JP5974825B2 - 低発塵性粉末樹脂混合物の製造方法および成形品の製造方法 - Google Patents

低発塵性粉末樹脂混合物の製造方法および成形品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5974825B2
JP5974825B2 JP2012236736A JP2012236736A JP5974825B2 JP 5974825 B2 JP5974825 B2 JP 5974825B2 JP 2012236736 A JP2012236736 A JP 2012236736A JP 2012236736 A JP2012236736 A JP 2012236736A JP 5974825 B2 JP5974825 B2 JP 5974825B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
powder
dust generation
low
resin mixture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012236736A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014084445A (ja
Inventor
正彦 舟橋
正彦 舟橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2012236736A priority Critical patent/JP5974825B2/ja
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to AU2013228940A priority patent/AU2013228940B2/en
Priority to MYPI2014002451A priority patent/MY166338A/en
Priority to CN201510766137.2A priority patent/CN105419219B/zh
Priority to CN201380012534.XA priority patent/CN104144985B/zh
Priority to PCT/JP2013/000799 priority patent/WO2013132754A1/ja
Priority to MX2014010703A priority patent/MX349012B/es
Priority to IN6907DEN2014 priority patent/IN2014DN06907A/en
Priority to US14/379,672 priority patent/US9303139B2/en
Priority to ES13757186.5T priority patent/ES2643506T3/es
Priority to EP13757186.5A priority patent/EP2824146B1/en
Priority to KR1020147027838A priority patent/KR101656593B1/ko
Priority to TW105129772A priority patent/TWI623571B/zh
Priority to TW102105970A priority patent/TWI572654B/zh
Publication of JP2014084445A publication Critical patent/JP2014084445A/ja
Priority to US14/936,272 priority patent/US20160060424A1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP5974825B2 publication Critical patent/JP5974825B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)

Description

本発明は、低発塵性粉末樹脂混合物の製造方法および成形品の製造方法に関する。
微粉体あるいは粉体の低発塵化方法として、以下のものがある。
特許文献1には、消石灰、ドロマイト、炭酸カルシウム、セメント、石膏、スラグおよび水酸化マグネシウム等の作業時に粉塵として飛散しやすい微粉体の低発塵化処理方法が記載されている。具体的には、微粉体に対して分岐ポリエチレンイミン溶液を混合することで、微粉体の低発塵化を試みている。
特許文献2には、消石灰、軽焼ドロマイト、セメント、石膏、スラグ、コークス粉および珪藻土等の、水が加えられることによって性質が変化してしまうような粉体の低発塵化方法が記載されている。具体的には、溶媒として有機溶媒を用いている分岐ポリエチレンイミン溶液を、粉体と混合することで粉体の低発塵化を試みている。
特許文献1−2に記載されているように、粉体状の低分子化合物の発塵性を抑制する方法はある。しかしながら、例えば、熱硬化性樹脂のように粉末状の高分子化合物の発塵性を抑制する方法はこれまでになかった。
これら高分子化合物の中でも熱硬化性樹脂は、それ自体の極性が高く、一般的に滑剤として用いられる化合物とは混ざりにくいことが知られている。
特開平10−226780号公報 特開平11−80712号公報 特開2011−214002号公報
熱硬化性樹脂は、通常使用する際、粉末の状態で使用する。このとき粉末状であるが故、熱硬化性樹脂は発塵してしまい周囲に拡散しやすいという問題点がある。使用時に熱硬化性樹脂が発塵してしまった場合、作業空間に樹脂が散布され、例えば、作業空間が汚染される、作業装置に粉末樹脂が混入する、他の試薬類に混入する等といったことが生じる場合があった。
本発明者は、上記問題点を解消するため、熱硬化性樹脂に対し流動パラフィンを添加することによって粉末状の樹脂組成物の発塵を抑制できることを見いだし、本発明に到達した。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、使用時の発塵性が抑制された粉末樹脂混合物を提供するものである。
本発明によれば、熱硬化性樹脂および流動パラフィンを含む低発塵性粉末を準備する工程と、
前記低発塵性粉末と、充填材をドライミックスして低発塵性粉末樹脂混合物を得る工程と、
を含む低発塵性粉末樹脂混合物の製造方法が提供される。
従来、流動パラフィンは、熱可塑性樹脂を加熱成形する際、樹脂の流動性や離型性を向上させる滑剤として添加される。
ここで流動性とは、加熱溶融時に圧力を加えた際の樹脂の挙動を示す指標である。このため滑剤は、一般的に、加熱することによって樹脂の流動性が著しく低下する熱硬化性樹脂に対して添加しないことが知られている。
ここで成形前の熱硬化性樹脂に対し、流動パラフィンを混合することによって、熱硬化性樹脂の発塵性を抑制することができる。その理由は必ずしも明らかではないが、以下のように考えられる。熱硬化性樹脂に流動パラフィンを添加した際、静電気が発生する。これによって、各微粒子の間に静電引力が働き、微粒子が舞い上がることを抑制できるものと考えられる。
また、熱硬化性樹脂はフェノール樹脂またはエポキシ樹脂であることが好ましく、流動パラフィンは、脂環式成分を含んでいることが好ましい。こうすることで、樹脂と流動パラフィンは均一に混合しやすくなる。
さらに本発明によれば、上記低発塵性粉末樹脂混合物の製造方法により得られた低発塵性粉末樹脂混合物から成形品を得る工程を含む、成形品の製造方法が提供される。
本発明によれば、使用時の発塵性が抑制された粉末樹脂混合物が提供される。
本実施形態に係る低発塵性粉末樹脂混合物の製造方法は、熱硬化性樹脂および流動パラフィンを含む低発塵性粉末を準備する工程と、低発塵性粉末と、充填材をドライミックスして低発塵性粉末樹脂混合物を得る工程と、を含むものである。
(低発塵性粉末)
本実施形態に係る低発塵性粉末は、当該低発塵性粉末中に熱硬化性樹脂と流動パラフィンを含むものである。こうすることにより、発塵性の抑制具合がより優れた低発塵性粉末を提供することができる。その理由は必ずしも明らかではないが、以下のように考えられる。熱硬化性樹脂に流動パラフィンを添加した際、静電気が発生する。静電気が発生した事に伴い、粉末の帯電量は向上する。すなわち、粉末を形成している各微粒子間に電荷による静電引力が働く。この力によって、粉末を使用する時に発生する各微粒子の舞いあがりが抑制され、発塵性も抑制されるものと考えられる。
本実施形態に係る低発塵性粉末の平均粒径d50は、1μm以上500μm以下であることが好ましく、5μm以上100μm以下であるとさらに好ましい。低発塵性粉末の平均粒径がこの範囲にあることによって、使用時の発塵性の抑制具合をより優れたものとすることができる。
また、製造された低発塵性粉末は、特に限定されないが、例えば、以下に説明する方法を用いて使用される。
まず、低発塵性粉末を各種充填材と、ドライミックスする。ここで、ドライミックスとは、低発塵性粉末と充填剤とを、それぞれ溶融することなく混合することを示している。また、低発塵性粉末を各種充填材とドライミックスする際に、それぞれの成分を加熱してもよいが、いずれかを溶融させて混練する加熱混練のような形態は、用いない。
このように、本実施形態に係る低発塵性粉末を用いることで、粉末が周囲に拡散して発塵することを抑制させることができるため、従来生じていた作業空間が汚染される、作業装置に粉末樹脂が混入する、他の試薬類に混入する等といったことを防ぐことができる。
ここで、上記各種充填剤とは、特に限定されないが、例えば、砥粒、無機充填材、有機充填材、珪砂、硬化剤、カップリング剤、ゴム、基材、溶剤、顔料、繊維、界面活性剤、凝集剤、毛材料、発泡剤、ガラス、骨材、カーボン、酸等が挙げられる。
その後、ドライミックスして得られた低発塵性粉末樹脂混合物は、特に限定されないが、例えば、加熱混練する、溶融成形する、熱間成形する、熱間施工する、基材に塗布する、その他の製造原料に定着させる、基材を含浸させる等の種々の方法で使用される。こうすることで、本実施形態に係る低発塵性粉末を含む成形品を得ることができる。
また、低発塵性粉末樹脂混合物は、以下に述べる各種製造品を得るための樹脂材料、あるいは成形材料として上記方法で使用される。低発塵性粉末樹脂混合物は、例えば、(1)一般研削砥石、重研削砥石、切断砥石、オフセット砥石、ガラスクロス処理用、ダイヤモンド砥石等の砥石を得るための樹脂材料、(2)研磨布、研磨紙、ディスクサンドペーパー、研磨バブ等の研磨布紙を得るための樹脂材料、(3)シェルモールド法(コールドコート、セミホットコート、ドライホットコート)、有機自硬性(コールドボックス、フェノールウレタン、フェノール酸硬化、リノキュア、フラン、有機酸エステル)、ホットボックス、シェル接着剤、塗型材等の鋳物を得るための樹脂材料、(4)ブレーキライニング、クラッチフェーシング、ディスクパッド、ペーパークラッチフェーシング、制輪子等の摩擦材を得るための樹脂材料、(5)ゴム補強、ホットメルト接着剤、粘着テープ、ゴム系接着剤配合、ゴムラテックス配合、タッキファイヤー、感圧接着剤、金属接着剤配合、ゴム加硫、シーリング材等のゴムを得るための樹脂材料、(6)コンデンサー被覆、絶縁ワニス等の電気絶縁材を得るための樹脂材料、(7)塗料用ベース、油変性塗料、家具用塗料、金属缶用塗料、印刷インキ、オフセット印刷、染色助剤、フォトレジスト等の塗料・印刷インキを得るための樹脂材料、(8)フェルト、フェノール発泡、木粉成形、フェノール樹脂繊維、ハードボード、パーティクルボード、強化木、インシュレーションボード等の有機材料を得るための樹脂材料、(9)ビーター添加、バッテリーセパレーター、エアーフィルター、オイルフィルター等のパルプ含浸製品を得るための樹脂材料、(10)ガラス繊維製品(マット、保温筒)、ロックウール・スラグウール製品、釣竿等の無機繊維結合品を得るための樹脂材料、(11)不定形材(マッド材、吹付材、スタンプ材、投げ込み材、圧入材、キャスタブル)、定形材(塩基性不焼成、炭珪焼成、スライディングノズル、浸漬ノズル)、押湯保温材、タンディッシュボード、骨材一次結合材、坩堝等の耐火物製品を得るための樹脂材料、(12)合板(特類)、集成材、パネル接着剤等の木工接着剤を得るための樹脂材料、(13)不滲透性炭素製品、炭素質シーリング材、電刷子、摺動材、活性炭、耐食目地剤、エポキシ樹脂硬化剤、注型、フェノールFRP等のその他の製品を得るための樹脂材料として用いられる。
(熱硬化性樹脂)
本実施形態に係る低発塵性粉末に含まれる熱硬化性樹脂は、特に制限されるものではないが、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、オキセタン樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、またはマレイミド樹脂等が用いられる。また、これらを単独または2種類以上組み合わせて使用することもできる。これらの中でも、フェノール樹脂またはエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
フェノール樹脂またはエポキシ樹脂を用いた場合、流動パラフィンとの混合が均一になりやすい。このため、使用時の発塵性の抑制具合がより優れたものとなる。
本実施形態におけるフェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを、アルカリ性、または、酸性触媒の存在下で反応させて得られるものであり、芳香族環に少なくとも1つ以上のフェノール性水酸基を有している。
例えば、フェノール樹脂、クレゾール樹脂、レゾルシン樹脂、キシレノール樹脂、ナフトール樹脂、ビスフェノールA樹脂、アラルキルフェノール樹脂、ビフェニルアラルキルフェノール樹脂、およびフェノール性水酸基を有するカシューナッツ油などによる変性フェノール樹脂などが挙げられる。また、フェノール性水酸基を有する物質を含む、キシレン変性フェノール樹脂、およびフェノール類とロジン、テルペン油などで変性した油変性フェノール樹脂、ゴムで変性したゴム変性フェノール樹脂などの各種変性フェノール樹脂なども使用することができる。
上記フェノール樹脂を得るために用いるフェノール類としては、芳香族環にフェノール性水酸基を有するものが好ましく、さらにはフェノール性水酸基以外の置換基を有していてもかまわない。例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾールなどのクレゾール、混合クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノールなどのキシレノール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノールなどのエチルフェノール、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノールなどのブチルフェノール、p−tert−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−クミルフェノールなどのアルキルフェノール、フルオロフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、ヨードフェノールなどのハロゲン化フェノール、p−フェニルフェノール、アミノフェノール、ニトロフェノール、ジニトロフェノール、トリニトロフェノールなどの1価フェノール置換体、および1−ナフトール、2−ナフトールなどの1価のナフトール、レゾルシン、アルキルレゾルシン、ピロガロール、カテコール、アルキルカテコール、ハイドロキノン、アルキルハイドロキノン、フロログルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールE、ビスフェノールS、ジヒドロキシナフタリンなどの多価フェノール類、フェノール性水酸基を有する物質より構成されるカシューナッツ油、などが挙げられる。これらを単独または2種類以上組み合わせて使用することができる。また、これらフェノール性水酸基を有するフェノール類と他のフェノール性水酸基を含有しない物質との共重合体を使用してもかまわない。これにより、分子中に少なくとも1つ以上のフェノール性水酸基を有するフェノール樹脂を得ることができる。
また、上記フェノール樹脂を得るために用いるアルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキザール、n−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、サリチルアルデヒド、パラキシレンジメチルエーテルなどが挙げられる。これらを単独または2種類以上組み合わせて使用することもできる。
上記フェノール類とアルデヒド類とを反応させる方法としては、特に限定されず、公知の方法を採用することができる。
上記フェノール樹脂を得る場合の触媒としては、特に限定されず、酸触媒、塩基触媒、遷移金属塩触媒などが挙げられる。酸触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸類などの無機酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸、有機ホスホン酸などの有機酸を用いることができる。また、塩基触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属水酸化物、アンモニア、アルキルアミンなどのアミン類などを用いることができる。さらに遷移金属塩触媒としては、例えば、シュウ酸亜鉛、酢酸亜鉛などが挙げられる。
また、エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン、ジアミノジフェニルメタン型グリシジルアミン、アミノフェノール型グリシジルアミンのような芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂;ハイドロキノン型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;スチルベン型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂;トリフェノールプロパン型エポキシ樹脂;アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂;トリアジン核含有エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂;ナフトール型エポキシ樹脂;ナフタレン型エポキシ樹脂;ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂;フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等のアラルキル型エポキシ樹脂、またはビニルシクロヘキセンジオキシド、ジシクロペンタジエンオキシド、アリサイクリックジエポキシ−アジペイド等の脂環式エポキシ等の脂肪族エポキシ樹脂が挙げられる。これらは単独でも2種以上混合して使用しても良い。
これら熱硬化性樹脂は、使用時に、硬化剤、無機充填剤、硬化促進剤、カップリング剤、無機難燃剤等のその他の成分を含有させても良い。こうすることにより、低発塵性粉末樹脂混合物に求められる特性の違いによって、種々の使用方法に適した低発塵性粉末を、適宜調製することが可能となる。
(流動パラフィン)
本実施形態に係る低発塵性粉末に含まれる流動パラフィンは、特に制限されるものではないが、脂環式成分を含むことが好ましい。脂環式成分を含む流動パラフィンは、熱硬化性樹脂と均一に混合しやすく、使用時の発塵性の抑制具合がより優れたものとすることができる。
なお、流動パラフィンは、特許文献3に記載されているように、熱可塑性樹脂と組み合わせて滑剤として使用される例は知られていた。しかし、流動パラフィンは熱硬化性樹脂と組み合わせて使用することは行われていない。
(低発塵性粉末の製造方法)
本実施形態に係る低発塵性粉末は、熱硬化性樹脂と流動パラフィンを混合することにより製造される。
以下、本実施形態に係る製造方法について詳細に説明する。
本実施形態に係る低発塵性粉末は、たとえば、以下の方法で製造される。
まず、熱硬化性樹脂に対し、流動パラフィンを混合する。具体的な混合方法としては、溶融した熱硬化性樹脂に対し、流動パラフィンを添加して撹拌混合する方法を用いる。こうすることで、得られる低発塵性粉末中に流動パラフィンを微分散させることができる。
また、熱硬化性樹脂と流動パラフィンの混合温度は80℃以上250℃以下であることが好ましい。この温度範囲で混合することによって、熱硬化性樹脂と流動パラフィンは、均一に混合されやすくなる。
熱硬化性樹脂と流動パラフィンを混合する際、できる限りこれら成分を均一に混合することで、使用時の発塵性の抑制具合を優れたものとすることができる。
また、添加する流動パラフィンは、熱硬化性樹脂の総重量に対し、0.05重量%以上2重量%以下を添加することが好ましく、0.1重量%以上1重量%以下を添加するとさらに好ましい。流動パラフィンの添加量がこの範囲にあることで、製造された低発塵性粉末を使用する際の発塵性の抑制具合をより優れたものとすることができる。
次に、得られた熱硬化性樹脂と流動パラフィンの混合物を粉砕することで、本実施形態に係る低発塵性粉末を得る。
なお、粉砕され粉末状となった樹脂組成物は粒子径がバラバラであるが、篩を用いて粒子径を揃えることによって、均一な静電相互作用を引き起こすことが可能である。このように粒子径を揃えることで、低発塵性粉末を使用する際の発塵性の抑制具合をより優れたものとすることができる。なお、粒子径の好ましい範囲は、上記で述べた通りである。
[実施例]
(1)低発塵性粉末の製造
まず、3Lの円筒型セパラブルフラスコ中にフェノール樹脂(住友ベークライト社製スミライトレジン(登録商標)PR−50731)を1000重量部入れ200℃に昇温して融解した。なお、ここで使用する円筒型セパラブルフラスコは、撹拌装置、還流冷却器および温度計を備えたものを使用する。
次に、溶融したフェノール樹脂の総重量に対して、流動パラフィン(MORESCO社製モレスコホワイトP−350P)を2重量部添加して200℃で撹拌混合した。
次に、溶融混合した樹脂をステンレス製バットに取り出し25℃(室温)で冷却し固形樹脂を得た。そして、得られた固形樹脂を、平均粒径30μmになるまでボールミルで粉砕し、粉末を作製した。
(2)評価方法および結果
作製した粉末を100ccプラスチックカップで一杯分量り取り、25℃で地上1mから落下させた。このように作製した粉末を落下させても、発塵はほぼ発生しなかった。
[比較例]
実施例の粉末の製造において、流動パラフィンを添加せずに比較例の粉末を作製した。なお、評価は実施例と同様の方法で行った。
この結果、作製した粉末は、激しく発塵した。
このように、熱硬化性樹脂に対し流動パラフィンを混合することで、従来の熱硬化性樹脂と比較して、使用時の発塵性の抑制具合が優れた粉末を得ることができる。
そして、得られた粉末に対して、充填材をドライミックスすることで樹脂混合物を得た。このとき、実施例で得られた粉末は、充填剤とドライミックスする際に、発塵はほぼ発生しなかった。一方、比較例で得られた粉末樹脂組成物は、激しく発塵した。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、参考形態の例を付記する。
1.熱硬化性樹脂および流動パラフィンを含む低発塵性粉末を準備する工程と、
前記低発塵性粉末と、充填材をドライミックスして低発塵性粉末樹脂混合物を得る工程と、
を含む低発塵性粉末樹脂混合物の製造方法。
2.前記熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂またはエポキシ樹脂である1.に記載の低発塵性粉末樹脂混合物の製造方法。
3.前記流動パラフィンが、脂環式成分を含んでいる1.または2.に記載の低発塵性粉末樹脂混合物の製造方法。
4.低発塵性粉末を準備する前記工程において、前記熱硬化性樹脂の総重量に対し、0.05重量%以上2重量%以下の前記流動パラフィンを添加する1.乃至3.のいずれか一つに記載の低発塵性粉末樹脂混合物の製造方法。
5.1.に記載の低発塵性粉末樹脂混合物の製造方法において用いられる低発塵性粉末であって、
熱硬化性樹脂と、
流動パラフィンと、
を含む低発塵性粉末。
6.前記熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂またはエポキシ樹脂である5.に記載の低発塵性粉末。
7.前記流動パラフィンが、脂環式成分を含んでいる5.または6.に記載の低発塵性粉末。
8.前記熱硬化性樹脂の総重量に対し、0.05重量%以上2重量%以下の前記流動パラフィンを含む5.乃至7.のいずれか一つに記載の低発塵性粉末。
9.溶融した熱硬化性樹脂に流動パラフィンを添加することにより、発塵量を低減させる、樹脂の低発塵化方法。
10.前記熱硬化性樹脂の総重量に対し、0.05重量%以上2重量%以下の前記流動パラフィンを添加する9.に記載の樹脂の低発塵化方法。
11.1.乃至4.のいずれか一つに記載の低発塵性粉末樹脂混合物の製造方法により得られた低発塵性粉末樹脂混合物から成形品を得る工程を含む、成形品の製造方法。
12.成形品を得る前記工程において、前記低発塵性粉末樹脂混合物を加熱混練する、11.に記載の成形品の製造方法。
13.成形品を得る前記工程において、前記低発塵性粉末樹脂混合物を溶融成形する、11.に記載の成形品の製造方法。
14.成形品を得る前記工程において、前記低発塵性粉末樹脂混合物を基材に塗布する、11.に記載の成形品の製造方法。

Claims (8)

  1. 熱硬化性樹脂および流動パラフィンを含む低発塵性粉末を準備する工程と、
    前記低発塵性粉末と、充填材をドライミックスして低発塵性粉末樹脂混合物を得る工程と、
    を含む低発塵性粉末樹脂混合物の製造方法。
  2. 前記熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂またはエポキシ樹脂である請求項1に記載の低発塵性粉末樹脂混合物の製造方法。
  3. 前記流動パラフィンが、脂環式成分を含んでいる請求項1または2に記載の低発塵性粉末樹脂混合物の製造方法。
  4. 低発塵性粉末を準備する前記工程において、前記熱硬化性樹脂の総重量に対し、0.05重量%以上2重量%以下の前記流動パラフィンを添加する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の低発塵性粉末樹脂混合物の製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の低発塵性粉末樹脂混合物の製造方法により得られた低発塵性粉末樹脂混合物から成形品を得る工程を含む、成形品の製造方法。
  6. 成形品を得る前記工程において、前記低発塵性粉末樹脂混合物を加熱混練する、請求項に記載の成形品の製造方法。
  7. 成形品を得る前記工程において、前記低発塵性粉末樹脂混合物を溶融成形する、請求項に記載の成形品の製造方法。
  8. 成形品を得る前記工程において、前記低発塵性粉末樹脂混合物を基材に塗布する、請求項に記載の成形品の製造方法。
JP2012236736A 2012-03-07 2012-10-26 低発塵性粉末樹脂混合物の製造方法および成形品の製造方法 Active JP5974825B2 (ja)

Priority Applications (15)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012236736A JP5974825B2 (ja) 2012-10-26 2012-10-26 低発塵性粉末樹脂混合物の製造方法および成形品の製造方法
EP13757186.5A EP2824146B1 (en) 2012-03-07 2013-02-14 Method for producing resin molded article, and resin molded article so produced
CN201510766137.2A CN105419219B (zh) 2012-03-07 2013-02-14 低发尘性树脂粉末
CN201380012534.XA CN104144985B (zh) 2012-03-07 2013-02-14 树脂成型品的制造方法、树脂组合物的制造方法、树脂成型品、树脂组合物、低发尘性树脂粉末以及树脂的低发尘化方法
PCT/JP2013/000799 WO2013132754A1 (ja) 2012-03-07 2013-02-14 樹脂成形品の製造方法、樹脂組成物の製造方法、樹脂成形品、樹脂組成物、低発塵性樹脂粉末および樹脂の低発塵化方法
MX2014010703A MX349012B (es) 2012-03-07 2013-02-14 Metodo para producir articulos de resina moldeados, metodo para producir la composicion de resina, articulo de resina moldeado composicion de resina, polvo de resina con baja emision de polvo, y metodo para obtener la resina con baja emision de polvo.
IN6907DEN2014 IN2014DN06907A (ja) 2012-03-07 2013-02-14
US14/379,672 US9303139B2 (en) 2012-03-07 2013-02-14 Method of manufacturing resin molded article, method of manufacturing resin composition, resin molded article, resin composition, resin powder having low dust generation property, and method of reducing dust generation of resin
AU2013228940A AU2013228940B2 (en) 2012-03-07 2013-02-14 Method of manufacturing resin molded article, method of manufacturing resin composition, resin molded article, resin composition, resin powder having low dust generation property, and method of reducing dust generation of resin
MYPI2014002451A MY166338A (en) 2012-03-07 2013-02-14 Method of manufacturing resin molded article, method of manufacturing resin composition, resin molded article, resin composition, resin powder having low dust generation property, and method of reducing dust generation of resin
KR1020147027838A KR101656593B1 (ko) 2012-03-07 2013-02-14 수지 성형품의 제조 방법, 수지 조성물의 제조 방법, 수지 성형품, 수지 조성물, 저발진성 수지 분말 및 수지의 저발진화 방법
ES13757186.5T ES2643506T3 (es) 2012-03-07 2013-02-14 Método para producir un artículo de resina moldeado, y artículo moldeado de resina producido de este modo
TW105129772A TWI623571B (zh) 2012-03-07 2013-02-21 樹脂成形品之製造方法、樹脂組成物之製造方法、樹脂成形品、樹脂組成物、低起塵性樹脂粉末及樹脂之低起塵化方法
TW102105970A TWI572654B (zh) 2012-03-07 2013-02-21 樹脂成形品之製造方法、樹脂組成物之製造方法、樹脂成形品、樹脂組成物、低起塵性樹脂粉末及樹脂之低起塵化方法
US14/936,272 US20160060424A1 (en) 2012-03-07 2015-11-09 Method of manufacturing resin molded article, method of manufacturing resin composition, resin molded article, resin composition, resin powder having low dust generation property, and method of reducing dust generation of resin

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012236736A JP5974825B2 (ja) 2012-10-26 2012-10-26 低発塵性粉末樹脂混合物の製造方法および成形品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014084445A JP2014084445A (ja) 2014-05-12
JP5974825B2 true JP5974825B2 (ja) 2016-08-23

Family

ID=50787823

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012236736A Active JP5974825B2 (ja) 2012-03-07 2012-10-26 低発塵性粉末樹脂混合物の製造方法および成形品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5974825B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54122346A (en) * 1978-03-16 1979-09-21 Toshiba Chem Corp Low-dusting, low-hygroscopic filler
JPH01271452A (ja) * 1988-04-22 1989-10-30 Asahi Chem Ind Co Ltd 動的加硫した変性水添ブロック共重合体組成物
JP2754344B2 (ja) * 1994-08-22 1998-05-20 竹本油脂株式会社 セルフレベリング性床施工用非水性組成物
JP3608537B2 (ja) * 2001-08-17 2005-01-12 富士ゼロックス株式会社 皮膚外用組成物用樹脂粉体、これを用いた皮膚洗浄料及び化粧料並びに皮膚外用組成物用樹脂粉体の製造方法
JP2004277586A (ja) * 2003-03-17 2004-10-07 Sumitomo Bakelite Co Ltd 熱硬化性樹脂成形材料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014084445A (ja) 2014-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6259770B2 (ja) 樹脂組成物及びそれを用いて得られる、炭素繊維強化複合材料の前駆体、炭素繊維強化複合材料並びに炭素繊維強化炭素材料
JPWO2016159218A1 (ja) レゾール型変性フェノール樹脂組成物、その製造方法および接着剤
JP5974825B2 (ja) 低発塵性粉末樹脂混合物の製造方法および成形品の製造方法
JP6211282B2 (ja) 樹脂組成物、摩擦材及びそれらの製造方法
TWI623571B (zh) 樹脂成形品之製造方法、樹脂組成物之製造方法、樹脂成形品、樹脂組成物、低起塵性樹脂粉末及樹脂之低起塵化方法
JP5678939B2 (ja) 低発塵性粉末の製造方法および低発塵性樹脂混合物の製造方法、低発塵性粉末
JP5105013B1 (ja) 低発塵性樹脂混合物の製造方法、低発塵性粉末樹脂組成物、および樹脂の低発塵化方法
JP2007126600A (ja) 充填材及びそれを含む摩擦材用フェノール樹脂組成物と、その製造方法
WO2019202914A1 (ja) チタン酸塩変性フェノール樹脂組成物の製造方法、チタン酸塩変性フェノール樹脂組成物、摩擦材用フェノール樹脂組成物および摩擦材
JP7131713B2 (ja) 摩擦材用フェノール樹脂組成物
JP2010242002A (ja) 摩擦調整材及び摩擦材
JP2020083937A (ja) フェノール樹脂組成物の製造方法
JP2020083938A (ja) フェノール樹脂組成物
JP2022142217A (ja) 易破壊性材料用樹脂組成物および易破壊性材料
JP2005120122A (ja) 摺動材用組成物及び摺動材
JP2018154727A (ja) フェノール樹脂組成物及びその製造方法
JP2006089510A (ja) 摩擦材用フェノール樹脂組成物及びその製造方法
JPH0438791B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150818

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160412

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160531

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160621

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160704

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Ref document number: 5974825

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150