積層遮断層の改良ドーム形状は、上記流体用容器が封止されている状態で、弾性的に維持可能であることが好ましい。

上記熱可塑性二軸配向ポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアリレート、または、これらの混合物から成る。好適な実施の形態では、上記熱可塑性二軸配向ポリマーは、ポリエチレンテレフタレートから成る。

一実施の形態では、上記第１の積層遮断層および第２の積層遮断層のいずれか一方または両方は、アルミニウム箔の層から成る。上記アルミニウム箔の厚さは、約０．００２５４ｃｍ（約０．００１インチ）未満であることが好ましい。

上記製品物質は、液体であることが好ましい。

別の一実施の形態では、上記流体用容器は分注用先端部をさらに備えている。上記ベースカードは、上記分注用先端部と交差するミシン目によって規定される開封帯部を備えている。上記開封帯部を一旦取り外すと、上記製品物質は分注用先端部から分注され得る。好適な実施の形態では、上記流体用容器は、上記第１の積層遮断層および第２の積層遮断層によって形成される平面状タブ状延長部をさらに備えている。上記タブ状延長部は分注用先端部を収納し、開封帯部の上に位置する。上記分注用先端部は、さらに再密閉可能であってもよい。

好ましくは、上記ベースカードは、流体用容器の第１の積層遮断層との可撓性を有していない。上記ベースカードは紙素材から成っていてもよい。また、ベースカードの表面のいずれか一方または両方に、販売または規制項目遵守を目的とした任意の販売促進または使用方法を説明するメッセージが印刷されてもよい。

また、上述の統合パッケージを製作する費用対効果の高い方法も提供する。一実施の形態では、当該方法は、印刷済みベースカードを準備し、第１の積層遮断層および第２の積層遮断層を備えた流体用容器を製作し、この流体用容器を上記印刷済みベースカードに恒久的に結合することを含む。上記流体用容器は、（ｉ）熱可塑性二軸配向ポリマーの少なくとも１つの層を含む第１の積層遮断層の一部を、所定の容量を有する改良ドーム形状になるように形成し、（ｉｉ）当該所定の容量が上記製品物質によって略充填されるように、製品物質を第１の積層遮断層上に載置し、（ｉｉｉ）平面状である第２の積層遮断層を第１の積層遮断層上に設置し、（ｉｖ）上記製品物質を収納するための流体密封の収納部を形成するように、上記第１の積層遮断層と第２の積層遮断層とをそれぞれの周縁部で一体的に封止することによって製作される。上記第１の積層遮断層の改良ドーム形状は、上記流体用容器が封止されている状態で、弾性的に維持可能であることが好ましい。

上記熱可塑性二軸配向ポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアリレート、または、これらの混合物から成る。上記熱可塑性二軸配向ポリマーは、ポリエチレンテレフタレートから成ることが好ましい。

一実施の形態では、上記第１の積層遮断層および第２の積層遮断層のいずれか一方または両方は、アルミニウム箔の層から成る。上記アルミニウム箔の厚さが約０．００２５４ｃｍ（約０．００１インチ）未満であることが好ましい。

一実施の形態では、上記第１の積層遮断層と第２の積層遮断層とは熱封止法によって一体的に封止される。別の一実施の形態では、上記第１の積層遮断層と第２の積層遮断層とは、電波エネルギー、音波エネルギー、または接着剤によって一体的に結合される。

好適な実施の形態では、上記第１の積層遮断層の改良ドーム形状は、上記第１の積層遮断層の一部にガス圧を印加することによって形成される。上記ガス圧は約１０３ｋＰａ〜約９６５ｋＰａ（約１５ｐｓｉ〜約１４０ｐｓｉ）であってもよく、また上記ガス圧は約０．０１秒間〜約１．０秒間印加されてもよい。

別の一実施の形態では、上記流体用容器は分注用先端部をさらに備えている。上記ベースカードは打ち抜かれて、ミシン目によって規定される開封帯部を形成する。上記開封帯部を一旦取り外すと、上記分注用先端部が製品物質にアクセスすることができるようになる。好適な実施の形態では、上記第１の積層遮断層と第２の積層遮断層とはそれぞれの周縁部で一体的に封止され、流体密封の収納部および平面状タブ状延長部を形成する。上記タブ状延長部は分注用先端部を収納し、かつ開封帯部の上に位置する。上記分注用先端部は、さらに再密閉可能であってもよい。

したがって、本発明は圧縮可能な改善型パッケージを提供する。具体的には、本統合パッケージを製作するためには、形成された熱可塑性二軸配向ポリマーが使用される。熱可塑性二軸配向ポリマーは、熱成形容器において従来使用されている他のプラスチック素材と比較すると、例えば厚さに対して相対的なより優れた遮断性および費用対効果などのいくつかの長所を有する。ただし、熱可塑性二軸配向ポリマーは、所望の形状に加工しようとすると非常に大きな力が要求され、また得られる加工後のプロファイルが非常に限られているので、公知の加工プロセスでは通例として使用されない。

熱可塑性二軸配向ポリマーの少なくとも１つの層を備えた積層遮断層であれば、ここで開示する加工プロセスで十分に加工可能であり、熱可塑性二軸配向ポリマーの極限張力値を超えずに改良ドーム形状を提供でき、こうすることによって該積層遮断層のより優れた遮断特性を保存できることが分かった。また、本加工プロセスは、熱可塑性二軸配向ポリマーの二軸性配向度およびさらなる変形に対する抵抗を高める。この結果、上記加工後の改良ドーム形状は、上記統合パッケージに収納された製品物質および／または気体によって使用時まで弾性的に維持可能である。

統合パッケージの第１の実施の形態の平面図である。 図１ａの統合パッケージのＡ−Ａに沿った断面図である。 再密閉可能な流体用容器を備えた、統合パッケージの第２の実施の形態の平面図である。 上記統合パッケージの第１の積層遮断層を製作するための下側プラテンの平面図である。 図３ａの下側プラテンのＢ−Ｂにそった断面図である。 上記統合パッケージの第１の積層遮断層を製作するための下側プラテンおよび上側プラテンの、加圧ガスを印加する前の側面図である。 図４ａの下側プラテンおよび上側プラテンの、加圧ガスの印加した初期の側面図である。 図４ａの下側プラテンおよび上側プラテンの、加圧ガスを完全に印加した状態の側面図である。

発明の詳細な説明

〔Ｉ．統合パッケージ〕
本発明の統合パッケージは、印刷済みベースカードと、このベースカードの一部に恒久的に結合された流体用容器とを、一般に備えている。上記流体用容器は、第１の積層遮断層と、製品物質を収納する第２の積層遮断層とを備えている。上記第１の積層遮断層は熱可塑性二軸配向ポリマーの少なくとも１つの層を備え、当該第１の積層遮断層の一部は改良モノリス型ドーム形状に形成される。上記第２の積層遮断層は平面状である。

図１ａは、本発明の統合パッケージの第１の実施の形態を示す。統合パッケージ１０は、印刷済みベースカード２０および流体用容器３０を備えている。図１ｂは、図１ａに示す統合パッケージ１０のＡ−Ａに沿った断面図を示す。図１ｂに示すように、流体用容器３０は、第１の積層遮断層４０、および第２の積層遮断層５０を備えている。上記第１の積層遮断層４０は、内面４２および外面４４を有する。上記第２の積層遮断層５０は内面５２および外面５４を有する。第１の積層遮断層４０の内面４２と第２の積層遮断層５０の内面５２とは、それぞれの周縁部で一体的に封止されて、流体密封の収納部６０を形成する。流体密封の収納部６０の容積は、製品物質７０で略充填される。

上記第１の積層遮断層および第２の積層遮断層は、遮断層である。すなわち、両層は実質的に不活性であり、製品物質の成分が当該層を通って遊走することを実質的に防止できるように、上記流体用容器内に収納されている製品物質に対して非浸透性であることが好ましい。上記各積層遮断層の製作には、遮断性を有する各種タイプのプラスチック膜（例えば、ポリエチレンテレフタレート（“ＰＥＴ”：polyethylene terephtalate）、セルロース、アセテート）が使用可能である。上記各積層遮断層に特殊蒸気遮断コーティングをさらに組み込み、遮断性を付与または強化してもよい。遮断性を有しない物質をコーティング、または遮断性を獲得するようにさらに処理した上で、当該物質を使用して上記各積層遮断層を形成してもよい。製品物質の成分に応じて、例えば、油、ガス、水蒸気、香り、酸素などに対する遮断部となる遮断物質を選択してもよい。

上記統合パッケージの第１の積層遮断層および第２の積層遮断層は、可撓性を有する熱可塑性の薄い遮断用積層物で作製されることが好ましい。上記第１の積層遮断層は、熱可塑性二軸配向ポリマーの少なくとも１つの層を備えている。熱可塑性二軸配向ポリマーとは、ポリマーが再配向を起こす条件下で、２方向（すなわち、流れ方向および幅方向）に引き伸ばされたポリマーをいう。こうしたポリマー配向の結果、ポリマーの遮断性および物理的強度が向上する。上記熱可塑性二軸配向ポリマーは、流れ方向または幅方向のいずれかに非常に高い引張強度を有し、一般にさらなる伸長に対して耐性を有する。

適切な熱可塑性二軸配向ポリマーとしては、各種ポリエステル、ポリアミド（ナイロンおよび非結晶ポリアミドを含む）、ポリアリレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、これらの混合物などがあげられるが、これらの例に限定されない。

好ましい熱可塑性二軸配向ポリマーの１つは、DuPont Tejlin Films社によって製造され、MYLAR（登録商標）という商品名で販売されているポリエステル（例えばポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ））である。このポリエステル膜は流れ方向にも幅方向にも高い強度および伸長性を有していることが、好ましい理由である。その他の好ましい熱可塑性二軸配向ポリマーとしては、Honeywell社によって製造され、Capran Emblem（登録商標）という商品名で販売されているポリアミド（例えばナイロン膜）や、Exxon-Mobil社等が製造している二軸配向ポリプロピレン膜（“ＢＯＰＰ”：biaxially oriented polypropylene film）などがあげられるが、これらの例に限定されない。

さらに、上記第１の積層遮断層および第２の積層遮断層は、複合材料の複数の層をそれぞれ備えていてもよい。

さらに、上記第１の積層遮断層および第２の積層遮断層は、各層の水蒸気特性を向上ざせるために、金属材料、半金属材料、金属酸化物材料、またはセラミック材料をそれぞれ含んでいてもよい。このような積層構造物の例としては、医学的診断試験や食品サービスの調味料の配送のために使用される多数の市販の積層物とともに、米国軍仕様書Mil-B-131 Class Iにしたがって製造したものなどがあげられる。

一実施の形態では、上記第１の積層遮断層および第２の積層遮断層は、薄膜規格金属（thin gage metal）の層を、それぞれ備えていてもよい。この金属層は、例えばアルミニウム箔の層であり、圧縮可能な容器では、望ましい、低い水蒸気透過レートを提供する。アルミニウムは高い可鍛性を有するものが好ましいが、任意の等級のアルミニウムが使用可能である。特に好ましいアルミニウムは、封止済み流体用容器の望ましい弾性を損なうことがなく、輸送中に容易に凹んだり別の態様で破損したりせずに、所望の水蒸気透過レートまたは酸素透過レートの低減を提供する、薄膜規格アルミニウム（thin gage aluminum）層である。

一実施の形態では、上記第１の積層遮断層は、厚さが約０．００１２７ｃｍ〜約０．０１０１６ｃｍ（約0.0005インチ〜約0.0040インチ）の範囲の内部熱可塑性熱封止層、および厚さが約０．００１０１６ｃｍ〜約０．００５０８ｃｍ（約0.0004インチ〜約0.002インチ）の範囲の熱可塑性二軸配向ポリマーの膜の外部層を備えていてもよい。厚さが約０．０００６８５８ｃｍ〜約０．００２５４ｃｍ（約0.00027インチ〜約0.001インチ）の範囲の補充遮断層（好ましくはアルミニウム箔層）も、上記熱封止層と熱可塑性二軸配向膜との間にさらに備えられていてもよい。好ましくは、上記外部層は、厚さが約０．００１２１９２ｃｍ〜約０．００２３３６８ｃｍ（約0.00048インチ〜約0.00092インチ）の範囲の二軸配向性ポリエステルのポリマー膜で作製されてもよい。

上記第２の積層遮断層は、第１の積層遮断層と組成が同じであっても異なっていてもよい。第２の積層遮断層が形成されないので、熱可塑性二軸配向性膜を構造物中で使用する必要がない。

図１ｂに示すように、第１の積層遮断層４０は、そこに形成された改良モノリス型ドーム形状を有している。本願において、「改良モノリス型ドーム形状」または「改良ドーム形状」という用語は、平面状のベース部から延び、滑らかな表面を有する任意の適切な三次元突起部を指す。この例としては、半球形状、低背の球形状（例えば、円形ベース部の場合であれば、断面の高さはベースの半径より短い）、トーラス形状などがあげられるが、これらの例に限定されない。上記改良ドーム形状は、例えば図１ｂに示す低背の球形状であってもよい。

上記改良ドーム形状の平面状のベース部は、任意の所望の形状、好ましくは丸形状であってもよく、さらに任意の所望の寸法であってもよい。図１ａに示す改良ドーム形状は円形ベース部を有している。上記改良ドーム形状の他の適切なベース部としては、卵型形状や楕円形状、さらに角に丸みのある単純な正方形状または矩形状（図２を参照）などがあげられるが、これらの例に限定されない。

改良ドーム形状を形成していない、第１の積層遮断層の任意の一部（すなわち、加工後の形状の平面状のベース部の周りの部分）は、平面状であることが好ましい。第２の積層遮断層も平面状であることが好ましい。

上記製品物質は、統合パッケージを用いた包装および配送に適した任意の物質であればよい。上記製品物質は、実質的に混ぜ物を含まない化粧品、美用品、医薬品、家庭用品などが好ましい。例としては、フェースクリーム、シャンプー、歯磨き粉、水薬、洗剤などがあげられる。実質的に混ぜ物を含まない製品としては、一切の大きな変更を加えずに、元の状態または自然な状態で提供される任意の製品物質があげられる。上記製品物質は、例えばゲル状態、粉末状態、マイクロカプセル、基材物質に収納された状態、好ましくは、液体の状態などの、任意の適切な形態で提示されてもよい。さらに、上記製品物質は、揮発性および／または非揮発性の成分を備えていてもよい。上記製品物質の量または体積は、例えばサンプルとして、または一回の使用もしくは複数回の使用に適した量または体積であればよい。

上記製品物質は、第１の積層遮断層の改良ドーム形状によって規定される容量を、ほぼ満たすことが好ましい。

第１の積層遮断層４０と第２の積層遮断層５０とは、それぞれの周縁部で一体的に封止される。図１ｂに示すように、第１の積層遮断層４０の内面４２と第２の積層遮断層５０の内面５２とは、それぞれの周縁部で一体的に封止され、製品物質７０を収納するための流体密封の収納部６０を形成する。この封止は、例えば熱封止法、電波エネルギーもしくは音波エネルギーの使用、または接着剤の使用などの、任意の適切な方法で形成されればよい。上記封止は、恒久的な密封封止であることが好ましい。恒久的な封止（破壊または引き裂かなければ開かないとも言える）は、上述方法によって形成されればよい。

接着剤は、製品物質と共存可能でなければならない。すなわち、当該接着剤は、製品物質または製品物質の成分と接触しても、反応したり可塑化したりしてはならない。このような反応が起きると、製品物質または封止状態が劣化して望ましくない。

一実施の形態では、内面４２および５２のうちの少なくとも一方が、例えば水性乳濁液から塗布される、臭いの少ない圧力に対して感度を有する接着剤などの、圧力に対して感度を有する接着剤を備えている。この圧力に対して感度を有する接着剤は、第１の積層遮断層と第２の積層遮断層との間の接触領域全体を覆ってもよい。あるいは、接着剤は複数の線または点の特定のパターンで塗布されてもよい。別の例としては、特殊グレードのホットメルト接着剤、特に架橋機能を提供する各種ホットメルト接着剤があげられる。また、さらなる遮断性が提供できるように、接着剤を決定してもよい。当該接着剤は、例えば脱酸素剤などの薬剤を含有していてもよいし、ラテックスグレードのポリ塩化ビニリデン（ＰＶｄＣ）などの、遮断性の高い物質の膜を形成する前駆体からなっていてもよい。

恒久的な封止を使用するのであれば、統合パッケージ１０は、例えば第１の積層遮断層および第２の積層遮断層のうちのいずれか一方または両方を破ることによって、流体用容器２０を開くための手段も備えていなければならない。この開封手段は、破り始めの位置として、または破るのを容易にするように、図１ａに示すように分注用先端部（切り欠き部または摘み部）１００を備えていてもよい。当該開封手段は、再密閉可能または再封止可能であってもよい。

第１の積層遮断層４０と第２の積層遮断層５０とがそれぞれの周縁部で一体的に封止され、流体密封の収納部６０を形成すると、製品物質７０は上記収納部の容量（すなわち、第１の積層遮断層の改良ドーム形状によって規定される容量）をほぼ満たし、収納部中には最小限の上部空間（すなわち、周辺の空気によって占められる空間）しか残さない。上記収納部の所定の容量を一杯まで利用することによって、収納されている製品物質の最大の安定性が達成され得る。また、（特に流体状態の）上記製品物質（および、他の流体（すなわち液体または気体）が収納部中に存在するのであれば、この量対も含める）は、内圧および力を生み出し、第１の積層遮断層の加工後の形状を維持する。したがって、上記流体用容器が封止された状態で、第１の積層遮断層の示す改良ドーム形状は弾性的に維持可能である。すなわち、力が外面に印加されると、当該層はわずかな圧力変形を示すが、この力から解放されると元の形状をほぼ回復する。また、一旦形成および封止されると、流体用容器は耐屈曲性を有し、ベースカードの剛性に寄与し得る。

好適な実施の形態では、流体用容器３０をベースカード２０に結合する前に、第１の積層遮断層４０の内面４２が、第２の積層遮断層５０の内面５２に熱封止される。

第２の積層遮断層５０の外面５４は、ベースカード２０の一部に恒久的に結合されている。上記第２の積層遮断層は、積層用接着剤を用いて、または、例えば熱、湿気、圧力、乾燥、または放射線硬化によって活性化される接着剤などの、他の任意の適切な取り付け手段によって結合されてもよい。一実施の形態では、全面に広げられた（full bleed）接着システムが、第２の積層遮断層５０の外面５４に組み込まれる。この全面に広げられた（full bleed）接着システムは、圧力に対して感度を有する恒久型接着剤（例えば圧力に対して感度を有するアクリル系恒久型接着剤）を含んでいることが好ましい。当該圧力に対して感度を有する恒久型接着剤を、剥離ライナー（例えばシリコーンコーティングを有する使い捨て型剥離ライナー）で被覆および保護してもよい。

ベースカードの製作には、所望の任意の物質を使用すればよい。上記第１の積層遮断層および第２の積層遮断層によって形成される収納部は流体を漏らさず、また好ましくはベースカードの結合に先立って形成されるので、ベースカードを形成する物質は、収納部中に収納された製品物質に曝されることも、第１の積層遮断層と第２の積層遮断層とを封止するために使用される熱またはその他のエネルギーに曝されることもない。ベースカードの製作に適した物質としては、例えば表紙グレードまたは軽量規格のタグ用紙などの紙があげられるが、これらの例に限定されない。合成紙またはその他のプラスチック素材を使用してもよい。上記ベースカードは、環境への配慮や全体的な費用対効果を考慮して、紙素材を含有することが好ましい。リサイクル紙、着色紙、ファインアート紙（textured paper）、コート紙、または、非コート紙などを含めた、さまざまなグレードおよび組成の紙を使用してもよい。一実施の形態では、上記ベースカードは、さまざまなグレードの中実の漂白済み亜硫酸紙の厚紙または表紙用紙から製作され、約０．０１５２４ｃｍ〜約０．０６０９６ｃｍ（約0.006インチ〜約0.024インチ）の範囲の厚さを有する。上記紙および任意の印刷された図柄を湿度による破壊から保護するために、上記ベースカードを各種の水系ポリマー製コーティングまたはエネルギー硬化型ポリマー製コーティングで被膜しても、ベースカード上に熱可塑性膜を積層してもよい。

所望の任意の広告用模様、文字、図絵、製品に関する情報もしくは注意書き、または薬物成分情報を、ベースカードの任意の面上に印刷できるように、上記ベースカードは、流体用容器を超えて拡がる十分に大きな表面積を有することが好ましい。また、上記流体用容器は、ブランドの販売促進、消費者への情報提供、または適用される可能性のある任意の規制項目（例えば、米国食品医薬品庁によって適用される規制項目）の遵守を達成するために利用可能な十分な面積が上記ベースカード上に存在するように、配置またはサイズを有していればよい。上記流体用容器は印刷済みベースカードに恒久的に結合されているので、どのような製品の販売促進情報または使用方法を説明する情報であっても、使用時にベースカード上に印刷されていることが保証される。

上記印刷済みベースカードは、流体用容器を恒久的に結合できる平坦な表面が存在する限り、任意の適切な寸法または構成であってもよい。図１ａに示すように、印刷済みベースカードは平坦である。一般的な４ページ形式または６ページ形式が形成できるように、上記印刷済みベースカードを折り目をつけて折り畳む、または別の態様で折り畳んでもよい。上記構成は、最終的な寸法を抑制しながら、ベースカードの使用可能な表面を大幅に増加させるように機能する。また、上記印刷済みベースカードは、鉛直に立てることができるように折り畳んでもよい。上記ベースカードは、打抜箱または挨拶状の一部として組み込まれるパネルの一部をさらに備えていてもよい。さらに別の例として、上記統合パッケージを既存のさらに大きな容器の中に設置することを促進できるように、または所望の米国郵便の寸法の範囲内に収まるように、上記折り畳まれたベースカードが小さな最終的な寸法を提供してもよい。上記ベースカードは、小売り時に掛け金を使って展示できるように吊り穴をさらに備えていてもよい。

図１ａに示すように、上記印刷済みベースカード２０は、分注用先端部１００と交差するミシン目９０によって規定される開封帯部８０を備えていてもよい。ミシン目９０にそって破るまたは切ることによって開封帯部８０を取り外すと、流体用容器３０は開封され、これにより製品物質７０が利用可能になる。

上記流体用容器３０は、印刷済みベースカード２０に恒久的に結合されている平面状タブ状延長部１１０をさらに備えていてもよい。図１ａに示すように、タブ状延長部１１０は、第１の積層遮断層４０および第２の積層遮断層５０から形成されている。分注用先端部１００は、タブ状延長部１１０の下側エッジ１１２と上側エッジ１１４との間に内包されている。タブ状延長部１１０は開封帯部８０の上に位置し、下側エッジ１１２と印刷済みベースカード２０のミシン目９０とが重ねられている。これにより、ベースカードをミシン目９０にそって破るまたは切ると、タブ状延長部１１０および開封帯部８０はどちらも取り外されることになり、製品物質７０が利用可能になる。

上記印刷済みベースカードは、流体用容器に対する再密閉可能または再封止可能な特徴的構造をさらに組み込んでいてもよい。例えば、図２に示すように、上記印刷済みベースカードは、分注用先端部１００と交差する２つのミシン目１２０および１３０を有する。第１のミシン目１２０は開封帯部８０を規定し、第２のミシン目１３０は折り畳フラップ１４０を規定する。一実施の形態では、この２つのミシン目間の距離が所望の任意の距離であってもよいが、少なくとも約１．２７ｃｍ（約0.5インチ）であることが好ましい。ベースカードは、少なくとも１つのロック用タブ１４５をさらに備えている。開封済み統合パッケージを使用していない時には、折り畳フラップ１４０は、第２のミシン目１３０にそって折り畳まれて、ロック用タブ１４５の下に挿入されてもよい。これにより、製品物質７０が収納部６０から放出されることを防止することができる。

〔ＩＩ．統合パッケージの製造方法〕
本発明の統合パッケージは、各種方法を用いて製造可能である。当該方法は、印刷済みベースカードを準備するステップと、流体用容器を形成するステップと、該流体用容器を印刷済みベースカードの一部に恒久的に結合するステップとの、各製造ステップを一般に含む。上記流体用容器は、第１の積層遮断層の一部を改良ドーム形状に形成し、該改良ドーム形状によって規定される容量中に物質を載置し、形成済みの第１の積層遮断層上に第２の積層遮断層を設置し、第１の積層遮断層と第２の積層遮断層とをそれぞれの周縁部で一体的に封止して、該製品物質を収納するための流体密封の収納部を形成することによって、一般に製作される。この方法では、統合パッケージに関する第Ｉ章で上述した各物質も使用してよい。

上記印刷済みベースカードは、流体用容器を製作する前に製作してもよいし、その後に製作してもよい。印刷済みベースカードは、流体用容器の製造に先立って製作されることが好ましい。

上述のように、上記ベースカードは、さまざまな基材、好ましくはさまざまなグレードの中実の漂白済み亜硫酸紙の厚紙または表紙用紙から製作されればよい。製品情報に関連する文字または図絵は、ベースカードの任意の表面上に任意の適切な方法を用いて印刷または別の態様で表示されてもよい。好ましい印刷方法としては、枚葉給紙オフセット法、ウェッブオフセット法、フレキソ印刷法、およびデジタル式画像形成法などがあげられるが、これらの例に限定されない。上記印刷済みベースカードの表面は、さらにＵＶ硬化重合コーティング、膜状積層物、またはその他のコーティングで被膜して、ベースカード素材に耐水性および改良された平置性を付与してもよい。

一実施の形態では、上記ベースカードは、さらに精密打抜き過程を経て、流体用容器のきれいな開封を促進する開封帯部を規定するミシン目、またはその他の切り取り線を形成する。

本発明の統合パッケージの流体用容器の製作には、任意の適切な方法を使用すればよい。上記流体用容器を製作するための各種ステップは、製造過程の各ステーションにおいて連続的に実施してもよい。上記流体用容器は、個別に製作されても、またはより好ましくは、複数個ずつ製作されてもよい。複数の流体用容器を製作する方法の例については後述する。

上記流体用容器の第１の積層遮断層４０は、製造過程の第１のステーションで常温成形されてもよい。常温成形プロセスでは、任意の適切な応力（例えば、流体圧力または減圧）を使用してよい。当該応力は加圧ガスであることが好ましい。

図３ａ〜図４ｃは、第１の積層遮断層において改良ドーム形状を形成するために使用可能な第１の製造ステーションにおけるアッセンブリーの一例を示す。図４ａに示すように、この第１の製造ステーションは、２つの対向面（すなわち、上側プラテン１５０および下側プラテン１６０）を有する高圧プラテンアッセンブリーを備えている。上側のプラテンおよび下側プラテンのうちの少なくとも一方が、鉛直方向に運動可能であることが好ましい。

下側プラテン１６０の上面は、一様なプロファイルを有する複数の表面仕上げ部１７０を備えている。各表面仕上げ部は空洞部１８０を有する。図３ａ〜図４ｃは、このような１つの表面仕上げ部１７０を示す。当該表面仕上げ部は、任意の適切な弾性を有する物質を用いて任意の適切な方法で製作されてもよい。好ましくは、表面仕上げ部は、ジュロメーターの値が約40〜約80の範囲にあり、厚さが約０．３１７５ｃｍ〜約０．６３５ｃｍ（約0.125インチ〜約0.250インチ）の範囲にあるシリコーンゴムを用いて製作される。このシリコーンゴム製表面仕上げ部は、下側プラテン表面仕上げ部として使用されても、さらに、耐圧性を有し機械加工可能な物質（例えば、ＭＤＦボード（medium density fiberboard））に積層または別の態様で結合されて、下側プラテン表面仕上げ部１７０を形成してもよい。下側プラテン表面仕上げ部１７０の厚さは、上記流体用容器の具体的なデザインに応じて調節可能である。例えば、当該厚さは、約０．３１７５ｃｍ〜約２．５４ｃｍ（約0.125インチ〜約1.0インチ）の範囲である。

上記下側プラテン表面仕上げ部１７０は、その中に複数の空洞部を形成するために、切削または別の機械加工を受けてもよい。図３ａ〜図４ｃは、このような１つの空洞部１８０を示す。空洞部１８０の平坦な形状によって、第１の積層遮断層の示す改良ドーム形状のベース部の形状が決定される。このベース部の形状としては、円形状、卵型形状、楕円形状、または角に丸みのある正方形もしくは矩形などがあげられるが、これらの例に限定されない。空洞部１８０の側壁１８２は、一般に下側プラテン１６０の平坦な表面に対して垂直な単純な切れ目であり、第１の積層遮断層の加工後の形状に接触しないので、研磨加工する必要がない。下側プラテン表面仕上げ部の空洞部は、従来の熱成形プロセスにおいてこの空洞部がない場合に使用される成形型の替わりとして機能する。

下側プラテン表面仕上げ部１７０の下面は、下側プラテン表面仕上げ部１７０と下側プラテン１６０の下面との間で空気の流動を抑制しやすいように作製されている。図３ａおよび図３ｂに示すように、各下側プラテン表面仕上げ部１７０は、１つ以上の風穴１９０を備えていてもよい。

図４ａに示すように、上側プラテン１５０には、下側プラテン表面仕上げ部１７０の各空洞部１８０に対応する空気供給チャンネル２００が設けられている。

好ましい製造プロセスは、断続的なウェッブの動きを利用する。第１の積層遮断層４０は前方に引かれ、平面状ウェッブとしての第１のステーションに水平に入る。第１の積層遮断層４０の外面４４は下を向いて下側プラテン１６０に嵌合し、内面４２は上側プラテン１５０に嵌合する。次に、上側プラテン１５０と下側プラテン１６０とが型締め力によって嵌合し、第１の積層遮断層４０が下側プラテン表面仕上げ部１７０の空洞部１８０の周縁部において固定される。

加圧ガス２１０が、空気供給チャンネル２００を介して上側プラテン１５０内に導入される。図４ｂに示すように、第１の積層遮断層４０の内面４２に印加される流体ガス圧が増加する（風穴１９０が下側プラテン表面仕上げ部１７０に設けられているので、いかなる対向する圧力も緩和または抑制される）と、空洞部１８０の側壁１８２の内側に位置する第１の積層遮断層４０の一部が、応力を受けて変形し始め、空洞部１８０の内側へ向かって膨らみ、改良ドーム形状を形成する。ガス圧は、対応する応力が熱可塑性二軸配向ポリマーの極限引張強度を超えないように制御される。したがって、このように変形しても元の熱可塑性二軸配向ポリマーの望ましい物性を大幅に変えることがなく、逆にポリマーの配向度を増加させる。

適切なガス圧は約６９ｋＰａ〜約９６５ｋＰａ（約10psi〜約140psi）の範囲にあり、好ましくは、約２７６ｋＰａ〜約６９０ｋＰａ（約40psi〜約100psi）の範囲である。このような圧力下では、熱可塑性二軸配向ポリマー層を備えた第１の積層遮断層は、破断点に到達する前に、通常約10％〜約25％の範囲の二軸伸長をさらに受ける可能性がある。

図４ｃでは、ガス圧が完全に印加されている。圧力所望のレベルに到達した後に、加圧ガス２１０はオフされて、圧力は解放される。その後、加工後の流体用容器のプロファイルがわずかに縮小することが起こり得るが、これは熱可塑性二軸配向ポリマーが部分的に弾性回復を示すからである。この部分的な回復は、最終的に得られるプロファイルに大きな影響を及ぼすものではない。

本プロセスによって形成された改良ドーム形状は、形状加工プロセスに先立って第１の積層遮断層が配置されている平面状のベース部から延びる大きな曲率半径を有する。最大絞り深さは、形状加工プロセスが実施される元の平面領域の幾何学的形状（すなわち、空洞部１８０の平面における形状）によって大きく影響される。したがって、第１の積層遮断層の加工後の形状は、平面状積層膜が内圧に対して応答した結果である。また、この加工後の形状は、製品物質および流体用容器に収納された周縁部の空気によってもたらされる内部の気体または流体の膨張によって使用時まで弾性的に維持され、構造的強度を付与するためにいかなる堅い鉛直の側壁を設置する必要もない。上記形状加工プロセスが実施されない第１の積層遮断層のその他の部分は、平面状のままである。

熱可塑性二軸配向ポリマーおよび加圧ガスを使用することによって、ポリマー鎖スリップ（polymer chain slip）を発生させつつ、応力を制御しながら再分散させることができ、発生すると膜を劣化させる、または最終的な破壊の原因になると考えられる機械的“ホットスポット”の発生を防止する。また、熱可塑性二軸配向ポリマーは引張り応力を受けた状態では伸長するので、それ以上の伸長に対する抵抗が強くなる。配向度の増加、およびさらなる伸長に対する抵抗も、本質的に二軸性である。この結果、応力を受けたポリマーは引張りひずみを一様に再分散させ、この再分散が行われなければ発生すると考えられるポリマーの薄化を防止する。二軸配向性ＰＥＴは流れ方向および幅方向について略等しい機械的特性値を有するため、好ましい二軸配向ポリマーである。下側プラテン表面仕上げ部上において弾性ゴムを使用することによっても、空洞部１８０の周縁部において、発生すれば応力による破壊を引き起こす可能性がある機械的ホットスポットまたは応力点の発生が防止される。本プロセスは、例えば形状加工プロセスにおいてよく使用される伸長法に関連する屈曲、皺形成、または、破裂などの、複合的な問題および品質問題を、一般に解決する。

上述のように、薄膜規格金属層（例えばアルミニウム層）も、第１の積層遮断層に組み込んでよい。熱可塑性二軸配向ポリマーがアルミニウム層と同じ積層遮断層中に存在することによって、応力が形状加工プロセス時に分散され、金属の伸長が破壊点に達するまで局在化しないように防止されるので、形状加工プロセス時に上記規格金属（gage metal）のひび割れまたは引張り破壊も防止される。

上記以外の適した方法を使用して第１の積層遮断層に圧力を印加し、改良ドーム形状を形成してもよい。

上記加工に続いて上側プラテン１５０が持ち上げられ、加工済み第１の積層遮断層４０が製造過程の第２のステーションに送られて、そこで製品物質７０が充填される。例えば、製品物質７０は計測され、各改良ドーム形状によって定義された容量（空間）に直接取り付けられている流体ノズルから放出されてもよい。計測および注入は、断続的なウェッブの動きを停止して行ってもよく、さまざまな適切な注入および計測システムを使用して達成されてもよい。分注された製品物質は、好ましくは、形成された改良ドーム形状の容量をほぼ満たす。該製品物質のレベリングは不要であり、粘性が比較的高い製品物質は第１の積層遮断層４０の内面４２の平面の上方に一時的に滞留してもよい。また、形成された改良ドーム形状中に製品物質を分注することによって、こうしなければ、好ましい断続的なウェッブの動きを発生させるプロセスに関連する運動量に起因して発生する製品物質の望ましくない外向きの広がりが防止され得る。

次の製造ステーションでは、平面状の第２の積層遮断層５０が、第１の積層遮断層４０の内面４２上に設けられる。第２の積層遮断層５０は、内面５２上に圧力に対して感度を有する接着剤を備えていることが好ましい。なお、この接着剤は、シリコーンコーティングを有する使い捨て型剥離ライナー（図示せず）で被覆および保護されている。次に、第１の積層遮断層４０および第２の積層遮断層５０にインデックスをつけ、前方へ加熱プラテンまで移動させ、ここで当該２つの層はそれぞれの周縁部で一体的に封止され、流体密封の収納部６０を形成する。製品物質７０は、熱封止プロセスに先立って、または熱封止プロセスの間に、収納部６０において、第２の積層遮断層５０の平面状の内面５２によって自動的に平滑化および再分散される。好適な実施の形態では、分注用先端部１００が、加熱された上側プラテンの下面に機械加工によって形成された単純な凸部を利用して形成される。残りの封止は、第１の積層遮断層の平面状の部分だけが封止され、改良ドーム形状が攪乱されないような様態で実施される。

次に、封止済みの第１の積層遮断層および第２の積層遮断層が精密打抜き過程を経て、個々の流体用容器が形成される。好ましい方法では、第１の積層遮断層および第２の積層遮断層は、剥離ライナー（例えば、シリコーンコーティングを有する使い捨て型剥離ライナー）に対して、全面に広げられ（full bleed）圧力に対して感度を有する恒久型接着剤（例えば、圧力に対して感度を有するアクリル系恒久型接着剤）とともにキスカッティング（kiss cut）される。個々の流体用容器は、上記シリコーンコーティングを有する使い捨て型剥離ライナー上に所定のパターンで取り付けられている。流体用容器は、封止時には一般に可撓性を有していない。

次に、流体用容器は印刷済みベースカードに恒久的に結合される。このステップは、任意の適切な方法によって実施されればよい。好適な実施の形態では、上記シリコーンコーティングを有する使い捨て型剥離ライナーが取り除かれ、第２の積層遮断層が、全面に広げられ（full bleed）圧力に対して感度を有するアクリル系恒久型接着剤によってベースカードに結合される。

本発明の統合パッケージは、一回の使用または複数回の使用のための製品として使用されても、またサンプリングパッケージとして使用されてもよい。消費者は、例えば開封帯部をベースカードのミシン目にそって破り取ることによって、流体用容器を開封してもよい。そして、製品物質は、第１の積層遮断層の外面に圧力を穏やかに印加することによって分注されてもよい。ミシン目が流体用容器の明瞭な開口点を提供するので、製品物質は制御されながら分注される。流体用容器を開封する別の方法としては、開封帯や剥ぎ取りタブ、または、例えばレーザを用いた両積層遮断層のいずれか一方または両方における折り目の形成、さらに剥ぎ取りヘッダ、または破砕もしくは剥ぎ取り可能な周縁封止などがあげられるが、これらの例に限定されない。また、流体用容器は印刷済みベースカードに恒久的に結合されているので、ベースカードに印刷されたいかなる販売情報または製品情報も、使用時に容易に判読可能である。

ここに記載した説明は例示を目的とするものであって、限定を加えることを目的としない。本記載の本実施の形態に変更および修正を加えてもよく、さらにこのような変更および修正を加えても本発明の技術的範囲を逸脱しない。また、上述において引用した参考文献は、本開示に関連するすべての目的のために、全てここに組み込まれる。

Claims (4)

1. 印刷済みベースカードと流体用容器とを備えた統合パッケージを製造する方法であって、
   （ａ）印刷済みベースカードを準備し、
   （ｂ）（ｉ）上記流体用容器の、熱可塑性二軸配向ポリマーの少なくとも１つの層および平面状である部分を含む第１の積層遮断層の一部を、該第１の積層遮断層の二軸伸長によって所定の容量を有する改良ドーム形状になるように形成し、（ｉｉ）当該所定の容量が製品物質によって略充填されるように、当該製品物質を第１の積層遮断層上に載置し、（ｉｉｉ）平面状である上記流体用容器の第２の積層遮断層を当該第１の積層遮断層上に設置し、（ｉｖ）上記製品物質を収納するための流体密封の収納部を形成するように、上記第１の積層遮断層と第２の積層遮断層とをそれぞれの周縁部で一体的に封止することによって上記流体用容器を形成し、
   （ｃ）上記流体用容器の第２の積層遮断層を上記印刷済みベースカードの一部に恒久的に結合することを含み、
   上記流体用容器は、分注用先端部を備えており、
   上記ベースカードを打ち抜いて、上記分注用先端部と交差する第１ミシン目によって規定される開封帯部を形成することをさらに含むことを特徴とする方法。
2. 上記第１の積層遮断層と第２の積層遮断層とをそれぞれの周縁部で一体的に封止し、上記流体を密封する収納部および平面状タブ状延長部を形成し、
   当該平面状タブ状延長部に上記分注用先端部を収納し、
   当該平面状タブ状延長部を開封帯部の上に配置することを特徴とする請求項１に記載の方法。
3. 上記ベースカードは、上記分注用先端部と交差する第２ミシン目を含み、該第２ミシン目は折り畳フラップを規定することを特徴とする、請求項１に記載の方法。
4. 上記ベースカードは、上記折り畳フラップが下に挿入される１以上のロック用タブを含むことを特徴とする、請求項３に記載の方法。

Images